JP2016072137A - 透明導電層付き基板及びその製造方法並びにその表面保護方法 - Google Patents

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祐司 ▲高▼橋
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貴久 藤本
Takahisa Fujimoto
貴久 藤本
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Abstract

【課題】透明電極用との場合の低抵抗化と高い酸化防止性を確保しつつ、導電層形成時のメッキ速度や、メッキ層と下地との密着性が確保された、透明導電層付き基板を提供する。
【解決手段】透明フィルム基板の少なくとも一面上に金属導電層が形成された透明導電層付き基板において、金属導電層に、JISK6253に記載のEタイプのゴム硬度が30以下で厚みが25μm以上100μm以下の粘着剤層を介してガスバリア性の樹脂フィルムが貼り合わされた透明導電層付き基板、および、上記ガスバリア性フィルムを用いた表面保護方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明フィルム基板の少なくとも一面上に金属導電層が形成された透明導電層付き基板及びその製造方法並びにその表面保護方法に関し、特に、金属導電層が金属電極に加工されたものをガスバリア性の樹脂フィルムで保護する発明に関する。
タッチパネルやディスプレイなどの表示デバイス、LEDなどの発光デバイス、太陽電池などの受光デバイスに用いられる透明導電層付き基板では、シート抵抗として表される電気特性の制御が重要である。このような透明電極の材料としては、酸化インジウムを主成分とした透明導電性酸化物が用いられることが一般的である。酸化インジウムには酸化スズなどの金属酸化物を添加することで、種々の特性を付与することが可能である。
一般的な透明導電層付き基板の構造としては、フィルムなどの軟質基板上に透明電極薄膜が形成され、パターニングされたものが知られているが、酸化インジウムのような透明導電性酸化物は、結晶化のために高温製膜または製膜後の熱処理が必要であり、その温度はフィルム基板の耐熱性によって決定され、加えて透明導電性酸化物の導電性は金属のそれより劣るため、必然的に透明導電性酸化物を用いた透明電極の電気特性は8×10−5〜3×10−4Ωcmが限界とされている。
一方で、より低抵抗な透明電極用材料として金属ナノワイヤーを分散させた樹脂や金属メッシュが考案されており、実用化に向けた取り組みが盛んである。特に金属メッシュは、金属配線をさらに細線にすることで、メッシュ状且つ透光性(透明)にするものである。一方、酸化インジウムとは異なり、銀ナノワイヤーや金属メッシュについては、経時で導電性膜や細線部分が酸化または腐食されて、電気的特性が十分得られない事例が発生している。その対策例として、有機EL薄膜の湿分バリアー性に関する出願があるが、Cu導電層を対象にした記載は無く(例えば、特許文献1参照)、バリア性膜として金属酸窒化物を用いるものであったり(特許文献2)、透明導電層付き基板製造工程で使用する形態には程遠いものであった。また、金属薄膜に粘着剤付フィルムを貼り合わせる技術もあるが、金属薄膜の傷等の物理的な欠損を防止を目的としたものであり、ガスバリア性に関する記載は無い(特許文献3、4)。
さらに、特許文献5には、導電性層を保護する第一番目の技術例として、接着剤成分塗工によるCu細線をベースとした電磁シールドフィルムの黒化処理後の光沢ムラ改善に関する技術が記載されているが、細線部分のバリアに関する記載まではない。また、特許文献6には、第二番目の技術例として、透明導電層反応性の高分子コート層で保護する記載があるが、ケミカルエッチング性を改善するもので、導電性膜の酸化劣化に関する記載は無い。さらに、特許文献7には、第三番目の技術例として、ITO等無機酸化物による透明導電素子の導電層の酸化防止を示されているが、使用されているコート剤のバインダー成分がUV硬化樹脂や熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等であり、コート層の厚みも100nm〜5μmであるため、高温多湿の条件下での酸化防止効果は十分でないことが推測される。さらに、特許文献8には、第四番目の技術例として、透明導電性基板上に粘接着剤を介して保護シート貼り合わせる技術が記載されているが、その効果はニュートンリングの発生抑制や、タッチパネルの明るさ維持を狙ったもので、金属薄膜の劣化防止を狙ったものではない。つまり、金属薄膜の劣化防止技術は完全には確立されていないのが現状であった。
