JP2014532800A - エポキシ硬化用途の潜在性触媒としてのカルボン酸アンモニウム基を有するポリマー - Google Patents
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Abstract
潜在性触媒を含みかつ驚くほど長い貯蔵安定性を有する1成分エポキシ組成物。その触媒は、少なくとも1つの第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応産物である。【選択図】なし
Description
本願は、少なくとも1つの第三級アミン化合物と触媒としてのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーとの反応産物を含むエポキシ組成物に関する。
エポキシ接着剤は、少なくともエポキシ樹脂、そのエポキシ樹脂上のオキシラン基と反応する硬化剤、および少なくとも1つの触媒を含む。これらの接着剤は、一般に、2つの主要なタイプ:2成分接着剤および1成分接着剤であるとして特徴付けられ得る。
2成分接着剤では、エポキシ樹脂および硬化剤は、別々に包装されており、接着剤が塗布されて硬化される直前まで混和されない。2成分接着剤は、貯蔵寿命が非常に長いという利点を有するが、塗布するときにそのエポキシ樹脂および硬化剤を計量して混合しなければならないので、1成分接着剤よりも使用しにくい。計量および混合の間違いにより、硬化が不十分になることがあり、かつ/または接着剤の特性が十分に現れないことがある。
対照的に、1成分接着剤は、計量工程および混合工程が省かれるので、2成分接着剤よりも使用しやすい。さらに、エポキシ樹脂および硬化剤が適切な比で配合されているので、それらは通常、良好な硬化特性を現す。しかしながら、早まって硬化しないような必要な貯蔵安定性をこれらの生成物に提供するために、それらは通常、硬化剤および潜在性硬化触媒(つまり、熱によって活性化可能な触媒)とともに配合される。潜在性硬化触媒は、典型的には、硬化するように接着剤を誘導する規定の高温、通常、80℃以上に曝露されると活性になる。
自動車用途において使用される多くの接着剤は、1成分タイプである。しかしながら、1成分エポキシ接着剤は、硬化させるために熱を必要とし、適切に配合されていない場合、安定性の問題に悩まされることがあり、つまり、塗布前に硬化することがある。
通常、小分子第三級アミン化合物は、貯蔵安定性が悪いので、1成分エポキシ接着剤用の触媒として単独で使用するのには適していない。例えば、従来のアミノフェノール化合物は通常、室温において3日という貯蔵安定性を有するエポキシ接着剤しか提供しない。米国特許第4165412号は、第三級アミンと、シアン酢酸、ニトロ酢酸、アセトンジカルボン酸、スルホニル二酢酸、チオニル二酢酸、アセト酢酸およびベンゾイル酢酸からなる群より選択されるアルファ置換カルボン酸との塩、ならびにエポキシ樹脂を硬化させるアミン硬化剤を記載している。この比較的小さい触媒は、室温においてたったおよそ1週間のポットライフである不良な貯蔵安定性を有するエポキシ樹脂しか提供しない。
さらに、ほとんどの場合、貯蔵安定性は、硬化速度または硬化温度を犠牲にして改善され、つまり、より高い貯蔵安定性を有するエポキシ組成物は、より低い貯蔵安定性を有するエポキシ組成物よりも長い時間にわたってまたはより高い温度において硬化されなければならない。したがって、低温で硬化でき、長い有効期間を有する1成分エポキシ組成物を提供することが望ましい。
本発明は、上述の望ましい特性を有する1成分エポキシ組成物を提供する。本発明は、重合体でありかつある特定の化学的特性を有する触媒を含み、その触媒は、驚いたことに、1成分エポキシ組成物が、長い有効期間と低温で硬化する能力との驚くべき組み合わせを達成することを可能にする。
本発明は、a)少なくとも1つのエポキシ樹脂、b)少なくとも1つの硬化剤、c)少なくとも1つの第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応産物を含む触媒組成物を含む1成分エポキシ組成物を提供する。
本発明の触媒組成物は、ポリマーから得られ、優れた潜在性を有する。その触媒を形成するように反応する第三級アミン化合物は、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基との反応によって保護されていると考えられている。したがって、少なくとも1つのカルボン酸アンモニウム基を有するポリマー塩が形成されている。特に、触媒組成物のポリマー鎖および長鎖に関連する立体障害および鎖からみあい効果が、驚いたことに、第三級アミンと小分子カルボン酸との塩よりも良い潜在性を提供する(通常、室温での1週間の貯蔵性を有するエポキシ組成物を提供する)。ゆえに、その触媒組成物を含む1成分エポキシ組成物は、驚いたことに、有意に長い有効期間を提供する。
本発明は、必要な活性化温度に加熱されると、エポキシ組成物の硬化特性に対してさらなる利点を有する。活性化温度は、現行の置換尿素触媒(例えば、フェニル置換尿素触媒)に必要な活性化温度よりも、通常低いか、または有意に高くなく、ゆえに、長い貯蔵寿命を達成するにもかかわらず、本発明では硬化条件の有意な差異は必要ない。
試験方法は、日付が試験方法番号とともに示されないとき、本文書の優先日現在での最新の試験方法のことを指す。試験方法への言及は、試験協会と試験方法番号の両方への言及を含む。以下の試験方法の省略形および識別名が本明細書中で適用される:ASTMとは、American Society for Testing and Materialsのことを指し;ENとは、European Normのことを指し;DINとは、Deutches Institute fur Normungのことを指し;ISOとは、International Organization for Standardsのことを指す。
「複数」は、2つ以上を意味する。「および/または」は、「および、または代替として」を意味する。すべての範囲は、別段示されない限り、終点を含む。
第三級アミン化合物は、少なくとも1つの第3級アミノ基を有するアミン化合物を意味する。好適な第三級アミン化合物の例としては、トリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミン);第三級ジアミン(例えば、N,N,N’N’−テトラメチルブタンジアミン;1,7−ビス(ジメチルアミノ)ヘプタン;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン;N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン;N,N,N’N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミンおよびトリエチレンジアミン);芳香族アミン(例えば、N,N−ジメチルアニリン;N,N−2−メチルアニリンおよびアミノフェノール);窒素含有ヘテロ環式化合物(例えば、イミダゾール化合物、キノリンおよびピリジン、好ましくは、アミノフェノールおよび/またはイミダゾール化合物)が挙げられる。種々の第三級アミン化合物の混合物が使用され得る。
アミノフェノール化合物は、少なくとも1つのフェノール性ヒドロキシル基(芳香環構造の環炭素原子に直接結合されたヒドロキシル基を意味する)を含む。アミノフェノール化合物は、少なくとも1つの脂肪族第3級アミノ基も含む。アミノフェノール化合物は、2つ以上のそのような脂肪族第3級アミノ基を含み得る。好適なアミノフェノール化合物の例としては、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール;2,6−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール;2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール;4−[(ジ−メチルアミノ)メチル]−2−メチル−フェノール;2−ジメチルアミノメチルフェノールおよび特に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが挙げられる。種々のアミノフェノール化合物の混合物も使用され得る。
イミダゾール化合物は、以下の成分のうちの1つ以上を含む:イミダゾール、イソイミダゾールおよび置換イミダゾール。好ましくは、イミダゾール化合物は、イミダゾールである。置換イミダゾールには、アルキル置換イミダゾール、アリール置換イミダゾール、アリールアルキル置換イミダゾールが含まれる。アルキル置換イミダゾールは、望ましくは、1〜20個、より好ましくは、1〜10個、最も好ましくは、1〜4個の炭素原子を含む。アリール置換イミダゾールは、望ましくは、6〜10個の炭素原子を有する。好適な置換イミダゾールの例としては、1−メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、ブチルイミダゾール、2−ウンデセニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−グアナミノエチル−2−メチルイミダゾール、イミダゾールおよびトリメリト酸の付加生成物、2−n−ヘプタデシル−4−メチルイミダゾールならびにそれらの混合物が挙げられる。
「ポリマー」および類似の用語は、同じまたは異なるタイプのモノマーを反応させる(つまり重合する)ことによって調製される高分子化合物を意味する。「ポリマー」は、ホモポリマーおよびインターポリマーを含む。「ホモポリマー」は、ただ1つのタイプのモノマーから調製されるポリマーを意味する。「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーを意味する。インターポリマーは、通常、異なる2種のモノマーから調製されるポリマーのことを指すために使用されるコポリマー、ならびに2種より多い異なるモノマーから調製されるポリマー、例えば、ターポリマーおよびテトラポリマーを含む。
