JP6619160B2 - 土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体 - Google Patents

土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体 Download PDF

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本発明は、油、及び/又は揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)で汚染された対象土壌を水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気を用いて原位置で浄化する土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びこれに用いるスパージングロッド組立体に関する。
近年、工場跡地やガソリンスタンド跡地等のように、産業廃棄物、特に油、及び/又は揮発性有機化合物(以下、VOCともいう)に汚染された汚染土壌は、地中の生態系に大きな影響を与えたり、地下水を汚染したり、産業廃棄物、特にVOCが気化或いは揮発した場合には大気を汚染して人体に害を及ぼす。このため、土壌汚染は、大きな社会問題となっており、土壌汚染対策法のもとに種々の対策がとられてきている。
一般的な汚染土壌の処理方法としては、現場(on site)処理方法(特許文献1参照)と原位置(in situ)処理方法(特許文献2参照)とが挙げられる。なお、前者の例としては、汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を現場で、例えば、熱処理、洗浄処理、化学処理、生物処理及び抽出処理等を行う処理方法が挙げられ、また、後者の例としては、汚染土壌から汚染物質を抽出して処理する抽出法(例えば、土壌ガス吸引法、地下水揚水法、エアスパージング法等)と、アルカリ剤、酸化剤、フェントン剤(硫酸第一鉄、過酸化水素水)又は微生物等を汚染土壌に添加して汚染物質を分解する分解法(化学的処理:酸化分解、還元分解、生物的処理、バイオレメディエーション、薬剤注入、ファイトレメディーション)とを行う処理方法等が挙げられる。
例えば、油及び揮発性化合物等の難水溶性有機化合物に汚染された土壌の現場処理方法としては、特許文献1に開示された土壌浄化工法がある。この土壌浄化工法は、難水溶性有機化合物に汚染された土壌をバックホウで掘削し、掘削された汚染土壌を水を入れた分離槽に投入して混合し、アルカリ剤を分離槽に供給し、空気(エアレーション)、炭酸ガス(炭酸塩からなるアルカリ剤と酸との反応との反応)、及び酸素ガス(過酸化水素水などの酸化剤の分解反応)などの気泡を分離槽へ供給して難水溶性有機物を水面上まで浮上させるものである。特許文献1では、浮上した難水溶性有機物を、分離槽から油水分離槽に排出したり、オイルスポンジのようなオイル吸着部材で分離槽において浮上した難水溶性有機物を吸着して除去したり、両者を併用したり、種々のタイプの処理剤を分離槽に供給して浮上した難水溶性有機物を凝縮或いは固化することにより、浮上した難水溶性有機物を分離処理することができるとしている。こうして、特許文献1では、分離した油を処理して回収することができるとしている。
また、掘削することなく油汚染土壌から効率的に油を回収する原位置処理方法としては、例えば、特許文献2に開示された油汚染土壌の原位置浄化方法がある。この原位置浄化方法は、注入井戸から油汚染土壌の地下水飽和層に空気を吹き込んでエアスパージングを行うと共に、アルカリ剤や界面活性剤等の有機剥離剤、フェントン反応を目的とするクエン酸、硫酸第一鉄、過酸化水素等の化学酸化剤、植物系溶剤や炭化水素系溶剤等の油軟化剤および/またはスチームなどの薬剤を注入することを順次または同時に行って土粒子に付着している油を剥離させ地下水中に浮遊している油と共に微細空気に同伴させて飽和層上面に移動させ、飽和層上面から油分を油回収井戸を通して回収し、残溜汚染油含量が低下した土壌を化学酸化分解処理および/またはバイオレメディエーション処理に供するものである。
こうして、特許文献2では、スパージング処理と薬剤処理との組合せで油分を回収しつつ土壌中の残溜汚染油含量を低下させ、最終的に化学酸化分解処理又はバイオレメディエーション処理することで、高〜中濃度の油汚染土壌を比較的短期間に経済的に許容水準まで浄化することができるとしている。
上述したような浄化方法は、油やVOC等の汚染物質に汚染された土壌を浄化するために、アルカリ剤、過酸化水素等の酸化剤、これと硫酸第一鉄からなるフェントン剤等の薬剤を用いるものであるが、近年、汚染土壌から得られた油等の汚染物質含有水の浄化において、上述のような薬剤に代えて、若しくは高価な薬剤等の一部に代えてオゾンを用いることが行われている(特許文献3及び4参照)。
例えば、特許文献3には、油及び/又はVOCで汚染された土壌の原位置浄化方法として、汚染土壌の地下水や、油汚染土壌を水により洗浄して洗浄された土壌から分離された油やVOC等の汚染物質を含有する被処理水を浄化する方法が提案されている。この浄化方法は、このような油等の汚染物質で汚染された被処理水を、2価及び/又は0価の鉄の濃度を所定濃度、例えば20mg/L以上に、pHを所定範囲、例えば3〜5の範囲に調整し、調整した被処理液にオゾン化酸素をミキサーにより混入し、循環処理しながら連続的にオゾンの注入を行うものである。
こうして、特許文献3では、このような汚染被処理水を高速で化学分解せしめ、地下に返送又は河川に放流することができるまで浄化できるとしている。
また、例えば、特許文献4には、ダイオキシン類、PCB等の有害物質を含有する処理対象水を、有害物質の含有量を飲料水レベルにまで浄化する連続処理方式の高度水処理方法として、処理対象水と、オゾン発生装置から発生し該処理対象水1リットルに対して0.004mg〜0.015mg注入したオゾンと、を混合してオゾン含有処理対象水とし、オゾン含有処理対象水を送水管に設けたラインミキサー方式のオゾン気泡微細化装置に通してオゾン含有処理対象水中のオゾンを平均粒径が0.5ミクロン〜3ミクロンとなるように微細気泡化し、このオゾン含有処理対象水を紫外線照射処理を行わずにオゾンで前記有害物質を酸化分解するオゾン処理槽に供給し、そして処理対象水中に含まれるダイオキシン類の70%を酸化分解処理するものである。
こうして、特許文献4では、単にオゾンを利用するだけでなく、より高い処理効果を発揮して人体からの排泄物を通じたダイオキシン類等の有害物質の悪循環を断ち切ることのできるオゾン処理を基本とする高度水処理技術を提供することができるとしている。
特開平09−299924号公報 特開2007−253059号公報 特開2013−220407号公報 特許第4259797号公報
ところで、上述した特許文献1に記載の現場処理を行う土壌浄化工法では、難水溶性有機化合物に汚染された土壌をバックホウで掘削し、掘削された汚染土壌を、水を入れた分離槽に投入して混合し、アルカリ剤等の薬剤や空気(エアレーション)等を供給して処理するので、分離槽を大きくする必要があり、装置構成が大型化するという問題があった。
また、特許文献2に記載の油汚染土壌の原位置浄化方法では、汚染土壌に注入井戸を設置し、注入井戸から空気と薬剤とを注入してエアスパージングしながら土粒子に付着している油を剥離させているので、掘削することなく油汚染土壌から効率的に油を回収して土壌中の残溜汚染油含量を低下させることができるが、井戸の間隔が広い場合には、土壌中の残溜汚染油含量を低下させるのに時間がかかるという問題があった。
また、特許文献1及び2に記載の技術では、油汚染土壌の掘削に有無にかかわらず、浄化している間中薬剤を使い続ける必要があり高コストとなる、特に過酸化水素水を使い続けると非常に高コストとなるという問題があった。
また、特許文献3に記載の技術では、油やVOC等の汚染物質の汚染土壌の汚染地下水や汚染土壌を水により洗浄して浄化した土壌から分離された汚染水を処理対象となる被処理水とするものであり、被処理水の浄化にオゾンを用いるものではあるが、汚染土壌自体は水による洗浄に過ぎないという問題があった。
また、特許文献4に記載技術では、環境中に循環しているダイオキシン類、PCB等の環境ホルモンに代表される有害物質を含有する水を処理対象となる処理対象水とするものであり、処理対象水の浄化に微細気泡化したオゾンを用いるものではあるが、油やVOCなどの汚染物質に汚染された汚染土壌を処理対象とするものではないという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、油、及び/又は揮発性有機化合物(VOC)で汚染された対象土壌から、原位置で、アルカリ剤、過酸化水素水や、これを含むフェントン剤等の薬剤を使用することなく、若しくは、これらの使用量を極力減らして、VOCを分解した上で、油を泥水化された土壌の泥水上に満遍なく効率よく確実に浮上させて、浮上した油を容易かつ確実に回収して、汚染土壌を浄化することができる土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の土壌浄化工法は、油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化工法であって、対象土壌に水及びマイクロバブルオゾン水を供給すると共に、対象土壌を、攪拌装置を用いて撹拌して、対象土壌を泥水化する泥水化工程と、泥水化された対象土壌内に、水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数のスパージングロッドを設置する設置工程と、泥