WO2016203817A1 - 乳風味改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】乳性飲食品に添加することにより、従来にはない、牛乳をUHT殺菌することにより生成する、牛乳様のフレッシュな風味を想起させる乳性飲食品を得ることができる乳風味改善剤を提供する。 【解決手段】乳性飲食品に含硫アミノ酸、または含硫アミノ酸を含有する組成物、およびこれらを含有する乳風味フレーバーを添加することにより、牛乳をUHT殺菌することにより生成する、牛乳様のフレッシュな風味を想起させ、乳風味を改善させることを見出した。
Description
本発明は、含硫アミノ酸、または含硫アミノ酸を含有する組成物を有効成分とする乳風味改善剤、特に、乳性飲食品に牛乳様のフレッシュな風味を付与する、含硫アミノ酸を有効成分とする乳風味改善剤に関する。
近年、消費者の食生活の多様化にともない飲食品についても多様性が求められており、多くの商品群が開発されている。その中でも、牛乳、加工乳、乳飲料、乳酸菌飲料、乳配合飲料、バター、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳性飲食品は、元来牛乳等が有する種々の栄養素の観点から、健康志向の飲食品として有望視されており、現在、数多くの品目が上市されている。
しかしながら、牛乳や乳製品の価格高騰や需給逼迫に加え、消費者の健康志向による低脂肪タイプのニーズ拡大により、乳性飲食品に使用する牛乳や乳製品の使用量を減らすことが多くなっている。
牛乳や乳製品の使用量を減らすことにより、それらの乳性飲食品では乳脂感やコク味等の牛乳の風味が不足することとなる。従来、この風味不足を補うため、乳製品の酵素処理、微生物発酵した脂肪酸、アミノ酸、ペプチドを有効成分とする呈味素材、およびアミノ酸、ペプチド、核酸を有効成分とする酵母エキスが使用されていた。
例えば、乳脂肪含有食品材料をペニシリウム・クリソゲヌムに属する微生物の産生するリパーゼの存在下に、酵素反応させることにより、持続性乳製品フレ-バ-を製造する方法(特許文献1)、乳または乳加工品をリパーゼの存在下に酵素反応させて得られる酵素分解物および乳または乳加工品を香気回収手段に供して得られる回収香から乳製品フレーバーを製造する方法(特許文献2)、原料ミックスに、アミノ酸及び酸を添加することにより発酵乳と同様の風味を有する無発酵食品が得られる方法(特許文献3)、食用植物油脂と酵母エキス粉末の混合物を粉末状態で加熱して調製されるミート様フレーバーを有する粉末調味料と酵母エキスを配合したことによる、チーズ風味及び/又は乳感を増強する方法(特許文献4)、5’-グアニル酸ナトリウムを3重量%以上、酵母エキス中の全アミノ酸に対するペプチドの割合が90重量%以上含有する酵母エキスと脱脂粉乳及び/又は脱脂乳を水に溶解後、乾燥して得られる低脂肪又は無脂肪の乳製品用調味料(特許文献5)などが挙げられる。
しかしながら、それらの提案は不足する乳脂感やコク味等の呈味の風味増強に関するものである。一方で、日本で広く普及した超高温加熱処理法(以下UHTと記す)殺菌牛乳が消費者に牛乳として認知されているが、製造直後のUHT殺菌牛乳の持つ特有の牛乳感を連想させるフレッシュな風味を再現させる提案はこれまでされていない。
本発明の目的は、乳性飲食品に添加することにより、牛乳をUHT殺菌することで生成する、牛乳様のフレッシュな風味を想起させる乳性飲食品を得ることができる乳風味改善剤を提供することにある。
本発明者らは、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、乳性飲食品に含硫アミノ酸、または含硫アミノ酸を含有する組成物を添加して加熱することにより、牛乳をUHT殺菌することで生成する、牛乳様のフレッシュな風味を想起させ、乳風味を改善させることを見出し本発明の完成に至った。
本発明は、以下の乳風味改善剤および乳風味改善組成物を提供することができる。
(1)含硫アミノ酸を有効成分とする乳性飲食品の乳風味改善剤。
(2)含硫アミノ酸がメチオニン、システイン、シスチンおよびグルタチオンからなる群から選択される1種または2種以上である、(1)の乳風味改善剤。
(3)含硫アミノ酸を0.01質量%~30質量%含有する、(1)または(2)の乳風味改善剤。
(4)乳風味改善剤が酵母エキスである、(3)の乳風味改善剤。
(5)(1)~(4)いずれかの乳風味改善剤を加熱して得られた、乳性飲食品の乳風味改善剤。
(6)(1)~(5)いずれかの乳風味改善剤を含有する乳風味改善組成物。
(7)さらに乳風味フレーバーを含有する(6)の乳風味改善組成物。
(8)(6)または(7)の乳風味改善組成物を加熱して得られた、乳風味改善組成物。
(9)(6)~(8)いずれかの乳風味改善組成物を含有する乳性飲食品。
(10)(6)~(8)いずれかの乳風味改善組成物を、乳性飲食品に対して0.1ppm~2.0質量%添加する、乳性飲食品の乳風味改善方法。
(11)(3)または(4)の乳風味改善剤を乳風味フレーバーに添加後、加熱する乳風味改善組成物の製造方法。
(12)(6)~(8)いずれかの乳風味改善組成物を乳性飲食品に添加後、加熱する乳性飲食品の製造方法。
