JP4654134B2 - 揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム、及びその浄化方法 - Google Patents

揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム、及びその浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を利用して汚染土壌中の揮発性有機化合物を無害化する揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム、及びその浄化方法に関するものである。
従来、揮発性有機化合物(VOC)は、溶剤、接着剤、洗浄剤などに広く用いられてきた。しかし、これらVOCは毒性が高いものが多いことに加え、大気中の光化学スモッグや浮遊粒子状物質の原因になることが知られている。
工場跡地の汚染土壌には、工場稼動時に排出されたVOCが蓄積・濃縮されており、地下水や大気を経由して健康被害を起こすことが懸念されている。そのため、平成15年2月に土壌汚染対策法、平成16年6月には大気汚染防止法の改正法令が施行され、VOCの排出基準などが強化されている。従って、工場跡地などの汚染土壌を無害化してVOCを含まない浄化土壌としてリサイクルすることが望まれている。
土壌中のVOC処理としては、大別して物理・化学的処理、熱処理、生物処理(バイオレメディエーション)などの浄化方法が知られている。物理・化学的処理には、紫外線や酸化剤などで分解する方法(酸化還元分解処理)、粒子による分級洗浄、高圧水や界面活性剤により分離する方法(土壌洗浄処理)、吸引井戸を設けて気体にして分離する方法(ガス吸引、曝気処理)などがある。熱処理には、200℃〜600℃で揮発分離する方法(熱脱着処理)、800℃〜1000℃で焼却する方法(熱分解処理)、1200℃以上の高温で溶融させる方法(溶融固化処理)などがある。生物処理には、汚染現場または地上プラントにおいてバクテリアで分解する方法がある。
図3には、従来技術の一例として、真空吸引法を利用した浄化システム91の概略構成を示している。この浄化システム91は、気液分離槽92、ブロワー93、活性炭槽94を備える。気液分離槽92は、汚染土壌に設けられた抽出井戸95に配管96を介して接続されており、ブロワー93を駆動することにより、抽出井戸95から土壌ガスと汚染地下水とを同時に吸引する。そして、気液分離槽92内で土壌ガスと水分とを分離し、分離した土壌ガスを配管97を通して活性炭槽94に送る。活性炭槽94には、活性炭からなるフィルター材98が設けられており、そのフィルター材98に土壌ガスを通過させる。これにより、土壌ガスに含まれるVOCが活性炭に吸着され、VOCを除去した浄化空気が装置外部に排気される。
また、汚染土壌を浄化する技術は特許文献1〜3にも開示されている。具体的にいうと、特許文献1においては、VOCが混入した汚染土壌と水とを混合して得られた泥水を曝気処理し、土壌中からVOCを揮発させる土壌の浄化方法が開示されている。特許文献2においては、汚染土壌を加熱してVOCを含む気体を抽出し、そのVOCをオゾンで分解する浄化方法が開示されている。この方法では、紫外線の照射や過酸化水素の添加を併用することで酸化力が増し、VOCの分解効率が高められている。特許文献3においては、汚染空気を吸引するための井戸を土壌に設けて、真空ポンプを用いて汚染空気を吸引し、その汚染空気に含まれているVOCを活性炭からなる吸着装置で取り除くようにした浄化方法が提案されている。
さらに、近年では、超音波を利用して汚染土壌を洗浄する洗浄装置(例えば、特許文献4参照)や、水溶液に含まれるVOCなどを超音波により無害化する処理装置(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
特許文献4に記載の浄化装置では、汚染土壌に水を供給して超音波洗浄を行い、さらに、その洗浄されたスラリー状の土壌を流通させながら超音波洗浄を行うことで、汚染土壌を浄化している。
特許文献5に記載の処理装置では、VOCを含む水溶液に塩基性金属塩からなる触媒物質を添加して、比較的低い周波数(例えば、20kHz〜100kHz)の超音波を照射する。水溶液中に超音波を照射すると、キャビテーションと呼ばれる気泡が発生し、その圧縮、崩壊過程を経てホットスポットと呼ばれる数千度、数千気圧の反応場が局所的に形成される。そして、この極限反応場でVOCが熱分解されると考えられている。
特開2002−59151号公報 特開2004−321919号公報 特開2005−87809号公報 特開2005−81247号公報 特開2005−169389号公報
ところで、特許文献1〜3に記載の浄化方法では、抽出したVOCを外部に漏れないように浄化システムを構成することが困難であり、大気汚染などが懸念されている。さらに、抽出したVOCを活性炭などに吸着させて処理する場合、その活性炭を廃棄するためにコストが嵩むといった問題も生じてしまう。また、熱処理による土壌の浄化方法を採用する場合では、設備が大型になり工場跡地などの現場で浄化処理をすることができないといった問題や、設備のランニングコストが高くなるといった問題が生じる。さらに、生物処理や吸引井戸を設けて気体にして分離する浄化方法では、処理時間が長くなるため、実用的ではない。具体的には、図3に示す従来の浄化システム91を用いて、例えば、100mの汚染土壌を環境基準値の50倍から環境基準値以下となるよう浄化する場合、2年以上の処理時間が必要になる。また、この浄化システム91を稼動させるためには、土壌に抽出井戸95を掘ったり、各処理槽92,94や配管96,97などを設置したりするための工期も必要になる。
また、特許文献4に記載の浄化装置では、比較的低い周波数(20kHz〜40kHz)の超音波を照射しているので、汚染土壌を効率よく浄化することができる。しかし、洗浄水に含まれる有害物質は分解することができないため、その洗浄水の排水処理が別途必要になる。
