WO2016182065A1 - 鍛造クランク軸の製造装置 - Google Patents

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Abstract

鍛造クランク軸の製造装置は、上下で一対の金型(10)と、第1工具(20)と、を備える。金型(10)は、第1余肉部(Aaa、Aba)を変形させて粗クランクアーム部(A')の粗ピン部(P')近傍の両側部の厚みを増加させる加工を施す。第1工具(20)は、金型(10)の開放部(10b)に収容され、粗クランクアーム部(A')の粗ジャーナル部(J')側の表面のうちで粗ピン部(P')近傍の両側部の領域を除く表面に当接する。金型(10)および第1工具(20)は、第1工具(20)を退避位置から当接位置まで案内する第1案内部をそれぞれ有する。第1工具(20)の上面(20b)および下面(20c)のうちの少なくとも一方に、第1案内部が設けられる。

Description

鍛造クランク軸の製造装置
 本発明は、熱間鍛造によりクランク軸を製造する装置に関する。
 自動車、自動二輪車、農業機械、船舶等のレシプロエンジンには、ピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すために、クランク軸が不可欠である。クランク軸は、型鍛造または鋳造によって製造できる。高強度と高剛性がクランク軸に要求される場合、鍛造によって製造された鍛造クランク軸が多用される。
 一般に、鍛造クランク軸の製造では、ビレットを原材料とする。そのビレットでは、断面が丸形または角形であり、断面積が全長にわたって一定である。鍛造クランク軸の製造工程は、予備成形工程、型鍛造工程、バリ抜き工程を含む。矯正が必要な場合には、バリ抜き工程の後に整形工程を加える。通常、予備成形工程は、ロール成形工程と曲げ打ち工程を含み、型鍛造工程は、荒打ち工程と仕上げ打ち工程を含む。
 図1A~図1Fは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程を説明するための模式図である。図1Fに例示するクランク軸1は、4気筒エンジンに搭載され、4気筒-8枚カウンターウエイトのクランク軸である。そのクランク軸1は、5つのジャーナル部J1~J5、4つのピン部P1~P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、および、8枚のクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1~A8から構成される。アーム部A1~A8はそれぞれ、ジャーナル部J1~J5とピン部P1~P4をつなぐ。また、8枚の全てのアーム部A1~A8は、カウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1~W8を一体で有する。
 4つのピン部P1~P4は、いずれも、ジャーナル部J1~J5に対して偏心している。ピン部P1~P4の位相は、クランク軸1の長手方向の中央のジャーナル部J3を中心に面対称となるように適宜設定される。このため、中央のジャーナル部J3と繋がるアーム部A4、A5は、ジャーナル部J3を中心に面対称となる。すなわち、2つのアーム部A4、A5は、いずれも、同一のジャーナル部J3と繋がるとともに同位相のピン部P2、P3と繋がる。
 以下では、ジャーナル部J1~J5、ピン部P1~P4、アーム部A1~A8およびウエイト部W1~W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。ピン部Pおよびこのピン部Pにつながる一組のアーム部A(ウエイト部Wを含む)をまとめて「スロー」ともいう。
 図1A~図1Fに示す製造方法では、以下のようにして鍛造クランク軸1が製造される。先ず、図1Aに示すような所定の長さのビレット2を加熱炉(例えば誘導加熱炉またはガス雰囲気加熱炉)によって加熱した後、ロール成形を行う。ロール成形工程では、例えば孔型ロールを用いてビレット2を圧延して絞る。これにより、ビレット2の体積を長手方向に配分し、中間素材であるロール荒地3を得る(図1B参照)。次に、曲げ打ち工程では、ロール荒地3を長手方向に垂直な方向から部分的に圧下する。これにより、ロール荒地3の体積を配分し、更なる中間素材である曲げ荒地4を得る(図1C参照)。
 続いて、荒打ち工程では、曲げ荒地4を上下に一対の金型を用いて圧下することにより、荒鍛造材5を得る(図1D参照)。荒鍛造材5はクランク軸(最終製品)のおおよその形状を有する。さらに、仕上げ打ち工程では、荒鍛造材5を上下に一対の金型を用いて圧下することにより仕上げ鍛造材6を得る(図1E参照)。仕上げ鍛造材6は最終製品のクランク軸とほぼ合致する形状を有する。これら荒打ちおよび仕上げ打ち工程では、余材が、互いに対向する金型の型割面の間から流出し、バリとなる。このため、荒鍛造材5および仕上げ鍛造材6では、バリ5a、6aがクランク軸の形状の周囲に大きく付いている。
 バリ抜き工程では、例えば、バリ6a付きの仕上げ鍛造材6を一対の金型によって保持した状態で、刃物型によってバリ6aを打ち抜く。これにより、仕上げ鍛造材6からバリ6aを除去する。このようにして、バリが除去された鍛造材が得られる。バリが除去された鍛造材は、図1Fに示す鍛造クランク軸1とほぼ同じ形状である。バリが除去された鍛造材は、鍛造クランク軸の複数のジャーナル部J、複数のピン部P、複数のアーム部Aおよびウエイト部Wのそれぞれに対応する、複数の粗ジャーナル部J’、複数の粗ピン部P’、複数の粗クランクアーム部A’および粗ウエイト部W’を備える。
 整形工程では、バリが除去された鍛造材の要所を上下から金型で僅かに圧下し、バリが除去された鍛造材を最終製品の寸法形状に矯正する。ここで、バリが除去された鍛造材の要所は、例えば、粗ジャーナル部J’、粗ピン部P’、粗アーム部A’および粗ウエイト部W’である。さらには、バリが除去された鍛造材の要所は、クランク軸のフロント部Fr、およびフランジ部Flなどの軸部に対応する粗フロント部、および粗フランジ部などの軸部である。こうして、鍛造クランク軸1が製造される。
 図1A~図1Fに示す製造工程は、図1Fに示す4気筒-8枚カウンターウエイトのクランク軸に限らず、様々なクランク軸に適用できる。例えば、図1A~図1Fに示す製造工程は、4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸にも適用できる。
 図2は、4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸の構成例を示す模式図である。図2に示す4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸では、先頭の第1アーム部A1、最後尾の第8アーム部A8、および、中央の2枚のアーム部(第4アーム部A4、第5アーム部A5)にウエイト部W1、W4、W5、W8が一体で設けられる。また、残りのアーム部A2、A3、A6、A7は、ウエイト部を有さない。