(1)含硫アミノ酸を有効成分とする乳性飲食品の乳風味改善剤。
(2)含硫アミノ酸がメチオニン、システイン、シスチンおよびグルタチオンからなる群から選択される1種または2種以上である、(1)の乳風味改善剤。
(3)含硫アミノ酸を0.01質量%~30質量%含有する、(1)または(2)の乳風味改善剤。
(4)乳風味改善剤が酵母エキスである、(3)の乳風味改善剤。
(5)(1)~(4)いずれかの乳風味改善剤を加熱して得られた、乳性飲食品の乳風味改善剤。
(6)(1)~(5)いずれかの乳風味改善剤を含有する乳風味改善組成物。
(7)さらに乳風味フレーバーを含有する(6)の乳風味改善組成物。
(8)(6)または(7)の乳風味改善組成物を加熱して得られた、乳風味改善組成物。
(9)(6)~(8)いずれかの乳風味改善組成物を含有する乳性飲食品。
(10)(6)~(8)いずれかの乳風味改善組成物を、乳性飲食品に対して0.1ppm~2.0質量%添加する、乳性飲食品の乳風味改善方法。
(11)(3)または(4)の乳風味改善剤を乳風味フレーバーに添加後、加熱する乳風味改善組成物の製造方法。
(12)(6)~(8)いずれかの乳風味改善組成物を乳性飲食品に添加後、加熱する乳性飲食品の製造方法。
本発明の含硫アミノ酸を有効成分とする乳風味改善剤は、それ自体またはそれを含有する組成物を乳性飲食品に添加して加熱することにより、牛乳をUHT殺菌することで生成する、牛乳様のフレッシュな風味を想起させ、乳風味を改善することができる。
以下、牛乳様のフレッシュな風味を想起させ、乳風味を改善させる効果を有する本発明の乳風味改善剤についてさらに詳細に説明する。
本発明で使用される含硫アミノ酸とは、含硫化合物であって、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を有し、アミノ基がカルボキシル基のα位に結合している化合物であれば、特に限定されず、ジペプチド、トリペプチド等のペプチド化合物であっても良い。例えば、メチオニン、システイン、シスチンまたはグルタチオンを挙げることができる。
本発明で使用される酵母エキスとは、前記含硫アミノ酸を含有する酵母エキスであれば特に限定されず、前記含硫アミノ酸が高含有である酵母エキスであることが好ましい。例えば、システインペプチド含有酵母エキスなどが挙げられ、ハイチオンエキス(登録商標)YH、アロマイルド(登録商標)U(以上興人ライフサイエンス社製)、グルタイーストエキスN、グルタイーストエキスDN(以上協和発酵バイオ社製)、イーストパウダーHG(オリエンタル酵母工業社製)、スプリンガー4101/0-PW-L(バイオスプリンガー社製)などを挙げることができる。
本発明で使用される酵母エキスに含有される含硫アミノ酸の量は0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~25質量%、より好ましくは1質量%~20質量%を挙げることができる。含硫アミノ酸の含有量はなるべく高含量であることが好ましい。
本発明において乳性飲食品とは、牛乳、乳、加工乳、乳飲料、乳酸菌飲料、乳配合飲料などの飲食品であり、乳が配合された飲食品を示す。乳性飲食品の例としては、牛乳、山羊乳などの生乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、調整粉乳、濃縮乳などの加工乳、生クリーム、アイスクリーム、バター、チーズ、ヨーグルト、クリームパウダー、粉末たんぱく飲料、発酵乳、乳酸菌飲料などの乳由来製品、ホワイトソース、ミルクプリン、クリームスープ、粉末たんぱく食品などの食品を挙げることができる。
本発明の乳風味改善剤を乳性飲食品に添加し、その後加熱することにより、乳性飲食品の乳風味を改善することができる。あるいは、本発明の乳風味改善剤を加熱し、次に乳性飲食品に添加することによっても、乳性飲食品の乳風味を改善することができる。あるいはまた、本発明の乳風味改善剤をわずかに加熱し、次に乳性飲食品に添加した後、再度加熱することによっても、乳性飲食品の乳風味を改善することができる。該乳風味改善剤を含有する本発明の乳風味改善剤組成物についても同様である。こうして、特に、乳性飲食品に、牛乳をUHT殺菌することで生成する、牛乳様のフレッシュな風味を想起させることができる。
本発明の乳風味改善剤の乳性飲食品に対する添加量は、0.1ppm~2.0質量%、好ましくは1ppm~0.5質量%、さらに好ましくは10ppm~0.1質量%を挙げることができる。添加量が0.1ppmより少ないと、乳性飲食品の乳風味が改善されず、また、添加量が2.0質量%より多いと、乳風味改善剤を乳性飲食品に添加後加熱した際に、不快な硫黄臭を生じさせることになってしまう。
前記に示すように、本発明の乳風味改善剤をそのまま乳性飲食品に添加することも可能であるが、該乳風味改善剤を乳風味フレーバー等に添加した乳風味改善組成物を乳性飲食品に添加することもできるし、該乳風味改善剤と乳風味フレーバー等を乳性飲食品に別々に添加することもできる。本発明の乳風味改善組成物の乳性飲食品に対する添加量は、0.1ppm~5.0質量%、好ましくは1ppm~1.0質量%、さらに好ましくは5ppm~0.2質量%、より好ましくは10ppm~0.1質量%を挙げることができる。
