JP2016154477A - ブーム制振装置及びブームスプレーヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】左右のブームのうち一方を折りたたんでいても、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができるブーム制振装置及びブームスプレーヤを提供することを目的とする。
【解決手段】ブーム制振装置100は、左右のブーム4A、4Bをそれぞれ折りたたみ可能に支持する左右のブーム架台5A、5Bと、左右のブーム架台5A、5Bをそれぞれ作業車90のロール方向に回動可能に軸支するブーム支持体3と、右ブーム架台5Aとブーム支持体3との間に設けられる第一油圧シリンダ30Aと、左ブーム架台5Bとブーム支持体3との間に設けられる第二油圧シリンダ30Bと、を備える。
【選択図】図6
【解決手段】ブーム制振装置100は、左右のブーム4A、4Bをそれぞれ折りたたみ可能に支持する左右のブーム架台5A、5Bと、左右のブーム架台5A、5Bをそれぞれ作業車90のロール方向に回動可能に軸支するブーム支持体3と、右ブーム架台5Aとブーム支持体3との間に設けられる第一油圧シリンダ30Aと、左ブーム架台5Bとブーム支持体3との間に設けられる第二油圧シリンダ30Bと、を備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、防除液を散布するブームスプレーヤ、及びブームスプレーヤのブームの振動を抑えるブーム制振装置に関するものである。
従来のブーム制振装置として、特許文献1には、ロール台に片持ち支持される左右のブームの振動を抑えるブーム制振装置であって、ブームが左右ロール方向に回動するのに連動して伸縮作動する流体圧シリンダを備えたブーム制振装置の発明が開示されている。特許文献1に記載のブーム制振装置では、ブームは支持軸によって左右ロール方向に回動可能に支持されている。
特開2014−132878号公報
特許文献1に記載のブーム制振装置では、左右のブームのうち一方を折りたたんで作業しようとすると、支持軸を中心とした左右のブームの重量バランスが崩れブームが傾いてしまう。このとき、ブームの傾きを防止するために、流体圧シリンダのヘッド側室とロッド側室の外部への連通路に開閉弁を設けて、流体圧シリンダをロックすることも考えられる。しかし、流体圧シリンダをロックしてしまうと、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、左右のブームのうち一方を折りたたんでいても、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができるブーム制振装置及びブームスプレーヤを提供することを目的とする。
第1の発明は、一対のブームをそれぞれ折りたたみ可能に支持する一対のブーム架台と、一対のブーム架台をそれぞれ作業車のロール方向に回動可能に軸支するブーム支持体と、一対のブーム架台の一方とブーム支持体との間に設けられる第一流体圧シリンダと、一対のブーム架台の他方とブーム支持体との間に設けられる第二流体圧シリンダと、を備えることを特徴とする。
第1の発明では、一対のブームそれぞれは、第一流体圧シリンダと第二流体圧シリンダとによって独立して支持される。
第2の発明は、第一流体圧シリンダ及び第二流体圧シリンダは、一対のブームに対して斜めに取り付けられることを特徴とする。
第2の発明では、第一流体圧シリンダ及び第二流体圧シリンダは、一対のブームに対して斜めに取り付けられるため、ブームの変位に対して流体圧シリンダのストロークが大きくなる。したがって、ブームの小さな振動も流体圧シリンダによって制振することができる。
第3の発明は、第一流体圧シリンダ及び第二流体圧シリンダのそれぞれは、ブーム支持体とブームのいずれか一方に連結され作動液が封入されるシリンダチューブと、ブーム支持体とブームのいずれか他方に連結されシリンダチューブ内に挿入されるピストンロッドと、ピストンロッドに連結されシリンダチューブ内をロッド側室と反ロッド側室とに仕切るピストンと、を備え、ロッド側室または反ロッド側室の一方を加圧するガス室を有するアキュムレータを備えることを特徴とする。
第3の発明では、第一流体圧シリンダ及び第二流体圧シリンダの各々がロッド側室または反ロッド側室の一方を加圧するガス室を有するアキュムレータを備える。したがって、ブームの細かな振動をキュムレータによって吸収することができる。
第4の発明は、第一流体圧シリンダ及び第二流体圧シリンダのロッド側室または反ロッド側室の一方に作動液を給排して前記ブームのロール角度を調整するロール角度調整装置をさらに備えることを特徴とする。
第4の発明では、ロール角度調整装置によって、ブームのロール角度を調整することができる。したがって、傾斜地などで作業する場合にもブームのロール角度を調整することでブームが地面や作物に接触することを防止できる。
第5の発明は、一対のブーム架台は、共通の支持部材によってブーム支持体に軸支されていることを特徴とする。
第5の発明では、一対のブーム架台は、共通の支持部材によってブーム支持体に軸支される。したがって、部品点数が削減されるとともに、取り付けスペースを小さくすることができる。
第6の発明は、ブーム制振装置を備えるブームスプレーヤである。
本発明によれば、左右の一方のブームを折りたたんでも、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、添付図面上に互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が車両の前後方向(略水平前後方向)、Y軸が車両の左右方向(略水平横方向)、Z軸が車両の上下方向(略鉛直方向)に延びるものとし、X軸を中心とする回動方向をロール方向とし、Z軸を中心とする回動方向をヨー方向として、実施形態を説明する。
<第1実施形態>
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態に係るブーム制振装置100が適用されるブームスプレーヤ1について説明する。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態に係るブーム制振装置100が適用されるブームスプレーヤ1について説明する。
図1及び図2に示すブームスプレーヤ1は、例えば、圃場を走行する作業車90の前方側に搭載され、作業車90から防除液(農薬)を散布する農業用の作業機である。
ブームスプレーヤ1は、作業車90から左右に延びる一対の右ブーム4A、左ブーム4Bを備える。右ブーム4Aは、作業車90から見て右方向に展開可能な構成であり、左ブーム4Bは、作業車90から見て左方向に展開可能な構成である。左右のブーム4A、4Bには、それぞれ防除液を散布するノズル(図示せず)が取り付けられている。ブームスプレーヤ1の作業時には、作業車90が圃場を走行しながら左右のブーム4A、4Bのノズルから防除液が散布される。
ブームスプレーヤ1は、作業車90の車体91に取り付けられた一対のリンクアーム2と、リンクアーム2によって車体91に対して昇降可能に支持されるブーム支持体としての昇降台3と、昇降台3に対してロール方向(X軸まわり)に回動自在に支持される一対の左右のブーム架台5A、5Bと、を備える。
一対の左右のブーム架台5A、5Bは、車体91の左右側方(Y軸方向)に延びる一対の左右のブーム4A、4Bをそれぞれ片持ち支持する。なお、図1に示す状態は、右ブーム4A及び左ブーム4Bが車体91の左右水平方向に延在した展開状態である。
右ブーム4Aは、右ブーム架台5Aに支持される基端側フレーム15Aと、基端側フレーム15Aに伸縮可能に支持された先端側フレーム16Aと、を有する。左ブーム4Bは、左ブーム架台5Bに支持される基端側フレーム15Bと、基端側フレーム15Bに伸縮可能に支持された先端側フレーム16Bと、を有する。
図4A及び図4Bは、右ブーム架台5Aと右ブーム4Aとの連結箇所を拡大して示す拡大図である。図4A及び図4Bに示すように、右ブーム架台5Aには、右ブーム4Aの基端側フレーム15Aの基端部がピン63を介してヨー方向に回動可能に支持される。これにより、右ブーム4Aは、右ブーム架台5Aに片持ち支持され、先端部が自由端となる。左ブーム4Bも、図示はしないが右ブーム4Aと同様の構成によって左ブーム架台5Bに片持ち支持される。
