WO2017104573A1 - 金属層積層透明導電性フィルムおよびそれを用いたタッチセンサ - Google Patents
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Abstract
細線化した金属配線層を形成する場合でも、透明導電膜の剥離による配線トラブルが生じにくい金属層積層透明導電性フィルム及びそれを用いたタッチセンサを提供する。本発明の金属層積層透明導電性フィルムは、透明基材1の少なくとも一方の面側に、樹脂層2、透明導電膜3、金属層4をこの順に有する金属層積層透明導電性フィルムであって、前記樹脂層は、樹脂100重量部に対して、15~55重量部の無機酸化物粒子を含み、前記透明導電膜は、インジウム系複合酸化物を含む、金属層積層透明導電性フィルムである。
Description
本発明は、透明基材の少なくとも一方の面に、樹脂層、透明導電膜、金属層が形成されている金属層積層透明導電性フィルムおよびそれを用いたタッチセンサに関し、特に表示装置等の狭額縁化に有用な技術である。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや、タッチパネル等の表示装置では、インジウム・スズ複合酸化物(ITO)等の透明電極が用いられている。この透明電極には、外部から電圧を付与したり、透明電極上の電位を検出する目的でパターン配線が接続されている。パターン配線としては、スクリーン印刷法等によって銀ペーストを形成したものが広く用いられている。一般に、表示装置においては、透明電極の周辺部を引き回すように配線がパターン形成される。そして、加飾された基材等を用いることで、この配線が外部から視認されないように表示装置が組み立てられる。
表示装置の高精細化や高機能化に伴って、引き回し配線のパターンは複雑化する傾向にある。例えば、タッチパネルでは、多点入力(マルチタッチ)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルや、マトリックス型の抵抗膜方式タッチパネルが近年脚光を浴びている。これらの方式のタッチパネルでは、透明導電性薄膜が、所定形状(例えば短冊状)にパターン化されて透明電極を形成し、各透明電極とIC等の制御手段との間にパターン配線が形成される。このように、配線のパターンが複雑化する一方で、引き回し配線が視認されないように周辺部が加飾された領域をより狭くして、表示装置における表示領域の面積比率を高めること(狭額縁化)も求められている。しかしながら、前述の銀ペーストを印刷する方法では、電極の線幅を小さくすることには限界があるため、表示装置をさらに狭額縁化することは困難である。
表示装置をさらに狭額縁化するためには、パターン配線を細線化し、かつ配線の抵抗の上昇を抑制するために導電性の高い配線材料を用いる必要がある。かかる観点から、基材上に透明導電性薄膜を形成し、その上に銅からなる金属層を形成した積層体を作製し、金属層、透明導電性薄膜を順次エッチングにより選択除去してパターン化する方法が提案されている(特許文献1~2)。
しかし、特許文献1~2で、パターン配線の細線化を進めていくと、フィルム基材から透明導電層等が剥離するという問題が生じることが判明した。
そこで、本発明の目的は、細線化した金属配線層を形成する場合でも、透明導電膜の剥離による配線トラブルが生じにくい金属層積層透明導電性フィルム及びそれを用いたタッチセンサを提供することにある。
そこで、本発明の目的は、細線化した金属配線層を形成する場合でも、透明導電膜の剥離による配線トラブルが生じにくい金属層積層透明導電性フィルム及びそれを用いたタッチセンサを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより上記目的を達成し得ることを見出し本発明にいたった。
すなわち、本発明の金属層積層透明導電性フィルムは、透明基材の少なくとも一方の面側に、樹脂層、透明導電膜、金属層をこの順に有する金属層積層透明導電性フィルムであって、前記樹脂層は、樹脂100重量部に対して、15~55重量部の無機酸化物粒子を含み、前記透明導電膜は、インジウム系複合酸化物を含む、金属層積層透明導電性フィルムであることを特徴とする。なお、本発明における各種の物性値は、実施例において採用する方法により測定される値である。
前記樹脂層が所定範囲の含有量の無機酸化物粒子を含むことによって、細線化した金属配線層を形成する場合でも、透明導電膜の剥離による配線トラブルが生じにくい金属層積層透明導電性フィルムを提供できる。このメカニズムは、定かではないものの下記の通りと考えられる。透明基材上に、樹脂層、透明導電膜、金属層の順に積層した場合、有機物と無機物の熱特性等の相違によって、樹脂層と透明導電膜との界面が最も密着力の弱い部分となり、透明導電膜が剥離すると考えられる。この剥離は、金属層を積層しなかった場合には見られず、透明導電膜上に金属層を積層させた場合に起こる現象である。金属層から応力が発生することにより、もっとも密着力の脆弱な部分である樹脂層と透明導電膜との界面が剥離すると推定される。そこで、樹脂層と透明導電膜との界面の密着力を向上させるため、樹脂層中の無機酸化物粒子の含有量を調整する検討を実施した結果、前記範囲の含有量の無機酸化物粒子を含むことによって有利な効果が生じることが分かった。即ち、樹脂層の透明導電膜側に、所定量の無機粒子が存在することにより、金属層を積層した際の透明導電膜/樹脂層の密着力を向上していると考えられ、この無機粒子の含有量を最適化することで、界面密着力が最適化され、配線トラブル(配線剥がれ等)の発生を抑制できると考えられる。界面の密着力は、樹脂層の透明導電膜が形成される面の算術平均表面粗さや、材質等の相性などにより、向上させることができる。
本発明におけるインジウム系複合酸化物は、インジウム・スズ複合酸化物であることが好ましい。透明導電膜がインジウム・スズ複合酸化物であることにより、透明導電膜の加熱処理による結晶化が容易であり、より透明性が高く導電性が良好な透明導電膜を形成することができるとともに、樹脂層との密着力を向上でき、配線トラブル(配線剥がれ等)を防止できる。
本発明における無機酸化物粒子は、シリカ粒子であることが好ましい。これにより、タッチパネル等の表示装置での反射特性の制御ができるとともに、透明導電膜との密着性をより向上でき、上記の作用効果を実現する上で有利となる。
本発明における樹脂層の前記透明導電膜側の面のX線光電子分光分析法によるSiの表面元素比率(原子%)は、0.1原子%~11原子%であることが好ましい。Siの表面元素比率が金属層を積層した際の透明導電膜/樹脂層の密着力に関与していると考えられ、Siがこの範囲の表面元素比率であると、樹脂層と透明導電膜との界面のより密着力を向上でき、上記の作用効果を実現する上で有利となる。