 図1A~図1Fに示す製造工程は、3気筒エンジン、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジン、8気筒エンジン等に搭載されるクランク軸であっても、適用できる。なお、ピン部の配置角度の調整が必要な場合は、バリ抜き工程の後に、捩り工程が追加される。
 近年、特に自動車用のレシプロエンジンには、燃費の向上のために軽量化が求められている。このため、レシプロエンジンに搭載されるクランク軸にも、軽量化の要求が著しくなっている。鍛造クランク軸の軽量化を図る従来技術としては、下記のものがある。
 特許文献1および2には、ジャーナル部側の表面に穴部が成形されたアーム部が記載されている。穴部が成形されたアーム部を有するクランク軸の製造方法も記載されている。アーム部の穴部は、ジャーナル部の軸心とピン部の軸心とを結ぶ直線(以下、「アーム部中心線」ともいう)上に成形され、ピン部に向けて深く窪む。これにより、穴部の体積分、アーム部が軽量化される。アーム部の軽量化は、アーム部と対をなすウエイト部の質量軽減につながり、ひいては鍛造クランク軸全体の軽量化につながる。また、穴部が成形されたアーム部は、アーム部中心線を間に挟むピン部近傍の両側部で厚みが厚くされていることから、剛性(ねじり剛性および曲げ剛性)も確保される。
 このように、アーム部の両側部の厚みを厚くし、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを持たせれば、軽量化と剛性確保を同時に図ることができる。
 ただし、そのような独特な形状のアーム部を有する鍛造クランク軸は、従来の製造方法によって製造することが困難である。型鍛造工程において、アーム部表面に凹みを成形しようとすれば、凹み部位の金型の型抜き勾配が逆勾配になるからである。この場合、成形された鍛造材が金型から抜けなくなる事態が生じる。
 そのような事態に対処するため、特許文献1および2に記載された製造方法では、型鍛造工程において、アーム部表面に凹みを成形することなくアーム部を小さく成形する。また、バリ抜き工程の後に、粗アーム部の表面にパンチを押し込み、そのパンチの痕跡によって凹みを成形する。
特開2012-7726号公報 特開2010-230027号公報
 特許文献1および2に記載された製造方法によれば、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを成形することにより、アーム部の両側部の厚みを厚くすることが可能となる。これにより、軽量化と剛性確保を同時に図った鍛造クランク軸を製造できる。
 しかし、特許文献1および2の製造方法では、アーム部表面に凹みを成形するために、粗アーム部表面にパンチを強く押し込んで粗アーム部全体を変形させる。そのため、パンチの押し込みに多大な力を要する。したがって、パンチに多大な力を付与するための格別な設備構成が必要であり、パンチの耐久性に関しても配慮が必要となる。
 そこで、本発明者らは、PCT/JP2014/005835(以下、「特許文献3」という)で、余肉部を折り曲げることにより、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを成形することを提案した。具体的には、型鍛造工程で、粗アーム部の粗ピン部近傍の両側部それぞれの外周から突出する余肉部を有する鍛造材を成形する。整形工程で、上下で一対の金型によって余肉部を粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面に向けて折り曲げる。この場合、凹みを成形するために、多大な力を付与する必要が無く、軽量化と剛性確保を同時に図った鍛造クランク軸を簡便に得ることができる。
 また、特許文献3では、整形工程で、余肉部を粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面に向けて折り曲げる際に、粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面のうちで両側部の領域を除く表面を、工具を当接することにより保持することを提案した。これにより、アーム部の両側部の形状を、精密に成形できる。
 また、PCT/JP2014/005850(以下「特許文献4」という)では、折り曲げに代えて押し潰すことを提案した。具体的には、上下で一対の金型によって余肉部を押し潰すことにより、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを成形することを提案した。特許文献4でも、余肉部を押し潰す際に、粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面のうちで両側部の領域を除く表面を、工具を当接することにより保持することを提案した。
 しかし、粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面に当接する工具について可動範囲が不十分となり易い。特に、粗ジャーナル部を中心に面対称である粗アーム部に工具を当接する場合、工具の可動範囲が不十分となり易い。その理由を、図3A~図3Eを参照しながら説明する。
 図3A~図3Eは、面対称な2つの粗アーム部について、それらの粗ジャーナル部側の表面に工具を当接する場合の工具の可動機構を示す模式図である。図3Aは鍛造材と工具との位置関係を示す上面図、図3Bは可動機構の斜視図、図3Cは工具が当接位置にある場合の上面図、図3Dは工具が退避位置にある場合の上面図、図3Eは図3C中のIIIE-IIIE線での断面図である。可動機構は、金型10と、2つの工具92と、治具93とを備える。なお、図面の理解を容易にするため、図3Aおよび図3Eでは、金型10の図示を省略する。図3B~図3Dには、金型10の下型の一部を示す。図3Aには、4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸の製造に用いられる鍛造材を示す。
 図3Aでは、治具93が第2粗ジャーナル部J2’に対向する場合と、治具93が第3粗ジャーナル部J3’に対向する場合とを示す。図3Aに示すように、工具92は、その先端面92aが整形加工時に鍛造材に当接する。工具の先端面92aには、アーム部のジャーナル部側の表面に合致する形状が反映されている。その工具92を収容するため、金型10には、溝状の工具用開放部10bが設けられる(図3B参照)。
 整形加工時には、工具92が、図3Cに示すように当接位置に配置される。また、整形加工前の鍛造材の搬入時、および、整形加工後の鍛造材の搬出時には、工具92と鍛造材とを離間するため、工具92が、図3Dに示すように退避位置に配置される。なお、図3Dには、当接位置での工具の先端面の形状を二点鎖線で示す。
 工具92が退避位置から当接位置まで移動する際には、工具92が溝状の工具用開放部10bの両側面および工具92の両側面92bに沿って移動する(図3Cおよび図3Dの実線矢印参照)。すなわち、溝状の工具用開放部10bの両側面および工具92の両側面92bが案内部として機能する。
 この工具92は、治具93によって保持される。その治具93は、金型10の溝状の治具用開放部に収容される。また、治具93は、駆動装置(図示なし)と接続され、駆動装置の作動に伴ってピン部の偏心方向(図3Cのハッチングを施した矢印参照)に沿って移動可能である。
