WO2016159224A1 - 貯蔵安定性に優れる硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、(B)コアシェルポリマー1~50質量部および(C)ブロックドイソシアネート1~50質量部を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物であって、(B)のコア層が、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、ポリシロキサン系ゴムのいずれからなり、(B)コアシェルポリマーのシェル層が、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、アルキルメタクリレートモノマー30~98質量%、エポキシ基を有するモノマー0~25質量%、およびそれらと共重合可能なモノマー0~70質量%からなる硬化性エポキシ樹脂組成物である。

Description

貯蔵安定性に優れる硬化性エポキシ樹脂組成物
 本発明は、コアシェルポリマーを含む硬化性エポキシ樹脂組成物、その接着剤、特に車両用の構造接着剤に関するものである。
 エポキシ樹脂は広範囲の用途で使用されており、その一つに接着剤が挙げられる。エポキシ樹脂硬化物は優れた機械的特性、電気的特性、耐久性を示す一方で、脆性的性質や耐衝撃性などを向上させるために、車両などの構造接着剤においては、硬化性エポキシ樹脂組成物中にコアシェルポリマー及びブロックドイソシアネートを含む場合がある(特許文献1)。
 構造接着剤においては、長期保管する場合に品質を保てなくなり、保管前後で製品粘度が変化してしまう場合がある。
特表2010-530472号公報
 長期保管前後で品質を保つためには、貯蔵安定性に優れる硬化性エポキシ樹脂組成物の提供が効果的であると考えられる。そして、引用文献1ではブロックドイソシアネートが貯蔵安定性に寄与するとされているが、他の手段により、貯蔵安定性を改善することは教示されていない。
 これに対し、本発明者らは、硬化性エポキシ樹脂組成物において、貯蔵安定性が、コアシェルポリマーのシェル層成分やその量に応じて変化することを見出し、コアシェルポリマーのシェル層について鋭意検討することにした。
 本発明は、上述の状況に鑑み、貯蔵安定性に優れ、さらに得られる硬化物の接着性に優れる硬化性エポキシ樹脂組成物の提供を目的とする。
 また、本発明は、好ましくは粘度が低く、貯蔵安定性及び硬化物の接着性に優れる硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することも課題とする。
 本発明者らは、エポキシ樹脂、コアシェルポリマー及びブロックドイソシアネートを含有する組成物において、コアシェルポリマーのシェル層を特定のモノマー及び特定の量から構成すると、組成物の貯蔵安定性とその硬化物の接着性が改善されること(好ましくは粘度上昇が抑制されること)を見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は以下の通りである。
 1)エポキシ樹脂(A)100質量部に対し、コアシェルポリマー(B)1~50質量部およびブロックドイソシアネート(C)1~50質量部を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物であって、コアシェルポリマー(B)のコア層が、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、ポリシロキサン系ゴムのいずれかからなり、コアシェルポリマー(B)のシェル層が、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、アルキルメタクリレートモノマー30~99質量%、エポキシ基を有するモノマー0~25質量%、およびそれらと共重合可能なモノマー0~70質量%からなることを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。
 2)コアシェルポリマー(B)のシェル層が、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、アルキルメタクリレートモノマー50~99質量%、エポキシ基を有するモノマー1~20質量%、およびそれらと共重合可能なモノマー0~48質量%からなる1)に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 3)アルキルメタクリレートモノマーが炭素数1~3のアルキル基を有する1)または2)に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 4)エポキシ基を有するモノマーが、グリシジルメタクリレートである1)~3)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 5)それらと共重合可能なモノマーが、(メタ)アクリロニトリル及びアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの一方又は両方を含まない1)から4)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 6)コアシェルポリマー(B)のコア層が、ブタジエンゴム、および/または、ブタジエン-スチレンゴムからなる1)~5)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 7)コアシェルポリマー(B)の体積平均粒子径が0.05~0.30nmである1)~6)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 8)ブロックドイソシアネート(C)が、ポリプロピレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤でキャップした化合物である1)~7)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 9)ブロックドイソシアネート(C)が、ポリテトラメチレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤でキャップした化合物である1)~7)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 10)更に、エポキシ硬化剤(D)1~40質量部を含有する1)~9)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 11)更に、硬化促進剤(E)0.1~10質量部を含有する1)~10)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
 12)1)~11)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
 13)1)~11)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を用いてなる構造接着剤。
 14)1)~11)のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を用いてなる車両用構造接着剤。
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性や硬化物に対する接着性に優れる。
 また、本発明の好ましい態様によれば、貯蔵安定性や硬化物に対する接着性に優れるばかりではなく、組成物の粘度上昇を抑制することも可能となる。
図1は、ポリプロピレングリコール構造を有するブロックドイソシアネートを用いた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、コアシェルポリマーのシェル層のエポキシ基を有するモノマー量と貯蔵安定性との関係を示す図である。 図2は、ポリプロピレングリコール構造を有するブロックドイソシアネートを用いた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、せん断接着強さとコアシェルポリマーのシェル層のエポキシ基を有するモノマー量との関係を示す図である。 図3は、ポリプロピレングリコール構造を有するブロックドイソシアネートを用いた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、動的割裂抵抗力とコアシェルポリマーのシェル層のエポキシ基を有するモノマー量との関係を示す図である。 図4は、ポリテトラメチレングリコール構造を有するブロックドイソシアネートを用いた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、コアシェルポリマーのシェル層のエポキシ基を有するモノマー量と貯蔵安定性との関係を示す図である。 図5は、ポリテトラメチレングリコール構造を有するブロックドイソシアネートを用いた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、せん断接着強さとコアシェルポリマーのシェル層のエポキシ基を有するモノマー量との関係を示す図である。 図6は、ポリテトラメチレングリコール構造を有するブロックドイソシアネートを用いた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、動的割裂抵抗力とコアシェルポリマーのシェル層のエポキシ基を有するモノマー量との関係を示す図である。
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、コアシェルポリマー(B)、ブロックドイソシアネート(C)を必須成分として含有する。
<エポキシ樹脂(A)>
(A-1)ポリグリシジルエーテル、多価グリシジルアミン化合物、脂環式エポキシ樹脂等
 本発明のエポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限されないが、本発明に用いられるエポキシ樹脂はポリエポキシドとも言われるエポキシ樹脂であることが好ましい。前記のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 、ビフェノール、フェノール類ノボラック等の多価フェノールとエピクロルヒドリンの付加反応生成物などのポリグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、アニリン、ジアミノベンゼン、アミノフェノール、フェニレンジアミン、ジアミノフェニルエーテル等のモノアミンおよび多価アミンより誘導される多価グリシジルアミン化合物、シクロヘキシルエポキシ等の脂環式エポキシ構造を有する脂環式エポキシ樹脂、多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの付加反応生成物、これらの一部の水素を臭素等のハロゲン元素で置換したハロゲン化エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル等の不飽和モノエポキシドを含む単量体を重合して得られるホモポリマーもしくはコポリマーなどが例示される。多価フェノールより合成される多くのポリエポキシドは、例えば米国特許第4431782号に開示されている。ポリエポキシドの例としては更に、米国特許第3804735号、同第3892819号、同第3948698号、同第4014771号、及び、エポキシ樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、昭和62年) に開示されているものが挙げられる。
(A-2)ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリコールジグリシジルエーテル等
 また、本発明のエポキシ樹脂(A)としては、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリコールジグリシジルエーテル、脂肪族多塩基酸のジグリシジルエステル、二価以上の多価脂肪族アルコールのグリシジルエーテル、ジビニルベンゼンジオキシドも使用できる。これらは比較的低い粘度を有するエポキシ樹脂であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等の他のエポキシ樹脂と併用すると、反応性希釈剤として機能し、組成物の粘度と硬化物の物性のバランスを改良する事ができる。
 これらのエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂(A)成分100質量%中0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、2~5質量%が更に好ましい。前記ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルとしては、より具体的には、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。前記グリコールジグリシジルエーテルとしては、より具体的には、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。前記脂肪族多塩基酸のジグリシジルエステルとしては、より具体的には、ダイマー酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、マレイン酸ジグリシジルエステルなどが挙げられる。前記二価以上の多価脂肪族アルコールのグリシジルエーテルとしては、より具体的には、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ひまし油変性ポリグリシジルエーテル、プロポキシ化グリセリントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
(A-3)エポキシ樹脂に多塩基酸類等を付加反応させて得られるエポキシ化合物
 さらに、本発明のエポキシ樹脂(A)としては、WO2010/098950号公報に記載されているような、エポキシ樹脂に多塩基酸類等を付加反応させて得られるエポキシ化合物も使用できる。例えば、トール油脂肪酸の二量体(ダイマー酸)とビスフェノールA型エポキシ樹脂との付加反応物が挙げられる。また、キレート変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、及び、ウレタン変性エポキシ樹脂も、エポキシ樹脂(A)成分として使用できる。
 本発明で用いられ得るエポキシ樹脂は前述のようなものであるが、一般的にはエポキシ当量として、80~2000を有するものが挙げられる。これらのポリエポキシドは周知の方法で得ることができるが、通常よく用いられる方法として、例えば、多価アルコールもしくは多価フェノールなどに対して過剰量のエピハロヒドリンを塩基存在下で反応させることが挙げられる。
(A-3-1)キレート変性エポキシ樹脂
 本発明のエポキシ樹脂(A)としては、キレート変性エポキシ樹脂が使用できる。キレート変性エポキシ樹脂はエポキシ樹脂とキレート官能基を含有する化合物(キレート配位子)との反応生成物であり、本発明の樹脂組成物に添加して車両用接着剤として用いた場合、油状物質で汚染された金属基材表面への接着性を改善できる。キレート官能基は、金属イオンへ配位可能な配位座を分子内に複数有する化合物の官能基であり、例えば、リン含有酸基(例えば、-PO(OH)2)、カルボン酸基(-CO2H)、硫黄含有酸基(例えば、-SO3H)、アミノ基及び水酸基(特に、芳香環において互いに隣接した水酸基)などが挙げられる。キレート配位子としては、エチレンジアミン、ビピリジン、エチレンジアミン四酢酸、フェナントロリン、ポルフィリン、クラウンエーテルなどが挙げられる。市販されているキレート変性エポキシ樹脂としては、ADEKA製アデカレジンEP-49-10Nなどが挙げられる。エポキシ樹脂(A)成分100質量%中のキレート変性エポキシ樹脂の使用量は、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.5~3質量%である。
(A-3-2)ゴム変性エポキシ樹脂
 前記ゴム変性エポキシ樹脂は、ゴムとエポキシ基含有化合物とを反応させて得た、1分子当り平均して、エポキシ基を1.1個以上有する反応生成物であり、ゴムとしては,アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム、ポリプロピレンオキシドやポリエチレンオキシドやポリテトラメチレンオキシド等のポリオキシアルキレンなどのゴム系重合体を挙げることができる。該ゴム系重合体は、アミノ基、ヒドロキシ基、またはカルボキシル基等の反応性基を末端に有するものが好ましい。これらのゴム系重合体とエポキシ樹脂とを公知の方法により適宜の配合比にて反応させた生成物を本発明に使用されるゴム変性エポキシ樹脂としてもよい。これらの中でも、アクリロニトリル-ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂や、ポリオキシアルキレン変性エポキシ樹脂が、得られる樹脂組成物の接着性や耐衝撃剥離接着性の観点から好ましく、アクリロニトリル-ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂がより好ましい。なお、アクリロニトリル-ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂は、例えば、カルボキシル基末端NBR(CTBN)とビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応により得られてもよい。また、ポリオキシアルキレン変性エポキシ樹脂は、例えば、アミノ基末端ポリオキシアルキレンとビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応により得られてもよい。
 前記アクリロニトリル-ブタジエンゴム100質量%中のアクリロニトリル単量体成分の含有量は、得られる樹脂組成物の接着性や耐衝撃剥離接着性の観点から、5~40質量%が好ましく、10~35質量%がより好ましく、15~30質量%が更に好ましい。得られる樹脂組成物のチキソトロピー性の観点から、20~30質量%が特に好ましい。
 前記ゴム中の1分子当たりの平均のエポキシド反応性末端基の数は、1.5~2.5個が好ましく、1.8~2.2個がより好ましい。ゴムの数平均分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算分子量にて、2000~10000が好ましく、3000~8000がより好ましく、4000~6000が特に好ましい。
 ゴム変性エポキシ樹脂の製法は、特に制限は無く、例えば、多量のエポキシ基含有化合物中でゴムとエポキシ基含有化合物とを反応させて製造することができる。具体的には、ゴム中の1当量のエポキシ反応性末端基当たり、2当量以上のエポキシ基含有化合物を反応させて製造することが好ましい。得られる生成物が、ゴムとエポキシ基含有化合物との付加体と、遊離のエポキシ基含有化合物との混合物となるのに十分な量のエポキシ基含有化合物を反応させることがより好ましい。フェニルジメチル尿素やトリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下で、100~250℃の温度に加熱することにより、ゴム変性エポキシ樹脂は製造されてもよい。ゴム変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるエポキシ基含有化合物は特に制限は無いが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。なお、本発明において、ゴム変性エポキシ樹脂の製造時に過剰量のエポキシ基含有化合物が使用された場合には、反応後に残存する未反応のエポキシ基含有化合物は、本発明のゴム変性エポキシ樹脂には、含まれないものとする。
 ゴム変性エポキシ樹脂は、ビスフェノール成分と予備反応させることで改質することができる。改質に使用するビスフェノール成分は、ゴム変性エポキシ樹脂中のゴム成分100質量部に対し、3~35質量部が好ましく、5~25質量部がより好ましい。改質されたゴム変性エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、高温曝露後の接着耐久性に優れ、また、低温時の耐衝撃性にも優れる。
 ゴム変性エポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限は無いが、-25℃以下が好ましく、-35℃以下がより好ましく、-40℃以下が更に好ましく、-50℃以下が特に好ましい。
 エポキシ樹脂(A)成分中のゴム変性エポキシ樹脂の含有量は、1~40質量%が好ましく、3~30質量%がより好ましく、5~25質量%が更に好ましく、10~20質量%が特に好ましい。1質量%未満では、得られる硬化物が脆く、耐衝撃剥離接着性が低い場合があり、40質量%より多いと、得られる硬化物の耐熱性や弾性率(剛性)が低い場合がある。
 ゴム変性エポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A-3-3)ウレタン変性エポキシ樹脂
 前記ウレタン変性エポキシ樹脂は、イソシアネート基との反応性を有する基とエポキシ基とを含有する化合物と、イソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを反応させて得た、1分子当り平均して、エポキシ基を1.1個以上有する反応生成物である。例えば、ヒドロキシ基含有エポキシ化合物とウレタンプレポリマーを反応させることにより、ウレタン変性エポキシ樹脂が得られる。
 エポキシ樹脂(A)成分100質量%中のウレタン変性エポキシ樹脂の含有量は、1~40質量%が好ましく、3~30質量%がより好ましく、5~25質量%が更に好ましく、10~20質量%が特に好ましい。1質量%未満では、得られる硬化物が脆く、耐衝撃剥離接着性が低い場合があり、40質量%より多いと、得られる硬化物の耐熱性や弾性率(剛性)が低い場合がある。
 ウレタン変性エポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
 前記のエポキシ樹脂(A)の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂は、得られる硬化物の弾性率が高く、耐熱性および接着性に優れ、比較的安価である為好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。
 本発明のエポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、得られる硬化物の弾性率および耐熱性が高いという観点から、220未満が好ましく、90以上210以下がより好ましく、150以上200以下が更に好ましい。特に、エポキシ当量が220未満のビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂は、常温で液体であり、得られる樹脂組成物の取扱い性が良い為に好ましい。
 エポキシ当量が220以上2000未満のビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂(A)成分100質量%中に、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下の範囲で添加すると、得られる硬化物が耐衝撃性に優れる為に好ましい。
<コアシェルポリマー(B)>
 本発明のコアシェルポリマー(B)は、コア層とシェル層の少なくとも2層からなる。また、本発明のコアシェルポリマー(B)は、コア層と中間層とシェル層の3層からなるものでもよい。本発明のコアシェルポリマー(B)の体積平均粒子径は、0.03~2.10μmが好ましく、0.05~1.10μmがより好ましく、0.05~0.30μmがさらに好ましく、0.08~0.30μmが特に好ましい。体積平均粒子径が0.03μm未満のものを安定的に得ることは難しい場合が多く、2.10μmを超えると最終成形体の耐熱性や耐衝撃性が悪くなる恐れがある。
 以下、各層に関して説明する。
(コア層)