特開昭61−185813号公報 特許第3310409号公報 特開2003−332083号公報 特許第4342775号公報 特開2006−191011号公報 特開2011−167848号公報 特開2012−221075号公報 特許第5440747号公報
酸化した金属細線を活性化、つまり還元する方法として、無機酸、有機酸、有機溶剤等の薬剤による表面処理があるが、金属膜表面を薬剤で処理する際、金属膜表面が過剰にエッチングされたり、レジスト等の保護膜が金属膜表面上に塗工されている場合には、金属膜表面以外に保護膜までもがエッチングされたりして、好ましくない。
また、金属導電層の細線化が終了し、金属細線フィルムを長期間保管する必要が生じた際、上記薬液を用いて処理、再生することは細線へのダメージを生じ、事実上不可能であった。一方、金属導電層の酸化を防止する方法としては、高分子量のバインダーを含むコート剤により有機膜をコーティングする方法やゾルゲル反応により無機膜をコーティングする方法が挙げられる。しかし、100nm以下のシード層上に200nm〜2μmの導電層が積層された積層体において、上記下地金属上にスパッタやメッキ法等で導電層を製膜するには、事前に、下地層から保護コート層を除去しておかないと導電層を製膜できない。また、細線化フィルムへの保護コーティングを施す場合も含めて工程費用がかかりコストアップに繋がるという問題点があった。
タッチパネル用の金属細線フィルムは、従来の電磁波シールドとしての用途よりも細線化する必要があると共に、透明電極として使用されることから電磁波シールド用途よりも低抵抗化することが要求され、また、これまでよりも高い酸化防止技術が必要と言える。
特許文献7はガスバリア性に優れる透明導電性フィルムに関するものであるが、コーティングによるのであり、厚みも100nm〜5μmであることからガスバリア性が十分でないことが予想され、永久膜であることから下地層上に更に導電層を製膜したい場合に好適ではない。
本発明者らは鋭意検討した結果、ロールトゥロールプロセスによる金属細線フィルム形成過程および得られた金属細線フィルムの金属膜や細線部分にガスバリア性、特に酸素バリア性の高いフィルムを貼り合わせることにより、それらの酸化を防止し、低抵抗を維持して安定した品質の金属細線フィルムを得て、本発明に至った。
すなわち本発明は、透明フィルム基板の少なくとも一面上に金属導電層が形成された透明導電層付き基板の製造方法において、フィルム上の黒化処理層を含む金属薄膜下地を製膜後の該下地あるいは加工後の金属細線に対してガスバリア性(特に酸素バリア性)を有するフィルムを全面製膜した下地あるいは細線パターンに密着出来る様に、低硬度(DURO E法で30以下)粘着剤層を用い、保護フィルムのガスバリア性を損なわないために、粘着層の厚みを25μm以下で貼り合わせる。
本発明によれば、下地層の製膜後、レジストを用いてパターニングをするまでの間、金属薄膜の酸化を抑制することが可能である。また、導電層の形成時には、メッキ速度や、メッキ層と下地層との密着性をも確保できるため、酸化が防止され、且つ、低抵抗な透明導電層付き基板を提供することができる。さらに、得られた透明導電層付き基板にガスバリア性フィルムを貼り合わせることで、透明導電層の酸化を防止し、且つ、低抵抗を維持できる。
透明フィルム基板に下地層と金属導電層を積層した透明導電層付き基板を説明する概略斜視図である。 電解メッキされた際のレジストパターンを示す平面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。金属メッシュを作製する方法としては特に限定されるものではないが、以下に3つの例を示す。
<方法1>絶縁フィルム上に金属製の導電性層をメッキ法、スパッタ法、銅箔の貼り付け等により製膜し、マスク層をパターニングして、マスクのない部分の導電層をエッチングして金属細線を得る方法(サブトラクティブ法)。
<方法2>絶縁フィルム上にマスク層をパターニングして、その開口部にメッキ等の方法により、導電層を製膜後、マスク層を剥離して金属細線を得る方法(アディティブ法)。
<方法3>絶縁フィルム上に、メッキ、スパッタ等の方法により導電性の金属シード層製膜後、マスク層をパターニングして、そこにメッキ等により導電性層を製膜後、マスク層を剥離、さらにシード層をエッチングして金属細線を得る方法(セミアディティブ法)。