 この治具93は、工具92を移動可能に保持する。図3A~図3Eに示す治具93は、スライド方向(図3Cおよび図3Dの破線矢印参照)に沿って工具92を移動可能とする。そのため、治具93は、スライド方向に沿って延びる凸部93aを上面および下面に有する。この凸部93aは、金型10の溝状の工具用開放部10bと同様に、案内部として設けられる。また、治具の凸部93aを収容するため、工具92の背面(先端面92aと反対側の面)には、図3Eに示すように、凹部92cとともに溝部92dが設けられる。
 治具93がピン部の偏心方向に沿って移動するのに応じ、工具92は案内部に沿って移動する。ここで、工具92のスライド方向の移動は、溝状の工具用開放部10bの両側面および工具92の両側面92bによって拘束されている。このため、治具93がピン部の偏心方向に沿って移動する際に、工具92は、治具93に対してスライド方向に相対移動する。
 ここで、クランク軸では、図1Fおよび図2に示すように、アーム部Aがクランク軸の長手方向に沿って複数設けられる。このため、工具を配置するためのスペースが狭小となる。また、図3A~図3Eに示すような工具の可動機構では、工具92の両側面92bを案内部とするので、工具の幅が大きくなる。これらから、工具92が治具93や金型10と干渉し易く、工具の可動範囲が不十分となる。このため、整形加工後、工具92を退避位置に配置した状態で鍛造材を搬出する際に、工具92と鍛造材とが干渉し、整形加工済みの鍛造材の搬出が困難であった。
 特に、ジャーナル部を中心に面対称な2つのアーム部に工具を当接する場合、2つのアーム部の間に2つの工具を配置する必要があることから、2つの工具が互いに干渉し易い。このため、工具の可動範囲がさらに不十分となる。
 本発明の目的は、バリが除去された鍛造材の余肉部を変形させる加工を行う際に、工具の可動範囲を確保でき、加工済みの鍛造材を円滑に搬出できる鍛造クランク軸の製造装置を提供することにある。
 本発明の一実施形態による鍛造クランク軸の製造装置は、鍛造クランク軸の製造過程で、バリが除去された鍛造材に加工を施す。鍛造クランク軸は、回転中心となる複数のジャーナル部と、そのジャーナル部に対して偏心した複数のピン部と、ジャーナル部とピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を有する。鍛造クランク軸の複数のクランクアーム部のうちの少なくとも一部のクランクアーム部はカウンターウエイト部を一体で有する。鍛造材は、鍛造クランク軸の複数のジャーナル部、複数のピン部、複数のクランクアーム部およびカウンターウエイト部のそれぞれに対応する、複数の粗ジャーナル部、複数の粗ピン部、複数の粗クランクアーム部および粗カウンターウエイト部を備える。複数の粗クランクアーム部のうちの少なくとも一部の粗クランクアーム部が、粗ピン部近傍の側部の外周から突出する第1余肉部を有する。
 鍛造クランク軸の製造装置は、上下で一対の金型と、第1工具と、を備える。金型は、第1余肉部を変形させて粗クランクアーム部の粗ピン部近傍の側部の厚みを増加させる加工を施す。第1工具は、金型の開放部に収容され、粗クランクアーム部の粗ジャーナル部側の表面のうちで粗ピン部近傍の側部の領域を除く表面に当接する。金型および第1工具は、第1工具を退避位置から当接位置まで案内する第1案内部をそれぞれ有する。第1工具の上面および下面のうちの少なくとも一方に、第1案内部が設けられる。
 本発明の鍛造クランク軸の製造装置は、アーム部のジャーナル部側の表面に当接する第1工具を備える。第1工具には、その上面および下面のうちの少なくとも一方に第1案内部が設けられる。このため、第1工具の側面形状を適宜変更することにより、第1工具が治具や金型と干渉するのを防止でき、第1工具の可動範囲を十分に確保できる。
図1Aは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程におけるビレットを示す模式図である。 図1Bは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程におけるロール荒地を示す模式図である。 図1Cは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程における曲げ荒地を示す模式図である。 図1Dは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程における荒鍛造材を示す模式図である。 図1Eは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程における仕上げ鍛造材を示す模式図である。 図1Fは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程におけるクランク軸を示す模式図である。 図2は、4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸の構成例を示す模式図である。 図3Aは、鍛造材と工具との位置関係を示す上面図である。 図3Bは、工具の可動機構を模式的に示す斜視図である。 図3Cは、工具が当接位置にある場合を模式的に示す上面図である。 図3Dは、工具が退避位置にある場合を模式的に示す上面図である。 図3Eは、図3C中のIIIE-IIIE線での断面図である。 図4Aは、本発明の第1構成例のクランク軸のアーム部形状を模式的に示す斜視図である。 図4Bは、本発明の第1構成例のクランク軸のアーム部形状を模式的に示す正面図である。 図4Cは、本発明の第1構成例のクランク軸のアーム部形状を模式的に示す側面図である。 図4Dは、図4B中のIVD-IVD線での断面図である。 図5Aは、本発明の第1構成例のバリが除去された鍛造材の粗アーム部形状を模式的に示す斜視図である。 図5Bは、本発明の第1構成例のバリが除去された鍛造材の粗アーム部形状を模式的に示す正面図である。 図5Cは、本発明の第1構成例のバリが除去された鍛造材の粗アーム部形状を模式的に示す側面図である。 図5Dは、図5B中のVD-VD線での断面図である。 図6Aは、本発明の第2構成例のクランク軸のアーム部形状を模式的に示す正面図である。 図6Bは、図6A中のVIB-VIB線での断面図である。 図7Aは、本発明の第2構成例のバリが除去された鍛造材の粗アーム部形状を模式的に示す正面図である。 図7Bは、図7A中のVIIB-VIIB線での断面図である。 図8Aは、本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置を模式的に示す斜視図である。 図8Bは、図8A中の矢印方向から見た本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置を模式的に示す拡大斜視図である。 図8Cは、本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置において工具が当接位置にある場合の上面図である。 図8Dは、本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置において工具が退避位置にある場合の上面図である。 図9は、図8A~図8Dと異なる本発明の鍛造クランク軸の製造装置の構成例を示す模式図である。 図10は、本実施形態の工具と鍛造材との位置関係を示す上面図である。 図11Aは、第2工具をさらに備える本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置において、第2工具が当接位置にある場合の上面図である。 図11Bは、第2工具をさらに備える本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置において、第2工具が退避位置にある場合の上面図である。
