JP2001219001A - ダイオキシン類の抽出方法 - Google Patents

ダイオキシン類の抽出方法

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JP2001219001A JP2000034371A JP2000034371A JP2001219001A JP 2001219001 A JP2001219001 A JP 2001219001A JP 2000034371 A JP2000034371 A JP 2000034371A JP 2000034371 A JP2000034371 A JP 2000034371A JP 2001219001 A JP2001219001 A JP 2001219001A
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Masanori Hashimoto
正憲 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン類含有物からダイオキシン類を
簡単な操作で効率よく、しかも低コストで抽出すること
ができるダイオキシン類の抽出方法を提案する。 【解決手段】 ダイオキシン類含有物に抽出剤を接触さ
せてダイオキシン類を抽出する方法において、前記抽出
剤が疎水性および親水性を有する両親媒性物質と水とを
含む抽出剤であるダイオキシン類の抽出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類に
汚染されたダイオキシン類含有物からダイオキシン類を
分離除去することができるダイオキシン類の抽出方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン
(PCDD)、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)
およびコプラナーPCBなどを一般にダイオキシン類と
称しており、塩素の置換数、塩素の置換位置などにより
多くの同族体がある。このようなダイオキシン類はごみ
焼却施設やパルプ工場の塩素漂白工程等の産業工程で発
生しており、極めて毒性が強く社会的な問題となってい
る。ダイオキシン類を発生させないための発生源対策は
もちろんであるが、すでに汚染されたごみ焼却場内およ
びその周辺の土壌、あるいは河川、湖沼、海等の底質な
どのダイオキシン類含有物の無害化処理技術の開発、実
用化が緊急の課題である。
【0003】ダイオキシン類含有物の無害化処理技術に
は、焼却、化学的分解、生物的分解などの方法がある。
しかし、ダイオキシン類含有物が土壌などの固体の場合
には適用できる処理技術が限定されたり、処理されるダ
イオキシン類が微量であるにもかかわらず大規模な装置
が必要でありコスト高になる。このため、種々のダイオ
キシン類含有物からダイオキシン類を簡単に効率よく、
しかも低コストで分離することができる方法が要望され
ている。
【0004】ところで、特開平11−5099号には、
ダイオキシン類を含んだ汚泥にダイオキシン抽出液を混
合してダイオキシン類を抽出する方法が記載され、ダイ
オキシン抽出液としてアセトン、アセトニトリル、ベン
ゼン、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムが例示されている。しかし上記方法は、ダイオキシン
抽出液として主として有機溶媒を使用する方法であり、
このような有機溶媒を使用する方法では、抽出後のダイ
オキシン類は有機溶媒に溶解した状態で排出されるた
め、そのまま生物処理などの方法で処理することはでき
ず、このため有機溶媒を分離してダイオキシン類の処理
とは別に処理する必要があり、コスト高になる。またダ
イオキシン類が強固に結合している土壌や底質などの汚
染物質からダイオキシン類を効率よく抽出することがで
きることは記載されていない。
【0005】また特開平11−216456号には、有
機化学薬品で汚染された土壌を特定の構造式を有する界
面活性剤を含有する水性組成物と接触させて土壌を改善
する方法が記載されている。しかし上記公報には、汚染
物質となる有機化学薬品としてダイオキシン類は記載さ
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ダイ
オキシン類含有物からダイオキシン類を簡単な操作で効
率よく、しかも低コストで抽出することができるダイオ
キシン類の抽出方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次のダイオキシ
ン類の抽出方法である。 (1) ダイオキシン類含有物に抽出剤を接触させてダ
イオキシン類を抽出する方法において、前記抽出剤が疎
水性および親水性を有する両親媒性物質と水とを含む抽
出剤であることを特徴とするダイオキシン類の抽出方
法。 (2) 両親媒性物質が界面活性剤である上記(1)記
載のダイオキシン類の抽出方法。 (3) 抽出剤中の両親媒性物質の濃度が0.05〜5
重量%である上記(1)または(2)記載のダイオキシ
ン類の抽出方法。 (4) 40〜100℃の温度で5〜90分間接触させ
る上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のダイオキ
シン類の抽出方法。
【0008】本発明の処理の対象になるダイオキシン類
含有物は、ダイオキシン類を含有するものであれば特に
限定されない。例えば、土壌、底質、飛灰、汚泥、紙、
布などがあげられる。具体的には、ごみ焼却場内および
その周辺の土壌、ごみ埋立て地の土壌、パルプ工場の塩
素漂白排水処理汚泥、ならびに工場、ごみ焼却場および
ごみ埋立て地周辺の河川、湖沼および海等の底質などが
あげられる。本発明は固体に適用するのが好ましく、特
に土壌または底質に対して適用するのが好ましい。
【0009】ダイオキシン類としては、ポリクロロジベ
ンゾ−p−ジオキシン(PCDD)、ポリクロロジベン
ゾフラン(PCDF)、コプラナーPCB、およびこれ
らの同族体などがあげられる。具体的には、2,3,
7,8−テトラクロロダイオキシン、1,2,3,7,
