JP2005013789A - 空気清浄機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気と処理液とを接触させることにより、空気中の汚染物質をその処理液で処理して減少させる複数の気液接触手段と、空気を取り込み気液接触手段へ導入する送気手段および吸気手段の少なくとも一つとを備え、複数設置された気液接触手段の各々は、所望のpHの処理液を有することを特徴とする空気清浄機である。所望のpHの処理液を有する複数の気液接触手段を備えることにより、空気中の複数種類の汚染物質を効率よく処理できる。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、空気中に含まれるガスや塵埃などの汚染物質を処理するため、液体を使用する空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気中の複数種類のガスや煙、塵、埃などの汚染物質を処理するための空気清浄機において、内部に処理液を有するタイプのものがある。このタイプにおいては、空気を取り込み内部の処理液と気液接触を利用して汚染空気を処理する。この処理方法では、汚染物質を含む空気と処理液としての水とが接触することにより、空気内の汚染物質が水に溶解して処理される。このためごみ、塵、タバコの煙等を処理したり、脱臭剤を使用しなくとも脱臭したりできる。
【0003】
特許第3349359号において、効率よく酸性ガスとアルカリ性ガスを除去するため、酸性水でアルカリ性ガスを、アルカリ性水で酸性ガスを除去する空気清浄機が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来のように水のみを用いて、除塵、脱臭を行うものでは、塵やごみ等については、除塵効果が期待できるが、脱臭は、水溶性成分以外の処理については、あまり期待できなかった。汚染空気中に含まれる処理対象となる汚染物質は、種類によって酸性の性質を有するもの、アルカリ性の性質を有するものがあり、これらの汚染物質を中性の水に接触、通過させたとき、必ずしも十分に水に処理されない。また汚染空気中には、通常複数種類の汚染物質が含まれており、これらすべての汚染物質を処理するのは難しい。
【0005】
また特許第3349359号における酸性水とアルカリ性水を使用する空気清浄機では、酸性のガスまたはアルカリ性のガスを処理する場合、中性の水を使用する場合に比べ効率はよいが、pH値の制御ができないため、汚染物質を除去するのに最適なpH値とずれていた場合、効率よく汚染物質を除去できるとはいえない。また汚染空気が通過する経路は、アルカリ性水と酸性水を直列に配置した経路となっており、圧損が大きく、風量が少なくなり効率が悪くなる。さらにこの発明では、中性ガスの処理に適しているとはいえない。
【0006】
そこで本発明では、液体を利用し、空気と液体との気液接触により、汚染空気を清浄化する空気清浄機で、臭気成分についても処理効率のよい空気清浄機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
そこで本発明は、空気と処理液とを接触させることにより、空気中の汚染物質をその処理液で処理して減少させる複数の気液接触手段と、前記空気を取り込み前記気液接触手段へ導入する送気手段および吸気手段の少なくとも一つとを備え、複数設置された前記気液接触手段の各々は、所望のpHの前記処理液を有することを特徴とする。
【0008】
気液接触手段は、複数設置され、各々の処理液のpHは、汚染物質を処理するために適切なpHに調整されており、送気手段や吸気手段によって空気清浄機内に取り込まれた空気は、複数のpHの処理液と接することとなり、空気中に複数種類の汚染物質が存在した場合でも、効率よく処理される。したがって例えば、酸性の処理液を含む気液接触手段とアルカリ性の処理液を含む気液接触手段とにより、アルカリ性物質も酸性物質も効率よく処理することができる。特に汚染物質を処理するために最適なpHに処理液を設定することで、高効率で汚染物質を除去することができる。
【0009】
