WO2017119400A1 - 回折光学素子、及び光照射装置 - Google Patents

回折光学素子、及び光照射装置 Download PDF

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Abstract

所望の回折光が得られ、耐久性に優れた回折光学素子を提供する。 光源からの光を整形する光学素子であって、低屈折率部と高屈折率部との周期構造を有する回折層を備え、前記周期構造における高屈折率部のアスペクト比が2以上のものを含む、回折光学素子。

Description

回折光学素子、及び光照射装置
 本開示は、回折光学素子、及び光照射装置に関する。
 ネットワークの普及によるセキュリティリスク回避のための個人認証へのニーズや、自動車の自動運転化の流れ、あるいは、いわゆる「モノのインターネット」の普及など、近年、センサーシステムを必要とする局面が増大している。センサーには色々な種類があり、検出する情報も様々であるが、その中の一つの手段として、光源から対象物に対して光を照射し、反射してきた光から情報を得るというものがある。例えば、パターン認証センサーや赤外線レーダーなどはその一例である。
 これらのセンサーの光源は用途に応じた波長分布や明るさ、広がりをもったものが使用される。光の波長は、可視光~赤外線がよく用いられ、特に赤外線は外光の影響を受けにくく、不可視であり、対象物のやや内部を観察することも可能という特徴があるため、広く用いられている。また、光源の種類としては、LED光源やレーザー光源等が多く用いられる。例えば、遠いところを検知するには光の広がりが少ないレーザー光源が好適に用いられ、比較的近いところを検知する場合や、ある程度の広がりを持った領域を照射するにはLED光源が好適に用いられる。
 ところで、対象とする照射領域の大きさや形状は、必ずしも光源からの光の広がり(プロファイル)と一致しているとは限らず、その場合には拡散板やレンズ、遮蔽板などにより光を整形する必要がある。最近ではLight Shaping Diffuser(LSD)という、光の形状をある程度整形できる拡散板が開発されている。
 また、光を整形する別の手段として、回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)が挙げられる。これは異なる屈折率を持った材料が周期性を持って配列している場所を光が通過する際の回折現象を応用したものである。DOEは基本的に単一波長の光に対して設計されるものであるが、理論的にはほぼ任意の形状に光を整形することが可能である。また、前述のLSDにおいては照射領域内の光強度がガウシアン分布となるのに対し、DOEでは照射領域内の光分布の均一性を制御することが可能である。DOEのこのような特性は、不要な領域への照射を抑えることによる高効率化や、光源数の削減等による装置の小型化などの点で有利となる(例えば特許文献1等)。
 またDOEはレーザーの様な平行光源や、LEDの様な拡散光源のいずれにも対応可能であり、また、紫外光から可視光、赤外線までの広い範囲の波長に対して適用可能である。
 DOEは、nmオーダーでの微細加工が必要となり、特に長波長の光を回折するためには、高アスペクト比の微細形状を形成する必要があった。そのため、DOEの製造は、従来、電子線を用いた電子線リソグラフィ技術が用いられている。例えば、紫外線~近赤外線領域で透明である石英板に、ハードマスクやレジストを成膜後、電子線を用いてレジストに所定の形状を描画し、レジスト現像、ハードマスクのドライエッチング、石英のドライエッチングを順次行って、石英板表面にパターンを形成した後、ハードマスクを除去することで所望のDOEを得ることができる。
特開2015-170320号公報
 前述の様に、センシングに用いる光の波長として特に赤外線は外光の影響を受けにくく、不可視であり、対象物のやや内部を観察することも可能という特徴があるため、広く用いられている。外光としてセンシングを妨げるものとしては太陽光が代表的なものである。太陽光は可視光の光は非常に強いが赤外線は比較的弱く、特に地表付近における太陽光は、大気中の水蒸気の影響により、波長940nm付近(波長900nm以上1000nm以下)、及び、波長1100nm以上1200nm以下において強度が低下している。そのため屋外センサー等の用途においては赤外線を用いることは感度の点から優位であり、特に上記波長領域の光を用いることが特に優位である。上記赤外波長領域の光を回折するためには、DOEの回折層における凸部を深く(=アスペクト比を大きく)する必要がある。
 また、DOE製造における、従来の電子線リソグラフィ技術では、前述の通り複雑で多段階の工程が必要となるため、スループット(単位時間当たりの生産性)が小さく大量生産できないという問題や、これに起因して製造コストが高くなるという問題がある。
 このような問題を解決する手法として、電子線リソグラフィで作成したDOEを金型として用い、樹脂組成物を賦型(インプリント)することにより複製する手法が考えられる。賦型手段としては、例えば、射出成形、熱インプリント、二液硬化型樹脂、可溶性樹脂による複製、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂によるインプリント等が挙げられる。本発明者らは、中でも、短時間で硬化が可能でスループットを大きく改善し得る点から、電離放射線硬化性樹脂による賦型に着目し検討を行った。しかしながら、nmオーダーで、且つ高アスペクト比の微細形状を賦型する場合においては、硬化後の樹脂を離型することが困難であり、回折格子のパターンを形成する樹脂が折れたり破断したりすることがあった。一方、これを回避するために樹脂に柔軟性を与えると、離型時に樹脂が変形したり、当該変形した樹脂同士がくっついてしまう(スティッキング)問題や、得られたDOEが傷つきやすいという問題があった。
 回折格子のパターンを形成する樹脂に、折れ、破断(図19)、スティッキング(図20)等が生じると、照射領域における均一な光照射ができない場合や、所望の形状に光を整形できない場合があった。
 一般に、赤外線用回折格子材料として広く用いられてきたシリコン(Si)材と比較して、人工石英や樹脂組成物の硬化物は屈折率が小さい傾向にある。そのため樹脂組成物を用いて、シリコン材と同様の回折光が得られる回折光学素子を製造する場合、シリコン材と比較して、アスペクト比の大きな凸部を形成する必要があった。
 そのため、上述の破断やスティッキングは、回折光学素子の製造においては特に問題となっている。
 本開示の実施形態は、所望の回折光が得られ、耐久性に優れた回折光学素子、及び当該回折光学素子を用いた所望の照射領域が得られる光照射装置を提供することを目的とする。
 本開示の1実施形態は、光源からの光を整形する光学素子であって、
 低屈折率部と高屈折率部との周期構造を有する回折層を備え、
