JP2005270857A - 水溶液中の分解対象化合物の超音波分解方法および水溶液中の分解対象化合物の超音波分解装置 - Google Patents

水溶液中の分解対象化合物の超音波分解方法および水溶液中の分解対象化合物の超音波分解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エアリフト方式を用いた超音波反応にさいして、エアリフトのために用いる吹込用ガス(例えば空気)に微量のオゾンを含有させることにより水溶液中に含まれている分解対象化合物の分解率を驚異的に向上させる。
【解決手段】 気泡塔1の上層部分と下層部分は仕切らないが中間層部分を仕切っている仕切板3を設けた気泡塔内に、仕切板を越える高さまで分解対象化合物を含有する水溶液を充填し、仕切板で隔てられた一方の側の気泡塔の底部から(イ)オゾン含有ガス、または(ロ)オゾンとガスを別々に、吹込み、仕切板で隔てられた他方の側の気泡塔の底部から超音波を上方に向けて発射し、オゾン含有ガスの吹込みによる働きで水溶液をオゾン含有ガス吹込み側は上昇流とさせ、超音波照射側は下降流とさせることにより、仕切板を境にして水溶液を循環させながら分解対象化合物を分解させることを特徴とする水溶液中の分解対象化合物の分解方法および分解対象化合物の超音波分解装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水溶液中の分解対象化合物の処理に適した超音波分解方法と分解装置に関する。
本発明者らは、非特許文献1〜3により、通気管(ドラフトチューブ)付き気泡塔の底部に超音波振動子を取り付けたエアリフト式(空気吹込式)超音波反応器を提案した。そして、ここでは反応場に液の流れを与えることが装置全体としての反応効率の向上に寄与することを報告した。また、非特許文献4では、その液の流れをエアリフト(空気吹込)で与えることができ、これを排水中の難分解性物質の分解に応用することを提案している。しかしながら、その分解率はいまだ充分満足できるものではなかった。
JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN Vol.31,No.5(1998)、p765〜770 JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN Vol.32,No.3(1999)、p347〜349 JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN Vol.33,No.3(2000)、p379〜385 化学工学論文集、第27巻、第4号(2001)、p449〜453
本発明の目的は、エアリフト方式を用いた超音波反応にさいして、エアリフトのために用いる吹込用ガス(例えば空気)に微量のオゾンを含有させることにより水溶液中に含まれている分解対象化合物、例えばダイオキシンのような難分解性化合物の分解率を驚異的に向上させる点にある。
本発明の第1は、気泡塔の上層部分と下層部分は仕切らないが中間層部分を仕切っている仕切板を設けた気泡塔内に、仕切板を越える高さまで分解対象化合物を含有する水溶液を充填し、仕切板で隔てられた一方の側の気泡塔の底部から(イ)オゾン含有ガス、または(ロ)オゾンとガスを別々に、吹込み、仕切板で隔てられた他方の側の気泡塔の底部から超音波を上方に向けて発射し、オゾン含有ガスの吹込みによる働きで水溶液をオゾン含有ガス吹込み側は上昇流とさせ、超音波照射側は下降流とさせることにより、仕切板を境にして水溶液を循環させながら分解対象化合物を分解させることを特徴とする水溶液中の分解対象化合物の超音波分解方法に関する。
本発明の第2は、
(1)分解対象化合物を含有する水溶液が処理できる気泡塔、
(2)水溶液の上層部分と下層部分は仕切らないが中間層部分を仕切っている仕切板、
(3)仕切板を隔てた一方の側の気泡塔の底部に設けられたガス吹込み手段、
(4)仕切板を隔てた他方の側の気泡塔の底部に設けられた超音波振動子、
および
(5)(i)前記ガス吹込み手段に供給されるガス中にオゾンを配合するためのオゾン配合手段または(ii)オゾン吹込み手段
よりなることを特徴とする水溶液中の分解対象化合物の超音波分解装置に関する。
ガス中に含有させるオゾンは、超音波による分解性能を促進する機能8l;.pを有しており、その量は、通常30〜10,000ppm、好ましくは100〜1,000ppm、とくに好ましくは100〜500ppmである。なお、染料含有排水では、染料の分解がオゾンによる分解が中心になるので、このような場合にはオゾン濃度が高いほど分解性能が向上するが、塩素含有有機物を超音波キャビテーションによって分解するような場合には、オゾンは単に助剤的な役割にすぎないので、それほどの濃度は必要としない。