左右のブーム4A、4Bの格納時には、左右のブーム4A、4Bが展開状態である作業位置から先端側フレーム16A、16Bを収縮させ基端側フレーム15A、15B内に格納した後に、ピン63を支点にして後方に回動させる。これにより、左右のブーム4A、4Bは、車体91の側方に沿って前後方向に延びるように折りたたまれる。
より詳細に説明すると、図4A、図4B及び図6に示すように、右ブーム架台5Aの下面側端部には、ブーム取付部68が設けられる。ブーム取付部68には、右ブーム4Aを回動可能に軸支するピン63と、ブーム取付部68から前方に延出するブーム架台側ブラケット61と、一端側が右ブーム4Aとともにピン63によって軸支される略L字形状のブーム側ブラケット62と、ブーム架台側ブラケット61とブーム側ブラケット62との間に連結される油圧シリンダ64と、ブーム側ブラケット62の他端側と右ブーム4Aとの間に連結されるスプリング65と、右ブーム架台5Aのピン63の近傍から前方に延出した右ブームセンサ66Aと、が設けられる。なお、油圧シリンダ64の伸縮は、図示しないレバー操作等によって行われる。
図4Aは、右ブーム4Aが作業車90の側方に沿って前後方向に延在するように折りたたまれている状態を示す。この状態で油圧シリンダ64を伸長させると、ブーム側ブラケット62がピン63を中心として図4Aにおける反時計回りに回動する。これに伴って、右ブーム4Aがスプリング65を介してブーム側ブラケット62に押されて回動する。
図4Bは、右ブーム4Aが作業車90の左右水平方向に延在するように展開した状態を示す。油圧シリンダ64の伸長によって右ブーム4Aが作業位置まで展開すると、ブーム側ブラケット62のピン63より一端側が右ブームセンサ66Aに接触する。これにより、右ブームセンサ66AはON状態となり、検出信号がコントローラ67に送信される。
なお、ブーム側ブラケット62と右ブーム4Aとの間にはスプリング65が介装されるので、右ブーム4Aが完全に展開した状態で作業しているときに、右ブーム4Aが障害物に接触したとしても、スプリング65が収縮あるいは伸長することで衝撃を吸収することができる。
油圧シリンダ64が収縮して右ブーム4Aが折りたたまれ、ブーム側ブラケット62が右ブームセンサ66Aから離間すると、右ブームセンサ66AはOFF状態となり、検出信号がコントローラ67に送信される。
以上、右ブーム4Aの折りたたみ動作について説明したが、左ブーム4Bについても同様の構成であるので、その説明を省略する。
次に、図2及び図3を参照して、リンクアーム2に係るリンク機構と昇降台3の昇降機構について説明する。図2はブームスプレーヤ1及びリンクアーム2の側面図であり、図3はリンクアーム2及び昇降台3近傍の斜視図である。
車体91の左右両側には、一対のリンクアーム2が設けられる。リンクアーム2は、互いに平行に延びる上部リンク21と下部リンク22とを備え、側面視が平行四辺形状のリンク機構を構成する。
上部リンク21は、その基端部がピン12を介して車体91に回動自在に連結され、その先端部がピン11を介して昇降台3に回動自在に連結される。下部リンク22は、その基端部がピン14を介して車体91に回動自在に連結され、その先端部がピン13を介して昇降台3に回動自在に連結される。
このようにして昇降台3は、車体91の前部に一対のリンクアーム2を介して昇降可能に支持される。なお、これに代えて、車体91の前部にZ軸方向に延びるガイドレールを設け、このガイドレールによって昇降台3が昇降可能に支持される構成としてもよい。
車体91の左右両側には、昇降機構としての一対の昇降シリンダ40が設けられる。各昇降シリンダ40は、車体91と上部リンク21との間に介装され、それぞれの伸縮によって昇降台3及びブーム4を昇降するアクチュエータである。
昇降シリンダ40は、作動液としての作動油が封入されたシリンダチューブ41と、シリンダチューブ41に摺動自在に挿入されたピストンロッド42と、ピストンロッド42の基端部に設けられるピストン43と、を備える。昇降シリンダ40は、シリンダチューブ41の基端部がピロボール46を介して車体91に回動自在に連結され、ピストンロッド42の先端部がピロボール47を介して上部リンク21に回動自在に連結される。ピロボール46、47は、例えばボール及び球面軸受によって構成される。昇降シリンダ40の連結部は、ピロボール46、47によってこじりが生じないようになっている。
シリンダチューブ41の内部は、ピストン43によって反ロッド側室44とロッド側室45とに区画される。反ロッド側室44とロッド側室45に対しては作動流体給排装置(図示省略)によって作動油が給排され、その作動油の給排に応じて昇降シリンダ40が伸縮する。このように、本実施形態では、昇降シリンダ40は複動形流体圧シリンダである。なお、これに代えて、昇降シリンダ40として、反ロッド側室44とロッド側室45の一方のみに作動油が給排される単動形流体圧シリンダを用いてもよい。
左右のブーム4A、4Bの高さを変える場合には、左右の昇降シリンダ40が互いに同期して伸縮することで左右のリンクアーム2を回動させ、昇降台3、左右のブーム架台5A、5B及び左右のブーム4A、4Bを車体91に対して昇降させる。具体的には、昇降シリンダ40が伸長すれば、リンクアーム2が上方に回動し、昇降台3、左右のブーム架台5A、5B及び左右のブーム4A、4Bが上昇する。一方、昇降シリンダ40が収縮すれば、リンクアーム2が下方に回動し、昇降台3、左右のブーム架台5A、5B及び左右のブーム4A、4Bが下降する。このように、昇降シリンダ40を伸縮させることによって、圃場の作物に対する左右のブーム4A、4Bの高さを調節することができる。
図3及び図5に示すように、左右のブーム架台5A、5Bは、それぞれの一方の端部が昇降台3に共通の支持部材を介してロール方向に回動自在に軸支される。支持部材は、支持ピン6によって構成される。左右のブーム架台5A、5Bの一方の端部を凸形状とし、他方の端部を凹形状として嵌合させる。支持ピン6は、左右のブーム架台5A、5Bを貫通して昇降台3に固定される。なお、左右のブーム架台5A、5Bの端部の軸支部分に係る形状は、一つの支持ピン6で軸支できるものであれば、どのような形状であってもよい。また、支持ピン6は、円柱状のピンが用いられるが、これに限らず球面軸受などを用いてもよい。さらに、支持ピン6は、左右のブーム架台5A、5Bに対して個別に設けてもよい。
昇降台3と左右のブーム架台5A、5Bの間には、ブーム制振装置100が設けられる。ブーム制振装置100は、左右のブーム4A、4Bが左右ロール方向に回動するロール方向の振動を抑えるものであり、結果として左右のブーム4A、4Bの先端部が上下方向に振れる振動を抑え、左右のブーム4A、4Bの先端部が圃場の農作物などに接触することを防止する。なお、ブーム制振装置100は、作業車90が昇降機構を備えていない場合には、車体91の固定部と左右のブーム架台5A、5Bとの間に設けられる。この場合、車体91の固定部がブーム支持体に相当する。
次に、図3及び図6を参照して、ブーム制振装置100について説明する。図6は、ブーム制振装置100の概略構成図である。
図3及び図6に矢印で示すように、作業車90を前方から見てX軸を中心とする反時計回りの回動方向を右ロール方向(一方の回動方向)とし、時計回りの回動方向を左ロール方向(他方の回動方向)として、以下の説明をする。
ブーム制振装置100は、左右のブーム4A、4Bが左右ロール方向に回動するのに連動して伸縮する一対の第一油圧シリンダ30A(第一流体圧シリンダ)と第二油圧シリンダ30B(第二流体圧シリンダ)とを備える。第一油圧シリンダ30Aは、右ブーム架台5Aと昇降台3との間に設けられ、右ブーム4Aが左右ロール方向に回動するのに連動して伸縮する。第二油圧シリンダ30Bは、左ブーム架台5Bと昇降台3との間に設けられ、左ブーム4Bが左右ロール方向に回動するのに連動して伸縮する。
なお、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bは同じ構成であるので、以下では第一油圧シリンダ30Aを中心に説明し、第二油圧シリンダ30Bについては第一油圧シリンダ30Aと同一の構成には図中に同じ数字の符号を付して説明を省略する。また、後述するアキュムレータ50Aとアキュムレータ50Bとは同じ構成であるため、以下ではアキュムレータ50Aを中心に説明し、アキュムレータ50Bについてはアキュムレータ50Aと同一の構成には図中に同じ数字の符号を付して説明を省略する。第一油圧シリンダ30A及びアキュムレータ50Aの構成には符号に「A」を付し、第二油圧シリンダ30B及びアキュムレータ50Bの構成には符号に「B」を付して区別する。