本発明の乳風味改善組成物は、特に乳風味フレーバーを含有する場合には、乳性飲食品に、ミルク感、脂肪感、クリーム感などの風味を付与または増強するとともに、牛乳様のフレッシュな風味を想起させることができる。さらに本発明の乳風味改善剤を乳風味フレーバーに添加した後に加熱することにより、さらに牛乳様のフレッシュな風味を想起させる乳風味改善組成物を得ることができる。
また、前記に示すように、本発明の乳風味改善剤もしくは乳風味改善組成物を加熱することにより、または乳風味改善剤もしくは乳風味改善組成物を添加した乳性飲食品を加熱することにより、牛乳様のフレッシュな風味を想起させることができる。この場合、加熱温度は、通常60~160℃、好ましくは70~150℃であることが望ましい。また加熱時間は2秒~30分、好ましくは2秒~20分であることが望ましい。
本発明の乳風味改善剤もしくは乳風味改善組成物を加熱することにより、または乳風味改善剤もしくは乳風味改善組成物を添加した乳性飲食品を加熱することにより、含硫アミノ酸を前駆体として、硫化水素やジスルフィド化合物(ジメチルジスルフィドなど)を少なくとも含み、場合に応じてさらにトリスルフィド化合物(ジメチルトリスルフィドなど)、メタンエチオール、3-メチルチオフェン等を含む含硫化合物の混合物が生成し、この含硫化合物の混合物が乳性飲食品に牛乳様のフレッシュな風味を付与する効果を有する。前記含硫化合物の混合物の組成は、前駆体である含硫アミノ酸の種類、加熱温度、加熱時間等により変化する。なお、本発明の乳風味改善剤および乳風味改善組成物には、含硫アミノ酸を有効成分とする前記乳風味改善剤または乳風味改善組成物を加熱して得られたものも含まれる。
本発明で使用する乳風味フレーバーは、ラクトン類、脂肪酸類、アルデヒド類、エステル類、アルコール類、ケトン類、含窒素化合物類、含硫化合物類など公知の香料化合物;乳脂のリパーゼ分解物;乳タンパク質のプロテアーゼ分解物;乳、濃縮乳、粉乳、ミルクホエー、バター、チーズ、ヨーグルトもしくはこれらの混合物からの乳または乳加工品の分画物などを挙げることができる。
本発明で使用する香料化合物としては、例えば、「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、P88-131、平成12年1月14日発行」に記載されている天然精油、天然香料、合成香料を挙げることができる。
例えば、γ-カプロラクトン、γ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、γ-デカラクトン、7-デセン-4-オリド、3-メチル-4-デセン-4-オリド、3-メチル-5-デセン-4-オリド、γ-ウンデカラクトン、γ-ドデカラクトン、γ-トリデカラクトン、γ-テトラデカラクトン、δ-カプロラクトン、2-ヘキセン-5-オリド、2-ヘプテン-5-オリド、δ-オクタラクトン、2-オクテン-5-オリド、4-メチル-5-オクタノリド、δ-ノナラクトン、2-ノネン-5-オリド、4-メチル-5-ノナノリド、δ-デカラクトン、2-デセン-5-オリド、4-メチル-5-デカノリド、δ-ウンデカラクトン、2-ウンデセン-5-オリド、4-メチル-5-ウンデカノリド、δ-ドデカラクトン、2-ドデセン-5-オリド、4-メチル-5-ドデカノリド、δ-トリデカラクトン、2-トリデセン-5-オリド、4-メチル-5-トリデカノリド、δ-テトラデカラクトン、2-テトラデセン-5-オリド、2-ペンタデセン-5-オリド、2-ヘキサデセン-5-オリド、2-ヘプタデセン-5-オリド、2-オクタデセン-5-オリド、2-ノナデセン-5-オリド、2-エイコセン-5-オリド、ε-デカラクトンなどのラクトン類;プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、トランス-2-ヘキセン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、5-ヒドロキシノナン酸、カプリン酸、2-デセン酸、4-デセン酸、5-デセン酸、6-デセン酸、9-デセン酸、5-ヒドロキシデセン酸、5-ヒドロキシウンデカン酸、ラウリン酸、5-ヒドロキシドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、イソペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの脂肪酸類;アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、2-ブテナール、ヘキサナール、オクタナール、4-ヘプテナール、2,4-オクタジエナール、ノナナール、2-ノネナール、2,4-ノナジエナール、2,6-ノナジエナール、デカナール、2,4-デカジエナール、ウンデカナール、2,4-ウンデカジエナール、ドデカナール、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フルフラール、ヘリオトロピンジエチルアセタールなどのアルデヒド類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸デシル、酢酸ドデシル、酢酸フェネチル、乳酸エチル、酪酸エチル、2-メチル酪