 本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置は、鍛造クランク軸の製造過程で、バリが除去された鍛造材に加工を施す。鍛造クランク軸は、回転中心となる複数のジャーナル部と、そのジャーナル部に対して偏心した複数のピン部と、ジャーナル部とピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を有する。鍛造クランク軸の複数のクランクアーム部のうちの少なくとも一部のクランクアーム部はカウンターウエイト部を一体で有する。鍛造材は、鍛造クランク軸の複数のジャーナル部、複数のピン部、複数のクランクアーム部およびカウンターウエイト部のそれぞれに対応する、複数の粗ジャーナル部、複数の粗ピン部、複数の粗クランクアーム部および粗カウンターウエイト部を備える。複数の粗クランクアーム部のうちの少なくとも一部の粗クランクアーム部が、粗ピン部近傍の側部の外周から突出する第1余肉部を有する。
 鍛造クランク軸の製造装置は、上下で一対の金型と、第1工具と、を備える。金型は、第1余肉部を変形させて粗クランクアーム部の粗ピン部近傍の側部の厚みを増加させる加工を施す。第1工具は、金型の開放部に収容され、粗クランクアーム部の粗ジャーナル部側の表面のうちで粗ピン部近傍の側部の領域を除く表面に当接する。金型および第1工具は、第1工具を退避位置から当接位置まで案内する第1案内部をそれぞれ有する。第1工具の上面および下面のうちの少なくとも一方に、第1案内部が設けられる。
 鍛造クランク軸の製造装置は、ピン部の偏心方向に沿って移動可能な第1治具をさらに備えるのが好ましい。第1治具は、第1工具を、それぞれ、第1案内部に沿う第1案内方向と角度を有する第1スライド方向に移動可能に保持するのが好ましい。第1工具は、粗クランクアーム部に対し、粗ジャーナル部側の粗ピン部近傍の側部の領域を除く表面に当接するのが好ましい。第1工具は、第1治具の移動に伴って第1案内方向に沿って移動するのが好ましい。
 上記の鍛造クランク軸の製造装置において、鍛造クランク軸の全てのクランクアーム部はカウンターウエイト部を一体で有していてもよい。
 鍛造クランク軸の一部のクランクアーム部がカウンターウエイト部を有する場合、鍛造クランク軸の製造装置は以下の構成とすることもできる。
 鍛造材の粗カウンターウエイト部を有さない粗クランクアーム部のうちの少なくとも一部の粗クランクアーム部が、粗ジャーナル部近傍の側部の外周から突出する第2余肉部をさらに有する。金型は、第2余肉部を変形させて粗カウンターウエイト部を有さない粗クランクアーム部の粗ジャーナル部近傍の側部の厚みを増加させる加工をさらに施す。鍛造クランク軸の製造装置は、金型の開放部に収容される。製造装置は、第2工具をさらに備える。第2工具は、粗カウンターウエイト部を有さない粗クランクアーム部の粗ピン部側の表面のうちで粗ジャーナル部近傍の側部の領域を除く表面に当接する。金型および第2工具は、第2工具を退避位置から当接位置まで案内する第2案内部をそれぞれ有する。第2工具の上面および下面のうちの少なくとも一方に、第2案内部が設けられる。
 上記の製造装置の金型は、鍛造材に整形加工を施す金型であるのが好ましい。
 以下に、本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置について、図面を参照しながら説明する。
1.クランク軸の形状
 本実施形態が対象とする鍛造クランク軸は、回転中心となるジャーナル部と、そのジャーナル部に対して偏心したピン部と、ジャーナル部とピン部をつなぐアーム部と、を有する。鍛造クランク軸はジャーナル部、ピン部およびアーム部それぞれを複数有する。鍛造クランク軸の複数のアーム部のうちの少なくとも一部のアーム部はウエイト部を一体で有している。鍛造クランク軸の全てのアーム部がウエイト部を一体で有していてもよい。このような鍛造クランク軸として、図4A~図4Dに示す第1構成例の鍛造クランク軸を採用できる。また、図6Aおよび図6Bに示す第2構成例の鍛造クランク軸を採用することもできる。
 第1構成例および第2構成例の鍛造クランク軸は、いずれも、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みが設けられる。第2構成例の鍛造クランク軸は、ウエイト部を有さないアーム部を有する。そのウエイト部を有さないアーム部におけるピン部側の表面にも凹みが設けられる。
 図4A~図4Dは、本発明の第1構成例における整形加工後のクランク軸のアーム部形状を示す模式図である。図4Aは斜視図、図4Bはジャーナル部側から見たときの正面図、図4Cは側面図、図4Dは図4B中のIVD-IVD線での断面図である。図4A~図4Dでは、クランク軸のアーム部(ウエイト部を含む)の1つを代表的に抽出して示しており、残りのアーム部を省略する。また、図4Cは、図4Bの破線矢印で示す方向から見た図である。
 第1構成例のアーム部Aは、図4A~図4Dに示すように、ジャーナル部J側の表面のうち、ピン部P近傍の両側部Aa、Abの内側の領域Asに、凹みを有する。また、ピン部P近傍の両側部Aa、Abは、ジャーナル部J側に張り出している。両側部Aa、Abの厚みは、その内側領域であるAsの凹みの厚みと比べ、厚い。
 このような第1構成例のアーム部Aは、ピン部P近傍の両側部Aa、Abの厚みが厚くされるとともに、ジャーナル部J側の表面に凹みが成形されている。このため、本実施形態による鍛造クランク軸は、アーム部Aの凹みによって軽量化を図ることができる。加えて、アーム部Aの両側部Aa、Abの厚みを厚くすることによって剛性の確保を図ることができる。
 第1構成例では、アーム部Aのピン部P近傍の両側部Aa、Abの厚みが厚い場合を示す。しかしながら、アーム部Aのピン部P近傍の一方の側部のみの厚みが厚くてもよい。この場合であっても、アーム部Aのピン部P近傍の側部の厚みが厚くされるためアーム部の剛性は確保される。
 図5A~図5Dは、本発明の第1構成例における整形加工前のバリが除去された鍛造材の粗アーム部形状を示す模式図である。図5Aは斜視図、図5Bは粗ジャーナル部側から見たときの正面図、図5Cは側面図、図5Dは図5B中のVD-VD線での断面図である。図5A~図5Dでは、鍛造材の粗アーム部(粗ウエイト部を含む)の1つを代表的に抽出して示しており、残りの粗アーム部を省略する。また、図5Cは、図5Bの破線矢印で示す方向から見た図である。図5Dには、図面の理解を容易にするため、後述する本実施形態の製造装置の第1工具20および治具30を示す。
