JP2009148702A - 土壌浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェントン反応を利用し、汚染土壌に含まれる油分を化学酸化によって十分効率的に分解除去できる土壌浄化方法を提供すること。
【解決手段】本発明の土壌浄化方法は、油分で汚染された土壌を含む対象汚染領域について、土壌浄化を行う方法であって、アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有する界面活性剤、Fe2+の発生源及び過酸化水素を土壌に添加し、Fe2+と過酸化水素水とのフェントン反応により生じる水酸ラジカルによって油分を分解する酸化分解工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、油分で汚染された土壌を含む対象汚染領域について、フェントン反応により生じる水酸ラジカルによって油分の酸化分解を行う土壌浄化方法に関する。
有機塩素化合物を含有する洗浄溶剤などで汚染された土壌を浄化する方法として、フェントン反応などを利用した化学酸化法が知られている(特許文献1〜3を参照)。フェントン反応は、下記反応式(1)で示される反応であり、過酸化水素と第一鉄イオンとが反応して水酸ラジカルが生成する。この水酸ラジカルが有機塩素化合物の分解に寄与するものと考えられている。
+Fe2+ → Fe3+ + HO+・OH (1)
特開2006−75469号公報 特開2005−34696号公報 特開2006−88108号公報
ところで、フェントン反応を利用した化学酸化法は、有機塩素化合物の濃度が数ppm程度又はそれ以下の汚染土壌の浄化には実績があるものの、石油類などの油分の濃度が0.1〜1質量%の油汚染土壌の浄化にはほとんど実績がないのが現状である。従来の化学酸化法をそのまま油汚染土壌の浄化に適用した場合、油分の濃度が十分に低減されるまでに長い時間を要するとともに、大量の薬剤を使用する必要があるといった問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、フェントン反応を利用し、汚染土壌に含まれる油分を化学酸化によって十分効率的に分解除去できる土壌浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、油分で汚染された土壌の浄化処理に従来の化学酸化法を適用しても、油分の分解反応がほとんど進行しない場合があり、この原因について検討した。その結果、分解反応が進行しないのは、油分(炭化水素化合物)が非水溶性であることが主因であることを見出した。すなわち、水溶液中においてフェントン反応が進行して水酸ラジカルが生じるが、水溶液中の水酸ラジカルと非水溶性の炭化水素化合物とは接触機会が極端に少ないため、分解反応が十分に進行しないとの知見を得た。
水酸ラジカルと炭化水素化合物との接触機会を増大させるためには、フェントン反応を生じさせるのに必要な薬剤とともに、汚染土壌に界面活性剤を添加することが有用である。そこで、界面活性剤の種類について種々検討したところ、所定の界面活性剤を用いた場合に油分を効率的に酸化分解できるとの結論に達し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の土壌浄化方法は、油分で汚染された土壌を含む対象汚染領域について、土壌浄化を行う方法であって、アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有する界面活性剤、Fe2+の発生源及び過酸化水素を土壌に添加し、Fe2+と過酸化水素水とのフェントン反応により生じる水酸ラジカルによって油分を分解する酸化分解工程を備えることを特徴とする。
本発明の土壌浄化方法によれば、Fe2+の発生源及び過酸化水素とともに、アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有する界面活性剤を土壌に添加することで、この界面活性剤の作用によって汚染原因である油分(以下、「汚染原因油分」という。)が水に溶解しやすくなる。これにより、汚染原因油分と水酸ラジカルとの接触機会が増大する。水酸ラジカルは強い酸化力を有しているため、これと接触した汚染原因油分は分解され、その結果、汚染土壌の汚染原因油分を十分に低減できる。
