WO2017022352A1 - 移液分離装置、洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents

移液分離装置、洗浄装置および洗浄方法 Download PDF

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輝海 森
雅一 中里
喜文 隅田
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    • B08B3/12Cleaning involving contact with liquid with additional treatment of the liquid or of the object being cleaned, e.g. by heat, by electricity or by vibration by sonic or ultrasonic vibrations

Abstract

【課題】ポンプの汚染を防止できる移液分離装置の提供であり、また、ポンプの汚染を防止できる洗浄装置の提供であり、さらには、前記洗浄装置に適する洗浄方法の提供である。 【解決手段】本発明の移液分離装置(T)は、液体を貯留可能な槽(1)と、液体の通過を許容する移液通路(3)を介して槽(1)に接続されるオーバーフロータンク(2)と、オーバーフロータンク(2)における移液通路(3)の接続箇所よりも下方側に接続されて、オーバーフロータンク(2)と槽(1)とを接続する循環通路(4)の途中に設けられてオーバーフロータンク(2)から槽(1)へ液体を移動させるポンプ(5)とを備えている。また、洗浄装置(W)は、このように構成される移液分離装置(T)を備えている。

Description

移液分離装置、洗浄装置および洗浄方法
 この発明は、移液分離装置、洗浄装置および洗浄方法に関する。
 過去に、トランスやコンデンサといった電気機器には、熱に対して安定で、電気絶縁性が高いなどの理由からPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含有する油が使用されていた。PCBは、人体にとって非常に有害な物質であり、化学的に安定性が高く自然には分解されないため、PCB廃棄物の処理について法制化され、無害化処理を施さなければならない。
 PCBを無害化処理する装置としては、たとえば、JP2011-218077Aに開示されているように、PCBを含有する絶縁油を収容したトランスと、絶縁油を無害化するセラミックス処理剤が内部に充填されたカラムとをループ状に管路で接続し、管路中に設けたポンプで絶縁油をトランスからカラムへ送り込み、カラムから排出される無害化された絶縁油をトランスへ注入するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
 この無害化処理装置では、トランスとカラムに絶縁油を順次循環させて、絶縁油に含まれるPCBを分解して、PCB濃度を徐々に低下させて、トランス内からPCBを除去できるようになっている。
 このような無害化処理装置では、PCBを含有する絶縁油をトランスからポンプで吸い出して、カラムへ吐出する構造を採用しているので、絶縁油を循環させてPCB濃度を低下させるとはいっても、ポンプ自体が有害物質によって汚染されてしまう。
 ポンプは、駆動部品であり、メンテナンスが必要であるが、有害物質によって汚染されてしまうと、分解を伴うメンテナンスが不能となってしまう問題がある。
 そこで、本発明は前記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的は、ポンプの汚染を防止できる移液分離装置の提供であり、また、ポンプの汚染を防止できる洗浄装置の提供であり、さらには、前記洗浄装置に適する洗浄方法の提供である。
 前記した目的を達成するために、本発明の移液分離装置は、液体を貯留可能な槽と、液体の通過を許容する移液通路を介して槽に接続されるオーバーフロータンクと、オーバーフロータンクにおける移液通路の接続箇所よりも下方に接続されてオーバーフロータンクと槽とを接続する循環通路の途中に設けられ、オーバーフロータンクから槽へ液体を移動させるポンプとを備えている。
