WO2017130651A1 - ブーム変位装置及びブームスプレーヤ - Google Patents

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Abstract

車体(91)に変位自在に支持されるブーム(4)を車体(91)に対して上下方向またはロール方向に変位させるブーム変位装置(40,140)のコントローラ(70)は、ブーム(4)を変位させるために液圧シリンダ(41,141)に対して作動油を流出入させる際に、液圧シリンダ(41,141)の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であると判定すると、アキュムレータ(61,161)に対する作動油の流出入を遮断する。

Description

ブーム変位装置及びブームスプレーヤ
 本発明は、ブームスプレーヤ、及びブームスプレーヤのブームを変位させるブーム変位装置に関するものである。
 JP2013-102Aには、車体に取り付けられるリンクアームと、リンクアームに一端が支持されるブームと、車体とリンクアームとの間に介装されるシリンダと、を備え、シリンダに作動油を給排することによってブームを車体に対して上下方向に変位させるブームスプレーヤが開示される。
 上記ブームスプレーヤでは、車体に対してブームを下降させる際、切換弁を連通位置に切り換えることによって、シリンダのピストン側室の作動油をタンクへと排出させ、シリンダを収縮させる。そして、切換弁が遮断位置に切り換えられると、シリンダの収縮が停止し、ブームの高さは所望の高さに保持される。
 しかしながら、JP2013-102Aに記載のブームスプレーヤでは、シリンダのピストン側室とアキュムレータとが連通している。このため、ブームを車体に対して下降させる操作が行われる際に、ピストン側室の作動油がタンクへと排出されてシリンダが最収縮した後もブームを下降させる操作が継続されると、ピストン側室と連通するアキュムレータ内の作動油もタンクへと排出される。
 このように、アキュムレータ内の作動油が排出された状態において、ブームを車体に対して上昇させる操作が行われると、ポンプから供給される作動油は、まず、アキュムレータに供給される。つまり、ブームを上昇させるシリンダへの作動油の供給は、アキュムレータに作動油が充填された後になる。このため、ブームが上昇し始めるまでに時間がかかり、オペレータの操作に対する応答性が低下するおそれがある。
 また、ブームを車体に対して上昇させる操作が行われる際に、ピストン側室に作動油が供給されてシリンダが最伸長した後もブームを上昇させる操作が継続されると、ポンプから供給される作動油はアキュムレータに充填される。アキュムレータへの作動油の充填は、作動油の供給圧力がリリーフ圧に達するまで継続される。
 このように、アキュムレータに作動油が過剰に充填された状態において、ブームを車体に対して下降させる操作が行われると、作動油は、まず、アキュムレータから排出される。つまり、ブームを下降させるシリンダからの作動油の排出は、アキュムレータから過充填された作動油が排出された後になる。このため、ブームが下降し始めるまでに時間がかかり、オペレータの操作に対する応答性が低下するおそれがある。
 本発明は、オペレータの操作に対して応答性良くブームを変位させることを目的とする。
 本発明のある態様によれば、車体に変位自在に支持されるブームを前記車体に対して上下方向またはロール方向に変位させるブーム変位装置は、伸縮することにより前記ブームを変位させる液圧シリンダと、前記液圧シリンダに対して流出入する作動流体が流通する流体通路と、前記流体通路に接続され、加圧された作動流体を貯留するアキュムレータと、前記液圧シリンダの状態が、所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることを検知可能な状態検知部と、前記状態検知部で検知された前記液圧シリンダの状態に基づいて前記アキュムレータに対する作動流体の流出入を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態検知部において前記液圧シリンダの状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、前記アキュムレータに対する作動流体の流出入を遮断する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブーム変位装置が適用されるブームスプレーヤの平面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るブーム変位装置の油圧回路図及びブームスプレーヤの側面図である。 図3は、ブームを下降させる操作が行われた際に本発明の第1実施形態に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図4は、ブームを上昇させる操作が行われた際に本発明の第1実施形態に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図5は、本発明の第1実施形態の変形例に係るブーム変位装置の油圧回路図及びブームスプレーヤの側面図である。 図6は、ブームを下降させる操作が行われた際に本発明の第1実施形態の変形例に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図7は、ブームを上昇させる操作が行われた際に本発明の第1実施形態の変形例に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図8は、本発明の第2実施形態に係るブーム変位装置の油圧回路図及びブームスプレーヤの正面図である。 図9は、ブームを左ロールさせる操作が行われた際に本発明の第2実施形態に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図10は、ブームを右ロールさせる操作が行われた際に本発明の第2実施形態に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図11は、本発明の第2実施形態の変形例に係るブーム変位装置の油圧回路図及びブームスプレーヤの正面図である。 図12は、ブームを左ロールさせる操作が行われた際に本発明の第2実施形態の変形例に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。 図13は、ブームを右ロールさせる操作が行われた際に本発明の第2実施形態の変形例に係るブーム変位装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。
 以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、添付図面上に互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が車両の前後方向(略水平縦方向)、Y軸が車両の左右方向(略水平横方向)、Z軸が車両の上下方向(略鉛直方向)に延びるものとし、X軸を中心とする回動方向をロール方向とし、Z軸を中心とする回動方向をヨー方向として、実施形態を説明する。
 <第1実施形態>
 本発明の第1実施形態では、車体に対してブームを上下方向に変位させるブーム昇降装置40がブーム変位装置に該当する。まず、図1及び図2を参照して、ブーム昇降装置40を備えるブームスプレーヤ100について説明する。図1には、ブームスプレーヤ100の平面図が示されており、図2には、ブームスプレーヤ100の側面図が示される。
 図1に示されるブームスプレーヤ100は、圃場を走行する作業車90の前方側に搭載され、作業車90から防除液や液体肥料等の薬液を散布する農業用の作業機である。
 ブームスプレーヤ100は、作業車90から左右に延びる一対のブーム4を備える。ブーム4には、薬液を散布するノズル(図示せず)が取り付けられている。ブームスプレーヤ100の作業時には、作業車90が圃場を走行しながらブーム4のノズルから薬液が散布される。
 ブームスプレーヤ100は、作業車90の車体91に取り付けられた一対のリンクアーム2と、リンクアーム2によって車体91に対して昇降可能に支持される昇降台3と、昇降台3に対してロール方向(X軸まわり)に回動自在に支持されるロール台5と、ロール台5から車体91の左右側方(Y軸方向)に延びる左右のブーム4と、を備える。
 ブーム4は、ロール台5に対してその基端部4aが格納ヒンジ(図示省略)を介してヨー方向(Z軸まわり)に回動可能に片持ち支持され、その先端部4bが自由端となる。ブーム4は、基端部4aを有する基端側フレーム15に、先端部4bを有する先端側フレーム16が伸縮可能に支持される。
 図1には、左右のブーム4が車体91の左右水平方向に延在した展開状態が示される。ブーム4を格納する際、ブーム4は、図1に示される展開状態から先端側フレーム16を収縮させて基端側フレーム15に格納した後に、格納ヒンジを介して後方に回動される。この結果、ブーム4は、車体91の側方に沿って前後方向に延びるように折り畳まれ、格納される。
 ロール台5は、昇降台3に支持軸6を介してロール方向に回動自在に支持される。支持軸6には、円柱状のピン部材が用いられる。
 昇降台3とロール台5の間には、ブーム4が左右ロール方向に回動するのに連動して伸縮する回動シリンダ141と、支持軸6を挟んで回動シリンダ141と対称となる位置に設けられ、ブーム4が左右ロール方向に回動するのに連動して伸縮する金属ばね80と、が設けられる。回動シリンダ141と金属ばね80とは、ロール方向におけるブーム4の振動を抑制するために設けられる。これらによって、ブーム4の先端部4bが上下方向に振れる振動が抑えられ、先端部4bが圃場の農作物などに接触することが防止される。
 リンクアーム2は、図2に示されるように、互いに平行に延びる上部リンク21と下部リンク22とを有する。上部リンク21は、その基端部がピン12を介して車体91に回動自在に連結され、その先端部がピン11を介して昇降台3に回動自在に連結される。下部リンク22は、その基端部がピン14を介して車体91に回動自在に連結され、その先端部がピン13を介して昇降台3に回動自在に連結される。
 次に、図2を参照して、車体91に対してブーム4を上下方向に変位させるブーム変位装置としてのブーム昇降装置40について説明する。図2には、ブーム昇降装置40の油圧回路図が示される。
 ブーム昇降装置40は、車体91と上部リンク21との間に介装され、作動流体としての作動油が給排されることで伸縮する液圧シリンダとしての昇降シリンダ41と、昇降シリンダ41に作動油を供給するポンプとしての油圧ポンプ51と、昇降シリンダ41から排出される作動油が導かれるタンクTと、昇降シリンダ41に対して流出入する作動油が流通する流体通路としての給排通路56と、分岐通路64を介して給排通路56に接続され、加圧された作動油を貯留するアキュムレータ61と、を備える。
 昇降シリンダ41は、車体91の左右両側に一対設けられる。各昇降シリンダ41は、同期して伸縮することによって、ブーム4及び昇降台3を昇降させる。なお、昇降シリンダ41は、作動流体として作動油を用いるが、作動油に代えて、例えば水溶性代替液等の作動液を用いてもよいし、ガスを用いてもよい。
 昇降シリンダ41は、作動油が封入されたシリンダチューブ42と、シリンダチューブ42に進退自在に挿入されたピストンロッド43と、ピストンロッド43の基端部に設けられるピストン44と、を備える。昇降シリンダ41は、シリンダチューブ42の基端部がピロボール47を介して車体91に回動自在に連結され、ピストンロッド43の先端部がピロボール48を介して上部リンク21に回動自在に連結される。ピロボール47,48は、例えばボール及び球面軸受によって構成される。昇降シリンダ41の連結部は、ピロボール47,48によってこじりが生じないようになっている。
 シリンダチューブ42の内部は、ピストン44によってピストン側室45とロッド側室46とに区画される。ピストン44には、ピストン側室45とロッド側室46との間で作動油の行き来を許容する流路44aが形成される。昇降シリンダ41は、油圧ポンプ51からピストン側室45に作動油が供給されることによって伸長し、ピストン側室45から作動油が排出されることによって収縮するいわゆる単動形流体圧シリンダである。昇降シリンダ41としては、これに限定されず、ピストンを有さないラム式単動形流体圧シリンダや、ピストン側室45とロッド側室46との両方に対して作動油が給排される、もしくは、ピストン側室45に対してのみ作動油が給排されロッド側室46はタンクTに接続される複動形流体圧シリンダが用いられてもよい。