8−ペンタクロロダイオキシン、1,2,3,4,7,
8−ヘキサクロロダイオキシン、1,2,3,6,7,
8−ヘキサクロロダイオキシン、1,2,3,7,8,
9−ヘキサクロロダイオキシン、1,2,3,4,6,
7,8−ヘプタクロロダイオキシン、1,2,3,4,
6,7,8,9−オクタクロロダイオキシン等のダイオ
キシン;2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラ
ン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
ン、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
ン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフ
ラン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ
フラン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベン
ゾフラン、2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベ
ンゾフラン、1,2,3,4,7,8,9−ヘプタクロ
ロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプ
タクロロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,
8,9−オクタクロロジベンゾフラン等のポリクロロジ
ベンゾフラン;3,3’,4,4’−テトラクロロノン
オルトコプラナーPCB、3,3’,4,4’,5−ペ
ンタクロロノンオルトコプラナーPCB、3,3’,
4,4’,5,5’−ヘキサクロロノンオルトコプラナ
ーPCB等のノンオルトコプラナーPCB;2,3,
3’,4,4’−ペンタクロロモノオルトコプラナーP
CB、2,3’,4,4’,5−ペンタクロロモノオル
トコプラナーPCB、2’,3,4,4’,5−ペンタ
クロロモノオルトコプラナーPCB、2,3,4,
4’,5−ペンタクロロモノオルトコプラナーPCB、
2,3,3’,4,4’,5−ヘキサクロロモノオルト
コプラナーPCB、2,3,3’,4,4’,5’−ヘ
キサクロロモノオルトコプラナーPCB、2,3’,
4,4’,5,5’−ヘキサクロロモノオルトコプラナ
ーPCB、2,3,3’,4,4’,5,5’−ヘプタ
クロロモノオルトコプラナーPCB等のモノオルトコプ
ラナーPCB;2,2’,3,3’,4,4’5−ヘプ
タクロロジオルトコプラナーPCB、2,2’,3,
4,4’5,5’−ヘプタクロロジオルトコプラナーP
CB等のジオルトコプラナーPCB;上記化合物の塩素
原子の一部または全部が臭素原子に置き換わった臭素化
ダイオキシン類などがあげられる。
【0010】ダイオキシン類含有物中のダイオキシン類
は単一の化合物であってもよいし、2種以上の混合物で
あってもよい。
【0011】本発明で使用する疎水性および親水性を有
する両親媒性物質としては、一分子内に疎水性基と親水
性基とを有する両親媒性の化合物、または分子が水中で
溶解もしくは会合して疎水性の領域および親水性の領域
を形成する化合物が特に制限なく使用できる。
【0012】疎水性基としては、炭素数8〜20の脂肪
族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、−
(OCH2C(CH3)H)n−(ポリオキシプロピレン基、
nは整数)、炭素数4〜20のフルオロカーボン基など
があげられる。
【0013】親水性基としては、−OH、−O(CH2
2)n−(ポリオキシエチレン基、nは整数)、−CO
OHおよびその塩、−SO3Hおよびその塩、−O−S
3H(硫酸エステル基)およびその塩、−O−PO3
2もしくは(−O)2−POH(リン酸エステル基)および
それらの塩、−NH2およびその塩、−NHR(Rは低
級アルキル基)およびその塩、−NR12(R1および
2は低級アルキル基)およびその塩、−N+123
(R1、R2およびR3は低級アルキル基)、ならびに複
素環4級アンモニウム塩などがあげられる。
【0014】本発明で使用する両親媒性物質としては、
界面活性剤、アルコール、フェノール、アミン、アミノ
酸などがあげられる。その他にも、水中で溶解または会
合して疎水性の領域を形成する高分子化合物、例えばポ
リペプチド、多糖類、さらにはバイオサーファクタント
と称されている微生物が生産する界面活性作用を有する
物質などがあげられる。これらの中では界面活性剤が好
ましい。
【0015】界面活性剤の具体的なものとしては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界
面活性剤;脂肪族石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩エ
ステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩等の陰
イオン性界面活性剤;脂肪族第四級アンモニウム塩、塩
化ベンザルコニウム塩、脂肪族アミン塩、ピリジニウム
塩等の陽イオン性界面活性剤;カルボキシベタイン、ア
ミノカルボン酸塩、レシチン等の両性界面活性剤などが
あげられる。
【0016】これらの中では、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン
酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩;脂肪族
第四級アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、ピリジニウム
塩;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩が好まし
い。両親媒性物質は一種単独で使用することもできる
し、二種以上を組み合せて使用することもできる。
【0017】本発明で使用する抽出剤中の両親媒性物質
の含有量は、両親媒性物質および水の合計に対して0.