水化された対象土壌内に設置された複数のスパージングロッドから少なくともマイクロバブルオゾン水と圧縮空気とを泥水化された対象土壌に噴射して、対象土壌中の揮発性有機化合物を分解すると共に、対象土壌中の油を対象土壌の泥水上に浮上させるスパージング工程と、対象土壌の泥水の上側に浮上した油を泥水と共に回収する回収工程と、回収工程で回収された油を含む泥水から土壌のスライムを分離して油を含有する油含有水を生成する油含有水生成工程と、生成された油含有水から油を分離して清浄化された清浄化水を生成する水清浄化工程と、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の態様の土壌浄化工法は、油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化工法であって、対象土壌に水及びマイクロバブルオゾン水を供給すると共に、対象土壌を、攪拌装置を用いて撹拌して、対象土壌を泥水化する泥水化工程と、泥水化された対象土壌内に、水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数のスパージングロッドを設置する設置工程と、泥水化された対象土壌内に設置された複数のスパージングロッドから少なくともマイクロバブルオゾン水と圧縮空気とを泥水化された対象土壌に噴射して、対象土壌中の揮発性有機化合物を分解すると共に、対象土壌中の油を対象土壌の泥水上に浮上させるスパージング工程と、対象土壌の泥水の上側に浮上した油を回収する回収工程と、を有し、複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備え、設置工程は、複数のスパージングロッドを互いに固定したスパージングロッド組立体として組み立て、各スパージングロッドの少なくとも先端の噴射孔から水を噴射させながら、先端を対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであることを特徴とする。
上記第1及び第2の態様において、水は、少なくとも2価の鉄分を0.1mg/L以上含有する鉄分含有水を含み、マイクロバブルオゾン水は、オゾンの含有量が0.5〜15mg/Lであり、含有するマイクロバブルオゾンの平均粒径が0.5〜80μmであることが好ましい。
また、泥水化工程は、対象土壌に水を投入し、水が投入された対象土壌を、攪拌装置で撹拌して、その後、撹拌された対象土壌にマイクロバブルオゾン水を注入して、更にマイクロバブルオゾン水が注入された対象土壌を、攪拌装置で撹拌して泥水化することが好ましい。
また、マイクロバブルオゾン水は、対象土壌の外部に設置されたオゾン発生装置で、発生されたオゾンと外部から供給された水とを混合撹拌してオゾンを微細気泡化することにより生成されることが好ましい。
また、水清浄化工程において生成された清浄化水を、オゾンと混合撹拌してオゾンを微細気泡化したマイクロバブルオゾン水を生成するために外部から供給する水として循環使用することが好ましい。
また、上記第1の態様において、複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備え、設置工程は、複数のスパージングロッドを互いに固定したスパージングロッド組立体として組み立て、各スパージングロッドの少なくとも先端の噴射孔から水を噴射させながら、先端を対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであることが好ましい。
また、上記第1及び第2の態様において、設置工程においては、複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体は、攪拌装置により吊り下げられるものであることが好ましい。
また、スパージング工程は、複数のスパージングロッドから水、マイクロバブルオゾン水と圧縮空気とを、それぞれ又は少なくとも2つを同時に、泥水化された対象土壌に噴射することを繰り返すものであり、複数のスパージングロッドから噴射されるマイクロバブルオゾン水、及び圧縮空気の噴射の調整は、対象土壌に発生している泡の状態により行われることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の第の態様の土壌浄化システムは、油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化システムであって、対象土壌に水を供給する水供給手段と、対象土壌の外部に設置され、対象土壌に供給するマイクロバブルオゾン水を生成するマイクロバブルオゾン水発生装置と、水及び/又はマイクロバブルオゾン水が供給された対象土壌を撹拌して泥水化する、攪拌装置と、対象土壌の外部に設置され、対象土壌に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサと、泥水化された対象土壌内に設置され、水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを泥水化された対象土壌内に噴射して、水及びマイクロバブルオゾン水の少なくとも一方と圧縮空気とのスパージングを行わせ、対象土壌中の揮発性有機化合物を分解すると共に、対象土壌中の油を対象土壌の泥水上に浮上させるための複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体と、対象土壌の泥水の上側に浮上した油を泥水と共に回収する油回収用泥水ポンプと、対象土壌の外部に設置され、油回収用泥水ポンプで回収された油を含む泥水を貯留する原水タンクと、原水タンクに回収されて貯留されている油を含む泥水を、土壌のスライムと、油を含有する油含有水と、に分離する土壌分離装置と、分離された油含有水から油を分離して清浄化された清浄化水を生成する加圧浮上装置と、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の態様の土壌浄化システムは、油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化システムであって、対象土壌に水を供給する水供給手段と、対象土壌の外部に設置され、対象土壌に供給するマイクロバブルオゾン水を生成するマイクロバブルオゾン水発生装置と、水及び/又はマイクロバブルオゾン水が供給された対象土壌を撹拌して泥水化する、攪拌装置と、対象土壌の外部に設置され、対象土壌に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサと、泥水化された対象土壌内に設置され、水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを泥水化された対象土壌内に噴射して、水及びマイクロバブルオゾン水の少なくとも一方と圧縮空気とのスパージングを行わせ、対象土壌中の揮発性有機化合物を分解すると共に、対象土壌中の油を対象土壌の泥水上に浮上させるための複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体と、対象土壌の泥水の上側に浮上した油を泥水と共に回収する油回収用泥水ポンプと、対象土壌の外部に設置され、油回収用泥水ポンプで回収された油を含む泥水を貯留する原水タンクと、を有し、複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備えるものであり、スパージングロッド組立体は、複数のスパージングロッドを互いに固定するように組み立てられたものであり、複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体は、攪拌装置により吊り下げられ、各スパージングロッドの少なくとも先端の噴射孔から水を噴射させながら、先端を対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであることを特徴とする。
上記第3及び第4の態様において、マイクロバブルオゾン水発生装置は、オゾンを発生させるオゾン発生装置と、オゾン発生装置で発生されたオゾンと外部から供給された水とを混合攪拌して、オゾンを微細気泡化したマイクロバブルオゾンを含有するマイクロバブルオゾン水を生成するオゾン気泡微細化装置と、を備えることが好ましい。
また、加圧浮上装置で生成された清浄化水を、マイクロバブルオゾン水発生装置に外部から供給する水として供給して循環使用し、オゾンと混合撹拌してオゾンを微細気泡化したマイクロバブルオゾン水を生成することが好ましい。
また、上記第3の態様において、複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備えるものであり、スパージングロッド組立体は、複数のスパージングロッドを互いに固定するように組み立てられたものであり、複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体は、攪拌装置により吊り下げられ、各スパージングロッドの少なくとも先端の噴射孔から水を噴射させながら、先端を対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであることが好ましい。
また、上記第3及び第4の態様において、更に、対象土壌の外部に設置され、マイクロバブルオゾン水発生装置及びコンプレッサに電力を供給する発電機を有していても良い。