本発明の移液分離装置を適用した洗浄装置の概略図である。 本発明の洗浄装置の洗浄手順と移液分離手順を示したフローチャートである。
 以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。本実施の形態における移液分離装置Tは、洗浄装置Wに適用されている。移液分離装置Tは、図1に示すように、槽1と、オーバーフロータンク2と、槽1とオーバーフロータンク2とを接続する移液通路3と、槽1とオーバーフロータンク2とを接続する循環通路4と、循環通路4の途中に設けられてオーバーフロータンク2から槽1へ液体を移動させるポンプ5とを備えて構成されている。本例において、液体は、後述する洗浄液と油とされるが、液体はこれらに限定されない。
 他方、洗浄装置Wは、移液分離装置Tにおける槽1内に収容される洗浄対象物Cを前記槽1内で洗浄を可能とするため、移液分離装置Tの構成に追加して、槽1とポンプ5とをループ状に接続する洗浄通路17を備えている。
 以下、移液分離装置Tとともに洗浄装置Wの各部について詳細に説明する。槽1は、有底筒状の容器6と、容器6に設けられて底部6aとの間に隙間S1を形成する床部材7と、容器6の上端開口部を閉塞可能な蓋8とを備えて構成されている。容器6の側方には、移液通路3が接続される開口孔6bと、洗浄通路17が接続される三つの開口孔6c,6d,6eが設けられている。また、蓋8には、予備タンク30が接続される開口孔8aと、洗浄通路17が接続される開口孔8bが設けられている。なお、開口孔6dには、容器6の内方へ向けてジェット流を噴出するノズル21が設けられ、開口孔6eには、ホース22が取り付けられこのホース22の先端にジェット流を噴出するノズル23が設けられている。さらに、開口孔8bには、槽1内の全体に洗浄液を噴射可能であって槽1内を洗浄可能なノズル27が設けられている。
 容器6の開口部と、これを閉塞する蓋8との間には、図示しないシールが設けられており、槽1内を密閉できるようになっている。
 また、床部材7は、パンチングメタルで形成されており、床部材7と容器6の底部との間に設けられる隙間S1が容器6内であって床部材7よりも上方の空間S2へ連通されている。そして、容器6の底部6aと床部材7との間に隙間S1に、超音波発生器9が設置されている。また、洗浄通路17が接続される開口孔6cは、容器6の最下端である底部6aに設けられており、洗浄通路17は、隙間S1を通じて空間S2に連通される。
 洗浄対象物Cは、このように構成された槽1の床部材7上に載置されて、槽1内に収容されるようになっている。洗浄対象物Cは、この例では、トランスとされており、内部にPCBを含有した油が充填されている状態で槽1内に載置される。なお、内部の油を抜いたトランスを洗浄対象物Cとしてもよい。洗浄対象物Cは、トランスに限られない。また、洗浄対象物Cの上部には、二つの開口C1,C2が設けられており、一方の開口C1には、ノズル23の装着が可能であり、ノズル23から内部に噴射される洗浄液は他方の開口C2から排出されるようになっている。
 超音波発生器9は、槽1内に収容される洗浄対象物Cを洗浄するための洗浄液に超音波を照射し、洗浄液に真空の泡を発生させてキャビテーションによって洗浄対象物Cの表面上の汚れを落とす超音波洗浄を行うために設けられている。洗浄液としては、水或いは水系洗浄液が利用される。超音波発生器9は、高周波数で振動して、超音波を洗浄液へ照射できるようになっている。
 また、槽1には、槽1内の気体を吸い込んで排気する真空ポンプ10が設けられている。洗浄対象物Cの洗浄の際に、槽1内に洗浄液が充填されるため、真空ポンプ10の槽1への接続口は、なるべく、上方に配置する方がよく、容器6の上方か或いは蓋8に設けられるとよく、この場合、蓋8に設けられている。真空ポンプ10は、槽1内から気体を排気して、槽1内に充填される洗浄液を脱気し、また、洗浄対象物C内に入り込んだ気体を槽1外へ排気する。なお、真空ポンプ10は、超音波発生器9を利用した洗浄効果を高められる程度に洗浄液から脱気できればよく、本例では、JIS規格で100Paから0.1Paの範囲の中真空程度に槽1内を真空引き可能なものとされているがこれに限られない。
