JP3945222B2 - 内視鏡の洗浄方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を洗浄する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡を洗浄する方法及びその装置としては、洗浄液を貯溜した槽内に内視鏡を浸水させて洗浄する技術が知られている。従来、洗浄液としては、酵素洗剤、界面活性剤、グルタールアルデヒド、電解水などが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した洗浄液は、内視鏡に残留していると人体に有害となる恐れがあるため、洗浄後に、濯ぎ等により確実に洗い流す必要がある。そのため、上述した洗浄液を用いた従来の洗浄方法では、手間や時間がかかるという問題があった。
【0004】
また、内視鏡の管内部(細管)は、隅々まで確実に洗浄するのが難しく、その効果的な洗浄技術の開発が望まれていた。
【0005】
さらに、内視鏡の洗浄を行う場所は、充分なスペースを確保できない場合が多く、少ないスペース内で洗浄可能な技術の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡を効果的に洗浄及び殺菌でき、しかも少ないスペースで洗浄可能な内視鏡の洗浄方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、洗浄槽内で内視鏡を洗浄する方法であって、前記洗浄槽を水平方向に並ぶ2つの領域に分割し、一の領域でオゾンガスを水に混入させてオゾン水を生成し、他の領域で前記オゾン水を用いて内視鏡を洗浄することを特徴とする。
この内視鏡の洗浄方法では、洗浄液としてオゾン水を用いることにより、オゾン水の強い酸化力で内視鏡を洗浄及び殺菌できる。しかも、オゾンは自己分解により酸素になることから、洗浄成分の残留がほとんどなく、濯ぎ等の工程を省略できる。
また、この洗浄方法では、洗浄槽を水平方向に並ぶ2つの領域に分割し、一の領域でオゾン水を生成し、他の領域でそのオゾン水を用いて内視鏡を洗浄することから、オゾン水を生成するためのタンクを別に設ける必要がなく、洗浄用の装置のコンパクト化を図ることができる。
さらに、オゾン水を生成する領域と内視鏡を洗浄する領域とを水平方向に並ぶように分割することから、オゾン水生成用の高濃度のオゾンガスが内視鏡に直接触れてその内視鏡が劣化するのを防止できる。
【0008】
また、本発明は、前記内視鏡を設置したトレイを前記洗浄槽内に上下方向に挿脱自在に配置し、前記トレイにより前記洗浄槽を水平方向に並ぶ2つの領域に分割することを特徴とする。
この内視鏡の洗浄方法では、トレイに内視鏡を設置し、そのトレイを洗浄槽に挿脱自在に配置することから、トレイへの内視鏡の設置作業を必ずしも洗浄槽の近傍で行う必要がなく、任意の場所でその設置作業を行うことができる。そのため、内視鏡の設置作業にかかわるスペースを洗浄槽付近に設ける必要がなくなり、狭いスペースに洗浄槽を配置することが可能となる。
また、一のトレイに設置された内視鏡を洗浄している間に、他のトレイに内視鏡を設置することで、複数の内視鏡を洗浄する際の作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0010】
また、本発明は、洗浄槽内で内視鏡を洗浄する装置であって、前記洗浄槽は、上下方向に立設する壁部により、オゾンガスを水に混入してオゾン水を生成する領域と、該領域で生成された前記オゾン水を用いて内視鏡を洗浄する領域とに、水平方向に並ぶように分割されていることを特徴とする。
また、前記壁部は、前記内視鏡が設置され、前記洗浄槽内に挿脱自在に配置されるトレイであることを特徴とする。
本発明の内視鏡の洗浄装置では、上記構成により、前述した本発明の内視鏡の洗浄方法を実施できる。したがって、内視鏡を効果的に洗浄及び殺菌できるとともに、省スペース化を図ることができる。
また、内視鏡が設置されるトレイを介して、オゾン水を生成する領域と、オゾン水を用いて内視鏡を洗浄する領域とが分割されていることから、省スペース化をより図りやすい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内視鏡洗浄装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内視鏡洗浄装置10の全体構成を示している。この内視鏡洗浄装置10は、内視鏡11の洗浄を行う洗浄槽12、内視鏡11が設置されるトレイ13、及び装置全体の動作を制御する不図示の制御装置等を備えて構成されている。
【0012】