 昇降台3及びブーム4は、各昇降シリンダ41が伸縮し、各リンクアーム2が回動することによって昇降される。この構成に代えて、車体91の前部にZ軸方向に延びるガイドレールを設け、このガイドレールによって昇降台3がZ軸方向に昇降自在に支持される構成としてもよい。この場合、各昇降シリンダ41は、車体91と昇降台3との間に介装され、伸縮することによって車体91に対する昇降台3の高さを変更させる。
 油圧ポンプ51は、図示しないエンジンもしくは電動モータによって駆動され、タンクT内に貯留された作動油をピストン側室45へと供給する。
 ブーム昇降装置40は、昇降シリンダ41と油圧ポンプ51との連通及び遮断と、昇降シリンダ41とタンクTとの連通及び遮断と、を切り換える切換弁としての方向切換弁52をさらに備える。
 方向切換弁52は、昇降シリンダ41を伸長させる連通位置としての伸長位置52aと、昇降シリンダ41を収縮させる連通位置としての収縮位置52bと、昇降シリンダ41を停止させる遮断位置としての停止位置52cと、の3つの位置を有する電磁切換弁である。
 給排通路56は、一端がこの方向切換弁52に接続され、他端が昇降シリンダ41のピストン側室45に接続される。給排通路56には、オペレートチェック弁53が介装される。
 方向切換弁52には、給排通路56が接続されるとともに、油圧ポンプ51から吐出される作動油を導く供給通路55と、タンクTに作動油を戻す排出通路57と、オペレートチェック弁53のパイロット圧室に連通するオペレート通路59と、が接続される。供給通路55と排出通路57とは、リリーフ通路58により接続されており、リリーフ通路58には、供給通路55の油圧が設定圧を超えた場合に開弁するリリーフ弁54が設けられる。
 方向切換弁52が伸長位置52aに切り換えられると、排出通路57とオペレート通路59とが連通されるとともに、給排通路56と供給通路55とが連通される。油圧ポンプ51から吐出される作動油は、供給通路55と給排通路56とを通じて一対の昇降シリンダ41のピストン側室45に流入する。これにより、一対の昇降シリンダ41が同期して伸長し、リンクアーム2が上方に回動され、ブーム4はリンクアーム2とともに車体91に対して上昇する。
 方向切換弁52が収縮位置52bに切り換えられると、供給通路55とオペレート通路59とが連通されるとともに、給排通路56と排出通路57とが連通される。油圧ポンプ51の吐出圧は、オペレート通路59を介してオペレートチェック弁53にパイロット圧として導かれるので、オペレートチェック弁53が開弁し、ピストン側室45の作動油が給排通路56、排出通路57を通じてタンクTに戻される。これにより、一対の昇降シリンダ41が同期して収縮し、リンクアーム2が下方に回動され、ブーム4はリンクアーム2とともに車体91に対して下降する。
 方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられると、供給通路55、排出通路57、オペレート通路59、及び給排通路56のすべてが連通する。これに伴って、油圧ポンプ51から供給通路55を通じて供給される作動油は、全てタンクTに戻される。このとき、オペレート通路59の圧力は、タンクTと等しくなり、オペレートチェック弁53は、ばねの付勢力によって閉弁する。これにより、一対の昇降シリンダ41の伸縮作動が停止し、車体91に対するブーム4の高さが保持される。このように、車体91に対するブーム4の高さ、すなわち、圃場の作物に対するブーム4の高さは、昇降シリンダ41を伸縮させることによって調節することができる。
 アキュムレータ61は、内部に、ピストン側室45に接続される油室61aと、油室61aに圧力を付与するバネ室61bと、を有する。
 バネ室61bは、加圧された窒素等のガスが封入されたガス室であり、油室61aとの境界面である液面にガス圧を付与している。なお、油室61aとバネ室61bとを区画するフリーピストンをアキュムレータ61内に収装するようにしてもよい。また、油室61aとバネ室61bとを区画するフリーピストンをアキュムレータ61内に収装すると共に、バネ室61b内にバネを収装するようにしてもよい。つまり、加圧されたガスに代わり、バネを用いて油室61aに圧力を付与するようにしてもよい。
 アキュムレータ61の特性は、バネ室61b内のガス圧、アキュムレータ61の容積等を調整することによって設定される。
 油室61aは、給排通路56におけるピストン側室45とオペレートチェック弁53との間から分岐する分岐通路64に接続される。つまり、油室61aとピストン側室45とは、給排通路56及び分岐通路64を通じて連通する。分岐通路64には、ピストン側室45とアキュムレータ61との間を行き来する作動油に抵抗を付与する減衰弁62が設けられるとともに、分岐通路64を開閉する開閉弁63が減衰弁62に隣接して設けられる。
 開閉弁63は、ピストン側室45とアキュムレータ61との連通を許容する連通位置63aと、ピストン側室45とアキュムレータ61との連通を遮断する遮断位置63bと、を有する電磁開閉弁である。
 通常、開閉弁63は、連通位置63aとされ、ピストン側室45とアキュムレータ61とは連通された状態となる。この状態において、ブーム4が上下方向に振動し、昇降シリンダ41が伸縮すると、ピストン側室45とアキュムレータ61の油室61aとの間で作動油が行き来する。油室61aに流入した作動油はバネ室61bのガス圧力によってピストン側室45へと押し戻される。このようにピストン側室45と油室61aとの間を行き来する作動油の流れには減衰弁62によって抵抗が付与される。これにより、減衰力が発生し、ブーム4の上下方向の振動は抑制される。
 振動の少ない路面を走行しているときやブーム4が格納されているときのように、ブーム4の振動を低減する必要がない場合や昇降シリンダ41を伸縮させたくない場合には、開閉弁63は、オペレータによって遮断位置63bに切り換え可能とされる。
 油室61aとピストン側室45とは、給排通路56とは独立した通路によって直接接続するようにしてもよい。この場合、減衰弁62及び開閉弁63は、その独立した通路に設けられる。
 ブーム昇降装置40は、さらに、昇降シリンダ41の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることを検知する状態検知部としての圧力検出器72と、圧力検出器72の検知結果に基づいて方向切換弁52を制御する制御部としてのコントローラ70と、を備える。
 圧力検出器72は、ピストン側室45とオペレートチェック弁53との間の給排通路56に設けられ、給排通路56を流れる作動油の圧力を検出する。圧力検出器72は、給排通路56の圧力が予め定められた所定の範囲内ではなくなった時に接点信号を出力する圧力スイッチである。例えば、圧力検出器72は、給排通路56の圧力が所定の範囲内にあるときはオフ状態であり、給排通路56の圧力が所定の範囲を上回ったときまたは下回ったときにオン状態となる。
 コントローラ70は、中央演算装置(CPU),読み出し専用メモリ(ROM),ランダムアクセスメモリ(RAM),及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えるマイクロコンピュータである。読み出し専用メモリには中央演算装置で実行される制御プログラム等が予め記憶され、ランダムアクセスメモリには中央演算装置の処理におけるデータが記憶される。I/Oインターフェースは、コントローラ70に接続される機器との情報の入出力に使用される。コントローラ70には、圧力検出器72の出力信号と、オペレータが操作する操作盤71からの信号と、が入力される。
 操作盤71には、車体91に対してブーム4を上昇させる際に操作される図示しないブーム上昇スイッチ及び車体91に対してブーム4を下降させる際に操作されるブーム下降スイッチが設けられる。これらのスイッチはオンオフ操作されるボタン式であってもよいし、トグル式であってもよい。また、ブーム上昇スイッチ及びブーム下降スイッチとは別にブーム4の操作を停止させる停止スイッチを設けてもよい。
 また、スイッチは、ブーム4の上昇と下降を操作するレバー式であってもよい。レバー式の場合、コントローラ70は、レバーが一方に倒されると上昇スイッチがオン操作されたと判断し、レバーが他方に倒されると下降スイッチがオン操作されたと判断し、レバーが中立状態にあると上昇スイッチ及び下降スイッチがオフ操作されたと判断する。コントローラ70では、圧力検出器72からの信号及び操作盤71からの信号に基づいて後述の制御が実行され、方向切換弁52及び開閉弁63のポジションは、コントローラ70によって切り換えられる。
 コントローラ70はマイクロコンピュータに限定されず、オペレータの操作や圧力検出器72の検知結果に応じて方向切換弁52及び開閉弁63のポジションを適宜切り換えることが可能なものであればどのような構成であってもよい。例えば、リレーや電子タイマ、比較器等を単に組み合わせたものであってもよい。また、操作盤71は、コントローラ70に統合されてもよい。
 上記構成のブームスプレーヤ100では、通常、昇降シリンダ41のピストン側室45とアキュムレータ61とは連通した状態にある。このため、ブーム4を下降させる操作が行われ、ピストン側室45から作動油が所定量以上排出されて昇降シリンダ41が最収縮した後もブーム4を下降させる操作が継続されると、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへと排出される。
 このように、アキュムレータ61内の作動油が排出された状態において、ブーム4を上昇させる操作が行われると、油圧ポンプ51から供給される作動油は、まず、アキュムレータ61に供給される。つまり、ブーム4を上昇させる昇降シリンダ41への作動油の供給は、アキュムレータ61に作動油が充填された後になる。
 このため、ブーム4を上昇させようとしてもアキュムレータ61に作動油が充填されるまではブーム4が上昇しない状態が続くことになる。この結果、オペレータによってブーム4を上昇させる操作が行われてから、ブーム4が上昇し始めるまでに遅れが生じるおそれがある。
 このような作動遅れを防止するために、ブーム昇降装置40のコントローラ70は、オペレータによってブーム4を下降させる操作が行われている間に、圧力検出器72により検出される圧力が所定の圧力以下になると、方向切換弁52を停止位置52cに切り換えることによってアキュムレータ61とタンクTとの連通を遮断する制御を実行する。
 ここで、圧力検出器72が設けられる給排通路56は、方向切換弁52が収縮位置52bに切り換えられると、タンクTと連通するため、給排通路56の圧力はある程度低下する。そして、ブーム4及び昇降台3が最低位置に達するまでは、給排通路56が連通するピストン側室45は、下降するブーム4及び昇降台3の重量により圧縮された状態にあるため、給排通路56の圧力はほぼ一定の大きさで推移する。
 しかしながら、昇降シリンダ41から所定量以上の作動油が排出され、昇降シリンダ41が最収縮した状態になると、ピストン側室45はもはや圧縮されることがないため、給排通路56の圧力はさらに低下し所定の圧力以下となる。つまり、給排通路56の圧力が所定の圧力以下になったか否かを検知することによって、昇降シリンダ41が最収縮状態となり、ブーム4及び昇降台3が最低位置に達したことを検知することができる。
 このように、昇降シリンダ41の状態が、所定量以上の作動油が排出された最収縮状態となっているか否かは圧力検出器72により検知可能である。したがって、圧力検出器72の検知結果に基づいてアキュムレータ61とタンクTとの連通を遮断すれば、ブーム4を下降する操作がオペレータによって継続されたとしても、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへと排出されることを抑制することができる。
 なお、アキュムレータ61は、絞りとしても機能する減衰弁62を介して給排通路56に接続されている。このため、ピストン側室45及び給排通路56の圧力が低下しても、アキュムレータ61内の作動油が即座にタンクTへと排出されることは減衰弁62によって抑制される。したがって、給排通路56の圧力の低下が検知された後にアキュムレータ61とタンクTとの連通を遮断しても、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへと排出されることを十分抑制することができる。また、減衰弁62を可変絞り弁とし、ブーム4を変位させる操作がオペレータによって行われる際には、分岐通路64の流路面積を一時的に小さくすることで、アキュムレータ61に対する作動油の流出入を抑制してもよい。