酸エチル、3-エチル酪酸エチル、吉草酸メチル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリル酸イソアミル、カプリル酸ヘプチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ウンデカン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、サリチル酸メチル、コハク酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、5-ヒドロキシヘキサン酸エチル、5-ヒドロキシデカン酸エチル、5-ヒドロキシウンデカン酸エチル、5-ヒドロキシデカン酸プロピル、5-ヒドロキシデカン酸イソプロピル、5-ヒドロキシオクタン酸2-メチルプロピル、5-ヒドロキシ-9-メチルデカン酸エチル、5-アセトキシデカン酸メチル、5-アセトキシデカン酸エチルなどのエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール類;2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、1-オクテン-3-オン、2-ノナノン、3-ノナノン、8-ノネン-2-オン、2-ウンデカノン、2-トリデカノン、アセトイン、5-ヒドロキシ-4-オクタノン、ジアセチル、2,3-ペンタジオン、2,3-ヘキサジオン、2,3-ヘプタジオン、アセチルイソバレリル、p-メトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、マルトールなどのケトン類;フェニルエチルアントラニレート、トリメチルアミン、インドール、スカトール、ピリジン、イソキノリン、ピラジン、メチルピラジンなどの含窒素化合物類;メタンチオール、イソブチルメルカプタン、2,4-ジチアペンタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルスルフォン、メチルスルフォニルメタン、メチルイソチオシアネート、エチルイソチオシアネート、アリルイソチオシアネート、2-メチル-3-ブタンチオール、メチオナール、チオ酢酸エチル、チオ酪酸メチル、3-ブテニルイソチオシアネート、2-メチルチオフェン、ベンゾチアゾール、スルフロール、アセチル乳酸チオメチルエステル、プロピオニル乳酸チオメチルエステル、ブチリル乳酸チオメチルエステル、バレリル乳酸チオメチルエステル、2-メチルブチリル乳酸チオメチルエステル、デシリル乳酸チオメチルエステル、アセチル乳酸チオエチルエステル、プロピオニル乳酸チオエチルエステル、ブチリル乳酸チオエチルエステル、バレリル乳酸チオエチルエステル、イソカプロイル乳酸チオプロピルエステルなどの含硫化合物類などの公知の香料化合物を挙げることができる。
本発明で使用する乳脂のリパーゼ分解物に用いられる乳脂は具体的にはバター、クリームが挙げられる。また、乳脂のリパーゼ分解に用いられるリパーゼは、動物由来リパーゼ、微生物由来リパーゼのいずれのものも使用することができる。リパーゼ分解の方法は特に限定されないが、使用する酵素の至適pH、至適温度に近い条件で行うことが好ましい。
本発明で用いられるリパーゼとして具体的には、アスペルギルス属、ムコール属、ペニシリウム属、リゾープス属、カンディダ属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、リゾムコール属、バキルス属、アクロモバクター属などの微生物由来リパーゼや、豚膵臓などの動物由来リパーゼを使用することができ、また、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。さらには、リパーゼ以外の酵素を併用することもできる。
また、市販品としては、リパーゼL、リパーゼM、リパーゼAP、リパーゼAY、リパーゼP、リパーゼAK、リパーゼCES、リパーゼM-AP、リパーゼD、リパーゼN、リパーゼCT、リパーゼR、リパーゼMER(以上、天野エンザイム(株)製)、スミチームNLS、スミチームRLS、スミチームALS(以上、新日本化学工業(株)製:登録商標);リパーゼMY、リパーゼPL、リパーゼQLM(以上、名糖産業(株)製)、リパーゼP、リパーゼA-10D、PLA2、リパーゼ-サイケン(登録商標)、リリパーゼ(登録商標)A-10D(以上、ナガセケムテックス(株)製)、豚膵臓リパーゼ(シグマアルドリッチジャパン(株)製)、レシターゼ(登録商標)、パラターゼ、パラダーゼM(以上、ノボザイムズ(株)製)、タリパーゼ(田辺製薬(株)製)等を例示することができる。これらのリパーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。
本発明における乳タンパク質のプロテアーゼ分解物は、脱脂粉乳、チーズ、ホエイタンパクなどの乳タンパクを原料とすることが好ましい。乳タンパク質のプロテアーゼ分解に使用される酵素としては、動物由来プロテアーゼ、微生物由来プロテアーゼのいずれのものも使用することができる。また、プロテアーゼ活性はエンド型、エキソ型のいずれのものも使用することができるが、エンド型のプロテアーゼ活性を有する酵素を使用することが好ましく、エンド型とエキソ型の混合物であることがより好ましい。プロテアーゼ分解の方法は特に限定されないが、使用する酵素の至適pH、至適温度に近い条件で行うことが好ましい。
