JP2019084493A - 難分解性有機化合物の分解浄化方法 - Google Patents

難分解性有機化合物の分解浄化方法 Download PDF

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純 森川
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Abstract

【課題】 油分等の難分解性有機化合物からなる汚染物質で汚染されたシルトや粘土を主成分とする汚染土壌を効率的に分解浄化する。【解決手段】難分解性有機化合物からなる汚染物質で汚染され、シルトまたは粘土の少なくとも一方を主成分とする汚染土壌200を洗浄して、汚染物質を分解するために、汚染土壌200を解砕して泥水化する工程(S1−1〜S1−4)と、泥水化した汚染土壌200中に界面活性剤を添加して撹拌することにより、土粒子に付着した難分解性有機化合物を可溶化し、土粒子と難分解性有機化合物を含んだ汚染水相とに分離させる工程(S2)と、汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させる工程(S3−1〜S3−3)と、ヒドロキシルラジカルの作用により難分解性有機化合物を分解する工程(S4)とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、難分解性有機化合物の分解浄化方法に関するものであり、例えば、油分等の汚染物質で汚染されたシルトや粘土等を効率的に分解浄化するための方法に関するものである。
油分で汚染された汚染土壌を処理する方法として、一般的に、土壌洗浄工法や微生物分解処理工法が実施されている。シルトや粘土の含有量が多い土壌に対して土壌洗浄工法を適用した場合には、汚染のない礫や砂を回収することができるが、シルトや粘土に油分等の汚染物質が濃縮されるため、別途、汚染されたシルトや粘土の処理が必要となる。また、シルトや粘土の含有量が多い土壌では、微生物処理の条件となる好気性環境に保つことが困難であるため、微生物分解処理工法は適用対象外となる。
したがって、土壌洗浄工法や微生物分解処理工法は、油分等で汚染されたシルトや粘土の含有量が多い土壌に適用することができず、場外処分を実施したり、固化処理や不溶化処理を実施したり、熱処理や焼却処理を実施しているのが現状である。
近年、難分解性有機化合物を処理する方法として、ヒドロキシルラジカル処理が注目されている。ヒドロキシルラジカルにより難分解性有機化合物を処理する方法は、従来用いられていた塩素やオゾンと比較して高い酸化ポテンシャルを有するヒドロキシルラジカルを用いることにより、難分解性有機化合物を効果的に処理できるという利点がある。ヒドロキシラジカルまたはヒドロキシルラジカルにより有機物を処理する技術として、例えば、特許文献1、特許文献2に記載された技術がある。
特許文献1に記載された技術は、浄化対象ガスに含まれる有機物をヒドロキシラジカルによって分解する浄化装置に関する技術である。この浄化装置は、内部に貯留水を貯える貯水槽と、貯留水中に有機物を含む浄化対象ガスの微細な気泡を形成する気泡形成手段と、貯留水中にヒドロキシラジカルを生成するラジカル生成手段とを備えている。そして、気泡の周囲に生成されたヒドロキシラジカルにより、気泡内の有機物を分解するようになっている。このための装置として、貯留水中から離脱した浄化対象ガスを室内へ吹き出す吹出口と、室内のガスを冷却する冷却手段と、冷却手段が室内のガスを冷却する際に生成される凝縮水を貯水槽内へ導入する凝縮水導入手段とを備えている。
特許文献2に記載された技術は、過酸化水素を第一鉄イオンによって触媒的に分解した場合に生じるヒドロキシルラジカルと汚染物質とが化学反応すれば、無害な物質となることに着目した土壌浄化方法に関するものである。
特許第5870828号公報 特許第3192078号公報
ところで、油分等で汚染されたシルトや粘土を固化・不溶化する技術を適用して処理する場合に、固化・不溶化処理した残土を保管して管理する土地が別途必要となる。特に、我が国では残土の処分地を確保することが困難であるという現状がある。また、場外処分についても、最終処分場の残余容量が減少傾向にあり、汚染土壌発生現場の近くに最終処分場を確保することも難しい。このため、残土の輸送に係るコストが高価となり、処分費も高価となってしまう。