 アキュムレータ61内に作動油が貯留されていれば、ブーム4を下降させる操作に引き続いてブーム4を上昇させる操作がオペレータによって行われたとしても、油圧ポンプ51から供給される作動油は、アキュムレータ61ではなく、昇降シリンダ41へと流入する。このため、オペレータの操作に対して応答性良くブーム4を変位させることができる。
 一方で、ブーム4を上昇させる操作が行われ、ピストン側室45に作動油が所定量以上供給されて昇降シリンダ41が最伸長した後もブーム4を上昇させる操作が継続されると、油圧ポンプ51から供給された作動油はアキュムレータ61に充填される。アキュムレータ61への作動油の充填は、供給通路55における作動油の供給圧力がリリーフ弁54の設定圧に達するまで継続される。
 このように、アキュムレータ61に作動油が過剰に貯留された状態において、ブーム4を下降させる操作が行われると、まず、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへと排出される。つまり、ブーム4を下降させる昇降シリンダ41内の作動油の排出は、アキュムレータ61に貯留される作動油が所定量を下回った後、すなわち、給排通路56における作動油の供給圧力が、ある程度低下した後になる。
 このため、ブーム4を下降させようとしてもアキュムレータ61から過剰に貯留された作動油が排出されるまではブーム4が下降しない状態が続くことになる。この結果、オペレータによってブーム4を下降させる操作が行われてから、ブーム4が下降し始めるまでに遅れが生じるおそれがある。
 このような作動遅れを防止するために、ブーム昇降装置40のコントローラ70は、オペレータによってブーム4を上昇させる操作が行われている間に、圧力検出器72により検出される圧力が所定の圧力以上になると、方向切換弁52を停止位置52cに切り換えることによってアキュムレータ61と油圧ポンプ51との連通を遮断する制御を実行する。
 ここで、圧力検出器72が設けられる給排通路56は、方向切換弁52が伸長位置52aに切り換えられると、油圧ポンプ51と連通するため、給排通路56の圧力はある程度上昇する。そして、ブーム4及び昇降台3が最高位置に達するまでは、ブーム4及び昇降台3を上昇させるために、給排通路56の圧力はほぼ一定の大きさで推移する。
 しかしながら、昇降シリンダ41に所定量以上の作動油が供給され、昇降シリンダ41が最伸長した状態になると、ピストン側室45にはそれ以上作動油が流入することができない。このため、給排通路56の圧力はさらに上昇し所定の圧力以上となる。つまり、給排通路56の圧力が所定の圧力以上になったか否かを検知することによって、昇降シリンダ41が最伸長状態となり、ブーム4及び昇降台3が最高位置に達したことを検知することができる。
 このように、昇降シリンダ41の状態が、所定量以上の作動油が供給された最伸長状態となっているか否かは圧力検出器72により検知可能である。したがって、圧力検出器72の検知結果に基づいてアキュムレータ61と油圧ポンプ51との連通を遮断すれば、ブーム4を上昇する操作がオペレータによって継続されたとしても、アキュムレータ61に作動油が過剰に供給されることを抑制することができる。
 なお、アキュムレータ61は、絞りとしても機能する減衰弁62を介して給排通路56に接続されている。このため、ピストン側室45及び給排通路56の圧力が上昇しても、アキュムレータ61内に作動油が即座に流入することは減衰弁62によって抑制される。したがって、給排通路56の圧力の上昇が検知された後にアキュムレータ61と油圧ポンプ51との連通を遮断しても、アキュムレータ61内に作動油が過剰に供給されることを十分抑制することができる。また、減衰弁62を可変絞り弁とし、ブーム4を変位させる操作がオペレータによって行われる際には、分岐通路64の流路面積を一時的に小さくすることで、アキュムレータ61に対する作動油の流出入を抑制してもよい。
 アキュムレータ61内に過剰な作動油が貯留されていなければ、ブーム4を上昇させる操作に引き続いてブーム4を下降させる操作がオペレータによって行われたとしても、アキュムレータ61から作動油が排出されることなく、昇降シリンダ41からタンクTへと作動油は排出される。このため、オペレータの操作に対して応答性良くブーム4を変位させることができる。
 以下に、ブーム4を車体91に対して上下方向に変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、ブーム4を車体91に対して下降させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートであり、図4は、ブーム4を車体91に対して上昇させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートである。
 まず、図3を参照し、ブーム4を車体91に対して下降させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図3において、ステップS101では、コントローラ70は、オペレータにより下降スイッチがオフからオンへ操作されたか否かを検出する。操作盤71は、オペレータにより下降スイッチが操作されると、操作に応じた信号をコントローラ70へ出力する。
 ステップS101において下降スイッチがオン操作されたことが検出されると、ステップS102に進み、コントローラ70は、方向切換弁52を収縮位置52bに切り換え、ピストン側室45とタンクTとを連通させる。
 ピストン側室45とタンクTとが連通されたことで、ピストン側室45内の作動油は、給排通路56及び排出通路57を通じてタンクTへ排出され、昇降シリンダ41は収縮する。昇降シリンダ41の収縮に連動して、ブーム4及び昇降台3は下降し始める。
 続いて、ステップS103にて、コントローラ70は、オペレータにより下降スイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の高さが農薬等を散布するために最適な高さとなったときに下降スイッチをオフにする。
 コントローラ70において下降スイッチがオフ操作されたことが検出されると、ステップS105に進み、コントローラ70は、方向切換弁52を停止位置52cに切り換え、ピストン側室45とタンクTとの連通を遮断する。ピストン側室45内は、所定量の作動油によって満たされた状態となり、車体91に対するブーム4の高さは保持される。
 一方、ステップS103にて、下降スイッチがオフ操作されたことが検出されないと、ステップS104に進み、コントローラ70は、圧力検出器72が接点信号を出力しているか否か、すなわち、圧力検出器72により検出される給排通路56の圧力が所定の圧力以下となっているか否かを判定する。
 ここで、オペレータによってブーム4を下降させる操作が行われている際に、給排通路56の圧力が所定の圧力以下になるときは、上述のように、昇降シリンダ41が最収縮し、ブーム4が最低位置に達しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ61内の作動油も排出されることになり、ブーム4を上昇させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器72で検出される圧力が所定値以下となり圧力検出器72から接点信号が出力されると、ステップS105に進み、方向切換弁52を停止位置52cに切り換え、ピストン側室45とタンクTとの連通及びアキュムレータ61とタンクTとの連通を遮断する。
 ステップS104において、圧力検出器72から接点信号が出力されない場合、昇降シリンダ41はまだ収縮可能な状態にあることから、ステップS103に戻り、再度、オペレータにより下降スイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の高さまで下降され、また、昇降シリンダ41が最収縮した後、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへ排出されることが防止される。
 次に、図4を参照し、ブーム4を車体91に対して上昇させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図4において、ステップS111では、コントローラ70は、オペレータにより上昇スイッチがオフからオンへ操作されたか否かを検出する。操作盤71は、オペレータにより上昇スイッチが操作されると、操作に応じた信号をコントローラ70へ出力する。
 ステップS111において上昇スイッチがオン操作されたことが検出されると、ステップS112に進み、コントローラ70は、方向切換弁52を伸長位置52aに切り換え、ピストン側室45と油圧ポンプ51とを連通させる。
 ピストン側室45と油圧ポンプ51とが連通されたことで、ピストン側室45には給排通路56及び供給通路55を通じて作動油が供給され、昇降シリンダ41は伸長する。昇降シリンダ41の伸長に連動して、ブーム4及び昇降台3は上昇し始める。
 続いて、ステップS113にて、コントローラ70は、オペレータにより上昇スイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の高さが農薬等を散布するために最適な高さとなったときに上昇スイッチをオフにする。
 コントローラ70において上昇スイッチがオフ操作されたことが検出されると、ステップS115に進み、コントローラ70は、方向切換弁52を停止位置52cに切り換え、ピストン側室45と油圧ポンプ51との連通を遮断する。ピストン側室45内は、所定量の作動油によって満たされた状態となり、車体91に対するブーム4の高さは保持される。
 一方、ステップS113にて、上昇スイッチがオフ操作されたことが検出されないと、ステップS114に進み、コントローラ70は、圧力検出器72が接点信号を出力しているか否か、すなわち、圧力検出器72により検出される給排通路56の圧力が所定の圧力以上となっているか否かを判定する。
 ここで、オペレータによってブーム4を上昇させる操作が行われている際に、給排通路56の圧力が所定の圧力以上になるときは、上述のように、昇降シリンダ41が最伸長し、ブーム4が最高位置に達しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ61内に作動油が過剰に貯留されることになり、ブーム4を下降させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器72で検出される圧力が所定値以上となり圧力検出器72から接点信号が出力されると、ステップS115に進み、方向切換弁52を停止位置52cに切り換え、ピストン側室45と油圧ポンプ51との連通及びアキュムレータ61と油圧ポンプ51との連通を遮断する。
 ステップS114において、圧力検出器72から接点信号が出力されない場合、昇降シリンダ41はまだ伸長可能な状態にあることから、ステップS113に戻り、再度、オペレータにより上昇スイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の高さまで上昇され、また、昇降シリンダ41が最伸長した後、アキュムレータ61内に作動油が過剰に供給されることが防止される。
 以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
 上記構成のブーム昇降装置40では、ブーム4を変位させるために昇降シリンダ41に対して作動油が排出または供給される際に、昇降シリンダ41の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることが圧力検出器72によって検知されると、コントローラ70は、アキュムレータ61に対する作動油の流出入を遮断する制御を実行する。
 このため、ブーム4を変位させるために昇降シリンダ41から作動油が排出される際には、アキュムレータ61から作動油が排出されることが抑制される。この場合、ブーム4を下降させる操作に引き続いてブーム4を上昇させる操作がオペレータによって行われたとしても、油圧ポンプ51から供給される作動油は、アキュムレータ61ではなく、昇降シリンダ41へと流入する。