 オーバーフロータンク2は、筒状であって、移液通路3によって、槽1内に連通されている。オーバーフロータンク2における移液通路3が接続される開口孔2aは、容器6における移液通路3が接続される開口孔6bと同じレベル(高さ)か、それよりも下方に配置されている。移液通路3の途中には止め弁11が設けられていて、止め弁11が開くと移液通路3によって槽1とオーバーフロータンク2とが連通され、止め弁11が閉じると槽1とオーバーフロータンク2との連通が絶たれるようになっている。
 また、オーバーフロータンク2の開口孔2aよりも下方のレベル(高さ)には、廃液通路12が接続される開口孔2bが設けられている。廃液通路12は、PCBを分解する分解反応タンク13に通じていて、途中には止め弁14が設けられている。よって、止め弁14を開くと廃液通路12によってオーバーフロータンク2と分解反応タンク13とが連通され、止め弁14が閉じるとオーバーフロータンク2と分解反応タンク13との連通が絶たれるようになっている。分解反応タンク13は、PCBを分解して無害化できるようなっている。分解方法は、脱塩素化分解、還元熱化学分解や、微生物の利用による分解などの方法を採用すればよい。
 さらに、オーバーフロータンク2の底部2cには、循環通路4の一端が接続される開口孔2dが設けられており、循環通路4がオーバーフロータンク2に接続されている。循環通路4のオーバーフロータンク2への接続位置は、少なくとも移液通路3のオーバーフロータンク2への接続位置よりも下方に配置されればよい。このようにすると、循環通路4内に廃棄対象である油を吸い込まずに済むが、本例では、循環通路4がオーバーフロータンク2の最下端に接続されていて、前記油の吸込を阻止できるようになっている。なお、循環通路4のオーバーフロータンク2への接続位置は、廃液通路12のオーバーフロータンク2への接続位置よりも下方に配置されると循環通路4内への前記油の吸込防止効果を高められる。また、循環通路4の他端は、洗浄通路17と合流して一体化されて、槽1における容器6の開口孔6d,6eに接続されている。循環通路4の途中には、オーバーフロータンク2から液体を吸い込んで槽1内へ液体を送り込むポンプ5が設けられるほか、ポンプ5を挟んで止め弁15,19,20が設けられている。オーバーフロータンク2の上方に設けた開口孔2eには、オーバーフロータンク2内の全体に洗浄液を噴射可能であってオーバーフロータンク2内を洗浄可能なノズル29が設けられている。
 洗浄通路17は、槽1における容器6の最下端に開口する開口孔6cに一端が接続され、他端は分岐して容器6の開口孔6d,6eに接続され、さらには、オーバーフロータンク2の上端に設けた開口孔2eに接続されている。そして、洗浄通路17は、この例では、循環通路4の止め弁15,20間の部分を循環通路4と共有しており、循環通路4の止め弁15,20間の部分が洗浄通路17としても機能するようになっている。よって、洗浄通路17の途中にはポンプ5が配置される。また、洗浄通路17の途中であってポンプ5の吸込側であって循環通路4との分岐点よりも槽1側の部分17aには、止め弁18が設けられ、循環通路4の途中であってポンプ5の吐出側であって循環通路4から二股に分岐した先の部分17b,17cにはそれぞれ止め弁19,20が設けられている。さらに、洗浄通路17の循環通路4よりも先が二股に分岐しており、分岐した先の部分17d,17eにはそれぞれ止め弁26,28が設けられている。また、洗浄通路17の前記した部分17b,17cには、それぞれ、超微細気泡発生機24,25が設けられており、洗浄通路17を通過する洗浄液にマイクロバブルを発生させて、槽1内にノズル21,23を通じて噴出できるようになっている。なお、超微細気泡発生機24,25は、マイクロバブルより細かいナノバブルを発生させてもよい。
 よって、循環通路4を有効とするには、止め弁15,19を開くか、止め弁15,20を開くか、或いは、止め弁15,19,20を開き、洗浄通路17の止め弁26,28を閉じた状態でポンプ5を駆動すると、オーバーフロータンク2の最下端から吸い込まれた洗浄液は、循環通路4を介して槽1の開口孔6d,6eから槽1内に移動する。