本発明における樹脂層の前記透明導電膜側の面の算術平均表面粗さRaが、1nm以下であることが好ましい。算術平均表面粗さRaがこの範囲であることにより、樹脂層と透明導電膜との界面の密着力をより向上でき、上記の作用効果を実現する上で有利となる。
本発明における無機酸化物粒子の平均粒径は、10nm~60nmであることが好ましい。これにより、タッチパネル等の表示装置の視認性に影響を与えないとともに、樹脂層と透明導電膜との界面の密着力を向上でき、透明導電膜の剥離による配線トラブルを防ぐことができる。
本発明における金属層は、銅層、銅合金層または銅層と銅合金層との積層体であることが好ましい。上記のような導電性の高い金属を用いることにより、抵抗の上昇を抑制しつつ、パターン配線の細線化ができ、表示装置等の狭額縁化が可能となる。
本発明における金属層はパターン部を有し、金属層の幅の最も狭い部分が50μm以下であることが好ましい。パターン配線の細線化により、表示装置等の狭額縁化が可能となる。
本発明における金属層の厚みは、100nm~200nmであることが好ましい。これにより、エッチング時の作業効率を高めることができるとともに、細線化した金属層を形成する場合でも、透明導電膜の剥離による配線トラブルを防ぐことが可能である。
本発明のタッチセンサは、前記金属層積層透明導電性フィルムを用いることが好ましい。前記金属層積層透明導電性フィルムによると、細線化した金属層を形成する場合でも、透明導電膜の剥離による配線トラブルを防ぐことが可能である。
本発明の金属層積層透明導電性フィルムの実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。上下等の位置関係を示す用語は、単に説明を容易にするために用いられており、本発明の構成を限定する意図は一切ない。
<金属層積層透明導電性フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係る金属層積層透明導電性フィルムの模式的断面図であり、図2~3は、本発明の他の実施形態に係る金属層積層透明導電性フィルムの模式的断面図である。図1に示す金属層積層透明導電性フィルムは、透明基材1と、樹脂層2と、透明導電膜3と、金属層4とをこの順で含んでいる。図2に示すように、透明導電膜3は、2層の透明導電膜(第一透明導電膜31及び第二透明導電膜32)を積層することもできるが、1層の透明導電膜のみ又は3層以上の透明導電膜を有していてもよい。図3に示すように、透明基材1の表面にはハードコート層5を有することができる。ハードコート層5は、透明基材1の片面又は両面に形成することができる。また、金属層4は、金属層4上に第2金属層を設けても良い。なお、図1~3においては、透明基材1の一方の面にのみ樹脂層2、透明導電膜3および金属層4が形成された形態が図示されているが、透明基材1の両面に樹脂層2、透明導電膜3および金属層4が形成されていてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属層積層透明導電性フィルムの模式的断面図であり、図2~3は、本発明の他の実施形態に係る金属層積層透明導電性フィルムの模式的断面図である。図1に示す金属層積層透明導電性フィルムは、透明基材1と、樹脂層2と、透明導電膜3と、金属層4とをこの順で含んでいる。図2に示すように、透明導電膜3は、2層の透明導電膜(第一透明導電膜31及び第二透明導電膜32)を積層することもできるが、1層の透明導電膜のみ又は3層以上の透明導電膜を有していてもよい。図3に示すように、透明基材1の表面にはハードコート層5を有することができる。ハードコート層5は、透明基材1の片面又は両面に形成することができる。また、金属層4は、金属層4上に第2金属層を設けても良い。なお、図1~3においては、透明基材1の一方の面にのみ樹脂層2、透明導電膜3および金属層4が形成された形態が図示されているが、透明基材1の両面に樹脂層2、透明導電膜3および金属層4が形成されていてもよい。
(透明基材)
透明基材としては、可視光領域において透明であるものであれば特に制限されず、ガラスや、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。金属層積層透明導電性フィルムを、タッチパネルの透明電極やフレキシブルディスプレイ等に用いる場合は、透明基材として、プラスチックフィルム等の可撓性フィルムが用いられることが好ましい。
透明基材としては、可視光領域において透明であるものであれば特に制限されず、ガラスや、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。金属層積層透明導電性フィルムを、タッチパネルの透明電極やフレキシブルディスプレイ等に用いる場合は、透明基材として、プラスチックフィルム等の可撓性フィルムが用いられることが好ましい。
プラスチックフィルムの材料としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
透明基材には、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、透明基材上に形成される透明導電膜との密着性を向上させるようにしてもよい。また、透明導電膜を形成する前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより、透明基材表面を除塵、清浄化してもよい。
透明基材として、プラスチックフィルムが用いられる場合、その厚みは、2~200μmの範囲内であることが好ましく、10~100μmの範囲内であることがより好ましい。この範囲であると、透明基材の機械的強度が十分であり、フィルムをロール状にして透明導電膜等を連続的に形成する操作が可能である。
また、透明基材の透明導電膜形成面には、誘電体層、ハードコート等が形成されていてもよい。透明基材の透明導電膜形成面と反対側の面には、必要に応じてハードコート層、易接着層、ブロッキング防止層等が設けられていてもよい。また、粘着剤などの適宜の接着手段を用いて他の基材が貼り合わせたものや、他の基材と貼り合わせるための粘着剤層等にセパレータ等の保護層が仮着されたものであってもよい。
(ハードコート層)
透明基材の両面もしくは片面にハードコート層を形成することができる。これにより、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を含む透明基材はそれ自体が非常に傷つきやすい傾向にあるが、透明導電膜の形成やパターン化または電子機器への搭載などの各工程で透明基材に傷が入ることを防ぐことが可能である。
透明基材の両面もしくは片面にハードコート層を形成することができる。これにより、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を含む透明基材はそれ自体が非常に傷つきやすい傾向にあるが、透明導電膜の形成やパターン化または電子機器への搭載などの各工程で透明基材に傷が入ることを防ぐことが可能である。