 また、ブーム4を変位させるために昇降シリンダ41に作動油が供給される際には、アキュムレータ61に作動油が過剰に供給されることが抑制される。この場合、ブーム4を上昇させる操作に引き続いてブーム4を下降させる操作がオペレータによって行われたとしても、作動油は、アキュムレータ61ではなく、昇降シリンダ41から排出される。
 このように、オペレータの操作に応じて昇降シリンダ41が速やかに伸縮する結果、ブーム4を応答性良く変位させることができる。
 次に、本第1実施形態の変形例について説明する。
 上記第1実施形態では、圧力検出器72は、圧力スイッチである。これに代えて、圧力検出器72は、絶対圧を検出可能な圧力センサであってもよい。この場合、コントローラ70は、図3のステップS104において、圧力検出器72により検出された圧力値と記憶された第1圧力値とを比較し、検出された圧力値が第1圧力値を下回っているときに、方向切換弁52を停止位置52cに切り換え、図4のステップS114において、圧力検出器72により検出された圧力値と第1圧力値よりも高い第2圧力値とを比較し、検出された圧力値が第2圧力値を上回っているときに、方向切換弁52を停止位置52cに切り換える。
 また、上記第1実施形態では、コントローラ70は、圧力検出器72から接点信号が出力されたか否かに基づいて、ブーム4が最低位置または最高位置に達しているか否かを判定している。これに代えて、昇降シリンダ41の伸縮量を検出するストロークセンサの検出値に基づいてブーム4が最低位置または最高位置の近傍に達しているか否かを判定してもよい。また、ブーム4が最低位置または最高位置近傍に達しているか否かを判定するために、昇降シリンダ41が最収縮または最伸長近傍の状態となったときに信号を発するストロークスイッチやリンクアーム2の位置が最低位置または最高位置近傍となったときに信号を発する接触型または非接触型のリミットスイッチ、車体91に対するリンクアーム2の角度を検出する角度センサが用いられてもよい。また、上記のセンサやスイッチを複数組み合わせて、それらの検出値に基づいてブーム4が最低位置または最高位置近傍に達しているか否かを判定してもよい。
 なお、状態検知部としてストロークスイッチやリミットスイッチを用いた場合、昇降シリンダ41が最収縮または最伸長するよりも前に接点信号を発するように設定すること、すなわち、ブーム4が最低位置または最高位置に達する前に余裕をもって接点信号を発するように設定することが可能である。このため、昇降シリンダ41が最収縮または最伸長した後の圧力を検出値として出力する圧力検出器72を状態検知部として用いた場合と比較し、アキュムレータ61から作動油が排出されることやアキュムレータ61に作動油が過剰に供給されることを確実に防止することができる。
 また、上記第1実施形態では、昇降シリンダ41から作動油が排出されることでブーム4が下方に変位する。これに代えて、昇降シリンダ41から作動油が排出されることでブーム4が上方に変位する構成であってもよい。
 また、上記第1実施形態では、方向切換弁52は、電磁力によって位置が切り換えられる電磁切換弁である。これに代えて、方向切換弁52は、オペレータによって手動で切り換えられる手動切換弁であってもよい。以下、図5~7を参照して、方向切換弁52が手動切換弁である場合について説明する。
 この場合、図5に示されるように、オペレータは方向切換弁52と連動するレバー52dを操作し、ブーム4を上昇させる場合には、伸長位置52aに切り換え、ブーム4を下降させる場合には、収縮位置52bに切り換え、ブーム4を停止させる場合には、停止位置52cに切り換える。コントローラ70は、方向切換弁52の位置を検出する位置センサ52eの検出値に応じて、方向切換弁52がオペレータによってどの位置に操作されたかを検知する。
 このように方向切換弁52が手動切換弁である場合には、上記第1実施形態のように、圧力検出器72の検出値に応じて方向切換弁52を停止位置52cに切り換えることができない。つまり、アキュムレータ61とタンクTまたは油圧ポンプ51との連通を遮断することができない。そこで、この変形例では、開閉弁63を閉弁することによって、アキュムレータ61とタンクTまたは油圧ポンプ51との連通が遮断される。
 以下に、オペレータによって方向切換弁52の位置が切り換えられ、ブーム4を車体91に対して上下方向に変位させる操作が行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、ブーム4を車体91に対して下降させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートであり、図7は、ブーム4を車体91に対して上昇させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートである。
 まず、図6を参照し、オペレータによって方向切換弁52の位置が収縮位置52bに切り換えられ、ブーム4を車体91に対して下降させる操作が行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図6において、ステップS121では、コントローラ70は、位置センサ52eの検出値に基づいて、オペレータにより方向切換弁52が収縮位置52bに切り換えられたか否かを検出する。方向切換弁52が収縮位置52bに切り換えられると、ピストン側室45とタンクTとが連通し、ピストン側室45内の作動油は、給排通路56及び排出通路57を通じてタンクTへ排出され、昇降シリンダ41は収縮する。昇降シリンダ41の収縮に連動して、ブーム4及び昇降台3は下降し始める。
 ステップS121において方向切換弁52が収縮位置52bに切り換えられたことが検出されると、ステップS122に進み、コントローラ70は、オペレータにより方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の高さが農薬等を散布するために最適な高さとなったときに方向切換弁52を停止位置52cに切り換える。
 ここで、オペレータによって方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられると、ピストン側室45とタンクTとの連通が遮断される。このときアキュムレータ61とタンクTとの連通も遮断されるため、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへと排出されるおそれはない。このため、ステップ112において、方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたことが検出されると、コントローラ70は、一旦処理を終了させる。
 一方、ステップS122において、方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたことが検出されないと、ステップS123に進み、コントローラ70は、圧力検出器72から接点信号が出力されたか否かを検出する。
 ここで、オペレータによってブーム4を下降させる操作が行われている際に、給排通路56の圧力が所定の圧力以下になるときは、上述のように、昇降シリンダ41が最収縮し、ブーム4が最低位置に達しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ61内の作動油も排出されることになり、ブーム4を上昇させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器72において給排通路56の圧力が所定値以下になったことが検出されると、ステップS124に進み、開閉弁63を遮断位置63bに切り換え、アキュムレータ61とタンクTとの連通を遮断する。
 ステップS123において、圧力検出器72から接点信号が出力されない場合、昇降シリンダ41はまだ収縮可能な状態にあることから、ステップS122に戻り、再度、オペレータにより方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の高さまで下降され、また、昇降シリンダ41が最収縮した後、アキュムレータ61内の作動油がタンクTへ排出されることが防止される。
 次に、図7を参照し、オペレータによって方向切換弁52の位置が伸長位置52aに切り換えられ、ブーム4を車体91に対して上昇させる操作が行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図7において、ステップS131では、コントローラ70は、位置センサ52eの検出値に基づいて、オペレータにより方向切換弁52が伸長位置52aに切り換えられたか否かを検出する。方向切換弁52が伸長位置52aに切り換えられると、ピストン側室45と油圧ポンプ51とが連通し、ピストン側室45には給排通路56及び供給通路55を通じて作動油が供給され、昇降シリンダ41は伸長する。昇降シリンダ41の伸長に連動して、ブーム4及び昇降台3は上昇し始める。
 ステップS131において方向切換弁52が伸長位置52aに切り換えられたことが検出されると、ステップS132に進み、コントローラ70は、オペレータにより方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の高さが農薬等を散布するために最適な高さとなったときに方向切換弁52を停止位置52cに切り換える。
 ここで、オペレータによって方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられると、ピストン側室45と油圧ポンプ51との連通が遮断される。このときアキュムレータ61と油圧ポンプ51との連通も遮断されるため、アキュムレータ61内に作動油が過剰に貯留されるおそれはない。このため、ステップ132において、方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたことが検出されると、コントローラ70は、一旦処理を終了させる。
 一方、ステップS132において、方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたことが検出されないと、ステップS133に進み、コントローラ70は、圧力検出器72から接点信号が出力されたか否かを検出する。
 ここで、オペレータによってブーム4を上昇させる操作が行われている際に、給排通路56の圧力が所定の圧力以上になるときは、上述のように、昇降シリンダ41が最伸長し、ブーム4が最高位置に達しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ61内に作動油が過剰に貯留されることになり、ブーム4を下降させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器72において給排通路56の圧力が所定値以上になったことが検出されると、ステップS134に進み、開閉弁63を遮断位置63bに切り換え、アキュムレータ61と油圧ポンプ51との連通を遮断する。
 ステップS133において、圧力検出器72から接点信号が出力されない場合、昇降シリンダ41はまだ伸長可能な状態にあることから、ステップS132に戻り、再度、オペレータにより方向切換弁52が停止位置52cに切り換えられたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の高さまで上昇され、また、昇降シリンダ41が最伸長した後、アキュムレータ61内に作動油が過剰に供給されることが防止される。
 <第2実施形態>
 次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態に係るブームスプレーヤ200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブームスプレーヤ100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
 ブームスプレーヤ200の基本的な構成は、第1実施形態に係るブームスプレーヤ100と同様である。第1実施形態に係るブームスプレーヤ100では、車体91に対してブーム4を上下方向に変位させるブーム昇降装置40がブーム変位装置に該当するのに対して、ブームスプレーヤ200では、車体91に対してブーム4をロール方向に変位させるブーム回動装置140がブーム変位装置に該当する点で相違する。なお、以下の説明において、作業車90の後方から見てX軸を中心とする右回転方向を右ロール方向と称し、左回転方向を左ロール方向と称する。