「カルボン酸」は、少なくとも1つのカルボキシル基の存在を特徴とする有機酸を意味する。「無水物」は、同じ酸素原子に結合した、カルボン酸に由来する2つのアシル基を有する有機化合物である。「不飽和カルボン酸または無水物」は、それ自体で重合することまたは他のモノマーと共重合することができる、少なくとも1つの二重結合を含むカルボン酸または無水物を意味する。
本発明において触媒を調製するために使用される少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーは、グラフトされた、末端処理された、もしくは重合されたカルボン酸官能基および/または無水物官能基、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。カルボン酸官能基および/または無水物官能基を導入するためのポリマーへの重合に適したモノマーとしては、以下のモノマーのいずれか1つまたは以下のモノマーの2つ以上の組み合わせが挙げられる:アクリル酸、メチルアクリル酸、2−メチルマレイン酸、クロトン酸、エタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−メチルイタコン酸、フマル酸およびメチルブテン二酸。無水物官能基を導入するためのポリマーへの重合に適したモノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アクリル酸および無水メタクリル酸が挙げられる。上記ポリマーは、不飽和カルボン酸または無水物の同じモノマーでできているホモポリマーであり得る。上記ポリマーは、少なくとも2種の異なるモノマーでできているインターポリマーでもあり得、ここで、第1モノマーは、不飽和カルボン酸または無水物であり、他の少なくとも1種のモノマーが異なる。第1モノマーとの重合に適した他のモノマーとしては、以下のモノマーのいずれか1つまたは以下のモノマーの2つ以上の組み合わせが挙げられる:第1モノマーと異なる不飽和カルボン酸または無水物、不飽和アクリレート、ビニルモノマー(例えば、エチレン、スチレン、プロピレン、ブチレン、オクテン、ヘキセンおよびそれらの混合物)。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーは、望ましくは、1モルあたり400グラム(g/mol)以上の数平均分子量(Mn)を有する。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)解析に従って測定される。GPC解析は、通常、ASTM D5296−05および文献(Andre Striegel,Wallace W.Yau,Joseph J.Kirkland,and Donald D.Bly,Modern Size Exclusion Liquid Chromatography:Practice of Gel Permeation and Gel Filtration Chromatography,2nd Edition,2009)に従って行われる。特に、ポリオレフィンに対するGPC解析は、ASTM D6474−99(2006)に従って行われる。
本発明の触媒組成物の潜在性をさらに高めるために、ポリマーの平均数分子量は、好ましくは、1000g/mol以上、より好ましくは、1500g/mol以上、なおもより好ましくは、2000g/mol以上、最も好ましくは、2500g/mol以上、さらになおも最も好ましくは、3000g/mol以上である。長鎖に関連する大きな立体障害およびからみあい効果を達成するために、より高い分子量が望ましい。好ましくは、ポリマーの数平均分子量は、望ましくは、100,000g/mol以下、好ましくは、40,000g/mol以下、より好ましくは、30,000g/mol以下、なおもより好ましくは、25,000g/mol以下、さらに最も好ましくは、20,000g/mol以下である。
ポリマーのカルボン酸および/または無水物の官能価は、少なくとも1またはそれ以上、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上である。より多くの第三級アミン化合物が、カルボン酸基および/または無水物基と反応して、それによりエポキシ硬化中のより高い触媒活性に寄与するように、カルボン酸および/または無水物の高い官能価が好ましい。カルボン酸基および/または無水物基の重量基準の含有率は、望ましくは、0.1パーセント(%)以上、好ましくは、0.5%以上、より好ましくは、1%以上、かつ同時に、ポリマーの重量に基づいて、望ましくは、50%以下、好ましくは、45%以下、より好ましくは、40%以下、さらに最も好ましくは、35%以下であり得る。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーは、望ましくは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルおよびポリウレタンからなる群より選択される。誤解を避けるために、上記触媒は、少なくとも1つの第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するこの群から選択されるポリマーの混合物との反応産物であり得る。
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリオレフィンが、本発明において使用するための触媒を形成するように第三級アミン化合物と反応させるために使用される。好ましくは、そのポリオレフィンは、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。そのポリエチレンにおけるカルボン酸基および/または無水物基は、エチレンホモポリマーまたはエチレン/α−オレフィンインターポリマーにグラフトされ得る。あるいは、またはさらに、不飽和カルボン酸および/または無水物モノマーは、エチレンおよび他の任意のコモノマーと共重合されて、エチレン、不飽和カルボン酸または無水物モノマーおよび必要に応じて他のコモノマーのインターポリマーを形成し得る。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する好適なポリオレフィンの例としては、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、酸修飾または無水物修飾エチレン−酢酸ビニルコポリマー(例えば、無水マレイン酸修飾エチレン−酢酸ビニルコポリマー)、酸修飾または無水物修飾アクリル酸エチルポリマー、エチレン/ブチルアクリレートと無水マレイン酸とのターポリマーが挙げられる。商業的に入手可能な製品としては、樹脂(例えば、BYNELTM2002、BYNEL2022およびBYNEL2174樹脂(BYNELは、E.I.du Pont de Nemours and Companyの商標である);LOTADERTM3410、LOTADER2210、LOTADER TX8030およびLOTADER4210樹脂(LOTADERは、ELF ATOCHEM S.A.の商標である))が挙げられる。
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリオレフィンは、エチレンとエチレン的に不飽和の単官能性および二官能性カルボン酸(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸)とのコポリマー、より好ましくは、エチレンアクリル酸コポリマーを含む。「エチレンアクリル酸コポリマー」には、エチレンアクリル酸(EAA)もしくはエチレンメチルアクリル酸(EMA)、またはEAAとEMAとの混合物を含むポリマーが含まれる。
エチレンアクリル酸コポリマーは、コポリマー重量に基づいて、望ましくは、5重量パーセント(wt%)以上、好ましくは、6.5wt%以上、より好ましくは、9wt%以上、かつ同時に、望ましくは、30wt%以下、好ましくは、25wt%以下、より好ましくは、22wt%以下である、アクリル酸含有率を有する。所望であれば、2種以上のエチレンアクリル酸コポリマーが、所望のアクリル酸含有率を提供するように混和され得る。エチレンアクリル酸コポリマーのメルトインデックスは、望ましくは、1以上、より好ましくは、1.5以上、さらに最も好ましくは、5以上、かつ同時に、望ましくは、1500以下、より好ましくは、1400以下、さらに最も好ましくは、1300以下である(メルトインデックスは、ASTM D1238試験に従って190セ氏温度(℃)/2.16kgにおいて測定される)。室温より高い温度におけるエポキシ組成物の貯蔵安定性を高めるために、エチレンアクリル酸コポリマーのビカット軟化温度は、望ましくは、40℃以上、好ましくは、50℃以上である(ビカット軟化温度は、ASTM D1525試験に従って測定される)。好ましくは、エチレンアクリル酸コポリマーのビカット軟化温度は、望ましくは、90℃以下、好ましくは、85℃以下である。