ハードコート層の形成材料としては、ハードコート層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、透明性のあるものを特に制限なく使用できる。用いる樹脂としては熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂などがあげられるが、これらのなかでも紫外線照射による硬化処理にて、簡単な加工操作にて効率よくハードコート層を形成することができる紫外線硬化型樹脂が好適である。
紫外線硬化型樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂等の各種のものがあげられ、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等が含まれる。好ましく用いられる紫外線硬化型樹脂としては、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が好ましく、より好ましくはアクリル系樹脂である。
ハードコート層には、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、微粒子、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの常用の添加剤が挙げられる。
ハードコート層は、各硬化型樹脂と必要に応じて加える架橋剤、開始剤、増感剤などを含む樹脂組成物を透明基材上に塗布し、樹脂組成物が溶剤を含む場合には、溶剤の乾燥を行い、熱、活性エネルギー線またはその両方のいずれかの適用により硬化させることにより得られる。熱は空気循環式オーブンやIRヒーターなど公知の手段を用いることができるがこれらの方法に限定されない。活性エネルギー線の例としては紫外線、電子線、ガンマ線などがあるが特に限定されない。
ハードコート層の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.5μm~5μmであり、より好ましくは0.7μm~3μmであり、最も好ましくは0.8μm~2μmである。ハードコート層の厚みが前記範囲にあると、プラスチックフィルムからのオリゴマー等の低分子量成分の析出を抑止でき、タッチパネル等の視認性が悪化することを防ぐことができるとともに、クラックやカールの発生を防ぐことができる。
(樹脂層)
樹脂層は、反射特性の制御や、透明導電膜等との密着性の向上を目的として、透明基材上に設けられることが好ましい。特に、各工程上で発生しうる外観欠点の観点から、透明基材上に形成されたハードコート層上に設けられることが好ましい。また、樹脂層は、光学調整層、アンダーコート層等上に設けることもできる。樹脂層は樹脂中に無機酸化物粒子を含んでいる。
樹脂層は、反射特性の制御や、透明導電膜等との密着性の向上を目的として、透明基材上に設けられることが好ましい。特に、各工程上で発生しうる外観欠点の観点から、透明基材上に形成されたハードコート層上に設けられることが好ましい。また、樹脂層は、光学調整層、アンダーコート層等上に設けることもできる。樹脂層は樹脂中に無機酸化物粒子を含んでいる。
樹脂層に含まれる樹脂としては、屈折率が1.4~1.6程度のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などが挙げられ、アクリル系樹脂を含む紫外線硬化型樹脂が好ましい。
樹脂層は、透明導電膜等との密着性を向上させ、剥離を防止する観点から、無機酸化物粒子を有していることが好ましい。無機酸化物粒子を形成する無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ粒子)粒子、中空ナノシリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、酸化ジルコニウム粒子等があげられる。これらの中でも、酸化ケイ素(シリカ粒子)粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、酸化ジルコニウム粒子が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機酸化物粒子の含有量は、透明導電膜等との密着性を向上させ、剥離を防止する観点から、樹脂100重量部に対して、15重量部~55重量部が好ましく、17重量部~50重量部であることがより好ましく、20重量部~45重量部であることが更に好ましい。
無機酸化物粒子の平均粒径は、10nm~60nmの範囲が好ましく、15nm~35nmの範囲がより好ましい。なお、「平均粒径」とは、体積基準による粒度分布の平均粒径(D50)であり、粒子を水中に分散させた溶液を、光回折/散乱法によって測定することで求められる。
樹脂層は、その他の無機物を含有することが可能である。無機物としては、NaF(1.3)、Na3AlF6(1.35)、LiF(1.36)、MgF2(1.38)、CaF2(1.4)、BaF2(1.3)、BaF2(1.3)、LaF3(1.55)、CeF(1.63)など(括弧内の数値は屈折率を示す)が挙げられる。
樹脂層は、上記の材料を用いて、ウェットコーティング法(塗工法)等により製膜できる。例えば、透明導電膜として酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)を形成する場合、下地層である樹脂層の表面が平滑であると、透明導電層の結晶化時間を短縮することもできる。かかる観点から、樹脂層はウェットコーティング法により製膜されることが好ましい。
樹脂層の厚みは、10nm以上100nm以下であればよいが、20nm以上50nm以下であることが好ましい。樹脂層の厚みを前記範囲内とすることにより、透明性を確保できる上、視認性を向上できる。
樹脂層の透明導電膜が形成される面のX線光電子分光法によるSiの表面元素比率は、0.1原子%~11原子%であることが好ましく、0.2原子%~10.5原子%であることがより好ましく、0.3原子%~10.0原子%であることが更に好ましい。Siの表面元素比率が金属層を積層した際の透明導電膜/樹脂層の密着力に関与していると考えており、前記範囲にあると、透明導電膜等との密着性を向上させ、剥離を防止することができる。
樹脂層の透明導電膜が形成される面の算術平均表面粗さRaは、1nm以下であることが好ましく、0.8nm以下であることがより好ましい。前記範囲にあると、透明導電膜等との密着性を向上させ、剥離を防止することができる。
(透明導電膜)