また、熱処理による汚染土壌の処理方法は、汚染土壌を加熱することで汚染土壌中の油分を酸化分解する処理法であるため、エネルギーコストが高く、環境負荷対策が大きな問題となる。
また、汚染土壌を焼却処分する処理方法は、汚染土壌をセメント原料として焼却処理する方法である。このため、汚染土壌の処理受入可能量はセメント需要に支配され、大量処理には適さないといった問題がある。
さらに、上述した各処理方法に共通する問題として、汚染土壌を場外搬出しなければならないため、汚染土壌を運搬する際に汚染物質が飛散するというリスクが常に生じてしまう。
なお、上述した各特許文献に記載された技術は、ヒドロキシラジカルやヒドロキシルラジカルにより有機物を処理する方法であるが、本発明の主要な特徴点である油分等の汚染物質で汚染されたシルトや粘土等を効率的に分解浄化するための技術については何ら開示されていない。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、油分等の難分解性有機化合物からなる汚染物質で汚染されたシルトや粘土を主成分とする汚染土壌を効率的に分解浄化することが可能な難分解性有機化合物の分解浄化方法を提供することを目的とする。
本発明に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法は、難分解性有機化合物からなる汚染物質で汚染され、シルトまたは粘土の少なくとも一方を主成分とする汚染土壌を洗浄して、汚染物質を分解するための方法である。
この難分解性有機化合物の分解浄化方法は、汚染土壌を解砕して泥水化する工程と、泥水化した汚染土壌中に界面活性剤を添加して撹拌することにより、土粒子に付着した難分解性有機化合物(例えば、油分)を可溶化し、土粒子と難分解性有機化合物を含んだ汚染水相とに分離させる工程と、汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させて、難分解性有機化合物を分解する工程とを含むことを特徴とするものである。
また、汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させるには、汚染水相を貯留する水槽内にプロペラを設置し、当該プロペラを回転させて生じるキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、汚染水相を貯留する水槽内に超音波発生装置を設置し、超音波の発生で生じるキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、汚染水相をオリフィスが設置された配管内に供給し、当該配管内を汚染水相が通過する際のキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、汚染水相を貯留する水槽内にマイクロバブル発生装置を設置し、当該マイクロバブル発生装置を駆動してキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、汚染水相中に過酸化水素及び鉄塩水溶液を添加して混合することによりフェントン反応を生じさせてヒドロキシルラジカルを発生させる工程のうちの少なくとも一つの工程を実施することが可能である。
また、汚染水相中に酸化チタン光触媒を設置して、酸化チタン光触媒の作用によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程を含ませることが可能である。
また、汚染土壌に付着した難分解性有機化合物を分解する工程の後処理工程として、脱水処理工程を実施し、脱水処理後の汚染土壌に対して微生物分解処理または天日乾燥処理の少なくとも一方を実施して、処理後の汚染土壌を一般残土として再利用することが好ましい。
また、脱水処理工程で発生した濾液を、汚染土壌を解砕して泥水化する工程において再利用することが好ましい。
本発明に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法によれば、難分解性有機化合物からなる汚染物質で汚染され、シルトまたは粘土の少なくとも一方を主成分とする汚染土壌を解砕して泥水化することにより、溶媒中に土粒子を一様に分散させることができる。さらに、界面活性剤の濃度がある一定以上になると、界面活性剤分子は、疎水基を内側に、親水基を外側(水のある側)に向けて集まり、難分解性有機化合物が親水基に囲まれ水に溶けるようになり、水と難分解性有機化合物である油分(水相)と土粒子に分離をすることができる。そして、汚染水相に対してヒドロキシルラジカルを作用させることにより、難分解性有機化合物(油分)の分解反応を促進させることができる。