 前記周期構造における高屈折率部のアスペクト比が2以上のものを含む、回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記高屈折率部が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1×10Pa以上5×10Pa以下であり、且つ、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))が0.3以下である、回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記回折層の断面形状において、前記高屈折率部を形成する凸部が、高さ1000nm以上のものを含む、回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記回折層の断面形状において、前記高屈折率部を形成する凸部が、2以上の平坦部を有する多段形状である、回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記多段形状の凸部におけるアスペクト比が3.5以上である、回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記低屈折率部が空気である、回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、透明基材上に、前記回折層と、被覆層とを、この順に有する回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、最表面に反射防止層を備える回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、波長780nm以上の赤外線を回折する回折光学素子を提供する。
 本開示の1実施形態は、光源と、前記本開示の回折光学素子を1つ以上備える、光照射装置を提供する。
 本開示の1実施形態は、前記光源が、波長780nm以上の赤外線を発し得る光源である、光照射装置を提供する。
 本開示によれば、所望の回折光が得られ、耐久性に優れた回折光学素子、及び当該回折光学素子を用いた所望の照射領域が得られる光照射装置が得られる。
回折光学素子の一実施形態を模式的に示す平面図である。 回折光学素子の一実施形態における部分周期構造の一例を模式的に示す斜視図である。 図2のE-E’切断面の一例を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の一実施形態を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。 入射光を円形に広げる回折層(4-level)の周期構造の一例を模式的に示す平面図である。 光照射装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の説明の用に供する図面である。 回折光学素子の説明の用に供する図面である。 (a)は、図12の(a)の例におけるスクリーン22の正面図である。また、(c)は、図13の(c)の例におけるスクリーン22の正面図である。 アスペクト比の説明の用に供する図面である。 周期構造の変形例を模式的に示す断面図である。 回折光学素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 実施例5-2で得られた回折光学素子を透過した回折光のスクリーン投影図である。 従来の回折光学素子の製造時における樹脂の破断の一例を模式的に示す断面図である。 従来の回折光学素子のスティッキングの一例を模式的に示す断面図である。
 以下、本開示の回折光学素子、及び光照射装置について順に詳細に説明する。
 なお、本開示において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、この明細書における「平面視」とは、回折光学素子上面に対し垂直方向から視認することを意味する。通常、回折光学素子の回折層を有する面に対して垂直方向から視認することに相当する(図1のような平面図の方向に相当する)。
 本開示において電離放射線とは、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
 本開示において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルの各々を表す。
 本開示において「光を整形する」とは、光の進行方向を制御することにより、対象物または対象領域に投影された光の形状(照射領域)が任意の形状となるようにすることをいう。例えば、図12の例に示されるように、平面形状のスクリーン22に直接投影した場合に照射領域23が円形となる光(図12(b))を、本開示の回折光学素子10を透過させることにより、照射領域が正方形(図12(a)の24)や、長方形、円形(図示せず)等、目的の形状とすることをいう。
 本開示において、光源からの光が、回折光学素子を透過して回折せずにそのまま出光した光を0次光といい(図12の25)、回折光学素子で生じた回折光を1次光ということがある(図12の26)。
 本開示において、回折層の断面形状は、回折光学素子を水平面に静置したものとして定義する。図2の例では、周期構造の繰り返し方向にX軸をとり、X軸と直交し、XYが水平面を形成するようにY軸をとり、XY水平面に垂直な方向にZ軸をとっている。本開示においては、凸部間の谷底(Zの極小点)を高さ0の基準とし、また、高さ0の部分を凹部とする。また本開示においては、高さH(H>0)を有する部分を凸部とする。一方、本開示においては凸部の最大高さを基準として、凸部間の谷底までを深さとすることがあるが、本開示において、高さと、深さは、表裏の関係にあり、凸部に着目する場合には高さ、凹部に着目する場合に深さとするものであって、実質的には同様のものである。
 本開示において、回折層の断面形状が図3の例に示されるような、高さ0の凹部と高さHの凸部との繰り返し構造であることを、2値(2-level)形状ということがある。また本開示において、回折層の断面形状において凸部が、2以上の平坦部(略水平部)を有するものを多段形状ということがあり、当該多段形状の凸部と凹部とを合わせてn個の平坦部を有する場合、n値(n-level)形状ということがある。
 また、本開示において透明とは、少なくとも目的の波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては透明として取り扱うものとする。
[回折光学素子]
 本開示の実施形態に係る回折光学素子は、光源からの光を整形する光学素子であって、
 低屈折率部と高屈折率部との周期構造を有する回折層を備え、
 前記周期構造における高屈折率部のアスペクト比が2以上のものを含むことを特徴とする。
 本開示の1実施形態の回折光学素子について、図を参照して説明する。図1は、本開示の回折光学素子の1実施形態を模式的に示す平面図であり、図2は、図1の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を模式的に示す斜視図であり、図3は、図2のE-E’切断面の一例を模式的に示す断面図である。
 本開示の回折光学素子10は、低屈折率部3と高屈折率部2との周期構造を有する回折層1を備えており、当該周期構造における高屈折率部2のアスペクト比(高さH/幅W)が2以上のものを含むことを特徴とする。本開示の回折光学素子は、通常、異なる周期構造を持つ複数の領域(例えば図1のA~D領域)を有している。なお、図1の例では部分周期構造A~D領域は凹凸の2値(2-level)(例えば図3の回折層1等)であるが、光を所望に整形するために領域の形状や深さは適宜設計する必要がある(例えば図10に示す4-levelの回折素子において8A,8B,8C,8Dはそれぞれ深さが異なる(例えば図16(C)参照))。