本発明で用いられるプロテアーゼとして具体的には、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、ペニシリウム属など微生物由来の酸性プロテアーゼ、アスペルギルス属、ストレプトマイセズ属、バキルス属など微生物由来の中性プロテアーゼ、アスペルギルス属、バキルス属など微生物由来のアルカリ性プロテアーゼ、パパインなどの植物由来プロテアーゼ、豚膵臓など動物由来のプロテアーゼを使用することができ、また、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。
また、市販品としては、プロテアーゼA、プロテアーゼM、プロテアーゼP、プロテアーゼM-SD、プロテアーゼN、プロテアーゼNL、プロテアーゼS、ウマミザイム、ペプチダーゼR、ニューラーゼ(登録商標)A、ニューラーゼ(登録商標)F(以上、天野エンザイム(株)製)、スミチーム(登録商標)AP、スミチーム(登録商標)LP、スミチーム(登録商標)MP、スミチーム(登録商標)FP、スミチーム(登録商標)LPL(以上、新日本化学工業(株)製)、デナプシン2P、デナチーム(登録商標)AP、XP-415、ビオプラーゼ(登録商標)XL-416F、ビオプラーゼ(登録商標)SP-4FG、ビオプラーゼ(登録商標)SP-15FG(以上、ナガセケムテックス(株)製)、モルシン(登録商標)F、PD酵素、IP酵素、AO-プロテアーゼ(以上、キッコーマン(株)製)、パンチダーゼ(登録商標)YP-SS、パンチダーゼ(登録商標)NP-2、パンチダーゼ(登録商標)P(以上、ヤクルト薬品工業(株)製)、フレーバザイム(登録商標)、アロアーゼ(登録商標)、プロタメックス(登録商標)、ニュートラーゼ(登録商標)、アルカラーゼ(登録商標)(ノボザイムズ(株)製);コクラーゼ(登録商標)SS、コクラーゼ(登録商標)P(以上、三共ライフテック(株)製)等を例示することができる。これらのプロテアーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。さらに、前記リパーゼと前記プロテアーゼを組み合わせて利用することもできる。
本発明における乳または乳加工品の分画方法としては、蒸留、溶剤抽出、膜分離、樹脂吸着などが挙げられ、また、必要に応じて、水、アルコール類などの溶剤を加えた後、これらの方法により分画することができる。これらの方法は、任意に組み合わせて用いることができる。具体的には、たとえば蒸留法の場合、水蒸気蒸留液または濃縮回収液を疎水性有機溶媒で抽出した後、溶剤を回収する方法や、水蒸気蒸留液または濃縮回収液を多孔性樹脂、化学修飾型シリカゲル、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂などの樹脂に吸着させ、吸着成分をエチルアルコール等で脱着する方法などが挙げられる。また、溶剤抽出の場合は、疎水性有機溶剤で抽出後、溶剤を回収する方法や、液体、亜臨界または超臨界状態の二酸化炭素で抽出し、二酸化炭素を分離する方法などが挙げられる。また、膜分離の場合は、目的に応じて分画分子量などにより任意の膜を選択することができ、限外濾過法、逆浸透法など任意の方法を用いることができる。また、樹脂吸着の場合は、多孔性樹脂、化学修飾型シリカゲル、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂などのイオン交換樹脂などを任意に選択することができる。またこれらの方法を使用するに当たって、原料をリパーゼやプロテアーゼなどの酵素で前処理することもでき、分画物をあるいは分画物に糖やアミノ酸などを加えて加熱するなどの後処理を加えてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:乳飲料にシスチンを添加した効果
市販の乳飲料(乳脂肪分1.8%、無脂乳固形分8.0%、生乳50%未満)100gにシスチン0.1gを添加し、シスチンを添加後110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品1とする。市販の乳飲料を110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存したものを比較品1として、本発明品1と比較品1をよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行った。
市販の乳飲料(乳脂肪分1.8%、無脂乳固形分8.0%、生乳50%未満)100gにシスチン0.1gを添加し、シスチンを添加後110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品1とする。市販の乳飲料を110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存したものを比較品1として、本発明品1と比較品1をよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行った。