例えば、特許文献4の浄化装置と特許文献5の処理装置とで浄化システムを構成し、特許文献4の浄化装置で排出された洗浄水を特許文献5の処理装置で処理すれば、洗浄水に含まれる有害物質を分解することが可能となる。しかし、特許文献5の処理装置では、触媒物質を添加して有機化合物の分解処理を行っているため処理コストが嵩む。さらに、その浄化システムでは、構成が複雑となり大規模なシステムとなるため、設備コストが増大するといった問題も生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、汚染土壌の浄化処理を効率よく短時間で行うことができる揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム、及びその浄化方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、揮発性有機化合物を含む汚染土壌と洗浄水との混合物を入れる洗浄槽を有し、前記混合物中に100kHz未満の超音波を照射して汚染土壌を洗浄することにより、汚染土壌側から洗浄水側に揮発性有機化合物を抽出する超音波洗浄装置と、前記超音波洗浄装置から排出される洗浄水を入れる分解槽を有し、前記洗浄水中に100kHz以上の超音波を照射することにより、揮発性有機化合物を分解して無害化する超音波分解装置と、前記超音波洗浄装置から前記超音波分解装置に洗浄水を供給する供給通路の途中に設けられ、前記洗浄水に含まれる土壌粒子と洗浄水とを分離する濾過体通過方式の固液分離装置と、前記固液分離装置の下流側にて前記供給通路から分岐し、前記固液分離装置で分離された洗浄水を前記洗浄槽に戻すための通路と、前記供給通路において前記固液分離装置の上流側に設けられた液体圧送手段と、前記供給通路上において前記通路が分岐する位置に設けられ、前記洗浄水の流路を超音波洗浄装置側または超音波分解装置側に切り替える流路切替用バルブと、前記液体圧送手段及び前記流路切替用バルブを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、予め設定した複数回分だけ洗浄処理及び固液分離を行った後、前記流路切替用バルブにより前記洗浄水の流路を前記超音波分解装置側に切り替えて前記洗浄水を前記超音波分解装置側に供給するように制御することを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システムをその要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、超音波洗浄装置の洗浄槽内において、揮発性有機化合物を含む汚染土壌と洗浄水との混合物中に比較的低い100kHz未満の超音波が照射されると、その超音波が混合物中の土壌粒子に作用し、その超音波の振動エネルギーによって汚染土壌が洗浄される。その際、汚染土壌に含まれる揮発性有機化合物が洗浄水側に抽出される。一方、超音波分解装置の分解槽内において、比較的高い100kHz以上の超音波が洗浄水中に照射されると、その洗浄水中にキャビテーション(気泡)が発生して高温・高圧の反応場が形成される。ここで、揮発性有機化合物は、疎水性であるため、キャビテーション周辺(洗浄水と気泡との界面)に自発的に集まり、さらに揮発してキャビテーションの中に入り込む。その結果、高温・高圧の反応場の作用によって、揮発性有機化合物を熱分解して無害化することができる。従って、本発明の浄化システムでは、特殊な薬剤などの添加物を用いることなく、汚染土壌から抽出した揮発性有機化合物を無害化することができ、洗浄した土壌を再利用することができる。また、この浄化システムでは、汚染土壌の洗浄処理と揮発性有機化合物の分解処理とでそれぞれの処理に適した周波数の超音波を照射することができるので、短時間で効率よく土壌浄化処理を行うことができ、浄化システムのランニングコストを抑えることができる。
なお、本発明における揮発性有機化合物としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトンなどを挙げることができる。
上記発明によれば、固液分離装置により、土壌粒子と洗浄水とを分離して、土壌粒子を取り除いた洗浄水を超音波分解装置の分解槽に導入することができる。従って、分解槽内の洗浄水中に超音波が効率よく伝播し、揮発性有機化合物の分解に有効なキャビテーションをより多く発生させることができる。従って、揮発性有機化合物を効率よく分解することができる。
また、上記発明によれば、分解槽から排出された洗浄水を洗浄槽に戻すことにより、その洗浄水を再利用して新たな汚染土壌を洗浄できるため、浄化システムのランニングコストを低減することができる。また、固液分離装置で分離された洗浄水を洗浄槽に戻して再利用することにより、洗浄水中の揮発性有機化合物の濃度を高めることができる。よって、超音波の照射による揮発性有機化合物の分解を効率よく行うことができる。またこの場合、揮発性有機化合物の分解処理中に汚染土壌の洗浄処理を複数回行うことにより、システム全体の処理効率を向上させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のシステムを用いた浄化方法であって、揮発性有機化合物を含む汚染土壌と洗浄水との混合物中に100kHz未満の超音波を照射して汚染土壌を洗浄することにより、汚染土壌側から洗浄水側に揮発性有機化合物を抽出する洗浄工程と、前記洗浄工程にて排出される前記洗浄水に含まれる土壌粒子と洗浄水とを分離する固液分離工程と、前記固液分離工程にて分離された洗浄水の少なくとも一部を前記洗浄工程にて再利用することにより、前記洗浄水に含まれる揮発性有機化合物の濃度を高める濃縮工程と、前記揮発性有機化合物が濃縮された洗浄水中に100kHz以上の超音波を照射することにより、揮発性有機化合物を分解して無害化する分解工程とを含むことを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化方法をその要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、洗浄工程において、揮発性有機化合物を含む汚染土壌と洗浄水との混合物中に比較的低い100kHz未満の超音波が照射されると、その超音波が混合物中の土壌粒子に作用し、その超音波の振動エネルギーによって汚染土壌が洗浄される。