第一油圧シリンダ30Aは、作動液としての作動油が封入されたシリンダチューブ31Aと、シリンダチューブ31A内に摺動自在に挿入されたピストンロッド32Aと、を備える。なお、第一油圧シリンダ30Aは作動油を用いるが、作動油の代わりに、例えば水溶性代替液等の作動液を用いてもよい。
シリンダチューブ31Aの基端部は、昇降台3の下部に取り付けられたシリンダ取付部8にピン7によって回動自在に連結される。ピストンロッド32Aの先端部は、右ブーム架台5Aから上下方向上側に延びるように設けられたシリンダ取付部5aにピロボール37Aによって回動自在に連結される。第一油圧シリンダ30Aは、右ブーム4Aに対して斜めになるように取り付けられる。このようにして、シリンダチューブ31Aが昇降台3を介して作業車90に連結され、ピストンロッド32Aが右ブーム架台5Aを介して右ブーム4Aに連結される。したがって、右ブーム4Aがロール方向に回動すると、第一油圧シリンダ30Aが伸縮する。
なお、上述した構成に限らず、ピストンロッド32Aが昇降台3を介して作業車90に連結され、シリンダチューブ31Aが右ブーム架台5Aを介して右ブーム4Aに連結される構成としてもよい。また、連結手段もピロボールに限らず、第一油圧シリンダ30Aを昇降台3と右ブーム架台5Aの間に回動自在に連結できるものであれば、どのようなものでもよい。
ピストンロッド32Aの端部には、シリンダチューブ31Aの内周面に沿って摺動自在なピストン33Aが設けられる。シリンダチューブ31Aの内部は、ピストン33Aによってロッド側室34Aと反ロッド側室35Aとに区画される。ピストン33Aには、ロッド側室34Aと反ロッド側室35Aとを連通する流路38Aが設けられる。第一油圧シリンダ30Aは、反ロッド側室35Aに作動油が給排されることで駆動する単動形油圧シリンダである。なお、図6に示した構成は、ロッド側室34Aと反ロッド側室35Aとが流路38Aによって連通しているが、これに代えて、ピストン33Aにシール部材を設け、流路38Aを廃止し、ロッド側室34Aを大気またはタンクに連通した構成としてもよい。
反ロッド側室35Aには、連通路55Aを通じてアキュムレータ50Aが接続される。右ブーム4Aがロール方向に回動するのに伴って、反ロッド側室35Aの作動油がアキュムレータ50Aに出入りする。アキュムレータ50Aは、反ロッド側室35Aに連通する油室52Aと、油室52Aを加圧する圧縮ガスが蓄えられたガス室51Aと、ガス室51Aと油室52Aを仕切る仕切部材53Aと、を備える。アキュムレータ50Aのガス室51Aの圧力によって、第一油圧シリンダ30Aは伸長する方向に付勢される。なお、仕切部材53Aは、フリーピストン、ベローズ、ブラダなど、どのような形式のものでもよく、ガス室51Aのガスが作動油に溶解しないものであれば、仕切部材53Aを設けなくてもよい。
第一油圧シリンダ30Aの反ロッド側室35Aとアキュムレータ50Aの油室52Aとを連通する連通路55Aには、絞りとしての減衰弁54Aが設けられる。第一油圧シリンダ30Aが伸縮するのに伴って、反ロッド側室35Aから油室52Aに出入りする作動油が減衰弁54Aを通過する。このとき、減衰弁54Aは、作動油の流れに抵抗を付与することによって、右ブーム4Aがロール方向に振動することを抑える減衰力を発生する。減衰弁54Aは、固定絞りである。なお、減衰弁54Aは、可変絞りであってもよい。また、減衰弁54Aを連通路55Aに設けているが、これに代えて、ピストン33Aのロッド側室34Aと反ロッド側室35Aとを連通する流路38Aに、減衰弁を設ける構成としてもよい。この構成においては、第一油圧シリンダ30Aが伸縮するのに伴ってロッド側室34Aと反ロッド側室35Aの容積に変化が生じ、流路38Aを作動油が通過する。このとき、流路38Aを流れる作動油に減衰弁54Aが抵抗を与えることで減衰力が発生する。
ブーム制振装置100は、さらに、反ロッド側室35Aと油室52Aとを連通する連通路55Aの減衰弁54Aよりもアキュムレータ50A側に設けられる遮断弁56Aと、右ブーム4Aの展開状態を検出する右ブーム検出器としての右ブームセンサ66Aと、遮断弁56Aを制御する制御部としてのコントローラ67と、を備える。
コントローラ67は、右ブームセンサ66Aの検出信号に基づいて遮断弁56Aを切り換え制御する。右ブーム4Aを折りたたんだ場合には、右ブームセンサ66AがOFF状態となる。このとき、コントローラ67は遮断弁56Aを遮断位置に切り換える。このように、右ブーム4Aを折りたたんだ場合には、遮断弁56Aが遮断位置に切り換えられるため、反ロッド側室35Aと油室52Aとの連通が遮断される。したがって、第一油圧シリンダ30Aの伸縮が規制される。これに対して、右ブーム4Aを展開した場合には、右ブームセンサ66AがON状態となる。このとき、コントローラ67は遮断弁56Aを連通位置に切り換える。このように、右ブーム4Aを展開した場合には、遮断弁56Aが連通位置に切り換えられるため、反ロッド側室35Aと油室52Aとが連通する。したがって、第一油圧シリンダ30Aの伸縮が許容され、右ブーム4Aの振動を第一油圧シリンダ30Aによって吸収することができる。なお、遮断弁56Aは、スプール型電磁切換弁であるが、連通位置及び遮断位置に切り換えられるものであれば、どのような形式の切換弁であってもよい。また、遮断弁56Aは、手動による切換機構を備えていてもよい。
次に、左右のブーム4A、4Bのロール角度を調整するロール角調整装置について説明する。
ブームスプレーヤ1は、第一油圧シリンダ30Aに対して作動油を給排する作動流体給排装置70Aを備える。作動流体給排装置70Aが、第一油圧シリンダ30Aに作動油を給排することによって、第一油圧シリンダ30Aが伸縮し、右ブーム4Aのロール角度が設定値に調節される。作動流体給排装置70Aは、右ブーム4Aをロール方向に回動させて右ブーム4Aのロール角度を調整するロール角調整装置を構成する。また、ブームスプレーヤ1は、第二油圧シリンダ30Bに対して作動油を給排する作動流体給排装置70Bを備える。作動流体給排装置70Bが、第二油圧シリンダ30Bに作動油を給排することによって、第二油圧シリンダ30Bが伸縮し、左ブーム4Bのロール角度が設定値に調節される。作動流体給排装置70Bは、左ブーム4Bをロール方向に回動させて左ブーム4Bのロール角度を調整するロール角調整装置を構成する。なお、作動流体給排装置70Aと作動流体給排装置70Bは同じ構成であるので、以下では作動流体給排装置70Aを中心に説明し、作動流体給排装置70Bについては作動流体給排装置70Aと同一の構成には図中に同じ数字の符号を付して説明を省略する。
作動流体給排装置70Aは、連通路55Aを通じて第一油圧シリンダ30Aの反ロッド側室35Aに連通する給排通路71Aと、給排通路71Aに介装されるオペレートチェック弁72Aと、給排通路71Aに対する油圧ポンプ74とタンク75の連通を切換える方向切換弁77Aと、を備える。
方向切換弁77Aには、油圧ポンプ74から吐出される作動油を導く供給通路78と、タンク75に作動油を戻す排出通路79Aと、オペレートチェック弁72Aのパイロット圧室に連通するオペレート通路73Aと、反ロッド側室35Aに連通する連通路55Aに接続される給排通路71Aと、が接続される。
方向切換弁77Aは、右ロールポジションaと左ロールポジションbと中立ポジションcとを有し、運転者がレバー76Aを操作することによってこれらのポジションが切換えられる。なお、レバー76Aに代えて、入力設定や方向切換弁77Aの操作をコントローラなどを用いて電気的に行うようにしてもよい。
方向切換弁77Aが右ロールポジションaに切換えられると、供給通路78とオペレート通路73Aとが連通するとともに、給排通路71Aと排出通路79Aとが連通する。これに伴って、オペレート通路73Aを通じてパイロット圧として導かれる油圧ポンプ74の吐出圧によってオペレートチェック弁72Aが開弁し、反ロッド側室35Aが連通路55A、給排通路71A、及び排出通路79Aを通じてタンク75に連通する。これにより、反ロッド側室35Aが収縮して第一油圧シリンダ30Aが収縮作動し、右ブーム4Aが右ロール方向に回動する。
方向切換弁77Aが左ロールポジションbに切換えられると、排出通路79Aとオペレート通路73Aとが連通するとともに、給排通路71Aと供給通路78とが連通する。これに伴って、油圧ポンプ74から吐出される作動油が供給通路78、給排通路71A、及び連通路55Aを通じて反ロッド側室35Aに流入する。これにより、反ロッド側室35Aが拡張して第一油圧シリンダ30Aが伸長作動し、右ブーム4Aが左ロール方向に回動する。