この内視鏡洗浄装置10では、洗浄液としてオゾン水を用いる。オゾン水は、オゾンガスを水に溶解することにより製造できる。オゾンガスを生成する方法としては、光化学反応、電解反応、放電反応、放射線反応等一般に知られる様々な方法を用いることができる。本実施形態では、放電反応を用いてオゾンガスを生成する。
【0013】
具体的には、エアポンプ20で加圧した空気をミストトラップ21及び除湿器22で除湿した後、その空気に含まれる酸素ガスを放電型オゾナイザ23によりオゾン化させる。生成されたオゾンガスは、アスピレータ(吸引器、水流ポンプ)24,25に導かれ、アスピレータ24,25で水と混合されて洗浄槽12内に供給される。なお、除湿器22としては、中空糸膜を用いたもの、ペルチェ素子を用いたものなど公知の様々な除湿器を用いることができる。また、オゾナイザ23はペルチェ素子(ペルティエ素子)26によって冷却され、ペルチェ素子26の他方の接点はヒートシンク27を介してファン28により冷却される。ペルチェ素子26によってオゾナイザ23を冷却することにより、オゾナイザ23の小型化が図られる。
【0014】
洗浄槽12には、スプレーノズル30,31,32が設置されており、スプレーノズル30,31,32には、電磁弁33を介して水が供給される。また、洗浄槽12には、水供給用のアスピレータ35,36が設置されており、アスピレータ35,36には、電磁弁37を介して水が供給される。さらに、洗浄槽12には、レベルセンサ38が設置されており、レベルセンサ38による検出結果に基づいて、上記電磁弁33,37が制御され、洗浄槽12内の液量が所定の範囲に保たれる。
【0015】
また、洗浄槽12には、循環用のポンプ40が接続されており、洗浄槽12内の貯溜液は、この循環ポンプ40、及び上記アスピレータ24,25を介して循環される。また、循環流による減圧作用により、オゾンガスがアスピレータ24,25内に吸引され循環流に混入される。循環ポンプ40によって洗浄槽12内の貯溜液を循環しながら、アスピレータ24,25によってその循環流にオゾンガスを混入することにより、洗浄槽12内で所定濃度のオゾン水が製造される。なお、符号41は、ガス抜き用の配管である。
【0016】
また、洗浄槽12の貯溜液は、電磁弁45を開とすることにより排水され、水封配管46に導かれる。なお、この水封配管46には、オーバーフロー配管47を介して、洗浄槽12からオーバーフローした貯溜液も導かれる。水封配管46内の排水は、レベルセンサ48の検出結果に基づいて、排水ポンプ49を介して適宜排水される。
【0017】
また、水封配管46の気相部は、エアポンプ50を介して排気され、オゾン分解部51に導かれる。オゾン分解部51は、オゾン分解触媒を有しており、排気ガス中に含まれるオゾンを分解する。なお、符号52は、ガス中のオゾンを検出するリークセンサであり、このリークセンサ52の検出結果に基づいてオゾンの漏れが監視される。
【0018】
また、本実施形態の内視鏡洗浄装置10は、内視鏡11の管内部(細管)を洗浄する内部洗浄系60を有する。内部洗浄系60は、内視鏡11が接続されるコネクタ61、コネクタ61に洗浄槽12内のオゾン水を供給するポンプ62、洗浄槽12に設置されたアスピレータ63、電磁弁64,65,66、及び供給配管67等を含む。供給配管67は、途中で2方に分岐しており、一方が電磁弁64を介してアスピレータ63に接続され、他方が電磁弁65を介してコネクタ61に接続されている。
【0019】
内部洗浄系60は、コネクタ61から流体を吐出する方向(図1に示す矢印(a)方向、以後「順方向」と称する)と、その逆の方向(図1に示す矢印(b)方向、以後「逆方向」と称する)との2方向に流体を流すことが可能となっている。具体的には、電磁弁65を開、電磁弁64及び電磁弁66を閉とすることにより、ポンプ62から送られたオゾン水が上記順方向((a)方向)に流れ、そのオゾン水がコネクタ61を介して吐出される。また、電磁弁65を閉、電磁弁64及び電磁弁66を開とすることにより、ポンプ62から送られたオゾン水がアスピレータ63を介して洗浄槽12内に供給され、このときのアスピレータ63の減圧作用により、コネクタ61から上記逆方向((b)方向)に流体が流れるようになっている。
【0020】
また、内部洗浄系60は、コネクタ61からガスを排出可能となっている。具体的には、上述した除湿器22からの分岐配管68が電磁弁69を介してコネクタ61に接続されており、電磁弁65,66を閉とした状態で、電磁弁69を開とすることにより、分岐配管68内を介して上記順方向((a)方向)に圧縮空気が流れコネクタ61から排出される。
【0021】