その際、汚染土壌に含まれる揮発性有機化合物が洗浄水側に抽出される。そして、固液分離工程では、洗浄水に含まれる土壌粒子と洗浄水とが分離される。さらに、濃縮工程では、固液分離工程にて分離された洗浄水の少なくとも一部が洗浄工程にて再利用され、洗浄水に含まれる揮発性有機化合物の濃度が高められる。その後、分解工程において、揮発性有機化合物が濃縮された洗浄水中に比較的高い100kHz以上の超音波が照射されると、その洗浄水中にキャビテーション(気泡)が発生して高温・高圧の反応場が形成され、その反応場の作用によって揮発性有機化合物を確実に熱分解して無害化することができる。従って、この浄化方法によれば、特殊な薬剤などの添加物を用いることなく、汚染土壌から抽出した揮発性有機化合物を無害化することができ、洗浄した土壌を再利用することができる。また、汚染土壌の洗浄処理と揮発性有機化合物の分解処理とでそれぞれの処理に適した周波数の超音波を照射することができるので、短時間で効率よく土壌浄化処理を行うことができ、浄化システムのランニングコストを抑えることができる。またこの浄化方法では、揮発性有機化合物の分解工程の実施中に汚染土壌の洗浄工程を複数回行うことができるので、処理効率を向上させることができる。
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によると、揮発性有機化合物を含む汚染土壌を効率よく短時間で浄化することができる。
以下、本発明を揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システムに具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1はその汚染土壌の浄化システムを示す概略構成である。
図1に示されるように、本実施の形態の浄化システム1は、ホッパー2、超音波洗浄装置3、固液分離装置4、超音波分解装置5、排水槽6、及び制御装置7を備える。この汚染土壌浄化システム1は、工場跡地などの汚染現場において、トリクロロエチレン(TCE)などの揮発性有機化合物(VOC)を含む汚染土壌を浄化するとともに、その汚染土壌から抽出したVOCを分解して無害化するためのシステムである。なお、この浄化システム1は、例えばトラックなどの車両8に搭載可能な可搬式のシステムである。勿論、この浄化システム1は、特に搬送を目的としない固定式のシステムであってもよい。
具体的には、図示しない掘削機で掘削された汚染土壌E1がホッパー2に投入され、そのホッパー2で混合された後に超音波洗浄装置3に供給される。
超音波洗浄装置3は、汚染土壌E1と洗浄水W1との混合物(泥水)を入れる洗浄槽31と、その洗浄槽31内の汚染土壌E1と洗浄水W1とを撹拌する撹拌機32と、洗浄槽31内の洗浄水W1に超音波を照射する超音波振動子33と、その超音波振動子33を駆動するための発振回路34とを備える。本実施の形態の洗浄槽31は、110リットルの容量を有し、1回の洗浄処理において、例えば、10kgの汚染土壌E1と100リットルの洗浄水W1が入れられる。そして、撹拌機32によって撹拌されることによって、洗浄水W1中に土壌粒子が分散される。なお、この超音波洗浄装置3の洗浄槽31に供給される洗浄水W1としては、水道水などの安価な水が用いられる。勿論、水道水以外の水(例えば雨水、海水など)を用いることも許容される。
超音波振動子33は、平板状の圧電セラミックスからなり、発振回路34の発振信号に基づいて、低周波数(具体的には20kHz)の超音波10を自身の厚さ方向に出力する。本実施の形態の超音波洗浄装置3では、複数の超音波振動子33が洗浄槽31の底部に設けられており、各超音波振動子33から上方に向けて超音波10が照射される。このとき、その超音波10が洗浄水W1中の土壌粒子に作用し、その超音波10の振動エネルギーにより汚染土壌E1が超音波洗浄される。その際、汚染土壌E1側から洗浄水W1側にVOCが抽出される。
固液分離装置4は、超音波洗浄装置3から超音波分解装置5に洗浄水W1を供給する供給通路としての供給用配管40の途中に設けられている。固液分離装置4は、円筒状の分離槽41と、その分離槽41内の中央部に設けられた濾過体42とを備える。また、超音波洗浄装置3と固液分離装置4とを接続する供給用配管40には供給ポンプ43が設けられている。そして、その供給ポンプ43が駆動されることにより、超音波洗浄装置3から固液分離装置4に洗浄水W1が圧送され、その固液分離装置4において、洗浄水W1が濾過体42を通過することにより、土壌粒子と洗浄水W1とが分離される。なお、固液分離装置4において分離された土壌E2は、図示しない乾燥機で水分が除去された後、排出口44から装置外部に排出されてVOCを含まない浄化土壌として再利用される。
また、固液分離装置4と超音波分解装置5とを接続する供給用配管40の途中には、流路切替用バルブ46が設けられている。流路切替用バルブ46は、さらに循環用配管47を介して超音波洗浄装置3に接続されている。流路切替用バルブ46は、洗浄水W1の流路を超音波洗浄装置3側または超音波分解装置5側に切り替えるバルブであり、固液分離装置4から排出される洗浄水W1を超音波洗浄装置3と超音波分解装置5とのいずれか一方に供給する。