 図4~図7は、本開示の回折光学素子に関する別の実施形態の例を模式的に示す断面図である。図4の例に示されるように、本開示の回折光学素子は、透明基材4上に回折層1を備えるものであってもよく、図5の例に示されるように、回折層1上に、被覆層5を備えるものであってもよく、図6の例に示されるように、被覆層5が粘着層(接着層)6を介して回折層1上に設けられていてもよい。また、本開示の回折光学素子は、低屈折率部3が空気の場合に限られず、図7の例に示されるように低屈折率樹脂7であってもよい。機械強度に優れる点からは、低屈折率部が低屈折率樹脂からなることが好ましい。一方、屈折率差を大きくする点からは、低屈折率部が空気であることが好ましい。
 また、図8~図9は、本開示の回折光学素子に関する別の実施形態の例を模式的に示す断面図である。図8及び9の例に示されるように、本開示の回折光学素子は、最表面に反射防止層9を備えることが、反射光を抑制して光の利用効率を高める点から好ましい。
 図8の例に示されるように、反射防止層9が回折光学素子10上に直接設けられて、最表面を構成していてもよく、図9の例に示されるように、回折光学素子10と反射防止層9との間に他の層乃至他の部材を介して設けられていてもよい。図9の例では、ガラス板14上に粘着層(接着層)15を介して回折光学素子10が貼り合わされており、当該ガラス板14の回折光学素子10とは反対側の面に反射防止層9が設けられている。反射防止層9は光を入射する側の最表面に設けることが好ましい。反射防止層の具体的な態様は後述する。
 本開示の実施形態によれば、高屈折率部である凸部のアスペクト比が2以上であるため、例えば、従来よりも長波長の赤外線(例えば900nm以上の赤外線)であっても所望の形状に形成され、且つ、0次光が抑制された回折光が得られる回折光学素子とすることができる。
 本開示において凸部が2値形状の場合には、アスペクト比は、(凸部の高さH)/(凸部の幅W)で定義する。また、本開示において凸部が多段形状の場合には、アスペクト比は、(凸部の高さH)/(凸部の最小加工幅W)で定義する。
 本開示において凸部の幅は、凸部の高さHの半分の高さ(H/2)における幅とする(図15(A)参照)。また、本開示において凸部の最小加工幅とは、多段形状の凸部において高さHを形成する範囲に相当する部分の幅をいい、具体的には、図15(B)のように、2段目の平坦部を有する高さ(H-h)を下端とし、高さHの平坦部を上端として、下端から半分の高さ(h/2)における幅を最小加工幅Wと定義する。
 アスペクト比をこのように定義することで、回折格子の光学的な設計や、金型からの抜けやすさとアスペクト比との相関性が高くなるからである。
 具体的には、回折層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像から、高さHや幅Wを計測することができる。
<回折層の形状>
 一般に、回折格子の形状は光の波長、光が透過する材料の屈折率(差)、及び必要とする回折角で決まる。例えば空気中で屈折率1.5の材料を用い、レーザー光を回折光学素子の回折層の面に垂直入射させる場合、光の波長が長くなるほど最適な回折格子の溝の深さは深くなり、波長980nmの赤外線に対しては約1000nmの深さが必要となる。即ち本開示の回折光学素子においては、回折層の断面形状において、前記高屈折率部を形成する凸部が、高さ1000nm以上のものを含むことが好ましい。
 また、回折角30°の方向に光を回折させるには回折格子のアスペクト比は1程度、70°の方向に回折させるにはアスペクト比は1.87程度あればよい。
 しかしこれは光を1方向のみに回折させる場合であり、実際にセンサーの光源として使う場合にはある所定の領域に対して均一に回折光を行き渡らせる必要がある。そのためには種々の回折角度、回折方向を持った領域を複雑に組み合わせる必要があるが、その結果として非常にピッチが狭くなる領域が含まれてしまう(例えば図1、図10)。ここで回折格子の最適深さは光の波長と屈折率、level数で決まるため、ピッチが狭くなることでアスペクト比は2以上となり、時には4を越えることもある。例えば、980nmのレーザー光に対し、材質を石英とし、長辺±50°x 短辺±3.3°に広がる矩形の拡散形状を2-levelで設計する場合には、回折格子の最適深さは1087nm、最も細かい形状のピッチを250nmとした場合、最大アスペクト比は4を越える。
 これらの設計は、例えば厳密結合波解析(RCWA)アルゴリズムを用いたGratingMOD(Rsoft社製)や、反復フーリエ変換アルゴリズム(IFTA)を用いたVirtuallab(LightTrans社製)などの各種シミュレーションツールを用いて行うことができる。
 光源がレーザーでなくLEDの場合には、斜めの入射光を考慮した設計を行えばよい。
 本開示に係る回折光学素子は、回折層の周期構造における高屈折率部のアスペクト比が2以上のものを含むため、波長780nm以上の赤外線を所望の形状に整形することができる。
 周期構造の断面形状は、図3~図7に示されるような矩形であってもよく、また、断面が図16の(A)~(D)のような形状であってもよい。高屈折率部の断面形状が図16の(A)~(D)のような先細り形状とすることにより、製造時における金型からの離型性に優れている。
 また、回折光学素子の回折効率を上げるには、回折格子を通常の2値(2-level:図3~7)から多段形状(4-level(図16の(C))、8-level(図16の(D))と増やすのが効果的であるが、あまり増やしすぎると金型作成工程が複雑となりコストアップにつながるため、本開示においては、2値~8値の中から適宜選択することが好ましい。
 アスペクト比に影響する溝深さはlevel数を増やすと大きくなっていくが、例として屈折率が1.5の樹脂を使う場合には深さは対象波長の2倍の深さに近づく。対象波長が長くなるほど必要な溝深さが深くなるため、加工の難易度は増加する。また設計の際に用いる最小加工溝幅は通常、対象波長の1/4程度に設定するが、効率を上げるためにさらに細かくしてもよい。しかしあまり細かくしすぎると加工が難しく時間もかかるため、80~100nm程度までに抑えるのが好ましい。
 最大アスペクト比は通常、8程度まで達することがあり、赤外線に対して効率を重視する場合には25程度まで高くなることもある。
 本開示の回折光学素子は、後述する電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて周期構造を有する高屈折率部を形成することにより、アスペクト比が、2以上、更には4以上のものを含む場合であっても、信頼性に優れており、上記のようなアスペクト比が8以下、更には25以下のものを含む回折光学素子も得ることができる。
 本開示の回折光学素子において、凸部をライン(L)、凹部をスペース(S)としたときのラインアンドスペース比(L/S)は特に限定されず、所望の回折光が得られるように適宜設定すればよいものであるが、例えば、0.6~1.2の範囲で適宜設定することができ、回折効率の点から0.8~1.0の範囲が好ましい。
 また、本開示の回折光学素子においては、回折角を大きくしやすい点から、2以上の平坦部を有する多段形状であることが好ましい。
 本開示の回折光学素子は、アスペクト比が2以上であるため0次光を弱めることができるものであるが、回折角を大きくした場合には、0次光を外しながら所望の形状の回折光を得ることもできる。このことについて図を参照して説明する。図12及び図13は、回折光学素子の説明の用に供する図面である。また、図14の(a)は、図12の(a)の例におけるスクリーン22の正面図であり、図14の(c)は、図13の(c)の例におけるスクリーン22の正面図である。