方向切換弁77Aが中立ポジションcに切換えられると、供給通路78、排出通路79A、オペレート通路73A、及び給排通路71Aのすべてが連通する。これに伴って、油圧ポンプ74から供給通路78を通じて供給される作動油は、全てタンク75に戻される。このとき、オペレート通路73Aの圧力はタンク75と等しくなり、オペレートチェック弁72Aは、ばねの付勢力によって閉弁する。これにより、第一油圧シリンダ30Aの伸縮作動が停止し、右ブーム4Aの回動が止まる。
このように、運転者が方向切換弁77Aを操作することによって、右ブーム4Aが左右ロール方向に回動して停止することにより、右ブーム4Aのロール角度が調整される。
作動流体給排装置70Aは、第一油圧シリンダ30Aの反ロッド側室35Aに作動油を給排して右ブーム4Aをロール方向に回動させる構成に限らず、ロッド側室34Aに作動油を給排して右ブーム4Aをロール方向に回動させる構成としてもよい。
次に、ブーム制振装置100の動作について説明する。
右ブーム4Aは、支持ピン6を支点として第一油圧シリンダ30Aによって昇降台3に支持されており、左ブーム4Bは、支持ピン6を支点として第二油圧シリンダ30Bによって昇降台3に支持される。このように、左右のブーム4A、4Bそれぞれは、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによって独立して支持される。
なお、右ブーム4Aと第一油圧シリンダ30Aの動作と、左ブーム4Bと第二油圧シリンダ30Bの動作とは、回動方向が異なること以外は同様に動作するため、以下では、右ブーム4Aと第一油圧シリンダ30Aの動作を中心に説明し、左ブーム4Bと第二油圧シリンダ30Bの動作については説明を省略する。
右ブーム4Aには、自重によって支持ピン6を支点として右ロール方向に回動しようとする力が働く。また、アキュムレータ50Aのガス室51Aの圧力によって第一油圧シリンダ30Aは伸長方向に付勢されるため、右ブーム4Aには第一油圧シリンダ30A及び右ブーム架台5Aを介して左ロール方向に回動しようとする付勢力が作用する。ガス室51Aには、右ブーム4Aの自重による右ブーム4Aを右ロール方向に回動しようとする力と釣り合う付勢力を発生させるために、所定の圧力のガスがあらかじめチャージされている。したがって、自重によって右ブーム4Aが右ロール方向に回動しようとする力と、ガス室51Aの圧力によって右ブーム4Aを左ロール方向に回動させる付勢力と、が釣り合い、右ブーム4Aは水平位置に保持される。
ブームスプレーヤ1は、作業車90が圃場を走行しながら、左右のブーム4A、4Bのノズルから防除液を散布する。この作業時に作業車90が圃場の凹凸を乗り越えながら走行すると、作業車90が左右ロール方向に回動することがある。
ブーム制振装置100では、作業車90が左右ロール方向に傾く速度が小さい場合には、作業車90と左右のブーム4A、4Bとのロール方向の相対的な変位は第一、第二油圧シリンダ30A、30Bの伸縮によって吸収される。また、作業車90が左右ロール方向に傾く速度が第一、第二油圧シリンダ30A、30Bの伸縮によって吸収できる範囲を超えると、左右のブーム4A、4Bは振動する。このような場合には、減衰弁54A、54Bの作用により、左右のブーム4A、4Bの左右ロール方向の振動は速やかに減衰される。以下に、より具体的に説明する。
例えば、作業車90の姿勢が右ロール方向に小さな速度で変化する場合には、第一油圧シリンダ30Aを介して右ブーム架台5Aに右ブーム4Aを右ロール方向に回動させようとする力が働く。右ブーム4Aは慣性によりその位置にとどまろうとするので、ピストンロッド32Aが引き出され、第一油圧シリンダ30Aが伸長する。第一油圧シリンダ30Aが伸長すると、ロッド側室34Aの作動油がピストン33Aによって押し出され、流路38Aを通って反ロッド側室35Aに流入する。このとき、ピストンロッド32Aがシリンダチューブ31A内から外部へ伸長した分の体積に相当する作動油が不足する。この不足した作動油は、アキュムレータ50Aのガス室51Aが膨張することで、アキュムレータ50A内の油室52Aから反ロッド側室35Aに流入し補われる。このとき、右ロール方向に小さな速度で変化しているので、連通路55Aを通じてアキュムレータ50A内から流出する作動油は減衰弁54Aの影響を受けることがない。このようにして、右ブーム4Aを変位させることなく、作業車90の右ロール方向の変化に伴う昇降台3と右ブーム4Aとのロール方向の相対的な変位を吸収することができる。したがって、右ブーム4Aは水平位置に保持される。
逆に、作業車90の姿勢が左ロール方向に変化する場合には、第一油圧シリンダ30Aを介して右ブーム架台5Aに右ブーム4Aを左ロール方向に回動させようとする力が働く。右ブーム4Aは慣性によりその位置にとどまろうとするので、ピストンロッド32Aが押し込まれ、第一油圧シリンダ30Aが収縮する。第一油圧シリンダ30Aが収縮すると、反ロッド側室35Aの作動油がピストン33Aによって押し出され、流路38Aを通ってロッド側室34Aに流入する。このとき、ピストンロッド32Aがシリンダチューブ31Aの外部から内部へ押し込まれた分の体積に相当する作動油が余剰となる。この余剰となった作動油は、アキュムレータ50A内に流入することによってガス室51Aを圧縮する。これにより、第一油圧シリンダ30Aのピストンロッド32Aが収縮して余剰となった分の作動油をアキュムレータ50Aによって吸収することができる。このとき、左ロール方向に小さな速度で変化しているので、連通路55Aを通じてアキュムレータ50A内に流入する作動油は減衰弁54Aの影響を受けることがない。このようにして、右ブーム4Aを変位させることなく、作業車90の左ロール方向の変化に伴う昇降台3と右ブーム4Aとのロール方向の相対的な変位を吸収することができる。したがって、右ブーム4Aは水平位置に保持される。
以上のように、ブーム制振装置100は、第一油圧シリンダ30Aとアキュムレータ50Aのガス室51Aの作用より、昇降台3と右ブーム4Aとのロール方向の相対的な変位を吸収しつつ、右ブーム4Aを水平位置に保持する。これにより、右ブーム4Aのロール方向の振動が抑えられる。
また、作業車90のロール方向に傾く速度が大きい場合には、ロール方向の変位を吸収しきれなくなり、右ブーム4Aがロール方向に回動することがある。このような場合には、アキュムレータ50Aの油室52Aと反ロッド側室35Aとを連通する連通路55Aに減衰弁54Aが設けられることにより、振動の際に連通路55Aを通じて反ロッド側室35Aと油室52Aとの間を行き来する作動油に抵抗が付与されるため、ロール方向の振動を速やかに減衰することができる。
なお、アキュムレータ50Aは、第一油圧シリンダ30Aと別体のものとして構成したが、一体のものであってもよい。また、第一油圧シリンダ30A及びアキュムレータ50Aに係る構成に代えて、緩衝器を用いてもよい。
ブームスプレーヤ1を使用して作業する際に、左右のブーム4A、4Bのうち一方を折りたたんで作業しようとする場合がある。ブーム制振装置100では、左右のブーム4A、4Bが第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによってそれぞれ独立して左右のブーム架台5A、5Bに支持されている。このため、折りたたまれていない左ブーム4Bは、折りたたまれた右ブーム4Aの影響を受けることなく第二油圧シリンダ30Bによって制振することができる。これとは逆に、左ブーム4Bを折りたたんで作業する場合であっても、右ブーム4Aは第一油圧シリンダ30Aによって独立して右ブーム架台5Aに支持されているため、右ブーム4Aを第一油圧シリンダ30Aによって制振することができる。
なお、左右のブーム4A、4Bの一方を折りたたんだ状態で作業する場合、折りたたまれた一方のブームは車体91の側方に沿って前後方向に延びるように格納される。したがって、この状態で作業する場合には、折りたたまれた一方のブームが振動しても農作物に接触する恐れがない。このため、折りたたまれている一方のブームを制振する必要はないので、ブーム制振装置100では、作業中に折りたたまれている一方のブームが作業車90に対して不必要に動かないように遮断弁56A、56Bを備えている。
以下に、遮断弁56A、56Bの動作について説明する。なお、以下では、遮断弁56Aの動作について説明し、遮断弁56Bについては、遮断弁56Aと同様に動作するので同一の構成には図中に同じ数字の符号を付して説明を省略する。