本発明におけるガスは、代表的には空気であるが、オゾンを前記の程度の濃度で含有することができるものであれば、どんなガスでも反応ガスとして利用することができる。
本発明における気泡塔の横断面は、四角形(例えば矩形)、円形など任意の形状を取ることができるが、仕切板の設定のしやすさ、スケールアップの容易性などの点から矩形がもっとも好ましい(図1参照)。横断面が四角形の場合は、仕切板は平板状であるが、円形の場合には仕切板は平板状でもよいが、円状(同心円形でも偏心円形でもよい)のものとすることもできる。
気泡塔は、金属製、樹脂製、コンクリート製などとくに制限するものではない。
ガス吹込側と超音波処理側とは、仕切板で隔てられていることが重要である。もし超音波振動子のある側にガスを吹込むと、気泡の気液界面で超音波が散乱、反射し、分解対象化合物、例えば難分解性化合物の分解率は著しく低下する。
仕切板の役割は、装置内に気泡が多く存在する領域と気泡がほとんど存在しない領域を作ることである。この結果、装置内に気液混相の低密度部分と高密度部分が生まれ、この密度差を水溶液の推進力として水溶液の循環流が発生する。当然気泡の多い領域が上昇流(ライザ)となり、気泡のほとんどない領域が下降流(ダウンカマ)となり、水溶液が仕切板を介して循環することになる。ガスを吹込んで気泡の多い領域をつくり、この領域に上昇流を形成することを化学工学分野ではエアリフト(air lift)と称している。このような循環流を形成する上でも、仕切板は液の上下がそれぞれ開口していることが必要である。
図1において、エアリフト気泡塔内の水溶液の高さをL、仕切板の上下方向の長さをL、エアリフト気泡塔底部と仕切板下端との間の距離(下端開放部高さ)をL、エアリフト気泡塔内の液面と仕切板上端との間の距離(上部開放部高さ)をLとすると、当然これらの間には
=L−(L+L
の関係があるが、液循環流の制御には、LおよびLが非常に重要であり、Lはダウンカマ(下降部)の幅Wの1/2〜1倍、Lは塔幅Wの1/2〜2倍(とくに好ましくは塔幅程度)とすることが好ましい。水溶液量や設定条件によってLが変化しても、LやLは前述の要領で決めることができる。
また、超音波は直進性が強いので、本発明のように気泡塔の底部に超音波振動子を設置した場合には、その垂直上部が反応場となる。そしてこの部分の液速度を高めると非特許文献2で述べたとおり超音波分解性能は高くなる。したがって、超音波振動子を設置した側(ダウンカマ)の幅を狭くすることによって、液速度を高めると分解性能の向上につながる。
実際の設計では、ダウンカマ側の幅(W)を入手可能な超音波振動子の幅とほぼ同一ものとし、それに応じてライザ側の幅(W)を決めることになる。通常、ライザ側の幅をダウンカマ側の幅の1〜5倍、好ましくは2〜4倍程度とする。当然全体の幅Wとの関係は、
W=W+W
であり、その装置の概略は図1に示すとおりである。なお、奥行きW′はダウンカマ幅(W)やライザ幅(W)に何の影響も及ぼさない。
ガス(オゾンを含む)の流量は、塔が四角形の場合、塔の断面積(W×W′)によって変化する。したがって
ガスの空塔速度=ガスの流量÷塔の断面積
で定義することができる。ガス流量は、反応に大きく関係する溶存ガス濃度を維持できるだけの量を確保できるものであるとともに、液を充分循環させるに足りる量であることも必要である。
空塔速度が高いほど液循環流量は増大するが、液循環量が高すぎるとダウンカマ側への同伴気泡量が多くなり、超音波を散乱するので分解性能が低下する。これらの点を考慮すると空塔速度は好ましくは1〜50mm/s、とくに好ましくは3〜15mm/sとなる。
ガスの吹込みにより発生する気泡が小さいほどオゾンの溶解効率は向上するが、本発明では排水処理などで用いられるガス分散器でも充分目的を達成することができる。
ガスとオゾンの配合は、吹出し前の段階で混合しておいてもよいが、それぞれ別々の吹込み手段(分散器)を用いて別個に吹出してもよい。
超音波を液中に照射すると音圧分布を生じ、音圧の低い部分で微細気泡〔液中溶存ガスの析出によるものであり、キャビテーション(Cavitation)と呼ばれる〕が圧壊される際に、5000℃以上、1000atm以上とも言われる反応場が形成され、この高温、高圧による熱分解と、この反応場で発生するOHラジカルによる分解が本発明の超音波分解の主反応である。本発明の分解対象化合物の分解には100〜1000kHzとくに300〜700kHz、とりわけ500kHz前後の周波数をもつ超音波が適している。数1000kHzといったような高い周波数の場合にはキャビテーション発生よりも超音波霧化が生ずる。
