JP2012026115A - 掘削土における界面活性剤の処理方法 - Google Patents

掘削土における界面活性剤の処理方法 Download PDF

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Abstract


【課題】掘削土に含まれている気泡を、消泡剤を用いることなく破泡させるとともに、その材料となっていた界面活性剤の環境への拡散を防止する。
【解決手段】本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法においては、まず、シールドマシン5のチャンバー6から該チャンバーに連通接続されたスクリューコンベア1を介して掘削土を排出し(ステップ101)、次いで、該スクリューコンベアの吐出側に配置されたラインミキサー2に送り込む。次に、ラインミキサー2内に投入された活性炭を掘削土に添加して処理対象土とするとともに(ステップ102)、該処理対象土をラインミキサー2で攪拌混合することにより、活性炭を処理対象土内に均一に分散させる(ステップ103)。次に、活性炭処理が終わった土をラインミキサー2の下流側に配置されたベルトコンベヤ4でシールドマシン5の後方へと搬出する(ステップ104)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主として気泡シールド工事や汚染土壌浄化工事で発生した掘削土における界面活性剤の処理方法に関する。
密閉型シールドのうち、土圧式シールド工法は、シールドマシンの先端に設けられたカッターヘッドにより地盤を掘削し、該掘削で生じた土をいったんチャンバー内に取り込んだ後、該チャンバーに連通接続されたスクリューコンベアで後方に排出するとともに、チャンバー内の土圧を適正に保つことでカッターヘッド前方に拡がる切羽の安定を図る工法であり、泥水式シールド工法に比べて小規模な設備で足りることから、都心部における地下トンネル工事等に広く採用されている。
特に、気泡シールド工法は、界面活性剤からなる特殊気泡材で形成されたクリーム状の気泡をチャンバー内に注入し、あるいは切羽に向けて噴出させるようになっており、かかる気泡によって掘削土の流動性と止水性を向上させることができる。
そのため、チャンバー内での土粒子の付着やスクリューコンベアからの地下水の噴出が防止されることとなり、粘性地盤や砂礫地盤にも土圧式シールド工法を適用することが可能となる。
一方、スクリューコンベアを介してチャンバー内から排出された掘削土については、これに消泡剤を添加することにより、該掘削土に含まれる気泡を速やかに消滅させて流動性を元に戻し、残土処理の迅速化を図ることも行われている。
特開2006−348727号公報 特開平7−47830号公報
しかしながら、消泡剤として例えば鉱物油を主成分としたものを用いる場合、地下水系への流入や河川あるいは海域への滲出による環境負荷が懸念される。
そのため、上述したような消泡剤が添加された掘削土は、生態系に直接的な影響を及ぼす海洋投棄はもちろん、盛土や埋立土として再利用することも避けなければならず、結果として産業廃棄物としての扱いを余儀なくされる。
これに対し、消泡剤を用いずに掘削土内の気泡を自然に消滅させれば、少なくとも消泡剤に関する問題は解決されるが、そのためには、掘削土を一定期間静置しておく必要があるところ、大量の掘削土が発生する気泡シールド工事では、残土処理のために広大な処理ヤードの確保が必要となり、都心部における対策としては経済性に欠ける。
このように、消泡剤を用いれば環境への影響が懸念され、消泡剤を使用しなければ経済性に欠けることとなり、結果として、気泡シールド工法の採用自体を断念しなければならない場合もあり得るという問題を生じていた。
加えて、界面活性剤自体、最近では生分解性を有するものが用いられているものの、生分解には時間を要するため、掘削土内の界面活性剤を予め除去することで、地下水系や海域といった環境への負荷を可能な限り低減することが望ましい。特に、界面活性剤の濃度が一時的に高くなることが懸念される場合には、除去の必要性はより高くなる。
しかしながら、水中に溶解した界面活性剤については、活性汚泥を利用した生物処理や酸化処理によってこれを除去する技術が実施されているもの、掘削土に混入している場合には、掘削土の含水比をいったん高めることで界面活性剤を水に遊離させた上、その水を集水して上述した生物処理や酸化処理を行った後、掘削土の含水比を別途低下させる必要があるため、処理土量が多い場合には、やはり経済的な負担が大きい。