処理液としては、酸性、中性およびアルカリ性から選ばれた全て若しくは任意の2種類を用いる。この方法によれば、酸性領域とアルカリ性領域のみならず、中性領域も含むすべてを網羅することができ、酸性ガスとアルカリ性ガスに加え、中性ガスも効率よく処理することができる。
【0010】
本発明の空気清浄機内に複数設置された気液接触手段は、具体的な態様において、空気清浄機内に導入された空気の空気清浄機内の通過経路に対し、直列的に配置される。それぞれの気液接触手段が異なるpHの処理液を有するため、汚染された空気を、一度空気清浄機内に取り込むことによって、異なるpHの処理液を通過することになり効率よく処理できる。
【0011】
本発明の空気清浄機内に複数設置された気液接触手段は、空気清浄機内に導入された空気の空気清浄機内の通過経路に対し、並列的に配置される。並列的に気液接触手段を配置すると、送気手段または吸気手段による風量を確保した状態で、空気を処理することができる。つまり並列経路で処理することで、圧損を低くし、大量のガスを処理することができる。さらに一定時間空気清浄機を稼働し、処理された空気が空気清浄機外へ排出後、再度空気清浄機内に取り込まれる循環運転を行うことにより、異なるpHの処理液に接触することができる。
【0012】
気液接触手段は、送気手段により空気清浄機内へ導入された空気を処理液内に散気し、処理液と空気とを接触させ、空気中の汚染物質を処理するものとすることができる。送気手段によって空気清浄機内に導入された空気は、散気され、処理液と接触することにより、ガス、塵埃などの汚染物質が処理液によって、空気中から処理できる。
【0013】
また気液接触手段は、含浸部材に含浸された処理液と、送気手段または吸気手段により空気清浄機内へ導入された空気とを、空気が含浸部材を通過することにより接触させ、空気中の汚染物質を処理するものとすることができる。含浸部材内の処理液と空気清浄機内に導入された空気との接触によって、空気内の汚染物質を処理できる。
【0014】
気液接触手段は、流動する処理液と、送気手段または吸気手段により空気清浄機内へ導入された空気とを、空気が流動する処理液を通過することにより接触させ、空気中の汚染物質を処理するものとすることができる。流動する処理液と、空気清浄機内に導入された汚染された空気とを接触させることにより、空気中の汚染物質を処理できる。
【0015】
気液接触手段は、含浸部材内を流動する処理液と、送気手段または吸気手段により空気清浄機内へ導入された空気とを、空気が含浸部材を通過することにより接触させ、前記空気中の汚染物質を処理するものとすることができる。含浸部材内を落下する処理液と汚染された空気とが接触することにより、空気中の汚染物質を処理できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。図1は、散気部を備えた散気式空気清浄機1の概念図を示す。本実施例は、水槽8,9が直列的に配置された形態である。図では水槽8,9が分離した形態となっているが、空気清浄機本体1を2つに分離した形態にする必要はない。空気清浄機1の内部には、2つの水槽8,9があり、水槽8,9には空気に含まれる汚染物質を処理するために、所望のpHに設定された処理液10,11を入れる。第一水槽8へ空気2を送るために、送気手段としてファン3が設置されており、ファン3が送気管4によって散気部としての第一エアプレート6と接続されている。散気部は空気を放出し気泡を発生するためのものである。第一水槽8と第二水槽9は、送気管5によって接続されており、送気管5には、散気部としての第二エアプレート7が接続している。第二水槽9には、処理された空気13が排出されるための空気排出口12がある。
【0017】
送気手段としてのファン3によって、汚染空気2は、送気管4より第一エアプレート6に送られる。第一エアプレート6は、多数の孔14が空いており、処理液10内に設置され、ファン3から送られた空気2は、第一エアプレート6の孔14から処理液10内に放出されることにより散気(または曝気)される。第一水槽8と第二水槽9は送気管5で接合されており、第一水槽8の上部まで達した吸入空気は、送気管5によって第二水槽9の第二エアプレート7へ移動する。第二エアプレート7の孔14から排出された吸入空気は、第二処理液11と接触する。第二水槽9にて処理された空気13は、空気排出口12より空気清浄機1外へ排出される。