また、上記目的を達成するために、本発明の第の態様のスパージングロッド組立体は、油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化するために用いられるスパージングロッド組立体であって、泥水化された対象土壌内に設置され、水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを対象土壌内に噴射して、水及びマイクロバブルオゾン水の少なくとも一方と圧縮空気とのスパージングを行わせ、対象土壌中の揮発性有機化合物を分解すると共に、対象土壌中の油を対象土壌の泥水上に浮上させるための複数のスパージングロッドと、複数のスパージングロッドを互いに固定する固定具と、水を供給する水供給手段と、マイクロバブルオゾン水を供給するマイクロバブルオゾン水発生装置と、圧縮空気を供給するコンプレッサにそれぞれ接続されて、供給される水、マイクロバブルオゾン水、及び圧縮空気を、それぞれ複数のスパージングロッドにそれぞれ分配する分配器具と、を有し、複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備えるものであり、各スパージングロッドの少なくとも先端の噴射孔から水を噴射させながら、複数のスパージングロッドのそれぞれの先端を対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであり、水及び/又は前記マイクロバブルオゾン水が供給された対象土壌を撹拌して泥水化する攪拌装置により吊り下げられるものであることを特徴とする。
本発明によれば、油、及び/又はVOCで汚染された対象土壌から、原位置で、アルカリ剤、過酸化水素水や、これを含むフェントン剤等の薬剤を使用することなく、若しくは、これらの使用量を極力減らして、VOCを分解した上で、油を泥水化された土壌の泥水上に満遍なく、効率よく確実に浮上させて、浮上した油を容易かつ確実に回収して、汚染土壌を浄化することができる。
本発明の一実施形態に係る土壌浄化工法を実施する本発明に係る土壌浄化システムの全体構成の一例を模式的に示すシステム構成図である。 図1に示す土壌浄化システムの水供給手段及びマイクロバブルオゾン水発生装置の構成の一例を模式的にシステム構成図である。 図2に示すマイクロバブルオゾン水発生装置の構成の一例を模式的にシステム構成図である。 図1に示す土壌浄化システムの対象土壌原位置におけるシステム構成の一例を説明するための部分拡大模式図である。 図3に示す土壌浄化システムの対象土壌原位置において用いられる本発明に係るスパージングロッド組立体の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示す土壌浄化システムに用いられる原水タンクから放流タンクに至る具体的な構成の一例を模式的に示す説明図である。 図1に示す土壌浄化システムで実施される土壌浄化工法の一例を模式的に示すフローチャートである。 (A)、(B)、(C)及び(D)は、それぞれ図7に示す土壌浄化工法の主要部のフローの一例を模式的に示す説明図である。
以下に、本発明に係る土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る土壌浄化工法を実施する本発明に係る土壌浄化システムの全体構成の一例を模式的に示す説明図である。
同図に示す土壌浄化システム10は、油、及び/又は揮発性有機化合物等(以下、単に、油汚染物質ともいう)で汚染された対象土壌TSを対象土壌TSが存在する原位置で浄化するためのものである。
なお、本発明において、油汚染物質で汚染された対象土壌TSとしては、油、及び/又は揮発性有機化合物(VOC)等が浸み込んで汚染された土壌であり、例えば油汚染物質を用いる工場やその跡地、油汚染物質を貯蔵する施設やその跡地、ガソリンスタンドやその跡地等を挙げることができる。
なお、本発明において、油汚染物質に含まれる油としては、原油、重油、軽油、灯油、ガソリン、潤滑油、汎用油(マシン油)、スピンドル油、ダイナモ油、シリンダ油、タービン油、油圧作動油(ブレーキフルードなど)、軸受け油、ギヤー油、摺動面潤滑油、冷凍機油、コンプレッサ油、熱媒体油、熱処理油、グリース、エンジンオイル、切削油、絶縁油、圧延油などの石油または石油を原料とする有機物、合成油、動植物油等を挙げることができる。
また、油汚染物質に含まれる揮発性有機化合物(VOC)としては、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質であり、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、テトラクロロエチレン、ベンゼン等が挙げられる。
図1に示す本発明の土壌浄化システム10は、水供給手段12と、マイクロバブルオゾン(MBO: Micro Bubble Ozone)水発生装置14と、コンプレッサ18と、攪拌装置16と、スパージングロッド組立体20と、油回収用泥水ポンプ22と、原水タンク24とを、主たる構成要素として有する。
また、図1に示すように、土壌浄化システム10は、更に、土壌分離装置26と、スライム受け28と、加圧浮上装置30と、放流タンク32とを有していても良い。
図1に示す水供給手段12は、油汚染物質で汚染された対象土壌TSに清浄水CWを供給するためのもので、例えば、図2に示すように、給水タンク34と、給水ポンプ36と、薬液ミキサ38と、薬液タンク40と、散布ポンプ42とを有することが好ましい。
なお、上述した種々の構成要素間においては、具体的には図示されていない場合であっても、また、具体的な説明は省略するが、後述する清浄水CW、薬剤含有水CS、マイクロバブルオゾン水OS、及び圧縮空気CAをそれぞれ送るための樹脂製又はゴム製の管状からなるホース等が用いられている。
給水タンク34は、対象土壌TSに隣接するその外部に設置され、清浄水CWを貯留するためのものである。なお、給水タンク34としては、それぞれ清浄水CWを貯留できれば、特に制限的ではなく、例えば従来公知の金属製又は樹脂製の水用タンクを用いることができるが、必要とされるタンク容量に応じて適宜選択すればよい。本発明において、清浄水CWとは、油汚染物質に汚染されていない水、又は油汚染物質が浄化された水等を意味し、例えば水道水や、普通の清浄な地下水や、油汚染物質の含有率が、n−ヘキサン抽出物濃度(n−H濃度)で、5mg/L以下であり、油臭及び油膜が認められなくなるまで浄化された浄化水等を挙げることができる。
したがって、給水タンク34には、清浄水CWとして、水道35aからの水道水が供給されても良いし、地下水を汲み上げる汲み上げポンプ35bから普通の清浄な地下水が供給されても良いし、放流タンク32から清浄化水が供給されても良い。
給水ポンプ36は、給水タンク34内に設置され、その内部の清浄水CWを外部に供給するためのものである。なお、給水ポンプ36としては、給水タンク34内の清浄水CWを、外部のマイクロバブルオゾン水発生装置14、及び/又は薬液ミキサ38に供給することができれば、特に制限的ではなく、例えば従来公知の水用ポンプを用いることができるが、必要とされるポンプ容量に応じて適宜選択すればよい。なお、給水ポンプ36は、図2に示すように、給水タンク34内の清浄水CWを、薬液タンク38やマイクロバブルオゾン水発生装置14に供給するのみならず、直接対象土壌TSに散布したり、対象土壌TSに設置されたスパージングロッド組立体20に供給するものであっても良い。
薬液ミキサ38は、対象土壌TSに隣接するその外部に設置され、給水ポンプ36から供給された清浄水CWに少なくとも2価の鉄分を含む薬剤を混合して鉄分含有水等の薬剤混合水(以下、薬液ともいう)CSを生成するためのものである。なお、薬液ミキサ38としては、少なくとも2価の鉄分等を含む薬剤を給水ポンプ36から供給された清浄水CWに混合して、所定濃度の鉄分含有水等の薬剤混合水CSを生成できれば、特に制限的ではなく、例えば従来公知の薬液ミキサを用いることができるが、薬剤の種類及び濃度等に応じて適宜選択すればよい。なお、図示例のように、薬液ミキサ38は、生成された薬剤混合水CSを薬液タンク40に供給するための薬液ポンプ39を備えていることが好ましい。薬液ポンプ39としては、給水ポンプ36や、散布ポンプ42と同様なポンプを用いることができる。
薬液タンク40は、対象土壌TSに隣接するその外部に設置され、薬液ミキサ38で生成された薬剤混合水CSを所定濃度で貯留するためのものである。なお、薬液タンク40としては、薬剤混合水CSを貯留できれば、特に制限的ではなく、例えば、給水タンク36と同様に従来公知の金属製又は樹脂製の水用タンクを用いることができるが、貯留する薬剤混合水CSの種類、及び必要とされるタンク容量に応じて適宜選択すればよい。
散布ポンプ42は、薬液タンク40内に設置され、対象土壌TSを泥水(スラリー)化するために薬液タンク40内の薬剤混合水CSを対象土壌TSに散布したり、対象土壌TSに設置されたスパージングロッド組立体20に供給するためのものである。なお、散布ポンプ42としては、薬液タンク40内の薬剤混合水CSを外部の対象土壌TSに散布したり、対象土壌TSに設置されたスパージングロッド組立体20に供給することができれば、特に制限的ではなく、例えば、給水ポンプ36や、薬液ポンプ39と同様な従来公知の水用ポンプを用いることができるが、水の種類、及び必要とされるポンプ容量に応じて適宜選択すればよい。
本発明において用いられる薬剤としては、まず、水に溶解する2価の鉄分を含む薬剤が挙げられる。このような2価の鉄分を含む薬剤としては、2価の鉄イオンを含むものであれば良いが、例えば硫酸第一鉄、硫化鉄等を挙げることができる。