 整形加工前の粗アーム部A’は、図5A~図5Dに示すように、粗ジャーナル部J’側の表面のうち、粗ピン部P’近傍の両側部Aa’、Ab’の内側領域Asに、整形加工後の最終製品形状と合致する表面形状を有する。その表面形状は粗ピン部P’近傍の両側部Aa’、Ab’の領域まで滑らかに広がっている。これにより、両側部Aa’、Ab’の厚みは、整形加工後の最終製品の厚みよりも薄い。
 さらに、粗ピン部P’近傍の両側部Aa’、Ab’には、それぞれの外周から突出する第1余肉部Aaa、Abaを有する。この第1余肉部Aaa、Abaは、板状であり、粗ピン部P’近傍の両側部Aa’、Ab’の外周に沿って設けられる。第1余肉部Aaa、Abaの厚みは、その根元の両側部Aa’、Ab’の厚みと比べ、同程度であるかまたは薄い。
 第1構成例の鍛造材では、全ての粗アーム部A’が第1余肉部Aaa、Abaを有してもよい。また、一部の粗アーム部A’が第1余肉部Aaa、Abaを有してもよい。第1構成例では、粗アーム部A’が2つの第1余肉部Aaa、Abaを有する場合を示す。しかしながら、粗アーム部A’は1つの第1余肉部のみを有してもよい。この場合、製造されたクランク軸のアーム部のピン部近傍の一方の側部の厚みが厚くなる。
 図6Aおよび図6Bは、本発明の第2構成例における整形加工後のクランク軸のアーム部形状を示す模式図である。図6Aはピン部側から見たときの正面図、図6Bは図6A中のVIB-VIB線での断面図である。第2構成例のクランク軸は、複数のアーム部を有し、そのうちの一部のアーム部にウエイト部が設けられる。図6Aおよび図6Bには、ウエイト部が設けられていないアーム部の1つを代表的に抽出して示しており、残りのクランク軸のアーム部を省略する。
 第2構成例のアーム部Aは、図示を省略するが、上記の第1構成例と同じく、ピン部P近傍の両側部の厚みが厚くされるとともに、ジャーナル部J側の表面に凹みが成形されている。加えて、第2構成例のウエイト部を有さないアーム部Aは、図6Aおよび図6Bに示すように、ピン部P側の表面のうち、ジャーナル部J近傍の両側部Ac、Adの内側の領域Atに、もう一つの凹みを有する。また、ジャーナル部J近傍の両側部Ac、Adは、ピン部P側に張り出す。それらの両側部Ac、Adの厚みは、凹みの厚みと比べ、厚肉である。
 このような第2構成例のアーム部Aは、ピン部P近傍の両側部の厚みが厚くされるとともに、ジャーナル部J側の表面に凹みが成形されている。ウエイト部を有さないアーム部Aは、さらに、ジャーナル部J近傍の両側部Ac、Adの厚みが厚くされるとともに、ピン部P側の表面にもう一つの凹みが成形されている。このため、第2構成例による鍛造クランク軸は、アーム部Aのジャーナル部J側およびピン部P側の2つの凹みによって軽量化をさらに図ることができる。加えて、ピン部P近傍の両側部およびジャーナル部J近傍の両側部Ac、Adが厚くされることによって剛性の確保を図ることができる。
 第2構成例では、アーム部Aのピン部P近傍の両側部およびジャーナル部J近傍の両側部Ac、Adの厚みが厚い場合を示す。しかしながら、アーム部Aのピン部P近傍の一方の側部のみの厚みが厚くてもよいし、アーム部Aのジャーナル部J近傍の一方の側部のみの厚みが厚くてもよい。この場合であっても、アーム部Aのピン部P近傍またはジャーナル部J近傍の側部の厚みが厚くされるためアーム部の剛性は確保される。
 図7Aおよび図7Bは、本発明の第2構成例における整形加工前のバリが除去された鍛造材の粗アーム部形状を示す模式図である。図7Aは粗ピン部側から見たときの正面図、図7Bは図7A中のVIIB-VIIB線での断面図である。図7Aおよび図7Bでは、粗ウエイト部を有さない粗アーム部の1つを代表的に抽出して示しており、残りの粗アーム部を省略する。
 整形加工前の粗アーム部A’は、図示を省略するが、上記の第1構成例と同じく、粗ジャーナル部J’側の表面のうち、粗ピン部P’近傍の両側部の内側領域に、整形加工後の最終製品形状と合致する表面形状を有する。さらに、粗ピン部P’近傍の両側部Aa’、Ab’には、上記の第1構成例と同じく、それぞれの外周から突出する第1余肉部Aaa、Abaが形成される。
 整形加工前の粗ウエイト部を有さない粗アーム部A’は、図7Aおよび図7Bに示すように、上記の第1構成例と異なり、粗ピン部P’側の表面のうち、粗ジャーナル部J’近傍の両側部Ac’、Ad’の内側領域Atに、整形加工後の最終製品形状と合致する表面形状を有する。その表面形状は粗ジャーナル部J’近傍の両側部Ac’、Ad’の領域まで滑らかに広がっている。これにより、粗ジャーナル部J’近傍の両側部Ac’、Ad’の厚みは、整形加工後の最終製品の厚みよりも薄い。
 また、粗ウエイト部を有さない粗アーム部A’は、粗ジャーナル部J’近傍の両側部Ac’、Ad’に、それぞれの外周から突出する第2余肉部Aca、Adaを有する。この第2余肉部Aca、Adaは、板状であり、粗ジャーナル部J’近傍の両側部Ac’、Ad’の外周に沿って設けられる。第2余肉部Aca、Adaの厚みは、その根元の両側部Ac’、Ad’の厚みと比べ、同程度であるかまたは薄い。
 第2構成例の鍛造材では、全ての粗アーム部A’が第2余肉部Aca、Adaを有してもよい。また、一部の粗アーム部A’が第2余肉部Aca、Adaを有してもよい。第2構成例では、粗アーム部A’が2つの第1余肉部Aaa、Abaおよび2つの第2余肉部Aca、Adaを有する場合を示す。しかしながら、粗アーム部A’は1つの第1余肉部のみを有してもよいし、1つの第2余肉部のみを有してもよい。第2余肉部が1つの場合、製造されたクランク軸のアーム部のジャーナル部近傍の一方の側部の厚みが厚くなる。
2.鍛造クランク軸の製造装置
 図8A~図8Dは、本発明の鍛造クランク軸の製造装置の構成例を示す模式図である。図8Aは斜視図、図8Bは図8A中の矢印方向から見た拡大斜視図、図8Cは工具が当接位置にある場合の上面図、図8Dは工具が退避位置にある場合の上面図である。図8A~図8Dには、バリが除去された鍛造材91と、金型10の下型の一部と、第1工具20と、第1治具30とを示す。なお、図面の理解を容易にするため、図8B~図8Dでは、鍛造材91の図示を省略する。
 図8Aに示す鍛造材91は、4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸用の鍛造材である。鍛造材91の第1、第4、第5および第8の粗アーム部に粗ウエイト部が一体で設けられる。また、図5Aに示す鍛造材と同様に、粗アーム部の粗ピン部近傍の両側部それぞれの外周から突出する第1余肉部を有する。
 第1工具20は、粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面のうちで両側部の領域を除く表面に当接する。例えば、第1工具20の先端面20aは、粗アーム部A’の粗ジャーナル部J’側の表面のうち、粗ピン部P’近傍の両側部Aa’、Ab’の内側の領域As、すなわち、加工後に凹みになる領域に当接する。