【0018】
エアプレートから放出された空気と処理液との接触により、空気中の汚染物質である塵、ごみ、臭気等が処理液に吸収、溶解され、汚染空気から除去される。このときの処理液と処理対象の汚染物質との反応を効率よく進めるように、処理液のpHを選択し、水槽内へ入れておく。例えば、酢酸ガスを除去する場合は、pHを9.0付近に設定すると非常に効率よく水に溶解する。
【0019】
第一水槽8と第二水槽9には、それぞれ異なるpHの処理液10,11を入れておく。空気清浄機1内に導入され、まず第一水槽8の第一エアプレート6から放出された吸入空気の汚染物質は、第一水槽8の処理液10によって汚染空気中から除去される。ここで効率よく処理されるのは、第一水槽8の処理液10のpHで反応しやすい物質である。例えば、第一水槽8の処理液10が酸性である場合、アルカリ性の物質が処理されやすい。
【0020】
第二処理液11は、第一処理液10と異なるpHであるものを使用する。例えば第一処理液10が酸性である場合、第二処理液11をアルカリ性にすれば、第一処理液10を通過した際、処理されなかった酸性物質が、第二処理液11を通過する際には、効率よく処理されることになる。
【0021】
第一処理液10と第二処理液11とは、酸性、アルカリ性とする組み合わせに限られない。たとえば、第一処理液10のpHを7、第二処理液11のpHを9としてもよい。処理する汚染物質にあわせて、選択すればよい。以上は2種類の処理液を直列的に配置した例であるが、3種類以上を直列的に配列することもできる。
【0022】
散気部は、空気を排出できる形態であればよく、必ずしもエアプレートでなくてもよい。空気を排出できるものであれば例えば球状や円筒状の形状とすることもできる。また多数の孔のある形態に限られない。また散気部を備えずに、送気管の先端から直接処理液中に空気を排出する形態としてもよい。
【0023】
図2に散気式による空気清浄機20で、水槽8,9が並列的に配置された形態の実施例を示す。むろんこれは概念図であり、空気清浄機本体20を2つに分離した形態にする必要はない。第一水槽8と第二水槽9とは、並列的な配置となっており、それぞれの水槽に最適なpHに設定された処理液を入れる。第一水槽8は送気管21,22によって、第二水槽9は送気管21,23によって、空気2を吸入するファン3と接続されている。送気管22の先端には、第一エアプレート6が、送気管23の先端には、第二エアプレート7が、接続されている。また第一水槽8と第二水槽9は、処理された清浄空気13が排出される空気排出口12,15を有する。
【0024】
送気管21は、送気管22および送気管23と接続されており、ファン3により導入された空気2は、送気管21から送気管22を通って第一水槽8へ、または送気管21から送気管23を通って第二水槽9へ送られる。直列式と同様に、第一水槽8と第二水槽9には、それぞれ異なるpHの処理液10,11を入れておく。エアプレート6,7から放出された吸入空気中の汚染物質は、処理液10,11によって処理される。
【0025】
第一水槽8で処理された吸入空気は、第一空気排出口15から空気清浄機20外へ排出される。同様に、第二水槽9で処理された吸入空気は、第二空気排出口12より排出される。例えば第一水槽8に送られ第一水槽8で処理されなかった汚染物質は、そのまま空気清浄機20外へ排出されることになるが、その後再びファン3によって空気清浄機20内へ取り込まれ、その際に第二水槽9へ送られると処理される。したがって一定の時間、本空気清浄機20を稼働すれば、空気は第一水槽8にも第二水槽9も通過し異なるpHの処理液で処理されることになる。以上は、2種類の処理液を並列的に配置した例であるが、3種類以上の処理液を並列的に配置することもできる。
【0026】
図3に複数の含浸部材としての水含浸フィルターを直列的に設置した空気清浄機30の概念図を示す。空気清浄機30内には、水含浸フィルター34,35,36が設置されている。水含浸フィルター34,35,36は、所望のpHの処理液を含むものである。含浸部材には、ウレタンのようなスポンジ状のものや、布や綿、シリカゲルなどが挙げられる。通気性のあるものであれば特に限定しない。空気排出口32側には、吸気手段としてのファン3が設置されており、ファン3の回転によって空気が空気導入口31より空気清浄機30内に吸入される。この吸入空気は、空気清浄機内に設置された水含浸フィルター34,35,36を通過し、ファン3によって空気清浄機30外へ空気排出口32から排出される。なおファンは、送気手段として空気導入口31側へ設置してもよい。