具体的には、先ず、流路切替用バルブ46によって洗浄水W1の流路が超音波洗浄装置3側に切り替えられる。この場合、固液分離装置4で分離された洗浄水W1は超音波洗浄装置3に戻されて再利用される。つまり、ホッパー2から新たに供給された汚染土壌E1がその洗浄水W1によって再び洗浄され、その洗浄水W1中のVOC濃度が高められる。そして、予め設定された所定回数(例えば、20回)の洗浄処理が終了したときに、流路切替用バルブ46によって洗浄水W1の流路が超音波分解装置5側に切り替えられる。これにより、VOC濃度が高められた洗浄水W1が超音波分解装置5に供給される。
超音波分解装置5は、固液分離装置4で分離された洗浄水W1を入れる分解槽51と、その分解槽51内の洗浄水W1に超音波10を照射する第1超音波振動子52及び第2超音波振動子53と、各超音波振動子52,53を駆動するための発振回路54とを備える。
分解槽51は、直方体をなす箱状に形成され、例えば、100リットルの容量を有する。そして、その分解槽51の底面外側には複数の第1超音波振動子52が設けられ、分解槽51の側面外側には複数の第2超音波振動子53が設けられている。各超音波振動子52,53は、平板状の圧電セラミックスからなり、発振回路54の発振信号に基づいて、高周波数(具体的には500kHz)の超音波10を自身の厚さ方向に出力する。従って、第1超音波振動子52により、分解槽51内の洗浄水W1に向けて下方(第1の方向)から超音波10が照射される。また、第2超音波振動子53により、その超音波10に直交するように側方(第2の方向)から洗浄水W1に向けて超音波10が照射される。
本実施の形態における分解槽51には、その槽内を仕切って上下に区画する仕切り板56が設けられている。ここでは、仕切り板56として、超音波10の波長の1/2の厚さを有する板材(例えば、アクリル樹脂プレート)を用いている。具体的にいうと、周波数500kHzの超音波10の波長は約3mmであるため、ここでは厚さ約1.5mmのアクリル樹脂プレートを用いている。なお、この程度の厚さのアクリル樹脂プレートは、仕切り板56に必要とされる所望の剛性、強度も備えている。従って、使用時に水圧が加わったとしても変形や破壊が起きにくいものとなっている。また、波長の1/2の厚さの仕切り板56を用いることにより、超音波10がその仕切り板56を透過して上方の領域に効率よく伝播される。
仕切り板56によって仕切られた分解槽51は、上側半分の領域が、超音波10による洗浄水W1の処理を最初に行う一次処理室57となっていて、下側半分の領域が、超音波10による洗浄水W1の処理をその次に行う二次処理室58となっている。また、分解槽51の底面に設けられた第1超音波振動子52を基準とすると、二次処理室58のほうが第1超音波振動子52から近い位置にあり、一次処理室57のほうが第1超音波振動子52から遠い位置にある。また、分解槽51の側面において第2超音波振動子53は、一次処理室57及び二次処理室58に対応する位置にそれぞれ設けられている。
分解槽51の一次処理室57には、前記固液分離装置4から一次処理室57内に洗浄水W1を供給するための供給用配管40が接続されている。一方、分解槽51の二次処理室58には、二次処理室58内から洗浄水W1を排出するための排出用配管61が接続されている。そして、分解槽51の外部には、一次処理室57及び二次処理室58間を連通させる通路としての移送用配管62が配設されている。移送用配管62における一方の端部は一次処理室57の側面上部に接続され、他方の端部は二次処理室58の側面上部に接続されている。
供給用配管40の途中に設けられた流路切替用バルブ46の流路を超音波分解装置5側に切り替えると、洗浄水W1が供給用配管40を通してまず分解槽51の一次処理室57内に供給される。この一次処理室57において、下方及び側方から直交するよう超音波10が照射されることにより洗浄水W1中のVOCが分解される。次に、一次処理室57内の洗浄水W1は、移送用配管62を介して二次処理室58内に供給され、そこでも下方及び側方から直交するよう超音波10が照射されることにより洗浄水W1中のVOCが分解される。その後、二次処理室58内の洗浄水W1は、排出用配管61を通して分解槽51から排水槽6に排出される。
さらに、本実施の形態では、分解槽51の上部に、一次処理室57の洗浄水W1を撹拌するための撹拌機65が設けられている。この撹拌機65は、分解槽51の上面に固定されるモータ66と、そのモータ66の回転軸に連結される撹拌部材(プロペラ)67とをから構成され、モータ66の駆動に伴い撹拌部材67が回転して洗浄水W1を撹拌する。撹拌機65の撹拌部材67は、分解槽51において第2超音波振動子53を設けた面に対向する面の近傍に配置されているため、第2超音波振動子53から離間した位置にある。従って、撹拌部材67が第2超音波振動子53と近接した位置にある場合とは異なり、撹拌部材67が超音波10の伝播を妨げるおそれがなく、よって一次処理室57内の洗浄水W1中に超音波10を均一に伝播させることができる。
また、分解槽51の上部、すなわち一次処理室57内の洗浄水W1の上部には、空気層A1が存在している。
排水槽6には、洗浄水W1を洗浄槽31に戻すための通路としての循環用配管68が接続されている。その循環用配管68の途中には液体圧送手段としてのポンプ69と流路切替用バルブ70とが設けられている。排水槽6に一旦蓄えられた洗浄水W1は、ポンプ69によって循環用配管68を通して圧送され、流路切替用バルブ70を介して、洗浄槽31に戻されて洗浄処理に再利用されたり、下水として下水道に排水されたりする。
制御装置7は、CPU71、ROM72、RAM73、入出力ポート(図示略)などからなる周知のマイクロコンピュータにより構成され、超音波洗浄装置3(撹拌機32及び発振回路34)や超音波分解装置5(発振回路54及び撹拌機65)と電気的に接続されている。なお、図示しないが、制御装置7は、ポンプ43,69や流路切替用バルブ46,70にも接続されている。制御装置7を構成するROM72は制御プログラムを記憶しており、CPU71はRAM73を利用してその制御プログラムを実行する。その結果、制御装置7は各種の制御信号を超音波洗浄装置3や超音波分解装置5などに出力してシステム全体を統括的に制御する。