01〜7重量%、好ましくは0.05〜5重量%、さら
に好ましくは0.5〜3重量%とするのが望ましい。7
重量%より使用量を多くすることもできるが、コスト高
になる。
【0018】抽出剤は、ダイオキシン類含有物と接触さ
せる前に予め両親媒性物質と水とを混合して調製してお
くこともできるし、接触させる際に両親媒性物質と水と
を別々に添加することもできる。
【0019】ダイオキシン類含有物と抽出剤とを接触さ
せる方法は特に限定されず、ダイオキシン類含有物と抽
出剤と混合する方法、ダイオキシン類含有物と両親媒性
物質と水とを混合する方法、ダイオキシン類含有物をカ
ラムに充填し、このカラムに抽出剤を通水する方法など
があげられる。接触は連続式に行うこともできるし、バ
ッチ式に行うこともできる。
【0020】接触させる際の温度条件は、抽出剤の凍結
温度より高く沸騰温度未満の温度、好ましくは40〜1
00℃、さらに好ましくは50〜90℃とするのが望ま
しく、時間は1〜120分間、好ましくは5〜90分
間、さらに好ましくは20〜60分間とするのが望まし
い。本発明において好ましい抽出条件は、両親媒性物質
の含有量が0.05〜5重量%、温度が40〜100℃
の条件であり、さらに好しい抽出条件は、両親媒性物質
の含有量が0.5〜3重量%、温度が50〜90℃の条
件である。また本発明において特に好ましい抽出方法
は、両親媒性物質の含有量が0.05〜5重量%の抽出
剤を用いて40〜100℃で5〜90分間接触を行う方
法であり、最も好しい抽出方法は、両親媒性物質の含有
量が0.5〜3重量%の抽出剤を用いて50〜90℃で
20〜60分間接触を行う方法である。
【0021】なお、両親媒性物質として非イオン性界面
活性剤を使用する場合は、使用する非イオン性界面活性
剤の曇点温度以上の温度では親水性が低下するので、曇
点未満の温度で接触させるのが好ましい。またダイオキ
シン類含有物と抽出剤と混合して接触させる場合は、混
合液を撹拌するのが好ましい。抽出剤の使用量は、ダイ
オキシン類含有物の0.1〜200容量倍、好ましくは
0.5〜50容量倍、さらに好ましくは1〜20容量倍
とするのが望ましい。
【0022】接触に際し、ダイオキシン類含有物は予め
粉砕処理しておくのが好ましい。粉砕により抽出剤との
接触面積が多くなるので抽出率が高くなる。粉砕の程度
は、抽出効果と、抽出後のダイオキシン類と上澄液の分
離工程の効率を考慮して決定することができる。例え
ば、土壌の場合20mm以下、好ましくは10mm以下
とするのが望ましい。粉砕の方法は特に制限されず、ミ
ルやポンプ等の粉砕装置を用いる方法、超音波を照射す
る方法、振動を与える方法などがあげられる。
【0023】また接触処理する際に、ダイオキシン類含
有物と抽出剤との混合物に超音波を照射したり、振動を
与えたりする抽出促進手段を併用することにより、抽出
を促進させることもできる。上記抽出促進手段を併用す
る場合は、ダイオキシン類含有物の粉砕も同時に進行す
る。
【0024】このようにしてダイオキシン類含有物と抽
出剤とを接触させると、ダイオキシン類が被抽出物から
容易に脱離し、抽出剤(液)側に移行する。例えば、ダ
イオキシン類が強固に結合している土壌からもダイオキ
シン類が容易に脱離し、抽出剤(液)側に移行する。こ
れにより、ダイオキシン類含有物からダイオキシン類が
抽出される。抽出終了後は、遠心分離、濾過などの固液
分離手段により、被抽出物と、ダイオキシン類を含む抽
出液とに固液分離することができる。
【0025】ダイオキシン類を含む抽出液は、ダイオキ
シン類が抽出剤を介して水中に分散した状態にあるた
め、ダイオキシン類と抽出剤とを分離することなくその
まま分解処理に供することができる。例えば、分解処理
剤による加熱分解処理、液中燃焼、紫外線酸化、オゾン
酸化、過酸化水素酸化、これらの組合せ等の酸化処理、
触媒分解等の化学処理、および遺伝子組換え菌等を利用
した生物処理などの方法により処理することができる。
これらの中では、分解処理剤による加熱分解処理が好ま
しい。
【0026】上記分解処理剤による加熱分解処理の具体
的な方法としては、モノエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアミン類;ピリジン;ポリアミン、ポリ
イミンまたはその他の環状窒素化合物等のポリアミン
