JP2011004673A - 飲食品のミルク感を増強する調味料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水に、酵母エキス10〜50重量部、デキストリン50〜90重量部の割合で添加し溶解したものを、100〜130℃で10〜60秒間加熱した後、乾燥して調味料を得る。原料のデキストリンとしては、DE値が20〜40のものが望ましい。原料の酵母エキスとしては、5’−グアニル酸塩を5’−グアニル酸ナトリウム換算で4重量%以上、5’−イノシン酸塩を5’−イノシン酸ナトリウム換算で4重量%以上含有量し、かつ含有する全アミノ酸に占めるペプチドの割合が90重量%以上のものが望ましい。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明は、
(1)水に、酵母エキス10〜50重量部、デキストリン50〜90重量部の割合で添加し溶解したものを、100〜130℃で10〜60秒間加熱した後、乾燥して得られた調味料、
(2)前記デキストリンのDE値が20〜40のものであることを特徴とする前記(1)に記載の調味料、
(3)前記酵母エキスが、5’−グアニル酸塩を5’−グアニル酸ナトリウム換算で4重量%以上、5’−イノシン酸塩を5’−イノシン酸ナトリウム換算で4重量%以上含有量し、かつ含有する全アミノ酸に占めるペプチドの割合が90重量%以上の酵母エキスであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の調味料、
(4)前記(1)〜(3)いずれか一に記載の調味料を、乳成分を含む飲食品に対し0.01〜5.0重量%添加することを特徴とする、該飲食品のミルク感を増強し、コクを付与する方法、
を提供するものである。
このような酵母エキスは、酵母菌体内の酵素を失活させ、酵母を熱水等により抽出した抽出物、あるいは酵母に細胞壁溶解酵素などを添加して得られた抽出物に、核酸分解酵素、必要に応じてアデニル酸分解酵素を作用させることにより製造することができ、具体的には(株)興人製の「アロマイルドG」が挙げられる。
このような酵母エキスの製造に用いられる酵母としては、パン酵母、ビール酵母、トルラ酵母などを挙げることができ、中でもトルラ酵母が望ましい。
なお、本発明でいうペプチドとは、アミノ酸が2個以上アミノ結合したものをいい、全アミノ酸量より遊離アミノ酸量を引くことにより算出した。
本発明に用いるデキストリンはDE値が20〜40のものが望ましい。デキストリンのDE値が20より小さいと、得られた調味料は濃厚感が十分でなく、DE値が40より大きいと、調味料自体の甘味が強いものとなる。好ましいデキストリンとして、具体的には、松谷化学(株)製のデキストリン「MPD」や「パインデックス♯3」が挙げられる。
水の量は、両者が全量溶解できる量であればよく、多すぎると乾燥に時間やコストがかかるので好ましくない。具体的には水100重量部に対し、固形分合計10〜100重量部となるように溶解し、酵母エキス・デキストリン水溶液を得る。溶解しやすくするために、水を適宜加温しておいてもよい。
添加量は、添加する飲食品によって異なるが、乳製飲食品に対し概ね0.01〜0.5重量%程度とする。
本発明の調味料は、乳製飲食品の製造工程のどの工程においても添加することができる。
DE24〜26のデキストリン(松谷化学製「MPD」)80gと酵母エキス((株)興人製「アロマイルドG」)20gを、150mlの水に溶解した。この溶液を125℃、30秒加熱し、70℃まで冷ました後スプレードライにかけて乾燥粉末とし、本発明の調味料(実施例1)を得た。
なお、本実施例で用いた酵母エキス「アロマイルドG」は、5´-グアニル酸塩を5´-グアニル酸ナトリウム換算で5.5重量%、5´-イノシン酸塩を5´-イノシン酸ナトリウム換算で5.5重量%含有し、含有する全アミノ酸に占めるペプチドの割合は92重量%であった。
実施例1において、デキストリンとして「MPD」の代わりに、DE10〜13のマルトデキストリン(三和澱粉工業社製「サンデック♯100」)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、調味料(実施例2)を得た。
実施例1において、酵母エキスとして「アロマイルドG」の代わりに、「SK酵母エキスHUAP」((株)日本製紙製)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、調味料(実施例3)を得た。なお、用いた酵母エキス「SK酵母エキスHUAP」は、グアニル酸塩1.36重量%、イノシン酸塩1.40重量%、ペプチドを45.2%含有するものであった。
DE24〜26のデキストリン(松谷化学製「MPD」)80gと酵母エキス「アロマイルドG」20gを粉末同士でブレンドし、100gの粉末調味料(比較例1)を得た。
DE24〜26のデキストリン(松谷化学製「MPD」)80gと酵母エキス「アロマイルドG」20gを、200mlの水に溶解した。この溶液を加熱することなくスプレードライして、粉末調味料(比較例2)を得た。
牛乳(明治乳業製「おいしい牛乳」)に砂糖3重量%添加し、よくかき混ぜた後、5個の容器に分注し、各々に実施例1〜3、比較例1〜2で得られた粉末調味料のいずれか1つを0.1重量%添加して混ぜ合わせて、サンプルとした。
これらの牛乳について、15人のパネラーの試飲により、コク、ミルク感、甘味について官能評価を行った。パネラーは、決められた2または3個のサンプルを比較し、それらのうち最もコクが強いもの、最もミルク感が強いもの、最も甘味が強いものをそれぞれ選び、各サンプルを選んだパネラーの人数を示した。
生クリーム10g、植物油脂10g、脱脂粉乳3g、砂糖10g、増粘多糖類0.5gに水を加えて100mlにした。加温して溶かした。得られたミルクプリン組成液を5個の容器に分注し、各々に実施例1〜3、比較例1〜2で得られた粉末調味料のいずれか1つを0.1重量%添加して混ぜ合わせた。この5個のミルクプリン組成液を容器のまま冷蔵庫で冷やし、ミルクプリンのサンプルを得た。
これらのミルクプリンについて、15人のパネラーの試食により、コク、ミルク感、甘味について官能評価を行った。パネラーは、決められた2または3個のサンプルを比較し、そのうち最もコクが強いもの、最もミルク感が強いもの、最も甘味が強いものをそれぞれ選び、選んだパネラーの人数を示した。
Claims (4)
- 水に、酵母エキス10〜50重量部、デキストリン50〜90重量部の割合で添加し溶解したものを、100〜130℃で10〜60秒間加熱した後、乾燥して得られた調味料。
- 前記デキストリンのDE値が20〜40のものであることを特徴とする請求項1に記載の調味料。
- 前記酵母エキスが、5’−グアニル酸塩を5’−グアニル酸ナトリウム換算で4重量%以上、5’−イノシン酸塩を5’−イノシン酸ナトリウム換算で4重量%以上含有量し、かつ含有する全アミノ酸に占めるペプチドの割合が90重量%以上の酵母エキスであることを特徴とする請求項1または2に記載の調味料。
- 請求項1〜3いずれか一項に記載の調味料を、乳成分を含む飲食品に対し0.01〜5.0重量%添加することを特徴とする、該飲食品のミルク感の増強、後味のコクを付与する方法。
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