透明導電膜はいずれも、金属の導電性酸化物を主成分とする薄膜、または主金属と1種以上の不純物金属を含有する複合金属酸化物を主成分とする薄膜である。これらの導電性薄膜は、透明でありかつ導電性を有するものであれば、その構成材料は特に限定されず、Sc,Y,Si,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Mg,Al,Ga,Ti,Ge,In,Sn,Pb,As,Sb,Bi,Se,Te,Iからなる群より選択される1種の金属を主成分とする金属酸化物が好適に用いられる。透明導電膜の透明性や導電性の観点からは、主金属元素はIn,Zn,Snのいずれかであることが好ましく、インジウム系複合酸化物が最も好ましい。透明導電膜が、主金属と不純物金属を含有する複合金属酸化物である場合、不純物金属としても、上記群より選択される1種以上の金属が好適に用いられる。
透明導電膜はいずれも、金属の導電性酸化物を主成分とする薄膜、または主金属と1種以上の不純物金属を含有する複合金属酸化物を主成分とする薄膜である。これらの導電性薄膜は、透明でありかつ導電性を有するものであれば、その構成材料は特に限定されず、Sc,Y,Si,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Mg,Al,Ga,Ti,Ge,In,Sn,Pb,As,Sb,Bi,Se,Te,Iからなる群より選択される1種の金属を主成分とする金属酸化物が好適に用いられる。透明導電膜の透明性や導電性の観点からは、主金属元素はIn,Zn,Snのいずれかであることが好ましく、インジウム系複合酸化物が最も好ましい。透明導電膜が、主金属と不純物金属を含有する複合金属酸化物である場合、不純物金属としても、上記群より選択される1種以上の金属が好適に用いられる。
透明導電膜のキャリア密度を上昇させて透明導電膜を低抵抗化する観点においては、複合金属酸化物における不純物金属は、主金属よりも価電子数の多いものが好適に用いられる。このような複合金属酸化物としては、インジウム・スズ複合酸化物(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)等が挙げられる。中でも低抵抗かつ高透明性の透明導電膜を形成する観点において、インジウム・スズ複合酸化物が最も好適に用いられる。このようなインジウム・スズ複合酸化物は、可視光領域(380nm~780nm)で透過率が高く、且つ単位面積当りの表面抵抗値が低いという特徴を有している。
透明導電膜の形成方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。また、必要とする膜厚に応じて適宜の方法を採用することもできる。
各透明導電膜は結晶質であってもよく、非晶質であってもよい。例えば、透明基材としてプラスチックフィルムが用いられ、透明導電膜としてスパッタリング法によってITO膜が形成される場合、基材の耐熱性による制約があるため、高い温度でスパッタ製膜を行うことができない。そのため、製膜直後の透明導電膜は非晶質膜(一部が結晶化している場合もある)となっている場合が多い。このような非晶質の透明導電膜は結晶質のもの比して透過率が低く、加湿熱試験後の抵抗変化が大きい等の問題を生じる場合がある。かかる観点からは、一旦非晶質の透明導電膜を形成した後、大気中の酸素存在下で加熱することにより、結晶膜へ転換させてもよい。透明導電膜を結晶化することにより、透明性が向上し、低抵抗化が図られるとともに、さらに加湿熱試験後の抵抗変化が小さく、加湿熱信頼性が向上するなどの利点がもたらされる。
各透明導電膜の結晶化は、透明基材上に非晶質の膜を形成後、金属層を製膜する前に行うこともできるし、金属層を製膜した後に結晶化を行ってもよい。また、エッチング等により透明導電性膜をパターン化する場合、透明導電膜の結晶化は、エッチング加工前に行うこともできるし、エッチング加工後に行ってもよい。
インジウム・スズ系複合酸化物層の表面抵抗値は、好ましくは300Ω/□以下であり、さらに好ましくは270Ω/□以下である。このような表面抵抗値の小さい透明導電性フィルムは、例えば、スパッタリング法又は真空蒸着法により、インジウム・スズ系複合酸化物の非晶質層を硬化樹脂層上に形成した後、120℃~200℃で30~90分間程度加熱処理して、非晶質層を結晶質層に変化させることにより得られる。この転化させる手段は、特に限定されないが空気循環式オーブンやIRヒーターなどが用いられる。
インジウム・スズ系複合酸化物層の表面抵抗値は、好ましくは300Ω/□以下であり、さらに好ましくは270Ω/□以下である。このような表面抵抗値の小さい透明導電性フィルムは、例えば、スパッタリング法又は真空蒸着法により、インジウム・スズ系複合酸化物の非晶質層を硬化樹脂層上に形成した後、120℃~200℃で30~90分間程度加熱処理して、非晶質層を結晶質層に変化させることにより得られる。この転化させる手段は、特に限定されないが空気循環式オーブンやIRヒーターなどが用いられる。
「結晶質」の定義については、透明基材上に透明導電膜が形成された透明導電性フィルムを、20℃、濃度5重量%の塩酸に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm間の端子間抵抗をテスタにて測定を行い、端子間抵抗が10kΩを超えない場合、ITO膜の結晶質への転化が完了したものとする。
透明導電膜は、少なくとも1層の透明導電膜が形成されたものであることが好ましいが、2層の透明導電膜を積層することもできる。また、2層以上の透明導電膜を有していてもよい。1層の透明導電膜を形成する場合、In2O3の重量%は、99.5重量%~80重量%が好ましく、SnO2の重量%は、0.5重量%~20重量%が好ましい。2層の透明導電膜を積層して透明導電膜を形成する場合、金属層に近い側の第一透明導電膜におけるIn2O3の重量%は、99.5重量%~90重量%が好ましく、99重量%~92重量%がより好ましく、98重量%~95重量%が更に好ましい。SnO2の重量%は、0.5重量%~10重量%が好ましく、1重量%~8重量%がより好ましく、2重量%~5重量%が更に好ましい。樹脂層に近い側の第二透明導電膜におけるIn2O3の重量%は、95重量%~80重量%が好ましく、93重量%~85重量%がより好ましく、92重量%~87重量%が更に好ましい。SnO2の重量%は、5重量%~20重量%が好ましく、7重量%~15重量%がより好ましく、8重量%~13重量%が更に好ましい。透明導電膜の比抵抗を小さくする観点からは、第一透明導電膜の不純物金属SnO2の含有量が、第二透明導電膜の不純物金属SnO2の含有量よりも小さくすることが好ましい。
第一透明導電膜の不純物金属SnO2の含有量を小さくすることによって金属層をエッチング除去した際の抵抗増大が抑制される原因は定かではない。推定原因の1つとして、不純物金属の含有量が大きい場合は、金属層除去に用いられるエッチャント中の化学種と不純物金属との錯形成等によって透明導電性薄膜のキャリア密度が低下する傾向があり、不純物金属の含有量を小さくすることでこのようなエッチャントの影響による抵抗増大が抑制されることが考えられる。