官能評価の方法は、冷蔵保存した本発明品1および比較品1を冷蔵庫より取り出し、プラスチックの試飲容器に少量注ぎ込み、試飲することにより行った。評価方法は試飲することにより、本発明品1および比較品1のどちらがより牛乳らしいと感じるかを評価した。ここで、本官能検査において牛乳らしいとは、牛乳様のフレッシュな風味を想起されることを示す。
官能評価の結果、パネラー10名中6名が本発明品1の方が牛乳らしいと評価した。よって、乳飲料にシスチンを添加して加熱することにより、乳飲料に牛乳様のフレッシュな風味を想起させる効果が示された。
実施例2:乳飲料に酵母エキスを添加した効果
実施例1で用いた市販の乳飲料100gに酵母エキス「グルタイーストエキスN」(協和発酵バイオ社製、グルタチオン含有量8%)0.01gを添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品2とする。本発明品2および比較品1を実施例1と同様の方法でよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行い、本発明品2および比較品1のどちらがより牛乳らしいと感じるかを評価した。
実施例1で用いた市販の乳飲料100gに酵母エキス「グルタイーストエキスN」(協和発酵バイオ社製、グルタチオン含有量8%)0.01gを添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品2とする。本発明品2および比較品1を実施例1と同様の方法でよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行い、本発明品2および比較品1のどちらがより牛乳らしいと感じるかを評価した。
官能評価の結果、パネラー10名中8名が本発明品2の方が牛乳らしいと評価した。よって、乳飲料にグルタチオンを含有する酵母エキスを添加して加熱することにより、乳飲料に牛乳様のフレッシュな風味を想起させる効果が示された。
参考例1:乳風味フレーバーの調製
乳脂肪分45%生クリーム850gを加温した後、脱脂粉乳100gを加え、40~45℃で加温溶解し、これをTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて10分間混合溶解した。溶解した後、約75℃で20分間殺菌し、40℃に冷却し乳混合物とした。これとは別に、水50gにリリパーゼ(登録商標)A-10D(ナガセケムテックス社製)2gを溶解し、この酵素溶解物を前記乳混合物に添加し、40℃~45℃にて24時間酵素処理をした。酵素処理終了後、約85℃で15分間加熱して酵素失活した。冷却後、分解物をTKホモミキサーにて10分間均質化し、乳風味フレーバー(参考品1)を得た。
乳脂肪分45%生クリーム850gを加温した後、脱脂粉乳100gを加え、40~45℃で加温溶解し、これをTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて10分間混合溶解した。溶解した後、約75℃で20分間殺菌し、40℃に冷却し乳混合物とした。これとは別に、水50gにリリパーゼ(登録商標)A-10D(ナガセケムテックス社製)2gを溶解し、この酵素溶解物を前記乳混合物に添加し、40℃~45℃にて24時間酵素処理をした。酵素処理終了後、約85℃で15分間加熱して酵素失活した。冷却後、分解物をTKホモミキサーにて10分間均質化し、乳風味フレーバー(参考品1)を得た。
実施例3:乳飲料に酵母エキスおよび乳風味フレーバーを添加した効果
実施例1で用いた市販の乳飲料100gに酵母エキス「グルタイーストエキスN」を5mg添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品3とする。また、実施例1で用いた市販の乳飲料100gに参考品1を0.05g添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを比較品2とする。さらに、実施例1で用いた市販の乳飲料100gに酵母エキス「グルタイーストエキスN」5mgおよび参考品1を0.05g添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品4とする。
実施例1で用いた市販の乳飲料100gに酵母エキス「グルタイーストエキスN」を5mg添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品3とする。また、実施例1で用いた市販の乳飲料100gに参考品1を0.05g添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを比較品2とする。さらに、実施例1で用いた市販の乳飲料100gに酵母エキス「グルタイーストエキスN」5mgおよび参考品1を0.05g添加し、110℃にて1分間加熱し、冷却後冷蔵庫にて冷蔵保存した。これを本発明品4とする。
本発明品3、4および比較品1、2を訓練されたパネラー4名により、実施例1と同様の方法で官能評価し、牛乳らしい順に4点~1点と点数をつけて評価を行った。その結果を表1に示す。