 他方、循環通路4の止め弁15を閉じ、洗浄通路17の止め弁18,19を開き、止め弁20,26,28を閉じた状態でポンプ5を駆動する。すると、槽1の最下端から洗浄液が吸い込まれて、洗浄通路17の部分17bを介して開口孔6dに設けたノズル21から槽1内の洗浄対象物Cへマイクロバブルを含んだ洗浄液が噴射される。さらに、循環通路4の止め弁15を閉じ、洗浄通路17の止め弁18,20を開き、止め弁19,26,28を閉じた状態でポンプ5を駆動する。すると、槽1の最下端から洗浄液が吸い込まれて、洗浄通路17の部分17cを介して開口孔6eに設けたホース22およびノズル23を介して洗浄対象物C内にマイクロバブルを含んだ洗浄液を噴射できる。このマイクロバブルによる洗浄では、マイクロバルブを含んだ洗浄液を洗浄対象物Cに当てて、マイクロバルブの帯電性によって洗浄対象物Cに付着している油へ吸着してこれを取り込むとともに、気泡であるマイクロバブルが破壊される衝撃によって汚れを洗浄対象物Cから剥離させて、洗浄対象物Cから油を取り除く。
 また、循環通路4の止め弁15を閉じ、洗浄通路17の止め弁18,26を開き、止め弁19,20,28を閉じた状態でポンプ5を駆動する。すると、槽1の最下端から洗浄液が吸い込まれて、洗浄通路17の部分17dを介して開口孔8bに設けたノズル27を介して槽1内に洗浄液を噴射して槽1自体を洗浄できる。さらに、循環通路4の止め弁15を閉じ、洗浄通路17の止め弁18,28を開き、止め弁19,20,26を閉じた状態でポンプ5を駆動する。すると、槽1の最下端から洗浄液が吸い込まれて、洗浄通路17の部分17eを介してオーバーフロータンク2の開口孔2eに設けたノズル29を介してオーバーフロータンク2内に洗浄液を噴射してオーバーフロータンク2自体を洗浄できる。
 この循環通路4を通じての洗浄液の移動は、移液を目的としており、槽1内の液面を波立たせないように移動速度を低くし、洗浄通路17を通じての洗浄液の洗浄対象物Cの洗浄は、洗浄液を洗浄対象物Cへ勢いよく噴射させたいので、洗浄液の移動速度を高くする。具体的には、循環通路4を有効とする場合のポンプ5の吐出量は、洗浄通路17を有効とする場合のポンプ5の吐出量の10分の1程度に設定されるが、吐出量の設定は任意である。
 なお、本例では、予め調合された洗浄液を貯留する予備タンク30を設けてある。予備タンク30は、止め弁32を途中に備えた供給管路31を介して槽1の蓋8に設けた開口孔8aから槽1内に接続されている。止め弁32を開くと、予備タンク30から槽1内に洗浄液を供給可能である。分解反応タンク13にオーバーフロータンク2から液体を排出する行程で、洗浄液が排出される可能性があるので、洗浄液が不足する場合、予備タンク30から洗浄液を供給できるようにしてある。
 移液分離装置Tおよび洗浄装置Wは、以上のように構成され、つづいて、移液分離装置Tおよび洗浄装置Wの作動について説明する。なお、移液分離装置Tおよび洗浄装置Wの作動について、洗浄装置Wにおける図2に示す洗浄手順とともに説明する。
 まず、ノズル23を開口C1に装着した洗浄対象物Cを槽1の容器6内の床部材7に載置し、蓋8を容器6の開口部に取り付けて密閉する。そして、槽1内に洗浄対象物Cが洗浄液の液面下となるように洗浄液を注入する(ステップF1)。洗浄対象物C内から油を抜いていない状態では、洗浄液よりも比重の軽い油は、洗浄液にとって代わられて開口C2から排出されて、洗浄液の液面よりも上方に浮かび上がり層状に蓄積される。
 なお、この状態では、移液通路3の止め弁11、循環通路4と洗浄通路の止め弁15,18,19,20,26,28と予備タンク30に通じる止め弁32は、全て閉じられ、槽1内は、オーバーフロータンク2、予備タンク30から密に遮断される。また、廃液通路12の止め弁14も閉じられており、オーバーフロータンク2と分解反応タンク13との連通もたたれている。