これにより、油分等の難分解性有機化合物を分解して、汚染土壌を浄化することができる。本発明により分解浄化する難分解性有機化合物は、油分だけではなく、PCBsやDXNs等の有害物質であってもよい。
また、ヒドロキシルラジカルを発生させるための工程は、複数の工程の中から浄化対象となる汚染土壌の状態に対応した好ましい工程を選択して実施してもよいし、複数の工程を組み合わせて実施してもよいので、汚染土壌の状態に応じて確実にヒドロキシルラジカルを作用させることができ、適切かつ確実に汚染土壌を浄化することができる。
ここで、汚染水相中に酸化チタン光触媒材料を設置し、酸化チタン光触媒にUVランプで紫外線や日光を利用して紫外線を照射したり、超音波を利用したりしてヒドロキシルラジカルを発生させることにより、汚染水相に対して、さらに確実にヒドロキシルラジカルを作用させることができる。
また、浄化後の汚染土壌を脱水処理し、必要に応じて微生物分解処理や天日乾燥処理を施すことにより、処理後の汚染土壌を一般残土として有効に再利用することができる。
また、脱水処理により発生した濾液を、汚染土壌を解砕して泥水化する工程において再利用することにより、浄化処理に使用する水を有効に確保することができる。
本発明の実施形態に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法の工程図。 本発明の実施形態に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法に使用する装置構成図。 キャビテーション管の模式図。 界面活性剤の働きを説明する模式図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法を説明する。図1〜図4は本発明の実施形態に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法を説明するもので、図1は工程図、図2は装置構成図、図3はキャビテーション管の模式図、図4は界面活性剤の働きを説明する模式図である。
<難分解性有機化合物の分解浄化方法の概要>
本発明の実施形態に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法は、油分等で汚染された赤土のようなシルトや粘土が主体となる汚染土壌を対象にして、泥水化した汚染土壌に界面活性剤を添加して撹拌することにより、土粒子に付着した油分を可溶化させて土粒子と難分解性有機化合物を含んだ汚染水相とに分離し、当該汚染水相にヒドロキシルラジカルを作用させることにより、難分解性有機物の分解反応を促進させて浄化する方法である。難分解性有機物は油分に限られず、土壌に付着したPCBsやDXNs等の有害物質を分解して浄化することができる。
ヒドロキシルラジカルは、キャビテーション現象等により発生したマイクロバブル(微細気泡)の自己圧壊作用により生成される。すなわち、微細気泡は圧力変化による自己圧壊の際、局所的に高エネルギー状態となる。この際、水中では水の分解に伴いヒドロキシルラジカルが発生する。発生したヒドロキシルラジカルは、反応性が非常に高いため、汚染水相中に存在する有機物の分解を促進することができる。なお、本実施形態では、汚染水相に過酸化水素と鉄塩水溶液を添加して混合し、フェントン反応を起こすことによりヒドロキシルラジカルを発生させることもできる。
さらに汚染水相中に酸化チタン光触媒を設置して、酸化チタン光触媒の作用によりヒドロキシルラジカルを発生させることにより、さらに確実にヒドロキシルラジカルを作用させることができる。
<難分解性有機化合物の分解浄化方法の工程>
本発明の実施形態に係る難分解性有機化合物の分解浄化方法は、図1に示すように、泥水化工程(S1−1〜S1−4)、界面活性剤添加工程(S2)、ヒドロキシルラジカル発生工程(S3−1〜S3−3)、有機化合物分解工程(S4)に大別することができ、さらに、有機化合物分解工程の後処理として脱水処理工程(S5)、再利用工程(S6−1〜S6−2)を実施することが好ましい。以下、図1〜図4を参照して、各工程について説明する。