上記方法1〜3の何れについても、フィルム−導電層間、および/または導電性最表面に黒化処理をすることにより、金属細線パターンに非視認性を付与することが出来る。例えば、アディティブ法による金属細線フィルムの作製方法の例では、透明フィルム基板100上にマスク材料1001が形成されている。
マスク材料開口部は、フィルム基板100が剥き出しとなっている。このフィルム基板上に無電解めっきにより下地層201が形成され、さらにその上にシード層202が形成されている。下地層201は、透明フィルム基板101との密着性向上や色相の調整のために形成され、シード層202は、その後の電解めっき法による金属膜形成の際のベースとなる層である。マスク材料1001はシード層202形成後に除去され、本発明では、マスク材料1001を除去することで、フィルムで最も凸な位置にシード層が存在するので、安定した給電が可能となる。
マスク材料1001とは、パターン等を被転写対象に転写する際の原版となるものであり、細線のパターニングが容易な公知のフォトリソグラフィ技術に用いるフォトレジスト材料(ポジ/ネガ共に)を用いることが好適である。
マスク材料1001の膜厚は、通常1〜5μm程度であり、下地層201及びシード層202層の膜厚(0.1〜0.2μm)と比べて十分に厚い。通常、電解めっきをロールトゥロール法で実施する場合には、マスク材料1001の厚みが妨害することで、シード層を介した給電が困難または安定した給電が困難となる。マスクの開口幅は、1〜5μm、厚み0.5〜3μm程度が好ましく適用される。
なお、本発明の製造方法について、説明の簡素化のために透明フィルム基板上に片面のみの形成となっているが、両面に形成する場合にも同じ方法を適用可能であり、その場合は両面同時の製膜により、プロセスを減らすことができる。
下地層201には、密着性および色目の観点から材料を選定する必要があり、銅を使用することもできるが、ニッケルまたはニッケル合金を使用することが好ましい。ニッケル合金を用いる場合には、リン、チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、銅、タングステンなどから1〜2種選択したものとの合金が適用できる。特に無電解めっきで形成する場合には、ニッケル−リン系の合金が好適に使用できる。下地層201の膜厚は0.02〜0.1μm程度が好ましく、これにより密着性と、金属光沢を最小限に抑えた色目の調整が可能となる。
シード層202は、その上に電解めっきを行うための導電性下地層の役割を果たす。導電性と生産性の観点から、シード層には銅を採用することが好ましい。シード層の膜厚は、0.1〜0.2μmであることが好ましい。本発明において、シード層は無電解めっき法で形成されるため、製膜速度は電解めっき法に比べて遅くなることが一般的である。
金属導電層210は導電性と生産性の観点から、銅を用いることが最も好ましい。金属導電層210の膜厚は、必要とされる抵抗により決定されるが、0.2〜5μmが好ましい。渦電流抵抗測定法で測定した抵抗値は、片面のみの金属細線形成で1〜1500Ω/□となる。
本発明の透明導電層付き基板の光線透過率は85%以上であることが好ましく、特に90%以上であると好ましい。本発明における光線透過率は、透明フィルム基板の光線透過率から金属細線による遮蔽率を差し引いたものとなる。このため、透明フィルム基板には光学特性を向上させるために、光学調整層を設けることが可能であり、例えば、屈折率の異なる層を積層させることで低反射構造にすることや、透過・反射光の干渉を利用して、特定の波長の光を強調することなどができる。
[ガスバリア性フィルム]
バリアする対象ガスとしては、金属メッシュの劣化を防止する観点から最低限、酸素と水蒸気の両方を同時にバリアすることが必要である。ガスバリア性フィルムとしては、ガスバリア性のポリマー材料を使用する方法、通常のポリマー材料に棒状、燐片状のフィラーを均一に分散する方法、ポリマーフィルム間に金属フィルムを貼り合わせる方法等があり、使用については特に制限は無い。コスト、ロール貼り付け時の金属メッシュとの密着性の点でガスバリア性のポリマー材料を用いることが好ましい。その例としては、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、ポリアクリロニトリル、等が挙げられる。酸素・水蒸気バリア性のバランスの点から、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、が特に好ましい。ガスバリア性能としては、23℃×槽内湿度0%条件下での酸素透過性が5cc/m/24hrs/atm以下が必要である。金属薄膜の酸化防止の点で、2cc/m/24hrs/atm/0.1mm以下が好ましく、1cc/m/24hrs/atm/0.1mm以下がさらに好ましい。