 つづいて、真空ポンプ10を駆動して槽1内から空気を排出して洗浄液を脱気する排気ステップを実行する(ステップF2)。脱気作業が終了すると、洗浄液に溶け込んでいた気体と洗浄対象物C内に入り込んでいた気体が槽1外へ排出されるので、超音波発生器9による超音波洗浄に適した環境が整う。そして、超音波発生器9を駆動して、洗浄液に超音波を照射し、洗浄対象物Cを超音波洗浄する超音波洗浄ステップを行う(ステップF3)。
 超音波発生器9で洗浄液に超音波を照射すると、洗浄対象物Cに付着していた油を洗浄対象物Cから剥離させ、油を洗浄液の液面よりも上方に浮かび上がらせて蓄積させる。また、超音波発生器9からの振動で、洗浄対象物C内に設けられている内容物の細かい隙間に入り込んだ気泡が内容物から離脱し、開口C2から排出される。
 そして、ステップF3の処理が終了すると、超音波洗浄ステップを終了してよいか否かを判断する(ステップF4)。具体的には、予め、超音波洗浄ステップを行う回数を設定しておき、超音波洗浄ステップの回数が第一設定回数未満である場合、ステップF1からステップF3までの処理を繰り返し、第一設定回数に達した場合には、ステップF5へ移行する。なお、排気ステップと超音波洗浄ステップを複数回繰り返す場合、真空ポンプ10の駆動による脱気作業も行われるため、洗浄対象物C内に気体が取り残されず、洗浄対象物C内を洗浄液で充満させ得る。よって、排気ステップと超音波洗浄ステップを複数回繰り返す場合、超音波洗浄における効率が向上する。
 つづいて、超音波洗浄ステップが第一設定回数行われると、洗浄通路17の止め弁18,19,20のみを開き、ポンプ5を駆動するともに、超微細気泡発生機24,25を駆動して、洗浄対象物Cの内側と外側を超微細気泡洗浄する(ステップF5)。この超微細気泡洗浄ステップでは、槽1内の下方の洗浄液をポンプ5で吸込んで、洗浄対象物Cへ噴射して洗浄を行う。PCBを含んだ油は、洗浄液よりも比重が軽いために、洗浄液の液面上に層状に蓄積され、槽1内の最下方の洗浄液には油が混じっていないため、ポンプ5は、クリーンな洗浄液を吸い込んでノズル21,23から洗浄対象物Cへ噴射できる。
 この超微細気泡洗浄ステップが終了すると、洗浄対象物Cの洗浄を行うための全ステップを終了して、移液分離ステップへ移行するか否かを判断する(ステップF6)。具体的には、予め、全洗浄ステップの実行回数を設定しておき、全洗浄ステップの回数が第二設定回数未満である場合、ステップF1からステップF5までの処理を繰り返し、第二設定回数に達した場合には、ステップF7へ移行する。
 つまり、超微細気泡洗浄ステップの終了後、全洗浄ステップの実行回数が設定回数未満であると、排気ステップと超音波洗浄ステップを繰り返す手順を行い、超音波洗浄ステップを行った回数が第一設定回数以上となると超微細気泡洗浄ステップを行う手順を繰り返す。
 全洗浄ステップの実行回数が第二設定回数に達すると、ステップF7へ移行して、移液分離ステップを実行する(ステップF7)。移液分離ステップでは、止め弁11,15,19,20のみを開いて移液通路3および循環通路4を有効として、槽1とオーバーフロータンク2をループ状に接続し、ポンプ5を駆動する。この移液分離ステップでは、止め弁19,20については、いずれか一方のみを開いてもよく、また、超微細気泡発生機24,25の駆動も任意である。オーバーフロータンク2内には、予め、移液通路3が接続される開口孔2aに達する程度に洗浄液が充填されているが、ポンプ5の駆動によって、洗浄液が抜き取られて槽1側へ移送されるため、オーバーフロータンク2内の洗浄液の液面が開口孔2aよりも低いレベルへ下がる。他方、槽1側の洗浄液の液面上昇により、洗浄液よりも上方に蓄積されている油の層が上昇して移液通路3が接続される開口孔6bに達するようになる。そうすると、槽1内の油の液面とオーバーフロータンク2内の洗浄液の液面の高低差により、移液通路3を介して槽1内の油がオーバーフロータンク2へ移される。ポンプ5は、オーバーフロータンク2の最下方に配置される開口孔2dから洗浄液を吸い込むが、油は洗浄液の液面上に蓄積されるのみでオーバーフロータンク2の最下方に達しないため、ポンプ5は油を吸い込まない。なお、オーバーフロータンク2内に予め充填される洗浄液量は任意に設定可能である。