液循環流の速度は、ガス吹込みの結果であり、ダウンカマ側やライザ側の塔断面積によって異なってくるので一概には言えないが、超音波振動子の直上では実験上0.03〜0.20m/s程度の値を示している。
前記超音波振動子の直上とは、超音波振動子から数cm〜20cmの部分を指す。ちなみに、超音波による音圧の強度分布を計算してみると、この位の位置で音圧が最大になっており、この領域が反応に最も寄与している領域と推定される。
本発明における分解対象化合物は、とくに限定するものではないが、環境汚染を引き起こすような有機化合物、とりわけ通常の空気酸化法や活性汚泥などによる生物的処理法では分解目的を達成できないような難分解性化合物を意味している。具体的には、除草剤、殺虫剤などのような塩素含有有機物(内分泌撹乱物質、通称環境ホルモンと呼ばれる)に加えて、種々の難分解性有機化合物(例えば染料など)を挙げることができる。
具体的な化合物としては、トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ダイオキシンおよび下記構造式のテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸(TPPS)
Figure 2005270857
などを挙げることができる。
これらの物質は、通常排液中にppmのオーダで含有されており、本発明は、これらの化合物の分解に威力を発揮する。
仕切板は、塔底部が開放されていることもあり、ガス吹込み手段は仕切板からできるだけ離れた位置に設けることが好ましい。
本発明は、エアリフト気泡塔を用いた超音波反応により水溶液中の分解対象化合物、とりわけ難分解性化合物の分解を、エアリフトのためのガス中にオゾンを混在させることにより、反応効率すなわち分解率を大幅に向上させることができた。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
実施例1
装置(図1に示す)は塩化ビニル樹脂製の矩形槽を用い、塔内に仕切板を挿入した。ライザ底部にガス分散器を、ダウンカマ底部に超音波振動子(超音波周波数500kHz)を設置した。試料にはテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸(TPPS)の水溶液を用いた。塔断面積基準のガス空塔速度Uおよびおよびライザ幅と塔幅の比W/Wを変化させた。流動特性として、振動子直上の液速度V、液循環流量、ガスホールドアップおよび液混合時間を測定した。また、超音波を5時間照射した後のテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸〔東京化成工業(株)、以下TPPSと略す〕の分解率Xを測定した。
ガス空塔速度は、設定条件で塔に入る前の配管に取付けたガス流量計(ロータメータ)で測定した(図示されていない)。一方、液循環流量は、仕切板下端部に電磁流速計のプローブを取付け、その位置の液速度を測定し、その液速度にその測定箇所の断面積を乗じて算出したものである。
装置の具体的大きさや実験条件は下記のとおりである。
気泡塔:320mm(幅)×120mm(奥行き)×1,000mm(高さ)
仕切板:10mm(厚さ)×120mm(奥行き)×600mm(高さ)
下方の開口部:40mm
上方の開口部:50mm
ライザ幅:80、160、240mm
空気の空塔速度:1.5−14mm/s
超音波振動子:〔PZT、本多電子(株)〕、500kHz、100W
被分解物質:テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸
3.3×10−3mol・m−3(濃度)
オゾン:240ppm(濃度)、0.043mm/s(空塔速度)
まず、超音波エアリフト気泡塔(図1に示す装置)におけるTPPSの分解率に及ぼす装置および操作条件について検討した。図2に、超音波振動子直上の液速度および分解率に及ぼすガス空塔速度を示す。ガス速度が高くなるにつれて、振動子直上の液速度、TPPSの分解率ともに高くなる。これは、超音波反応場への被分解物の供給が促進されるためである。
図3に、超音波振動子直上の液速度およびTPPSの分解率に及ぼすライザ幅と塔幅の比の影響を示す。ライザ幅が広くなるにつれて、振動子直上の液速度、TPPSの分解率ともに高くなる。