さて、本実施形態の内視鏡洗浄装置10では、トレイ13が洗浄槽12内に挿脱自在に配置される。トレイ13には、内視鏡11の開口部が接続される接続部70が設けられており、この接続部70と上述した洗浄槽12のコネクタ61とが接続される。この接続により、内視鏡11の管内部と上記内部洗浄系60とが接続される。
【0022】
図2は、洗浄槽12内にトレイ13が配置される様子の一例を模式的に示す図である。
図2において、トレイ13は、洗浄槽12内に上下方向に挿脱自在に配置される。洗浄槽12の上部には、トレイ13を挿脱するための開口12aが設けられており、この開口12aを介して洗浄槽12内にトレイ13が挿脱されるようになっている。
【0023】
また、トレイ13は、洗浄槽12内に配置されることにより、洗浄槽12内を2つの領域に簡易的に分割する。本例では、トレイ13が上下方向(縦方向)に挿入されることから、トレイ13を介して、洗浄槽12が水平方向に2つに分割される。洗浄槽12内において、この分割により、オゾンガスを水に混入させてオゾン水を生成するオゾン水生成領域80と、オゾン水生成領域80で生成されたオゾン水を用いて内視鏡11を洗浄する洗浄領域81とが形成される。
【0024】
具体的には、トレイ13の背面、及び洗浄槽12の内壁によって上記オゾン水生成領域80が形成される。また、内視鏡11が設置されるトレイ13の前面、及び洗浄槽12の内壁によって上記洗浄領域81が形成される。オゾン水生成領域80では、循環ポンプ40、及びアスピレータ24,25を介してオゾンガスが混入された循環流が流入し、オゾン水が生成される。なお、生成されたオゾン水は洗浄槽12の上部及びトレイ13と洗浄槽12の内壁との隙間から洗浄領域81に流入する。また、洗浄領域81では、オゾン水の強い酸化力で内視鏡11が洗浄される。さらに、洗浄領域81には、電磁弁33,37、スプレーノズル30,31,32、及びアスピレータ35,36を介して水が適宜供給される。
【0025】
図3は、上記構成の内視鏡洗浄装置10を用いて内視鏡11を洗浄する手順の一例を示すフローチャート図である。以下、図3のフローチャートに沿って洗浄装置10の動作及び洗浄手順の一例について説明する。なお、開始時点で、電磁弁はすべて閉状態にあるものとする。
【0026】
まず、内視鏡洗浄装置10に内視鏡11をセットする(ステップ100)。具体的には、洗浄槽12の外側で内視鏡11をトレイ13に設置し、その後、トレイ13を洗浄槽12内に挿入する。また、この挿入時、トレイ13の接続部70と洗浄槽12のコネクタ61とを接続する。なお、トレイ13の挿入により、洗浄槽12内が、オゾン水生成領域80と洗浄領域81とに分割される。
【0027】
次に、内視鏡11の外表面を水洗浄する(ステップ101)。すなわち、電磁弁33を開き、スプレーノズル30,31,32を介して内視鏡11の外表面に水を吹き付ける。この水洗浄により、内視鏡11の外表面に付着している汚染物の一部が除去される。
【0028】
次に、内視鏡11の管内部(細管)を水洗浄する(ステップ102)。すなわち、ポンプ62を駆動するとともに、電磁弁65を開き、スプレーノズル30,31,32を介して洗浄槽12内に供給された水を、コネクタ61を介して内視鏡11の管内部に通す。この水洗浄により、内視鏡11の管内部に付着している汚染物の一部が除去される。
【0029】
次に、上記水洗浄で用いた水を排水する(ステップ103)。すなわち、ポンプ62を停止するとともに、電磁弁33,65を閉じて上記水洗浄を停止し、その後、電磁弁45を開くことにより、上記排水を行う。この排水により、上記水洗浄で除去された汚染物が洗浄槽12の外部に排出される。
【0030】
次に、洗浄槽12内に水を貯溜する(ステップ104)。すなわち、電磁弁45を停止して、排水を停止した後、電磁弁33,37を開き、洗浄槽12内に水を供給する。この後、レベルセンサ38による検出結果に基づいて、上記電磁弁33,37が制御され、洗浄槽12内の水量が所定の範囲に保たれる。
【0031】
次に、洗浄槽12内に水が貯溜されると、洗浄槽12内でオゾン水を生成し、そのオゾン水を用いて内視鏡11の外表面を洗浄する(ステップ105)。すなわち、エアポンプ20、オゾナイザ23、及び循環ポンプ40を駆動し、アスピレータ24,25を介して、オゾンガスを水に混入し、そのオゾンガスを含む水を洗浄槽12内に供給する。このとき、洗浄槽12のオゾン水生成領域80で、オゾンガスを含む水が繰り返し攪拌されることにより、オゾン水が生成される。また、循環流により、生成されたオゾン水は洗浄槽12の洗浄領域81にも流れる。このとき、洗浄槽12内を流動するオゾン水の強い酸化力によって、内視鏡11の外表面が洗浄される。なお、アスピレータ35,36を介して供給された水には、空気(気泡)が含まれており、その気泡のはじける力や粘着性などにより、液体だけの場合に比べて、内視鏡11の外表面が効果的に洗浄される。