ここで、対象土壌TSに散布する薬剤混合水CSの薬剤の濃度は、鉄分含有水としての鉄分の濃度として、対象土壌TSを泥水化することができ、対象土壌TSに浸み込んだ油汚染物質や、対象土壌TSの土塊や土粒子に付着した油汚染物質を、効率よく、剥離し、浮上させ、分解を促進させることができれば、いかなる濃度でも良い。例えば、鉄分含有水としての鉄分の濃度としては、0.1mg/L以上であることが好ましく、より好ましくは1mg/L以上である。鉄濃度が0.1mg/L未満であると、油汚染物質の剥離や浮上の効果が薄れ、分解反応速度が著しく低下するからである。
図1に示すマイクロバブルオゾン水発生装置14は、対象土壌TSに隣接するその外部に設置され、対象土壌TSに直接散布したり、対象土壌TSに設置されたスパージングロッド組立体20に供給するためのマイクロバブルオゾン(BMO)水OSを生成するためのものである。
マイクロバブルオゾン水発生装置14では、図2に示すように、その内部で発生させたオゾンを、水供給手段12の給水タンク34から給水ポンプ36によって供給された給水タンク36内の清浄水CWに混合して微細気泡化することによりマイクロバブルオゾン水OSを生成している。
図2に示すように、マイクロバブルオゾン水発生装置14で生成されたマイクロバブルオゾン水OSを、直接対象土壌TSに散布しても良いし、直接対象土壌TSに設置されたスパージングロッド組立体20に供給しても良いが、一旦薬液タンク40に供給し、薬液タンク40内に設置された薬液ポンプ42によって、対象土壌TSに散布しても良いし、スパージングロッド組立体20に供給しても良い。この時、薬液タンク40内には、薬剤含有水CSが入っていても良いし、全く入っていなくて空であっても良いし、清浄水CWが入っていても良い。即ち、薬液ポンプ42によって、マイクロバブルオゾン水OSと薬剤含有水CSとの混合水を対象土壌TSに散布しても良いし、スパージングロッド組立体20に供給しても良い。
マイクロバブルオゾン水発生装置14は、図3に示すように、オゾン発生装置44、オゾン気泡微細化装置46、反応槽48、及び循環ポンプ50を備えることが好ましい。なお、マイクロバブルオゾン水発生装置14は、更に、ブロア52及び排オゾンガス浄化装置54を備えていても良い。
オゾン発生装置44は、オゾンを発生させるためのものである。オゾン発生装置44としては、オゾンを発生させることができれば、特に制限的ではなく、従来公知のオゾン発生装置、例えば無声放電オゾン発生装置を用いることができる。
オゾン気泡微細化装置(以下、単に気泡微細化装置という)46は、反応槽48内の水(清浄水CWとオゾン発生装置44で発生されたオゾンとを混合攪拌して、オゾンを微細気泡化したマイクロバブルオゾンを生成し、生成されたマイクロバブルオゾンを含有するマイクロバブルオゾン水OSを生成するためのものである。
図示例の気泡微細化装置46は、外側が管体で構成されるインラインミキサー方式のオゾン気泡微細化装置であって、管体の一端が反応槽48内に突出するように取り付けられており、管体の他端には循環ポンプ50が接続され、循環ポンプ50から送られる水(清浄水CW)が流れる管体の長手方向と直交する方向から発生されたオゾンが供給されるようにオゾン発生装置44と接続されている。
なお、循環ポンプ50は、反応槽48にも接続されて連通しており、反応槽48内の水を気泡微細化装置46に送り込み、気泡微細化装置46でオゾンと撹拌混合してオゾンをマイクロバブルオゾンとして含むマイクロバブルオゾン水OSを反応槽48に戻すことを繰り返すために反応槽48内の水を循環させるためのものである。循環ポンプ50としては、気泡微細化装置46においてオゾンの気泡を微細化(マクロバブル化)できる程度の速度および流量の水を循環させることができれば、本発明は特に制限的ではなく、従来公知の循環ポンプを用いることができる。
気泡微細化装置46は、オゾン発生装置44で発生されたオゾンと、循環ポンプ50によって送られた反応槽48内の水によって混合撹拌することにより、オゾンを微細化させてマイクロバブルオゾンを生成させると共に、生成されたマイクロバブルオゾンを均一に水中に分散させてマイクロバブルオゾン水OSを生成して、反応槽48にマイクロバブルオゾン水OSを戻すことを繰り返している。
反応槽48においては、その内部の貯留水の上方から反応槽48内の下部に取り付けられた気泡微細化装置46のマイクロバブルオゾン水OSの出口近傍まで延びる供給管48a及び内部の貯留水の上表面近傍に排出管48bが設けられている。このため、外部の給水タンク34から給水ポンプ36によって供給された清浄水CWが、供給管48aから反応槽48の内側の下部に供給されるので、気泡微細化装置46で生成され、気泡微細化装置46から反応槽48内に排出されるマイクロバブルオゾン水OSに含まれるマイクロバブルオゾンは貯留水中に均一に分散される。
こうして、マイクロバブルオゾンが均一に分散されたマイクロバブルオゾン水OSは反応槽48を上昇していき、排出管48bが設けられている貯留水の上側の水表面近傍では、マイクロバブルオゾンを所定量含有するマイクロバブルオゾン水OSとなっている。なお、循環ポンプ50の吸入管50aに吸入される反応槽48内の貯留水は、マイクロバブルオゾンの含有量の少ないオゾン水であるが、気泡微細化装置46に供給されて、マイクロバブルオゾンの含有量が多いマイクロバブルオゾン水OSとなっている。
こうして、反応槽48の内部の上側の水表面近傍に貯留されたマイクロバブルオゾン水OSが排出管48bから外部に送られ、マイクロバブルオゾン水発生装置14の外部に排出される。この後、マイクロバブルオゾン水発生装置14の外部に排出されたマイクロバブルオゾン水OSは、図2を参照して上述したように、例えば、直接、又は一旦薬液タンク40に供給された後に、対象土壌TSに散布され、もしくはスパージングロッド組立体20に供給される。
図示例のインラインミキサー方式のオゾン気泡微細化装置は、オゾン発生装置44から供給されたオゾンと排水Wを混合し、オゾンと排水Wを同時に気泡微細化装置46に通すことによって、インラインミキサーの攪拌力で、オゾンを微細として水中に存在させるものである。
図示例では、本発明に用いられる気泡微細化装置46として、インラインミキサー方式を用いているが、オゾンの気泡を微細化できれば、本発明は特に限定的ではなく、例えば、オゾンと水の混合物を羽根や突起物を回転させることで水中にオゾンの微細を発生させる旋回方式や、タービンポンプの攪拌力によりオゾンを微細化する過流タービンポンプ方式等を挙げることができる。例えば、本発明に用いられるマイクロバブルオゾン水発生装置14のオゾン発生装置44及び気泡微細化装置46としては、特許文献4に記載のオゾン発生装置及びオゾン気泡微細化装置を用いることができる。
本発明においては、マイクロバブルオゾン水発生装置14、特に、気泡微細化装置46で生成されたマイクロバブルオゾンを含むマイクロバブルオゾン水OSは、対象土壌TSを泥水化するのに用いられるのみならず、対象土壌TSに浸み込んだ油汚染物質や、対象土壌TSの土塊や土粒子に付着した油汚染物質を、効率よく、剥離し、泥水(スラリー)上に浮上させ、分解を促進させるのに用いられる。特に、オゾンは、酸化剤として強い酸化力を有するので、マイクロバブルオゾンは、対象土壌TSやその泥水中に存在する油汚染物質中のVOCを分解することができる。
また、マイクロバブルオゾン水OSを生成するために水に注入するオゾンの注入量(マイクロバブルオゾン水のオゾンの含有量)は、対象土壌TSの油汚染物質による汚染濃度や、油汚染物質の溶存状況等から決定すればよいが、水1リットル(L)当たり0.5〜15mg、好ましくは2〜10mgとすることが好ましい。オゾンの含有量が、0.5mg/L未満ではオゾン投入による効果が少なく、15mg/L超ではマイクロバブルオゾン水OS中のオゾン濃度が飽和するので、投入した分だけ無駄になるからである。
なお、マイクロバブルオゾン水発生装置14においては、反応槽48から排出管48bを通って排出されるマイクロバブルオゾン水OSは、オゾンの含有量が上記の範囲となるように調整されることが好ましく、排出されるマイクロバブルオゾン水OSの水量と、反応槽48に供給管48aから供給される清浄水CWの水量とは、反応槽48内に貯留される水量ができるだけ変化しないように調整されることが好ましい。
本発明において、マイクロバブルオゾン水OS中のマイクロバブルオゾンの平均粒径(気泡径)は、0.5〜80μmであることが好ましい。その理由は、0.5μm未満では、水中にオゾン気泡を分散させるのが困難になり、微細化のために超音波処理装置等の余分なオゾン分散装置が必要となり装置構成が高価となるからであり、80μm超では、オゾンによる油汚染物質の剥離、浮上、及び分解の効率が低下し、効果が低くなってしまうからである。なお、気泡微細化装置46に、インラインミキサー方式を用いる場合には、マイクロバブルオゾンの平均粒径を0.5μm〜3.0μmに極微細化することができ、旋回方式を用いる場合には、マイクロバブルオゾンの平均粒径を10μm〜60μmに微細化することができ、過流タービンポンプ方式を用いる場合には、マイクロバブルオゾンの平均粒径を20μm〜80μmに微細化することができる。したがって、本発明においては、必要とされるマイクロバブルオゾンの平均粒径に応じて各方式を選択すればよい。なお、2以上の方式を組み合わせて必要とされる平均粒径のマイクロバブルオゾンを生成するようにしても良い。
なお、供給管48a及び排出管48bが設けられている反応槽48の上方には、空間48cが設けられており、空間48c内の空気中に反応槽48内に貯留されているマイクロバブルオゾン水OSから浮上したマイクロバブルオゾンが含有量は小さくてもオゾンガスとして存在することになる。このための、この空間48cに溜まっているオゾンガスを排出するブロワ52と、ブロワ52によって排出されたオゾンガスに紫外線照射をして酸素ガスに変えて、空気中にオゾンガス排出させないように処理する排オゾンガス浄化装置54を設けておくことが好ましい。