 図8Aでは、製造装置が備える複数の第1工具のうちの2つの第1工具を示し、他の工具の図示を省略する。図8Aに示す2つの第1工具は、粗ジャーナル部を中心に面対称な2つの粗アーム部(第4および第5の粗アーム部)の粗ジャーナル部側の表面に当接する。また、図8B~図8Dでは、図8Aに示す2つの第1工具とその周辺部分を抽出して示す。
 上下で一対の金型10は、上型と下型とで構成できる。図8A~図8Dでは、図面の理解を容易にするため、上型の図示を省略するとともに、下型の一部のみを図示する。
 上型および下型は、バリが除去された鍛造材に対して加工を施す。上型および下型は、さらに突出する余肉部を変形させる。そのため、上型および下型のそれぞれには、型彫刻部が設けられている。図8A~図8Dの金型10の型彫刻部10aは、下型の型彫刻部の一部を構成する。
 上型および下型の型彫刻部には、クランク軸(最終製品)の形状のうちの一部を除いた部分の形状が反映されている。具体的には、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを形成する場合(図4A~図4D参照)、第1工具20を収容するため、金型10(上型および下型)に工具用開放部10bが設けられる。このため、型彫刻部には、アーム部のジャーナル部側の表面における凹みが反映されない。
 また、アーム部のピン部側の表面に凹みを形成する場合(図6Aおよび図6B参照)、型彫刻部には、アーム部のピン部側の表面における凹みが反映されない。この凹みの形状を型彫刻部に反映すると、型彫刻部の一部が逆勾配となるからである。この場合、後述の第2工具を収容するため、金型10(上型および下型)に工具用開放部を設けてもよい。
 金型10(上型および下型)には、第1治具30を収容するため、それぞれ溝状の治具用開放部10c(図8A参照)が設けられる。
 第1工具20を退避位置から当接位置まで案内するため、第1工具20の上面20bおよび下面20cには、それぞれ、第1案内方向(図8Cおよび図8Dの実線矢印参照)に沿って延びる凸部20dが設けられる。また、金型10の工具用開放部10bの底面には、第1工具20の凸部20dを受け入れるため、溝状の凹部10dが設けられる。このため、第1工具20が退避位置から当接位置まで移動する際には、工具用開放部10b(金型10)の凹部10dの両側面および第1工具20の凸部20dの両側面20eに沿って移動する。すなわち、工具用開放部10b(金型10)の凹部10dの両側面とともに、第1工具20の上面20bおよび下面20cに設けられた凸部20dの両側面20eが案内部(第1案内部)として機能する。
 このような本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置では、第1工具20の側面を第1案内部とする必要がない。本実施形態の製造装置では、第1工具20の上面20bおよび下面20cのうちの少なくとも一方に、第1案内部が設けられる。このため、第1工具20の側面形状を平面とする必要がない。例えば、面取りや丸みを付けることによって第1工具20の側面形状を適宜変更できる。これにより、第1工具の幅を小さくできるので、第1工具20が第1治具30や金型10と干渉するのを防止でき、第1工具20の可動範囲を十分に確保できる。
 また、金型10により、加工とともに第1余肉部を変形させて粗アーム部の粗ピン部近傍の両側部の厚みを増加させる加工を施す。このため、得られるクランク軸において、アーム部の両側部の厚みを厚くしつつ、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを持たせることができる。その結果、クランク軸の軽量化と剛性確保を同時に図ることができる。
 さらに、第1余肉部を変形させる際に、第1工具を粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面に当接するので、加工の際、粗ジャーナル部側の表面の凹み等が保持される。これにより、クランク軸のアーム部のピン部近傍の両側部において、厚みを増加させ、その内側領域を凹ませることにより、形状を精密に成形できる。
 本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置は、図8A~図8Dに示すような粗ジャーナル部を中心に面対称な2つの粗アーム部に2つの第1工具を当接する場合に限定されない。
 図9は、図8A~図8Dと異なる本発明の鍛造クランク軸の製造装置の構成例を示す模式図である。図9は工具が当接位置にある場合の上面図である。図9では、1つの第1工具20が第1治具30に保持される。その他の構成は図8A~図8Dに示す製造装置と同様である。図9に示すような製造装置は、例えば、図1Fに示す4気筒-8枚カウンターウエイトのクランク軸や図2に示す4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸において適用できる。この点について図10を参照して説明する。
 図10は、本実施形態の工具と鍛造材との位置関係を示す上面図である。図10では、2つの第1工具20を保持する第1治具30と、1つの第1工具20を保持する第1治具30とを示す。例えば、第2粗ピン部P2’の位相は、第3粗ピン部P3’の位相と同じである。第4粗アーム部A4’は、第3粗ジャーナル部J3’を中心に第5粗アーム部A5’と面対称である。そのため、第3粗ジャーナル部J3’の位置に配置された第1治具30は、2つの第1工具20を保持する。この場合、2つの第1工具20は、それぞれ第4粗アーム部A4’および第5粗アーム部A5’に当接できる。
 他方、第1粗ピン部P1’の位相は、第2粗ピン部P2’の位相と異なる。そのため、第2粗ジャーナル部J2’の位置に配置された第1治具30は、1つの第1工具20を保持する。この場合、第1工具20は、第2粗アーム部A2’または第3粗アーム部A3’の一方としか当接できない。図9および図10には、第3粗アーム部A3’に当接する第1工具20を示す。
 前述の通り、粗ジャーナル部を中心に面対称な2つの粗アーム部に2つの第1工具を当接する場合、第1工具の両側面を案内部とすれば、2つの第1工具が互いに干渉しやすい。そのため、第1工具の可動範囲がさらに不十分となる。第1工具の可動範囲を十分に確保するため、粗ジャーナル部を中心に面対称な2つの粗アーム部に当接する2つの第1工具において、上面および下面のうちの少なくとも一方に、第1案内部を設けるのが好ましい。ここで、粗ジャーナル部を中心に面対称な2つの粗アーム部とは、前述の通り、粗アーム部のうちで、同一の粗ジャーナル部と繋がるとともに同位相の粗ピン部と繋がる2つの粗アーム部である。
 ここで、図8A~図8Dに示す構成と異なり、第1工具20を第1治具30に固定してもよい。この場合、第1治具が第1案内方向に沿って移動すれば、それに伴って第1工具も移動する。しかし、上記構成では、複数の第1工具20で第1案内方向が異なるので、複数の第1治具30を移動させる方向もそれぞれ異なる。このため、第1治具30および駆動装置(図示なし)が干渉して可動範囲が不十分となるおそれがある。