商業的に入手可能なエチレンアクリル酸コポリマーの例としては、PRIMACORTM5980i、PRIMACOR3440、PRIMACOR5986およびPRIMACOR3004樹脂(すべてが、The Dow Chemical Companyから入手可能である)(PRIMACORは、The Dow Chemical Companyの商標である)ならびにNUCRELTM2806樹脂(NUCRELは、E.I.du Pont de Nemours and Companyの商標である)が挙げられる。エチレンアクリル酸コポリマーを生成するための方法は、公知である。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリウレタンは、第三級アミン化合物と反応して、本発明において使用するための触媒を形成するために使用され得る。ポリウレタンは、少なくとも1つのポリオールおよび少なくとも1つのイソシアネートを反応させることによって生成されるウレタン結合を有するポリマーを意味する。少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリウレタンは、従来、例えば、1より大きい当量比で少なくとも1つのポリオールを少なくとも1つのイソシアネートまたはポリウレタンプレポリマーと反応させることによって得られ、次いで、無水物によって修飾され得る。少なくとも1つのカルボン酸基または無水物基を有するポリウレタンを調製する他の方法は、例えば、イソシアネートおよび/またはポリウレタンプレポリマーと反応するカルボン酸基の高含有量を達成するために、カルボン酸含有化合物、好ましくは、ヒドロキシル含有カルボン酸(例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸)を使用することを含む。
上記ポリオールは、2つ以上のイソシアネート反応性ヒドロキシル(「OH」)基を含む化合物である。通常、そのポリオールは、2以上、好ましくは、3以上の公称官能価(OH基の平均数/分子)、かつ同時に望ましくは、12以下、好ましくは、10以下、さらにより好ましくは、8以下を有し得る。そのポリオールは、ポリオール1グラムあたり20〜1000ミリグラムの水酸化カリウム(mgKOH/g)の範囲の平均ヒドロキシル数を有し得る。そのポリオールは、1種のポリオールまたは2種以上のポリオールの組み合わせでもあり得る。好適なポリオールの例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリヒドロキシ末端アセタール樹脂およびポリアルキレンカーボネート系ポリオールが挙げられる。これらのおよび他の好適なポリオールの例は、例えば、米国特許第4,394,491号明細書に十分記載されている。ポリオールは、ポリマーポリオールも含み得る。
「イソシアネート」とは、ポリオールまたはその混合物と反応性である少なくとも1つのイソシアネート基を含む任意の化合物(ポリマーを含む)のことを指す。好ましくは、少なくとも1つのポリイソシアネートが使用される。ポリイソシアネート化合物またはその混合物は、2以上の平均値、好ましくは、2.5〜4.0イソシアネート基/分子という平均値を有する。カルボン酸基を有するポリウレタンを調製するための好適なイソシアネートの例は、芳香族、脂肪族、脂環式またはそれらの混合物であり得る。さらに、修飾ポリイソシアネート(例えば、エステル、尿素、ビウレット、アロファネートならびに好ましくはカルボジイミドおよび/またはウレトノミンを含むポリイソシアネート、ならびにイソシアヌレートおよび/またはウレタン基含有ジイソシアネートもしくはポリイソシアネート)、イソシアネート系プレポリマー、準(または半)プレポリマー、ならびにそれらの混合物も有用である。より高い官能価のポリイソシアネート(例えば、ダイマー、および特に、イソシアネート環を含むイソシアネートのイソシアネート(「NCO」)末端オリゴマーならびに上述のイソシアネートのプレポリマーおよび混合物)も好適である。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリウレタンを調製する際に使用される。ポリウレタンプレポリマーは、望ましくは、プレポリマーの重量に基づいて5wt%〜40wt%のNCO含有量を含む。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリエーテルが、第三級アミン化合物と反応して本発明において使用するための触媒を形成するために使用され得る。ポリエーテルとは、繰り返し単位が、酸素原子によって連結された2つの炭素原子を含む、ポリマーのことを指す。カルボン酸および/または無水物を含むポリエーテルは、従来、例えば、2以上のヒドロキシル官能価を有するポリエーテルポリオールを無水物修飾することによって、調製され得る。そのポリエーテルポリオールは、ポリオキサルキレンポリオールの少なくとも1つを含み得る。そのようなポリオールは、2〜10という総公称官能価を有し得る。そのポリエーテルポリオールは、ポリ(テトラヒドロフラン)ホモポリマー、ポリ(プロピレンオキシド)ホモポリマー、ポリ(エチレンオキシド)ホモポリマー、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダムコポリマー(そのポリ(エチレンオキシド)含有率は、例えば、1〜50wt%である)、エチレンオキシドキャップポリ(プロピレンオキシド)ホモポリマー、およびプロピレンオキシドとエチレンオキシドとのエチレンオキシドキャップランダムコポリマーであり得る。
好適なポリエーテルポリオールの例としては、SPECFLEXTMNC630およびSPECFLEX NC632ブランドのポリオール(SPECFLEXは、The Dow Chemical Companyの商標である)、VORALUXTM HF505ブランドのポリオール(VORALUXは、The Dow Chemical Companyの商標である)、VORANOLTMCP1421、VORANOL CP3055、VORANOL CP3355、VORANOL CP4055、VORANOL CP4655、VORANOL CP4755、VORANOL 1010LおよびVORANOL P2000ブランドのポリオール(VORANOLは、The Dow Chemical Companyの商標である)(すべてが、The Dow Chemical Companyから入手可能である)が挙げられる。それらのポリオールは、本明細書中に教示されるポリオールのいずれか1つまたはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリエステルが、第三級アミン化合物と反応して本発明において使用するための触媒を形成するために使用され得る。ポリエステルとは、主鎖にエステル官能基を有するポリマーのことを指す。カルボン酸基および/または無水物基を含むポリエステルは、従来法で得られ得る(例えば、その従来法としては、ポリエステルポリオールを無水物修飾することによるもの、アルコールとカルボン酸(またはカルボキシレート)との間の重縮合反応によるもの、同じ工程においてもしくは別個に加えられる無水物の添加を用いた、活性水素を含む化合物によって開始される、ラクトンの開環重合によるもの、または不活性ガス中、高温(例えば、100℃〜180℃、好ましくは、120℃〜150℃)でのカルボン酸によって開始されるラクトンの重合によるものが挙げられる)。
少なくとも1つの第三級アミン化合物と、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応は、従来、外界温度または高温においてそれらを直接混合することによって行われ得る。あるいは、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーは、従来、第三級アミン化合物との混合の前にまず調製され得る。上記温度は、好ましくは、25℃以上、より好ましくは、30℃以上、さらに最も好ましくは、40℃以上、かつ同時に、125℃以下、より好ましくは、100℃以下、さらに最も好ましくは、80℃以下である。その反応は、20分〜3時間の範囲の時間にわたって進行し得る。いくつかの実施形態において、反応時間は、1時間である。
少なくとも1つの第三級アミン化合物と、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応は、溶媒を含むことがあるか、または溶媒を含まないことがある。その反応が溶媒を含む場合、その溶媒は、好ましくは、第三級アミン化合物との混合の前に、まず、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーと混合される。好適な溶媒の例としては、アルコール(例えば、メタノール)またはテトラヒドロフラン(THF)が挙げられる。好ましくは、エチレンアクリル酸コポリマーが、第三級アミン化合物と反応するために使用されるとき、そのエチレンアクリル酸コポリマーを溶解するために、THFが加えられ得る。溶媒が存在するとき、その溶媒を除去するために蒸発工程が適用され得る。
少なくとも1つの第三級アミン化合物と、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応は、少なくとも1つの充填剤を含み得るか、または充填剤を含まないことがある。充填剤は、第三級アミン化合物ならびに/または少なくとも1つのカルボン酸基および/もしくは無水物基を有するポリマーとともに加えられ得る。特に、エチレンアクリル酸コポリマーが、第三級アミン化合物と反応するとき、充填剤は、得られた反応産物を粉砕して微粉にするのを容易にするために加えられ得る。微粉は、エポキシ組成物に容易に分散されるので、望ましい。好適な充填剤の例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、タルク、コールタール、カーボンブラック、紡織繊維、ガラス粒子もしくはガラス繊維、アラミドパルプ、ホウ素繊維、炭素繊維、ケイ酸塩鉱物、雲母、粉末石英、水和酸化アルミニウム、ベントナイト、珪灰石、カオリン、ヒュームドシリカ、シリカエーロゲルまたは金属粉末(例えば、アルミニウム粉または鉄粉)が挙げられる。これらのうち、粘土、ヒュームドシリカおよびそれらの混合物が、好ましい。存在する場合、反応に加えられる充填剤の重量含有率は、望ましくは、0.5%以上、より好ましくは、1%以上、さらに最も好ましくは、2%以上である。好ましくは、充填剤の重量含有率は、望ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーの重量に基づいて、50%以下、より好ましくは、40%以下、さらに最も好ましくは、30%以下である。