1層の透明導電膜を形成する場合、透明導電膜の厚みは、10~35nmであることが好ましい。2層の透明導電膜を積層して透明導電膜を形成する場合、第一透明導電膜の厚みは、1nm~10nmであることが好ましく、2nm~9nmであることがより好ましく、3nm~8nmであることがさらに好ましい。第二透明導電膜の厚みは、9nm~35nmであることが好ましく、12~30nmであることがより好ましく、15~25nmであることがさらに好ましい。透明導電膜の比抵抗を小さくする観点からは、第一透明導電膜の厚みが、第二透明導電膜の厚みよりも小さくなるように、透明導電膜を形成することが好ましい。透明導電膜を高透過率とする観点からは、透明導電膜全体の厚みは、35nm以下であることが好ましく、30nm以下であるのが好ましい。
(保護フィルム)
透明導電性フィルムの破断を防止する観点から、透明導電性フィルムに後述する粘着剤層を介して保護フィルムを積層して透明導電性積層体とすることができる。保護フィルムは、ポリエステル系樹脂を含む。透明基材の両面に上述のハードコート層を設けることにより、透明基材自体に傷は入りにくくなるが、より硬く裂けやすくなる。また、透明フィルム基材が長尺状の場合には、例えば透明導電膜の形成工程や透明導電膜のパターン化工程などで、フィルム走行時に透明フィルム基材に破断が発生しやすくなるという課題がある。保護フィルムを構成するポリエステル系樹脂フィルムは、機械強度を向上させる観点から、一軸延伸処理や二軸延伸処理などの延伸処理がされていることが好ましい。機械強度や耐熱特性向上の観点から、特に二軸延伸の処理がされていることが好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリエチレンナフタレート系樹脂が挙げられ、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が機械的特性や光学特性、入手容易性の点で好ましい。
透明導電性フィルムの破断を防止する観点から、透明導電性フィルムに後述する粘着剤層を介して保護フィルムを積層して透明導電性積層体とすることができる。保護フィルムは、ポリエステル系樹脂を含む。透明基材の両面に上述のハードコート層を設けることにより、透明基材自体に傷は入りにくくなるが、より硬く裂けやすくなる。また、透明フィルム基材が長尺状の場合には、例えば透明導電膜の形成工程や透明導電膜のパターン化工程などで、フィルム走行時に透明フィルム基材に破断が発生しやすくなるという課題がある。保護フィルムを構成するポリエステル系樹脂フィルムは、機械強度を向上させる観点から、一軸延伸処理や二軸延伸処理などの延伸処理がされていることが好ましい。機械強度や耐熱特性向上の観点から、特に二軸延伸の処理がされていることが好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリエチレンナフタレート系樹脂が挙げられ、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が機械的特性や光学特性、入手容易性の点で好ましい。
保護フィルムの厚みは、120μm~250μmであれば良いものの、140μm~220μmがより好ましく、145μm~190μmが更に好ましい。この範囲であれば、カールの発生を防止できるとともに、フィルムをロール状に巻き取る際の作業効率等を向上させることができる。
(粘着剤層)
粘着剤層の形成材料としては、透明性を有するものであれば特に制限なく使用できるが、好ましくはアクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤であり、より好ましくはアクリル系粘着剤である。形成される粘着剤層の乾燥厚さは適宜に調整することができるが、通常、1~40μm程度であり、3~35μmが好ましく、さらには5~30μmが好ましい。
粘着剤層の形成材料としては、透明性を有するものであれば特に制限なく使用できるが、好ましくはアクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤であり、より好ましくはアクリル系粘着剤である。形成される粘着剤層の乾燥厚さは適宜に調整することができるが、通常、1~40μm程度であり、3~35μmが好ましく、さらには5~30μmが好ましい。
(金属層)
透明導電膜上には、金属層が形成される。なお、第一透明導電膜と金属層との間には、密着性向上や、金属層を構成する金属元素の透明導電膜への拡散防止等の観点から、例えば厚みが5nm以下の薄膜を設けることもできる。一方、金属層をエッチングにより除去した際の透明導電膜の表面抵抗の増加を抑制する観点においては、第一透明導電膜上に直接金属層が形成されることが好ましい。
透明導電膜上には、金属層が形成される。なお、第一透明導電膜と金属層との間には、密着性向上や、金属層を構成する金属元素の透明導電膜への拡散防止等の観点から、例えば厚みが5nm以下の薄膜を設けることもできる。一方、金属層をエッチングにより除去した際の透明導電膜の表面抵抗の増加を抑制する観点においては、第一透明導電膜上に直接金属層が形成されることが好ましい。
金属層の構成材料は、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Ti,Si,Nb,In,Zn,Sn,Au,Ag,Cu,Al,Co,Cr,Ni,Pb,Pd,Pt,W,Zr,Ta,Hf等の金属が好適に用いられる。また、これらの金属の2種以上を含有するものや、これらの金属を主成分とする合金等も好適に用いることができる。金属層の面内の一部をエッチング等により除去してパターン配線を形成する場合は、金属層の材料として、Au,Ag,Cu等の導電性の高い金属が好適に用いられる。中でも、導電性が高く、かつ安価な材料であるため、銅層、銅合金層または銅層と銅合金層の積層体であることが好ましい。
金属層は、膜厚の均一性や成膜効率の観点から、化学気相成長法(CVD)や物理気相成長法(PVD)等の真空成膜法や、メッキ法(電解メッキ、無電解メッキ)等により成膜されることが好ましい。また、これらの製膜方法の複数を組み合わせてもよい。中でも、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法等の物理気相成長法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
金属層の厚みは、特に制限されない。例えば、金属層の面内の一部をエッチング等により除去してパターン配線を形成する場合は、形成後のパターン配線が所望の抵抗値を有するように金属層の厚みが適宜に設定される。そのため、金属層の厚みは、20nm~500nmであることが好ましく、100nm~200nmであることがより好ましく、120nm~180nmであることが更に好ましい。金属層の厚みが上記範囲であると、パターン配線の抵抗が高くなりすぎず、デバイスの消費電力が大きくならない。また、金属層の成膜の生産効率が上がり、成膜時の積算熱量が小さくなり、フィルムに熱シワが生じにくくなる。