 第1治具30および駆動装置(図示なし)が干渉するのを防止するとともに、第1治具30を移動させる方向を統一する観点から、図8A~図8Dに示すように、製造装置はピン部の偏心方向に沿って移動可能な第1治具30を備えるのが好ましい。この場合、第1工具20は、第1治具30に保持される。第1工具20は、第1案内部に沿う第1案内方向と角度を有する第1スライド方向(図8Cおよび図8Dの破線矢印参照)に移動可能である。製造装置がこのような第1治具30を備えれば、ピン部の偏心方向に沿って第1治具を移動させることにより、第1案内方向に沿って第1工具を移動させることができる。このため、第1工具20を粗アーム部とその隣の粗アーム部との間に配置でき、第1工具20と鍛造材との干渉を防止できる。また、第1治具30がピン部の偏心方向に沿って移動するので、複数の第1治具30の移動する方向は同じである。そのため、第1治具30を駆動する機構を共通化でき、製造装置の設備構成を簡素化できる。その結果、第1工具の可動範囲が確保され、より狭小なスペースに第1工具を配置可能となる。
 第1スライド方向は、第1案内方向に応じて適宜設定することができる。例えば、第1スライド方向は、第1工具が当接する粗アーム部の部位に沿うような方向とすることができる。
 粗ジャーナル部を中心に面対称な2つの粗アーム部に2つの第1工具を当接する場合、それら2つの第1工具を単一の第1治具で、それぞれ、移動可能に保持するのが好ましい。これによっても、製造装置の構成を簡素化でき、第1工具の可動範囲をより十分に確保できる。
 続いて、粗ウエイト部を有さない粗アーム部の粗ピン部側の表面に当接される第2工具を製造装置がさらに備える構成例について、図11Aおよび図11Bを参照しながら説明する。
 図11Aおよび図11Bは、第2工具をさらに備える本実施形態の製造装置の構成例を示す模式図である。図11Aは第2工具が当接位置にある場合の上面図、図11Bは第2工具が退避位置にある場合の上面図である。図11Aおよび図11Bには、金型10と、第2工具40と、第2治具50とを示す。図11Aおよび図11Bには、金型10の下型の一部を示す。また、図11Aには、図面の理解を容易とするため、バリが除去された鍛造材91の外形を一点鎖線で示す。前述の第1工具20については、図示を省略する。
 図11Aに一点鎖線で示す鍛造材91は、例えば、図2に示す4気筒-4枚カウンターウエイトのクランク軸用の鍛造材とすることができる。図11Aには、粗ピン部P’を介して隣り合う2つの粗アーム部A’と、その2つの粗アーム部A’の間に位置する粗ピン部P’と、2つの粗アーム部A’とそれぞれ繋がる2つの粗ジャーナル部J’とを示す。2つの粗アーム部A’は、一方が粗ウエイト部を有さない粗アーム部であり、他方が粗ウエイト部を一体で有する粗アーム部である。
 鍛造材91は、図7Aに示す鍛造材と同様に、粗ウエイト部を有さない粗アーム部において、粗ジャーナル部近傍の両側部それぞれの外周から突出する第2余肉部をさらに有する。なお、図11Aおよび図11Bでは、第2余肉部の図示を省略する。
 第2工具40は、粗ウエイト部を有さない粗アーム部において、粗ピン部側の表面のうちで両側部の領域を除く表面に当接する。例えば、第2工具40の先端面40aは、粗アーム部A’の粗ピン部P’側の表面のうち、粗ジャーナル部J’近傍の両側部Ac’、Ad’の内側の領域At、すなわち、加工後に凹みとなる領域に当接する。図11Aおよび図11Bでは、製造装置のうちの第2工具40およびその周辺部分を抽出して示す。
 第2工具40を収容するため、金型10(上型および下型)に工具用開放部が設けられる。また、第2治具50を収容するため、溝状の治具用開放部10cが金型10(上型および下型)に設けられる。
 第2工具40を退避位置から当接位置まで案内するため、第1工具と同様に、第2工具40の上面40bおよび下面には、それぞれ、第2案内方向(図11Aおよび図11Bの実線矢印参照)に沿って延びる凸部40dが設けられる。また、金型10には、第2工具40の凸部40dを収容するため、溝状の凹部10dが設けられる。このため、第2工具40が退避位置から当接位置まで移動する際には、第2工具40は金型10の凹部10dの両側面および第2工具40の凸部40dの両側面40eに沿って移動する。すなわち、金型10の凹部10dの両側面とともに、第2工具40の上面40bおよび下面に設けられた凸部40dの両側面40eが案内部(第2案内部)として機能する。
 このように第2工具40の上面40bおよび下面のうちの少なくとも一方に第2案内部を設けることにより、前述の第1工具と同様に、第2工具40が第2治具50や金型10と干渉するのを防止できる。その結果、第2工具の可動範囲を十分に確保できる。また、金型10により、第2余肉部を変形させて粗アーム部の粗ジャーナル部近傍の両側部の厚みを増加させる加工を施す。このため、図6Aおよび図6Bに示すような剛性を確保しつつ、より軽量化を図ったクランク軸を得ることができる。さらに、第2工具が当接することにより、加工の際、粗ピン部側の表面形状が保持される。そのため、クランク軸のアーム部のジャーナル部近傍の両側部において、厚みを増加させ、その内側領域を凹ませることにより、形状を精密に成形できる。
 第1治具と同様に、第2治具50および駆動装置(図示なし)が干渉するのを防止するとともに、第2治具50を移動させる方向を統一する観点から、製造装置はピン部の偏心方向(図11Aおよび図11Bのハッチングを施した矢印参照)に沿って移動可能な第2治具50をさらに備えるのが好ましい。この場合、第2治具50は、図8A~図8Dに示す治具と同様に、第2案内部による第2案内方向と角度を有する第2スライド方向(図11Aおよび図11Bの破線矢印参照)に第2工具40を移動可能に保持する。
 第2スライド方向は、第2案内方向に応じて適宜設定することができる。例えば、第2スライド方向は、第2工具が当接するアーム部の部位に沿うような方向とすることができる。
3.鍛造クランク軸の製造方法
 続いて、上述の本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置を用いる鍛造クランク軸の製造方法について説明する。以下では、整形工程において本実施形態の製造装置を用いる場合について説明する。
 製造工程は、従来と同様の構成とすることができる。例えば、製造工程は、予備成形工程、型鍛造工程、バリ抜き工程および整形工程で構成できる。この場合、図5Aに示すようなバリが除去された鍛造材を得るため、型鍛造工程では、粗アーム部の粗ピン部近傍の両側部それぞれの外周から突出する第1余肉部を有するバリ付き鍛造材を成形する。加えて、バリ抜き工程で、バリ付き鍛造材からバリを除去する。
 整形工程では、図8A~図8Dに示すような鍛造クランク軸の製造装置を用いる。先ず、金型10の上型および下型を離間させるとともに、第1工具を退避位置に配置する。そして、バリが除去された鍛造材を搬入し、上型と下型の間に配置する。
 続いて、第1工具を当接位置に移動させることにより、鍛造材の粗アーム部の粗ジャーナル部側の表面に第1工具が当接する。この状態で、上型と下型とが近接するように上型および下型を移動させる。より具体的には、上型を下死点まで移動させ、鍛造材を金型10で僅かにプレス圧下する。これにより、鍛造材に整形加工が施され、最終製品の寸法形状に矯正される。