また、界面活性剤は、油汚染土をはじめとした汚染土壌の浄化工事にも用いられており、上述した問題は、かかる浄化工事においても同様に生じる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、掘削土に含まれている気泡を、消泡剤を用いることなく破泡させるとともに、その材料となっていた界面活性剤の環境への拡散を防止することが可能な掘削土における界面活性剤の処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、掘削土に含まれている界面活性剤の環境への拡散を防止することが可能な掘削土における界面活性剤の処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法は請求項1に記載したように、界面活性剤で形成されてなる気泡が含まれた掘削土に活性炭を添加して処理対象土とするとともに、該処理対象土を混合攪拌することにより、前記気泡を破泡させるとともに、前記界面活性剤を前記活性炭に吸着させるものである。
また、本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法は請求項2に記載したように、界面活性剤が含まれた掘削土に活性炭を添加して処理対象土とするとともに、該処理対象土を混合攪拌することにより、前記界面活性剤を前記活性炭に吸着させるものである。
また、本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法は、前記掘削土を、気泡シールド工事においてシールドマシンのチャンバー内から排出された土としたものである。
また、本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法は、前記掘削土を油汚染土としたものである。
また、本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法は、前記活性炭を粉末状としたものである。
第1の発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法においては、まず、界面活性剤で形成されてなる気泡が含まれた掘削土に活性炭を添加して処理対象土とする。
次に、処理対象土を混合攪拌することにより、気泡を破泡させるとともに、界面活性剤を活性炭に吸着させる。処理対象土の混合攪拌は、活性炭を添加しながらでもよいし、活性炭の添加後でもよい。
このようにすると、掘削土内の気泡が消泡することによって該掘削土の流動性が低下し、搬送や積込みといった残土処理が容易になる。また、界面活性剤は、活性炭による吸着作用によって溶出が防止され、あるいは溶出速度が著しく遅くなり、実質的に溶出が防止される。
そのため、海洋投棄した場合や盛土あるいは埋立土として再利用した場合において、界面活性剤の海域への滲出や地下水系への流入が確実に防止される。
特に、生分解可能な界面活性剤を用いるようにすれば、活性炭に吸着される形で埋立土等にとどまっている界面活性剤は、生分解作用でその含有量が徐々に低下し、溶出防止作用と相俟って、環境への影響をより確実に回避することが可能となる。
また、第2の発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法においては、まず、界面活性剤が含まれた掘削土に活性炭を添加して処理対象土とする。
次に、処理対象土を混合攪拌することにより、界面活性剤を活性炭に吸着させる。処理対象土の混合攪拌は、活性炭を添加しながらでもよいし、活性炭の添加後でもよい。
このようにすると、界面活性剤が掘削土から溶出しなくなり、第1の発明と同様、海洋投棄した場合や盛土あるいは埋立土として再利用した場合において、界面活性剤の海域への滲出や地下水系への流入が確実に防止される。特に、生分解可能な界面活性剤を用いるようにすれば、溶出防止作用と相俟って、環境への影響をより確実に回避することが可能となる。
第1の発明は、界面活性剤で形成されてなる気泡が含まれている限り、また、第2の発明は、界面活性剤が含まれている限り、それぞれ任意の掘削土に適用することが可能であり、例えば、気泡シールド工事においてシールドマシンのチャンバー内から排出された土や、油汚染土をぞれぞれ上述した掘削土とすることが可能である。
ここで、気泡シールド工事においては、チャンバー内から排出される掘削土に界面活性剤で形成されてなる気泡が含まれているとともに、油汚染土の浄化工事においても、油除去のために添加された界面活性剤が気泡の形態で存在するため、ほとんどの場合、これらの工事に第1の発明を適用すればよい。