表1の結果、比較品1、2と比較して本発明品3、4がより牛乳らしいと評価された。また、本発明品3と比較して本発明品4はさらに牛乳らしいと評価され、パネラー全員が最も牛乳らしいと評価した。このことから、本発明の乳風味増強剤に乳風味フレーバーを添加することにより、牛乳様のフレッシュな風味を想起させる効果が強くなることが見出された。
実施例4:酵母エキスを添加した乳風味改善組成物の調製
乳脂肪分45%生クリーム805gを加温した後、脱脂粉乳95gを加え、40~45℃で加温溶解し、これをTKホモミキサーにて10分間混合溶解した。溶解した後、約75℃で20分間殺菌し、40℃に冷却し乳混合物とした。これとは別に、水48gにリリパーゼA-10Dを1.9g溶解し、この酵素溶解物を前記乳混合物に添加し、40℃~45℃にて24時間酵素処理をした。酵素処理終了後、約85℃で15分間加熱して酵素失活した。冷却後、酵母エキス「グルタイーストエキスN」を50g添加し、75℃で20分間殺菌し、再び冷却しTKホモミキサーにて10分間均質化し、乳風味改善組成物(本発明品5)を得た。
乳脂肪分45%生クリーム805gを加温した後、脱脂粉乳95gを加え、40~45℃で加温溶解し、これをTKホモミキサーにて10分間混合溶解した。溶解した後、約75℃で20分間殺菌し、40℃に冷却し乳混合物とした。これとは別に、水48gにリリパーゼA-10Dを1.9g溶解し、この酵素溶解物を前記乳混合物に添加し、40℃~45℃にて24時間酵素処理をした。酵素処理終了後、約85℃で15分間加熱して酵素失活した。冷却後、酵母エキス「グルタイーストエキスN」を50g添加し、75℃で20分間殺菌し、再び冷却しTKホモミキサーにて10分間均質化し、乳風味改善組成物(本発明品5)を得た。
実施例5:乳飲料に酵母エキスを添加した乳風味改善組成物を添加した効果
実施例1で用いた市販の乳飲料100gに本発明品5を1mg添加し、これを本発明品6とした。同様に、乳飲料100gに本発明品5を0.01g添加したものを本発明品7、乳飲料100gに本発明品5を0.1g添加したものを本発明品8とした。本発明品6~8および比較品1を実施例1と同様の方法でよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行い、本発明品6~8それぞれを、比較品1を対象としてどちらがより牛乳らしいと感じるか評価した。その結果を表2に示す。
実施例1で用いた市販の乳飲料100gに本発明品5を1mg添加し、これを本発明品6とした。同様に、乳飲料100gに本発明品5を0.01g添加したものを本発明品7、乳飲料100gに本発明品5を0.1g添加したものを本発明品8とした。本発明品6~8および比較品1を実施例1と同様の方法でよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行い、本発明品6~8それぞれを、比較品1を対象としてどちらがより牛乳らしいと感じるか評価した。その結果を表2に示す。
表2の結果、本発明品6~8は比較品1より牛乳らしいと評価された。このことから、グルタチオンを含有する酵母エキスを乳風味フレーバーに添加して加熱した乳風味改善組成物を乳飲料に添加することにより、乳飲料に牛乳様のフレッシュな風味を想起させる効果があることが示された。
比較例1:ミルクプリンの調製
牛乳20g、グラニュー糖12g、脱脂粉乳3.5g、精製ヤシ油3g、ゲル化剤0.5g、粉末卵黄0.3g、乳化剤0.1g、に水を加えて80℃まで加熱し加熱混合を行った。その後、80℃にて15分間混合した。熱水を加えて全体で100gに質量調整した後撹拌し、冷却した後冷蔵庫にて冷蔵保存し、ミルクプリン(比較品3)を得た。
牛乳20g、グラニュー糖12g、脱脂粉乳3.5g、精製ヤシ油3g、ゲル化剤0.5g、粉末卵黄0.3g、乳化剤0.1g、に水を加えて80℃まで加熱し加熱混合を行った。その後、80℃にて15分間混合した。熱水を加えて全体で100gに質量調整した後撹拌し、冷却した後冷蔵庫にて冷蔵保存し、ミルクプリン(比較品3)を得た。
比較例2:ミルクプリンに乳風味フレーバーを添加
牛乳20g、グラニュー糖12g、脱脂粉乳3.5g、精製ヤシ油3g、ゲル化剤0.5g、粉末卵黄0.3g、乳化剤0.1g、に水を加えて80℃まで加熱し加熱混合を行った。その後、参考品1を0.05g添加し、80℃にて15分間混合した。熱水を加えて全体で100gに質量調整した後撹拌し、冷却した後に冷蔵庫にて冷蔵保存し、ミルクプリン(比較品4)を得た。
牛乳20g、グラニュー糖12g、脱脂粉乳3.5g、精製ヤシ油3g、ゲル化剤0.5g、粉末卵黄0.3g、乳化剤0.1g、に水を加えて80℃まで加熱し加熱混合を行った。その後、参考品1を0.05g添加し、80℃にて15分間混合した。熱水を加えて全体で100gに質量調整した後撹拌し、冷却した後に冷蔵庫にて冷蔵保存し、ミルクプリン(比較品4)を得た。
実施例6:ミルクプリンに酵母エキスを添加
比較例2において、参考品1を0.05g添加する代わりに酵母エキス「グルタイーストエキスN」を5mg添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品9)を得た。