例えば、右ブーム4Aを折りたたむと、ブーム側ブラケット62が右ブームセンサ66Aから離間して右ブームセンサ66AがOFF状態になる。このとき、右ブームセンサ66Aからコントローラ67にOFF状態の検出信号が送信される。コントローラ67は、右ブームセンサ66AがOFF状態である検出信号を受信すると、遮断弁56Aを遮断位置に切り換える。遮断弁56Aが遮断位置に切り換えられると、第一油圧シリンダ30Aの反ロッド側室35Aとアキュムレータ50Aの油室52Aとの連通が遮断される。これにより、第一油圧シリンダ30Aの伸縮動作が規制される。したがって、右ブーム4Aを折りたたんで作業する場合には、第一油圧シリンダ30Aの伸縮が規制されるので、右ブーム4Aは制振されない。
以上の第1実施形態に示すブーム制振装置100によれば、以下の効果を奏する。
ブーム制振装置100は、右ブーム架台5Aと昇降台3との間に設けられる第一油圧シリンダ30Aと、左ブーム架台5Bと昇降台3との間に設けられる第二油圧シリンダ30Bと、を備えている。このように、ブーム制振装置100では、左右のブーム4A、4Bそれぞれは、左右のブーム架台5A、5Bを介して第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによって独立して支持される。これにより、左右の一方のブームを折りたたんでも、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができる。
また、ブーム制振装置100は、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bが、一対の左右のブーム4A、4Bに対して斜めに取り付けられている。これにより、左右のブーム4A、4Bの変位に対する第一、第二油圧シリンダ30A、30Bのストローク量を大きくすることができる。したがって、左右のブーム4A、4Bの細かな振動も第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによって十分に制振することができる。
さらに、従来のブーム制振装置は、一対のブームを片持ち支持するブーム支持体の中心部が支持軸によって回動可能に軸支されている。これにより、従来のブーム制振装置では、支持軸を中心として左右のブームの重量がバランスされている。しかし、従来のブーム制振装置では、作業車が上下方向に振動すると、その振動が支持軸を介して左右のブームに伝達される。左右のブームは支持軸を中心としてバランスが取れているので、作業車が上下方向に振動すると、左右のブームは支持軸と一体となって上下方向に振動する。このように、従来のブーム制振装置では、ブームの上下方向の振動を吸収することはできなかった。このため、作業車の上下方向の振動が左右のブームの先端部に伝達してしまい、左右のブームの先端部が農作物に接触する恐れがあった。
これに対して、本実施形態のブーム制振装置100では、左右のブーム4A、4Bは第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによってそれぞれ独立して昇降台3に支持されている。また、左右のブーム架台5A、5Bは、それぞれの一方の端部が昇降台3に支持ピン6を介してロール方向に回動自在に軸支されている。
このように構成されたブーム制振装置100では、作業車90が上下方向に振動すると、支持ピン6が上下方向に変位する。このとき、左右のブーム4A、4B及び左右のブーム架台5A、5Bには慣性力が作用するので、左右のブーム4A、4Bはそのままの位置を保持しようとする。このため、支持ピン6が上下方向に変位すると、左右のブーム4A、4B及び左右のブーム架台5A、5Bは、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bを伸長あるいは収縮させながら、左右のブーム4A、4Bの先端側を支点として互いに上向きあるいは下向きに変位する。したがって、ブーム制振装置100は、作業車90が上下方向に振動しても、左右のブーム4A、4Bの先端部側には作業車90の上下方向の振動が伝達され難い。これにより、左右のブーム4A、4Bの先端部が農作物に接触することを防止できる。また、作業車90が上下方向の振動が速くなると、減衰弁54A、54Bの減衰力によって速やかに減衰することができる。このように、ブーム制振装置100は、ロール方向の振動だけでなく、上下方向の振動にも対応することができる。
<第2実施形態>
図7を参照して、本発明の第2実施形態に係るブーム制振装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブーム制振装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図7を参照して、本発明の第2実施形態に係るブーム制振装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブーム制振装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態は、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bの取り付け方向が、水平方向である点で、上記第1実施形態と相違する。
シリンダチューブ31Aの基端部は、右ブーム架台105Aから上下方向下側に延びるように設けられたシリンダ取付部105aにピン107Aによって回動自在に連結される。ピストンロッド32Aの先端部は、昇降台3の下部に取り付けられたシリンダ取付部108にピン137Aによって回動自在に連結される。第一油圧シリンダ30Aは、右ブーム架台105Aのシリンダ取付部105aと昇降台3の下部に取り付けられたシリンダ取付部108との間で、右ブーム架台105Aと平行になる水平方向に取り付けられる。このようにして、シリンダチューブ31Aが右ブーム架台105Aを介して右ブーム4Aに連結され、ピストンロッド32Aが昇降台3を介して作業車90に連結される。したがって、右ブーム4Aがロール方向に回動すると、第一油圧シリンダ30Aが伸縮する。なお、第二油圧シリンダ30Bも、第一油圧シリンダ30Aと同じ構成により水平方向に取り付けられるので説明を省略する。
以上のように構成されたブーム制振装置200は、シリンダチューブ31Aが右ブーム架台105Aと連結され、ピストンロッド32Aが、昇降台3に連結されているが、第1実施形態のブーム制振装置100と同様に動作するので説明を省略する。
以上の第2実施形態に示すブーム制振装置200によれば、以下の効果を奏する。
ブーム制振装置200は、右ブーム架台105Aと昇降台3との間に設けられる第一油圧シリンダ30Aと、左ブーム架台105Bと昇降台3との間に設けられる第二油圧シリンダ30Bと、を備える。このように、ブーム制振装置200では、左右のブーム4A、4Bそれぞれは、左右のブーム架台105A、105Bを介して第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによって独立して支持される。これにより、左右の一方のブームを折りたたんでも、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができる。
また、ブーム制振装置200では、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bは、水平方向に取り付けられる。これにより、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bが斜めに取り付けられる場合に比べて、左右のブーム架台105A、105Bのシリンダ取付部105a、105bの上下方向の高さを抑えることができる。したがって、ブーム制振装置200の上下方向の大きさを抑えることができ、コンパクト化を図ることができる。
さらに、ブーム制振装置200は、第1実施形態のブーム制振装置100と同様に、作業車90が上下方向に振動しても、左右のブーム4A、4Bの先端部側には作業車90の上下方向の振動が伝達されず、左右のブーム4A、4Bの先端部が農作物に接触することを防止できる。
<第3実施形態>