 図12(a)の例では、照射光21が回折光学素子10で回折し、スクリーン22上に24のような正方形の像が形成されている。図14(a)に示されるように、当該正方形の像は0次光照射位置27を含んでいるため、像の中に0次光が含まれている。本開示の実施形態においては0次光が抑制されているため、このような場合であっても良好な回折光が得られている。
 一方、図13(c)の例では、1次光26a及び26bの回折角を、図12(a)の例よりも大きく設定することにより、図14(c)に示されるように、正方形の像は0次光照射位置27を含まなくなっている。このように最大回折角を大きく設計することにより、0次光を含まない回折光を得ることができる。このようなことから、本開示の回折光学素子においては、2以上の平坦部を有する多段形状であることが好ましく、更にアスペクト比が3.5以上であることが好ましい。
<電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物>
 本開示の回折光学素子においては、前記高屈折率部は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であることが、スループットの向上の点から好ましい。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、後述する電離放射線硬化性樹脂組成物を、光の作用により硬化させて得られたものである。後述する製造方法により、当該硬化物は所定の周期構造が付与された高屈折率部となる。
 本発明者は、電子線リソグラフィで作成した回折光学素子を金型として用い、樹脂で賦型(インプリント)することにより複製する手法を検討した。硬化した電離放射線硬化性樹脂の貯蔵弾性率(E’)が5×10[Pa]よりも大きいと、離型に必要な荷重が大きくなり、高アスペクト比の部分の樹脂が折れることがあった。これは金型の中で硬化した樹脂が金型から抜ける際にある程度変形する必要があることに起因するものと推定される。一方、貯蔵弾性率(E’)が1×10[Pa]よりも小さいと剥離はしやすいが容易に変形するため、離型時の樹脂の伸びに耐え切れず破断したり、回折光学素子の回折層の耐久性が低下したりすることがあることが分かった。更に、硬化した樹脂のtanδが0.3を越える場合には、離型時の変形が元に戻らなかったり、外部からの力が加わった時に隣り合う高屈折率部がくっついたり(スティッキング)することがあるとの知見を得た。
 当該検討結果から、本開示において電離放射線硬化性樹脂組成物としては、当該電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1×10Pa以上5×10Pa以下であり、且つ、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’)以下、損失正接という場合がある)が0.3以下となるものを選択して用いることが好ましい。このような樹脂組成物を選択して用いることにより、樹脂の折れや破断を抑制し、且つ離型性に優れ、離型時の変形も抑制されるからである。
 本開示において貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E”)は、JIS K7244に準拠して、以下の方法により測定される。
 まず、電離放射線硬化性樹脂組成物を、2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分以上照射することにより十分に硬化させて、基材及び凹凸形状を有しない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの単膜とする。
 次いで、25℃下、上記樹脂組成物の硬化物の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、E’、E”が求められる。測定装置としては、例えば、UBM製 Rheogel E400を用いることができる。
 あるいは、DOE側表面に、圧子を押し込んで、DOE表面の貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)およびtanδを求めることができる。測定装置は、例えば、Hysitron社製TI950 TRIBOINDENTER+nanoDMAIIIなどのナノインデンテーション法を使用可能である。
 本開示において、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1×10Pa以上5×10Pa以下であり、樹脂の折れや破断を抑制し、且つ離型性に優れ、離型時の変形も抑制される点から、中でも、2×10Pa以上4×10Pa以下であることが好ましい。
 また、本開示においてtanδは0.3以下であり、樹脂の折れや破断を抑制し、且つ離型性に優れ、離型時の変形も抑制される点から、中でも、0.01~0.25であることが好ましい。
 また、本開示においては、高屈折率部を構成する樹脂組成物の硬化物の屈折率は特に限定されないが、1.4~2.0であることが好ましく、1.45~1.8であることがより好ましい。本開示によれば、アスペクトが2以上の形状を安定して形成することができ、酸化ケイ素などと比較して屈折率の低い樹脂であっても良好な回折光学素子を得ることができる。
 また、本開示において、高屈折率部を構成する樹脂組成物の硬化物の透過率は、特に限定されないが、赤外線透過率(波長850nm)が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
 電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性成分を含み、硬化後に上記物性が得られるものが好ましい。また設計した対象波長の光を透過することができれば、硬化後に目視で色がついていても実用上問題はない。
 なお、回折光学素子の回折層を形成する材料に複屈折が存在する場合には、それを考慮した形状設計が必要となるが、電離放射線硬化性樹脂組成物を賦型に使う場合においては複屈折の影響は実用上ほとんど無視できるというメリットもある。
 上記電離放射線硬化性成分としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含む組成物であることが好ましく、(メタ)アクリレートを含む組成物であることがより好ましい。
 電離放射線硬化性樹脂組成物は、少なくとも上記電離放射線硬化性成分を含有していればよく、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよい。
 また、上記樹脂組成物は、回折層の高屈折率部が柔軟性に優れ、折れや破断が抑制される点から、炭素数12以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することが好ましい。
 以下、例として電離放射線硬化性成分として好ましく用いられる(メタ)アクリレートを含む組成物中の各成分について順に説明する。
 (メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリレートであっても、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能アクリレートであってもよく、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用するものであってもよい。