金属層の厚みは、特に制限されない。例えば、金属層の面内の一部をエッチング等により除去してパターン配線を形成する場合は、形成後のパターン配線が所望の抵抗値を有するように金属層の厚みが適宜に設定される。そのため、金属層の厚みは、20nm~500nmであることが好ましく、100nm~200nmであることがより好ましく、120nm~180nmであることが更に好ましい。金属層の厚みが上記範囲であると、パターン配線の抵抗が高くなりすぎず、デバイスの消費電力が大きくならない。また、金属層の成膜の生産効率が上がり、成膜時の積算熱量が小さくなり、フィルムに熱シワが生じにくくなる。
金属層上に、さらに酸化防止を目的とした第2金属層を設けてもよい。例えば、金属層上に金属層とは異なる組成を有する第2金属層を有することで、透明導電膜の結晶化時の加熱や、タッチパネル等のデバイス組立て時の加熱によって、金属層が酸化されて配線の抵抗が上昇することが抑止され得る。このような第2金属層としては、酸素存在下で加熱された場合にも酸化され難く、金属層と同一のエッチャントにより同時にエッチングできるものであることが好ましい。複数の金属層を1回のエッチングでパターン化することが可能であれば、パターン配線の形成を容易になし得る。
金属層が実質的に銅からなる場合、酸化防止を目的として金属層上に設けられる第2金属層は、銅-ニッケル合金からなり、銅とニッケルの合計100重量部に対してニッケルを15~55重量部含有することが好ましい。第2金属層の厚みは、5nm~100nmであることが好ましく、5nm~80nmであることがより好ましく、5nm~70nmであることがより好ましい。第2金属層の厚みが過度に小さいと、酸化防止層としての作用が発揮されず、酸素存在下での加熱時に、実質的に銅からなる金属層が酸化され易くなる傾向がある。
金属層のパターン化は、エッチングにより行うことが好ましい。エッチングに際しては、パターンを形成するためのマスクによりパターン配線部および接続部に対応する領域の表面を覆って、エッチャントにより金属層をエッチングする方法が好適に用いられる。なお、金属層上に酸化防止等を目的として第2金属層が形成されている場合は、1回のエッチング加工により、金属層と第2金属層とが同時に除去されることが好ましい。エッチャントとしては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、銅アンモニア錯体溶液等が挙げられる。
金属層を除去した後、透明導電膜の露出部において、透明導電膜の面内の一部が除去されることで、パターン化された透明電極が形成される。透明導電膜の除去もエッチングにより行うことが好ましい。エッチングに際しては、パターンを形成するためのマスクにより、透明電極に対応する領域の表面を覆って、エッチャントにより透明導電膜をエッチングする方法が好適に用いられる。また、金属層に対してもエッチング能力を有するエッチャントが用いられる場合は、前記パターン配線部および接続部もマスクにより表面が覆われることが好ましい。
金属層や透明導電膜等のエッチングに用いられるエッチャントは、透明導電膜を形成する材料によって適宜に選択し得る。透明導電膜としてITO等が用いられる場合は、エッチャントとして酸が好適に用いられる。酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が挙げられる。
金属層はパターン部と非パターン部とを有し、金属層のパターン部の幅の最も狭い部分が50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更に好ましい。このような細線化により、タッチパネル等の表示装置の狭額縁化が可能となる。
透明導電膜の結晶化は、金属層の除去によるパターン配線形成の前、パターン配線形成後透明導電膜の除去による透明電極形成前、透明電極形成後のいずれの段階で行ってもよい。
<タッチセンサ>
本発明のタッチセンサは、以上で述べた金属層積層透明導電性フィルムを用いたものであり、抵抗膜方式、静電容量方式のタッチパネル等の形態で使用される。例えば、金属層積層透明導電性フィルムは、静電容量方式、抵抗膜方式などのタッチパネルに好適に適用できる。
本発明のタッチセンサは、以上で述べた金属層積層透明導電性フィルムを用いたものであり、抵抗膜方式、静電容量方式のタッチパネル等の形態で使用される。例えば、金属層積層透明導電性フィルムは、静電容量方式、抵抗膜方式などのタッチパネルに好適に適用できる。
タッチパネルの形成に際しては、金属層積層透明導電性フィルムの一方または両方の主面に透明な粘着剤層を介して、ガラスや高分子フィルム等の他の基材等を貼り合わせることができる。例えば、金属層積層透明導電性フィルムの透明導電膜が形成されていない側の面に透明な粘着剤層を介して透明基体が貼り合わせられた積層体を形成してもよい。透明基材は、1枚の基体フィルムからなっていてもよく、2枚以上の基体フィルムの積層体(例えば透明な粘着剤層を介して積層したもの)であってもよい。
本発明にかかる金属層積層透明導電性フィルムを、タッチパネルの形成に用いた場合、タッチパネル等の表示装置の狭額縁化ができるとともに、透明導電膜の剥離による配線トラブルを防止することができる。
以下、本発明に関して実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(ハードコート層の形成)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)からなる透明フィルム基材の片面に、ハードコート層形成用塗布液として紫外線硬化型アクリル樹脂(JSR社製、品名「KZ7503」、屈折率1.52)を乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射することで、ハードコート層を形成した。
(ハードコート層の形成)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)からなる透明フィルム基材の片面に、ハードコート層形成用塗布液として紫外線硬化型アクリル樹脂(JSR社製、品名「KZ7503」、屈折率1.52)を乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射することで、ハードコート層を形成した。
(樹脂層の形成)
紫外線硬化型アクリル樹脂(JSR社製、商品名「KZ7503」、屈折率1.52)100重量部に、シリカ粒子(日産化学社製、品名「PGM-ST」、平均粒径15nm)20重量部を配合し、樹脂層形成用塗布液を調製した。
紫外線硬化型アクリル樹脂(JSR社製、商品名「KZ7503」、屈折率1.52)100重量部に、シリカ粒子(日産化学社製、品名「PGM-ST」、平均粒径15nm)20重量部を配合し、樹脂層形成用塗布液を調製した。