ここで、本実施の形態における浄化システム1の動作について説明する。
作業者は、制御装置7の操作部(図示略)を操作して浄化システム1を稼動させ、超音波洗浄装置3の洗浄槽31に、所定量(例えば、100リットル)の洗浄水W1を入れるとともに、ホッパー2から所定量(例えば、10kg)の汚染土壌E1を入れる。その後、制御装置7は土壌浄化処理を開始する。
詳しくは、洗浄工程において、制御装置7は、撹拌機32に制御信号を出力することによりその撹拌機32を回転させる。これにより、汚染土壌E1と洗浄水W1との混合物が撹拌され、洗浄水W1中に土壌粒子が分散される。次いで、制御装置7は、発振回路54に制御信号を出力してその発振回路54から発振信号を出力させる。この発振信号に基づいて超音波振動子33が振動することにより、20kHzの超音波10が洗浄槽31の混合物(泥水)に所定時間(具体的には15分)照射される。これにより、その超音波10が混合物中の土壌粒子に作用し、その超音波10の振動エネルギーにより汚染土壌E1が洗浄される。その際、汚染土壌E1に含まれるVOCが洗浄水W1側に抽出される。ここで、例えば、洗浄槽31に入れた10kgの汚染土壌E1から洗浄水W1(100L)に150mgのトリクロロエチレン(TCE)が抽出される。この場合、洗浄水W1のTCE濃度は、環境基準値(0.03mg/L)の50倍(1.5mg/L)になる。
続く、固液分離工程において、制御装置7は、供給ポンプ43を駆動して超音波洗浄装置3の洗浄槽31から固液分離装置4の分離槽41に洗浄水W1を圧送する。固液分離装置4は、その洗浄水W1に含まれる土壌粒子と洗浄水W1とを分離し、分離された土壌E2を乾燥させた後、排出口44から装置外部に排出する。なおここで、制御装置7は、前記供給ポンプ43の駆動に先立ち流路切替用バルブ46の流路を超音波洗浄装置3側に切り替える。これにより、固液分離装置4で分離された洗浄水W1(100リットル)は、流路切替用バルブ46を介して再び超音波洗浄装置3に戻される。
そして、超音波洗浄装置3では、ホッパー2から新たな汚染土壌E1が供給され、固液分離装置4から供給された洗浄水W1を用いてその汚染土壌E1の洗浄処理が行われる(濃縮工程)。すなわち、撹拌機32により汚染土壌E1と洗浄水W1が撹拌されるとともに、超音波振動子33から超音波が所定時間照射されて洗浄処理が行われる。さらに、洗浄処理の終了後、超音波洗浄装置3から固液分離装置4に洗浄水W1が圧送されて、固液分離装置4において土壌粒子と洗浄水W1とを分離する固液分離処理が行われる。
本実施の形態では、上記のような洗浄処理と固液分離処理とが20回繰り返し実施されることで、洗浄水W1に含まれるVOC濃度が30mg/Lに高められる。
続く、分解工程において、制御装置7は、流路切替用バルブ46の流路を超音波分解装置5側に切り替えることにより、固液分離装置4の洗浄水W1を超音波分解装置5の分解槽51(一次処理室57)に供給する。またこのとき、制御装置7は、撹拌機65に制御信号を出力してその撹拌機65の撹拌部材67を回転させて一次処理室57の洗浄水W1を撹拌する。
そして、制御装置7は、発振回路54に制御信号を出力してその発振回路54から発振信号を出力させる。この発振信号に基づいて第1超音波振動子52及び第2超音波振動子53が振動することにより、500kHzの超音波10が所定時間(具体的には5時間)照射される。
ここで、第1超音波振動子52の発生した超音波10は、先ず第1超音波振動子52から近い位置にある二次処理室58内の洗浄水W1に伝達し、その洗浄水W1中を上方に進行する。その際にある程度音場が整えられる。二次処理室58内の洗浄水W1を通過した超音波10は、仕切り板56を通過した後、さらに第1超音波振動子52から遠い位置にある一次処理室57内の洗浄水W1に伝播する。つまり、二次処理室58内の洗浄水W1は、第1超音波振動子52の発生した超音波10を一次処理室57内の洗浄水W1に伝播させる媒体として作用する。一次処理室57内に伝播した超音波10は、洗浄水W1中をさらに上方向に進行し、最終的には洗浄水W1の液面(洗浄水W1と空気層A1との界面)で反射される。このため、液面近傍では定在波が発生する。
また、本実施の形態では、分解槽51の側面に設けられた第2超音波振動子53から一次処理室57内の洗浄水W1に向けて超音波10が照射される。従って、一次処理室57内の洗浄水W1には、下方及び側方から直交するよう超音波10が照射され、音場が多重化されることで定在波が増加する。その結果、ナノレベルからミクロンレベルのキャビテーションがより多く発生し、洗浄水W1中の広い範囲で高温・高圧の反応場が形成される。VOCは、疎水性、揮発性であるため、キャビテーション周辺(洗浄水W1と気泡との界面)に自発的に集まり、さらに揮発してキャビテーションの中に入り込む。その結果、高温・高圧の反応場の作用によってVOCが熱分解され無害化される。具体例を挙げると、例えば、VOCがトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンである場合には、塩素イオンと無害な炭化水素とが生成される。また、一次処理室57内の洗浄水W1は、キャビテーションの発生により脱気される。
この一次処理室57内の洗浄水W1は、続いて移送用配管62を通過して二次処理室58内に供給される。二次処理室58は一次処理室57の下方に位置しているため、とりわけポンプ等の圧送手段を用いなくても、洗浄水W1は重力の作用により移送用配管62を介して自然に流下する。従って、この構成によれば二次処理室58内への洗浄水W1の供給をスムーズに行うことができる。また、二次処理室58には脱気された洗浄水W1が供給されるため、第1超音波振動子52の発生した超音波10を一次処理室57内の洗浄水W1に効率よく伝播させることができる。