 中でも、硬化物が上記物性を満たし、高屈折率部が柔軟性と弾性復元性を両立する点から、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。
 単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ビフェニロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 単官能(メタ)アクリレートの含有量は、電離放射線硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、5~40質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましい。
 また、多官能アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、柔軟性及び復元性に優れる点から、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、エチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートを用いることがより好ましく、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含むことが更により好ましい。
 上記多官能(メタ)アクリレートの含有量は、電離放射線硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、10~70質量%であることが好ましく、15~65質量%であることがより好ましい。
 電離放射線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて光重合開始剤を含有してもよい。当該光重合開始剤の含有量は、通常、電離放射線硬化性樹脂組成物の全固形分に対して1~20質量%であり、2~10質量%であることが好ましい。
 また、樹脂組成物には離型剤(離型性を有する材料)を添加することが好ましい。特に金型からの剥離応力が大きい場合は樹脂詰まりによる金型寿命の低下を招くため、必要に応じてシリコン系、フッ素系、リン酸エステル系などの公知の離型剤から適宜選定して使用することができる。またこれら離型剤は樹脂組成物の架橋構造に固定されるものや遊離した状態で存在するものを用途に応じて選定できる。
 その他の添加物としては帯電防止剤や、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤などを複数添加することができる。帯電防止剤は加工プロセスや使用時のほこり付着防止に有効であり、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤は耐久性向上に有効である。光を吸収する材料を添加する場合は、回折光学素子の対象波長に影響を与えないよう配慮が必要である。耐熱性を改善させる目的でシルセスキオキサン等の無機材料との複合化なども有効である。
 また、電離放射線硬化性樹脂組成物は環境への配慮から溶剤を実質的に含有しないことが好ましいが、基材への密着や粘度調整、面質改善などを考慮して溶剤を含有するものであってもよい。溶剤を含有する場合は基材ないし金型に樹脂を塗布後、溶剤を乾燥させた後に賦型する。
<透明基材>
 本開示の回折光学素子は、必要に応じて透明基材を有する構成であってもよい。
 本開示に用いられる透明基材は、公知の透明基材の中から用途に応じて適宜選択して用いることができる。透明基材に用いられる材料の具体例としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の透明樹脂や、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子、PLZT等のセラミックス、石英、蛍石等の透明無機材料等が挙げられる。透明基材の複屈折は回折光学素子の効果自体には影響を与えないが、回折光学素子に入射する光、拡散する光の位相差を問題にする場合には適宜、適した複屈折をもつ基材を選定すればよい。
 なおここでいう透明とは、目視で向こうが透けて見えるという状態のことをいうが、回折光学素子で設計した対象波長の光を透過することができれば、目視で色がついていても実用上問題はない。また、透明基材側から電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させる場合には、透明基材は照射する電離放射線をなるべくカットしないものが好ましい。
 前記透明基材の厚みは、本開示の用途に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20~5000μmであり、前記透明基材は、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。
 本開示に用いられる透明基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
 また、透明基材には前述の樹脂組成物との密着性を向上させるための表面処理や、プライマー層形成を行ってもよい。表面処理としてはコロナ処理や大気圧プラズマ処理などの一般的な密着改善処理が適用できる。またプライマー層は、透明基材および樹脂組成物との双方に密着性を有し、対象波長の光を透過するものが好ましい。ただし、用途によっては意図的に透明基材と樹脂組成物の間の密着を低く保つことで、賦型後の回折層を透明基材から剥がして使用するという使い方も可能である。このような使い方は特に回折光学素子の厚みを薄くしたい場合に有効である。
 また、回折層の傷つき等を防止し、機械強度に優れる点から、本開示の回折光学素子は、透明基材上に、前記回折層と、被覆層とを、この順に有する構成であってもよい。被覆層としては、特に限定されないが、前記透明基材と同様のものを用いることが好ましい。また、回折層上に被覆層を設ける場合、回折層と被覆層との間に粘着剤(接着剤)層を設けてもよい。粘着層(接着層)用の粘着剤又は接着剤としては、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、感圧接着剤(粘着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等、いずれの接着形態のもの好適に用いることができるが、低屈折率部が空気の場合には、流動性の低い粘着剤又は接着剤を用いることが好ましい。なお、低屈折率部の一部が粘着剤又は接着剤により埋まる場合には、その分を考慮して回折層の設計を行えば良い。
 なおこのような被覆層を設けることで、回折格子の凹凸を金型とした再複製を防止することが可能という副次的な効果も期待できる。
 さらに被覆層を形成することで、回折層に異物が入り込むことを防止でき、回折光学素子及び光照射装置の長期信頼性を向上することが可能である。
 また、更に、前記透明基材、又は、前記被覆層の、回折層とは反対側の面に、更に反射防止層を設けてもよい。反射防止層としては、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、例えば、低屈折率層又は高屈折率層の単層からなる屈折率層であってもよく、低屈折率層と高屈折率層とを順次積層した多層膜であってもよく、微細凹凸形状が形成された反射防止層であってもよい。反射防止層を設けることにより、回折光学素子の回折効率を向上することが可能である。