[フィルム貼り合わせ用の粘着剤]
ガスバリア性のフィルムを樹脂フィルムに金属メッシュが形成されたフィルムに貼り合わせる場合、外気から金属メッシュへのガスバリア性を発揮させるためには、ガスバリア性フィルムと金属メッシュを備えたフィルムとを十分に密着させると共に、両者をロール化した際に、幅方向に巻きズレ等が生じないことが必要である。そのためには粘着剤の追従性、つまり、ロール状に巻き取る際にロールから剥がれにくいことは重要であり、その指標の一つとしてJISK6253に記載のゴム硬度がある。硬度計は使用する圧子によってタイプが異なる。ここでは、柔軟性の高い材料を対象としたDURO E硬度計を用いた測定値で30以下である。
また、粘着剤層によるガスバリア性の損失を抑制するために、粘着剤の厚みを極力薄くする必要がある。粘着力のバランスから20μm以上100μm以下が必要であり、20μm以上80μm以下が好ましく、25μm以上70μm以下が更に好ましい。
ガスバリア性のフィルムを金属下地フィルムあるいは金属メッシュに貼り合わせる場合には、その後の細線加工あるいはタッチパネルのアセンブリー等の二次加工を目的に金属面から再剥離させる必要があることから、接着強度が高く、再剥離が難しい接着剤の使用は好ましくなく、粘着剤が好適である。粘着剤の材質としては、ゴム硬度が一定以下であれば特に限定は無く、ゴム以外にも、高分子材料、ゲル材料でも適用可能である。具体的には、アクリル系、オレフィン系、シリコーン系、オレフィン系、フッ素系、ゴム系がある。塗布、貼合、再剥離等の点で、アクリル系、オレフィン系、ゴム系が好ましいく、ガスバリア性、固定性、粘着性の点で、アクリル系、オレフィン系がさらに好ましい。また、保護対象の金属薄膜への粘着剤の糊残りを防止する観点から、バインダー成分は非反応タイプのものであれば高分子量のポリマー材料を主成分とするもの、反応性タイプであれば架橋型のものが好ましい。
非反応性のバインダーを用いる場合、塗工粘度の調整が難しいことから、溶剤による希釈が必要である。樹脂の固形分率としては、10〜80重量%が好ましく、20〜60重量%が更に好ましい。使用する溶剤としては、可使時間(塗工範囲内に粘度が保持されており、液の皮張り等の致命的な状態変化が無い時間)と乾燥性(常温、加熱乾燥)のバランスの点から、炭化水素系溶剤、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類がある。その中でも、芳香族炭化水素であるトルエン、キシレン、S−100(東燃ゼネラル株式会社製)エステル系の酢酸エチル、酢酸ブチル、アルコール系のイソプロピルアルコール、テレピオノール、エーテル系のエチルセルソルブ、セルソルブアセテートが好ましい。また、上記好ましい溶剤を混合して使用することも可能である。
反応性のものとしては、室温硬化、加熱硬化、電子硬化、UV硬化等の何れのものでも使用すること可能であり、溶剤回収工程を必要しない点から無溶剤系のものが好ましく、基本的な組成としては、反応性の基体樹脂+単量体等の反応性希釈剤+反応触媒+開始剤である。室温硬化型のものとしては、レドックス系、アルコキシシランの加水分解縮合反応を用いた系。加熱硬化型としては、ラジカル硬化型、エン化合物へのヒドロシリル化反応を利用した系、二重結合の重合反応を利用した熱ラジカル硬化系、電子硬化系はラジカル反応性の化合物を電子線により硬化させるもの、UV硬化系は、アクリレート系、エポキシ系化合物をUVをトリガーにして分解する開始剤を用いて硬化させるものである。
塗工、乾燥時の簡便性、粘着力の制御のし易さから、加熱乾燥型の非反応性、反応性のもの、UV硬化タイプのものが好ましい。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、透明導電層付き基板の製造方法に沿って説明する。本発明の製造方法では、透明フィルム上にハードコートなど透明誘電体層を備える透明フィルム基板100が用いられる。さらにマスク材料1001は、ロールトゥロール方式のウェットコーティング法が採用できる。ウェットコーティング法は、スリットコーティング・グラビアコーティング・ダイコーティングなどの公知の方法を任意に選択して採用することができる。この他、フィルム型のマスク材料(フィルムレジスト等)も使用可能である。下地層201と金属導電層210はめっき法により形成される。
(基板準備工程)