図8を参照して、本発明の第3実施形態に係るブーム制振装置300について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブーム制振装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図8を参照して、本発明の第3実施形態に係るブーム制振装置300について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブーム制振装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態は、第1実施形態では第一、第二油圧シリンダ30A、30Bが斜め方向に取り付けられているのに対し、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bが上下方向に取り付けられる点、及び第一、第二油圧シリンダ230A、230Bは第一、第二油圧シリンダ30A、30Bにおける流路38A、38Bを廃止している点で、上記第1実施形態と相違する。なお、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bは同じ構成であるので、以下では第一油圧シリンダ230Aを中心に説明し、第二油圧シリンダ230Bについては第一油圧シリンダ230Aと同一の構成には図中に同じ数字の符号を付して説明を省略する。
第一油圧シリンダ230Aは、作動液としての作動油が封入されたシリンダチューブ231Aと、シリンダチューブ231A内に摺動自在に挿入されたピストンロッド232Aと、を備える。
シリンダチューブ231Aの基端部は、右ブーム架台205Aにピロボール207Aによって回動自在に連結される。ピストンロッド232Aの先端部は、昇降台3にピロボール237Aによって回動自在に連結される。第一油圧シリンダ230Aは上下方向に取り付けられる。このようにして、シリンダチューブ231Aが右ブーム架台205Aを介して右ブーム4Aに連結され、ピストンロッド232Aが昇降台3を介して作業車90に連結される。したがって、右ブーム4Aがロール方向に回動すると、第一油圧シリンダ230Aが伸縮する。
ピストンロッド232Aの端部には、シリンダチューブ231Aの内周面に沿って摺動自在なピストン233Aが設けられる。シリンダチューブ231Aの内部は、ピストン233Aによってロッド側室234Aと反ロッド側室235Aとに区画される。ピストン233Aの外周には、シリンダチューブ231Aの内周面との間に図示しないシール部材を設けている。ピストン233Aはシリンダチューブ231Aの内周面との間をシールしながらシリンダチューブ231A内を摺動する。反ロッド側室235Aは、常時タンク75に連通される。なお、反ロッド側室235Aは、大気に連通する構成であってもよい。第一油圧シリンダ230Aは、ロッド側室234Aに作動油が給排される。
次に、ブーム制振装置300の動作について説明する。
右ブーム4Aには、自重によって支持ピン6を中心に右ロール方向に回動しようとする力が働く。また、アキュムレータ50Aのガス室51Aの圧力は、油室52A、連通路55Aを介してロッド側室234Aを拡張するように作用する。これにより、シリンダチューブ231Aを上方側に持ち上げようとする力が作用し、右ブーム4Aには、右ブーム4Aを左ロール方向に回動させる付勢力が作用する。なお、ガス室51Aには、右ブーム4Aの自重による右ロール方向に回動しようとする力と釣り合う付勢力を発生させるための所定の圧力のガスがあらかじめチャージされている。したがって、自重によって右ブーム4Aを右ロール方向に回動しようとする力と、ガス室51Aの圧力によって右ブーム4Aを左ロール方向に回動させる付勢力と、が釣り合い、右ブーム4Aは水平位置に保持される。
以上のように構成されたブーム制振装置300は、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bの構成が、第1実施形態のブーム制振装置100の第一、第二油圧シリンダ30A、30Bの構成と異なるほかは、同様に機能するので説明を省略する。
以上の第3実施形態に示すブーム制振装置300によれば、以下の効果を奏する。
ブーム制振装置300は、右ブーム架台205Aと昇降台3との間に設けられる第一油圧シリンダ230Aと、左ブーム架台205Bと昇降台3との間に設けられる第二油圧シリンダ230Bと、を備える。このように、ブーム制振装置300では、左右のブーム4A、4Bそれぞれは、左右のブーム架台205A、205Bを介して第一、第二油圧シリンダ230A、230Bによって独立して支持される。これにより、左右の一方のブームを折りたたんでも、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができる。
ブーム制振装置300は、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bが上下方向に取り付けられる。ブーム制振装置300では、左右のブーム4A、4Bには支持ピン6を中心としてロール方向下向きに自重が作用する。第一、第二油圧シリンダ230A、230Bは、上下方向に取り付けられることで左右のブーム4A、4Bの自重に対抗する方向に推力を発生する。このように、上下方向に取り付けられた第一、第二油圧シリンダ230A、230Bの推力は自重に対抗する方向に作用することになるため、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bが斜めや水平方向に取り付けられた場合に比べて、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bを小型化することができる。
さらに、ブーム制振装置300は、第1実施形態のブーム制振装置100と同様に、作業車90が上下方向に振動しても、左右のブーム4A、4Bの先端部側には作業車90の上下方向の振動が伝達されず、左右のブーム4A、4Bの先端部が農作物に接触することを防止できる。
<第4実施形態>
図9を参照して、本発明の第4実施形態に係るブーム制振装置400について説明する。以下では、上記第3実施形態と異なる点を中心に説明し、第3実施形態のブーム制振装置300と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図9を参照して、本発明の第4実施形態に係るブーム制振装置400について説明する。以下では、上記第3実施形態と異なる点を中心に説明し、第3実施形態のブーム制振装置300と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施形態は、第3実施形態における昇降台3の形状がT字形になっている点、及び第一、第二油圧シリンダ230A、230Bの取り付け方向が水平方向である点で、上記第3実施形態と相違する。
昇降台303は、水平方向に延びリンクアーム2が取り付けられるリンクアーム取付部303aと、リンクアーム取付部303aの中心付近から上下方向下側に突出するシリンダ取付部303bと、を備える。昇降台303は、リンクアーム取付部303aとシリンダ取付部303bとによって略T字形に構成される。
左右のブーム架台305A、305Bは、それぞれ左右のブーム4A、4B側の端部に、上下方向上側に突出するように設けられたシリンダ取付部305a、305bを備える。
第一油圧シリンダ230Aのシリンダチューブ231Aの基端部は、右ブーム架台305Aにピン307Aによって回動自在に連結される。ピストンロッド232Aの先端部は、昇降台303のシリンダ取付部303bに取り付けられたブラケットにピン337Aによって回動自在に連結される。第一油圧シリンダ230Aは、右ブーム4Aの水平方向に取り付けられる。このようにして、シリンダチューブ231Aが右ブーム架台205Aを介して右ブーム4Aに連結され、ピストンロッド232Aが昇降台3を介して作業車90に連結される。したがって、右ブーム4Aがロール方向に回動すると、第一油圧シリンダ230Aが伸縮する。なお、第二油圧シリンダ230Bは、第一油圧シリンダ230Aと同様の構成によって水平方向に取り付けられるので説明を省略する。
以上のように構成されたブーム制振装置400は、第3実施形態のブーム制振装置300と同様に動作するので説明を省略する。
以上の第4実施形態に示すブーム制振装置400によれば、以下の効果を奏する。
ブーム制振装置400は、右ブーム架台205Aと昇降台3との間に設けられる第一油圧シリンダ230Aと、左ブーム架台205Bと昇降台3との間に設けられる第二油圧シリンダ230Bと、を備える。このように、ブーム制振装置400では、左右のブーム4A、4Bそれぞれは、左右のブーム架台305A、305Bを介して第一、第二油圧シリンダ230A、230Bによって独立して支持される。これにより、左右の一方のブームを折りたたんでも、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができる。