以上の結果を用いて、TPPSの分解率を振動子直上の液速度に対してプロットした(図4)。このプロットから、超音波振動子直上の液速度が高くなるほど、分解率が増大することがわかる。
つぎに、ガス中にオゾンを少量(約200ppm)加えて分解実験を行った。表1に超音波照射のみの場合の分解率Xに対する超音波エアリフト気泡塔およびオゾン含有空気を用いた場合の分解率の比X/Xを示す。この結果から、エアリフトによって液循環を作ることや、さらにガス中に少量のオゾンを含有させることによって分解率が増大することがわかる。
Figure 2005270857
以上のことから、つぎのことが明確となった。
(1)エアリフトにより液に対して、ガスとオゾンを混合することは超音波分解促進に極めて有効であり、とくに超音波振動子直上における液速度を増大させる装置構造が重要である。
(2)超音波分解性能の増加率は、空気のみのエアリフトの場合は14%であるのに対し、わずかな量のオゾンを含有した空気のエアリフトの場合は66%となる。
実施例2
図5に示す実験装置を用いた。
エアリフト気泡塔は幅320mm、奥行き120mm、高さ1000mmの透明塩化ビニル樹脂製の矩形槽とした。塔内に奥行き120mm、高さ600mm、厚さ10mmのアクリル樹脂製の仕切板を挿入した。
塔底部(ライザ側)に空気およびオゾン含有空気を吹込むために、棒状の焼結ガラス製分散器を2本、塔底部(ダウンカマ側)に径50mmの振動子を設置した。仕切板上端から液面までの距離を50mm、仕切板下端から塔底部までの距離を40mmとした。超音波照射装置は、発振器〔WAVE FACTORY 1941、(株)エヌエフ回路設計ブロック〕・パワーアンプ〔1040L、(株)ENI〕・振動子〔PZT、本田電子(株)〕からなる。振動子の周波数を500kHz、印加電力を100Wとした。オゾン含有空気のオゾン濃度を240ppm、塔断面積基準の空塔速度を0.043mm/sとした。
流動特性の測定では、ガスには空気、液には水道水を用いた。塔底部から高さ40mmと640mmの位置に静圧タップを設置し、2点間の静圧差からガスホールドアップを算出した。飽和食塩水をトレーサーとして、液の電気伝導度の経時変化から液混合時間を求めた。仕切板の直下で塔底部から25mmの位置に、3次元電磁流速計〔ACM300−A、アレック電子(株)〕のプローブを設置した。その液速度に、塔底面と仕切板下端の間の断面積を乗じて、液循環流量を算出した。振動子直上25mmの位置に流速計のプローブを設置して、振動子直上の液速度を測定した。
超音波分解実験では、被分解物質としてテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸〔東京化成工業(株)、TPPS〕を用い、3.3×10−3mol・m−3に調整したTPPS水溶液を試料とした。オゾン含有空気のオゾン濃度を240ppm、塔断面積基準の空塔速度を0.043mm/sとした。超音波照射時間を5時間とし、照射後のTPPS水溶液の濃度を紫外可視分光光度計〔UV−1600、(株)島津製作所〕で測定した。
分解率に及ぼすガス速度および仕切板位置の影響
まず、ガスに空気を用いて、分解率および流動特性について検討した。図6にTPPSの分解率に及ぼすガス空塔速度の影響を示す。ガス空塔速度が高くなるにつれて、TPPSの分解率は高くなる。
図7にTPPSの分解率に及ぼすライザ幅の影響を示す。W/W=0またはW/W=1のデータは、仕切板が無い場合の結果である。ライザ幅が大きくなるにつれて、TPPS分解率は高くなる。
分解率と各流動特性との相関
ここで、図6、7のTPPSの分解率を気泡塔の各流動特性に対してプロットしてみた。それを図8〜11に示す。図8〜11に、それぞれダウンカマにおけるガスホールドアップ、液循環流量、液混合時間の逆数および超音波振動子直上の液速度に対して分解率をプロットした。これらのプロットから、分解率と振動子直上の液速度について相関関係がみられる。したがって、振動子直上液速度を高くすることが分解率の向上に有効であることがわかる。
分散器の影響(オゾン分解)
図12にTPPS分解率に及ぼすガス空塔速度の影響を示す(実施例1;オゾンと空気の混合物に1つのガス分散器を用いた場合、実施例2;オゾン、空気にそれぞれに別々のガス分散器を用いた場合)。いずれのガス空塔速度においても実施例1の方が実施例2よりも分解率が低い。この結果より、実施例2において、オゾン含有気泡は空気気泡と完全に合一していないことがわかる。また、実施例2と実施例1における分解率の差はガス空塔速度が高くなるにつれて小さくなる。これは、ガス空塔速度が高いほど液乱れが生じ、オゾン含有気泡と空気気泡の合一が促進されるためであると考えられる。