 コア層は、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、ポリシロキサン系ゴムのいずれかを使用する。
 本発明のコアシェルポリマー(B)のコア層は、天然ゴムやジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を50~100質量%、および他の共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)を0~50質量%含んで構成されるゴム弾性体や、ポリシロキサン系ゴム弾性体、あるいはこれらを併用したものが挙げられる。得られる硬化物の靱性改良効果および耐衝撃剥離接着性改良効果が高い点、および、マトリックス樹脂との親和性が低い為にコア層の膨潤による経時での粘度上昇が起こり難い点から、ジエン系モノマーを用いたジエン系ゴムが好ましい。多種のモノマーの組合せにより、幅広いポリマー設計が可能なことから、(メタ)アクリレート系ゴムが好ましい。また、硬化物の耐熱性を低下させることなく、低温での耐衝撃性を向上しようとする場合には、弾性コア層はポリシロキサン系ゴム弾性体であることが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
(コア層(ジエン系ゴム))
 第1モノマーの前記ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエンなどが挙げられる。これらのジエン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 コアシェルポリマー(B)のコア層は、靱性改良効果および耐衝撃剥離接着性改良効果が高い点、および、マトリックス樹脂との親和性が低い為にコア層の膨潤による経時での粘度上昇が起こり難い点から、1,3-ブタジエンを用いるブタジエンゴム、および/または、1,3-ブタジエンとスチレンの共重合体であるブタジエン-スチレンゴムが好ましく、ブタジエンゴムがより好ましい。また、ブタジエン-スチレンゴムは、屈折率の調整により得られる硬化物の透明性を高めることができ、より好ましい。
(コア層(アクリル系ゴム)
 また、第1モノマーの前記(メタ)アクリレート系ゴムモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレートなどのグリシジル(メタ)アクリレート類;アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレートなどのアリルアルキル(メタ)アクリレート類;モノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
(第2モノマー)
 前記他の共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどのビニルアレーン類;アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン類;塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのアルケン類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーなどが挙げられる。これらのビニル系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはスチレンである。
(ポリシロキサン系ゴム)
 また、前記ポリシロキサン系ゴムとしては、例えば、ジメチルシリルオキシ、ジエチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジフェニルシリルオキシ、ジメチルシリルオキシ-ジフェニルシリルオキシなどの、アルキル或いはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサン系ポリマーや、側鎖のアルキルの一部が水素原子に置換されたオルガノハイドロジェンシリルオキシなどの、アルキル或いはアリール1置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサン系ポリマーが挙げられる。これらのポリシロキサン系ポリマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジメチルシリルオキシ-ジフェニルシリルオキシが硬化物に耐熱性を付与する上で好ましく、ジメチルシリルオキシが容易に入手できて経済的でもあることから最も好ましい。コア層がポリシロキサン系ゴムから形成される態様において、ポリシロキサン系ポリマー部位は、硬化物の耐熱性を損なわないために、ゴム弾性体全体を100質量%として80質量%以上(好ましくは90質量%以上)含有していることが好ましい。
(コア層の架橋)
 コアシェルポリマー(B)のコア層には、硬化性エポキシ樹脂組成物中での分散安定性を保持する観点から、架橋構造が導入されていることが好ましい。架橋構造の導入方法としては、例えば、ポリマー成分に多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物等の架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。また、ポリシロキサン系ポリマーに架橋構造を導入する方法としては、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用する方法や、ビニル反応性基、メルカプト基などの反応性基をポリシロキサン系ポリマーに導入し、その後ビニル重合性のモノマーあるいは有機過酸化物などを添加してラジカル反応させる方法、あるいは、ポリシロキサン系ポリマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物などの架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。
(多官能性モノマー)
 前記多官能性モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレート等のアリルアルキル(メタ)アクリレート類;アリルオキシアルキル(メタ)アクリレート類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。特に好ましくはアリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びジビニルベンゼンである。
(コア層のゲル含量)
 本発明のコアシェルポリマー(B)のコア層は、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の靱性を高める為に、ゴムとしての性質を有することが好ましい。本発明のコアシェルポリマー(B)のコア層のゲル含量は、硬化物の靭性の観点から、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。ゲル含量とは、凝固、乾燥により得られたコアシェルポリマー0.5gをトルエン100gに浸漬し、23℃で24時間静置した後に不溶分と可溶分を分別したときの、不溶分と可溶分の合計量に対する不溶分の比率を意味する。
(コア層のTg)
 本発明において、コアシェルポリマー(B)のコア層のガラス転移温度(以下、単に「Tg」と称する場合がある)は、得られる硬化物の靱性を高める為に、0℃以下であることが好ましく、-20℃以下がより好ましく、-40℃以下が更に好ましく、-60℃以下であることが特に好ましい。
 一方、得られる硬化物の剛性低下を抑制したい場合には、コア層のTgは、0℃よりも大きいことが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましく、80℃以上であることが特に好ましく、120℃以上であることが最も好ましい。
 Tgが0℃よりも大きく、得られる硬化物の剛性低下を抑制し得るコア層を形成し得るポリマーとしては、単独重合体のTgが0℃よりも大きい少なくとも1種のモノマーを50~100質量%(好ましくは、65~99質量%)、および単独重合体のTgが0℃以下の少なくとも1種のモノマーを0~50質量%(好ましくは、1~35質量%)含んで構成されるポリマーが挙げられる。
 単独重合体のTgが0℃よりも大きいモノマーは、例えば、スチレン、2-ビニルナフタレン等の無置換ビニル芳香族化合物類;α-メチルスチレン等のビニル置換芳香族化合物類;3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等の環アルキル化ビニル芳香族化合物類;4-メトキシスチレン、4-エトキシスチレン等の環アルコキシル化ビニル芳香族化合物類;2-クロロスチレン、3-クロロスチレン等の環ハロゲン化ビニル芳香族化合物類;4-アセトキシスチレン等の環エステル置換ビニル芳香族化合物類;4-ヒドロキシスチレン等の環ヒドロキシル化ビニル芳香族化合物類;ビニルベンゾエート、ビニルシクロヘキサノエート等のビニルエステル類;塩化ビニル等のビニルハロゲン化物類;アセナフタレン、インデン等の芳香族モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類;フェニルメタクリレート等の芳香族メタクリレート;イソボルニルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート等のメタクリレート類;メタクリロニトリル等のメタクリル酸誘導体を含むメタクリルモノマー;イソボルニルアクリレート、tert-ブチルアクリレート等のある種のアクリル酸エステル;アクリロニトリル等のアクリル酸誘導体を含むアクリルモノマーを挙げることができる。更に、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2-メチル-2-アダマンチルメタクリレート、1-アダマンチルアクリレート及び1-アダマンチルメタクリレート等のTgが120℃以上となるモノマーが挙げられる。
(コア層の平均粒子径)
 本発明のコアシェルポリマー(B)のコア層の体積平均粒子径は、0.03~2μmが好ましく、0.05~1μmがより好ましい。体積平均粒子径が0.03μm未満のものを安定的に得ることは難しい場合が多く、2μmを超えると最終成形体の耐熱性や耐衝撃性が悪くなる恐れがある。
(コア層の比率)
 本発明のコアシェルポリマー(B)のコア層は、コアシェルポリマー全体を100質量%として40~97質量%が好ましく、60~95質量%がより好ましく、70~93質量%が更に好ましく、80~90質量%が特に好ましい。コア層が40質量%未満では硬化物の靱性改良効果が低下する場合がある。コア層が97質量%よりも大きいとポリマー微粒子が凝集し易くなり、硬化性エポキシ樹脂組成物が高粘度となり取り扱い難い場合がある。
(コア層の多層構造)
 本発明において、コア層は多層構造であってもよい。また、コア層が多層構造の場合は、各層のポリマー組成が各々相違していてもよい。
(中間層)
 本発明のコアシェルポリマー(B)は、コア層とシェル層の間に中間層を有してもよい。特に、中間層として、以下のゴム表面架橋層を形成させてもよい。得られる硬化物の靱性改良効果および耐衝撃剥離接着性改良効果の点からは、中間層として、以下のゴム表面架橋層を含有しないことが好ましい。
 前記ゴム表面架橋層は、同一分子内にラジカル性二重結合を2以上有する多官能性モノマー30~100質量%、及びその他のビニルモノマー0~70質量%からなるゴム表面架橋層成分を重合してなる中間層ポリマーからなり、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させる効果、コアシェルポリマー(B)のエポキシ樹脂(A)成分への分散性を向上させる効果を有する。また、コア層の架橋密度を上げたりシェル層のグラフト効率を高めたりする効果も有する。
 前記多官能性モノマーの具体例としては、上述の多官能性モノマーと同じモノマーが例示されるが、好ましくはアリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートである。
(シェル層)