【0032】
次に、内部洗浄系60を介して、内視鏡11の管内部(細管)を洗浄する(ステップ106)。このとき、本例では、図4に示すように、内視鏡11の管内部にオゾン水を上記順方向((a)方向)に通す工程(図4(A))と、オゾン水を上記逆方向((b)方向)に通す工程(図4(B))と、内視鏡11の管内部にガスを充填してその管内部から洗浄液を排出する工程(図4(C))とを順次繰り返す。
【0033】
すなわち、図4(A)に示す工程において、電磁弁65を開とし、電磁弁64,66,69を閉とする。これにより、ポンプ62から送られたオゾン水が供給配管67内を順方向に流れ、コネクタ61を介して内視鏡11の管内部に流入し、そのオゾン水が管内部を流れる。
【0034】
また、図4(B)に示す工程において、電磁弁64,66を開とし、電磁弁65,69を閉とする。これにより、アスピレータ63の減圧作用で内視鏡11の管内部の流体がアスピレータ63に向かって上記逆方向((b)方向)に吸引され、洗浄槽12内のオゾン水が内視鏡11の管内部に流入し、そのオゾン水が管内部を流れる。
【0035】
また、図4(C)に示す工程において、電磁弁69を開とし、電磁弁64,65,66を閉とする。これにより、空気が配管68内を上記順方向((a)方向)に流れ、その空気がコネクタ61を介して内視鏡11の管内部に流入する。この空気の流入により、内視鏡11の管内部のオゾン水が排出される。
そして、上記図4(A)〜4(C)の工程を所定時間、順次繰り返した後、次のステップに移る。
【0036】
次に、内部洗浄系60を介して、内視鏡11の管内部(細管)を最終洗浄する(ステップ107)。このとき、本例では、上述した内視鏡11の管内部にオゾン水を上記順方向((a)方向)に通す工程(図4(A))と、内視鏡11の管内部にガスを充填してその管内部から洗浄液を排出する工程(図4(C))とを交互に繰り返す。このとき、流体を一方向のみに流すことにより、内視鏡11の管内部の汚染物が確実に排出される。
【0037】
次に、内視鏡11の管内部に空気を流入し、管内部のオゾンを分解する(ステップ108)。具体的には、オゾナイザ23を停止するとともに、電磁弁69を開く。これにより、内視鏡11の管内部に空気が通り、管内部のオゾンが分解される。
【0038】
次に、所定時間経過後、電磁弁45を開き、排水を開始する(ステップ109)。このとき、内視鏡11の管内部には引き続き空気を供給し、内視鏡11の管内部のパージを行う。そして、洗浄槽12内が排水されるとともに、所定時間を経過すると、上記一連の洗浄動作を終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施例では、洗浄液としてオゾン水を用いることにより、オゾン水の強い酸化力で内視鏡11を洗浄及び殺菌する。この場合、オゾンは自己分解により酸素になることから、洗浄成分の残留がほとんどなく、濯ぎ等の工程を省略できる。
【0040】
さらに、オゾン水を用いた洗浄に先立って、内視鏡11を水洗浄することにより、内視鏡11に付着している汚染物の一部が除去され、オゾン水を用いた内視鏡11の洗浄がより効果的に行われる。例えば、内視鏡11に付着している比較的反応性(オゾンに対する反応性)の高い汚染物によってオゾンの反応が進行するのが抑制される。
【0041】
また、本実施例では、洗浄槽12を2つの領域に分割し、一の領域でオゾン水を生成し、他の領域でそのオゾン水を用いて内視鏡11を洗浄することから、オゾン水を生成するためのタンクを別に設ける必要がなく、装置のコンパクト化を図ることができる。さらに、この分割により、オゾン水生成用の高濃度のオゾンガス(及び高濃度のオゾン水)が内視鏡11に直接触れることによる内視鏡11の劣化が防止される。
【0042】
しかも、オゾン水生成領域80と洗浄領域81とがトレイ13を介して分割されていることから、より省スペース化を図りやすい。つまり、分割用(仕切り用)に部材を設ける必要がなく、その分、洗浄槽12を小さくできる。また、この場合、トレイ13を取り外すことによって、洗浄槽12の分割が解除されることから、洗浄槽12内のスペースが広がり、内部の洗浄やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0043】
また、本実施例では、内視鏡11の管内部にオゾン水を一方向(順方向)だけでなく逆方向にも通すことにより、管内部でのオゾン水の流動状態を変化させる。そのため、管内部の隅々までオゾン水が行き渡って、化学的あるいは物理的な作用による洗浄及び殺菌が管内部でまんべんなく行われる。また、管内部でオゾン水の流動状態が変化することにより、様々な方向から管内部の汚染物に物理的な力が働き、管内部の汚染物が効果的に除去される。