【0027】
処理対象の汚染物質が効率よく処理されるpHの処理液を含む水含浸フィルター34,35,36を、空気清浄機30内に設置する。複数の水含浸フィルター34,35,36は、それぞれ異なるpHを有する。ファン3によって空気清浄機30内に導入された空気2は、すべての水含浸フィルター34,35,36を通過していく。それぞれ異なるpHを有するため、一度空気清浄機30内に取り込まれた空気は、それぞれのフィルターで異なる種類の汚染物質が効率よく除去される。
【0028】
図4に複数の含浸部材としての水含浸フィルターを並列的に設置した空気清浄機40を示す。空気清浄機40の本体内には、水含浸フィルター34,35,36が設置されている。それぞれのフィルターは、所望のpHの処理液を含む。これにより複数種類の汚染物質を効率よく処理することができる。
【0029】
ファン3によって空気導入口31より空気清浄機40本体内に導入された空気は、いずれかのフィルター34,35,36を通過していく。それぞれ異なるpHを有するため、それぞれのフィルターで効率よく処理される汚染物質の種類が異なる。いずれかのフィルターを通過した吸入空気は、ファン3によって空気清浄機40外へ、空気排出口32より排出される。その後再び空気清浄機40内に取り込まれると、一回目で処理されなかった汚染物質も別のフィルターを通過すれば処理されることになる。並列式の場合、直列式に比べファン3による空気吸入の風量が減少しにくく、吸入が容易に行われる。したがってファン3による風量を確保した状態で、循環運転を行い、複数種類の汚染物質を処理することができる。
【0030】
図5に水膜・噴霧式で複数の放水部を直列的に配置した空気清浄機50の概念図を示す。この空気清浄機50は、第一水槽51と第一放水部57、第二水槽52と第二放水部58とを含み、第一水槽51と第一放水部57とは、循環パイプ55により、第二水槽52と第二放水部58とは、循環パイプ56により接続されている。循環パイプ55,56間には、循環ポンプ53,54が設置されている。第一水槽51内に、第一処理液59を、第二水槽52内に、第二処理液60を有する。空気清浄機50内には、吸気手段として空気排出口32側にファン3が備えられており、ファンの回転によって、空気導入口31より空気2が導入される。なおファン3は、送気手段とし、空気導入口31側へ備え付けてもよい。
【0031】
第一循環ポンプ53によって第一水槽51内の第一処理液59は、本体上部の第一放水部57まで汲み上げられ、第一放水部57より第一水槽51内へ放水される。第一放水部57から第一水槽51へ放水された第一処理液59は、再び第一循環ポンプ53によって、第一放水部57へと循環する。第二処理液60も同様に、第二水槽52から第二循環ポンプ54によって、第二放水部58へ汲み上げられ、第二放水部58から放水される。
【0032】
前述と同様に、処理液による処理対象の汚染物質の処理を効率よく進めるように、処理液のpHを選択し、第一水槽51内、第二水槽52内へ入れておく。これによって複数種類の汚染物質を効率よく処理することができる。
【0033】
ファン3によって空気清浄機50内へ導入された空気2は、第一放水部57から水槽51へ放水され落下中の第一処理液59内を通過することにより、第一処理液59との接触をする。このとき、空気中の汚染物質は、第一処理液59によって処理され、続いて第二放水部58から第二水槽52へ放水され落下中の第二処理液60を通過し、第一処理液59で処理されなかった汚染物質が処理される。こうして汚染物質が処理されて清浄空気13となり、ファン3を通過して空気清浄機50外へ排出される。
【0034】
処理液は、放水部から水膜を形成して水槽へ流動する形態でもよいし、放水部から噴霧され霧状となり水槽へ流動する形態でもよい。また処理液を空気清浄機内の上部から下部へ落下させるのではなく、横断的に放水する形態にしたり、下部から上部へ向けて流動する形態にしたりしてもよい。