 コアシェルポリマー(B)のシェル層は、シェル形成用モノマーを重合したものであるが、本発明に係る、コアシェルポリマー(B)成分とエポキシ樹脂(A)成分との相溶性を向上させ、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物、又はその硬化物中においてコアシェルポリマーが一次粒子の状態で分散することを可能にする役割を担うシェルポリマーからなる。
 本発明のコアシェルポリマー(B)のシェル層は、貯蔵安定性を維持しつつ、粘度が低いとの観点から、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、エポキシ基を有するモノマー0~25質量%、アルキルメタクリレートモノマー30~99質量%(好ましくは30~98質量%)、およびそれらと共重合可能なモノマー0~70質量%(好ましくは2~70質量%)からなる。
 より好ましくは、本発明のコアシェルポリマー(B)のシェル層は、貯蔵安定性を維持しつつ、粘度が低く、動的割裂抵抗力が高いとの観点から、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、エポキシ基を有するモノマー1~20質量%(好ましくは2~20質量%)、アルキルメタクリレートモノマー50~99質量%(好ましくは50~98質量%、より好ましくは50~97質量%)、およびそれらと共重合可能なモノマー0~48質量%(好ましくは1~48質量%)からなる。
 さらに好ましくは、本発明のコアシェルポリマー(B)のシェル層は、貯蔵安定性を維持しつつ、粘度が低く、動的割裂抵抗力が高いとの観点から、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、エポキシ基を有するモノマー3~15質量%、アルキルメタクリレートモノマー70~95質量%、それらと共重合可能なモノマー0~27質量%(好ましくは1~27質量%)からなる。
 さらにより好ましくは、本発明のコアシェルポリマー(B)のシェル層は、貯蔵安定性を維持しつつ、粘度が低く、動的割裂抵抗力が高いとの観点から、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、エポキシ基を有するモノマー4~15質量%、アルキルメタクリレートモノマー80~96質量%、それらと共重合可能なモノマー0~10質量%からなる。
 エポキシ基を有するモノマーとしては、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレートが例示される。せん断接着強さ、あるいは動的割裂抵抗力の観点から、グリシジルメタクリレートが特に好ましい。
 アルキルメタクリレートモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等のアルキル基の炭素数が1~24であるアルキルメタクリレートモノマーが例示される。粘度が低いとの観点から、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等の炭素数1~3のアルキル基を有するアルキルメタクリレートモノマーが好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
 それらと共重合可能なモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、1-又は2-ビニルナフタレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン等;芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル等;ビニルシアンモノマー、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)等;アルコキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート等のアルキルアクリレートモノマーが例示される。せん断接着強さ、あるいは動的割裂抵抗力の観点から、スチレンがより好ましい。
 前記それらと共重合可能なモノマーは、組成物の粘度上昇抑制の観点から、(メタ)アクリロニトリル及びアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの一方又は両方を含まないことが好ましく、アクリロニトリル及びアルコキシアルキルアクリレートの一方又は両方を含まないことがより好ましく、アクリロニトリル及びメトキシエチルアクリレートの一方又は両方を含まないことがさらに好ましい。
(シェル層のグラフト率)
 シェル層のグラフト率は、70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)であることが好ましい。グラフト率が70%未満の場合には、液状樹脂組成物の粘度が上昇する場合がある。グラフト率の算出方法は、先ず、コアシェルポリマーを含有する水性ラテックスを凝固・脱水し、最後に乾燥してコアシェルポリマーのパウダーを得る。次いで、コアシェルポリマーのパウダー2gをメチルエチルケトン(MEK)100gに23℃で24時間浸漬した後にMEK可溶分をMEK不溶分と分離し、さらにMEK可溶分からメタノール不溶分を分離する。そして、MEK不溶分とメタノール不溶分との合計量に対するMEK不溶分の比率を求めることによって算出する。
(コアシェルポリマーの製造方法)
 本発明で用いるコアシェルポリマーを構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
 また、コア層を形成するポリマーがポリシロキサン系ポリマーを含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2006/070664号公報に記載の方法を用いることができる。
 中間層は、中間層形成用モノマーを公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層を構成するゴム弾性体をエマルジョンとして得た場合には、二重結合を2以上有するモノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましい。
 シェル層は、シェル層形成用モノマーを、公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層、または、コア層を中間層で被覆して構成されるコアシェルポリマー前駆体をエマルジョンとして得た場合には、シェル層形成用モノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましく、例えば、WO2005/028546号公報に記載の方法に従って製造することができる。
 乳化重合において用いることができる乳化剤(分散剤)としては、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸などに代表されるアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるN-アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸などに代表されるアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸などの各種の酸類、これら酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤(分散剤);アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコールなどの非イオン性乳化剤(分散剤);ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体などの分散剤が挙げられる。これらの乳化剤(分散剤)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 コアシェルポリマーの水性ラテックスの分散安定性に支障を来さない限り、乳化剤(分散剤)の使用量は少なくすることが好ましい。また、乳化剤(分散剤)は、その水溶性が高いほど好ましい。水溶性が高いと、乳化剤(分散剤)の水洗除去が容易になり、最終的に得られる硬化物への悪影響を容易に防止できる。
 乳化重合法を採用する場合には、公知の開始剤、すなわち2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどを熱分解型開始剤として用いることができる。
 また、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ヘキシルパーオキサイドなどの有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物といった過酸化物と、必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤、および必要に応じて硫酸鉄(II)などの遷移金属塩、さらに必要に応じてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウムなどのリン含有化合物などを併用したレドックス型開始剤を使用することもできる。
 レドックス型開始剤を用いた場合には、前記過酸化物が実質的に熱分解しない低い温度でも重合を行うことができ、重合温度を広い範囲で設定できるようになり好ましい。中でもクメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物をレドックス型開始剤として用いることが好ましい。前記開始剤の使用量、レドックス型開始剤を用いる場合には前記還元剤・遷移金属塩・キレート剤などの使用量は公知の範囲で用いることができる。また二重結合を2以上有するモノマーを重合するに際しては公知の連鎖移動剤を公知の範囲で用いることができる。追加的に界面活性剤を用いることができるが、これも公知の範囲である。
 重合に際しての重合温度、圧力、脱酸素などの条件は、公知の範囲のものが適用できる。また、中間層形成用モノマーの重合は1段で行なっても2段以上で行なっても良い。例えば、弾性コア層を構成するゴム弾性体のエマルジョンに中間層形成用モノマーを一度に添加する方法、連続追加する方法の他、あらかじめ中間層形成用モノマーが仕込まれた反応器に弾性コア層を構成するゴム弾性体のエマルジョンを加えてから重合を実施する方法などを採用することができる。
(コアシェルポリマー(B)の量)
 得られる硬化性樹脂組成物の取扱いやすさと、得られる硬化物の靱性改良効果のバランスから、コアシェルポリマー(B)の量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、10~40質量部がより好ましく、10~35質量部が特に好ましい。
<ブロックドイソシアネート(C)>
 本発明では、ブロックドイソシアネート(C)は、靭性、耐衝撃性、せん断接着性などの性能を更に向上させる目的で添加する。ブロックドイソシアネート(C)成分は、コアシェルポリマー(B)成分と併用することで上記性能の向上に寄与する。
 本発明のブロックドイソシアネート(C)は、エラストマー型であって、ウレタン基および/または尿素基を含有し、かつ、末端にイソシアネート基を有する化合物の当該末端イソシアネート基の全部または一部が活性水素基を有する種々のブロック剤でキャップされた化合物である。特に、当該末端イソシアネート基の全部がブロック剤でキャップされた化合物が好ましい。この様な化合物は、例えば、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に、過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、主鎖中にウレタン基および/または尿素基を有し末端にイソシアネート基を有する重合体(ウレタンプレポリマー)とした後、あるいは同時に、該イソシアネート基の全部または一部に、活性水素基を有するブロック剤でキャップすることにより得られる。
 前記ブロックドイソシアネートは、例えば、下記一般式(1):
A-(NR2-C(=O)-X)a   (1)