実施例1の実験装置の概略図を示す。(a)は実験装置全体の側面断面図であり、(b)は気泡塔のみの水平部分の断面図である。 実施例1における超音波振動子直上の液速度およびテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率に及ぼすガス空塔速度の影響を示す図である。 実施例1における超音波振動子直上の液速度およびテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率に及ぼすライザ幅と塔幅の比の影響を示す図である。 実施例1におけるテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率を超音波振動子直上の液速度に対してプロットしたグラフである。 実施例2の実験装置の概略図を示す。 実施例2におけるテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率に及ぼすガス空塔速度の影響を示す図である。 テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率に及ぼすライザ幅の影響を示す図である。 テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率をエアリフト気泡塔のダウンカマ側におけるガスホールドアップに対してプロットした図である。 テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率をエアリフト気泡塔の液循環流量に対してプロットした図である。 テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率をエアリフト気泡塔の液混合時間の逆数に対してプロットした図である。 テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率をエアリフト気泡塔の超音波振動子直上の液速度に対してプロットした図である。 ガス吹込み方法の差異がテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率に及ぼす空塔速度の影響を示す図(オゾン含有ガスの空塔速度Uを一定にし、ガス室塔速度Uを変化させている)である。
符号の説明
1 エアリフト気泡塔
2 ガス(空気)分散器
3 仕切板
4 超音波振動子
5 空気ポンプ兼オゾン発生器
6 空気ポンプ
7 オゾン発生器
振動子直上の液速度
W 全体の幅
W′ 奥行き
ダウンカマ側の幅
ライザ側の幅
X テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸の分解率
ガス空塔速度
オゾン含有ガスの空塔速度
L エアリフト気泡塔内の水溶液の高さ
仕切板の上下方向の長さ
エアリフト気泡塔底部と仕切板下端との間の距離(下部開放部の上下寸法)
エアリフト気泡塔内の液面と仕切板上端との間の距離(上部開放部の上下寸法)

Claims (2)

  1. 気泡塔の上層部分と下層部分は仕切らないが中間層部分を仕切っている仕切板を設けた気泡塔内に、仕切板を越える高さまで分解対象化合物を含有する水溶液を充填し、仕切板で隔てられた一方の側の気泡塔の底部から(イ)オゾン含有ガス、または(ロ)オゾンとガスを別々に、吹込み、仕切板で隔てられた他方の側の気泡塔の底部から超音波を上方に向けて発射し、オゾン含有ガスの吹込みによる働きで水溶液をオゾン含有ガス吹込み側は上昇流とさせ、超音波照射側は下降流とさせることにより、仕切板を境にして水溶液を循環させながら分解対象化合物を分解させることを特徴とする水溶液中の分解対象化合物の超音波分解方法。
  2. (1)分解対象化合物を含有する水溶液が処理できる気泡塔、
    (2)水溶液の上層部分と下層部分は仕切らないが中間層部分を仕切っている仕切板、
    (3)仕切板を隔てた一方の側の気泡塔の底部に設けられたガス吹込み手段、
    (4)仕切板を隔てた他方の側の気泡塔の底部に設けられた超音波振動子、
    および
    (5)(i)前記ガス吹込み手段に供給されるガス中にオゾンを配合するためのオゾン配合手段または(ii)オゾン吹込み手段
    よりなることを特徴とする水溶液中の分解対象化合物の超音波分解装置。
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