次に、図1に示す、攪拌装置16は、対象土壌TSに隣接するその外部に配置され、水供給手段12からの清浄水CW、薬剤含有水CS及び/又はマイクロバブルオゾン水OSが散布されて供給された対象土壌TSを撹拌して泥水化するためのものである。攪拌装置16としては、特に制限的ではなく、従来公知の、攪拌装置を用いることができ、例えば、バックホウの使用が好ましく、対象土壌TSの種類及び量に応じて適宜選択することができる。
コンプレッサ18は、図1及び図4に示すように、対象土壌TSに隣接するその外部に設置され、対象土壌TSに設置されたスパージングロッド組立体20に供給するための圧縮空気CAを生成するためのものである。コンプレッサ18としては、対象土壌TSに浸み込んだ油汚染物質や、対象土壌TSの土塊や土粒子に付着した油汚染物質を、効率よく、剥離し、浮上させることができる圧縮空気CAを生成できれば、特に制限的ではなく、従来公知のコンプレッサを用いることができ、対象土壌TSの種類や量や汚染濃度等に応じて適宜選択することができる。
スパージングロッド組立体20は、対象土壌TSへの清浄水CW、薬剤含有水CS及びマイクロバブルオゾン水OSの少なくとも1つの散布、及び散布済対象土壌TSの攪拌装置16による撹拌によって泥水化された対象土壌TS内に設置されるものである。
スパージングロッド組立体20は、図4及び図5に示すように、複数本、図示例では、4本のスパージングロッド56と、複数(4)本のスパージングロッド56を互いに固定する固定具58と、複数(4)本のスパージングロッド56にホースやチューブ等の樹脂製又はゴム製の屈強性のある管(以下、代表してホースという)60等を介して接続される分配器具62とを有する。
なお、図示例のスパージングロッド組立体20では、4本のスパージングロッド56が用いられているが、本発明はこれに限定されず、1本でも良いが、2本以上であることが好ましい。
各スパージングロッド56は、長尺のパイプ、例えば金属製又は樹脂製の管であって、先端は、開口し、噴射孔56aとして機能し、基端は、ホース60等を介して分配器具62に接続されている。
スパージングロッド組立体20は、攪拌装置16により吊り下げられ、その複数のスパージングロッド56が、図1及び図4に示すように、それぞれ、その先端の噴射孔56aから清浄水CW、薬剤含有水CS及びマイクロバブルオゾン水OSの少なくとも1つの水を噴射させながら、各スパージングロッド56の先端を泥水化された対象土壌TSの処理区画の底盤BMに差し込ませるものである。
各スパージングロッド56は、対象土壌TSに埋設される先端側の部分(図1及び図4に示す例では網掛け部分)には、図5に示す例では先端側の略半分の領域の側面には、複数の噴射孔56bが設けられている。各スパージングロッド56は、これらの噴射孔56a及び56bから、清浄水CW又は薬剤含有水CS、マイクロバブルオゾン水OS及び圧縮空気CAの少なくとも1つを対象土壌TS内に噴射して、対象土壌TS内において清浄水CW又は薬剤含有水CS、マイクロバブルオゾン水OSの少なくとも一方と圧縮空気CAとのスパージングを行わせ、対象土壌TS内の油汚染物質中のVOCをマイクロバブルオゾン水OSのマイクロバブルオゾンの酸化力によって分解すると共に、対象土壌TS内の油汚染物質中の油を対象土壌TSの泥水上に浮上させるためのものである。
固定具58は、複数本、図示例では、4本のスパージングロッド56を互いに固定して、各スパージングロッド56が所定の形状になるように、図5に示す例では四角形の頂点に位置するように組み立てるためのものである。なお、固定具58は、互いに固定するスパージングロッド56の本数に応じた頂点位置を持つ多角形とすることが好ましいが、正多角形とすることがより好ましい。なお、固定具58は、複数本のスパージングロッド56を多角形の頂点のみならず、中心にも配置するように固定しても良い。
また、各スパージングロッド56は、長尺であるので、複数本のスパージングロッド56を、その長手方向の2か所以上の位置において2つ以上の固定具をそれぞれ用いて固定することが好ましい。例えば、図示例では、4本のスパージングロッド56を、その基端側の位置及び先端と基端との中間位置において、2つの固定具をそれぞれ用いて互いに固定している。
分配器具62は、清浄水CWや薬剤含有水CSを供給する水供給手段12(給水ポンプ36、薬液ポンプ42)と、マイクロバブルオゾン水OSを供給するマイクロバブルオゾン水発生装置14と、圧縮空気CAを供給するコンプレッサ18にそれぞれホース60等を介して接続されると共に、複数本のスパージングロッド56のそれぞれにもホース60等を介して接続される。こうして、水供給手段12から供給される清浄水CWや薬剤含有水CS、マイクロバブルオゾン水発生装置14から供給されるマイクロバブルオゾン水OS、及びコンプレッサ18から供給される圧縮空気CAを、複数のスパージングロッドにそれぞれに分配するためのものである。
ここで、清浄水CW、薬剤含有水CS、マイクロバブルオゾン水OS、及び圧縮空気CAは、分配器具62によって、他を遮断してそれぞれ個別に1つのみを供給するようにしても良いし、これらを2以上、特に、圧縮空気CAと他の1つ以上を同時に供給するようにしても良い。
図1及び図4に示すように、油回収用泥水ポンプ22は、泥水化された対象土壌TSの上側、即ち泥水の上側に浮上した油を泥水と共に回収するためのものである。ここで、油回収用泥水ポンプ22は、油を泥水と共に回収できれば特に制限的ではなく、従来公知の油回収用泥水ポンプを用いることができる。
原水タンク24は、図1及び図6に示すように、対象土壌TSの泥水上から油回収用泥水ポンプ22によって回収された油含有泥水FSを貯留するためのものである。
原水タンク24内には、原水ポンプ64が、設置されており、原水タンク24内の油含有泥水FSを土壌分離装置26に供給する。
土壌分離装置26は、図6に示すように、原水ポンプ64によって供給される、原水タンク24内の油含有泥水FSを、固形分(土壌成分:例えば、砂分、シルト分、粘土分等)を含むスライムSLと、液体分である油含有水OWとに分離するためのもので、分離されたスライムSLは、スライム受け28に回収され、スライムSLが分離された油含有水OWはノッチタンク72に供給される。ここで、油含有水OWは、固形分が含まれていない油分と水分のみを含むものである。
土壌分離装置26は、図6に示す例では、遠心分離機66と、泥水タンク68と、遠心分離機ポンプ70と、撹拌ポンプ71とを備えるものである。
遠心分離機66は、油含有泥水FS中のスライムSLと、油含有水OWとを比重の差によって分離する、例えば遠心分離するためのもので、油含有泥水FSから、スライムSLを少しずつ徐々に分離することを繰り返し、最終的にスライムSLと、油含有水OWとに分離するものである。遠心分離機66としては、特制限的ではなく、公知のものを用いることができる。例えば、デシルターが挙げられる。土壌分離装置26として、この他、主に砂分を分離するための振動ふるい機などの分離装置を用いても良い。例えば、デサンダーが挙げられる。
泥水タンク68は、遠心分離機66によって、油含有泥水FS中から一部のスライムSLが分離除去されたが、まだ、固形分が含まれている油含有泥水FSを回収し、貯留するためのタンクである。
遠心分離機ポンプ70は、泥水タンク68内に設置されるもので、泥水タンク68内の油含有泥水FSを、再度、遠心分離機66に供給するためのものである。
撹拌ポンプ71は、泥水タンク68内に設置されるもので、油含有泥水FS中の固形分が泥水タンク68の底に堆積しないように撹拌するためのものである。
このように、土壌分離装置26においては、原水タンク24から原水ポンプ64によって供給される油含有泥水FSを、遠心分離機66でスライムSL分を少し分離除去してスライム受け28に回収すると共に、スライムSL分が少し分離除去された油含有泥水FSを泥水タンク68に回収する。土壌分離装置26では、泥水タンク68に回収された油含有泥水FSを撹拌ポンプ71で撹拌しながら、遠心分離機ポンプ70によって遠心分離機66に戻し、遠心分離機66に戻された油含有泥水FSを、遠心分離機66で再度スライムSLを少し分離除去してスライム受け28に回収した後に、再び泥水タンク68に戻すことを繰り返すことにより、油含有泥水FS中から、スライムSLを略分離除去した油含有水OWとすることができる。
なお、油含有水OWの固形分の含有量は、5mg/L以下であるのことが好ましい。
図6に示すノッチタンク72は、土壌分離装置26でスライムSL分が分離除去された油含有水OWを一時的に貯留するためのタンクである。
ノッチタンク24内には、原水ポンプ74が、設置されており、ノッチタンク72内の油が混合された油含有水OWを加圧浮上装置30に供給する。
ここで、図6に示す例では、ノッチタンク72に油含有水OWを一時的に貯留した後に、ノッチタンク72から油含有水OWを原水ポンプ74によって加圧浮上装置30に供給しているが、本発明はこれに限定されず、図1に示すように、土壌分離装置26から直接油含有水OWを加圧浮上装置30に供給しても良い。
加圧浮上装置30は、ノッチタンク72から原水ポンプ74によって供給される油含有水OWから油を分離して清浄化された清浄化水、即ち清浄水CWを生成するためのものである。
加圧浮上装置30は、油含有水OW中に混合されている、水より比重の小さい油に空気のマイクロバブルを付着させて見かけの密度をより小さくし、また加圧して空気を浮上させることにより、油を積極的に浮上させ、水から分離して、浮上した油は回収することにより、水を清浄化する、いわゆる加圧浮上法を行う装置であり、加圧浮上分離装置とも呼ばれる。加圧浮上装置30として、特に制限的ではなく、従来公知の加圧浮上装置を用いることができるが、この他、例えば、凝集剤を用いて予め油等の微細な浮遊物質を凝集させた後に加圧浮上法を行う凝集加圧浮上装置を用いても良い。