 油を槽1からオーバーフロータンク2へ移動させる移液分離ステップを終了すると、洗浄通路17の止め弁18,26のみを開き、ポンプ5を駆動し、ノズル27から洗浄液を槽1内に噴射して槽1を洗浄する槽洗浄ステップを実行する(ステップF8)。
 そして、ステップF9へ移行して、移液分離ステップを終了して移液分離装置Tによる移液分離処理を終了するか否かを判断する。具体的には、予め、移液分離ステップの実行回数を設定しておき、移液分離ステップの回数が第三設定回数未満である場合、ステップF7からステップF8までの処理を繰り返し、第三設定回数に達した場合には、ステップF10へ移行する。
 つまり、移液分離ステップの実行回数が設定回数未満であると、移液分離ステップと槽洗浄ステップを繰り返す手順を行い、移液分離ステップを行った回数が第三設定回数以上となると移液分離ステップと槽洗浄ステップを行う手順を繰り返す。
 移液分離ステップの実行回数が第三設定回数に達すると、ステップF10へ移行して、廃液ステップを実行する(ステップF10)。廃液ステップでは、廃液通路12における止め弁14を開き、オーバーフロータンク2内に移送された油を廃液通路12を介して分解反応タンク13へ排出する。この油の排出に際しても、油の層を開口孔2bの高さに合わせるように、オーバーフロータンク2内の洗浄液量を調整すればポンプを利用せずに油を排出できる。また、移液通路3が接続される開口孔2aより廃液通路12が接続される開口孔2bが下方に配置されている。そのため、移液分離ステップでオーバーフロータンク2内の洗浄液の液面を開口孔2bの下端に来るように調整すれば、廃液ステップで洗浄液量の調整を要せずに油を簡単に排出できる。
 以上の一連の洗浄処理と移液分離処理を洗浄装置Wおよび移液分離装置Tのオペレータが手動操作により、ポンプ5、各止め弁11,15,18,19,20,26、超音波発生器9および超微細気泡発生機24,25を操作して、実行してもよい。また、ポンプ5、各止め弁11,15,18,19,20,26、超音波発生器9および超微細気泡発生機24,25を駆動制御可能なコントローラを設けて、前述の一連の処理をコントローラが実行するようにしてもよい。なお、前述した一連の洗浄処理は、一例であって、これとは異なる処理手順で洗浄処理を行ってもよい。
 このように移液分離装置Tにあっては、液体を貯留可能な槽1と、液体の通過を許容する移液通路3を介して槽1に接続されるオーバーフロータンク2と、オーバーフロータンク2における移液通路3の接続箇所よりも下方に接続されてオーバーフロータンク2と槽1とを接続する循環通路4の途中に設けられて、オーバーフロータンク2から槽1へ液体を移動させるポンプ5とを備えている。
 そして、移液分離装置Tでは、ポンプ5を駆動してオーバーフロータンク2から液体(洗浄液)を吸い込んで槽1へ送り込み、槽1内の移動させたい有害物質を含む油の油面を上昇させるとともに、オーバーフロータンク2内の液面を低下させ、前記油のみを効率的に分離しつつオーバーフロータンク2内へ移送できる。このように、油は、槽1とオーバーフロータンク2の液面の高低差によって移送され、ポンプ5は、槽1とオーバーフロータンク2の液面に高低差をつけるためにのみ使用され、クリーンな液体のみの移動を行えばよく、有害物質を含む油によって汚染されない。よって、本発明の移液分離装置Tによれば、ポンプ5が汚染されず、ポンプ5のメンテナンスが可能となって、長期間に亘る移液分離装置Tの機能の維持発揮が可能となる。
 また、移液分離装置Tにあっては、循環通路4は、オーバーフロータンク2の最下端に接続されているので、ポンプ5はオーバーフロータンク2内から確実にクリーンな液体のみを吸込できるので、より効果的にポンプ5の汚染を回避できる。
 さらに、本例における洗浄装置Wは、移液分離装置Tの構成に、循環通路4に合流して槽1とポンプ5とをループ状に接続する洗浄通路17を備えている。このように構成すると、移液分離装置Tに洗浄機能を追加でき、洗浄対象物Cの洗浄と、洗浄によって洗浄液の液面上に蓄積された油の移液分離を洗浄装置W一つで行え、洗浄液が外部に流出しないので安全な洗浄処理を実行できる。また、ポンプ5は、槽1内からクリーンな洗浄液を吸い込んで槽1内へ戻すので、有害物質を含む油によって汚染されない。また、循環通路4と洗浄通路17が合流して通路の一部を共通化しているため、通路の全長を短くでき無駄が生じずコストを削減できる。