一方、自然消泡により、あるいは環境に無害な消泡剤を用いた消泡によって気泡が実質的に存在しなくなっている場合には、界面活性剤の溶出だけを防止すれば足りるため、かかる場合には、上述した各工事に第2の発明を適用すればよい。
界面活性剤は、活性炭によって吸着され得るものであれば、その種類は任意であるが、例えば、生分解性に優れたアルファオレフィンスルホン酸ナトリウム(以下、AOS)を用いるようにすれば、環境に配慮しつつ、埋立土としての再利用や海中投棄を安全に行うことが可能となる。
なお、AOSは水に溶出した場合に魚類のエラに付着し、呼吸困難を引き起こすという形態で魚毒性を示す界面活性剤であるが、本発明によれば、活性炭に吸着されることでその溶出が防止されるため、処理土を海中投棄した場合でも周囲の魚類に界面活性剤による被害が及ぶ懸念がない。
活性炭は、第1の発明においては、掘削土に含まれる気泡が破泡することで流動性が十分に低下し、かつ気泡の原材料となっていた界面活性剤が確実に吸着保持されるように、第2の発明においては、掘削土に含まれている界面活性剤が確実に吸着保持されるように、原材料の種類や粉末や粒体といった形態を適宜選択すればよい。
例えば、おがくず由来の粉末活性炭を用いることができる。ここで、活性炭を粉末状とした場合、掘削土内への均一な添加混合が容易となる。
本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法の実施手順を示したフローチャート。 本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法を実施するための処理システムを示した概略図。 本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法の実証試験の結果を示したものであり、(a)は、海水中の陰イオン界面活性剤濃度の変化を示したグラフ、(b)は陰イオン界面活性剤濃度と活性炭添加量との関係を示したグラフ。 同じく実証試験の結果を示したものであり、海水投入直後のAOS量マスバランスを示したグラフ。
以下、本発明に係る掘削土における界面活性剤の処理方法を、気泡シールド工事に適用した場合の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法の実施手順を示したフローチャート、図2は同処理方法を実施するための処理システムを示した概略図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法においては、まず、シールドマシン5のチャンバー6から該チャンバーに連通接続されたスクリューコンベア1を介して掘削土を排出する(ステップ101)。
ここで、シールドマシン5には、界面活性剤からなる特殊気泡材で形成されたクリーム状の気泡8を切羽に向けて噴出させる気泡供給ライン7を設けてあり、かかる気泡によってチャンバー6内の掘削土の流動性及び止水性が向上する。
そのため、チャンバー6内での土粒子の付着やスクリューコンベア1からの地下水の噴出が防止されるが、チャンバー6から排出された掘削土には多くの気泡が含まれているため、そのままでは流動性が高くて残土処理が行いにくい。
そのため、本実施形態では、従前の消泡剤に代えて、活性炭を掘削土に添加する(ステップ102)。具体的には、スクリューコンベア1を介してチャンバー6から排出された掘削土を、該スクリューコンベアの吐出側に配置されたラインミキサー2に送り込み、次いで、ラインミキサー2内に投入された活性炭を添加して処理対象土とする。
活性炭は、ラインミキサー2に連通接続された活性炭供給ライン3を介して、地上に設置された活性炭貯留タンク(図示せず)から供給するようにすればよく、例えばおがくず由来の粉末活性炭を用いることが可能である。
次に、処理対象土をラインミキサー2で攪拌混合することにより、活性炭を処理対象土内に均一に分散させる(ステップ103)。
次に、活性炭処理が終わった土をラインミキサー2の下流側に配置されたベルトコンベヤ4でトンネル後方へと搬出する(ステップ104)。
ここで、活性炭の処理が終わった土は、界面活性剤の活性炭への吸着作用によって気泡が破泡し、流動性が低下するので、取り扱いが容易となり、ベルトコンベヤ4で容易に搬出することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法によれば、掘削土内の気泡が消泡することによって該掘削土の流動性が低下し、搬送や積込みといった残土処理が容易になる。