透明フィルム基板100の片面または両面にハードコート層等の機能性層400が形成されたものであってもよい。透明フィルム基板に適度な耐久性と柔軟性を持たせるためには、ハードコート層の厚みは1〜10μmが好ましく、3〜8μmがより好ましく、5〜8μmがさらに好ましい。ハードコート層の材料は特に制限されず、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を、塗布・硬化させたもの等を適宜に用いることができる。
透明フィルム基板100を構成する透明フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフテレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましく用いられる。
透明フィルム基板100の厚みは特に限定されないが、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましい。厚みが上記範囲内であれば、透明フィルム基板10が耐久性と適度な柔軟性とを有し得るため、その上に各透明誘電体層および透明電極層をロールトゥロール方式により生産性高く製膜することが可能である。透明フィルム基板100としては、二軸延伸により分子を配向させることで、ヤング率などの機械的特性や耐熱性を向上させたものが好ましく用いられる。
これら以外にも、レーザースクライブマスク材料1001は、その後の下地層201およびシード層202形成時に溶解・剥離しない材質であることが重要であり、例えば、下地層201およびシード層202形成用のめっき液の液性が塩基性の場合には、塩基性液に易溶のマスク材料を使用しないという選定が必要である。また、マスク材料1001上にも無電解めっき法による下地層201およびシード層202が形成されるため、密着性が高いことが好ましい。
(開口部形成工程)
透明フィルム基板100の上にマスク材料1001が形成される。マスク材料1001はインクジェットプリント法やマイクロコンタクトプリント法のように、直接パターンを形成することもできるが、全面にフォトレジスト材料を塗布し、それをフォトリソグラフィ法でパターニングする方法が簡便である。
(下地層形成工程、シード層形成工程)
この上に、スパッタ法、めっき法等により下地層201、シード層202、金属導電層210が順に形成される。スパッタ法は、金属ターゲットに印加させるか、プラズマを発生させる方法で実施する。めっき法としては、一般的に無電解めっき法と電解めっき法に分類されるが、下地層201とシード層202は無電解めっき法、金属導電層210は電解めっき法で形成されることが好ましい。
(マスク材料剥離工程)
除去方法は公知のリソグラフィ技術を適用することができる。マスク材料1001を除去することで、ロールトゥロール型電解めっき法でシード層202への給電が容易となり、安定な生産が可能となる。
(金属導電層形成工程)
マスク材料を除去した後、ロールトゥロール型電解めっき法でシード層202へ給電を行い、金属細線電極を形成する。図1(e)には、金属細線断面を矩形状に形成した形態を示している。
また、金属導電層の面積は5%以下であること、つまり、下地層201とシード層202と金属導電層が形成される部分は、当該部分とマスク材料1001部分を合わせた面積(透明フィルム基板の面積)の5%以下であることが好ましい。開口部の面積が5%以上であると、光線透過率85%以上を達成するのが困難になるからである。
(ガスバリアフィルムの準備、固定)
ガスバリアフィルム500は、金属細線フィルムの保護に使用するため、同フィルムを貼り合わせた場合に傷を付けたり、折り曲げた際等に十分追従して剥がれなければ問題無い。ガスバリアフィルムの形状としては特に制限はないが、上記の工程がロールトゥロール型で実施していることからロール状が好ましい。本フィルムは金属薄膜下地あるいは金属細線フィルムに貼り合せされることから、片面に粘着剤の塗工が必要である。塗工方法としては特に限定されないが、スリットダイあるいはグラビア版を用いる方式は塗工精度の点から好ましい。塗工後、乾燥あるいは加熱、UV照射等の硬化工程を経て、金属下地フィルムまたは金属細線フィルムに直接貼り合わせられる。一方、粘着剤塗工、乾燥あるいは硬化工程を経たガスバリアフィルムに一旦離型フィルムを貼ってロールに巻き取ってから、さらに金属下地フィルムまたは金属細線フィルムに貼り合わせる方法も取ることも出来る。
本発明における透明導電層付き基板は、樹脂フィルム上に金属が形成されたものであるため、引き回し用の配線や集電極を別工程で形成する必要がなく、プロセスの簡略化や材料コストの削減の観点からも好ましい。