少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーと反応する際、第三級アミン化合物は、望ましくは、その第三級アミン化合物およびポリマーの総重量に基づいて、0.1%以上、好ましくは、0.5%以上、さらにより好ましくは、1%以上、かつ同時に望ましくは、70%以下、好ましくは、50%以下、さらにより好ましくは、45%以下の重量濃度で存在する。好ましくは、第三級アミン化合物、ならびに少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーは、0.01〜100の当量比で加えられる。少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーに対する第三級アミン化合物の当量比は、カルボン酸基のモル量の総数および無水物基の2倍のモル量で除算された、第三級アミン化合物における窒素基のモル量として決定される。少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーに対する第三級アミン化合物の当量比は、望ましくは、0.1以上、好ましくは、0.4以上、より好ましくは、0.6以上、さらに最も好ましくは、0.8以上、かつ同時に、望ましくは、20以下、好ましくは、10以下、より好ましくは、6以下、なおもより好ましくは、5以下、さらに最も好ましくは、4以下である。第三級アミン化合物と、少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーとの反応は、少なくとも1つの、好ましくは、少なくとも2つ以上のカルボン酸アンモニウム基を有するポリマー塩を形成する。そのカルボン酸アンモニウム基の重量含有率は、望ましくは、ポリマー塩の重量に基づいて、0.1%以上、好ましくは、0.5%以上、より好ましくは、1%以上、かつ同時に、望ましくは、50%以下、好ましくは、45%以下、より好ましくは、40%以下、さらに最も好ましくは、35%以下であり得る。
上記反応の後、そのようにして得られた生成物は、未反応の第三級アミン化合物、または少なくとも1つのカルボン酸基および/もしくは無水物基を有する未反応のポリマーを除去するために精製された後、触媒組成物において使用され得るか;あるいはいかなる精製もなしに直接、触媒組成物において使用され得る。したがって、本発明の触媒組成物は、少なくとも1つのカルボン酸アンモニウム基、必要に応じて、未反応の第三級アミン化合物または未反応のポリマーを有するポリマー塩、および必要に応じて充填剤(その反応に加えられる場合)を含み得る。好ましくは、その触媒組成物は、少なくとも1つのカルボン酸アンモニウム基を有するポリマー塩と未反応の第三級アミン化合物との混合物を含む。さらに、少なくとも2つの異なるポリマー塩の混合物も、触媒組成物において使用され得る。
1成分エポキシ組成物は、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つの硬化剤、少なくとも1つの第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応産物を含む触媒組成物、ならびに他の任意の成分を含む。
1成分エポキシ組成物における触媒組成物の重量含有率は、1成分エポキシ組成物の重量に基づいて、望ましくは、0.1%以上、好ましくは、0.2%以上、さらにより好ましくは、0.5%以上、かつ同時に、望ましくは、30%以下、好ましくは、20%以下、より好ましくは、10%以下である。触媒組成物におけるポリマー塩は、硬化したエポキシ組成物において、柔らかい鎖セグメントおよび/またはミクロ相分離の形成をもたらし得る。したがって、エポキシ組成物の靭性を高めるために、高含有率の触媒組成物が、好ましく組み込まれる。
本発明に係る1成分エポキシ組成物は、少なくとも1つのエポキシ樹脂も含む。そのエポキシ樹脂の全部または一部は、ゴム変性エポキシ樹脂の形態で存在し得る。好適なエポキシ樹脂の例としては、多価フェノール化合物(例えば、レソルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールMおよびテトラメチルビスフェノール)のジグリシジルエーテル;脂肪族グリコールおよびポリエーテルグリコールのジグリシジルエーテル(例えば、2〜24個の炭素(C2−24)アルキレングリコールおよびポリ(エチレンオキシド)またはポリ(プロピレンオキシド)グリコールを有するジグリシジルエーテル);フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(エポキシノボラック樹脂)、フェノール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、クレゾール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール樹脂およびジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。少なくとも2つの異なるエポキシ樹脂の混合物もまた使用され得る。
好ましくは、ビスフェノールA樹脂のジグリシジルエーテル、例えば、商標D.E.R.TM330、D.E.R.331、D.E.R.332、D.E.R.383、D.E.R.661およびD.E.R.662樹脂(D.E.R.は、The Dow Chemical Companyの商標である)としてthe Dow Chemical Companyによって販売されているものが使用され得る。ポリグリコールの商業的に入手可能なジグリシジルエーテルとしては、商標D.E.R.732およびD.E.R.736としてThe Dow Chemical Companyによって販売されているものが挙げられる。エポキシノボラック樹脂、例えば、商標D.E.N.TM354、D.E.N.431、D.E.N.438およびD.E.N.439樹脂(D.E.N.は、The Dow Chemical Companyの商標である)としてThe Dow Chemical Companyから入手可能な商業的に入手可能なものも使用され得る。他の好適なさらなるエポキシ樹脂は、脂環式エポキシドである。脂環式エポキシドとしては、以下の構造Iに図示されるような、炭素環内の2つの隣接原子に結合されたエポキシ酸素を有する飽和炭素環が挙げられる:
式中、Rは、脂肪族基、脂環式基および/または芳香族基であり、nは、1〜10、好ましくは、2〜4の数である。nが1であるとき、脂環式エポキシドは、モノエポキシドである。nが2以上であるとき、ジ−またはエポキシ樹脂が形成される。モノ−、ジ−および/またはエポキシ樹脂の混合物が使用され得る。米国特許第3,686,359号(参照により本明細書に援用される)に記載されているような脂環式エポキシ樹脂が、本発明において使用され得る。好ましくは、脂環式エポキシ樹脂としては、(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル)−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノオキシドおよびそれらの混合物が挙げられる。
他の好適なエポキシ樹脂としては、米国特許第5,112,932号に記載されているようなオキサゾリドン含有化合物が挙げられる。さらに、先進のエポキシ−イソシアネートコポリマー(例えば、The Dow Chemical CompanyからD.E.R.592およびD.E.R.6508として市販されているもの)が使用され得る。
そのエポキシ樹脂は、好ましくは、最大10重量パーセントの別のタイプのエポキシ樹脂を含む、ビスフェノール型エポキシ樹脂またはその混合物である。好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、液体エポキシ樹脂、または液体エポキシ樹脂に分散された固体エポキシ樹脂の混合物である。最も好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールA系エポキシ樹脂およびビスフェノールF系エポキシ樹脂である。
特に好ましいエポキシ樹脂は、170〜299、特に、170〜225のエポキシ当量を有する、少なくとも1つの多価フェノール、好ましくは、ビスフェノールAまたはビスフェノールFのジグリシジルエーテルと、少なくとも300、好ましくは、310〜600のエポキシ当量を有する、多価フェノール、再度好ましくは、ビスフェノールAまたはビスフェノールFの少なくとも1つの第2のジグリシジルエーテルとの混合物である。その2つのタイプの樹脂の比率は、好ましくは、それらの2つの樹脂の混合物が225〜400の平均エポキシ当量を有するような比率である。その混合物は、必要に応じて、エポキシ樹脂の総重量に基づいて、最大20wt%、好ましくは、最大10wt%の1つ以上の他のエポキシ樹脂も含み得る。
1成分エポキシ組成物は、望ましくは、エポキシ組成物の重量に基づいて、10wt%以上、好ましくは、15wt%以上、さらにより好ましくは、20wt%以上、かつ同時に、望ましくは、95wt%以下、好ましくは、70wt%以下、より好ましくは、60wt%以下、さらに最も好ましくは、50wt%以下の量でエポキシ樹脂を含む。