また、ブーム制振装置400では、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bは、水平方向に取り付けられる。これにより、第一、第二油圧シリンダ230A、230Bが斜めに取り付けられる場合に比べて、左右のブーム架台305A、305Bのシリンダ取付部305a、305bの上下方向の高さを抑えることができる。したがって、ブーム制振装置400の上下方向の大きさを抑えることができ、コンパクト化を図ることができる。
さらに、ブーム制振装置400は、第1実施形態のブーム制振装置100と同様に、作業車90が上下方向に振動しても、左右のブーム4A、4Bの先端部側には作業車90の上下方向の振動が伝達されず、左右のブーム4A、4Bの先端部が農作物に接触することを防止できる。
また、ブーム制振装置400は、昇降台303が略T字形に形成されている。これにより、ブーム制振装置の軽量化を図ることができる。
<第5実施形態>
図10、11を参照して、本発明の第5実施形態に係るブーム制振装置500について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブーム制振装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図10、11を参照して、本発明の第5実施形態に係るブーム制振装置500について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態のブーム制振装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態は、左右のブーム架台405A、405Bの形状が第1実施形態における左右のブーム架台5A、5Bの形状と異なる点、及び第1実施形態における第一、第二油圧シリンダ30A、30Bの取り付け方向が上下方向であり、左右のブーム架台405A、405Bへの取り付け位置が異なる点で、上記第1実施形態と相違する。
右ブーム架台405Aは、一方の端部に右ブーム4Aが取り付けられ、支持ピン6を挟んで設けられた他方の端部に第一油圧シリンダ30Aのシリンダチューブ31Aの基端部がピン407Aによって回動自在に連結される。ピストンロッド32Aの先端部は、昇降台3にピロボール437Aによって回動自在に連結される。左ブーム架台405Bは、一方の端部に左ブーム4Bが取り付けられ、支持ピン6を挟んで設けられた他方の端部に第二油圧シリンダ30Bのシリンダチューブ31Bがピン407Bによって回動自在に連結される。ピストンロッド32Bの先端部は、昇降台3にピロボール437Bによって回動自在に連結される。
図11に示すように、右ブーム架台405Aは、右ブーム4Aが取り付けられる一方の端部側から第一油圧シリンダ30Aが連結される他方の端部にかけて形成される嵌合凸部405aを備える。左ブーム架台405Bは、左ブーム4Bが取り付けられる一方の端部側から第二油圧シリンダ30Bが取り付けられる他方の端部にかけて形成される溝状の嵌合凹部405bを備える。嵌合凸部405aと嵌合凹部405bとは、互いに嵌合した状態で、共通の支持ピン6によって昇降台3に回動自在に軸支される。
次に、ブーム制振装置500の動作について説明する。
右ブーム4Aには、自重によって右ブーム4Aを右ロール方向に回動しようとする力が働く。また、アキュムレータ50Aのガス室51Aの圧力は、油室52A、連通路55Aを介して反ロッド側室35Aを拡張するように作用する。これにより、シリンダチューブ31Aを下方側に押し下げようとする力が作用し、右ブーム架台405Aを介して右ブーム4Aに右ブーム4Aを左ロール方向に回動させる付勢力が作用する。なお、ガス室51Aには、右ブーム4Aの自重による右ロール方向に回動しようとする力と釣り合う付勢力を発生させるための所定の圧力のガスがあらかじめチャージされている。したがって、自重によって右ブーム4Aを右ロール方向に回動しようとする力と、ガス室51Aの圧力によって右ブーム4Aを左ロール方向に回動させる付勢力と、が釣り合い、右ブーム4Aは水平位置に保持される。なお、第二油圧シリンダ30Bは、第一油圧シリンダ30Aと同様に機能するので説明を省略する。
以上のように構成されたブーム制振装置500は、第1実施形態のブーム制振装置100と同様に左右のブーム4A、4Bを制振するので説明を省略する。
以上の第5実施形態に示すブーム制振装置500によれば、以下の効果を奏する。
ブーム制振装置500は、右ブーム架台405Aと昇降台3との間に設けられる第一油圧シリンダ30Aと、左ブーム架台405Bと昇降台3との間に設けられる第二油圧シリンダ30Bと、を備える。このように、ブーム制振装置500では、左右のブーム4A、4Bそれぞれは、左右のブーム架台405A、405Bを介して第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによって独立して支持される。これにより、左右の一方のブームを折りたたんでも、折りたたんでいない他方のブームの制振を行うことができる。
また、ブーム制振装置500は、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bが上下方向に取り付けられる。ブーム制振装置500では、左右のブーム4A、4Bには支持ピン6を中心としてロール方向下向きに自重が作用する。第一、第二油圧シリンダ30A、30Bは、上下方向に取り付けられることで左右のブーム4A、4Bの自重に対抗する方向に推力を発生する。このように、上下方向に取り付けられた第一、第二油圧シリンダ30A、30Bの推力は自重に対抗する方向に作用することになるため、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bが斜めや水平方向に取り付けられた場合に比べて、第一、第二油圧シリンダ30A、30Bを小型化することができる。
さらに、ブーム制振装置500は、第1実施形態のブーム制振装置100と同様に、作業車90が上下方向に振動しても、左右のブーム4A、4Bの先端部側には作業車90の上下方向の振動が伝達されず、左右のブーム4A、4Bの先端部が農作物に接触することを防止できる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
片持ち支持される一対のブーム(左右のブーム4A、4B)の振動を抑え、作業車90に取り付けられるブーム制振装置100、200、300、400、500は、一対のブーム(左右のブーム4A、4B)をそれぞれ折りたたみ可能に支持する一対のブーム架台(左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405B)と、一対のブーム架台(左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405B)をそれぞれ作業車90のロール方向に回動可能に軸支するブーム支持体(昇降台3、303)と、一対のブーム架台(左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405B)の一方(右ブーム架台5A、105A、205A、305A、405A)とブーム支持体(昇降台3、303)との間に設けられる第一油圧シリンダ30A、230Aと、一対のブーム架台(左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405B)の他方(左ブーム架台5B、105B、205B、305B、405B)とブーム支持体(昇降台3、303)との間に設けられる第二油圧シリンダ30B、230Bと、を備えることを特徴とする。
この構成では、一対のブーム(左右のブーム4A、4B)それぞれは、第一油圧シリンダ30A、230Aと第二油圧シリンダ30B、230Bとによって独立して支持される。したがって、一方のブーム(右ブーム4A、または左ブーム4B)を折りたたんで作業しても、他方のブーム(右ブーム4A、または左ブーム4B)の制振を行うことができる。
ブーム制振装置100は、第一油圧シリンダ30A及び第二油圧シリンダ3030Bは、一対のブーム(左右のブーム4A、4B)に対して斜めに取り付けられることを特徴とする。