また、界面活性剤は、活性炭による吸着作用によって溶出が防止され、あるいは溶出速度が著しく遅くなり、実質的に溶出が防止されるため、海洋投棄した場合や盛土あるいは埋立土として再利用した場合において、界面活性剤の海域への滲出や地下水系への流入を確実に防止することができる。
特に、生分解可能な界面活性剤を用いるようにすれば、活性炭に吸着される形で埋立土等にとどまっている界面活性剤が、生分解作用でその含有量が徐々に低下するので、溶出防止作用と相俟って、より確実かつ長期的に界面活性剤の環境への拡散を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法によれば、気泡シールド工事に用いるシールドマシン5のチャンバー6内から排出される土を掘削土としたので、従来使われていた油性の消泡剤を使用せずとも掘削土内の気泡を消泡することが可能となり、流動性が高くなっていた大量の掘削土を元の流動性に戻した上、効率よく工事現場から搬出することができる。
また、本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法によれば、活性炭を粉末状としたので、処理対象土内に速やかにかつ均一に分散させ、残土処理を効率的に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る掘削土における界面活性剤の処理方法によれば、活性炭による破泡作用によって掘削土の流動性を低下させるとともに、同じく活性炭による吸着作用によって界面活性剤の溶出を防止するようにしたので、自然消泡では必要不可欠となる広大な処理ヤードが不要になるのみならず、活性汚泥を用いた界面活性剤の除去処理方法に比べ、水処理設備が不要になるなど、設備規模を格段に小さくすることが可能となる。
本実施形態では、活性炭をスクリューコンベア1の吐出側で掘削土に添加するようにしたが、チャンバー6内の土圧管理に問題がなく、スクリューコンベア1内での閉塞も懸念されないのであれば、チャンバー6から排出された直後、すなわちスクリューコンベア1の上流側で添加するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、気泡シールド工事への適用において、活性炭の添加及び混合攪拌をシールドマシン5内で行う例を説明したが、これに代えて、地上に搬出された掘削土に活性炭を添加し混合攪拌するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、第1の発明を気泡シールド工事に適用した例を説明したが、掘削土内の気泡を自然消泡や環境への影響が少ない消泡剤で破泡させる場合においては、第2の発明を気泡シールド工事に適用するようにしてもよい。
かかる場合においては、活性炭は、もっぱら界面活性剤を吸着してその溶出を防止する役割を果たすこととなる。
また、本実施形態及びその変形例では、本発明を気泡シールド工事に適用した例として説明したが、第1の発明や第2の発明は、気泡シールド工事への適用に限定されるものではなく、汚染土壌浄化工事、例えば油汚染土から油分を除去する処理に適用することが可能である。
かかる変形例においては、油汚染土に界面活性剤を添加して攪拌混合し、油分を乳化させるとともに、そのエマルションを分離し、次いで、エマルションが分離された処理土に活性炭を添加し、攪拌混合する。
このようにすると、処理土内の気泡が活性炭で破泡されるとともに、該処理土内に残留している油分や界面活性剤が活性炭に吸着されるため、埋立土や盛土として再利用する場合、環境への溶出を未然に防止することが可能となる。
[実証試験]
まず、活性炭添加による流動性変化の試験を行ったところ、活性炭添加後の土は、添加前よりも流動性が大幅に小さくなることが観察できた。
次に、活性炭による界面活性剤の吸着試験を行ったので、以下に説明する。
まず、表1に示すように、含水比が47.5%の土(土丹)843gに、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム(以下、AOS)を起泡剤とし、その1.5%溶液を8倍発泡で30%添加することで気泡シールド工事による掘削土を想定し、かかる気泡混合土に粉末活性炭を添加し攪拌混合して1日養生したものを試料土とした。
Figure 2012026115
粉末活性炭の添加量は、0g(0kg/m)、0.25g(0.58kg/m)、0.5g(1.16kg/m)の3種類とし、それぞれケース1,ケース2,ケース3とした。