加圧浮上装置30において油含有水OWから油が分離されて清浄化された清浄化水は、上述したような、油やVOC等の油汚染物質の含有率が所定値以下の清浄水CWとして、放流タンク32に供給される。
放流タンク32は、清浄化水CWを、河川等に放流する前に、一時的に貯留しておくためのダイライトタンクである。なお、放流タンク32内に、排水ポンプ76を設置しておき、排水ポンプ76を用いて放流タンク32内の清浄化水CWを河川等に放流しても良い。なお、放流タンク32内の清浄化水CWを排水ポンプ76を用いて給水タンク36に供給して、対象土壌TSを泥水化するために対象土壌TSに直接散布するための清浄水CWとして用いても良いし、薬剤含有水CSを生成するために薬液ミキサ38に供給する清浄水CWとして用いても良いし、マイクロバブルオゾン水を生成するためにマイクロバブルオゾン水発生装置14に供給する清浄水CWとして用いても良い。
こうすることにより、加圧浮上装置30で生成された清浄化水を循環使用することができ、水道35aからの水道水の使用を減らすことができ、或いは、汲み上げポンプ35bによって汲み上げる地下水を減らすことができ、土壌浄化全体の費用(コスト)を低減することができるし、環境に与える負荷や影響を低減することができる。
なお、原水タンク24、泥水タンク68、ノッチタンク72、及び放流タンク32も、それぞれ、特に制限的ではなく、例えば、給水タンク36や薬液タンク40と同様に従来公知の金属製又は樹脂製の水用タンクを用いることができるが、対象とする水の種類、及び必要とされるタンク容量に応じて適宜選択すればよい。
また、原水ポンプ64、遠心分離機ポンプ70、撹拌ポンプ71、原水ポンプ74、及び排水ポンプ76も、それぞれ、特に制限的ではなく、例えば、油回収用泥水ポンプ22、給水ポンプ36、薬液ポンプ39、及び散布ポンプ42等と同様な従来公知の水用ポンプや回収用ポンプ等を用いることができるが、水の種類、及び必要とされるポンプ容量に応じて適宜選択すればよい。
本発明の土壌浄化システム及び本発明のスパージングロッド組立体は、基本的に以上のように構成される。
次に、本発明の土壌浄化システムにおいて実施される本発明の土壌浄化工法について説明する。
図7は、図1に示す土壌浄化システムで実施される本発明の土壌浄化工法の一例を模式的に示すフローチャートである。図8(A)、(B)、(C)及び(D)は、それぞれ図7に示す土壌浄化工法の主要部のフローの一例を模式的に示す説明図である。
本発明の土壌浄化工法は、油、及び/又はVOCで汚染された対象土壌TSを原位置で浄化する土壌浄化工法である。
まず、本発明の土壌浄化工法では、図7に示すように前段階の準備工程のステップS10として、図1に示す水供給手段12(給水タンク36、薬液ミキサ38、薬液タンク40)、マイクロバブルオゾン水発生装置14、攪拌装置16、コンプレッサ18、油回収用泥水ポンプ22、原水タンク24、土壌分離装置26、スライム受け28、加圧浮上装置30、及び放流タンク32等の本発明の土壌浄化工法を実施するのに必要な装置や部材を対象土壌TSに隣接する外部位置に準備して、配置しておくことが好ましい。また、図5に示すように、複数のスパージングロッド56を2つの固定具58を用いて互いに固定したスパージングロッド組立体20として組み立て、対象土壌TSに隣接する外部位置に準備しておくことが好ましい。
ここで、ステップS12において、図8(A)に示すように、対象土壌TSを泥水化(スラリー化)する泥水化工程を行う。
このステップS12の泥水化工程では、サブステップS30において、図8(A)に示すように、対象土壌TSに対して、水供給手段12から清浄水CW及び/又は薬液含有水CSを供給して散布する。すなわち、サブステップS30では、水供給手段12の給水タンク34から給水ポンプ36によって清浄水CWを供給して、対象土壌TSに散布し、水供給手段12の薬液タンク40から薬液ポンプ42によって鉄分含有水等の薬液含有水CSを供給して、対象土壌TSに散布する。
次に、サブステップS32において、図8(A)に示すように、対象土壌TSに対して、マイクロバブルオゾン水発生装置14からマイクロバブルオゾン水OSを供給して散布する。
次に、サブステップS34において、図8(A)に示すように、清浄水CW、薬液含有水CS及びマイクロバブルオゾン水OSが散布された対象土壌TSを攪拌装置16で撹拌して泥水(スラリー)化する。
なお、このステップS12の泥水化工程では、対象土壌TSの処理区画内において、対象土壌TSの泥水化が十分となるまで、同じ位置で、又は異なる位置で、サブステップS30の清浄水CW、薬液含有水CSの散布、サブステップS32のマイクロバブルオゾン水OSの散布、及びサブステップS34の攪拌装置16による撹拌を繰り返し行っても良い。
また、このステップS12の泥水化工程においても、薬液含有水CS及びマイクロバブルオゾン水OS等による対象土壌TS中の油汚染物質のVOC及び油の土塊や土粒子からの剥離や分解が行われることが好ましい。
次に、ステップS14において、図8(B)に示すように、泥水化された対象土壌TS内にスパージングロッド組立体20の複数、図示例では4本のスパージングロッド56を設置する設置工程を行う。
ステップS14の設置工程においては、複数のスパージングロッド56が固定具58で互いに固定されたスパージングロッド組立体20を攪拌装置16で吊り下げ、各スパージングロッド56の少なくとも先端の噴射孔56からマイクロバブルオゾン水OS、薬剤含有水(鉄分含有水)CS又は清浄水CWを噴射させながら、各スパージングロッド56の先端を対象土壌TSの処理区画の底盤BMに差し込んで固定することにより、複数(4)本のスパージングロッド56を設置することが好ましい。
次に、ステップS16において、図8(C)に示すように、少なくともマイクロバブルオゾン水OSと圧縮空気CAによって泥水化された対象土壌TSをスパージングするスパージング工程を行う。
このステップS16のスパージング工程では、まず、サブステップS35において、図8(C)に示すように、泥水化された対象土壌TS内に設置されたスパージングロッド組立体20の複数のスパージングロッド56の側面に設けられている複数の噴射孔56aから、泥水化された対象土壌TSに、マイクロバブルオゾン水発生装置14からのマイクロバブルオゾン水OSを噴射してスパージングを行い、マイクロバブルオゾン水OS、特にその中のマイクロバブルオゾンによって対象土壌TS中に浸み込んだ油汚染物質のVOCや、土塊や土粒子に付着しているVOCを分解して、対象土壌TS中に浸み込んだ油汚染物質の油分や、土塊や土粒子に付着している油分を対象土壌TSの泥水上に浮上させることが好ましい。
次に、サブステップS36において、図8(C)に示すように、各スパージングロッド56の複数の噴射孔56aから、泥水化された対象土壌TSに、コンプレッサ18からの圧縮空気CAを噴射してスパージングを行い、圧縮空気CAのバブルによって対象土壌TS中に浸み込んだ油汚染物質の油分や、土塊や土粒子に付着している油分を対象土壌TSの泥水上に浮上させることが好ましい。
ここで、このステップS16のスパージング工程においては、サブステップS35のマイクロバブルオゾン水OSのスパージングと、サブステップS36の圧縮空気CAのスパージングとは、対象土壌TS中のVOCの分解及び対象土壌TS中の油の泥水上への浮上が十分となるまで、繰り返し行うのが好ましい。
本発明においては、マイクロバブルオゾン水OSのスパージング、及び圧縮空気CAのスパージングを行う、特に好ましくは繰り返し行うことにより、油、及び/又はVOC等の汚染物質で汚染された対象土壌TSから、原位置で、アルカリ剤、過酸化水素水や、これを含むフェントン剤等の薬剤を使用することなく、VOCを分解した上で、油分を泥水化された対象土壌TSの泥水上に満遍なく効率よく確実に浮上させて、浮上した油を容易かつ確実に回収して、汚染土壌を浄化することができる。
なお、ステップS16のスパージング工程においては、サブステップS35とサブステップS36とを順次、もしくは同時に行うことを繰り返し行い、各スパージングロッド56の複数の噴射孔56aから、又は複数の噴射孔56a及び56bから、泥水化された対象土壌TSに、マイクロバブルオゾン水OS及び圧縮空気CAを、それぞれ順次、もしくは同時に、泥水化された対象土壌TSに噴射して、マイクロバブルオゾン水OS及び/又は圧縮空気CAによるスパージングを行い、マイクロバブルオゾン水OSによって対象土壌TS中のVOCを分解すると共に、マイクロバブルオゾン水OS、特にその中のマイクロバブルオゾン及び/又は圧縮空気CAによって対象土壌TS中の油を対象土壌TSの泥水上に浮上させることを繰り返すのが好ましい。ここで、複数(4)本のスパージングロッド56から噴射されるマイクロバブルオゾン水OS、及び圧縮空気CAの噴射の調整は、対象土壌TSの泥水に発生している泡の状態により行われることが好ましい。
なお、ステップS16のスパージング工程においては、マイクロバブルオゾン水OS及び圧縮空気CAに加え、清浄水CWや、薬剤含有水(鉄分含有水)CS等によるスパージングを行い、対象土壌TS中の油を対象土壌TSの泥水上に浮上させるようにしても良い。
次に、ステップS18において、図8(D)に示すように、対象土壌TSの泥水の上側に浮上した油分を回収する回収工程を行う。
このステップS18の回収工程では、図6に示すように、対象土壌TSの泥水の上側に浮上した油分を泥水中の水分と共に油含有泥水FSとして油回収用泥水ポンプ22によって回収する。