また、本発明で使用する界面活性剤は、炭素数8〜14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することが好ましい。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩のアルキル基は、環境保護の観点から、直鎖アルキル基であることが好ましい。かかるアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有する界面活性剤を使用することにより、汚染原因油分を一層効率的に分解除去できる。
また、本発明の土壌浄化方法は、上記の界面活性剤、Fe2+の発生源及び過酸化水素を土壌に添加する前に、pH調整剤及び/又はFe2+の発生源を予め土壌に添加することが好ましい。このことにより、水酸ラジカルによる汚染原因油分の分解反応が対象汚染領域の広範囲にわたって十分均一に進行し、汚染原因油分をより一層効率的に分解除去できる。
また、本発明に係る土壌浄化方法の酸化分解工程において、油分で汚染された土壌に過硫酸塩を更に添加してもよい。過硫酸塩を更に添加することにより、フェントン反応を長時間維持できるという効果が奏される。
本発明によれば、フェントン反応を利用し、汚染土壌に含まれる油分を化学酸化によって十分効率的に分解除去できる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
土壌の汚染原因となる油分としては、鉱油、合成油及び動植物油、並びにこれらの廃油などが挙げられる。これらの油分のうち、種々の産業において広く使用されている鉱油もしくはその廃油が主な汚染原因となり得る。鉱油としては、ガソリン、灯油、軽油及び重油などの燃料油、機械油、潤滑油などが挙げられる。また、汚染原因となる油分は、ベンゼンなどの有害な有機化合物を含有するものもある。なお、本発明において油分とは、炭化水素を主成分とし、常温常圧において液状もしくはタール状のものをいう。
本実施形態に係る土壌浄化方法は、上記のような油分により汚染された土壌を含む対象汚染領域に対し、界面活性剤及びフェントン反応を生じさせるのに必要な化学酸化薬剤を添加して汚染土壌を原位置で浄化する方法である。なお、ここでいう「原位置で浄化する方法」とは、地中の汚染土壌を掘り起こさずにその場所で浄化する方法を意味する。
フェントン反応を生じさせるのに必要な化学酸化薬剤は、Fe2+の発生源となる2価の鉄塩及び過酸化水素水などである。
Fe2+の発生源としては、硫酸第一鉄、モール塩(例えば、硫酸アンモニウム第一鉄)などの2価の鉄塩が好適に使用される。また、過酸化水素水としては、濃度が1.0〜35.0質量%のものが好ましく、3.0〜17.5質量%のものがより好ましい。過酸化水素水の濃度が1.0質量%未満であると、酸化反応の進行が不十分となる傾向があり、他方、35.0質量%を超えると、酸化反応の進行が過度に速くなり、酸化反応が生じる領域が狭くなる傾向がある。
酸化分解工程においては、上記の化学酸化薬剤とともに、pH調整剤も必要に応じて添加される。pH調整剤の添加は、対象汚染領域の汚染土壌及び地下水のpHがフェントン反応に適した範囲となるように調整するためである。pH調整剤としては、安全性の観点からクエン酸、燐酸などが好適に使用される。
また、油分で汚染された土壌に添加する界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有するものが使用される。界面活性剤に含まれるアルキルベンゼンスルホン酸塩は、汚染原因油分の種類などに応じて適宜選択すればよく、具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムなどが挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩のアルキル基の炭素数は、8〜14であることが好ましく、10〜14であることがより好ましく、12〜14であることが更に好ましい。アルキル基の炭素数が8未満であると、油の溶解力が低下する傾向があり、14を超えると水溶性が低下する傾向がある。なお、環境保護の観点から、直鎖アルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を使用することが好ましい。