(式中、a個のR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基である。aはキャップされたイソシアネート基の1分子当たりの平均数を表し、1.1個以上が好ましく、1.5~8個がより好ましく、1.7~6個が更に好ましく、2~4個が特に好ましい。Xは、前記ブロック剤から活性水素原子を除いた残基である。Aは、イソシアネート末端化プレポリマーから末端イソシアネート基を除いた残基である。)で表される。
 上記炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロペンタジエニル等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。
 ブロックドイソシアネートの数平均分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算分子量にて、2000~40000が好ましく、3000~30000がより好ましく、4000~20000が特に好ましい。分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比)は、1~4が好ましく、1.2~3がより好ましく、1.5~2.5が特に好ましい。
(C-1 末端に活性水素含有基を有する有機重合体)
 末端に活性水素含有基を有する有機重合体を構成する主鎖骨格としては、ポリエーテル系重合体、ポリアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリジエン系重合体、飽和炭化水素系重合体(ポリオレフィン)、ポリチオエーテル系重合体などが挙げられる。
(活性水素基)
 末端に活性水素含有基を有する有機重合体を構成する活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、チオール基が挙げられる。これらの中でも、入手性の点から、水酸基、アミノ基、イミノ基が好ましく、更に得られるブロックドイソシアネートの取扱い易さ(粘度)の点から、水酸基がより好ましい。
 末端に活性水素含有基を有する有機重合体としては、末端に水酸基を有するポリエーテル系重合体(ポリエーテルポリオール)、末端にアミノ基および/またはイミノ基を有するポリエーテル系重合体(ポリエーテルアミン)、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有するジエン系重合体(ポリジエンポリオール)、末端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体(ポリオレフィンポリオール)、ポリチオール化合物、ポリアミン化合物などが挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルアミン、および、ポリアクリルポリオールは、エポキシ樹脂(A)成分との相溶性に優れ、有機重合体のガラス転移温度が比較的低く、得られる硬化物が低温での耐衝撃性に優れることから好ましい。特に、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルアミンは、得られる有機重合体の粘度が低く作業性が良好である為により好ましく、ポリエーテルポリオールは特に好ましい。
 ブロックドイソシアネートの前駆体である前記ウレタンプレポリマーを調製する際に使用する、末端に活性水素含有基を有する有機重合体は、単独で用いても良く2種以上併用してもよい。
 末端に活性水素含有基を有する有機重合体の数平均分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算分子量にて、800~7000が好ましく、1500~5000がより好ましく、2000~4000が特に好ましい。
(ポリエーテル系重合体)
 前記ポリエーテル系重合体は、本質的に一般式(2):
-R1-O-  (2)
(式中、R1は、炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である。)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、一般式(2)におけるR1は、炭素原子数1から14の、好ましくは2から4の、直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好ましい。一般式(2)で示される繰り返し単位の具体例としては、-CH2O-、-CH2CH2O-、-CH2CH(CH3)O-、-CH2CH(C25)O-、-CH2C(CH32O-、-CH2CH2CH2CH2O-等が挙げられる。ポリエーテル系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特に、プロピレンオキシドの繰り返し単位を50質量%以上有するポリプロピレングリコールを主成分とする重合体から成るものは、T字剥離接着強さの観点で好ましい。また、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール(PTMG)は、動的割裂抵抗力の観点で、好ましい。
 また、コアシェルポリマー(B)成分と併用する際には、コアシェルポリマー(B)成分とブロックドイソシアネート(C)成分の比率(コアシェルポリマー/ブロックドイソシアネート)は、質量基準で0.1~10であることが好ましく、0.2~5であることがさらに好ましく、0.3~1であることが特に好ましい。
(ポリエーテルポリオール)
 前記ポリエーテルポリオールは、末端に水酸基を有するポリエーテル系重合体であり、前記ポリエーテルアミンは、末端にアミノ基またはイミノ基を有するポリエーテル系重合体である。
(ポリアクリルポリオール)
 前記ポリアクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体を骨格とし、かつ、分子内に水酸基を有するポリオールを挙げることができる。特に、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを共重合して得られるポリアクリルポリオールが好ましい。
(ポリエステルポリオール)
 前記ポリエステルポリオールとしては、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸等の多塩基酸およびその酸無水物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-へキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとを、エステル化触媒の存在下、150~270℃の温度範囲で重縮合させて得られる重合体が挙げられる。また、ε-カプロラクトン、バレロラクトン等の開環重合物やポリカーボネートジオールやヒマシ油等の活性水素を2個以上有する活性水素化合物等も挙げられる。
(ポリジエンポリオール)
 前記ポリジエンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリクロロプレンポリオールなどを挙げることができ、特に、ポリブタジエンポリオールが好ましい。
(ポリオレフィンポリオール)
 前記ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブチレンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールなどを挙げることができる。
(C-2 ポリイソシアネート)
 前記ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートなどを挙げることができる。これらの中でも、耐熱性の点から、脂肪族系ポリイソシアネートが好ましく、更に入手性の点から、イソフォロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートがより好ましい。
(C-3 ブロック剤)
 前記ブロック剤は、例えば、第一級アミン系ブロック剤、第二級アミン系ブロック剤、オキシム系ブロック剤、ラクタム系ブロック剤、活性メチレン系ブロック剤、アルコール系ブロック剤、メルカプタン系ブロック剤、アミド系ブロック剤、イミド系ブロック剤、複素環式芳香族化合物系ブロック剤、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤、フェノール系ブロック剤が挙げられる。これらの中でも、オキシム系ブロック剤、ラクタム系ブロック剤、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤、フェノール系ブロック剤が好ましく、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤、フェノール系ブロック剤がより好ましく、フェノール系ブロック剤が更に好ましい。
 前記第一級アミン系ブロック剤としては、ブチルアミン、イソプロピルアミン、ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。前記第二級アミン系ブロック剤としては、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、モルホリン、ピペリジン等が挙げられる。前記オキシム系ブロック剤としては、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等が挙げられる。前記ラクタム系ブロック剤としては、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-ブチロラクタム等が挙げられる。前記活性メチレン系ブロック剤としては、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。前記アルコール系ブロック剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、1-メトキシ-2-プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。前記メルカプタン系ブロック剤としては、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、デシルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等が挙げられる。前記アミド系ブロック剤としては、酢酸アミド、ベンズアミド等が挙げられる。前記イミド系ブロック剤としては、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。前記複素環式芳香族化合物系ブロック剤としては、イミダゾール、2-エチルイミダゾール等のイミダゾール類、ピロール、2-メチルピロール、3-メチルピロール等のピロール類、ピリジン、2-メチルピリジン、4-メチルピリジン等のピリジン類、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等のジアザビシクロアルケン類が挙げられる。
 前記ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤は、1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートである。ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤の具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 前記フェノール系ブロック剤は、少なくとも1個のフェノール性ヒドロキシル基、即ち、芳香環の炭素原子に直接結合したヒドロキシル基を含有する。フェノール性化合物は2個以上のフェノール性ヒドロキシル基を有していてもよいが、好ましくはフェノール性ヒドロキシル基を一つだけ含有する。フェノール性化合物は、他の置換基を含有していてもよいが、これら置換基は好ましくはキャッピング反応の条件下でイソシアネート基と反応しないものであり、アルケニル基、アリル基が好ましい。他の置換基としては、直鎖状、分岐鎖状またはシクロアルキル等のアルキル基;芳香族基(例えば、フェニル、アルキル置換フェニル、アルケニル置換フェニル等);アリール置換アルキル基;フェノール置換アルキル基が挙げられる。フェノール系ブロック剤の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール、エチルフェノール、アリルフェノール(特にo-アリルフェノール)、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1-ビス(4-ヒドロキシルフェニル)-1-フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールM、テトラメチルビフェノールおよび2,2’-ジアリル-ビスフェノールA等が挙げられる。