 また、前記透明基材、前記被覆層、前記粘着層(接着層)は、本開示の効果をそこなわない範囲で、従来公知の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等が挙げられる。
<回折光学素子の製造方法>
 本開示の回折光学素子は、回折層の周期構造中の高屈折率部のアスペクト比が2以上のものを含むため、離型時に折れやスティッキングが生じやすい。
 そのため、本開示において、回折光学素子は、下記の製造方法により製造することが好ましい。
 即ち、光源からの光を整形する光学素子の製造方法であって、
 所定の周期構造を有する回折光学素子製造用金型を準備する工程と、
 当該金型に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する工程と、
 前記塗膜に電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化膜を形成する工程と、
 前記硬化膜を前記金型から離型する工程とを有し、
 前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1×10Pa以上5×10Pa以下であり、且つ、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))が0.3以下である、回折光学素子の製造方法とすることが好ましい。
 上記回折光学素子の好ましい製造方法について図を参照して説明する。図17は、回折光学素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。図17の例に示されるように、まず所望の周期構造が形成された金型31を準備する(図17(A))。次いで、当該金型の表面に、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物32を塗布して塗膜を形成する(図17(B)~(C))。塗布手段は特に限定されず、従来公知の方法を適宜選択すればよい、図17の例では、電離放射線硬化性樹脂組成物32上に透明基材33を配置し、加圧ローラ34をもちいて、電離放射線硬化性樹脂組成物32を均一に塗布している。次いで、得られた塗膜に電離放射線を照射して(35)、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化して硬化膜36とする(図17(D))。得られた硬化膜36を金型31から離型することにより、回折光学素子が得られる(図17(E))。その後、必要に応じて、透明基材33を剥離してもよい(図示せず)。
 以下、当該製造方法の各工程について説明するが、前記本開示の回折光学素子と同様のものについては、ここでの説明は省略する。
 回折光学素子製造用金型は、レーザーリソグラフィや電子線リソグラフィ、FIB(Focused Ion Beam)などの技術によって加工することができるが、通常は電子線リソグラフィが好適に用いられる。
 材質は高アスペクトの加工が可能なものであれば使用可能であるが、通常は石英やSiが用いられる。また、これらの金型から樹脂で複製したコピー金型(ソフトモールド)や、Ni電鋳で複製したコピー金型を使用することも可能である。
 また必要に応じて、金型表面には離型処理を施すことができる。フッ素系やシリコン系などの離型剤、ダイヤモンドライクカーボン、Niめっきなどが適用可能である。処理手法は蒸着やスパッタ、ALD(Atomic Layer Deposition)などの気相処理、コーティングやディッピング、めっきなどの液相処理などから適宜選択できる。
 回折光学素子に必要とされる形状は通常数mm角~数cm角と小さいため、1つの金型内に複数の回折層の形状を並べて加工することにより複製の効率を上げることができる。スループットを重視する場合は、上記の金型またはコピー金型を並べて複製し、多面付の金型として賦型に供してもよい。
 電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化時の体積変化が問題になる場合はそれを補正して金型設計を行うこともできる。また離型のしやすさを考慮し、金型の微細構造の奥より開口部側の間口が広くなる構造としてもよい(図16(A)~(D))。この場合、得られた回折光学素子の回折層は表面側が細くなる形となる。
 また、本開示の回折光学素子は、通常、異なる周期構造の領域が複数存在するため、1つの回折光学素子に対しピッチ(間口)が異なる溝が複数含まれることになるが、このような金型を作る場合、ピッチ(間口)に応じてドライエッチングでの深さがバラつく傾向がある。しかしこのようなばらつきは効率の低下につながるため、加工プロセスの最適化を行い、所望する深さの±10%以下に抑えることが重要である。
 アスペクト比が2以上の凸部を形成する場合には、凸部の高さばらつきが生じやすい傾向にある。その場合、金型の深さを、設計値よりやや深く狙って作製することにより、高さばらつきを持ちながらも所望の光学特性を持った回折光学素子が得られやすくなる。
 次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。前述の例は、金型側に電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成するものであったが、透明基材側に塗膜を形成してもよい。塗膜の形成方法は、前述の例の他、ダイコートやバーコート、グラビアコート、スピンコートなど従来公知の塗布方法から好適なものを選定することができる。
 また、透明基材は、枚葉のものであってもよく、また長尺なものを用いてロールトゥロール方式により塗布工程、電離放射線照射工程、及び離型工程を順次行ってもよい。金型が曲げにくい硬質の材料である場合は、透明基材は柔軟性があるものが泡をかみにくく好ましい。逆に透明基材として硬質なものを用いる場合は、金型はソフトモールドを使うのが好ましい。
 紫外線や電子線の照射は1回で照射しても複数回に分けて照射してもよく、複数回に分ける場合はある程度硬化させて離型した後に追加照射する形も適用可能である。
 電離放射線硬化性樹脂は、塗工時の流動性が高すぎると微細な溝に入っていきにくく、低すぎるとインキが薄く広がってしまい所定の厚みを確保できないことがある。またロール賦型の場合、流動性が高すぎるとインキたれの原因となる。本開示においては、電離放射線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度が数十[mPas]~数千[mPas]程度の樹脂を使用するのが好ましい。粘度は温度でも変わるため、適宜適切な温調を取り入れることが好ましい。
[光照射装置]
 本開示に係る光照射装置は、光源と、前記本開示に係る回折光学素子を1つ以上備えることを特徴とする。
 本開示の光照射装置によれば、所望の形状に整形された光を照射することができる。
 本開示の光照射装置を、図を参照して説明する。図11は本開示に係る光照射装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。図11の例に示される光照射装置20は、基板11と発光体12を備えた光源13の出光面側に、前記本開示に係る回折光学素子10を備えている。なお図11の例では、光源13側に透明基材4が配置されているが、光源13側に被覆層5を配置してもよい。例えば、透明基材4、被覆層5、粘着層6のいずれかに、紫外線吸収剤を含有する場合、回折光学素子の耐光性を向上する点から、当該紫外線吸収剤を含有する層を光源とは反対側の面(即ち、日光等が入射し得る面)に配置することが好ましい。