 図8に示されるように、ブーム回動装置140は、昇降台3とロール台5との間に介装され、作動流体としての作動油が給排されることで伸縮する液圧シリンダとしての回動シリンダ141と、回動シリンダ141に作動油を供給するポンプとしての油圧ポンプ51と、回動シリンダ141から排出される作動油が導かれるタンクTと、回動シリンダ141に対して流出入する作動油が流通する流体通路としての給排通路156と、分岐通路164を介して給排通路156に接続され、加圧された作動油を貯留するアキュムレータ161と、を備える。このように、ブーム回動装置140は、上記第1実施形態のブーム昇降装置40と同様の油圧回路を有する。
 回動シリンダ141は、支持軸6を挟んで金属ばね80と対称となる位置に設けられる。回動シリンダ141は、伸縮することによって、支持軸6を中心にロール台5及びブーム4を回動させる。なお、回動シリンダ141と金属ばね80とは、ロール方向におけるブーム4の振動を抑制する制振装置として機能する。
 回動シリンダ141は、作動油が封入されたシリンダチューブ142と、シリンダチューブ142に進退自在に挿入されたピストンロッド143と、ピストンロッド143の基端部に設けられるピストン144と、を備える。回動シリンダ141は、シリンダチューブ142の基端部がピロボール147を介して昇降台3に回動自在に連結され、ピストンロッド143の先端部がピロボール148を介してロール台5に回動自在に連結される。ピロボール147,148は、例えばボール及び球面軸受によって構成される。回動シリンダ141の連結部は、ピロボール147,148によってこじりが生じないようになっている。
 シリンダチューブ142の内部は、ピストン144によってピストン側室145とロッド側室146とに区画される。ピストン144には、ピストン側室145とロッド側室146との間で作動油の行き来を許容する流路144aが形成される。回動シリンダ141は、油圧ポンプ51からピストン側室145に作動油が供給されることによって伸長し、ピストン側室145から作動油が排出されることによって収縮するいわゆる単動形流体圧シリンダである。回動シリンダ141としては、これに限定されず、ピストンを有さないラム式単動形流体圧シリンダや、ピストン側室145とロッド側室146との両方に対して作動油が給排される、もしくは、ピストン側室145に対してのみ作動油が給排されロッド側室146はタンクTに接続される複動形流体圧シリンダが用いられてもよい。
 油圧ポンプ51は、タンクT内に貯留された作動油をピストン側室145へと供給するものであり、ブーム昇降装置40と共用される。
 ブーム回動装置140は、回動シリンダ141と油圧ポンプ51との連通及び遮断と、回動シリンダ141とタンクTとの連通及び遮断と、を切り換える切換弁としての方向切換弁152をさらに備える。
 方向切換弁152は、回動シリンダ141を伸長させる連通位置としての伸長位置152aと、回動シリンダ141を収縮させる連通位置としての収縮位置152bと、回動シリンダ141を停止させる遮断位置としての停止位置152cと、の3つの位置を有する電磁切換弁である。
 給排通路156は、一端がこの方向切換弁152に接続され、他端が回動シリンダ141のピストン側室145に接続される。給排通路156には、オペレートチェック弁153が介装される。
 方向切換弁152には、給排通路156が接続されるとともに、油圧ポンプ51から吐出される作動油を導く供給通路55と、タンクTに作動油を戻す排出通路57と、オペレートチェック弁153のパイロット圧室に連通するオペレート通路159と、が接続される。供給通路55と排出通路57とは、ブーム昇降装置40と共用される。
 方向切換弁152が伸長位置152aに切り換えられると、排出通路57とオペレート通路159とが連通されるとともに、給排通路156と供給通路55とが連通される。油圧ポンプ51から吐出される作動油は、供給通路55と給排通路156とを通じて回動シリンダ141のピストン側室145に流入する。これにより、回動シリンダ141が伸長し、ロール台5が車体91に対して右ロール方向に回動され、ブーム4は、ロール台5とともに車体91に対して右ロール方向に変位する。
 方向切換弁152が収縮位置152bに切り換えられると、供給通路55とオペレート通路159とが連通されるとともに、給排通路156と排出通路57とが連通される。油圧ポンプ51の吐出圧は、オペレート通路159を介してオペレートチェック弁153にパイロット圧として導かれるので、オペレートチェック弁153が開弁し、ピストン側室145の作動油が給排通路156、排出通路57を通じてタンクTに戻される。これにより、回動シリンダ141が収縮し、ロール台5が車体91に対して左ロール方向に回動され、ブーム4は、ロール台5とともに車体91に対して左ロール方向に変位する。
 方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられると、供給通路55、排出通路57、オペレート通路159、及び給排通路156のすべてが連通する。これに伴って、油圧ポンプ51から供給通路55を通じて供給される作動油は、全てタンクTに戻される。このとき、オペレート通路159の圧力は、タンクTと等しくなり、オペレートチェック弁153は、ばねの付勢力によって閉弁する。これにより、回動シリンダ141の伸縮作動が停止し、車体91に対するブーム4の傾きが保持される。このように、車体91に対するブーム4の傾きは、回動シリンダ141を伸縮させることによって調節可能であり、傾斜面等において、圃場の作物とブーム4との間隔を微調整することができる。
 アキュムレータ161は、ブーム4の左右ロール方向への振動を抑制するために設けられる。アキュムレータ161の構成は、ブーム昇降装置40のアキュムレータ61と同じであるため、その説明を省略する。
 アキュムレータ161の油室161aは、給排通路156におけるピストン側室145とオペレートチェック弁153との間から分岐する分岐通路164に接続される。つまり、油室161aとピストン側室145とは、給排通路156及び分岐通路164を通じて連通する。分岐通路164には、ピストン側室145とアキュムレータ161との間を行き来する作動油に抵抗を付与する減衰弁162が設けられるとともに、分岐通路164を開閉する開閉弁163が減衰弁162に隣接して設けられる。
 開閉弁163は、ピストン側室145とアキュムレータ161との連通を許容する連通位置163aと、ピストン側室145とアキュムレータ161との連通を遮断する遮断位置163bと、を有する電磁開閉弁である。
 通常、開閉弁163は、連通位置163aとされ、ピストン側室145とアキュムレータ161とは連通された状態となる。この状態において、ブーム4がロール方向に振動し、回動シリンダ141が伸縮すると、ピストン側室145とアキュムレータ161の油室161aとの間で作動油が行き来する。油室161aに流入した作動油はバネ室161bのガス圧力によってピストン側室145へ押し戻される。このようにピストン側室145と油室161aとの間を行き来する作動油の流れには減衰弁162によって抵抗が付与される。これにより、減衰力が発生し、ブーム4のロール方向への振動は抑制される。
 振動の少ない路面を走行しているときやブーム4が格納されているときのように、ブーム4の振動を低減する必要がない場合や回動シリンダ141を伸縮させたくない場合には、開閉弁163は、オペレータによって遮断位置163bに切り換え可能とされる。
 油室161aとピストン側室145とは、給排通路156とは独立した通路によって直接接続するようにしてもよい。この場合、減衰弁162及び開閉弁163は、その独立した通路に設けられる。
 ブーム回動装置140は、さらに、回動シリンダ141の状態が、所定量以上の作動油が排出された状態であることを検知する状態検知部としての圧力検出器172と、圧力検出器172の検知結果に基づいて方向切換弁152を制御する制御部としてのコントローラ70と、を備える。
 圧力検出器172は、ピストン側室145とオペレートチェック弁153との間の給排通路156に設けられ、給排通路156を流れる作動油の圧力を検出する。圧力検出器172は、給排通路156の圧力が予め定められた所定の範囲内ではなくなった時に接点信号を出力する圧力スイッチである。例えば、圧力検出器172は、給排通路156の圧力が所定の範囲内にあるときはオフ状態であり、給排通路156の圧力が所定の範囲を上回ったときまたは下回ったときにオン状態となる。
 コントローラ70は、ブーム昇降装置40と共用されるものであるため、その構造の説明については省略する。
 操作盤71には、車体91に対してブーム4を右ロール方向に変位させる際に操作される図示しない右ロールスイッチ及び車体91に対してブーム4を左方向に変位させる際に操作される図示しない左ロールスイッチが設けられる。コントローラ70では、圧力検出器172からの信号及び操作盤71からの信号に基づいて後述の制御が実行され、方向切換弁152及び開閉弁163のポジションは、コントローラ70によって切り換えられる。
 上記構成のブームスプレーヤ200では、通常、回動シリンダ141のピストン側室145とアキュムレータ161とは連通した状態にある。このため、ブーム4を左ロール方向に変位させる操作が行われ、ピストン側室145から作動油が所定量以上排出されて回動シリンダ141が最収縮した後もブーム4を左ロール方向に変位させる操作が継続されると、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへと排出される。
 このように、アキュムレータ161内の作動油が排出された状態において、ブーム4を右ロール方向に変位させる操作が行われると、油圧ポンプ51から供給される作動油は、まず、アキュムレータ161に供給される。つまり、ブーム4を変位させる回動シリンダ141への作動油の供給は、アキュムレータ161に作動油が充填された後になる。
 このため、ブーム4を右ロール方向へ変位させようとしてもアキュムレータ161に作動油が充填されるまではブーム4が変位しない状態が続くことになる。この結果、オペレータによってブーム4を右ロール方向へ変位させる操作が行われてから、ブーム4が変位し始めるまでに遅れが生じるおそれがある。
 このような作動遅れを防止するために、ブーム回動装置140のコントローラ70は、オペレータによってブーム4を左ロール方向へ変位させる操作が行われている間に、圧力検出器172により検出される圧力が所定の圧力以下になると、方向切換弁152を停止位置152cに切り換えることによってアキュムレータ161とタンクTとの連通を遮断する制御を実行する。
 ここで、圧力検出器172が設けられる給排通路156は、方向切換弁152が収縮位置152bに切り換えられると、タンクTと連通するため、給排通路56の圧力はある程度低下する。そして、ブーム4が最も左ロール方向に変位するまでは、給排通路156が連通するピストン側室145は、伸長する金属ばね80の付勢力によって圧縮された状態にあるため、給排通路156の圧力は金属ばね80の反力に応じた大きさで推移する。
 しかしながら、回動シリンダ141から所定量以上の作動油が排出され、回動シリンダ141が最収縮した状態になると、ピストン側室145はもはや圧縮されることがないため、給排通路156の圧力はさらに低下し所定の圧力以下となる。つまり、給排通路156の圧力が所定の圧力以下になったか否かを検知することで、回動シリンダ141が最収縮状態となり、ブーム4が最も左ロール方向へと変位した状態になったことを検知することができる。
 このように、回動シリンダ141の状態が、所定量以上の作動油が排出された最収縮状態となっているか否かは圧力検出器172により検知可能である。したがって、圧力検出器172の検知結果に基づいてアキュムレータ161とタンクTとの連通を遮断すれば、ブーム4を左ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって継続されたとしても、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへと排出されることを抑制することができる。