このステップS18の回収工程で油回収用泥水ポンプ22によって回収された油含有泥水FSは、原水タンク24に貯留される。
こうして、スパージングロッド組立体20の複数のスパージングロッド56が設置された対象土壌TSの処理区画内の処理領域では、当該処理領域の対象土壌TS内に含まれていた油汚染物質中のVOCは略完全に分解され、油分は略油回収用泥水ポンプ22によって油含有泥水FSとして回収され、原水タンク24に貯留されるが、対象土壌TSの処理区画内に未処理領域がある場合には、スパージングロッド組立体20を攪拌装置16によって吊り上げて、複数のスパージングロッド56を対象土壌TSの処理領域の底盤BMから抜き出し、上述したステップS14のスパージングロッドの設置工程に戻って、スパージングロッド組立体20の複数のスパージングロッド56を対象土壌TSの未処理領域に再度設置し直すことが好ましい。
この後、上述したように、ステップS14のスパージングロッドの設置工程、ステップS16のスパージング工程、及びステップS18の油分(油含有泥水FS)の回収工程を繰り返し、油含有泥水FSを原水タンク24に貯留することを、対象土壌TSの処理区画内に未処理領域が無くなるまで繰り返すことが好ましい。
次に、ステップS20において、油含有泥水FSからスライムSLを分離し、油含有水OWを生成する油含有水生成工程(スライムの分離工程)を行う。
このステップS20の油含有水生成工程においては、図6に示すように、原水タンク24に貯留された油含有泥水FSが、原水タンク24から、原水ポンプ64によって土壌分離装置26に供給され、土壌分離装置26において油含有泥水FSから固形分であるスライムSLを分離し、油分と水分のみを含む油含有水OWを生成することが好ましい。
ステップS20の油含有水生成工程において、土壌分離装置26では、原水ポンプ64によって油含有泥水FSが遠心分離機66に供給され、遠心分離機66において、油含有泥水FS中のスライムSLが少し分離され、分離されたスライムSLは、スライム受け28に回収され、スライムSL分が分離されて低下した油含有泥水FSは、泥水タンク68に貯留される。この時、貯留された油含有泥水FS中のスライムSLが、泥水タンク68の底に淀んで沈殿しないように、撹拌ポンプ71で、泥水タンク68内の油含有泥水FSを撹拌することが好ましい。
この後、泥水タンク68に貯留されたスライムSL分低下油含有泥水FSは、泥水ポンプ70によって、再度遠心分離機66に供給され、油含有泥水FS中のスライムSL分が少しずつ分離され、スライム受け28に回収され、更にスライムSL分が分離されて低下した油含有泥水FSは、泥水タンク68に戻される。これを繰り返して、油含有泥水FSからスライムSLを略完全に分離し、油分と水分のみを含む油含有水OWを生成することが好ましい。
こうして、ステップS20の油含有水生成工程で生成された油含有水OWは、ノッチタンク72に供給されて貯留される。
次に、ステップS22において、ステップS20の油含有水生成工程で生成された油含有水OWから油分を分離し、清浄化水CWを生成する水清浄化工程を行う。
このステップS22の水清浄化工程においては、図6に示すように、ノッチタンク72に貯留された油含有水OWが、ノッチタンク72から、原水ポンプ74によって加圧浮上装置30に供給され、加圧浮上装置30において油含有水OWから油分を加圧浮上法により分離し、清浄化された清浄化水CWを生成することが好ましい。こうして、油やVOCの含有量(濃度)が所定値以下に清浄化された清浄化水CWを生成することができる。
このステップS22の水清浄化工程で生成された清浄化水CWは、放流タンク32に供給されて貯留される。
次に、ステップS24において、流タンク32から清浄化水CWの放流工程を行う。
このステップS24の放流工程においては、図6に示すように、ステップS22の水清浄化工程で生成された清浄化水CWは、放流タンク32に供給されて貯留された後、放流タンク32から、直接、又は放流タンク32内の排水ポンプ76によって、外部の河川等に放流される。
なお、水清浄化工程において生成され、放流タンク32に貯留された清浄化水CWを、ステップS12の泥水化工程のサブステップS32において対象土壌TSに散布するマイクロバブルオゾン水OSを生成するマイクロバブルオゾン水発生装置14に供給する清浄水CWとして循環使用しても良い。即ち、マイクロバブルオゾン水発生装置14において、オゾンと混合撹拌してオゾンを微細気泡化してマイクロバブルオゾン水を生成するために外部から供給する清浄水CWとして使用しても良い。こうすることにより、水道35aからの水道水の使用を減らすことができ、或いは、汲み上げポンプ35bによって汲み上げる地下水を減らすことができ、土壌浄化全体の費用(コスト)を低減することができるし、環境に与える負荷や影響を低減することができる。
上述した例では、油、及び/又はVOC等の油汚染物質で汚染された対象土壌TSから、原位置で、アルカリ剤、過酸化水素水や、これを含むフェントン剤等の薬剤を使用することなく、マイクロバブルオゾン水OS及び圧縮空気CAのスパージングにより、VOCを分解した上で、油分を泥水化された土壌の泥水上に満遍なく効率よく確実に浮上させて、浮上した油を容易かつ確実に回収して、汚染土壌を浄化しているが、本発明はこれに限定されず、対象土壌TSにおける油汚染物質の汚染度合や汚染状況によっては、油分の浮上や、浮上した油の回収や、汚染土壌の浄化等の効率や確実性を向上させるために、アルカリ剤、過酸化水素水や、これを含むフェントン剤等の薬剤を、これらの薬剤の使用量を極力減らした上で、マイクロバブルオゾン水OS及び圧縮空気CAのスパージングと共に用いても良いのは勿論である。
ここで用いられる薬剤としては、アルカリ剤、酸化剤、過酸化水素水や、これを含むフェントン剤等の薬剤を上げることができる。
ここで、アルカリ剤としては、例えば苛性ソーダ、炭酸ソーダ、過炭酸ソーダ、消石灰、苛性カリ、炭酸カリ等である。なお、アルカリ剤の添加量は、例えば、酸化剤を添加した後に土壌のpHが8以上になる様な数値であるのが好ましい。
また、酸化剤としては、過酸化水素や、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ピロリン酸ナトリウム、過リン酸ナトリウム等の様に水に溶解すると過酸化水素を遊離する無機系酸化剤や、過酢酸、過コハク酸、過グルタル酸、過安息香酸等の様な有機系酸化剤や、カロ酸及びその無機塩、次亜塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウムなどの様な塩素系酸化剤、等であるのが好ましい。なお、これ等の酸化剤の添加量は、例えば、対象土壌に対して0.01重量%以上、好ましくは1〜20%に設定されている。
以上、本発明の土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体についての種々の実施形態および実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態および実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのは勿論である。
10 土壌浄化システム
12 水供給手段
14 マイクロバブルオゾン(MBO)水発生装置
16 攪拌装置
18 コンプレッサ
20 スパージングロッド組立体
22 油回収用泥水ポンプ
24 原水タンク
26 土壌分離装置
28 スライム受け
30 加圧浮上装置
32 放流タンク
34 給水タンク
36 給水ポンプ
38 薬液ミキサ
40 薬液タンク
42 散布ポンプ
44 オゾン発生装置
46 オゾン気泡微細化装置
48 反応槽
50 循環ポンプ
52 ブロア
54 排オゾンガス浄化装置
56 スパージングロッド
58 固定具
60 屈強性のある管(ホース)
62 分配器具
64、74 原水ポンプ
66 遠心分離機
68 泥水タンク
70 遠心分離機ポンプ
71 撹拌ポンプ
72 ノッチタンク
76 排水ポンプ

Claims (12)

  1. 油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化工法であって、
    前記対象土壌に水及びマイクロバブルオゾン水を供給すると共に、前記対象土壌を、攪拌装置を用いて撹拌して、前記対象土壌を泥水化する泥水化工程と、
    泥水化された前記対象土壌内に、前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数のスパージングロッドを設置する設置工程と、
    泥水化された前記対象土壌内に設置された前記複数のスパージングロッドから少なくとも前記マイクロバブルオゾン水と前記圧縮空気とを泥水化された前記対象土壌に噴射して、前記対象土壌中の前記揮発性有機化合物を分解すると共に、前記対象土壌中の前記油を前記対象土壌の泥水上に浮上させるスパージング工程と、
    前記対象土壌の前記泥水の上側に浮上した前記油を前記泥水と共に回収する回収工程と、
    前記回収工程で回収された前記油を含む前記泥水から前記土壌のスライムを分離して前記油を含有する油含有水を生成する油含有水生成工程と、
    生成された前記油含有水から前記油を分離して清浄化された清浄化水を生成する水清浄化工程と、を有することを特徴とする土壌浄化工法。
  2. 前記水は、少なくとも2価の鉄分を0.1mg/L以上含有する鉄分含有水を含み、
    前記マイクロバブルオゾン水は、オゾンの含有量が0.5〜15mg/Lであり、含有するマイクロバブルオゾンの平均粒径が0.5〜80μmである請求項1に記載の土壌浄化工法。