 前記ブロック剤は、それが結合する末端がもはや反応性基を有しないような態様で、ウレタンプレポリマーのポリマー鎖の末端に結合していることが好ましい。
 前記ブロック剤は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
 前記ブロックドイソシアネートは、架橋剤の残基、鎖延長剤の残基、または、その両方を含有していてもよい。
 本発明に使用されるブロックドイソシアネートは、ポリアルキレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤でキャップした化合物であることが好ましく、ポリプロピレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤(好ましくはフェノール系ブロック剤)でキャップした化合物またはポリテトラメチレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤(好ましくはフェノール系ブロック剤)でキャップした化合物であることがより好ましい。上記ブロックドイソシアネートは、貯蔵安定性や接着性を改善し、粘度上昇を抑制する点で好適に使用することができる。
 ブロックドイソシアネートのブロックNCO当量は、例えば10~500、好ましくは50~300である。ブロックドイソシアネートのエポキシド当量は、例えば300~900g/eq、好ましくは400~800g/eqである。これらの特性の一つを少なくとも備えるブロックドイソシアネートが、本発明で好適に使用できる。
(架橋剤)
 前記架橋剤の分子量は750以下が好ましく、より好ましくは50~500であり、かつ、1分子当たり少なくとも3個のヒドロキシル基、アミノ基および/またはイミノ基を有するポリオールまたはポリアミン化合物である。架橋剤はブロックドイソシアネートに分岐を付与し、ブロックドイソシアネートの官能価(即ち、キャップされたイソシアネート基の1分子当たりの数)を増加させるのに有用である。
(鎖延長剤)
 前記鎖延長剤の分子量は750以下が好ましく、より好ましくは50~500であり、かつ、1分子当たり2個のヒドロキシル基、アミノ基および/またはイミノ基を有するポリオールまたはポリアミン化合物である。鎖延長剤は、官能価を増加させずにブロックドイソシアネートの分子量を上げるのに有用である。
 前記架橋剤や鎖延長剤の具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、スクロース、ソルビトール、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、アミノエチルピペラジンが挙げられる。また、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1-ビス(4-ヒドロキシルフェニル)-1-フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールM、テトラメチルビフェノール、2,2’-ジアリル-ビスフェノールA等の、2個以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物も挙げられる。
(ブロックドイソシアネート(C)の量)
 ブロックドイソシアネートの量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、10~40質量部がより好ましく、10~35質量部が特に好ましい。1質量部未満では、靱性、耐衝撃性、接着性などの改質効果が十分ではない場合があり、50質量部より多いと、得られる硬化物の弾性率が低くなる場合がある。ブロックドイソシアネートは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
<エポキシ硬化剤(D)>
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じてエポキシ硬化剤(D)を使用することができる。
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を仮に一成分型接着剤として使用する場合、80℃以上、好ましくは140℃以上の温度まで加熱すると接着剤が急速に硬化するようにエポキシ硬化剤(D)成分を選択するのが好ましい。逆に、室温(約22℃)や少なくとも50℃までの温度では硬化するとしても非常にゆっくりとなるよう、エポキシ硬化剤(D)成分および後述の(E)成分を選択するのが好ましい。
 エポキシ硬化剤(D)成分としては、例えば、三塩化ホウ素/アミン錯体、三フッ化ホウ素/アミン錯体、ジシアンジアミド、メラミン、ジアリルメラミン、グアナミン(例えば、アセトグアナミンおよびベンゾグアナミン)、アミノトリアゾール(例えば、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)、ヒドラジド(例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セミカルバジド)、シアノアセトアミド、並びに、芳香族ポリアミン(例えば、ジアミノジフェニルスルホン)が挙げられる。ジシアンジアミド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンを用いるのがより好ましく、ジシアンジアミドが特に好ましい。
 上記硬化剤の中でも、三塩化ホウ素/アミン錯体、三フッ化ホウ素/アミン錯体、ジシアンジアミド、ヒドラジド等の潜在性エポキシ硬化剤は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を一液化できるため好ましい。エポキシ硬化剤(D)成分は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
 エポキシ硬化剤(D)成分は、組成物を硬化させるのに十分な量で使用する。典型的には、組成物中に存在するエポキシド基の少なくとも80%を消費するのに十分な硬化剤を供給する。エポキシド基の消費に必要な量を超える大過剰量は、通常必要ない。エポキシ硬化剤(D)成分の使用量は、エポキシ樹脂(A)成分100質量部に対して、1~40質量部が好ましく、2~30質量部がより好ましく、3~25質量部が更に好ましく、5~20質量部が特に好ましい。1質量部未満では、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性が悪くなる場合がある。40質量部より多いと、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が悪く、取り扱い難くなる場合がある。
<硬化促進剤(E)>
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、硬化促進剤(E)を使用することができる。
 硬化促進剤(E)成分は、エポキシ基と、硬化剤や接着剤の他の成分上のエポキシド反応性基との反応)を促進するための触媒である。
 硬化促進剤(E)成分としては、尿素類、例えば、p-クロロフェニル-N,N-ジメチル尿素(Monuron)、3-フェニル-1,1-ジメチル尿素(Phenuron)、3,4-ジクロロフェニル-N,N-ジメチル尿素(Diuron)、N-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N’,N’-ジメチル尿素(Chlortoluron)、tert-アクリル-またはアルキレンアミン、例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリ(p-ビニルフェノール)マトリックスに組み込まれた2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ピペリジンまたはこれらの誘導体、イミダゾール誘導体、一般にC1-C12アルキレンイミダゾールまたはN-アリールイミダゾール、例えば、2-エチル-2-メチルイミダゾールまたはN-ブチルイミダゾール、6-カプロラクタム等が挙げられる。触媒は封入されていてもよく、あるいは、温度を上げた場合にのみ活性となる潜在的なものでもよい。硬化促進剤(E)成分は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
 硬化促進剤(E)成分の使用量は、エポキシ樹脂(A)成分100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.2~5質量部がより好ましく、0.5~3質量部が更に好ましく、0.8~2質量部が特に好ましい。0.1質量部未満では、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性が悪くなる場合がある。10質量部より多いと、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が悪く、取り扱い難くなる場合がある。
<充填剤>
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤を使用することができる。充填剤の具体例としては、ポリジメチルシロキサンで表面処理した疎水性ヒュームドシリカなどの乾式シリカ、湿式シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ドロマイトおよびカーボンブラックの如き補強性充填材;タルクやウォラストナイト等の板状フィラー;膠質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華等が挙げられる。また、200μmまでの平均粒子径と0.2g/ccまでの密度を有するマイクロバルーンも使用できる。粒子径は好ましくは約25~150μmであり、密度は好ましくは約0.05~約0.15g/ccである。市販されているマイクロバルーンとしては、Dualite Corporation製Dualite、アクゾノーベル社製Expancel、松本油脂製薬製マイクロスフェアーなどが挙げられる。
<反応性希釈剤>
 また、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じ、反応性希釈剤として、モノエポキシド、例えば、脂肪族グリシジルエーテル、例えばブチルグリシジルエーテル、あるいはフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、C8-C10アルキルグリシジルエーテル、C12-C14アルキルグリシジルエーテル、p-tertブチルフェニルグリシジルエーテル、ネオデカン酸モノグリシジルエーテルを含んでいてもよい。
(その他の配合成分)
 本発明では、必要に応じて、その他の配合成分を使用することができる。その他の配合成分としては、酸化カルシウムなどの脱水剤、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤(ゲル化防止剤)、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、有機質充填剤、熱可塑性樹脂、乾燥剤、分散剤等が挙げられる。
(硬化物)
 本発明には、上記硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物が含まれる。
(用途)
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、一液型接着剤として使用できる。