【0035】
図6に水膜・噴霧式で複数の放水部を並列的に配置した空気清浄機70の概念図を示す。第一放水部57、第二放水部58が吸入空気の通過経路に対して、並列的に配置されている。本実施例の場合、ファン3によって空気導入口31,37から空気清浄機70内に導入された空気2は、第一放水部57または、第二放水部58のどちらかの下を通過する。このとき放水部57,58から放水され落下中の処理液59,60と空気が接触し、空気中の汚染物質は、処理液59,60に取り込まれる。こうして処理された空気13は、ファン3によって空気排出口32,38より、空気清浄機70外へ排出される。なお前述と同様に、ファン3は空気導入口31,37側へ設置してもよい。
【0036】
本実施例も前述の並列的に配置した実施例と同様に、吸入された空気は、第一処理液59かまたは第二処理液60のどちらかの処理液と接触して、空気清浄機外へ排出される。並列的に配置した本実施例の場合、ファンによる風量を確保した状態で、空気清浄機を稼働することができる。
【0037】
前述の実施例と同様に処理液は、放水部から水膜を形成して水槽へ落下する形態でもよいし、放水部から噴霧され霧状となり水槽へ落下する形態でもよい。また処理液を空気清浄機内の上部から下部へ落下させるのではなく、横断的に放水する形態にしたり、下部から上部へ向けて放水する形態にしたりしてもよい。
【0038】
図7に含浸部材・水膜式で含浸部材としての水含浸フィルターを直列的に配置した実施例を示す。図は、3つの水含浸フィルター81,82,83を設置した例である。フィルターの数は、3つの場合に限定されない。水浸含フィルター81,82,83は、処理液がフィルター内において流れ落ちるようになっている。
【0039】
第一水含浸フィルター81には、第一循環ポンプ84が循環パイプ87を介して接続されており、第一水含浸フィルター81の上部から下部へと流れ落ちた処理液は、第一循環ポンプ84によって、第一水含浸フィルター81上部まで汲み上げられ、そこから第一水含浸フィルター81内へ放水される。処理液は第一水含浸フィルター81内を下部まで落下する。第二水含浸フィルター82は、第二循環ポンプ85と循環パイプ88を介して、第三水含浸フィルター83は、第三循環ポンプ86と循環パイプ89を介して接続されており、同様に処理液が移動する。
【0040】
空気清浄機80内には、空気排出口32に設置された、吸気手段であるファン3によって空気が導入され、空気清浄機80内に設置された水含浸フィルター81,82,83を通過してファン3によって、空気排出口32から空気清浄機80外へ排出される。または、ファン3を送気手段として、空気導入口31側へ設置してもよい。
【0041】
導入された空気2が第一水含浸フィルター81、第二水含浸フィルター82、第三水含浸フィルター83と通過すると、水含浸フィルター81,82,83内を流れ落ちる処理液と接触し、汚染物質が処理される。前述と同様に汚染物質の処理が効率よく進められるように、処理液のpHを選択し、水含浸フィルター81,82,83内へ入れておく。したがって本実施例では、3種類のpHの処理液を使用する。これにより、複数の汚染物質を効率よく処理することができる。
【0042】
図8に含浸部材・水膜式で含浸部材としての水含浸フィルターを並列的に配列した実施例を示す。空気清浄機90内には、3つの水含浸フィルター81,82,83が並列に配置されている。ファン3によって空気清浄機90内に取り込まれた空気2は、3つの水含浸フィルター81,82,83のうちいずれかのフィルターを通過する。それぞれのフィルターは、所望のpHの処理液を有し、空気2がどのフィルターを通過したかによって効率よく処理される物質の種類が異なる。このように含浸部材を並列的に配置すれば、ファン3による空気吸入の風量が直列式に比べ減少しにくく、吸入が容易に行われ、複数種類の汚染物質を効率よく処理できる。
【0043】