また、この二次処理室58内においても洗浄水W1には超音波10が作用する。具体的には、第1超音波振動子52の発生した超音波10と第2超音波振動子53の発生した超音波10とが直交するよう照射されることにより、二次処理室58内の洗浄水W1には音場が多重化される。この二次処理室58では一次処理室57ほど定在波が発生しないため、VOCの分解反応が起こるエリアも少ないと考えられる。しかし、二次処理室58内に洗浄水W1を通じることにより、洗浄水W1に残存するVOCが確実に分解され無害化される。
本実施の形態のように、分解槽51の下方及び側方から直交するように超音波10を照射して音場を多重化することにより、洗浄水W1に含まれるVOCが効率よく短時間で分解される。その結果、洗浄水W1のVOC濃度を環境基準値(0.03mg/L)以下に低減させることができる。
また、超音波分解装置5による分解処理の実施中には、超音波洗浄装置3による洗浄処理と固液分離装置4による固液分離処理とが併行して行われ、システム全体の処理効率が高める。
因みに、汚染土壌E1の密度が1.5kg/Lである場合、浄化システム1において、1回の洗浄処理で処理される10kgの汚染土壌E1は6.7L程度となる。また、1日では、15分間の洗浄処理を96回、5時間の分解処理を4.8回行うことが可能である。従って、浄化システム1を連続的に稼動させた場合、100mの汚染土壌E1を160日程度で浄化することが可能となる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の浄化システム1では、特殊な薬剤などの添加物を用いることなく、超音波10の照射のみで汚染土壌E1から抽出したVOCを無害化することができる。さらに、洗浄した汚染土壌を再利用することができることから、環境負荷を低減することができる。また、この浄化システムでは、土壌粒子の洗浄処理とVOCの分解処理とでそれぞれの処理に適した周波数の超音波10を照射することができるので、短時間で効率よく土壌浄化処理を行うことができる。具体的には、図3の従来の浄化システム91を用いる場合、100mの汚染土壌の浄化を行うためには2年程度の処理時間が必要となる。これに対して、本実施の形態の浄化システム1を用いる場合、処理時間を半年未満に短縮することができる。さらに、従来システムのような活性炭の廃棄処理も不要となる。従って、図3の従来システムと比較して、浄化システム1のランニングコストを1/5程度に低減することができる。
(2)本実施の形態の浄化システム1では、廃棄物を出さずに汚染土壌E1を完全に無害化することができる。また、土壌浄化処理中にVOCが装置外部に漏れることがないクローズドシステムを構築することができ、VOCによる大気汚染の問題も生じることがない。
(3)本実施の形態の浄化システム1では、超音波10を利用して土壌浄化処理を効率よく行うことができることから、各装置3,5を小型化して車両8に搭載可能な可搬式システムを実現することができる。従って、浄化システム1を搭載した車両8を工場跡地などに移動させることにより、汚染土壌E1の原位置処理を行うことが可能となる。
(4)本実施の形態の浄化システム1では、固液分離装置4により洗浄水W1と土壌粒子とを分離して、土壌粒子を取り除いた洗浄水W1を超音波分解装置5の分解槽51に導入することができる。従って、超音波10が分解槽51内の洗浄水W1中に効率よく伝播してキャビテーションをより多く発生させることができ、VOCを確実に分解することができる。
(5)本実施の形態の浄化システム1では、固液分離装置4で分離された洗浄水W1を洗浄槽31に戻して再利用することにより、洗浄水W1中のVOC濃度を高めることができる。これにより、超音波照射によるVOCの分解を効率よく行うことができる。また、VOCの分解処理と並行して汚染土壌E1の洗浄処理を複数回行うことができるので、システム全体の処理効率を向上させることができる。つまり、分解処理に要する時間は洗浄処理に要する時間よりも長いため、洗浄処理を1回のみ行い分解処理が終わるまで洗浄処理を行わないとすると、超音波洗浄装置3の稼動効率が低下してしまう。しかしながら、本実施形態の浄化システム1では、分解処理の実施中でも繰り返し洗浄処理が行われるため、超音波洗浄装置3の稼動効率が向上し、結果的にシステム全体の処理効率の向上につながる。
(6)本実施の形態の浄化システム1では、分解槽51から排水槽6に排出された洗浄水W1を洗浄槽31に戻して洗浄水W1を再利用することにより、浄化システム1のランニングコストを低減することができる。特に、工場跡地などにおいて洗浄水W1を十分に確保できない場合でも、洗浄水W1を再利用することにより、汚染土壌E1の浄化処理を連続して行うことが可能となる。
(7)本実施の形態の超音波洗浄装置3では、超音波振動子33を洗浄槽31の底部の内面側ではなく外面側に設けているため、洗浄槽31の内面側における凹凸が少なくなり、洗浄水W1中に超音波10を均一に伝播させて土壌粒子を効率よく分散させることができる。
(8)本実施の形態の超音波分解装置5では、第1超音波振動子52及び第2超音波振動子53をいずれも分解槽51の内面側ではなく外面側に設けているため、分解槽51の内面側における凹凸が少なくなり、分解槽51内の洗浄水W1中に超音波10を均一に伝播させることができる。また、分解槽51内の洗浄水W1に向けて下方及び側方から直交するよう超音波10を照射することができ、超音波10の重ね合わせによる相乗効果を確実に得ることができる。具体的には、超音波10の単独照射ではキャビテーションが発生しなかった気泡核が、他の方向からの超音波照射によりキャビテーションの根源として利用される。従って、洗浄水W1中にキャビテーションをより多く発生させることができ、それらキャビテーションによって高温・高圧の反応場の領域が広くなるため、洗浄水W1に含まれるVOCを効率よく短時間で分解することができる。