本発明の土壌浄化方法を行うための浄化システムの好適な態様について、図1を参照しながら説明する。図1に示す汚染土壌の浄化システム100は、対象汚染領域1に設けられ、地下水位Lよりも下方に達する注入井戸10と、注入井戸10に化学酸化薬剤や界面活性剤を供給する液体供給装置20と、対象汚染領域1に供給された化学酸化薬剤や界面活性剤の移流速度をコントロールするための揚水井戸30と、揚水井戸30から地下水を汲み上げる揚水装置40とを備える。液体供給装置20及び揚水装置40は地表面G上に設置されている。
注入井戸10は、対象汚染領域1における地下水の流れFを考慮し、対象汚染領域1に対して流れFの上流側に設けられている。対象汚染領域1の拡がり又は油分濃度に応じて1本又は複数本の注入井戸10が掘削される。他方、揚水井戸30は、対象汚染領域1における地下水の流れFを考慮し、対象汚染領域1に対して流れFの下流側に設けられている。対象汚染領域1の拡がり又は油分濃度に応じて1本又は複数本の揚水井戸30が掘削される。なお、化学酸化薬剤や界面活性剤の移流速度をコントロールする必要がない場合は、揚水井戸30を設けなくてもよい。
液体供給装置20は、注入井戸10に化学酸化薬剤、pH調整剤及び界面活性剤を供給するための装置である。液体供給装置20は、化学酸化薬剤及びpH調整剤を収容するタンク21と、界面活性剤を収容するタンク22と、これらのタンク21,22と注入井戸10とを連結する配管25と、配管25に設けられた注入ポンプ27とを備えている。なお、配管25は途中で配管25aと配管25bに分岐している。配管25a及び配管25bがそれぞれ、タンク21及び22と連結されている。
化学酸化薬剤及びpH調整剤を収容するタンク21は、pH調整剤を含有する溶液を収容するタンク21a、2価の鉄塩を含有する溶液を収容するタンク21b、及び過酸化水素水を収容するタンク21cからなり、各タンクに収容された液体をそれぞれ、配管25aを介して供給できる構成となっている。
揚水装置40は、揚水井戸30から地下水を汲み上げるための装置である。揚水装置40は、揚水井戸30の底部に設けられた揚水ポンプ47と、配管45で移送される地下水を収容するタンク41とを備えている。
次に、図1に示す浄化システム100を用いて汚染土壌を浄化する方法について詳細に説明する。
浄化処理前の対象汚染領域1の油分濃度は、特に制限はないが、本実施形態に係る方法を一層効果的且つ確実に行う観点から、汚染土壌の質量を基準として、1000〜10000質量ppmであることが好ましく、1000〜5000質量ppmであることがより好ましい。油分濃度が10000質量ppmを超える対象汚染領域に対しては、油分濃度が上記の範囲内となるように油分濃度を低減させることが好ましい。油分濃度が10000質量ppmを超える汚染土壌の油分濃度を低減する方法としては、汚染土壌中に空気及び薬剤を供給して油分を地下水と分離し、分離された油分を回収する方法が挙げられる。
本実施形態においては、対象汚染領域1内においてフェントン反応を生じさせる前に、pH調整剤及び/又は2価の鉄塩を注入井戸10から予め対象汚染領域1に供給する。このことにより、酸化分解工程において水酸ラジカルによる汚染原因油分の分解反応が対象汚染領域1の広範囲にわたって十分均一に進行し、汚染原因油分をより一層効率的に分解除去できる
pH調整剤を対象汚染領域1に供給することで地下水のpHを2.5〜4.0の範囲とすることが好ましく、3.0〜3.5の範囲とすることがより好ましい。地下水のpHが2.5〜4.0の範囲外であると、酸化反応の進行が不十分となる傾向がある。
次に、界面活性剤及び化学酸化薬剤を注入井戸10から対象汚染領域1に供給し、対象汚染領域1内においてフェントン反応を生じさせ、汚染原因油分を分解処理する(酸化分解工程)。この酸化分解工程では、タンク22から界面活性剤を対象汚染領域1に供給しながら、タンク21から2価の鉄塩、過酸化水素水をこの順序で対象汚染領域1に供給する。
酸化分解工程においては、対象汚染領域1内における界面活性剤の濃度が、当該界面活性剤の臨界ミセル濃度(Critical Micelle Concentration、CMC)を超えないように、界面活性剤を供給することが好ましい。界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度を超えると、汚染原因油分の分解率が低下する傾向となる。この理由は、臨界ミセル濃度を超えると界面活性剤のミセルが層状又は棒状となり界面活性剤自体が分解するためと推察される。