【0044】
しかも、内視鏡11の管内部にガスを充填して管内部からオゾン水を排出することにより、処理後のオゾン水や汚染物が管内部から排出される。そのため、汚染物の再付着が抑制されるとともに、次に管内部にオゾン水を通すときに、汚染物の含有量が少ないオゾン水によって管内部が効果的に洗浄及び殺菌される。すなわち、上記工程を順に繰り返すことにより、内視鏡11の管内部の洗浄及び殺菌を確実に行うことができる。
【0045】
まあ、本実施例では、トレイ13に内視鏡11を設置し、そのトレイ13を洗浄槽12に挿脱自在に配置することから、トレイ13への内視鏡11の設置作業を必ずしも洗浄槽12の近傍で行う必要がなく、任意の場所でその設置作業を行うことができる。そのため、内視鏡11の設置作業にかかわるスペースを洗浄槽12付近に設ける必要がなくなり、狭いスペースに洗浄槽12を配置することが可能となる。また、トレイ13を複数用意し、一のトレイ13に設置された内視鏡11を洗浄している間に、他のトレイ13に内視鏡11を設置することで、複数の内視鏡11を洗浄する際の作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0046】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0047】
例えば、上述した内視鏡洗浄装置の実施形態では、一つの洗浄槽12内に一つのトレイ13が配意される構成となっているが、一つの洗浄槽に複数のトレイを配置するようにしてもよい。
【0048】
また、オゾンガスを生成する方法、及びオゾン水を製造する方法は、上述したものに限らず、一般に知られた他の様々な方法を用いることができる。
【0049】
また、オゾン水に二酸化炭素を添加してもよい。オゾン水に二酸化炭素を添加することにより、オゾン水を発泡させて洗浄効果を高めることができる。
【0050】
また、オゾン水を用いた洗浄に加え、超音波を用いた洗浄を行ってもよい。この場合、上述した洗浄槽12の洗浄領域81に超音波発信器を設置するとよい。これにより、さらに効果的に内視鏡を洗浄することが可能となる。
【0051】
また、上記実施形態では、トレイによって洗浄槽内を分割しているが、本発明はこれに限定されず、別の部材によって洗浄槽を分割してもよい。この場合、トレイをメッシュ状に形成するなどにより、水切り性の向上を図ることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の内視鏡の洗浄方法及び洗浄装置によれば、オゾン水を用いて内視鏡を効果的に洗浄及び殺菌できるとともに、省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内視鏡の洗浄装置の一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】 洗浄槽内にトレイが配置される様子の一例を模式的に示す図である。
【図3】 図1の洗浄装置を用いて内視鏡を洗浄する手順の一例を示すフローチャート図である。
【図4】 洗浄装置を用いて内視鏡の管内部を洗浄する手順の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 内視鏡洗浄装置
11 内視鏡
12 洗浄槽
13 トレイ
23 オゾナイザ
60 内部洗浄系
80 オゾン水生成領域
81 洗浄領域
Claims (4)
- 洗浄槽内で内視鏡を洗浄する方法であって、前記洗浄槽を水平方向に並ぶ2つの領域に分割し、一の領域でオゾンガスを水に混入させてオゾン水を生成し、他の領域で前記オゾン水を用いて内視鏡を洗浄することを特徴とする内視鏡の洗浄方法。
- 前記内視鏡を設置したトレイを前記洗浄槽内に上下方向に挿脱自在に配置し、前記トレイにより前記洗浄槽を水平方向に並ぶ2つの領域に分割することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の洗浄方法。
- 洗浄槽内で内視鏡を洗浄する装置であって、前記洗浄槽は、上下方向に立設する壁部により、オゾンガスを水に混入してオゾン水を生成する領域と、該領域で生成された前記オゾン水を用いて内視鏡を洗浄する領域とに、水平方向に並ぶように分割されていることを特徴とする内視鏡の洗浄装置。
- 前記壁部は、前記内視鏡が設置され、前記洗浄槽内に挿脱自在に配置されるトレイであることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡の洗浄装置。
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