気液接触手段の処理液のpHを変化させるpH制御手段として、異なるpHの溶液を有する複数の供給手段と、溶液を前記気液接触手段へ供給し、および気液接触手段の前記処理液を排水する制御装置とを含むものとすることもできる。これにより異なるpHの溶液を制御装置により、気液接触手段へ送ることができる。この異なるpHの溶液の気液接触手段への供給割合を制御装置によって変化させることにより、気液接触手段の処理液のpHを所望の値へ変化させることができる。
【0044】
特にpHを変化させるpH制御手段として、酸性水を貯蔵する酸性水貯蔵部と、アルカリ性水を貯蔵するアルカリ水貯蔵部と、酸性水貯蔵部の酸性水とアルカリ性水貯蔵部のアルカリ性水とを気液接触手段へ供給し、および気液接触手段の処理液を排水する制御装置とを含むものとすることもできる。さらに酸性水貯蔵部とアルカリ水貯蔵部とに加え、中性水を貯蔵する中性水貯蔵部も含むものでもよい。中性水貯蔵部を含むことにより、気液接触手段の処理液のpHの変化を容易にできる。
【0045】
図9に貯蔵部を含み、散気部を備えた散気式空気清浄機100の概念図を示す。本実施例は、水槽8,9が直列的に配置された形態である。それぞれの水槽8,9には、制御装置104,114を介して、酸性水貯蔵部101,111、アルカリ性水貯蔵部102,112、中性水貯蔵部103,113が設置されている。中性水貯蔵部103,113は、省略してもよい。他の点は、前述の実施例と同様である。
【0046】
第一制御装置104は、排水口105から処理液を排出し、第一水槽8内の処理液のpHを所望のpHとするために、第一酸性水貯蔵部101から酸性水を、第一アルカリ性水貯蔵部102からアルカリ性水を、第一中性水貯蔵部103から中性水を、第一水槽8内に導入することができる。また同様に第二制御装置114は、排水口115から処理液を排出し、第二酸性水貯蔵部111から酸性水を、第二アルカリ性水貯蔵部112からアルカリ性水を、第二中性水貯蔵部113から中性水を、第二水槽9内に導入することができる。これらによって、第一水槽内の処理液と第二水槽内の処理液とを汚染物質を除去するために適したpHにすることができる。
【0047】
また水を電気分解することにより酸性水とアルカリ性水とを生成する電解槽と、電解槽で生成された酸性水とアルカリ性水とを気液接触手段へ供給し、および気液接触手段の処理液を排水する制御装置とを含むものとすることもできる。供給手段として、酸性水とアルカリ性水とを生成する電解槽を制御装置を介して処理液のある気液接触手段へ接続し、気液接触手段へこれらを給水することで処理液のpHを変化させることができる。制御装置の働きにより、水槽内の処理液のpHを変化させることができる。
【0048】
図10に散気部を備え、水槽8,9が並列的に配置され、それぞれの水槽に、制御装置を介して、電解槽121,131を設置した形態の空気清浄機120を示す。他の点は、前述の実施例と同様である。
【0049】
第一電解槽121は、内部に水を貯蔵し、この水を電気分解する。第一電解槽121内には、2つの電極122,123が設置してあり、この電極122,123に通電することにより、水の電気分解を行う。水の電気分解を行うと、それぞれの電極付近に、酸性水、アルカリ性水が生成される。第一電解槽121は、第一制御装置104とつながっている。
【0050】
第一制御装置104は、第一電解槽121の溶液を第一水槽8へ導入することができる。この酸性水、アルカリ性水のどちらかまたは両方を第一制御装置104にて空気清浄機内の第一水槽8に送り込むことによって、第一水槽8内の処理液10のpHを変化させることができる。また第一制御装置104には、処理液の第一排水口105が設置されており、不必要な汚染された処理液10は、第一制御装置104により、第一排水口105から排水される。
【0051】
第二水槽9にも同様に、第二制御装置114を介して、第二電解槽131が接続されている。第二電解槽131には、電極132,133があり、同様に、酸性水、アルカリ性水を生成し、第二制御装置114の働きにより、第二水槽9へ導入される。不要になった処理液11は、第二排水口115より排水される。
【0052】
電解槽121,131を制御装置104,114を介して水槽8,9に接続し、制御装置104,114が、電解槽121,131で生成された酸性水やアルカリ性水を水槽8,9に導入することにより、水槽8,9内の処理液10,11のpHを所望のものとすることができる。
【0053】