<泥水化工程>
泥水化工程は、シルトまたは粘土の少なくとも一方を主成分とする汚染土壌を解砕して泥水化する工程である。例えば、図1及び図2に示すように、掘削した汚染土壌200をバックホウ10のバケット等で解砕し(S1−1)、ベルトコンベア20を用いて、清水または海水等の液体を入れた撹拌水槽30に投入する(S1−2)。そして、撹拌水槽30中に設置した水中ポンプ90を駆動すると(S1−3)、水中ポンプ90のインペラー等によりシルトや粘土の塊が細かくすり潰され(S1−4)、泥水密度1.02〜1.4程度の泥水状となる。なお、汚染土壌を解砕して泥土状とした場合には、泥土密度の上限値は1.7程度となる。
泥水化工程で使用する水中ポンプ90は、例えば、水中撹拌ポンプや曝気撹拌用のエジェクターポンプ、船舶のスクリューのような回転翼を回転させる縦型や横型の水中ミキサー等を用いることができる。
この泥水化工程(S1−1〜S1−4)を実施するとともに、次の界面活性剤添加工程(S2)を実施することにより汚染土壌200が難分解性有機化合物を含む汚染水相と土粒子に分離し、汚染水相に対してヒドロキシルラジカルが確実に作用し、有機化合物分解工程において、汚染物質の分解を促進させることができる。
<界面活性剤添加工程>
界面活性剤添加工程では、泥水化した汚染土壌中に界面活性剤を添加して撹拌することにより、土粒子に付着した難分解性有機化合物(油分)を可溶化し、土粒子と難分解性有機化合物を含んだ汚染水相とに分離させる(S2)。図4に示すように、界面活性剤は、ひとつの分子の中に、油分となじみやすい部分(疎水基)と水になじみやすい部分(親水基)の両方を持っている。そのため、疎水基は油分と結びつき、親水基は水と結びつこうとする。そして、界面活性剤濃度がある一定以上になった時、界面活性剤分子は、疎水基を内側に、親水基を外側(水のある側)に向けて集まる。これにより、油分が親水基に囲まれ水に溶けるようになり、泥水化した汚染土壌は、水と油分を含む汚染水相と土粒子に分離をする。なお、界面活性剤は、界面活性剤タンク80に貯留してあり、必要量が撹拌水槽30に投入される。図4では、界面活性剤の働きとして、表面張力低下作用、乳化作用、分散作用を模式的に示している。
<ヒドロキシルラジカル発生工程>
ヒドロキシルラジカル発生工程は、汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させる工程である。ヒドロキシルラジカル発生工程では、界面活性剤の添加により分離した土粒子と難分解性有機化合物を含んだ汚染水相を貯留水槽40に移送し(S3−1)、貯留水槽40内にマイクロバブルを供給する等して、汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させる(S3−2)。マイクロバブルを発生させるには、以下に示すいずれかの工程((1)〜(5))を単独で、あるいは適宜組み合わせて実施する。この際、液体(溶媒)として海水を使用すると、海水中の塩素イオンが塩素ラジカルを発生させるため、油分等の有機物の酸化分解を促進する効果も期待することができる。なお、貯留水槽40には、薬物添加装置100により過酸化水素や鉄塩水溶液等の薬材を供給することができる。
さらに、汚染水相中に酸化チタン光触媒130を設置する。そして、酸化チタン光触媒130に、UVランプ140を用いて紫外線を照射したり、日光を利用して紫外線を照射したり、超音波を作用させたりすることにより、ヒドロキシルラジカルを発生させる。(S3−3)。
<工程(1)>
汚染水相を貯留する水槽(貯留水槽40)内に、積極的にキャビテーション現象を生じさせるスーパーキャビテーションプロペラ(図示せず)を設置し、スーパーキャビテーションプロペラを稼働することにより、キャビテーション現象を生じさせる。そして、キャビテーション現象により発生したマイクロバブル(微細気泡)の自己圧壊作用によりヒドロキシルラジカルを発生させる。
<工程(2)>
汚染水相を貯留する水槽(貯留水槽40)内に、超音波発生装置(図示せず)を設置し、超音波を発生させてキャビテーション現象を生じさせる。そして、キャビテーション現象により発生したマイクロバブル(微細気泡)の自己圧壊作用によりヒドロキシルラジカルを発生させる。