比較例2において、参考品1を0.05g添加する代わりに酵母エキス「グルタイーストエキスN」を5mg添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品9)を得た。
実施例7:ミルクプリンに酵母エキスおよび乳風味フレーバーを添加
比較例2において、参考品1を0.05g添加することに加えてさらに酵母エキス「グルタイーストエキスN」を5mg添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品10)を得た。
比較例2において、参考品1を0.05g添加することに加えてさらに酵母エキス「グルタイーストエキスN」を5mg添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品10)を得た。
実施例8:ミルクプリンに酵母エキスおよび乳風味フレーバーを添加した効果
本発明品9、10および比較品3、4を訓練されたパネラー4名により、実施例1と同様の方法で官能評価し、牛乳らしい順に4点~1点と点数をつけて評価を行った。その結果を表3に示す。
本発明品9、10および比較品3、4を訓練されたパネラー4名により、実施例1と同様の方法で官能評価し、牛乳らしい順に4点~1点と点数をつけて評価を行った。その結果を表3に示す。
表3の結果、比較品3、4と比較して本発明品9、10がより牛乳らしいと評価された。また、本発明品9と比較して本発明品10はさらに牛乳らしいと評価され、パネラー全員が最も牛乳らしいと評価した。このことから、本発明の乳風味増強剤に乳風味フレーバーを添加することにより、牛乳様のフレッシュな風味を想起させる効果が強くなることが見出された。
実施例9:ミルクプリンに酵母エキスを添加した乳風味改善組成物を添加した効果
比較例2において、参考品1を0.05g添加する代わりに本発明品5を1mg添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品11)を得た。また、同様に参考品1を0.05g添加する代わりに本発明品5を0.01g添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品12)を得た。さらに、同様に参考品1を0.05g添加する代わりに本発明品5を0.1g添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品13)を得た。
比較例2において、参考品1を0.05g添加する代わりに本発明品5を1mg添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品11)を得た。また、同様に参考品1を0.05g添加する代わりに本発明品5を0.01g添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品12)を得た。さらに、同様に参考品1を0.05g添加する代わりに本発明品5を0.1g添加すること以外は比較例2と同様な方法で、ミルクプリン(本発明品13)を得た。
本発明品11~13および比較品3を実施例1と同様の方法でよく訓練されたパネラー10名により官能評価を行い、本発明品11~13それぞれを、比較品3を対象としてどちらがより牛乳らしいと感じるか評価した。その結果を表4に示す。
表4の結果、本発明品11~13は比較品3より牛乳らしいと評価された。このことから、グルタチオンを含有する酵母エキスを乳風味フレーバーに添加して加熱した乳風味改善組成物を乳飲料に添加することにより、乳飲料に牛乳様のフレッシュな風味を想起させる効果があることが示された。
Claims (12)
- 含硫アミノ酸を有効成分とする乳性飲食品の乳風味改善剤。
- 含硫アミノ酸がメチオニン、システイン、シスチンおよびグルタチオンからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1に記載の乳風味改善剤。
- 含硫アミノ酸を0.01質量%~30質量%含有する、請求項1または2に記載の乳風味改善剤。
- 乳風味改善剤が酵母エキスである、請求項3に記載の乳風味改善剤。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の乳風味改善剤を加熱して得られた、乳性飲食品の乳風味改善剤。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の乳風味改善剤を含有する乳風味改善組成物。
- さらに乳風味フレーバーを含有する請求項6に記載の乳風味改善組成物。
- 請求項6または7に記載の乳風味改善組成物を加熱して得られた、乳風味改善組成物。
- 請求項6~8のいずれか1項に記載の乳風味改善組成物を含有する乳性飲食品。
- 請求項6~8のいずれか1項に記載の乳風味改善組成物を、乳性飲食品に対して0.1ppm~2.0質量%添加する、乳性飲食品の乳風味改善方法。
- 請求項3または4に記載の乳風味改善剤を乳風味フレーバーに添加後、加熱することを特徴とする乳風味改善組成物の製造方法。
- 請求項6~8のいずれか1項に記載の乳風味改善組成物を乳性飲食品に添加後、加熱することを特徴とする乳性飲食品の製造方法。
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