水膜・噴霧式や含浸部材・水膜式の空気清浄機50,70,80,90においても、同様に、貯蔵部や電解槽を設置し、処理液のpHを所望のものに変化させることができる。
【0054】
本発明は、空気清浄機内に所望のpHを有する複数種類の処理液を入れ、それらと汚染空気とを接触させることにより、汚染物質を効率よく処理することができる。処理液と空気との接触方法は、前述の形態に限られない。
【0055】
タバコの煙、ペット臭、汚物臭など処理する空気中の汚染物質によって、処理液のpHを選択すれば処理効果を大きくできる。従来、水を用いた空気清浄機では、汚染空気中の十分に吸収処理できなかった成分まで、本発明の空気清浄機によれば、複数のpHをもつ処理液を使用するため、効率よく処理することが可能となる。したがって短時間で汚染空気から汚染物質を処理し、清浄空気とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】散気式による直列的配置の実施例。
【図2】散気式による並列的配置の実施例。
【図3】含浸部材式による直列的配置の実施例。
【図4】含浸部材式による並列的配置の実施例。
【図5】水膜・噴霧式による直列的配置の実施例。
【図6】水膜・噴霧式による並列的配置の実施例。
【図7】含浸部材・水膜式による直列的配置の実施例。
【図8】含浸部材・水膜式による並列的配置の実施例。
【図9】貯蔵部を設置した散気式による直列的配置の実施例。
【図10】電解槽を設置した散気式による並列的配置の実施例。
【符号の説明】
1,20,30,40,50,70,80,90,100,120 空気清浄機
3 ファン
6,7 エアプレート
8,9 水槽
34,35,36 水含浸フィルター
57,58 放水部
81,82,83 水含浸フィルター
Claims (8)
- 空気と処理液とを接触させることにより、前記空気中の汚染物質をその処理液で処理して減少させる複数の気液接触手段と、前記空気を取り込み前記気液接触手段へ導入する送気手段および吸気手段の少なくとも一つとを備え、複数設置された前記気液接触手段の各々は、所望のpHの前記処理液を有することを特徴とする空気清浄機。
- 前記処理液として、酸性、中性およびアルカリ性から選ばれた全て若しくは任意の2種類を用いる請求項1に記載の空気清浄機。
- 複数設置された前記気液接触手段は、前記空気清浄機内に導入された前記空気の前記空気清浄機内の通過経路に対し、直列的に配置された請求項1または2に記載の空気清浄機。
- 複数設置された前記気液接触手段は、前記空気清浄機内に導入された前記空気の前記空気清浄機内の通過経路に対し、並列的に配置された請求項1または2に記載の空気清浄機。
- 前記気液接触手段は、送気手段により前記空気清浄機内へ導入された空気を前記処理液内に散気し、前記処理液と前記空気とを接触させ、前記空気中の汚染物質を処理するものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気清浄機。
- 前記気液接触手段は、含浸部材に含浸された処理液と、送気手段または吸気手段により前記空気清浄機内へ導入された空気とを、前記空気が前記含浸部材を通過することにより接触させ、前記空気中の汚染物質を処理するものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気清浄機。
- 前記気液接触手段は、流動する前記処理液と、送気手段または吸気手段により前記空気清浄機内へ導入された空気とを、前記空気が流動する前記処理液を通過することにより接触させ、前記空気中の汚染物質を処理するものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気清浄機。
- 前記気液接触手段は、含浸部材内を流動する処理液と、送気手段または吸気手段により前記空気清浄機内へ導入された空気とを、前記空気が前記含浸部材を通過することにより接触させ、前記空気中の汚染物質を処理するものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気清浄機。
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