対象汚染領域1内における界面活性剤の濃度は、対象汚染領域1内における界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度未満であれば、なるべく高いことが好ましい。使用する界面活性剤の臨界ミセル濃度をA質量ppm、対象汚染領域1内における界面活性剤の濃度(水の質量基準)をB質量ppmとすると、B/Aの値は0.1〜1であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。
酸化分解工程においては、汚染土壌の質量に対するFe2+の添加率が、好ましくは2〜20質量ppm、より好ましくは5〜10質量ppmとなるように2価の鉄塩を含有する溶液を対象汚染領域1に供給する。Fe2+の添加量が2質量ppm未満であると、水酸ラジカルの発生が不十分となる傾向があり、他方、20質量ppmを超えると、Fe3+に起因する赤水が発生しやすくなる傾向がある。
Fe2+が供給された対象汚染領域1に対し、更に過酸化水素水を注入井戸10から供給する。過酸化水素水の供給量は油分濃度やFe2+の供給量に応じて設定すればよい。
対象汚染領域1の残存油分濃度が、汚染土壌の質量を基準として好ましくは1000質量ppm以下になるまで、より好ましくは800質量ppm以下になるまで酸化分解処理を行う。
酸化分解工程後の残存油分濃度が所望の値を超える場合は、所望の値以下となるまで上記の酸化分解処理を繰り返して行えばよい。具体的には、pH調整剤、2価の鉄塩、界面活性剤及び過酸化水素水をこの順序で供給する工程を繰り返し行えばよい。なお、対象汚染領域1の残存油分濃度は、例えば、汚染土壌の一部を試料として採取し、試料の油分濃度を測定することで把握することができる。
本実施形態に係る土壌浄化方法によれば、2価の鉄塩及び過酸化水素とともに界面活性剤を対象汚染領域1に供給することで、界面活性剤の作用によって汚染原因油分が土壌中の間隙水に溶解しやすくなる。これにより、汚染原因油分と水酸ラジカルとの接触機会が増大する。その結果、汚染土壌の汚染原因油分を十分に低減できる。
本実施形態に係る土壌浄化方法は、複数の井戸を備える浄化システム100を用いたものであり、対象汚染領域1が地下水位よりも深い位置である場合に特に好適である。また、地下水の流れを利用して土壌中の油分と化学酸化薬剤や界面活性剤とを接触させることができるため、対象汚染領域1が比較的広範囲にわたる場合であっても効率的に汚染土壌を浄化することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、井戸から各種の液体を供給することで、地中の汚染土壌を掘り起こさず浄化を行う場合を例示したが、アームの先端にトレンチャーを備える掘削用重機などを使用して汚染土壌と化学酸化薬剤や界面活性剤とを混合し、汚染土壌の浄化処理を行ってもよい。掘削用重機を用いた浄化処理は、対象汚染領域1が地表近傍である場合に好適である。
また、上記実施形態においては、対象汚染領域1内においてフェントン反応を生じさせる前に、pH調整剤及び/又は2価の鉄塩を供給する場合を例示したが、この段階で界面活性剤を注入井戸10から対象汚染領域1に供給してもよい。また、pH調整剤及び2価の鉄塩は必ずしも別々に添加しなくてもよく、例えば、pH調整剤及び2価の鉄塩の両方を含有する混合液を調製し、この混合液を対象汚染領域1に供給した後、過酸化水素水を供給してもよい。
以下、界面活性剤の効果についての実験例及び比較実験例に基づき、本発明を具体的に説明する。
(実験例1)
表1に示す各成分をガラス容器に添加し、本実験例に係る液体試料(全質量:100g)を調製した。
Figure 2009148702
上記液体試料を調製した後、30分間攪拌することによって、ガラス容器内においてフェントン反応による水酸ラジカルを生じさせ、ヘキサデカンの酸化分解処理を行った。その後、ガラス容器内にヘキサンを添加し、処理後の液体試料からヘキサデカン及びその分解物を抽出した。この抽出液をガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製、GC−2010(商品名))によって分析し、ヘキサデカンの分解率(%)を求めた。なお、ヘキサデカンの分解率(%)は、処理前のヘキサデカンの全質量から処理後に残存していたヘキサデカンの全質量を差し引いた数値を、処理前のヘキサデカンの全質量で除して求められる値である。実験例1の結果を表2に示す。
(比較例1〜10)