1成分エポキシ組成物はさらに、少なくとも1つの硬化剤を含む。その硬化剤は、室温において固体であり、少なくとも50℃、好ましくは、少なくとも60℃の融解温度を有する。それは、官能基、典型的には、第1級および/または第2級アミノ基(オキシラン基と反応して、それに対する結合を形成し、ポリマー鎖を伸長する)を含む。
好適な硬化剤の例としては、三塩化ホウ素/アミンおよび三フッ化ホウ素/アミン錯体、ジシアンジアミド、テトラヒドロフタル酸無水物、フェニルビグアニド、ジエチルフェニルビグアニド、メラミン、ジアリルメラミン、グアナミン(例えば、アセトグアナミンおよびベンゾグアナミン)、アミノトリアゾール(例えば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール)、ヒドラジド(例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド)、セミカルバジド、シアノアセトアミドおよび芳香族ポリアミン(例えば、ジアミノジフェニルスルホン)が挙げられる。ジシアンジアミド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが、特に好ましい。好ましくは、ジシアンジアミドが、硬化剤として使用される。
硬化剤は、エポキシ組成物を硬化させるのに十分な量で使用される。硬化剤の重量含有率は、望ましくは、エポキシ樹脂100重量部あたり1部以上、好ましくは、1.5部以上、より好ましくは、2.5部以上、さらに最も好ましくは、5部以上、かつ同時に、望ましくは、150部以下、好ましくは、120部以下、より好ましくは、100部以下、さらに最も好ましくは、80部以下である。好ましくは、ジシアンジアミドが、望ましくは、エポキシ樹脂100重量部あたり最大15部以下、好ましくは、10部以下で使用される。
1成分エポキシ組成物は、以下の成分のいずれか1つまたはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得るか、または含まないことがある:ゴム、充填剤、チキソトロープ剤、強化剤(例えば、エラストマー強化剤)、希釈剤、可塑剤、増量剤、色素および染料、難燃剤、レオロジー改変剤、流動性調整剤(flow control agent)、増粘剤(例えば、熱可塑性ポリエステル)、ゲル化剤(例えば、ポリビニルブチラール)、接着促進剤および酸化防止剤、湿潤剤、ならびに分散剤。
好ましくは、ゴムが、1成分エポキシ組成物に加えられる。そのゴムは、好ましくは、ゴム変性エポキシ樹脂の形態、コアシェル粒子の形態、またはその両方の組み合わせで存在し得る。1成分組成物は、望ましくは、エポキシ組成物の重量に基づいて、少なくとも1wt%、好ましくは、3wt%以上、さらにより好ましくは、4wt%以上、かつ同時に、15wt%以下、好ましくは、10wt%以下の総ゴム含有率を有する。
ゴム変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂とエポキシド反応基(例えば、アミノ基、または好ましくはカルボキシル基)を有する少なくとも1つの液体ゴムとのエポキシ末端付加物である。この場合のゴムは、好ましくは、共役ジエン(例えば、ブタジエンまたはイソプレン)のホモポリマーまたはコポリマー、特に、ジエン/ニトリルコポリマーである。好ましいコポリマーは、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマーである。そのゴムは、好ましくは、エポキシド反応性末端基を含む(エポキシ樹脂と反応して付加物を形成する前に)。好適なゴムの例としては、商品名HYCARTM2000X162カルボキシル末端ブタジエンホモポリマーとしてNoveonから商業的に入手可能なもの(HYCARは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.の商標である);HYCAR1300X31、HYCAR1300X8、HYCAR1300X13、HYCAR1300X9およびHYCAR1300X18カルボキシル末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー;ならびにHYCAR1300X21アミン末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーが挙げられる。そのゴムは、過剰量のエポキシ樹脂と反応することによって、エポキシ末端付加物に形成される。
別の好適なタイプのゴムは、コアシェルゴムである。コアシェルゴムのコアは、共役ジエン(例えば、ブタジエン)もしくは低級アクリル酸アルキル(例えば、n−ブチル−、エチル−、イソブチル−または2−エチルヘキシルアクリレート)のポリマーまたはコポリマーであり得る。コアポリマーは、さらに、最大20重量%の他の共重合一不飽和モノマー(例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、メタクリル酸メチルなど)を含み得る。そのコアポリマーは、必要に応じて架橋される。必要に応じてゴムコアに化学的にグラフトされるかまたは架橋されるシェルポリマーは、好ましくは、少なくとも1つのメタクリル酸低級アルキル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルまたはメタクリル酸t−ブチル)から重合される。そのようなメタアクリレートモノマーのホモポリマーが使用され得る。さらに、最大40重量%のシェルポリマーは、他のモノビニリデンモノマー(例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなど)から形成され得る。コアシェルゴムの好ましいタイプは、エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂硬化剤と反応し得るシェルポリマーに反応基(例えば、メタクリル酸グリシジルなどのモノマーによって提供されるグリシジル基)を有する。
好ましいコアシェルゴムとしては、商標KANE ACETM(KANE ACEは、Kaneka Corporationの商標である)としてKaneka Corporationによって販売されているもの(KANE ACE MX156およびKANE ACE MX120コアシェルゴム分散物を含む)が挙げられる。シリコーンゴムコアを有する別の好ましいコアシェルゴムとしては、Wacker Chemie,Munich,Germanyから商標GENIOPERLTM(GENIOPERLは、Wacker Chemie AGの商標である)として商業的に入手可能なものが挙げられる。コアシェルゴムの特に好ましいタイプは、欧州特許出願公開第1632533(A1)号明細書に記載されているタイプである。
本発明の1成分エポキシ組成物は、必要に応じて少なくとも1つのエラストマー強化剤をさらに含み得る。そのエラストマー強化剤は、キャップイソシアネート基またはブロックイソシアネート基を含む、液体または低融点のエラストマー材料である。そのエラストマー強化剤のエラストマー部分は、1つ以上の柔らかいセグメント(例えば、ポリエーテル、ポリブタジエンまたはポリエステル)を含む。特に好ましい柔らかいセグメントとしては、ポリ(エチレンオキシド)ブロック、ポリ(プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(エチレンオキシド−eo−プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(ブチレンオキシド)ブロック、ポリ(テトラヒドロフラン)ブロック、ポリ(カプロラクトン)ブロックなどが挙げられる。
エラストマー強化剤は、1分子あたり少なくとも1つのブロックイソシアネート基またはキャップイソシアネート基を含む。それは、好ましくは、1分子あたり少なくとも2つのそのような基という平均値を含むが、典型的には、1分子あたり6以下、好ましくは、約4以下のブロックイソシアネート基またはキャップイソシアネート基を含む。キャッピング基または保護基の例は、フェノール(例えば、フェノール、アミノフェノール、ポリフェノール、アリルフェノールまたはポリアリルポリフェノール、例えば、o,o−ジアリルビスフェノールA)またはフェノールアミン、第1級脂肪族、脂環式、複素環式芳香族および芳香脂族アミン;第2級脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式芳香族および芳香脂族アミン、モノチオール、アルキルアミドおよびヒドロキシル官能性エポキシド(例えば、ヒドロキシアルキルエポキシド)ならびにベンジルアルコールである。キャッピング基または保護基は、官能基(例えば、フェノール、芳香族アミノ、−OCN、エポキシド)を含み得るか、またはそれに結合したさらなるポリウレタンエラストマーを含み得るが、その代わり、そのキャッピング基または保護基は、そのような基を欠いていることもある。
エラストマー強化剤は、直鎖状であり得るか、分枝状であり得るか、または少し架橋されていることがある。好適なエラストマー強化剤としては、米国特許第5,278,257号、WO2005/118734、WO2011/056357、WO2010/019539、WO2009/094295、WO2006/128722、米国特許出願公開第2005/0070634号明細書、米国特許出願公開第2005/0209401号明細書、米国特許出願公開第2006/10276601号明細書、米国特許出願公開第2008/0251203(A1)号明細書、欧州特許出願公開第1602702(A)号明細書および欧州特許出願公開第0308664(A)号明細書に記載されているものが挙げられる。