<工程(3)>
図2及び図3に示すように、汚染水相を水中サンドミキサー110で吸引し、オリフィス51を設置した配管(キャビテーション管50)内に供給してオリフィス51の背面に発生する負圧によりキャビテーション現象を生じさせる。そして、キャビテーション現象により発生したマイクロバブル(微細気泡)の自己圧壊作用によりヒドロキシルラジカルを発生させる。
<工程(4)>
汚染水相中にマイクロバブルを供給する。マイクロバブルを供給するには、マイクロバブルを発生させた清水または海水を汚染水相中に添加する方法や、図2に示すように、汚染水相中にマイクロバブル発生装置60を設置して、マイクロバブル発生装置60を作動させる方法を用いることができる。そして、供給したマイクロバブル(微細気泡)の自己圧壊作用によりヒドロキシルラジカルを発生させる。また、図2に示すように、マイクロバブルを内包した汚染水相を水中サンドポンプ120で吸引し、当該水中サンドポンプ120内でメカニカルキャビテーション現象を発生させることで、ヒドロキシルラジカルの発生量を増やす追加対策も併せて実施することが可能である。
<工程(5)>
汚染水相中に過酸化水素と鉄塩水溶液を添加して混合し、フェントン反応を起こすことで、汚染泥水中にヒドロキシルラジカルを供給する。過酸化水素と鉄塩水溶液は、例えば図2に示すように、薬材添加装置100を用いて添加する。
<有機化合物分解工程>
有機化合物分解工程(S4)は、ヒドロキシルラジカルの作用により汚染水相中に存在する難分解性有機化合物を分解する工程である。ヒドロキシルラジカルにより難分解性有機化合物を処理する方法は、従来用いられていた塩素やオゾンと比較して高い酸化ポテンシャルを有するヒドロキシルラジカルを用いることに特徴があり、難分解性有機化合物を効果的に処理することができる。
<脱水処理工程>
脱水処理工程(S5)は、有機化合物分解工程(S4)の後処理工程として実施する工程である。脱水方法としては、例えば図2に示すように、スクリューデカンタ70を用いて脱水する方法、フィルタープレス(図示せず)を用いて脱水する方法、重力沈降を利用して土粒子を沈め、上澄みを除去する方法等を用いることができる。これらの方法のうちのいずれか一つの方法により脱水を行ってもよいし、複数の方法を適宜組み合わせて脱水を行ってもよい。
脱水処理工程が終了した処理土(汚染土壌200)は、その後、微生物分解処理もしくは天日乾燥等の後処理(S6−1)を経て、現場内に埋め戻したり、一般残土として再利用したりする(S6−2)。また、脱水処理工程(S5)により生じた濾液は、泥水化工程において再利用する。
<難分解性有機化合物の分解浄化装置>
図2及び図3を参照して、上述した難分解性有機化合物の分解浄化方法を実施するための装置について説明する。難分解性有機化合物の分解浄化装置は、図2に示すように、主要な構成要素として、発生した汚染土壌200を解砕するバックホウ10と、解砕した汚染土壌200を撹拌水槽30に搬送するためのベルトコンベア20と、内部に水中ポンプ90を設置した撹拌水槽30と、攪拌水槽30内に界面活性剤を添加するための界面活性剤タンク80と、撹拌水槽30と連通して設けた貯留水槽40と、貯留水槽40内に設けたキャビテーション管50及びマイクロバブル発生装置60と、貯留水槽40内に過酸化水素や鉄塩水溶液等の薬材を供給する薬材添加装置100と、浄化後の泥水を脱水するための脱水装置(例えば、スクリューデカンタ70)と、脱水後の泥土及び濾液をそれぞれ貯蔵する泥土タンク300及び濾液タンク400とを備えている。
さらに、撹拌水槽30内には、ヒドロキシルラジカルを発生させるための酸化チタン光触媒130及びUVランプ140が設置されている。UVランプ140は、酸化チタン光触媒130に紫外線を照射するための装置であるが、日光により紫外線を照射してもよいし、超音波を作用させてもよい。
撹拌水槽30に設置する水中ポンプ90の数は限定されるものではなく、撹拌水槽30の容量、汚染土壌200の性状等に応じて適宜の数を設置することができる。また、キャビテーション管50及びマイクロバブル発生装置60には、汚染水相を供給するための水中サンドミキサー110が連通接続してある。さらに、キャビテーション管50の出口側近傍には、汚染水相を撹拌するための水中サンドポンプ120を設置してある。