 本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、車両や航空機向けの構造用接着剤などの接着剤、塗料、ガラス繊維との積層用材料、炭素繊維との積層用材料、プリント配線基板、電気絶縁材料等の用途に好ましく用いられる。特に、車両用の構造接着剤として有用である。
 本願は、2015年3月31日に出願された日本国特許出願第2015-074456号に基づく優先権の利益を主張するものである。2015年3月31日に出願された日本国特許出願第2015-074456号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
 以下、製造例、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<評価方法>
 製造例に記載されたポリブタジエンゴムラテックス中のポリブタジエンゴム粒子、コアシェルポリマーラテックス中のコアシェルポリマー粒子について、それぞれの平均粒子径の測定方法を以下に記載する。
 (ラテックス中のブタジエンゴム粒子とコアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径の測定)
 ポリブタジエンゴムラテックス中のポリブタジエンゴム粒子、コアシェルポリマーラテックス中のコアシェルポリマー粒子について、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径を測定した。
 脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。測定は、水、またはメチルエチルケトンの屈折率、およびそれぞれのコアシェルポリマー(B)の屈折率を入力し、計測時間600秒、Signal Levelが0.6~0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して行った。
(貯蔵安定性)
 E型粘度計を用いて、ずり速度を2(s-1)とした条件で測定した硬化性エポキシ樹脂組成物の貯蔵前粘度をη0とし、40℃で7日間または10日間貯蔵した貯蔵後粘度をη1とし、η0を1としたη1の倍率で評価した。η0を1としたη1の倍率が低いほど、貯蔵安定性が良好である。E型粘度計は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV-II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE-52を使用し、23℃で測定した。
(コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂の粘度測定)
 E型粘度計を用いて、ずり速度を10(s-1)とした条件で測定した。E型粘度計は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV-II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE-52を使用し、50℃で測定した。
(せん断接着強さ)
 JIS K 6850に準じてせん断接着強さを評価した。幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの2枚のSPCC鋼板に、硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、接着層が幅25mm×長さ12.5mm×厚み0.13mmとなるように貼りあわせ、170℃の条件下で1時間硬化させ試験体を作製した。
 測定温度を23℃、テストスピードを1.3mm/minとした測定条件で、単位をMPaとしたせん断接着強さを測定した。
(動的割裂抵抗力)
 幅20mm×長さ90mm×厚み0.8mmの2枚のSPCC鋼板に、硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、接着層が幅20mm×長さ30mm×厚み0.26mmとなるように貼りあわせ、170℃の条件下で1時間硬化させ試験体を作製した。
 測定温度を23℃、衝撃エネルギーを30Jまたは50J、衝撃スピードを2m/sとした測定条件で、単位をkN/mとした動的割裂抵抗力を測定した。
(硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度)
 E型粘度計を用いて、ずり速度を1または2(s-1)とした条件で測定した。E型粘度計は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV-II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE-52を使用し、23℃で測定した。
<コアシェルポリマー(B)の製造例、コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂(N)の製造例>
 製造例1-1および製造例1-2に、コアシェルポリマーのコア層であるポリブタジエンゴムを含むポリブタジエンゴムラテックス(R-1)および(R-2)の調製方法を記載した。製造例2-1から製造例2-8に、コアシェルポリマーラテックス(L-1)~(L-8)の調製方法を記載した。製造例3-1から製造例3-8に、コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂(N)の調製方法を記載した。
製造例1-1;ポリブタジエンゴムラテックス(R-1)の調製 
 耐圧重合機中に、脱イオン水200質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001質量部、及び、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)1.55質量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(Bd)100質量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.03質量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.10質量部を投入し重合を開始した。重合開始から3、5、7時間目それぞれに、パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.025質量部を投入した。また、重合開始4、6、8時間目それぞれに、EDTA0.0006質量部、及び硫酸第一鉄・7水和塩0.003質量部を投入した。重合15時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴムを主成分とするポリブタジエンゴムラテックス(R-1)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.08μmであった。 
製造例1-2;ポリブタジエンゴムラテックス(R-2)の調製 
 耐圧重合機中に、製造例1-1で得たポリブタジエンゴムラテックス(R-1)を21質量部(ポリブタジエンゴム7重量部を含む)、脱イオン水185質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、EDTA0.002質量部、及び硫酸第一鉄・7水和塩0.001質量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、Bd93質量部を系中に投入し、45℃に昇温した。PHP0.02質量部、続いてSFS0.10質量部を投入し重合を開始した。重合開始から24時間目まで3時間おきに、それぞれ、PHP0.025質量部、及びEDTA0.0006質量部、及び硫酸第一鉄・7水和塩0.003質量部を投入した。重合30時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴムを主成分とするポリブタジエンゴムラテックス(R-2)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.20μmであった。
製造例2;コアシェルポリマーラテックス(L)の調製
製造例2-1:コアシェルポリマーラテックス(L-1)の調製
 温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、及びモノマーの添加装置を有するガラス反応器に、製造例1で調製したポリブタジエンゴム粒子を87質量部含むポリブタジエンゴムラテックス(R-1)262質量部、及び、脱イオン水59質量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.005質量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001質量部、及びSFS0.2質量部を加えた後、シェル層を形成するグラフトモノマー13質量部(スチレン0.5質量部、メチルメタクリレート12.5質量部)、およびクメンヒドロパーオキサイド0.035質量部の混合物を1.3時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマーのラテックス(L-1)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.10μmであった。
製造例2-2~製造例2-5:コアシェルポリマーラテックス(L-2)~(L-5)の調製
 製造例2-1におけるポリブタジエンゴムラテックス、グラフトモノマーを、表1のような水準として、同様にコアシェルポリマーラテックスを調製した。表1に、コアシェルポリマーラテックス(L-2)~(L-5)に含まれるコアシェルポリマーのそれぞれの体積平均粒子径を示す。
製造例2-6:コアシェルポリマーラテックス(L-6)の調製
 温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、及びモノマーの添加装置を有するガラス反応器に、製造例1で得たポリブタジエンゴムラテックス(R-1)195.9質量部(ポリブタジエンゴム粒子65.3質量部を含む)、製造例2で得たポリブタジエンゴムラテックス(R-2)65.1質量部(ポリブタジエンゴム粒子21.7質量部を含む)、及び脱イオン水56質量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001質量部、及びSFS0.13質量部を加えた後、イソシアヌル酸トリアリル(TAIC)1.8質量部、及び、クメンヒドロパーオキサイド0.03質量部を添加し1時間攪拌した。その後、シェル層を形成するグラフトモノマー13質量部(メチルメタクリレート11.5質量部、グリシジルメタクリレート1.5質量部)、および、クメンヒドロパーオキサイド0.035質量部の混合物を1.3時間かけて連続的に添加した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマーのラテックス(L-6)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.19μmであった。
製造例2-7及び製造例2-8:コアシェルポリマーラテックス(L-7)~(L-8)の調製
 製造例2-6におけるグラフトモノマーを、表1のような水準として、同様にコアシェルポリマーラテックスを調製した。表1に、コアシェルポリマーラテックス(L-7)及び(L-8)に含まれるコアシェルポリマーのそれぞれの体積平均粒子径を示す。
製造例2-9~製造例2-12:コアシェルポリマーラテックス(L-9)~(L-12)の調製
 製造例2-1におけるグラフトモノマーを、表1のような水準として、同様にコアシェルポリマーラテックスを調製した。表1に、コアシェルポリマーラテックス(L-9)~(L-12)に含まれるコアシェルポリマーのそれぞれの体積平均粒子径を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
製造例3;コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂(N)の調製
製造例3-1;コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂(N-1)の調製