エラストマー強化剤は、使用される場合、それを含む組成物の動荷重下における性能を改善するのに十分な量で存在する。エラストマー強化剤は、望ましくは、エポキシ樹脂の重量に基づいて、10wt%以上、好ましくは、14wt%以上、さらにより好ましくは、18wt%以上、かつ同時に、望ましくは、38wt%以下、好ましくは、28wt%以下、さらにより好ましくは、25wt%以下の濃度で存在する。
好ましくは、本発明のエポキシ組成物は、充填剤をさらに含む。充填剤は、第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーとの上述の反応に含められ得、かつ/またはエポキシ組成物に直接加えられ得る。本発明において好適な充填剤の例は、上述のものである。炭酸カルシウム、タルク、酸化カルシウム、ヒュームドシリカおよび珪灰石が、好ましい。特に興味深い充填剤は、最大200ミクロンの平均粒径および最大0.2g/ccの密度を有するマイクロバルーンである。その粒径は、好ましくは、25〜150ミクロンであり、その密度は、好ましくは、0.05〜0.15g/ccである。好適な膨張マイクロバルーンとしては、商標DUALITETMとして(DUALITEは、Henkel Corporationの商標である)Henkelから商業的に入手可能なものが挙げられる。好適なポリマーマイクロバルーンの特定の例としては、DUALITE E065−135およびDUALITE E130−40Dマイクロバルーンが挙げられる。さらに、膨張性マイクロバルーン、例えば、AkzoNobelから商業的に入手可能な(EXPANCELは、Casco Adhesives AB Corporationの商標である)EXPANCELTMミクロスフェア。マイクロバルーンは、エポキシ組成物の1〜5重量パーセント、好ましくは、1.5〜3重量パーセントのレベルで存在することが好都合である。マイクロバルーンは、好ましくは、1つ以上のさらなる充填剤(例えば、タルク、酸化カルシウム、珪灰石、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカまたはそれらの混合物)とともに使用される。
充填剤(必要に応じて、第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有するポリマーとの上述の反応に加えられるものを含む)、レオロジー改変剤、ゲル化剤、増粘剤および色素は、好ましくは、エポキシ組成物の重量に基づいて、5wt%以上、より好ましくは、10wt%以上の総量(aggregate amount)で使用される。それらは、好ましくは、エポキシ組成物の重量に基づいて、25wt%以下、より好ましくは、20wt%以下の量で存在する。
1成分エポキシ組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、触媒組成物および他の任意の成分を任意の好都合な順序で混合することによって形成される。高温は、様々な材料をより容易に調合するために、それらを軟化させるために使用され得るが、硬化剤を融解してしまうほどおよび/または触媒を活性化してしまうほど高い温度の使用を回避することが望ましい。ゆえに、温度は、通常、硬化剤および/または潜在性触媒が存在する配合プロセス中において、50℃未満に維持される。
塗布される際、1成分エポキシ組成物の温度は、高温に加熱され、その時点において、触媒組成物中にカルボン酸アンモニウム基を有するポリマー塩が、第三級アミン化合物および少なくとも1つのカルボン酸基を有するポリマーに解離される。第三級アミン化合物が放出されて、エポキシ硬化が加速する。同時に、少なくとも1つのカルボン酸基を有するポリマーも、エポキシ硬化を促進する。
本発明の1成分エポキシ組成物は、優れた貯蔵安定性を有する。良好な貯蔵安定性を有するエポキシ組成物は、通常の貯蔵条件下および輸送条件下であったとしても、ゆっくりと粘度を作り出すだけなので、包装された時点から数週間または数ヶ月間にわたって使用可能なままである。ゆえに、貯蔵安定性は、材料を規定の条件下である期間にわたって貯蔵し、定期的に粘度を測定することによっても評価され得る。所与の粘度変化のためのより長い貯蔵期間は、より良好な貯蔵安定性を示唆し、逆に、より不良な貯蔵安定性は、所与の粘度変化のためのより短い貯蔵期間によって示唆される。本発明における貯蔵期間は、材料の貯蔵開始から、材料の粘度が10パスカル・秒(Pa・s)に達するまでの期間によって測定される。あるいは、所与の期間におけるより小さい粘度上昇は、より良好な貯蔵安定性を示唆し、逆に、より不良な貯蔵安定性は、粘度のより大きな上昇によって示唆される。
貯蔵安定性を測定する場合、ARES−G2剪断レオメーターまたは等価なレオメーターおよび4℃/25ミリメートル(mm)プレート/コーンシステムを使用して、粘度を測定する。試料を5分間、45℃に適応させる。ずり速度を、45℃において5分間にわたって0.1/秒から20/秒まで上げ、次いで、さらに5分間にわたって0.1/秒に戻す。粘度を10/秒で測定する。
本発明の1成分エポキシ組成物は、23℃において優れた貯蔵安定性を有する。大気雰囲気下、23℃の温度において貯蔵された後、本発明の1成分エポキシ組成物が粘度10Pa・sに達するまでの時間は、望ましくは、2ヶ月以上、好ましくは、3ヶ月以上、より好ましくは、4ヶ月以上、さらに最も好ましくは、6ヶ月以上である。
実際に実施する際、輸送条件および貯蔵条件は、厳密に管理されないことが多く、かなり変動し得る。夏期の間、冷却されない倉庫および輸送船において40℃以上の貯蔵温度に遭遇することは、エポキシ製品にとっては珍しいことではない。
ゆえに、本発明の好ましい1成分エポキシ組成物は、少なくとも40℃もの高さの温度でも、良好な貯蔵安定性を示す。大気雰囲気下、40℃の温度において貯蔵された後、本発明の1成分エポキシ組成物が粘度10Pa・sに達するまでの時間は、望ましくは、1ヶ月以上、好ましくは、1.5ヶ月以上、より好ましくは、2ヶ月以上、さらに最も好ましくは、2.5ヶ月以上である。
本発明に係る1成分エポキシ組成物は、接着剤(例えば、封止用接着剤および電子用接着剤)、構造ラミネートおよび電気ラミネート、複合材料、粉体塗料、鋳物、航空宇宙産業用の構造物、エレクトロニクス産業用の回路基板など、風車の羽根、ならびにスキー板、スキーストック、釣り竿、および他の屋外スポーツの装備の形成用として有用であり得る。本発明のエポキシ組成物は、電気的ワニス、カプセル(encapsulates)、半導体、一般的な成形粉、フィラメント巻パイプ、貯蔵タンク、ポンプ用のライナーおよび耐食塗料においても使用され得る。好ましくは、本発明の1成分エポキシ組成物は、接着剤として使用される。
1成分エポキシ組成物は、接着剤として使用されるとき、冷却され得るか、または所望であれば、温められ得る。1成分エポキシ組成物は、それをロボットから基材上のビーズ形態に押し出すことによって塗布され得る;1成分エポキシ組成物は、手作業による塗布方法(例えば、コーキングガン)または他の任意の手動の塗布手段を使用して塗布され得る。1成分エポキシ組成物はまた、ジェット噴射法(例えば、蒸気処理法または旋回法)を使用して塗布され得る。その旋回法は、当業者に周知の装置(例えば、ポンプ、制御系、注入ガンアセンブリ、遠隔注入デバイスおよび塗布ガン)を使用して塗布される。1成分エポキシ組成物は、蒸気処理プロセスを使用して基材に塗布され得る。通常、1成分エポキシ組成物は、一方または両方の基材に塗布される。互いに結合されるべき基材の間に接着剤が配置されるように、それらの基材を接触させる。
塗布後、硬化剤がエポキシ樹脂組成物の硬化を開始する温度に加熱することによって、1成分エポキシ組成物は硬化する。通常、この温度は、80℃以上、好ましくは、100℃以上である。好ましくは、その温度は、220℃以下、より好ましくは、180℃以下である。
本発明の1成分エポキシ組成物は、種々の基材(例えば、木材、金属、コーティングされた金属、アルミニウム、種々のプラスチック基材および充填プラスチック基材、繊維ガラスなどを含む)を互いに結合する接着剤として使用され得る。1つの好ましい実施形態において、1成分エポキシ組成物は、自動車の部品を互いにまたは部品を自動車に結合するために使用される。そのような部品は、鋼、コーティングされた鋼、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、コーティングされたアルミニウム、プラスチックおよび微細(fined)プラスチック基材であり得る。特に興味深い用途は、自動車の骨組の構成要素を互いにまたは他の構成要素に結合することである。その骨組の構成要素は、金属(例えば、冷延鋼板、亜鉛メッキされた金属(特に、脆性金属、例えば、ガルバニック(galvanic))またはアルミニウム)であることが多い。骨組の構成要素に結合されるべき構成要素は、記載したばかりの金属でもあり得るか、または他の金属、プラスチック、複合材料などであり得る。特に興味深い別の用途は、航空宇宙用の構成要素、特に、飛行中の周囲雰囲気条件に曝露される外面の金属構成要素または他の金属構成要素の結合である。
以下の実施例は、本発明の実施形態を例証する。すべての部およびパーセンテージは、別段示されない限り、重量基準である。
硬化特性は、TA Instruments製のQ2000装置における動的走査熱量法によって評価される。5〜15mgの試料を乾燥窒素下において試験する。その試料を10℃/分で20℃から250℃に加熱し、250℃で30分間保持し、次いで、10℃/分で室温に冷却し、次いで、10℃/分で250℃に再加熱する。硬化開始温度、ピーク発熱温度、硬化した樹脂のTgおよびエンタルピーのすべてを測定する。
粘度測定は、TA Instruments製のARES−G2剪断レオメーターおよび4℃/25ミリメートル(mm)プレート/コーンシステムにおいて行う。試料を5分間、45℃に適応させる。試料をこの温度で維持しつつ、ずり速度を、5分間にわたって0.1/秒から20/秒まで上げ、次いで、さらに同じ速度で0.1/秒に戻す。粘度を10/秒で測定する。貯蔵期間は、材料の貯蔵開始から、材料の粘度が10Pa・sに達するまでの期間によって測定される。