 以下、このような本開示の光照射装置について説明するが、回折光学素子については、前記本開示に係る回折光学素子と同様のものであるため、ここでの説明は省略する。
 本開示の光照射装置において、光源は、特に限定されず、公知の光源を用いることができる。前記本開示に係る回折光学素子が特定波長の回折を目的として設計されることから、光源として、特定波長の強度が高いレーザー光源やLED(発光ダイオード)光源などを用いることが好ましい。本開示においては、指向性を有するレーザー光源、拡散性のあるLED(発光ダイオード)光源など、いずれの光源であっても好適に用いることができる。
 本開示において光源は、前記本開示に係る回折光学素子の設計の際にシミュレーション対象とした光源を再現可能なものの中から適宜選択することが好ましい。中でも、波長780nm以上の赤外線を回折する回折光学素子を用いる場合は、波長780nm以上の赤外線を発し得る光源を選択することが好ましい。
 本開示の光照射装置は、前記本開示に係る回折格子を少なくとも1つ備えればよく、必要に応じて更に他の光学素子を備えていてもよい。他の光学素子としては、例えば、偏光板、レンズ、プリズム、特定波長、中でも回折光学素子の対象波長を透過するパスフィルターなどが挙げられる。複数の光学素子を組み合わせて用いる場合は、界面反射を抑制する点から、光学素子同士を貼り合わせることが好ましい。
<光照射装置の用途>
 本開示に係る光照射装置は、所望の形状に整形された光を照射することができ、また、赤外線が利用可能な点から、センサー用の光照射装置として好適に用いることができる。光を効果的に整形できる点から例えば夜間の赤外線照明、防犯センサー用照明、人感知センサー用照明、無人航空機や自動車等の衝突防止センサー用照明、個人認証装置用の照明、検査装置用の照明、などに使用することができ、光源の簡略化、小型化や省電力化が可能となる。
 以下、本開示について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本開示を制限するものではない。
(回折格子の設計)
 シミュレーションツールを使い、下記の条件にて形状設計を行った。
   対象光源:波長 980nmのレーザー光
   材料屈折率:1.456
   拡散形状:長辺±50°×短辺±3.3°に広がる矩形
   エリアサイズ:5mm角
   回折格子のレベル:2-level(2値)
 得られた回折格子形状の最適深さは1087nm、最も細かい形状のピッチは250nmとなり、最大アスペクト比は4.35となった。
(金型作成)
 6インチ角サイズの合成石英板を用い、電子線描画装置とドライエッチング装置を使用した電子線リソグラフィプロセスにより、設計した形状の石英DOEを作成した。
 SEM観察では所定の寸法に仕上がっていることを確認でき、また980nmのレーザーを入射させ、回折光をスクリーンに投影し赤外線カメラで観察したところ、所定の矩形形状に広がっていることを確認できた。
(樹脂賦型方法)
 回折層の樹脂賦型は次の通り行った。
 まず前記石英DOEを金型とし、回折面に後述する実施例及び比較例の電離放射線硬化性樹脂組成物を滴下した。次に透明基材としてPETフィルム(東洋紡 コスモシャイン A4300、100μm厚)を上からローラーでラミネートし、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を均一に広げた。さらにその状態のまま2000mJ/cmの紫外線を透明基材側から照射し、前記電離放射線硬化性樹脂を硬化させた後に、透明基材と賦型層を金型から剥離し、回折光学素子を得た。
(硬化後の紫外線硬化性樹脂組成物の物性の測定)
 下記表1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物1~7を準備し、それぞれ2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分以上照射することにより十分に硬化させて、基材及び凹凸形状を有しない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの試験用単膜をそれぞれ得た。
 次いで、JIS K7244に準拠し、25℃下、上記樹脂組成物の硬化物の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、貯蔵弾性率E’、及び損失弾性率E”を求めた。また、当該E’及びE”の結果からtanδを算出した。測定装置はUBM製 Rheogel E400を用いた。結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(実施例1)
 前記紫外線硬化性樹脂組成物1を用い、前記樹脂賦型方法に従って、回折光学素子1を得た。得られた回折光学素子1の外観は良好であり、980nmのレーザーによる回折形状を赤外線カメラで観察したところ、所定の矩形形状に広がっていることを確認できた。またSEM(走査型電子顕微鏡)観察でも高い形状再現性を確認できており、柔らかい布(ザヴィーナミニマックス 富士ケミカル製)でこすったくらいでは傷つかなかった。
(実施例2)
 実施例1において、紫外線硬化性樹脂組成物1の代わりに前記紫外線硬化性樹脂組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、回折光学素子2を得た。得られた回折光学素子2の外観は良好であり、980nmのレーザーによる回折形状を赤外線カメラで観察したところ、所定の矩形形状に広がっていることを確認できた。またSEMでも高い形状再現性を確認できており、柔らかい布(ザヴィーナミニマックス 富士ケミカル製)でこすったくらいでは傷つかなかった。
(実施例3)
 実施例1において、紫外線硬化性樹脂組成物1の代わりに前記紫外線硬化性樹脂組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして、回折光学素子3を得た。得られた回折光学素子3の外観は良好であり、980nmのレーザーによる回折形状を赤外線カメラで観察したところ、所定の矩形形状に広がっていることを確認できた。またSEMでも高い形状再現性を確認できており、柔らかい布(ザヴィーナミニマックス 富士ケミカル製)でこすったくらいでは傷つかなかったが、強くこすると傷が入ることがあった。
(実施例4)
 実施例1において、紫外線硬化性樹脂組成物1の代わりに前記紫外線硬化性樹脂組成物4を用いた以外は、実施例1と同様にして、回折光学素子4を得た。得られた回折光学素子4の外観は良好であり、980nmのレーザーによる回折形状を赤外線カメラで観察したところ、所定の矩形形状に広がっていることを確認できた。またSEMでも高い形状再現性を確認できていた。柔らかい布(ザヴィーナミニマックス 富士ケミカル製)でこすったくらいでは傷つかなかったが、強くこすると跡が残り、時間が経つにつれて復元した。
(参考例1)
 実施例1において、紫外線硬化性樹脂組成物1の代わりに前記紫外線硬化性樹脂組成物5を用いた以外は、実施例1と同様にして回折光学素子の製造を行ったところ、離型の際に樹脂にクラックが入り、またSEMでは微細形状の破損が観察された。
(参考例2)