類;アミノ酸、ポリアミノ酸、アミノ酸塩またはポリア
ミノ酸塩等のアミノ酸系化合物などの分解処理剤の存在
下に加熱下で反応させる方法があげられる。これらの場
合、ダイオキシン類を含む抽出液に上記分解処理剤を添
加して、そのまま加熱分解処理することができる。ま
た、ダイオキシン類を含む抽出液に活性炭などの吸着剤
を添加してダイオキシン類および両親媒性物質を吸着剤
に吸着させ、次に吸着剤を水系から分離した後、この吸
着剤に上記分解処理剤を添加して加熱分解処理すること
もできる。
【0027】土壌を例にとってさらに具体的な処理方法
の一例を説明する。ダイオキシン類で汚染された土壌は
通常の土木技術で掘り出し、ミルやポンプなどの粉砕装
置で前記粒径まで粉砕する。得られた粉砕土壌を抽出槽
に入れ、前記濃度の抽出剤を加え、土壌と抽出剤との混
合物を前記温度で前記時間撹拌し、抽出処理する。抽出
終了後は、遠心分離、濾過などにより固液分離し、分離
土壌を洗浄したのち脱水または適宜空気などで乾燥する
ことにより回収する。回収した土壌は抽出効果を確認し
た後、保管または現状復帰や埋立てなどに利用される。
また別の方法として、粉砕土壌をカラムに充填し、前記
温度で抽出剤をカラムに循環通液することにより、抽出
処理することもできる。こうして得られるダイオキシン
類を含む抽出液はダイオキシン類と抽出剤とを分離する
ことなく、そのまま酸化処理等の処理装置へ送り、ダイ
オキシン類および抽出剤を同時に分解処理することがで
きる。
【0028】
【発明の効果】本発明のダイオキシン類の抽出方法は、
疎水性および親水性を有する両親媒性物質と水とを含む
抽出剤を用いて抽出しているので、ダイオキシン類含有
物からダイオキシン類を簡単な操作で効率よく、しかも
低コストで抽出することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。なお、各実施例および比較例では、ダイオキシン
類含有物として、ダイオキシン類で汚染された土壌(1
0,00pg−TEQ/g−土壌、土壌平均粒径2mm
以下)を使用した。なお、上記TEQは2,3,7,8
−テトラクロロダイオキシン毒性等価量(2,3,7,
8−TCDD Toxicity Equivalen
cy Quantity)と呼ばれる指標であり、ダイ
オキシン類の毒性の総量を2,3,7,8−テトラクロ
ロダイオキシンの量に換算して表示する指標である。
【0030】実施例1 陰イオン界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムを水に溶解し、濃度0.05重量%の抽出剤
を調製した。次にダイオキシン類汚染土壌1.00gお
よび上記抽出剤150mLを200mLのビーカーに入
れ、22℃で、撹拌羽根を用いて150rpmで撹拌し
ながら30分間抽出した。その後、3000rpmで遠
心分離して上澄液(抽出剤)を回収し、上澄液中のダイ
オキシン類の濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0031】実施例2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度が0.1
重量%の抽出剤を用いた以外は実施例1と同じ方法で行
った。結果を表1に示す。
【0032】実施例3 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに、非
イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン モノ−
4−ノニルフェニルエーテル(オキシエチレン重合度:
15)を用いた以外は実施例1と同じ方法で行った。結
果を表1に示す。
【0033】実施例4 抽出温度を50℃に変更した以外は実施例1と同じ方法
で行った。結果を表1に示す。
【0034】実施例5 抽出温度を50℃に変更した以外は実施例3と同じ方法
で行った。結果を表1に示す。
【0035】実施例6 撹拌する前に超音波処理した以外は実施例4と同じ方法
で行った。すなわち、ダイオキシン類汚染土壌1.00
gおよび実施例1と同じ抽出剤150mLを200mL
のビーカーに入れた後、このビーカーを超音波浴(発振
周波数:36kHz、出力:65W)に入れて5分間超