また、本発明の製造方法によれば、図1の(d)から(e)の工程において透明フィルム基板がむき出しになり、例えば、半導体の製造においては半導体材料の薬品によりダメージを受け、欠陥準位を形成するなど、半導体特性に悪影響を与える可能性があるため好ましくないが、本発明に係るフィルム基板では、基板上への電気的な特性に関するダメージは皆無であり、さらに光学特性への影響も非常に小さいと想定されることから、問題なく使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本実施例では片面製膜としているが、両面に形成してもプロセスは同じである。
各工程はロールトゥロールプロセスで実施され、前後に純粋による洗浄・リンス工程と乾燥工程を実施した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(フィルム厚み:100μm)を巻取式スパッタリング装置内にセットした後、1×10−3Pa以下になるまで排気を行った。その後、フィルム基板の温度を70℃まで上昇させ、製膜室内の背圧が5×10−4Paになるまで脱ガスを行った。脱ガス後、フィルム基板の温度が25℃となるまで冷却を行った。冷却後、Cuをターゲットとして用い、Arガスを装置内に導入しながら、製膜室内圧力:0.2Pa、基板温度:25℃、パワー密度:4.2W/cmの条件で、膜厚50nmの銅層をスパッタリング製膜した(第1工程)。
一方、厚み15μmの逐次2軸延伸ナイロンフィルム上に厚み12μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバールフィルムEF−XL12;株式会社クラレ製)および50μm厚のLLDPE(リニアローデンシティーポリエチレン)を積層したフィルムにアクリル系粘着剤100g(EKK11−468(固形分40%の溶剤、酢酸エチル);トーヨーケム株式会社)および硬化触媒(BXX6450;トーヨーケム株式会社)0.12gを混合した粘着剤硬化性組成物で、厚みが20μmになる様に塗布、常温乾燥、粘着シートを作成し、第1工程で作製した金属下地フィルムに貼合用ローターを用いて、手作業で貼り合わせした(第2工程)。尚、粘着剤のゴム硬度はDURO E(高分子計器社製の硬度計使用)で4.5であった。尚、上記ガスバリア性フィルムの23℃×0室内湿度%条件下(ISO14663−2記載の方法)での酸素透過性が0.3cc/m/24hrs/atmであった。
得られたバリアフィルム付き金属下地フィルムを85℃×85槽内湿度%中で24時間放置、貼合フィルムを剥がすと、金属下地の外観には初期と変化が無く、抵抗値は初期が0.321Ω/□、耐湿熱試験後が0.332Ω/□であり増加率は3%に過ぎなかった。
[実施例2]
実施例1の粘着剤の膜厚を60μm以外にする以外は実施例1と同様の方法でバリアフィルム付き下地フィルムを得た。85℃×85R.H.%中で24時間耐久性試験後の金属下地の外観、抵抗値については、初期値が0.319Ω/□で耐湿熱試験後が0.336Ω/□で増加率が5%であった。
[実施例3]
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(フィルム厚み:100μm)上に、ロールトゥロールプロセスでマスク材料を塗工した。塗工はスリットコーティング方式を採用し、紫外線硬化型めっきレジスト(商品名:UVR−150G R60、太陽インキ社製)を膜厚1μmとなるように塗工した。塗工は紫外光に暴露されないよう、イエロールーム雰囲気で実施した(第3工程)。
上記フィルム上に、フォトリソグラフィによりパターニングを施した。パターンの形成例を図2に示している。フォトリソグラフィは、予めフォトマスクを設置した紫外光露光機により約600mJの光を照射し、ステップアンドリピートのプロセスによりロールトゥロールで実施した。実線部はレジストが除去された開口部である。端部(図中1001-1)は約10mmの開口幅を設けており、バスバー部(図中1001−2)は約1mmの開口部、パターン部(図中1001−3)は3μmの開口部を設けた。本工程もイエロールーム雰囲気で実施した(第4工程)。
上記フィルム上に、下地層に対応するニッケル−リン合金を無電解めっき法にて0.05μmの膜厚で形成した。めっき液には鉛不含タイプのニッケル−リン無電解めっき液(商品名:トップニコロン、奥野製薬社製)を用い、50℃の液温中で実施した。リンの含有率は、TEM/EDX測定により、約5%であった(第5工程)。