触媒1〜7の調製
触媒を調製するために使用されるカルボン酸基を有するポリエチレンを表1に列挙する。触媒1〜7を、表2に示される配合に基づいて調製する。PRIMIACORTM3460、PRIMACOR3004およびPRIMACOR5980i樹脂は、The Dow Chemical Companyから入手可能なエチレンアクリル酸コポリマーである(PRIMACORは、The Dow Chemical Companyの商標である)。BYNELTM2022樹脂は、DuPontから入手可能な酸修飾アクリル酸エチル樹脂である(BYNELは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Inc.の商標である)。
触媒を調製するために使用されるカルボン酸基を有するポリエチレンを表1に列挙する。触媒1〜7を、表2に示される配合に基づいて調製する。PRIMIACORTM3460、PRIMACOR3004およびPRIMACOR5980i樹脂は、The Dow Chemical Companyから入手可能なエチレンアクリル酸コポリマーである(PRIMACORは、The Dow Chemical Companyの商標である)。BYNELTM2022樹脂は、DuPontから入手可能な酸修飾アクリル酸エチル樹脂である(BYNELは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Inc.の商標である)。
ポリマーに対する第三級アミン化合物の当量比を表2に列挙する。表2における配合に基づいて、PRIMACORまたはBYNEL2022樹脂を、3首フラスコにおいて25mlのTHFに溶解する。DMP−30(Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd(SCRC)製の2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール)、ならびに存在する場合、充填剤(例えば、ヒュームドシリカ(AEP972,Degussa製の14nmヒュームドシリカ)および/または粘土(ASP170,BASF製の含水アルミノケイ酸塩)をそのフラスコに加え、60℃で1時間撹拌する。その混合物を室温に冷却し、蒸発によってTHFを除去する。得られた黄色がかった固体を乾燥し、粉末に粉砕する。
実施例(Exs)1A〜1C
触媒1のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。表3に示される配合に基づいて単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒1の硬化活性を評価する。それらの配合は、D.E.R.331エポキシ樹脂、DYHARDTM100SF硬化剤(DYHARDは、Degussaの商標であり、Degussa製の微粉化されたグレードのジシアンジアミド(DICY)である)および触媒1を含む。D.E.R.331は、The Dow Chemical Companyから入手可能なビスフェノールAの液体ジグリシジルエーテルである。それは、およそ187というエポキシ当量を有する。3つの1成分エポキシ組成物を調製する(実施例1A、1Bおよび1C)。異なる投与量の触媒1を用いた実施例1A、1Bおよび1Cの特定の期間における硬化特性および粘度を表3に示す。
触媒1のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。表3に示される配合に基づいて単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒1の硬化活性を評価する。それらの配合は、D.E.R.331エポキシ樹脂、DYHARDTM100SF硬化剤(DYHARDは、Degussaの商標であり、Degussa製の微粉化されたグレードのジシアンジアミド(DICY)である)および触媒1を含む。D.E.R.331は、The Dow Chemical Companyから入手可能なビスフェノールAの液体ジグリシジルエーテルである。それは、およそ187というエポキシ当量を有する。3つの1成分エポキシ組成物を調製する(実施例1A、1Bおよび1C)。異なる投与量の触媒1を用いた実施例1A、1Bおよび1Cの特定の期間における硬化特性および粘度を表3に示す。
比較実施例A(Comp Ex A)
比較実施例Aの1成分エポキシ組成物は、93.7gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5.3gのジシアンジアミドおよび1gの現行の潜在性触媒DYHARDTMUR300触媒(DYHARDは、Degussaの商標である)を含む。DYHARD UR300触媒は、Degussaから入手可能な3−フェニル−1,1−ジメチル尿素である。
比較実施例Aの1成分エポキシ組成物は、93.7gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5.3gのジシアンジアミドおよび1gの現行の潜在性触媒DYHARDTMUR300触媒(DYHARDは、Degussaの商標である)を含む。DYHARD UR300触媒は、Degussaから入手可能な3−フェニル−1,1−ジメチル尿素である。
表3では、試料の貯蔵開始時および特定の温度において記載の時間にわたって貯蔵した後に対応する、実施例1A〜1Cおよび比較実施例Aの粘度が示されており、それにより、それらの試料の貯蔵安定性が指摘される。所与の期間におけるより小さい粘度上昇は、より良好な貯蔵安定性を示唆し、逆に、より不良な貯蔵安定性は、粘度のより大きな上昇によって示唆される。
表3に示されているように、23℃において記載の時間にわたって貯蔵した後の1成分エポキシ組成物の粘度を測定する。すべてのエポキシ組成物の初期粘度は、23℃において1〜1.2Pa・sである。1wt%UR−300を含むエポキシ組成物の粘度は、8週間の貯蔵から始まって急激に上昇し、23℃での13週間の貯蔵後に2倍より高い粘度に達する。対照的に、最大2.5wt%以下の触媒1を含むエポキシ組成物の粘度は、23℃での18週間にわたる貯蔵後も明らかな変化を示さない(実施例1Aおよび1B)。ゆえに、本発明の1成分エポキシ組成物は、より良好な貯蔵安定性を有する。同時に、最大2.5wt%以下の触媒1を含む本発明の1成分エポキシ組成物は、1wt%UR−300を含むものよりも低い硬化開始温度を有し、これは、1成分エポキシ組成物が、1wt%UR−300を含む1成分エポキシ組成物(比較実施例A)よりも低い温度で速く硬化することを示唆している。特に、触媒1の含有率がエポキシ組成物において5wt%に達するとき(実施例1C)、硬化開始温度は、120℃という低さであり、経時的な粘度上昇は、比較実施例Aのそれよりもさらに小さい。
実施例2〜7
触媒2〜7のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒2〜7の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒を含む。実施例2〜7と命名された6つの1成分エポキシ組成物試料の硬化特性および貯蔵安定性を表4に報告する。
触媒2〜7のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒2〜7の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒を含む。実施例2〜7と命名された6つの1成分エポキシ組成物試料の硬化特性および貯蔵安定性を表4に報告する。
比較実施例B
比較実施例Bの1成分エポキシ組成物は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gのDYHARD UR300触媒を含む。比較実施例Bの1成分エポキシ組成物の硬化特性および貯蔵安定性を測定する。
比較実施例Bの1成分エポキシ組成物は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gのDYHARD UR300触媒を含む。比較実施例Bの1成分エポキシ組成物の硬化特性および貯蔵安定性を測定する。
比較実施例C
比較実施例Cの1成分エポキシ組成物は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含む。比較実施例Cの1成分エポキシ組成物の硬化特性および貯蔵安定性を測定する。
比較実施例Cの1成分エポキシ組成物は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含む。比較実施例Cの1成分エポキシ組成物の硬化特性および貯蔵安定性を測定する。
比較実施例D
比較実施例Dの1成分エポキシ組成物は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂および5gのジシアンジアミドを含む。比較実施例Dの1成分エポキシ組成物の硬化特性を測定する。
比較実施例Dの1成分エポキシ組成物は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂および5gのジシアンジアミドを含む。比較実施例Dの1成分エポキシ組成物の硬化特性を測定する。