界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに表2に記載の界面活性剤をそれぞれ使用したことの他は、実験例1と同様にして、ヘキサデカンの酸化分解処理及びヘキサデカンの分解率(%)の算出を行った。比較例1〜10の結果を表2に示す。なお、比較例8で使用したTriton X−100は、Alfa Aesar製のノニオン性界面活性剤(主成分:ポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル)である。比較例9で使用したIGEPAL CA−630は、MP Biomedicals製のノニオン性界面活性剤(主成分:ポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル)である。
(比較例11)
液体試料に界面活性剤を添加しなかったことの他は、実験例1と同様にして、ヘキサデカンの酸化分解処理及びヘキサデカンの分解率(%)の算出を行った。比較例11の結果を表2に示す。
Figure 2009148702
(実験例2,3)
液体試料に過硫酸塩を添加することによって得られる効果を確認するため、過硫酸塩が添加されていない液体試料(実験例2)及び過硫酸塩が添加された液体試料(実験例3)をそれぞれ調製し、ヘキサデカンの酸化分解処理を行った。
(実験例2)
表3に示す各成分をガラス容器に添加し、本実験例に係る液体試料(全質量:100g)を調製した。
Figure 2009148702
上記液体試料を調製した後、攪拌することによって、ガラス容器内においてフェントン反応による水酸ラジカルを生じさせ、ヘキサデカンの酸化分解処理を行った。酸化分解処理中、容器内に残存するヘキサデカンの濃度を測定した。
(実験例3)
表4に示す各成分をガラス容器に添加し、本実験例に係る液体試料(全質量:100g)を調製した。本実験例で調製した液体試料は、過硫酸塩として過硫酸ナトリウムが添加されていることの他は、実験例2に係る液体試料と同一の組成である。本実験例においても、実験例2と同様に、酸化分解処理中、容器内に残存するヘキサデカンの濃度を測定した。
Figure 2009148702
図2に実験例2,3の結果を示す。図2は、実験例2,3で調製した液体試料のヘキサデカンの濃度の経時変化を示すグラフである。実験例2の結果と実験例3の結果とを比較すると、過硫酸ナトリウムを液体試料に添加した場合(実験例3)の方が、過硫酸ナトリウムを液体試料に添加しない場合(実験例2)よりも、酸化分解反応が長期化し、ヘキサデカンがより高度に分解除去されることがわかる。
本発明の土壌の浄化方法を行うための浄化システムの好適な態様を示す模式断面図である。 実験例2,3で調製した液体試料のヘキサデカン濃度の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1…対象汚染領域、10…注入井戸、20…液体供給装置、30…揚水井戸、40…揚水装置、100…浄化システム、G…地表面、L…地下水位。

Claims (5)

  1. 油分で汚染された土壌を含む対象汚染領域について、土壌浄化を行う方法であって、
    アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有する界面活性剤、Fe2+の発生源及び過酸化水素を前記土壌に添加し、Fe2+と過酸化水素水とのフェントン反応により生じる水酸ラジカルによって前記油分を分解する酸化分解工程を備えることを特徴とする土壌浄化方法。
  2. 前記界面活性剤が、炭素数8〜14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することを特徴とする、請求項1に記載の土壌浄化方法。
  3. 前記界面活性剤が、直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の土壌浄化方法。
  4. 前記界面活性剤、前記Fe2+の発生源及び前記過酸化水素を前記土壌に添加する前に、pH調整剤及び/又はFe2+の発生源を予め前記土壌に添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の土壌浄化方法。
  5. 前記酸化分解工程において、前記土壌に過硫酸塩を更に添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の土壌浄化方法。
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