 本実施形態の鍛造クランク軸の製造装置では、整形加工とともに、第1余肉部を変形させて粗アーム部の粗ピン部近傍の両側部の厚みを増加させる。この第1余肉部の変形では、例えば、金型10によって第1余肉部を押し潰す。または、第1余肉部を金型10の型彫刻部に沿って粗ジャーナル部側に折り曲げる。これにより、第1余肉部を金型10の型彫刻部に沿う形状にして粗ジャーナル部側に張り出させる。
 このような整形加工および第1余肉部の変形が完了した後、上型と下型とを離間させる。より具体的には、上型を上死点まで移動させる。そして、第1工具を退避位置まで移動させた後、加工済みの鍛造材を搬出する。これにより、図4A~図4Dに示すようなクランク軸を得ることができる。
 鍛造クランク軸の製造装置が、粗ウエイト部を有さない粗アーム部の粗ピン部側の表面に当接する第2工具をさらに備える場合、図7Aに示すような鍛造材を得るため、型鍛造工程では、第2余肉部をさらに有するバリ付き鍛造材を成形する。整形工程では、第1工具と同様に、第2工具を当接位置または退避位置に配置すればよい。これにより、図6Aに示すようなクランク軸を得ることができる。
 上述の説明では本実施形態の製造装置を整形工程で用いる場合を説明した。しかしながら、本実施形態の製造装置は、整形工程以外にも用いることができる。例えば、整形工程前または整形工程後に別途の加工工程を追加した場合、その加工工程で本実施形態の製造装置を用いてもよい。また、整形工程を必要としない場合には、バリ抜き工程の後に加工工程を加え、その加工工程で本実施形態の製造装置を用いてもよい。要するに、本実施形態の製造装置は、バリが除去された鍛造材の余肉部を加工する際に使用できる。
 本発明は、レシプロエンジンに搭載される鍛造クランク軸の製造に有効に利用できる。
 1:鍛造クランク軸、 J、J1~J5:ジャーナル部、 P、P1~P4:ピン部、
 Fr:フロント部、 Fl:フランジ部、 A、A1~A8:クランクアーム部、
 W、W1~W8:カウンターウエイト部、
 J’:粗ジャーナル部、 P’:粗ピン部、 A’:粗クランクアーム部、
 W’:粗カウンターウエイト部、
 Aa、Ab:アーム部のピン部近傍の側部、
 Aa’、Ab’:粗アーム部の粗ピン部近傍の側部、
 Aaa、Aba:第1余肉部、
 Ac、Ad:アーム部のジャーナル部近傍の側部、
 Ac’、Ad’:粗アーム部の粗ジャーナル部近傍の側部、
 Aca、Ada:第2余肉部、
 As:アーム部のジャーナル部側表面における両側部の内側領域、
 At:アーム部のピン部側表面における両側部の内側領域、
 10:金型、 10a:型彫刻部、 10b:工具用開放部、
 10c:治具用開放部、 10d:凹部、
 20:第1工具、 20a:先端面(型彫刻部)、 20b:上面、
 20c:下面、 20d:凸部、 20e:凸部の側面(第1案内部)
 30:第1治具、 30a:凸部、 40:第2工具、
 40a:先端面(型彫刻部)、 40b:上面、 40d:凸部、
 40e:凸部の側面(第2案内部)、 50:第2治具、 50a:凸部、
 91:バリ無し鍛造材、 92:側面が案内部の工具、
 92a:先端面(型彫刻部)、 92b:側面(案内部)、 92c:凹部、
 92d:溝部、 93:治具、 93a:凸部

Claims (5)

  1.  回転中心となる複数のジャーナル部と、そのジャーナル部に対して偏心した複数のピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を有する鍛造クランク軸の製造過程で、バリが除去された鍛造材に加工を施す鍛造クランク軸の製造装置であって、
     前記鍛造クランク軸の前記複数のクランクアーム部のうちの少なくとも一部の前記クランクアーム部はカウンターウエイト部を一体で有し、
     前記鍛造材は、前記鍛造クランク軸の前記複数のジャーナル部、前記複数のピン部、前記複数のクランクアーム部および前記カウンターウエイト部のそれぞれに対応する、複数の粗ジャーナル部、複数の粗ピン部、複数の粗クランクアーム部および粗カウンターウエイト部を備え、
     前記複数の粗クランクアーム部のうちの少なくとも一部の前記粗クランクアーム部が、前記粗ピン部近傍の側部の外周から突出する第1余肉部を有し、前記鍛造クランク軸の製造装置は、
     前記第1余肉部を変形させて前記粗クランクアーム部の前記粗ピン部近傍の前記側部の厚みを増加させる加工を施す上下で一対の金型と、
     前記金型の開放部に収容され、前記粗クランクアーム部の前記粗ジャーナル部側の表面のうちで前記粗ピン部近傍の前記側部の領域を除く表面に当接する第1工具と、を備え、
     前記金型および前記第1工具は、前記第1工具を退避位置から当接位置まで案内する第1案内部をそれぞれ有し、
     前記第1工具の上面および下面のうちの少なくとも一方に、前記第1案内部が設けられる、鍛造クランク軸の製造装置。
  2.  請求項1に記載の鍛造クランク軸の製造装置であって、
     前記鍛造クランク軸の製造装置は、前記ピン部の偏心方向に沿って移動可能な第1治具をさらに備え、
     前記第1治具は、前記第1工具を、前記第1案内部に沿う第1案内方向と角度を有する第1スライド方向に移動可能に保持し、
     前記第1工具は、前記粗クランクアーム部に対し、前記粗ジャーナル部側の前記粗ピン部近傍の前記側部の領域を除く前記表面に当接し、
     前記第1工具は、前記第1治具の移動に伴って前記第1案内方向に沿って移動する、鍛造クランク軸の製造装置。
  3.  請求項1または請求項2に記載の鍛造クランク軸の製造装置であって、
     前記鍛造クランク軸の全ての前記クランクアーム部は前記カウンターウエイト部を一体で有する、鍛造クランク軸の製造装置。
  4.  請求項1または請求項2に記載の鍛造クランク軸の製造装置であって、
     前記粗カウンターウエイト部を有さない前記粗クランクアーム部のうちの少なくとも一部の前記粗クランクアーム部が、前記粗ジャーナル部近傍の側部の外周から突出する第2余肉部をさらに有し、
     前記金型は、前記第2余肉部を変形させて前記粗カウンターウエイト部を有さない前記粗クランクアーム部の前記粗ジャーナル部近傍の前記側部の厚みを増加させる加工をさらに施し、
     前記鍛造クランク軸の製造装置は、
     前記金型の開放部に収容され、前記粗カウンターウエイト部を有さない前記粗クランクアーム部の前記粗ピン部側の表面のうちで前記粗ジャーナル部近傍の前記側部の領域を除く表面に当接する第2工具をさらに備え、
     前記金型および前記第2工具は、前記第2工具を退避位置から当接位置まで案内する第2案内部をそれぞれ有し、
     前記第2工具の上面および下面のうちの少なくとも一方に、前記第2案内部が設けられる、鍛造クランク軸の製造装置。
  5.  請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の鍛造クランク軸の製造装置であって、
     前記金型は、前記鍛造材に整形加工を施す金型である、鍛造クランク軸の製造装置。
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