 また、本例における洗浄装置Wは、移液分離装置Tの構成に、槽1とポンプ5とを接続する洗浄通路17と、槽1内に設けた超音波発生器9と、槽1内から気体を排出する真空ポンプ10と、移液通路3の途中に設けた止め弁11とを備える。このように構成すると、槽1内の洗浄液を脱気処理できるだけでなく、洗浄対象物C内の気泡も取り除け、効果的な超音波洗浄が可能となる。
 そして、本例における洗浄装置Wは、洗浄通路17のポンプ5の吐出側と槽1との間に超微細気泡発生機24,25を設けている。このように洗浄装置Wを構成すると、洗浄対象物Cの超微細気泡洗浄が可能となり、洗浄対象物Cに強固に付着した汚染物質を含むような油汚れを剥離させて、洗浄対象物Cを効果的に無害化できる。
 またさらに、本例における洗浄方法では、槽1内から気体を排出して槽1内の洗浄液を脱気する排気ステップと、槽1内の洗浄液に超音波を照射して槽1内の洗浄対象物Cを超音波洗浄する超音波洗浄ステップと、超微細気泡を含む洗浄液で洗浄対象物Cを洗浄する超微細気泡洗浄ステップと、オーバーフロータンク2から洗浄液を槽1内に送り込み、超音波洗浄ステップと超微細気泡洗浄ステップにより洗浄対象物Cから離脱した油を槽1内からオーバーフロータンク2へ移す移液分離ステップとを備えている。このように洗浄方法を構成すると、洗浄対象物Cから汚染物質を含むような油汚れを剥離させて、洗浄対象物Cを効果的に無害化できるとともに、オーバーフロータンク2へ有害な油のみを移送させて分離できる。
 以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形及び変更が可能である。
 本願は、2015年8月5日に日本国特許庁に出願された特願2015-155274に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (6)

  1.  移液分離装置であって、
     液体を貯留可能な槽と、
     液体の通過を許容する移液通路を介して前記槽に接続されるオーバーフロータンクと、
     前記オーバーフロータンクにおける前記移液通路の接続箇所よりも下方に接続されて前記オーバーフロータンクと前記槽とを接続する循環通路の途中に設けられ、前記オーバーフロータンクから前記槽へ液体を移動させるポンプと、
     を備えたことを特徴とする移液分離装置。
  2.  請求項1に記載の移液分離装置であって、
     前記循環通路は、前記オーバーフロータンクの最下端に接続される
     ことを特徴とする移液分離装置。
  3.  請求項1に記載の移液分離装置と、
     前記循環通路と合流して一体化されて前記槽と前記ポンプとをループ状に接続する洗浄通路と、
     を備えたことを特徴とする洗浄装置。
  4.  請求項3に記載の洗浄装置であって、
     前記槽内に設けた超音波発生器と、
     前記槽内から気体を排出する真空ポンプと、
     前記移液通路の途中に設けた止め弁と、
     を備えたことを特徴とする洗浄装置。
  5.  請求項3に記載の洗浄装置であって、
     前記洗浄通路の前記ポンプの吐出側と前記槽との間に超微細気泡発生機を設けた
     ことを特徴とする洗浄装置。
  6.  洗浄方法であって、
     槽内から気体を排出して槽内の洗浄液を脱気する排気ステップと、
     前記槽内の洗浄液に超音波を照射して前記槽内の洗浄対象物を超音波洗浄する超音波洗浄ステップと、
     超微細気泡を含む洗浄液で前記洗浄対象物を洗浄する超微細気泡洗浄ステップと、
     オーバーフロータンクから洗浄液を前記槽内に送り込み、前記超音波洗浄ステップと前記超微細気泡洗浄ステップにより洗浄対象物から離脱した油を前記槽内からオーバーフロータンクへ移す移液分離ステップと、
     を備えたことを特徴とする洗浄方法。
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