 なお、アキュムレータ161は、絞りとしても機能する減衰弁162を介して給排通路156に接続されている。このため、ピストン側室145及び給排通路156の圧力が低下しても、アキュムレータ161内の作動油が即座にタンクTへと排出されることは減衰弁162によって抑制される。したがって、給排通路156の圧力の低下が検知された後にアキュムレータ161とタンクTとの連通を遮断しても、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへと排出されることを十分抑制することができる。また、減衰弁162を可変絞り弁とし、ブーム4を変位させる操作がオペレータによって行われる際には、分岐通路164の流路面積を一時的に小さくすることで、アキュムレータ161に対する作動油の流出入を抑制してもよい。
 アキュムレータ161内に作動油が貯留されていれば、ブーム4を左ロール方向へ変位させる操作に引き続いてブーム4を右ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたとしても、油圧ポンプ51から供給される作動油は、アキュムレータ161ではなく、回動シリンダ141へと流入する。このため、オペレータの操作に対して応答性良くブーム4を変位させることができる。
 一方で、ブーム4を右ロール方向に変位させる操作が行われ、ピストン側室145に作動油が所定量以上供給されて回動シリンダ141が最伸長した後もブーム4を右ロール方向に変位させる操作が継続されると、油圧ポンプ51から供給された作動油はアキュムレータ161に充填される。アキュムレータ161への作動油の充填は、供給通路55における作動油の供給圧力がリリーフ弁54の設定圧に達するまで継続される。
 このように、アキュムレータ161に作動油が過剰に貯留された状態において、ブーム4を左ロール方向に変位させる操作が行われると、まず、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへと排出される。つまり、ブーム4を変位させる回動シリンダ141内の作動油の排出は、アキュムレータ161に貯留される作動油が所定量を下回った後、すなわち、給排通路156における作動油の供給圧力が、ある程度低下した後になる。
 このため、ブーム4を左ロール方向へ変位させようとしてもアキュムレータ161から過剰に貯留された作動油が排出されるまではブーム4が変位しない状態が続くことになる。この結果、オペレータによってブーム4を左ロール方向へ変位させる操作が行われてから、ブーム4が変位し始めるまでに遅れが生じるおそれがある。
 このような作動遅れを防止するために、ブーム回動装置140のコントローラ70は、オペレータによってブーム4を右ロール方向へ変位させる操作が行われている間に、圧力検出器172により検出される圧力が所定の圧力以上になると、方向切換弁152を停止位置152cに切り換えることによってアキュムレータ161と油圧ポンプ51との連通を遮断する制御を実行する。
 ここで、圧力検出器172が設けられる給排通路156は、方向切換弁152が伸長位置152aに切り換えられると、油圧ポンプ51と連通するため、給排通路56の圧力はある程度上昇する。そして、ブーム4が最も右ロール方向に変位するまでは、金属ばね80を圧縮させるために、給排通路156の圧力は金属ばね80の反力に応じた大きさで推移する。
 しかしながら、回動シリンダ141に所定量以上の作動油が供給され、回動シリンダ141が最伸長した状態になると、ピストン側室145にはそれ以上作動油が流入することができない。このため、給排通路156の圧力はさらに上昇し所定の圧力以上となる。つまり、給排通路156の圧力が所定の圧力以上になったか否かを検知することで、回動シリンダ141が最伸長状態となり、ブーム4が最も右ロール方向へと変位した状態になったことを検知することができる。
 このように、回動シリンダ141の状態が、所定量以上の作動油が供給された最伸長状態となっているか否かは圧力検出器172により検知可能である。したがって、圧力検出器172の検知結果に基づいてアキュムレータ161と油圧ポンプ51との連通を遮断すれば、ブーム4を右ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって継続されたとしても、アキュムレータ161に作動油が過剰に供給されることを抑制することができる。
 なお、アキュムレータ161は、絞りとしても機能する減衰弁162を介して給排通路156に接続されている。このため、ピストン側室145及び給排通路156の圧力が上昇しても、アキュムレータ161内に作動油が即座に流入することは減衰弁162によって抑制される。したがって、給排通路156の圧力の上昇が検知された後にアキュムレータ161と油圧ポンプ51との連通を遮断しても、アキュムレータ161内に作動油が過剰に供給されることを十分抑制することができる。また、減衰弁162を可変絞り弁とし、ブーム4を変位させる操作がオペレータによって行われる際には、分岐通路164の流路面積を一時的に小さくすることで、アキュムレータ161に対する作動油の流出入を抑制してもよい。
 アキュムレータ161内に過剰な作動油が貯留されていなければ、ブーム4を右ロール方向へ変位させる操作に引き続いてブーム4を左ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたとしても、アキュムレータ161から作動油が排出されることなく、回動シリンダ141からタンクTへと作動油は排出される。このため、オペレータの操作に対して応答性良くブーム4を変位させることができる。
 以下に、ブーム4を車体91に対してロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、ブーム4を車体91に対して左ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートであり、図10は、ブーム4を車体91に対して右ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートである。
 まず、図9を参照し、ブーム4を車体91に対して左ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図9において、ステップS201では、コントローラ70は、オペレータにより左ロールスイッチがオフからオンへ操作されたか否かを検出する。操作盤71は、オペレータにより左ロールスイッチが操作されると、操作に応じた信号をコントローラ70へ出力する。
 ステップS201において左ロールスイッチがオン操作されたことが検出されると、ステップS202に進み、コントローラ70は、方向切換弁152を収縮位置152bに切り換え、ピストン側室145とタンクTとを連通させる。
 ピストン側室145とタンクTとが連通されたことで、ピストン側室145内の作動油は、給排通路156及び排出通路57を通じてタンクTへ排出され、回動シリンダ141は収縮する。回動シリンダ141の収縮に連動して、ブーム4及びロール台5は、車体91に対して左ロール方向に回動し始める。
 続いて、ステップS203にて、コントローラ70は、オペレータにより左ロールスイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の傾きが農薬等を散布するために最適な傾きとなったときに左ロールスイッチをオフにする。
 ステップS203において左ロールスイッチがオフ操作されたことが検出されると、ステップS205に進み、コントローラ70は、方向切換弁152を停止位置152cに切り換え、ピストン側室145とタンクTとの連通を遮断する。ピストン側室145内は、所定量の作動油によって満たされた状態となり、車体91に対するブーム4の傾きは保持される。
 一方、ステップS203にて、左ロールスイッチがオフ操作されたことが検出されないと、ステップS204に進み、コントローラ70は、圧力検出器172が接点信号を出力しているか否か、すなわち、圧力検出器172により検出される給排通路156の圧力が所定の圧力以下となっているか否かを判定する。
 ここで、オペレータによってブーム4を左ロール方向へ変位させる操作が行われている際に、給排通路156の圧力が所定の圧力以下になるときは、上述のように、回動シリンダ141が最収縮し、ブーム4が最も左ロール方向へ変位しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ161内の作動油も排出されることになり、ブーム4を右ロール方向へ変位させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器172で検出される圧力が所定値以下となり圧力検出器172から接点信号が出力されると、ステップS205に進み、方向切換弁152を停止位置152cに切り換え、ピストン側室145とタンクTとの連通及びアキュムレータ161とタンクTとの連通を遮断する。
 ステップS204において、圧力検出器72から接点信号が出力されない場合、回動シリンダ141はまだ収縮可能な状態にあることから、ステップS203に戻り、再度、オペレータにより左ロールスイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の傾きに保持され、また、回動シリンダ141が最収縮した後、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへ排出されることが防止される。
 次に、図10を参照し、ブーム4を車体91に対して右ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図10において、ステップS211では、コントローラ70は、オペレータにより右ロールスイッチがオフからオンへ操作されたか否かを検出する。操作盤71は、オペレータにより右ロールスイッチが操作されると、操作に応じた信号をコントローラ70へ出力する。
 ステップS211において右ロールスイッチがオン操作されたことが検出されると、ステップS212に進み、コントローラ70は、方向切換弁152を伸長位置152aに切り換え、ピストン側室145と油圧ポンプ51とを連通させる。
 ピストン側室145と油圧ポンプ51とが連通されたことで、ピストン側室145には給排通路156及び排出通路57を通じて作動油が供給され、回動シリンダ141は伸長する。回動シリンダ141の伸長に連動して、ブーム4及びロール台5は、車体91に対して右ロール方向に回動し始める。
 続いて、ステップS213にて、コントローラ70は、オペレータにより右ロールスイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の傾きが農薬等を散布するために最適な傾きとなったときに右ロールスイッチをオフにする。
 ステップS213において右ロールスイッチがオフ操作されたことが検出されると、ステップS215に進み、コントローラ70は、方向切換弁152を停止位置152cに切り換え、ピストン側室145と油圧ポンプ51との連通を遮断する。ピストン側室145内は、所定量の作動油によって満たされた状態となり、車体91に対するブーム4の傾きは保持される。
 一方、ステップS213にて、右ロールスイッチがオフ操作されたことが検出されないと、ステップS214に進み、コントローラ70は、圧力検出器172が接点信号を出力しているか否か、すなわち、圧力検出器172により検出される給排通路156の圧力が所定の圧力以上となっているか否かを判定する。
 ここで、オペレータによってブーム4を右ロール方向へ変位させる操作が行われている際に、給排通路156の圧力が所定の圧力以上になるときは、上述のように、回動シリンダ141が最伸長し、ブーム4が最も右ロール方向へ変位しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ161内に作動油が過剰に貯留されることになり、ブーム4を左ロール方向へ変位させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器172で検出される圧力が所定値以上となり圧力検出器172から接点信号が出力されると、ステップS215に進み、方向切換弁152を停止位置152cに切り換え、ピストン側室145と油圧ポンプ51との連通及びアキュムレータ161と油圧ポンプ51との連通を遮断する。
 ステップS214において、圧力検出器72から接点信号が出力されない場合、回動シリンダ141はまだ伸長可能な状態にあることから、ステップS213に戻り、再度、オペレータにより右ロールスイッチがオンからオフへ操作されたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の傾きに保持され、また、回動シリンダ141が最伸長した後、アキュムレータ161内に作動油が過剰に供給されることが防止される。