次に、試料土を液固比(液相の体積Lと固相の質量kgとの比L/kg)が1となるように海水に投入し、次いで、定期的に海水と試料土を採取して、海水中の陰イオン界面活性剤濃度と試料土中の界面活性剤量(メタノール抽出による陰イオン界面活性剤濃度)を測定した。
メタノール抽出は、メタノールが界面活性剤に対して強い抽出力を持つことを利用したものであり、本試験では、試料土20gにメタノール100mLを添加し、1時間振とうした後、溶液の陰イオン界面活性剤濃度を測定した。
測定結果を表2及び図3に示す。ここで、図3(a)は、海水中の陰イオン界面活性剤濃度の変化を示したグラフ、(b)は海水に投入してから1日後の陰イオン界面活性剤濃度と活性炭添加量との関係を示したグラフである。
Figure 2012026115
これらの結果からわかるように、海水中の陰イオン界面活性剤濃度は、活性炭を添加しない場合(ケース1)では、1日後の濃度が高く、目標値である0.69mg/Lを大きく上回ったのに対し、活性炭を0.58kg/m添加した場合(ケース2)では、1日後の濃度上昇がかなり抑制され、活性炭を1.16kg/m添加したケース3では、目標値である0.69mg/L以下を達成することできた。また、時間とともに界面活性剤濃度は低下し、測定限界(0.1mg/L)付近あるいはそれ以下となり、28日後まで再溶出する傾向は認められなかった。
なお、図3(b)の結果から、活性炭を1kg/m以上添加すれば、目標値をクリアできることがわかる。
メタノール抽出の測定結果から算出された試料土中のAOS量を表3に示す。また、試料土を海中に投入した直後のマスバランス(物質収支)の結果を図4に示す。
Figure 2012026115
これらの結果から、ケース2,3の場合、試料土を海中投入した直後のAOSは、その大部分が試料土や活性炭に吸着されており、海水中へ溶出する量はほぼゼロであることがわかる。
また、試料土や活性炭に吸着されたAOSは、メタノールで抽出できる分と、メタノールで抽出できないほど試料土と活性炭に強く吸着している分とが約半分ずつ存在していたが、メタノールは、AOSに対して抽出力が強い溶媒であるため、メタノールで抽出された以上のAOSが環境に拡散する可能性は小さいと思われる。
また、ばらつきはあるが、メタノールで抽出されるAOS量も時間とともに低減する傾向があることから、長期的には化学平衡でわずかずつ海水中に溶出されるとともに、生物分解されるものと考えられる。
次に、28日後の試料土に物理的な攪拌を加えることによって、海水中の陰イオン界面活性剤濃度の変化を調べた。試験は、28日後の海水に浸漬された試料土を、海水とともに液固比1として密閉容器に入れ、1時間振とうを行い、次いで、溶出液中の陰イオン界面活性剤濃度を測定した。
表4は、各ケースごとの攪拌前後における海水中の陰イオン界面活性剤濃度を示したものである。
Figure 2012026115
同表から、活性炭を添加していないケース1では、1時間の振とうにより界面活性剤が溶出し、海水中の陰イオン界面活性剤濃度が1.3mg/Lと増加したのに対し、活性炭を添加したケース2,3では、1時間振とうしても定量下限値(0.1mg/L)以下であった。
このことから、強い物理的な攪拌が起こったとしても、土中に残存する界面活性剤が溶出することはないと考えられる。
1 スクリューコンベア
2 ラインミキサー
3 活性炭供給ライン
4 ベルトコンベヤ
5 シールドマシン
6 チャンバー
7 気泡供給ライン

Claims (5)

  1. 界面活性剤で形成されてなる気泡が含まれた掘削土に活性炭を添加して処理対象土とするとともに、該処理対象土を混合攪拌することにより、前記気泡を破泡させるとともに、前記界面活性剤を前記活性炭に吸着させることを特徴とする掘削土における界面活性剤の処理方法。
  2. 界面活性剤が含まれた掘削土に活性炭を添加して処理対象土とするとともに、該処理対象土を混合攪拌することにより、前記界面活性剤を前記活性炭に吸着させることを特徴とする掘削土における界面活性剤の処理方法。
  3. 前記掘削土を、気泡シールド工事においてシールドマシンのチャンバー内から排出された土とした請求項1又は請求項2記載の掘削土における界面活性剤の処理方法。
  4. 前記掘削土を油汚染土とした請求項1又は請求項2記載の掘削土における界面活性剤の処理方法。
  5. 前記活性炭を粉末状とした請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の掘削土における界面活性剤の処理方法。
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