 25℃の1L混合槽に、メチルエチルケトン132gを導入し、撹拌しながら、製造例2-1で得られたコアシェルポリマー40gを含む水性ラテックス(L-1)を132g投入した。均一に混合後、水200gを80g/分の供給速度で投入した。水を供給した後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、一部の水相を含む凝集体を残し、水相360gを槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にメチルエチルケトン90gを追加して均一に混合し、コアシェルポリマーが分散した溶液を得た。この溶液に、(A)成分であるエポキシ樹脂(A-1:三菱化学社製、JER828EL)80gを混合し、回転式の蒸発装置で揮発分を除去し、コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂(N-1)を得た。
製造例3-2~製造例3-12
 製造例3-1のコアシェルポリマーの水性ラテックス(L-1)を、製造例3-2~製造例3-12のコアシェルポリマーの水性ラテックス(L-2)~(L-12)に置き換えて、製造例3-1と同様の方法にて、コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂(N-2)~(N-12)を得た。
実施例1~4および比較例1~4
 表2に、実施例1~4、比較例1~4として、硬化性エポキシ樹脂組成物の混合比および配合組成および評価(チキソトロピー性、貯蔵安定性(40℃7日))と、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の評価(せん断接着強さ、T字剥離接着強さ、動的割裂抵抗力)について示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
参考例1~3
 表3には、参考例1~3として、(N)コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂組成物の粘度を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
実施例5~9及び比較例5~7
 表4に、各硬化性エポキシ樹脂組成物の混合比および配合組成および評価(粘度(23℃)、貯蔵安定性(40℃10日))と、各硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の評価(せん断接着強さ、動的割裂抵抗力)について示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
実施例10~14及び比較例8~9
 表5に、各硬化性エポキシ樹脂組成物の混合比および配合組成および評価(粘度(23℃)、貯蔵安定性(40℃10日))と、各硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の評価(せん断接着強さ、動的割裂抵抗力)について示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
<配合剤>
 なお、表2~5において使用した配合原料を以下に示す。
(A)エポキシ樹脂
(A-1)JER828EL(三菱化学製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
(N)コアシェルポリマーが分散しているエポキシ樹脂組成物
(N-1)~(N-12);製造例3-1~3-12に記載した。
(B)コアシェルポリマー
(B-1)~(B-12);製造例2-1から製造例2-12に記載したコアシェルポリマーラテックス(L-1)から(L-12)に含まれるコアシェルポリマーである。組成については、表1を参照のこと。
(C)ブロックドイソシアネート
(C-1)アデカレジンQR-9466(ADEKA製、ポリプロピレングリコール構造を含むブロックドイソシアネート、ブロックNCO当量220、粘度30000mPa・s/25℃)
(C-2)Flexibilizer DY 965(Huntsman製、ポリテトラメチレングリコール構造を含むブロックドイソシアネート、Epoxide Eq.Weight558-667[EEW,g/eq]、粘度 4400-12800cP/25℃)
(D)エポキシ硬化剤
(D-1)Dyhard 100S(AlzChem製、ジシアンジアミド)
(E)硬化促進剤
(E-1)Dyhard UR300(AlzChem製、1,1-ジメチル-3-フェニルウレア)
その他配合原料
(重質炭酸カルシウム)ホワイトンSB赤(白石カルシウム製、無処理重質炭酸カルシウム、平均粒子径:1.8μm)
(酸化カルシウム)CML#31(近江化学工業製)
(カーボンブラック)MONARCH 280(Cabot製)
(反応性希釈剤)Cardula E10P(Momentive製、バーサチック酸グリシジルエステル)
 図1、4は、コアシェルポリマーのシェル層のグリシジルメタクリレート(GMA)と貯蔵安定性との関係を示し、シェル層にグリシジルメタクリレートが少量で含まれると、良好な貯蔵安定性とすることができる(図1ではポリプロピレングリコール構造を含むブロックドイソシアネートを用いた(図中のGMA比率%は、実施例5、6、7、8、9、比較例5で使用したものに対応する)。図4ではポリテトラメチレングリコ-ル構造を含むブロックドイソシアネートを用いた(図中のGMA比率%は、実施例10、11、12、13、14、比較例8で使用したものに対応する))。
 図2、5は、コアシェルポリマーのシェル層のグリシジルメタクリレート(GMA)とせん断接着強さ(図中、Lap Shearで示す。)との関係を示し、シェル層にグリシジルメタクリレートが所定量含まれると、これら特性を改善することができる(図2ではポリプロピレングリコール構造を含むブロックドイソシアネートを用いた(図中のGMA比率%は、実施例5、6、7、8、9、比較例5で使用したものに対応する)。図5ではポリテトラメチレングリコ-ル構造を含むブロックドイソシアネートを用いた(図中のGMA比率%は、実施例10、11、12、13、14、比較例8で使用したものに対応する)。)。
 図3、6は、コアシェルポリマーのシェル層のグリシジルメタクリレート(GMA)と動的割裂抵抗力(図中、Impact Peelで示す。)との関係を示し、シェル層にグリシジルメタクリレートが所定量(3~15質量%)含まれると、動的割裂抵抗力を改善することができる(図3ではポリプロピレングリコール構造を含むブロックドイソシアネートを用いた(図中のGMA比率%は、実施例5、6、7、8、9、比較例5で使用したものに対応する)。図6ではポリテトラメチレングリコ-ル構造を含むブロックドイソシアネートを用いた(図中のGMA比率%は、実施例10、11、12、13、14、比較例8で使用したものに対応する)。)。
 ポリプロピレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤(好ましくはフェノール系ブロック剤)でキャップした化合物を用いた硬化性エポキシ樹脂組成物は、粘度が低い状態で、貯蔵安定性、せん断接着強さ、動的割裂抵抗力を改善することができる(実施例5~9、図1~3)。
 ポリテトラメチレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤(好ましくはフェノール系ブロック剤)でキャップした化合物は、ポリプロピレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤(好ましくはフェノール系ブロック剤)でキャップした化合物よりも、貯蔵安定性、せん断接着強さ、動的割裂抵抗力を改善することができる(実施例10~16、図1~6参照)。

Claims (14)

  1.  エポキシ樹脂(A)100質量部に対し、
     コアシェルポリマー(B)1~50質量部および
     ブロックドイソシアネート(C)1~50質量部
    を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物であって、
     コアシェルポリマー(B)のコア層が、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、ポリシロキサン系ゴムのいずれかからなり、
     コアシェルポリマー(B)のシェル層が、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、アルキルメタクリレートモノマー30~99質量%、エポキシ基を有するモノマー0~25質量%、およびそれらと共重合可能なモノマー0~70質量%からなることを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2.  コアシェルポリマー(B)のシェル層が、シェル層を構成するモノマー全量を100質量%とし、アルキルメタクリレートモノマー50~99質量%、エポキシ基を有するモノマー1~20質量%、およびそれらと共重合可能なモノマー0~48質量%からなる請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3.  アルキルメタクリレートモノマーが炭素数1~3のアルキル基を有する請求項1または2に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4.  エポキシ基を有するモノマーがグリシジルメタクリレートである請求項1から3のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5.  それらと共重合可能なモノマーが、(メタ)アクリロニトリル及びアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの一方又は両方を含まない請求項1から4のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6.  コアシェルポリマー(B)のコア層が、ブタジエンゴム、および/または、ブタジエン-スチレンゴムからなる請求項1から5のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  7.  コアシェルポリマー(B)の体積平均粒子径が0.05~0.30μmである請求項1から6のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  8.  ブロックドイソシアネート(C)が、ポリプロピレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤でキャップした化合物である請求項1から7のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  9.  ブロックドイソシアネート(C)が、ポリテトラメチレングリコール構造を含むウレタンプレポリマーをブロック剤でキャップした化合物である請求項1から7のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  10.  更に、エポキシ硬化剤(D)1~40質量部を含有する請求項1から9のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  11.  更に、硬化促進剤(E)0.1~10質量部を含有する請求項1から10のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  12.  請求項1から11のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
  13.  請求項1から11のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を用いてなる構造接着剤。
  14.  請求項1から11のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を用いてなる車両用構造接着剤。
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