 実施例1において、紫外線硬化性樹脂組成物1の代わりに前記紫外線硬化性樹脂組成物6を用いた以外は、実施例1と同様にして回折光学素子の製造を行った。得られた回折光学素子は、柔らかい布(ザヴィーナミニマックス 富士ケミカル製)でこすると跡が残り、その後も復元しなかった。
(参考例3)
 実施例1において、紫外線硬化性樹脂組成物1の代わりに前記紫外線硬化性樹脂組成物7を用いた以外は、実施例1と同様にして回折光学素子の製造を行った。得られた回折光学素子は、回折層が白く濁っており、SEM観察では微細形状の壁の変形が観察された。
[実施例5]
 前記紫外線硬化性樹脂組成物1を用いて、種々の回折光学素子を製造した。
(実施例5-1)
・2レベルの金型作製
 6インチ角サイズの合成石英板を用い、電子線描画装置とドライエッチング装置を使用した電子線リソグラフィプロセスにより、ライン/スペース幅 147nm/151nm、溝高さ(深さ) 952μm、の2レベル回折パターンを含む金型Bを作製した。
 次いで、前記金型Bを用いた以外は、前記樹脂賦型方法と同様の手順で回折光学素子を得た。
(硬化後の紫外線硬化性樹脂組成物の形状測定)
 実施例5-1で得られた回折光学素子の断面をSEMにて確認したところ、樹脂幅151nm、樹脂高さ(深さ)928nmのパターン部(アスペクト比6.15)が突起の倒れやもげなどなく賦型できていた。また、所定の光学系を使った光拡散を行い、設計通りの光拡散形状を確認できた。
(実施例5-2)
・多段形状(4-レベル)の金型作製
 6インチ角サイズの合成石英板を用い、電子線描画装置とドライエッチング装置を使用した電子線リソグラフィプロセスにより、ピッチ400nm、深さ767nmの4レベルの回折パターンを含む金型Cを作製した。
 次いで、前記金型Cを用いた以外は、前記樹脂賦型方法と同様の手順で回折光学素子を得た。
(硬化後の紫外線硬化性樹脂組成物の形状測定)
 実施例5-2で得られた回折光学素子の断面をSEMにて確認したところ、最も細い段の樹脂幅93nm、樹脂高さ747nmのパターン部(アスペクト比8.0)が突起の倒れやもげなどなく賦型できていた。また、所定の光学系を使った光拡散を行った。図18に、本実施例5-2で得られた回折光学素子を透過した回折光のスクリーンに投影された像を示す。正方形に投影された像が1次光であり、設計通りの光拡散形状を確認できた。なお、正方形の下側にある点は0次光である。
 実施例1~5の結果に示される通り、硬化後の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1×10Pa以上5×10Pa以下であり、且つ、硬化後の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))が0.3以下である電離放射線樹脂組成物を用いることにより、破断やスティッキングを抑制されたアスペクト比が2以上の所望の凸部を形成することができることが明らかとなった。
(実施例6)
 次に、下記に従って2値の回折光学素子の回折像に関するシミュレーションを行った。
 凸部を形成する樹脂材料の屈折率を1.5とし、ラインアンドスペース(L/S 凸部幅:凹部幅)を1:1に固定した上で、凸部の幅と高さを変更することにより、アスペクト比を変化させた。
 光源は、波長800nm、又は、980nmのレーザー光とし、入射角を15°、30°、及び60°の3点とした。なお入射角は、回折光学素子の面に対して垂直方向を0°とする。
 結果を下表2~5に示す。なお、表中の0次光強度、1次光強度の数値は、入射光の強度を1としたときの相対強度である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
[結果のまとめ]
 実施例6の結果から、凸部のアスペクト比を2以上とすることにより、1次光の強度が0.3以上となる回折光学素子を設計できることが明らかとなった。このように本開示によれば、電離放射線硬化性樹脂組成物を賦型することにより、所望の回折光が得られ、耐久性に優れた回折光学素子が製造できる。また、本開示の回折光学素子によれば、波長900nm以上の赤外光を利用することができる。
1 回折層
1A、1B、1C、1D  部分周期構造(領域)
2 高屈折率部
3 低屈折率部
4 透明基材
5 被覆層
6 粘着層(接着層)
7 低屈折率樹脂層
8A,8B,8C、8D 4-levelでの深さが異なる構造(領域)
9 反射防止層
10 回折光学素子
11 基板
12 発光体
13 光源
14 ガラス板
15 粘着層(接着層)
20 光照射装置
21 照射光
22 スクリーン
23 照射光の照射領域
24 回折光学素子を通過した光の照射領域
25 0次光
26a,26b,26c,26d 1次光(回折光)
27 0次光照射位置
31 金型
32 電離放射線硬化性樹脂組成物
33 透明基材
34 加圧ローラ
35 電離放射線照射
36 硬化膜
101 基材
102、103 破断した樹脂
104 金型
105 スティッキングした樹脂

Claims (12)

  1.  光源からの光を整形する光学素子であって、
     低屈折率部と高屈折率部との周期構造を有する回折層を備え、
     前記周期構造における高屈折率部のアスペクト比が2以上のものを含む、回折光学素子。
  2.  前記高屈折率部が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、請求項1に記載の回折光学素子。
  3.  前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1×10Pa以上5×10Pa以下であり、且つ、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))が0.3以下である、請求項2に記載の回折光学素子。
  4.  前記回折層の断面形状において、前記高屈折率部を形成する凸部が、高さ1000nm以上のものを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  5.  前記回折層の断面形状において、前記高屈折率部を形成する凸部が、2以上の平坦部を有する多段形状である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  6.  前記多段形状の凸部におけるアスペクト比が3.5以上である、請求項5に記載の回折光学素子。
  7.  前記低屈折率部が空気である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  8.  透明基材上に、前記回折層と、被覆層とを、この順に有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  9.  最表面に反射防止層を備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  10.  波長780nm以上の赤外線を回折する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  11.  光源と、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の回折光学素子を1つ以上備える、光照射装置。
  12.  前記光源が、波長780nm以上の赤外線を発し得る光源である、請求項11に記載の光照射装置。
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