  3. 前記マイクロバブルオゾン水は、前記対象土壌の外部に設置されたオゾン発生装置で発生されたオゾンと外部から供給された水とを混合撹拌して前記オゾンを微細気泡化することにより生成される請求項1又は2に記載の土壌浄化工法。
  4. 前記水清浄化工程において生成された前記清浄化水を、オゾンと混合撹拌して前記オゾンを微細気泡化した前記マイクロバブルオゾン水を生成するために外部から供給する水として循環使用する請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌浄化工法。
  5. 前記複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備え、
    前記設置工程は、
    前記複数のスパージングロッドを互いに固定したスパージングロッド組立体として組み立て、
    各スパージングロッドの少なくとも先端の前記噴射孔から前記水を噴射させながら、前記先端を前記対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものである請求項1〜のいずれか1項に記載の土壌浄化工法。
  6. 油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化工法であって、
    前記対象土壌に水及びマイクロバブルオゾン水を供給すると共に、前記対象土壌を、攪拌装置を用いて撹拌して、前記対象土壌を泥水化する泥水化工程と、
    泥水化された前記対象土壌内に、前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数のスパージングロッドを設置する設置工程と、
    泥水化された前記対象土壌内に設置された前記複数のスパージングロッドから少なくとも前記マイクロバブルオゾン水と前記圧縮空気とを泥水化された前記対象土壌に噴射して、前記対象土壌中の前記揮発性有機化合物を分解すると共に、前記対象土壌中の前記油を前記対象土壌の泥水上に浮上させるスパージング工程と、
    前記対象土壌の前記泥水の上側に浮上した前記油を回収する回収工程と、を有し、
    前記複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備え、
    前記設置工程は、
    前記複数のスパージングロッドを互いに固定したスパージングロッド組立体として組み立て、
    各スパージングロッドの少なくとも先端の前記噴射孔から前記水を噴射させながら、前記先端を前記対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであることを特徴とする土壌浄化工法。
  7. 油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化システムであって、
    前記対象土壌に水を供給する水供給手段と、
    前記対象土壌の外部に設置され、前記対象土壌に供給するマイクロバブルオゾン水を生成するマイクロバブルオゾン水発生装置と、
    前記水及び/又は前記マイクロバブルオゾン水が供給された前記対象土壌を撹拌して泥水化する攪拌装置と、
    前記対象土壌の外部に設置され、前記対象土壌に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサと、
    泥水化された前記対象土壌内に設置され、前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを泥水化された前記対象土壌内に噴射して、前記水及び前記マイクロバブルオゾン水の少なくとも一方と前記圧縮空気とのスパージングを行わせ、前記対象土壌中の前記揮発性有機化合物を分解すると共に、前記対象土壌中の前記油を前記対象土壌の泥水上に浮上させるための複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体と、
    前記対象土壌の前記泥水の上側に浮上した前記油を前記泥水と共に回収する油回収用泥水ポンプと、
    前記対象土壌の外部に設置され、前記油回収用泥水ポンプで回収された前記油を含む前記泥水を貯留する原水タンクと、
    前記原水タンクに回収されて貯留されている前記油を含む前記泥水を、前記土壌のスライムと、前記油を含有する油含有水と、に分離する土壌分離装置と、
    分離された前記油含有水から前記油を分離して清浄化された清浄化水を生成する加圧浮上装置と、を有することを特徴とする土壌浄化システム。
  8. 前記マイクロバブルオゾン水発生装置は、オゾンを発生させるオゾン発生装置と、該オゾン発生装置で発生された前記オゾンと外部から供給された水とを混合攪拌して、前記オゾンを微細気泡化したマイクロバブルオゾンを含有する前記マイクロバブルオゾン水を生成するオゾン気泡微細化装置と、を備える請求項7に記載の土壌浄化システム。
  9. 前記加圧浮上装置で生成された前記清浄化水を、前記マイクロバブルオゾン水発生装置に外部から供給する水として供給して循環使用し、前記オゾンと混合撹拌して前記オゾンを微細気泡化した前記マイクロバブルオゾン水を生成する請求項7又は8に記載の土壌浄化システム。
  10. 前記複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備えるものであり、
    前記スパージングロッド組立体は、前記複数のスパージングロッドを互いに固定するように組み立てられたものであり、
    前記複数のスパージングロッドの前記スパージングロッド組立体は、前記攪拌装置により吊り下げられ、各スパージングロッドの少なくとも先端の前記噴射孔から前記水を噴射させながら、前記先端を前記対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものである請求項7〜のいずれか1項に記載の土壌浄化システム。
  11. 油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化する土壌浄化システムであって、
    前記対象土壌に水を供給する水供給手段と、
    前記対象土壌の外部に設置され、前記対象土壌に供給するマイクロバブルオゾン水を生成するマイクロバブルオゾン水発生装置と、
    前記水及び/又は前記マイクロバブルオゾン水が供給された前記対象土壌を撹拌して泥水化する攪拌装置と、
    前記対象土壌の外部に設置され、前記対象土壌に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサと、
    泥水化された前記対象土壌内に設置され、前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを泥水化された前記対象土壌内に噴射して、前記水及び前記マイクロバブルオゾン水の少なくとも一方と前記圧縮空気とのスパージングを行わせ、前記対象土壌中の前記揮発性有機化合物を分解すると共に、前記対象土壌中の前記油を前記対象土壌の泥水上に浮上させるための複数のスパージングロッドのスパージングロッド組立体と、
    前記対象土壌の前記泥水の上側に浮上した前記油を前記泥水と共に回収する油回収用泥水ポンプと、
    前記対象土壌の外部に設置され、前記油回収用泥水ポンプで回収された前記油を含む前記泥水を貯留する原水タンクと、を有し、
    前記複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備えるものであり、
    前記スパージングロッド組立体は、前記複数のスパージングロッドを互いに固定するように組み立てられたものであり、
    前記複数のスパージングロッドの前記スパージングロッド組立体は、前記攪拌装置により吊り下げられ、各スパージングロッドの少なくとも先端の前記噴射孔から前記水を噴射させながら、前記先端を前記対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであることを特徴とする土壌浄化システム。
  12. 油、及び/又は揮発性有機化合物で汚染された対象土壌を原位置で浄化するために用いられるスパージングロッド組立体であって、
    泥水化された前記対象土壌内に設置され、水、マイクロバブルオゾン水及び圧縮空気の少なくとも1つを前記対象土壌内に噴射して、前記水及び前記マイクロバブルオゾン水の少なくとも一方と前記圧縮空気とのスパージングを行わせ、前記対象土壌中の前記揮発性有機化合物を分解すると共に、前記対象土壌中の前記油を前記対象土壌の泥水上に浮上させるための複数のスパージングロッドと、
    前記複数のスパージングロッドを互いに固定する固定具と、
    前記水を供給する水供給手段と、前記マイクロバブルオゾン水を供給するマイクロバブルオゾン水発生装置と、前記圧縮空気を供給するコンプレッサにそれぞれ接続され、供給される前記水、前記マイクロバブルオゾン水、及び前記圧縮空気を、それぞれ前記複数のスパージングロッドにそれぞれ分配する分配器具と、を有し、
    前記複数のスパージングロッドは、それぞれ、先端及び側面に前記水、前記マイクロバブルオゾン水及び前記圧縮空気の少なくとも1つを噴射する複数の噴射孔を備えるものであり、
    各スパージングロッドの少なくとも先端の前記噴射孔から前記水を噴射させながら、前記複数のスパージングロッドのそれぞれの前記先端を前記対象土壌の処理区画の底盤に差し込ませるものであり、
    前記水及び/又は前記マイクロバブルオゾン水が供給された前記対象土壌を撹拌して泥水化する攪拌装置により吊り下げられるものであることを特徴とするスパージングロッド組立体。
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