透明フィルム基材上に形成したハードコート層の表面に樹脂層形成用塗布液を乾燥後の厚さが40nmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射することで、樹脂層を形成した。
(透明導電膜の形成)
次に、Arガス80体積%およびO2ガス20体積%とからなる4×10-3Torrの雰囲気中で、酸化インジウムと酸化スズを90:10の重量比で有する焼結体のターゲット材料を用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、樹脂層上に第二透明導電膜を20nmの厚みで形成した(光の屈折率2.00)。この第二透明導電膜上に、酸化インジウムと酸化スズを97:3の重量比で有する焼結体のターゲット材料を用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、第一透明導電膜を4nmの厚みで形成した。このようにして、インジウム・スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を形成した。
次に、Arガス80体積%およびO2ガス20体積%とからなる4×10-3Torrの雰囲気中で、酸化インジウムと酸化スズを90:10の重量比で有する焼結体のターゲット材料を用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、樹脂層上に第二透明導電膜を20nmの厚みで形成した(光の屈折率2.00)。この第二透明導電膜上に、酸化インジウムと酸化スズを97:3の重量比で有する焼結体のターゲット材料を用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、第一透明導電膜を4nmの厚みで形成した。このようにして、インジウム・スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を形成した。
その後、上記インジウム・スズ酸化物の非晶質層が形成されたPETフィルムを、ロールtoロール方式で空気循環式オーブンに投入し、150℃で90分間の加熱処理を行い、透明導電膜を非晶質から結晶質に転化させ、透明導電膜の表面抵抗値が150Ω/□の透明導電性フィルムを作製した。
(金属層の形成)
この透明導電性フィルムの第一透明導電膜上に、Arを導入した減圧下で、無酸素銅ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、銅層又は銅層を含む合金層からなる金属層を150nmの厚みで形成して、金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
この透明導電性フィルムの第一透明導電膜上に、Arを導入した減圧下で、無酸素銅ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、銅層又は銅層を含む合金層からなる金属層を150nmの厚みで形成して、金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
(金属配線層の形成)
この金属層積層透明導電性フィルムの金属層上に、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社、ATP-153)をレジスト膜として貼り合わせた。露光、現像した後に、35℃に加温したエッチング液(ADEKA社製、ITO-4400Z)に2分間浸漬させ、透明導電膜及び金属層のエッチング処理を行い、配線加工を実施した。その際、配線幅は、50μm及び100μmとなるようにパターン化して、金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
この金属層積層透明導電性フィルムの金属層上に、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社、ATP-153)をレジスト膜として貼り合わせた。露光、現像した後に、35℃に加温したエッチング液(ADEKA社製、ITO-4400Z)に2分間浸漬させ、透明導電膜及び金属層のエッチング処理を行い、配線加工を実施した。その際、配線幅は、50μm及び100μmとなるようにパターン化して、金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<実施例2>
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を30重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を30重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<実施例3>
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を40重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を40重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<実施例4>
実施例2において、ハードコート層を形成しなかったこと以外は実施例2と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
実施例2において、ハードコート層を形成しなかったこと以外は実施例2と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<比較例1>
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を10重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を10重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<比較例2>
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を60重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
実施例1において、前記樹脂層中のシリカ粒子を60重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<比較例3>
比較例2において、ハードコート層を形成しなかったこと以外は比較例2と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
比較例2において、ハードコート層を形成しなかったこと以外は比較例2と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<比較例4>
比較例3において、樹脂層を形成しなかったこと以外は比較例3と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