この構成では、第一油圧シリンダ30A及び第二油圧シリンダ30Bは、左右のブーム4A、4Bに対して斜めに取り付けられる。したがって、左右のブーム4A、4Bの変位に対して第一、第二油圧シリンダ30A、30Bのストロークが大きくなるので、左右のブーム4A、4Bの小さな振動も第一、第二油圧シリンダ30A、30Bによって吸収することができる。
ブーム制振装置100、200、300、400、500は、第一油圧シリンダ30A、230A及び第二油圧シリンダ30B、230Bのそれぞれは、ブーム支持体(昇降台3、303)と左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405Bのいずれか一方に連結され作動液が封入されるシリンダチューブ31A、31B、231A、231Bと、ブーム支持体(昇降台3、303)と左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405Bのいずれか他方に連結されシリンダチューブ31A、31B、231A、231B内に挿入されるピストンロッド32A、32B、232A、232Bと、ピストンロッド32A、32B、232A、232Bに連結されシリンダチューブ31A、31B、231A、231B内をロッド側室34A、34B、234A、234Bと反ロッド側室35A、35B、235A、235Bとに仕切るピストン33A、33B、233A、233Bと、を備え、ロッド側室34A、34B、234A、234Bまたは反ロッド側室35A、35B、235A、235Bの一方を加圧するガス室51A、51Bを有するアキュムレータ50A、50Bを備えることを特徴とする。
この構成では、第一油圧シリンダ30A、230A及び第二油圧シリンダ30B、230Bの各々がロッド側室34A、34B、234A、234Bまたは反ロッド側室35A、35B、235A、235Bの一方を加圧するガス室51A、51Bを有するアキュムレータ50A、50Bを備える。したがって、左右のブーム4A、4Bの細かな振動をアキュムレータ50A、50Bによって吸収することができる。
ブーム制振装置100、200、300、400、500は、第一油圧シリンダ30A、230A及び第二油圧シリンダ30B、230Bのロッド側室34A、34B、234A、234Bまたは反ロッド側室35A、35B、235A、235Bの一方に作動液を給排して左右のブーム4A、4Bのロール角度を調整するロール角度調整装置(作動流体給排装置70A,70B)をさらに備えることを特徴とする。
この構成では、ロール角度調整装置(作動流体給排装置70A,70B)によって、左右のブーム4A、4Bのロール角度を調整することができる。したがって、傾斜地などで作業する場合にも左右のブーム4A、4Bのロール角度を調整することで左右のブーム4A、4Bが地面や農作物に接触することを防止できる。
ブーム制振装置100、200、300、400、500は、一対のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405Bは、共通の支持部材(支持ピン6)によってブーム支持体(昇降台3、303)に軸支されていることを特徴とする。
この構成では、左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405Bは、共通の支持ピン6によって昇降台3、303に軸支される。したがって、部品点数が削減されるとともに、左右のブーム架台5A、5B、105A、105B、205A、205B、305A、305B、405A、405Bの昇降台3、303への取り付けスペースを小さくすることができる。
ブームスプレーヤ1は、ブーム制振装置100、200、300、400、500を備えることを特徴とする。
この構成では、ブームスプレーヤ1は、ブーム制振装置100、200、300、400、500を備えることにより、一方のブーム(右ブーム4A、または左ブーム4B)を折りたたんで作業しても、他方のブーム(右ブーム4A、または左ブーム4B)の制振を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
ブームスプレーヤは、エンジンやモータなどを備える自走式だけでなく、エンジンやモータなどを備える走行体に牽引される牽引式などの作業車や、トラクタ、乗用管理機など作業車の車体に装備して使用するマウント式のいずれであってもよい。
なお、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
100、200、300、400、500・・・ブーム制振装置、1・・・ブームスプレーヤ 、3、303・・・昇降台(ブーム支持体)、4A・・・右ブーム、4B・・・左ブーム、5A、105A、205A、305A、405A・・・右ブーム架台、5B、105B、205B、305B、405B・・・左ブーム架台、6・・・支持ピン(支持部材)、30A、230A・・・第一油圧シリンダ(第一流体圧シリンダ)、30B、230B・・・第二油圧シリンダ(第二流体圧シリンダ)、31A、31B、231A、231B・・・シリンダチューブ、32A、32B、232A、232B・・・ピストンロッド、33A、33B、233A、233B・・・ピストン、34A、34B、234A、234B・・・ロッド側室、35A、35B、235A、235B・・・反ロッド側室、50A、50B・・・アキュムレータ、51A、51B・・・ガス室、52A、52B・・・油室、53A、53B・・・仕切部材、54A、54B・・・減衰弁、56A、56B・・・遮断弁、70A、70B・・・作動流体給排装置(ロール角度調整装置)、90・・・作業車、91・・・車体
Claims (6)
- 片持ち支持される一対のブームの振動を抑え、作業車に取り付けられるブーム制振装置であって、
一対の前記ブームをそれぞれ折りたたみ可能に支持する一対のブーム架台と、
一対の前記ブーム架台をそれぞれ前記作業車のロール方向に回動可能に軸支するブーム支持体と、
一対の前記ブーム架台の一方と前記ブーム支持体との間に設けられる第一流体圧シリンダと、
一対の前記ブーム架台の他方と前記ブーム支持体との間に設けられる第二流体圧シリンダと、
を備えることを特徴とするブーム制振装置。 - 前記第一流体圧シリンダ及び前記第二流体圧シリンダは、一対の前記ブームに対して斜めに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のブーム制振装置。
- 前記第一流体圧シリンダ及び前記第二流体圧シリンダのそれぞれは、
前記ブーム支持体と前記ブーム架台のいずれか一方に連結され作動液が封入されるシリンダチューブと、
前記ブーム支持体と前記ブーム架台のいずれか他方に連結され前記シリンダチューブ内に挿入されるピストンロッドと、
前記ピストンロッドに連結され前記シリンダチューブ内をロッド側室と反ロッド側室とに仕切るピストンと、を備え、
前記ロッド側室または前記反ロッド側室の一方を加圧するガス室を有するアキュムレータを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のブーム制振装置。 - 前記第一流体圧シリンダ及び前記第二流体圧シリンダの前記ロッド側室または前記反ロッド側室の一方に作動液を給排して前記ブームのロール角度を調整するロール角度調整装置をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のブーム制振装置。
- 一対の前記ブーム架台は、共通の支持部材によって前記ブーム支持体に軸支されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のブーム制振装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のブーム制振装置を備えることを特徴とするブームスプレーヤ。
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CN113040120A (zh) * | 2021-03-24 | 2021-06-29 | 学勇(重庆)农业科技有限公司 | 一种用于果树栽种的除虫装置及方法 |
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2015
- 2015-02-24 JP JP2015034387A patent/JP2016154477A/ja active Pending
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