音波処理した。その後、50℃で、撹拌羽根を用いて1
50rpmで撹拌しながら30分間抽出した。その後は
実施例1と同じ方法で上澄液中のダイオキシン類の濃度
を測定した。結果を表1に示す。
【0036】実施例7 ポリオキシエチレン モノ−4−ノニルフェニルエーテ
ル(オキシエチレン重合度:15)を水に溶解し、濃度
1重量%の抽出剤を調製した。ダイオキシン類汚染土壌
10gおよび上記抽出剤150mLを200mLのビー
カーに入れた後、実施例6と同じ方法で10分間超音波
処理した。その後、60℃で、撹拌羽根を用いて150
rpmで撹拌しながら60分間抽出した。その後は実施
例1と同じ方法で上澄液中のダイオキシン類の濃度を測
定した。結果を表1に示す。
【0037】実施例8 ポリオキシエチレン モノ−4−ノニルフェニルエーテ
ル(オキシエチレン重合度:20)を水に溶解し、濃度
1重量%の抽出剤を調製した。ダイオキシン類汚染土壌
10gおよび上記抽出剤150mLを200mLのビー
カーに入れた後、実施例6と同じ方法で10分間超音波
処理した。その後、90℃で、撹拌羽根を用いて150
rpmで撹拌しながら60分間抽出した。その後は実施
例1と同じ方法で上澄液中のダイオキシン類の濃度を測
定した。結果を表1に示す。
【0038】比較例1 抽出剤の代わりに水を単独で用い、実施例1と同じ方法
で行った。結果を表1に示す。
【0039】比較例2 抽出剤の代わりに水を単独で用い、実施例4と同じ方法
で行った。結果を表1に示す。
【0040】比較例3 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに非プ
ロトン性極性溶媒であるジメチルスルホキシドを用いた
以外は実施例1と同じ方法で行った。結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】 *1 略号 A:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム B:ポリオキシエチレン モノ−4−ノニルフェニルエーテル(オキシエチレ ン重合度:15) C:ポリオキシエチレン モノ−4−ノニルフェニルエーテル(オキシエチレ ン重合度:20) D:ジメチルスルホキシド(両親媒性物質ではない)
【0042】表1の結果から、水単独ではダイオキシン
類は抽出することはできないが、両親媒性物質を併用す
ることによりダイオキシン類を簡単な操作で効率よく抽
出することができることがわかる。また比較例3は特開
平11−5099号に例示されたジメチルスルホキシド
も用いた例であるが、抽出率はそれほど高くないばかり
か、抽出に用いたジメチルスルホキシドは別途処理する
必要があり、有利な方法とはいえない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシン類含有物に抽出剤を接触さ
    せてダイオキシン類を抽出する方法において、前記抽出
    剤が疎水性および親水性を有する両親媒性物質と水とを
    含む抽出剤であることを特徴とするダイオキシン類の抽
    出方法。
  2. 【請求項2】 両親媒性物質が界面活性剤である請求項
    1記載のダイオキシン類の抽出方法。
  3. 【請求項3】 抽出剤中の両親媒性物質の濃度が0.0
    5〜5重量%である請求項1または2記載のダイオキシ
    ン類の抽出方法。
  4. 【請求項4】 40〜100℃の温度で5〜90分間接
    触させる請求項1ないし3のいずれかに記載のダイオキ
    シン類の抽出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009148702A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Nippon Oil Corp 土壌浄化方法

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JP2009148702A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Nippon Oil Corp 土壌浄化方法

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