比較例3において、樹脂層を形成しなかったこと以外は比較例3と同様の方法で金属配線層が形成された金属層積層透明導電性フィルムを作製した。
<評価>
(1)算術平均表面粗さRaの測定
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の走査型プローブ顕微鏡(SPI3800)を用いて、AFM観察を行った。測定は、コンタクトモードにて、探針はSi3N4製(バネ定数0.09N/m)を用い、1μm平方スキャンにて行い、算術平均表面粗さRaを測定した。評価した結果を表1に示す。
(1)算術平均表面粗さRaの測定
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の走査型プローブ顕微鏡(SPI3800)を用いて、AFM観察を行った。測定は、コンタクトモードにて、探針はSi3N4製(バネ定数0.09N/m)を用い、1μm平方スキャンにて行い、算術平均表面粗さRaを測定した。評価した結果を表1に示す。
(2)Siの表面元素比率の測定
5mm角の試料片を準備し、X線光電子分光分析法(アルバック・ファイ社製、QuanteraSXM)を用いて、X線源にモノクロAlKα、X Ray settingを100μmφ(15kV、25W)条件で測定した。評価した結果を表1に示す。
5mm角の試料片を準備し、X線光電子分光分析法(アルバック・ファイ社製、QuanteraSXM)を用いて、X線源にモノクロAlKα、X Ray settingを100μmφ(15kV、25W)条件で測定した。評価した結果を表1に示す。
(3)配線剥がれ箇所の測定
配線幅を100μmとして、10本配線した際に剥がれた本数を目視にて測定した。配線幅を50μmとして、前記と同様に測定した。評価した結果を表1に示す。
配線幅を100μmとして、10本配線した際に剥がれた本数を目視にて測定した。配線幅を50μmとして、前記と同様に測定した。評価した結果を表1に示す。
(4)厚みの測定
1.0μm未満の厚みは、透過型電子顕微鏡(日立製作所製、製品名「H-7650」)を用いて、透明導電性フィルムの断面を観察して測定した。1.0μm以上の厚みは、膜厚計(Peacock社製、デジタルダイアルゲージDG-205)を用いて測定した。
1.0μm未満の厚みは、透過型電子顕微鏡(日立製作所製、製品名「H-7650」)を用いて、透明導電性フィルムの断面を観察して測定した。1.0μm以上の厚みは、膜厚計(Peacock社製、デジタルダイアルゲージDG-205)を用いて測定した。
(5)表面抵抗値の測定
JIS K7194に準じて、4端子法により測定した。
JIS K7194に準じて、4端子法により測定した。
(結果及び考察)
実施例1~4においては、配線幅50μmに細線化した場合でも、配線剥がれ箇所はなく、透明導電膜の剥離はみられず、良好な結果が得られた。これは、樹脂層の透明導電膜側に、所定量のSi粒子が存在することにより、金属層を積層した際の透明導電膜/樹脂層の密着力を向上でき、配線トラブル(配線剥がれ等)の発生を抑制できたと考えられる。一方、比較例1においては、樹脂層中のシリカ粒子の添加量が少なすぎるため、透明導電膜/樹脂層の界面密着力を向上できず、配線幅を狭くすると透明導電膜が剥離し、配線加工性が不十分であった。また、比較例2~3においては、樹脂層中のシリカ粒子の添加量が多すぎるため、透明導電膜が剥離し、配線加工性が不十分であった。また、比較例4では、樹脂層が形成されていないため、配線幅が100μmの時でさえ、剥離する結果となった。
実施例1~4においては、配線幅50μmに細線化した場合でも、配線剥がれ箇所はなく、透明導電膜の剥離はみられず、良好な結果が得られた。これは、樹脂層の透明導電膜側に、所定量のSi粒子が存在することにより、金属層を積層した際の透明導電膜/樹脂層の密着力を向上でき、配線トラブル(配線剥がれ等)の発生を抑制できたと考えられる。一方、比較例1においては、樹脂層中のシリカ粒子の添加量が少なすぎるため、透明導電膜/樹脂層の界面密着力を向上できず、配線幅を狭くすると透明導電膜が剥離し、配線加工性が不十分であった。また、比較例2~3においては、樹脂層中のシリカ粒子の添加量が多すぎるため、透明導電膜が剥離し、配線加工性が不十分であった。また、比較例4では、樹脂層が形成されていないため、配線幅が100μmの時でさえ、剥離する結果となった。
1 透明基材
2 樹脂層
3 透明導電膜
31 第1透明導電膜
32 第2透明導電膜
4 金属層
5 ハードコート層
2 樹脂層
3 透明導電膜
31 第1透明導電膜
32 第2透明導電膜
4 金属層
5 ハードコート層
Claims (10)
- 透明基材の少なくとも一方の面側に、樹脂層、透明導電膜、金属層をこの順に有する金属層積層透明導電性フィルムであって、
前記樹脂層は、樹脂100重量部に対して、15~55重量部の無機酸化物粒子を含み、
前記透明導電膜は、インジウム系複合酸化物を含む、金属層積層透明導電性フィルム。 - 前記インジウム系複合酸化物は、インジウム・スズ複合酸化物である請求項1に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記無機酸化物粒子は、シリカ粒子である、請求項1または2に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記樹脂層の前記透明導電膜側の面のX線光電子分光分析法によるSiの表面元素比率(原子%)は、0.1原子%~11原子%である、請求項3に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記樹脂層の前記透明導電膜側の面の算術平均表面粗さ(Ra)が、1nm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記無機酸化物粒子の平均粒径は、10nm~60nmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記金属層は、銅層、銅合金層または銅層と銅合金層との積層体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記金属層はパターン部を有し、金属層の幅の最も狭い部分が50μm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 前記金属層の厚みは、100nm~200nmである、請求項1~8のいずれか1項に記載の金属層積層透明導電性フィルム。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の金属層積層透明導電性フィルムを含む、タッチセンサ。
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