(9)本実施の形態の超音波分解装置5では、分解槽51の一次処理室57内の洗浄水W1が撹拌機65を用いて撹拌されるので、洗浄水W1に含まれるVOCが均一化されてVOCとキャビテーションとの反応頻度が高くなることに加え、VOCの反応に起因する有効なキャビテーションが増加する。よって、洗浄水W1に含まれるVOCを効率よく短時間で分解することができる。また、例えば、撹拌機65の代わりに一次処理室57内の洗浄水W1を循環させる循環ポンプを設けた場合でも、洗浄水W1に含まれるVOCを効率よく短時間で分解することができる。
(10)本実施の形態の超音波分解装置5では、分解槽51内の洗浄水W1に向けて下方及び側方から500kHzの超音波10を同時照射するよう構成したので、超音波10の多重化による相乗効果が増し、VOCの分解効率を高めることができる。また、第1超音波振動子52及び第2超音波振動子53の発振回路54を共通化することができ、装置コストも抑えることができる。
(11)本実施の形態の超音波分解装置5では、分解槽51内を仕切って上下に区画する仕切り板56を設け、その下側の領域を二次処理室58として用い、その上側の領域を一次処理室57として用いている。そして、主に一次処理室57内において超音波照射によるVOCの分解反応を促進させるとともに、併せて二次処理室58内においても洗浄水W1に超音波10を照射することにより、残存するVOCを分解することができ、処理効率を向上させることができる。
(12)本実施の形態の超音波分解装置5では、洗浄水W1が一次処理室57内での超音波処理により脱気された後に二次処理室58内に供給されるので、分解槽51の下方から照射される超音波10を一次処理室57内の洗浄水W1に効率よく伝播させることができる。
(13)本実施の形態の超音波分解装置5では、一次処理室57及び二次処理室58を連通する移送用配管62が分解槽51の外部に設けられている。この場合、その移送用配管62を分解槽51の内部に設ける場合と比較して、配管62が超音波10の伝播に障害にならないため、反応効率の高い好適な音場を形成しやすくなる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態の浄化システム1では、超音波洗浄装置3と超音波分解装置5とを接続する供給用配管40の途中に、洗浄水W1と土壌粒子とを分離する固液分離装置4を備えるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、図2に示すように、固液分離装置4を省略した浄化システム81として具体化してもよい。すなわち、この浄化システム81では、超音波洗浄装置3と超音波分解装置5とが供給用配管40を介して接続されており、その供給用配管40の途中には供給ポンプ43が設けられている。また、超音波洗浄装置3の洗浄槽31内において供給用配管40の始端となる位置に、洗浄水W1を濾過するための濾過体82が設けられている。そして、供給ポンプ43を駆動することにより、洗浄槽31内の洗浄水W1が濾過体82を通して供給用配管40に流入する。その際、濾過体82で洗浄水W1中の土壌粒子が除去され、その洗浄水W1が供給用配管40を通して超音波分解装置5に供給される。このようにしても、土壌粒子を取り除いた洗浄水W1を超音波分解装置5の分解槽51に導入することができる。従って、分解槽51内の洗浄水W1中に超音波10が効率よく伝播してキャビテーションをより多く発生させることができ、VOCを確実に分解することができる。
さらに、超音波洗浄装置3の洗浄槽31には、底面の超音波振動子33に加えて、側面にも超音波振動子35が設けられている。従って、洗浄槽31内の泥水に向けて下方及び側方から直交するよう超音波10が照射され、音場が多重化されることで汚染土壌E1が効率よく洗浄される。
このように浄化システム81を構成しても、上記実施の形態と同様に、特殊な薬剤などの添加物を用いることなく、汚染土壌E1から抽出したVOCを無害化することができ、洗浄した汚染土壌を再利用することができる。また、この浄化システム81でも、土壌粒子の洗浄処理とVOCの分解処理とでそれぞれの処理に適した周波数の超音波10を照射することができるので、短時間で効率よく土壌浄化処理を行うことができる。
・上記実施の形態の浄化システム1において、排水槽6を省略し、分解槽51から排出された洗浄水W1を洗浄槽31に戻すよう構成してもよい。勿論、分解槽51から排出された洗浄水W1を下水道に排水するよう構成してもよい。また、洗浄水W1を洗浄槽31に戻すための循環用配管47,68や流路切替用バルブ46,70を省略してもよい。
・上記実施の形態の超音波分解装置5では、分解槽51の底面及び側面に第1及び第2超音波振動子52,53を設け、下方及び側方から直交するよう超音波10を照射するものであったが、この構成に限定されるものではない。具体的には、例えば、分解槽51の底部に、対向する第1及び第2の傾斜面(テーパ面)を形成し、その第1の傾斜面外側に第1超音波振動子52を設け、第2の傾斜面外側に第2超音波振動子53を設ける。このように構成しても、分解槽51内の洗浄水W1に向けて超音波10を複数方向から照射することができ、各超音波10の重ね合わせによる相乗効果を得ることができる。
・上記実施の形態の超音波分解装置5では、分解槽51を仕切り板56により一次処理室57及び二次処理室58に区画し、一次処理室57内及び二次処理室58内で洗浄水W1のVOCを分解するよう構成したが、これに限定されるものではない。例えば、仕切り板56より上側の領域のみをVOCを分解する処理室として利用してもよい。なおこの場合、仕切り板56より下側の領域には、超音波10の伝播効率を高めるために脱気した水を充填する。勿論。仕切り板56により2つの処理室57,58に区画する必要はなく、仕切り板56を設けない分解槽51としてもよい。