 以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
 上記構成のブーム回動装置140では、ブーム4を変位させるために回動シリンダ141に対して作動油が排出または供給される際に、回動シリンダ141の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることが圧力検出器172によって検知されると、コントローラ70は、アキュムレータ161に対する作動油の流出入を遮断する制御を実行する。
 このため、ブーム4を変位させるために回動シリンダ141から作動油が排出される際には、アキュムレータ161から作動油が排出されることが抑制される。この場合、ブーム4を左ロール方向へ変位させる操作に引き続いてブーム4を右ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたとしても、油圧ポンプ51から供給される作動油は、アキュムレータ161ではなく、回動シリンダ141へと流入する。
 また、ブーム4を変位させるために回動シリンダ141に作動油が供給される際には、アキュムレータ161に作動油が過剰に供給されることが抑制される。この場合、ブーム4を右ロール方向へ変位させる操作に引き続いてブーム4を左ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたとしても、作動油は、アキュムレータ161ではなく、回動シリンダ141から排出される。
 このように、オペレータの操作に応じて回動シリンダ141が速やかに伸縮する結果、ブーム4を応答性良く変位させることができる。
 次に、本第2実施形態の変形例について説明する。
 上記第2実施形態では、圧力検出器172は、圧力スイッチである。これに代えて、圧力検出器172は、絶対圧を検出可能な圧力センサであってもよい。この場合、コントローラ70は、図9のステップS204において、圧力検出器172により検出された圧力値と記憶された第3圧力値とを比較し、検出された圧力値が第3圧力値を下回っているときに、方向切換弁152を停止位置152cに切り換え、図10のステップS214において、圧力検出器172により検出された圧力値と第3圧力値よりも高い第4圧力値とを比較し、検出された圧力値が第4圧力値を上回っているときに、方向切換弁152を停止位置152cに切り換える。
 また、上記第2実施形態では、コントローラ70は、圧力検出器172から接点信号が出力されたか否かに基づいて、ブーム4が最も左ロール方向へ変位した位置または最も右ロール方向へ変位した位置にあるか否かを判定している。これに代えて、回動シリンダ141の伸縮量を検出するストロークセンサの検出値に基づいてブーム4が最も変位した位置近傍に達しているか否かを判定してもよい。また、ブーム4が最も左ロール方向へ変位した位置または最も右ロール方向へ変位した位置近傍に達しているか否かを判定するために、回動シリンダ141が最収縮または最伸長近傍の状態となったときに接点信号を発するストロークスイッチやロール台5の位置が最も左ロール方向へ変位した位置または最も右ロール方向へ変位した位置近傍となったときに信号を発する接触型または非接触型のリミットスイッチ、ロール方向へのロール台5の傾斜角度を検出する角度センサが用いられてもよい。また、上記のセンサやスイッチを複数組み合わせて、それらの検出値に基づいてブーム4が最も左ロール方向へ変位した位置または最も右ロール方向へ変位した位置近傍に達しているか否かを判定してもよい。
 なお、状態検知部としてストロークスイッチやリミットスイッチを用いた場合、回動シリンダ141が最収縮または最伸長するよりも前に接点信号を発するように設定すること、すなわち、ブーム4が左ロール方向へ最も変位した位置または右ロール方向へ最も変位した位置に達する前に余裕をもって接点信号を発するように設定することが可能である。このため、回動シリンダ141が最収縮または最伸長した後の圧力を検出する圧力検出器172を状態検知部として用いた場合と比較し、アキュムレータ161から作動油が排出されることやアキュムレータ161に作動油が過剰に供給されることを確実に防止することができる。
 また、上記第2実施形態では、回動シリンダ141は、車体91の前方から見て左側に設けられている。これに代えて、回動シリンダ141と金属ばね80との位置を入れ替えて、車体91の前方から見て右側に回動シリンダ141を設けた構成としてもよい。
 また、上記第2実施形態では、支持軸6を挟んで回動シリンダ141と金属ばね80とが設けられる。これに代えて、回動シリンダ141を両ロッド形とし、ピストンで仕切られる一方の室にブーム回動装置140を構成する油圧ポンプ51やアキュムレータ161を接続して作動油を給排可能とし、他方の室にアキュムレータを接続することで、他方の室を金属ばね80と同様に機能させた構成としてもよい。この場合、金属ばね80を廃止することができる。
 また、上記第2実施形態では、方向切換弁152は、電磁力によって位置が切り換えられる電磁切換弁である。これに代えて、方向切換弁152は、オペレータによって手動で切り換えられる手動切換弁であってもよい。以下、図11~13を参照して、方向切換弁152が手動切換弁である場合について説明する。
 この場合、図11に示されるように、オペレータは方向切換弁152と連動するレバー152dを操作し、ブーム4を右ロール方向に変位させる場合には、伸長位置152aに切り換え、ブーム4を左ロール方向に変位させる場合には、収縮位置152bに切り換え、ブーム4の傾きを保持させるには、停止位置152cに切り換える。コントローラ70は、方向切換弁152の位置を検出する位置センサ152eの検出値に応じて、方向切換弁152がオペレータによってどの位置に操作されたかを検知する。
 このように方向切換弁152が手動切換弁である場合には、上記第2実施形態のように、圧力検出器172の検出値に応じて方向切換弁152を停止位置152cに切り換えることができない。つまり、アキュムレータ161とタンクTまたは油圧ポンプ51との連通を遮断することができない。そこで、この変形例では、開閉弁163を閉弁することによって、アキュムレータ161とタンクTまたは油圧ポンプ51との連通が遮断される。
 以下に、オペレータによって方向切換弁152の位置が切り換えられ、ブーム4を車体91に対してロール方向に変位させる操作が行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、ブーム4を車体91に対して左ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートであり、図13は、ブーム4を車体91に対して右ロール方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順を示したフローチャートである。
 まず、図12を参照し、オペレータによって方向切換弁152の位置が収縮位置152bに切り換えられ、ブーム4を車体91に対して左ロール方向へ変位させる操作が行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図12において、ステップS221では、コントローラ70は、位置センサ152eの検出値に基づいて、オペレータにより方向切換弁152が収縮位置152bに切り換えられたか否かを検出する。方向切換弁152が収縮位置152bに切り換えられると、ピストン側室145とタンクTとが連通し、ピストン側室145内の作動油は、給排通路156及び排出通路57を通じてタンクTへ排出され、回動シリンダ141は収縮する。回動シリンダ141の収縮に連動して、ブーム4及びロール台5は左ロール方向へ回動し始める。
 ステップS221において方向切換弁152が収縮位置152bに切り換えられたことが検出されると、ステップS222に進み、コントローラ70は、オペレータにより方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の傾きが農薬等を散布するために最適な傾きとなったときに方向切換弁152を停止位置152cに切り換える。
 ここで、オペレータによって方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられると、ピストン側室145とタンクTとの連通が遮断される。このときアキュムレータ161とタンクTとの連通も遮断されるため、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへと排出されるおそれはない。このため、ステップ212において、方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたことが検出されると、コントローラ70は、一旦処理を終了させる。
 一方、ステップS222において、方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたことが検出されないと、ステップS223に進み、コントローラ70は、圧力検出器172から接点信号が出力されたか否かを検出する。
 ここで、オペレータによってブーム4を左ロール方向へ変位させる操作が行われている際に、給排通路156の圧力が所定の圧力以下になるときは、上述のように、回動シリンダ141が最収縮し、ブーム4が最も左ロール方向へ変位しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ161内の作動油も排出されることになり、ブーム4を右ロール方向へ変位させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器172において給排通路156の圧力が所定値以下になったことが検出されると、ステップS224に進み、開閉弁163を遮断位置163bに切り換え、アキュムレータ161とタンクTとの連通を遮断する。
 ステップS223において、圧力検出器172から接点信号が出力されない場合、回動シリンダ141はまだ収縮可能な状態にあることから、ステップS222に戻り、再度、オペレータにより方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の傾きとなるまで回動され、また、回動シリンダ141が最収縮した後、アキュムレータ161内の作動油がタンクTへ排出されることが防止される。
 次に、図13を参照し、オペレータによって方向切換弁152の位置が伸長位置152aに切り換えられ、ブーム4を車体91に対して右ロール方向へ変位させる操作が行われたときに実行されるコントローラ70の処理の手順について説明する。
 図13において、ステップS231では、コントローラ70は、位置センサ152eの検出値に基づいて、オペレータにより方向切換弁152が伸長位置152aに切り換えられたか否かを検出する。方向切換弁152が伸長位置152aに切り換えられると、ピストン側室145と油圧ポンプ51とが連通し、ピストン側室145には給排通路156及び供給通路55を通じて作動油が供給され、回動シリンダ141は伸長する。回動シリンダ141の伸長に連動して、ブーム4及びロール台5は右ロール方向へ回動し始める。
 ステップS231において方向切換弁152が伸長位置152aに切り換えられたことが検出されると、ステップS232に進み、コントローラ70は、オペレータにより方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたか否かを検出する。通常、オペレータは、ブーム4と農作物との間隔を見ながら、ブーム4の傾きが農薬等を散布するために最適な傾きとなったときに方向切換弁152を停止位置152cに切り換える。
 ここで、オペレータによって方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられると、ピストン側室145と油圧ポンプ51との連通が遮断される。このときアキュムレータ161と油圧ポンプ51との連通も遮断されるため、アキュムレータ161内に作動油が過剰に貯留されるおそれはない。このため、ステップ232において、方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたことが検出されると、コントローラ70は、一旦処理を終了させる。