キャビテーション管50は、図3に示すように、パイプ内に複数のオリフィス51を設置することにより構成されている。オリフィス51の設置部分において、流速が変化することにより、キャビテーション現象が生じる。なお、オリフィス51の数は限定されるものではなく、汚染土壌200の性状等に応じて適宜の数を設置することができる。
なお、難分解性有機化合物の分解浄化装置は、図2に示す構成に限定されるものではなく、浄化対象となる汚染土壌200の性状や量、装置を設置する環境等に合わせて、他の装置を付加してもよいし、必要な装置のみの構成としてもよい。また、図2に示す構成では、上述したマイクロバブル発生工程に使用するすべての装置を図示していないが、図示した装置以外の装置を付加してもよいし、図示した装置を他の装置に置換してもよい。
10 バックホウ
20 ベルトコンベア
30 撹拌水槽
40 貯留水槽
50 キャビテーション管
51 オリフィス
60 マイクロバブル発生装置
70 スクリューデカンタ
80 界面活性剤タンク
90 水中ポンプ
100 薬物添加装置
110 水中サンドミキサー
120 水中サンドポンプ
130 酸化チタン光触媒
140 UVランプ
200 汚染土壌
300 泥土タンク
400 濾液タンク

Claims (5)

  1. 難分解性有機化合物からなる汚染物質で汚染され、シルトまたは粘土の少なくとも一方を主成分とする汚染土壌を洗浄して、前記汚染物質を分解するための方法であって、
    前記汚染土壌を解砕して泥水化する工程と、
    前記泥水化した汚染土壌中に界面活性剤を添加して撹拌することにより、土粒子に付着した難分解性有機化合物を可溶化し、土粒子と難分解性有機化合物を含んだ汚染水相とに分離させる工程と、
    前記汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させて、難分解性有機化合物を分解する工程と、
    を含むことを特徴とする難分解性有機化合物の分解浄化方法。
  2. 前記汚染水相中にヒドロキシルラジカルを発生させるには、
    前記汚染水相を貯留する水槽内にプロペラを設置し、当該プロペラを回転させて生じるキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、前記汚染水相を貯留する水槽内に超音波発生装置を設置し、超音波の発生で生じるキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、前記汚染水相をオリフィスが設置された配管内に供給し、当該配管内を汚染水相が通過する際のキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、前記汚染水相を貯留する水槽内にマイクロバブル発生装置を設置し、当該マイクロバブル発生装置を駆動してキャビテーション現象によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程、前記汚染水相中に過酸化水素及び鉄塩水溶液を添加して混合することによりフェントン反応を生じさせてヒドロキシルラジカルを発生させる工程のうちの少なくとも一つの工程を実施する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の難分解性有機化合物の分解浄化方法。
  3. 前記汚染水相中に酸化チタン光触媒を設置して、酸化チタン光触媒の作用によりヒドロキシルラジカルを発生させる工程を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の難分解性有機化合物の分解浄化方法。
  4. 前記汚染土壌に付着した難分解性有機化合物を分解する工程の後処理工程として、脱水処理工程を実施し、
    脱水処理後の汚染土壌に対して微生物分解処理または天日乾燥処理の少なくとも一方を実施して、処理後の汚染土壌を一般残土として再利用する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難分解性有機化合物の分解浄化方法。
  5. 前記脱水処理工程で発生した濾液を、前記汚染土壌を解砕して泥水化する工程において再利用することを特徴とする請求項4に記載の難分解性有機化合物の分解浄化方法。
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