さらにこの上に、銅を0.12μmの膜厚で、無電解めっき法により形成した。めっき液には、無電解銅めっき液(商品名:TSPカッパー、奥野製薬社製)を用い、50℃の液温中で実施した(第6工程)。
このフィルムからマスク材料を除去した。除去にはアセトンを用い、室温で浸漬させることで行った(第7工程)。
このフィルムに電解めっき法により、金属導電層に対応する銅を0.5μm厚で形成した。めっき液には、硫酸銅めっき液(商品名:レブコ、上村工業社製)を用い、室温で実施した(第8工程)。
以上の工程(3)〜(8)により、透明導電層付き基板を作製した。得られた金属細線の線幅は3.5μmであり、高さ(膜厚)は0.8μmであった。渦電流式抵抗測定装置(商品名:EC−80、ナプソン株式会社製)を用いたシート抵抗の値は、100Ω/□であった。図2中の四角枠内を1つの構成単位と捉えた場合の光線透過率は91%であった(全光線透過率測定装置、商品名:NDH7000、日本電色社製)。
更に、バリアフィルム、粘着剤作製、塗布、細線フィルムへの貼合は実施例1と同様の方法で実施した。85℃×85R.H.%中で24時間耐久性試験後の金属下地の外観、抵抗値には103Ω/□であり増加率は3%であった。
[比較例1]
バリアフィルムを貼り合わせしない以外は実施例1と同様の方法で下地シート作製、評価を実施した。結果は、下地表面の変質が進行しており、元の光沢のある銅色から白く変色していると共に、初期抵抗0.293Ω/□に対して耐湿熱性試験後の抵抗値は0.387Ω/□と上昇率は32%であった。
[比較例2]
粘着剤の厚みを10μmにした以外は、実施例1と同様の方法でサンプル作製、評価を実施した。外観的には、初期と比較して大きな変化は無いが、初期の抵抗値0.293Ω/□に対して耐湿熱試験後の値は0.357Ω/□、上昇率は21%であった。
実施例1〜3と比較例2を比較することで、粘着剤層の厚みが10μmのような薄い場合には、粘着性や保持性が不足したり、抵抗が上昇するなどの顕著な上昇が確認された。
本発明の透明導電層付き基板は、ディスプレイや発光素子、光電変換素子等の透明電極として用いることができ、タッチパネル用の透明電極として好適に用いられる。中でも、透明電極層が低抵抗であることから、静電容量方式タッチパネルに好ましく用いられる。
100:透明フィルム基板
201:下地層
202:シード層210:金属導電層
500
1001:マスク材料

Claims (5)

  1. 透明フィルム基板の少なくとも一面上に金属導電層が形成された透明導電層付き基板において、
    前記金属導電層に、JISK6253に記載のEタイプで測定したゴム硬度が30以下で厚みが25μm以上100μm以下の粘着剤層を介して、酸素透過性が5cc/m/24hrs/atm以下であるガスバリア性の樹脂フィルムが貼り合わされた透明導電層付き基板。
  2. 前記金属導電層がメッシュ状にパターン化されている請求項1記載の透明導電層付き基板。
  3. 透明導電層付き基板の製造方法であって、透明フィルム基板に金属導電層を形成し、前記金属導電層に接するように、JISK6253に記載のEタイプのゴム硬度が30以下で厚みが25μm以下の粘着剤層を介してガスバリア性フィルムを貼り合わせ、前記粘着剤層及び前記ガスバリア性フィルムを剥がしてから24時間以内に前記金属導電層をメッシュ状にパターニングする工程を有することを特徴とする透明導電層付き基板の製造方法。
  4. メッシュ状の金属導電層が形成された透明フィルム基板の表面保護方法であって、前記金属導電層上に、JISK6253に記載のEタイプのゴム硬度が30以下で厚みが25μm以下の粘着剤層を介してガスバリア性フィルムを貼り合わせる工程を有する透明導電層付き基板の表面保護方法。
  5. 前記ガスバリア性フィルムが、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン骨格を有する重合体のいずれかである請求項4に記載の透明導電層付き基板の表面保護方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023160156A1 (en) * 2022-02-28 2023-08-31 Zhejiang Dahua Technology Co., Ltd. Devices equipped with transparent film heaters and methods for preparing the same

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