 一方、ステップS232において、方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたことが検出されないと、ステップS233に進み、コントローラ70は、圧力検出器172から接点信号が出力されたか否かを検出する。
 ここで、オペレータによってブーム4を右ロール方向へ変位させる操作が行われている際に、給排通路156の圧力が所定の圧力以上になるときは、上述のように、回動シリンダ141が最伸長し、ブーム4が最も右ロール方向へ変位しているときである。この状態が維持されてしまうと、アキュムレータ161内に作動油が過剰に貯留されることになり、ブーム4を左ロール方向へ変位させるときに遅れが生じることになる。
 このような作動遅れを抑制するために、圧力検出器172において給排通路156の圧力が所定値以上になったことが検出されると、ステップS234に進み、開閉弁163を遮断位置163bに切り換え、アキュムレータ161と油圧ポンプ51との連通を遮断する。
 ステップS233において、圧力検出器172から接点信号が出力されない場合、回動シリンダ141はまだ伸長可能な状態にあることから、ステップS232に戻り、再度、オペレータにより方向切換弁152が停止位置152cに切り換えられたか否かを検出する。
 以上の処理がコントローラ70によって行われることによって、ブーム4は、所望の傾きとなるまで回動され、また、回動シリンダ141が最伸長した後、アキュムレータ161内に作動油が過剰に供給されることが防止される。
 以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
 車体91に変位自在に支持されるブーム4を車体91に対して上下方向またはロール方向に変位させるブーム変位装置40,140は、伸縮することによりブーム4を変位させる液圧シリンダ41,141と、液圧シリンダ41,141に対して流出入する作動流体が流通する給排通路56,156と、給排通路56,156に接続され、加圧された作動油を貯留するアキュムレータ61,161と、液圧シリンダ41,141の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることを検知可能な圧力検出器72,172と、圧力検出器72,172で検知された液圧シリンダ41,141の状態に基づいてアキュムレータ61,161に対する作動油の流出入を制御するコントローラ70と、を備え、コントローラ70は、圧力検出器72,172において液圧シリンダ41,141の状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、アキュムレータ61,161に対する作動油の流出入を遮断する。
 この構成では、ブーム4を変位させるために液圧シリンダ41,141に対して作動油が排出または供給される際に、液圧シリンダ41,141の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることが圧力検出器72,172によって検知されると、コントローラ70は、アキュムレータ61,161に対する作動油の流出入を遮断する制御を実行する。このため、ブーム4を変位させるために液圧シリンダ41,141から作動油が排出される際には、アキュムレータ61,161から作動油が排出されることが抑制される。この場合、ブーム4を一方の方向へ変位させる操作に引き続いてブーム4を他方の方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたとしても、油圧ポンプ51から供給される作動油は、アキュムレータ61,161ではなく、液圧シリンダ41,141へと流入する。また、ブーム4を変位させるために液圧シリンダ41,141に作動油が供給される際には、アキュムレータ61,161に作動油が過剰に供給されることが抑制される。この場合、ブーム4を他方の方向へ変位させる操作に引き続いてブーム4を一方の方向へ変位させる操作がオペレータによって行われたとしても、作動油は、アキュムレータ61,161ではなく、液圧シリンダ41,141から排出される。このように、オペレータの操作に応じて液圧シリンダ41,141が速やかに伸縮する結果、ブーム4を応答性良く変位させることができる。
 また、ブーム変位装置40,140は、液圧シリンダ41,141に作動油を供給する油圧ポンプ51と、液圧シリンダ41,141から排出される作動油が導かれるタンクTと、油圧ポンプ51及びタンクTと給排通路56,156との連通状態を切り換える方向切換弁52,152と、をさらに備え、方向切換弁52,152は、油圧ポンプ51及びタンクTのいずれかを給排通路56,156に連通させる連通位置52a,52b,152a,152bと、油圧ポンプ51及びタンクTと給排通路56,156との連通を遮断する停止位置52c,152cと、を有し、コントローラ70は、圧力検出器72,172において液圧シリンダ41,141の状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、方向切換弁52,152を停止位置52c,152cに切り換える。
 この構成では、液圧シリンダ41,141への作動油の給排を切り換える方向切換弁52,152がコントローラ70によって強制的に停止位置52c,152cに切り換えられることでアキュムレータ61,161に対する作動油の流出入が遮断される。このため、ブーム4を変位させる操作がオペレータによって継続されたとしても、アキュムレータ61,161に対して作動油が流出入することを抑制することができる。
 また、ブーム変位装置40,140は、アキュムレータ61,161と給排通路56,156とを接続する分岐通路64,164と、分岐通路64,164に設けられ、分岐通路64,164を開閉する開閉弁63,163と、をさらに備え、コントローラ70は、圧力検出器72,172において液圧シリンダ41,141の状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、開閉弁63,163を閉弁する。
 この構成では、分岐通路64,164を開閉する開閉弁63,163がコントローラ70によって強制的に閉じられることでアキュムレータ61,161に対する作動油の流出入が遮断される。このため、液圧シリンダ41,141への作動油の給排を切り換える方向切換弁52,152がオペレータによって手動で操作される場合において、ブーム4を変位させる操作がオペレータによって継続されたとしても、アキュムレータ61,161に対して作動油が流出入することを抑制することができる。
 また、状態検知部は、給排通路56,156の圧力を検出する圧力検出器と、液圧シリンダ41,141のストローク位置を検出するストローク検出器と、ブーム4の変位を検出する変位検出器と、の少なくとも1つの検出結果に基づいて、液圧シリンダ41,141の状態が所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることを検知する。
 この構成では、液圧シリンダ41,141の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることが、給排通路56,156の圧力を検出する圧力検出器と、液圧シリンダ41,141のストローク位置を検出するストローク検出器と、ブーム4の変位を検出する変位検出器と、の少なくとも1つの検出結果に基づいて検知される。このため、各検出器の取付性やコスト等を考慮し、最適な検出器を選択することができる。また、複数の検出器を用いることで、液圧シリンダ41,141の状態が、所定量以上の作動油が排出または供給された状態であることを確実に検出することができる。
 また、ブームスプレーヤ100,200は、上述のブーム変位装置40,140を備える。
 この構成では、上述のブーム変位装置40,140がブームスプレーヤ100,200に設けられる。このため、ブームスプレーヤ100,200のオペレータによるブーム4の操作性を向上させることができる。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
 例えば、ブーム4は、左右の何れか一方にのみ延びるものであってもよい。また、左右に延びるブーム4に対してそれぞれブーム回動装置140が設けられてもよい。
 また、昇降シリンダ41が最収縮状態となりブーム4が最低位置に達したときや回動シリンダ141が最収縮状態となりブーム4が最も左ロール方向へと変位したときに、ランプを点灯させたり、警報音を発したりしてもよい。このようにすることで、ブーム4の変位が限界に達していることがオペレータに認識され、アキュムレータ61,161から作動油が排出される状況となることを回避することができる。
 また、昇降シリンダ41が最伸長状態となりブーム4が最高位置に達したときや回動シリンダ141が最伸長状態となりブーム4が最も右ロール方向へと変位したときに、ランプを点灯させたり、警報音を発したりしてもよい。このようにすることで、ブーム4の変位が限界に達していることがオペレータに認識され、アキュムレータ61,161に作動油が過剰に供給される状況となることを回避することができる。
 また、ブームスプレーヤは、上述のブーム昇降装置40と上述のブーム回動装置140との両方を備えていてもよいし、何れか一方のみを備えていてもよい。
 本願は2016年1月29日に日本国特許庁に出願された特願2016-15595に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (5)

  1.  車体に変位自在に支持されるブームを前記車体に対して上下方向またはロール方向に変位させるブーム変位装置であって、
     伸縮することにより前記ブームを変位させる液圧シリンダと、
     前記液圧シリンダに対して流出入する作動流体が流通する流体通路と、
     前記流体通路に接続され、加圧された作動流体を貯留するアキュムレータと、
     前記液圧シリンダの状態が、所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることを検知可能な状態検知部と、
     前記状態検知部で検知された前記液圧シリンダの状態に基づいて前記アキュムレータに対する作動流体の流出入を制御する制御部と、を備え、
     前記制御部は、前記状態検知部において前記液圧シリンダの状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、前記アキュムレータに対する作動流体の流出入を遮断するブーム変位装置。
  2.  請求項1に記載のブーム変位装置であって、
     前記液圧シリンダに作動流体を供給するポンプと、
     前記液圧シリンダから排出される作動流体が導かれるタンクと、
     前記ポンプ及び前記タンクと前記流体通路との連通状態を切り換える切換弁と、をさらに備え、
     前記切換弁は、前記ポンプ及び前記タンクのいずれかを前記流体通路に連通させる連通位置と、前記ポンプ及び前記タンクと前記流体通路との連通を遮断する遮断位置と、を有し、
     前記制御部は、前記状態検知部において前記液圧シリンダの状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、前記切換弁を前記遮断位置に切り換えるブーム変位装置。
  3.  請求項1に記載のブーム変位装置であって、
     前記アキュムレータと前記流体通路とを接続する分岐通路と、
     前記分岐通路に設けられ、前記分岐通路を開閉する開閉弁と、をさらに備え、
     前記制御部は、前記状態検知部において前記液圧シリンダの状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることが検知されると、前記開閉弁を閉弁するブーム変位装置。
  4.  請求項1から3のいずれか1つに記載のブーム変位装置であって、
     前記状態検知部は、前記給排通路の圧力を検出する圧力検出器と、前記液圧シリンダのストローク位置を検出するストローク検出器と、前記ブームの変位を検出する変位検出器と、の少なくとも1つの検出結果に基づいて、前記液圧シリンダの状態が所定量以上の作動流体が排出または供給された状態であることを検知するブーム変位装置。
  5.  請求項1に記載のブーム変位装置を備えるブームスプレーヤ。
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