・上記実施の形態の超音波分解装置5では、水平に設けられた仕切り板56によって分解槽51内を上下に区画していたが、垂直に設けられた仕切り板56によって分解槽51内を左右に区画してもよい。
・上記実施の形態の超音波分解装置5では、第1及び第2超音波振動子52,53から500kHzの超音波10を照射する構成であったが、この周波数に限定するものではない。具体的には、例えば、400kHz〜500kHzの周波数域であれば、第1及び第2超音波振動子52,53から異なる周波数の超音波10を照射しても、十分な分解効率を得ることができる。また、200kHzや600kHzの周波数を照射する場合でも、400kHz〜500kHzの場合よりも分解効率は多少劣るが、単独照射の場合よりも相乗効果を得ることができる。従って、200kHz〜600kHzの周波数域の超音波10を第1及び第2超音波振動子52,53から照射するよう構成してもよい。
・上記実施の形態の超音波洗浄装置3では、超音波振動子33から20kHzの超音波10を照射するものであったが、この周波数に限定されるものではない。例えば、汚染土壌E1の粒子サイズに応じて、この超音波10の周波数は適宜変更することができる。ただし、超音波10の周波数は、高すぎると洗浄効率が低下するため、100kHz未満とするのが好ましい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記各装置が車両に搭載されることを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム。
(2)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記分解装置は、前記洗浄水に向けて第1の方向から超音波を照射する第1超音波振動子と、前記第1の方向からの超音波に重なるようにその第1の方向とは異なる第2の方向から前記洗浄水に向けて超音波を照射する第2超音波振動子とを有することを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム。
(3)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記分解槽内を前記第1超音波振動子から遠い一次処理室と前記第1超音波振動子から近い二次処理室とに区画する仕切り部材と、一次処理室及び二次処理室を連通させる通路とを備え、前記一次処理室内には、超音波照射により分解されるべき被処理液体が最初に供給可能であり、前記二次処理室内には、前記一次処理室を通過した前記被処理液体が前記通路を介して供給可能であることを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム。
本発明を具体化した一実施の形態の汚染土壌の浄化システムを示す概略構成図。 別の実施形態の汚染土壌の浄化システムを示す概略構成図。 従来の汚染土壌の浄化システムを示す概略構成図。
符号の説明
1…揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム
3…超音波洗浄装置
4…固液分離装置
5…超音波分解装置
10…超音波
31…洗浄槽
40…供給通路としての供給用配管
47,68…通路としての循環用配管
51…分解槽
69…液体圧送手段としてのポンプ
E1…汚染土壌
W1…洗浄水

Claims (2)

  1. 揮発性有機化合物を含む汚染土壌と洗浄水との混合物を入れる洗浄槽を有し、前記混合物中に100kHz未満の超音波を照射して汚染土壌を洗浄することにより、汚染土壌側から洗浄水側に揮発性有機化合物を抽出する超音波洗浄装置と、
    前記超音波洗浄装置から排出される洗浄水を入れる分解槽を有し、前記洗浄水中に100kHz以上の超音波を照射することにより、揮発性有機化合物を分解して無害化する超音波分解装置と
    前記超音波洗浄装置から前記超音波分解装置に洗浄水を供給する供給通路の途中に設けられ、前記洗浄水に含まれる土壌粒子と洗浄水とを分離する濾過体通過方式の固液分離装置と、
    前記固液分離装置の下流側にて前記供給通路から分岐し、前記固液分離装置で分離された洗浄水を前記洗浄槽に戻すための通路と、
    前記供給通路において前記固液分離装置の上流側に設けられた液体圧送手段と、
    前記供給通路上において前記通路が分岐する位置に設けられ、前記洗浄水の流路を超音波洗浄装置側または超音波分解装置側に切り替える流路切替用バルブと、
    前記液体圧送手段及び前記流路切替用バルブを制御する制御装置と
    を備え、前記制御装置は、予め設定した複数回分だけ洗浄処理及び固液分離を行った後、前記流路切替用バルブにより前記洗浄水の流路を前記超音波分解装置側に切り替えて前記洗浄水を前記超音波分解装置側に供給するように制御する
    ことを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム。
  2. 請求項1に記載のシステムを用いた浄化方法であって、
    発性有機化合物を含む汚染土壌と洗浄水との混合物中に100kHz未満の超音波を照射して汚染土壌を洗浄することにより、汚染土壌側から洗浄水側に揮発性有機化合物を抽出する洗浄工程と、
    前記洗浄工程にて排出される前記洗浄水に含まれる土壌粒子と洗浄水とを分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程にて分離された洗浄水の少なくとも一部を前記洗浄工程にて再利用することにより、前記洗浄水に含まれる揮発性有機化合物の濃度を高める濃縮工程と、
    前記揮発性有機化合物が濃縮された洗浄水中に100kHz以上の超音波を照射することにより、揮発性有機化合物を分解して無害化する分解工程と
    を含むことを特徴とする揮発性有機化合物汚染土壌の浄化方法。
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