表4に示されているように、試料の貯蔵開始から試料の粘度が10Pa・sに達するまでの期間によって指摘される貯蔵安定性を指定の温度において評価する。UR−300触媒を含む1成分エポキシ組成物(比較実施例B)は、145〜150℃の範囲の温度において硬化し、貯蔵期間は、23℃において6ヶ月である。触媒を有しない1成分エポキシ組成物は、190℃もの高さの硬化温度を有する(比較実施例D)。より低い温度(例えば、100℃)での硬化にもかかわらず、DMP−30を含む1成分エポキシ組成物は、23℃において3日未満である非常に不良な貯蔵安定性を有する(比較実施例C)。驚いたことに、本発明の1成分エポキシ組成物の貯蔵期間は、4ヶ月を超え、特に、23℃においてまたは40℃でさえも、7ヶ月を超え得ることが多い(実施例2〜7)。さらに、本発明の1成分エポキシ組成物は、硬化開始温度によって指摘されるように、低温(例えば、136℃〜161℃)において迅速に硬化し得る。ゆえに、本発明の1成分エポキシ組成物は、比較実施例Cよりもかなり長い貯蔵安定性および比較実施例Bよりも良好なまたはそれに匹敵する貯蔵安定性を有する。
触媒8〜11の調製
ポリエーテルポリオール(すべてThe Dow Chemical Companyから入手可能)を使用して、触媒8〜11を調製する。
ポリエーテルポリオール(すべてThe Dow Chemical Companyから入手可能)を使用して、触媒8〜11を調製する。
VORANOLTMP1010ポリオールは、2という平均官能価、106〜114mgKOH/gというOH数の範囲および1000g/molというMnを有するポリプロピレングリコールである(VORANOLは、The Dow Chemical Companyの商標である)。
VORANOL CP1055ポリオールは、152〜160mgKOH/gというOH数の範囲および1050g/molというMnを有する、グリセリンのオキシプロピレン付加物である。
VORANOL P400ポリオールは、The Dow Chemical Companyから入手可能な、2という平均官能価、250〜270mgKOH/gというOH数の範囲および400g/molというMnを有するポリプロピレングリコールである。
表5に示される配合に基づいて、触媒8〜11を調製する。ポリエーテルポリオールおよび無水コハク酸を、撹拌機を備えた3首フラスコにおいてトルエンに溶解する。得られた溶液を撹拌し、125℃で2時間還流する。蒸発によってトルエンを除去した後、透明の溶液が得られる。得られた溶液をDMP−30またはイミダゾールと混合し、60℃で1時間撹拌する。黄色がかった液体が得られる。
実施例8〜11
触媒8〜11のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒8〜11の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒8〜11から選択される触媒を含む。実施例8〜11と命名された4つの1成分組成物試料を調製する。本発明の1成分エポキシ組成物は、表7に報告されるような硬化特性および貯蔵特性を有する。
触媒8〜11のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒8〜11の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒8〜11から選択される触媒を含む。実施例8〜11と命名された4つの1成分組成物試料を調製する。本発明の1成分エポキシ組成物は、表7に報告されるような硬化特性および貯蔵特性を有する。
触媒12〜14の調製
ポリウレタンに由来する触媒12〜14を、表6に示される配合に基づいて調製する。3首フラスコにおいて、10gのVORASTARTMHB6625(VORASTARは、The Dow Chemical Companyの商標である)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA,SCRCから入手可能)および0.02gのジブチルスズジラウレートを30mlのTHFに溶解し、60℃で5時間還流させる。得られた溶液をメトキシポリエチレングリコール(MPEG−550,SCRCから入手可能)と混和し、60℃でさらに5時間還流させる。そのフラスコにDMP−30を加え、60℃で1時間撹拌する。蒸発によってTHFを除去した後、黄色がかった液体が得られる。VORASTAR HB6625イソシアネートは、The Dow Chemical Companyから入手可能な、16wt%NCOを含むメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)に基づくプレポリマーである。
ポリウレタンに由来する触媒12〜14を、表6に示される配合に基づいて調製する。3首フラスコにおいて、10gのVORASTARTMHB6625(VORASTARは、The Dow Chemical Companyの商標である)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA,SCRCから入手可能)および0.02gのジブチルスズジラウレートを30mlのTHFに溶解し、60℃で5時間還流させる。得られた溶液をメトキシポリエチレングリコール(MPEG−550,SCRCから入手可能)と混和し、60℃でさらに5時間還流させる。そのフラスコにDMP−30を加え、60℃で1時間撹拌する。蒸発によってTHFを除去した後、黄色がかった液体が得られる。VORASTAR HB6625イソシアネートは、The Dow Chemical Companyから入手可能な、16wt%NCOを含むメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)に基づくプレポリマーである。
実施例12〜14
触媒12〜14のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒12〜14の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒12〜14から選択される触媒を含む。実施例12〜14と命名された3つのエポキシ組成物試料を調製する。それらの1成分エポキシ組成物は、表7に報告されるような硬化特性および貯蔵特性を有する。
触媒12〜14のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒12〜14の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒12〜14から選択される触媒を含む。実施例12〜14と命名された3つのエポキシ組成物試料を調製する。それらの1成分エポキシ組成物は、表7に報告されるような硬化特性および貯蔵特性を有する。
表7におけるDSCの特徴から理解されるように、本発明の1成分エポキシ組成物は、127℃〜171℃において硬化し得、118〜141℃の範囲のTgを有する。エポキシ組成物の実施例8〜10、13〜14に対する貯蔵期間は、60℃において少なくとも2日以上であり、これは、比較実施例Bに匹敵するかまたはそれよりも良好な貯蔵安定性を示唆する。実施例11〜12は、60℃においておよそ1日および23℃において7週間超という貯蔵期間を有する。本発明のすべての1成分エポキシ組成物が、比較実施例Cよりもかなり良好な貯蔵安定性を示す。さらに、より高いMnを有する本発明の組成物は、400という比較的低いMnを有するVORANOL P400に由来する触媒に基づく1成分エポキシ組成物よりもなおも長い貯蔵安定性を示す(実施例11)。
触媒15および16の調製
ポリエステルに由来する触媒15〜16を、表8に示される配合に基づいて調製する。ペンタエリトリトール、カプロラクトンおよびバレロラクトンを室温において3首フラスコに加える。N2保護下において、その反応物を150℃に加熱し、4〜5時間(ラクトンの変換率が97%超に達するまで)保持する。得られた混合物を室温に冷却し、次いで、無水コハク酸を加える。温度を125℃に加熱し、2時間保持することにより、粘稠性の液体が形成される。次いで、上記の反応系を60℃に冷却し、イミダゾールを加え、60℃で2時間撹拌することにより、黄色がかった液体が形成される。GPC解析によって確かめるとき、得られる触媒15は、8745g/molというMnおよび3.3というMw/Mnを有する。得られる触媒16は、5208g/molというMnおよび3.3というMw/Mnを有する。
ポリエステルに由来する触媒15〜16を、表8に示される配合に基づいて調製する。ペンタエリトリトール、カプロラクトンおよびバレロラクトンを室温において3首フラスコに加える。N2保護下において、その反応物を150℃に加熱し、4〜5時間(ラクトンの変換率が97%超に達するまで)保持する。得られた混合物を室温に冷却し、次いで、無水コハク酸を加える。温度を125℃に加熱し、2時間保持することにより、粘稠性の液体が形成される。次いで、上記の反応系を60℃に冷却し、イミダゾールを加え、60℃で2時間撹拌することにより、黄色がかった液体が形成される。GPC解析によって確かめるとき、得られる触媒15は、8745g/molというMnおよび3.3というMw/Mnを有する。得られる触媒16は、5208g/molというMnおよび3.3というMw/Mnを有する。
触媒17の調製
表7に示される配合に基づいてポリエステルに由来する触媒17を調製する。ペンタエリトリトール、カプロラクトン、バレロラクトンおよび無水コハク酸を3首フラスコに加える。次いで、N2保護下において、温度を150℃に加熱し、4〜5時間(ラクトンの変換率が97%超に達するまで)保持することにより、粘稠性の液体が形成される。上記の反応系を60℃に冷却し、次いで、イミダゾールを加え、60℃で2時間撹拌することにより、黄色がかった液体が形成される。GPC解析によって確かめるとき、得られるポリマーは、3013g/molというMnおよび4.6というMw/Mnを有する。
表7に示される配合に基づいてポリエステルに由来する触媒17を調製する。ペンタエリトリトール、カプロラクトン、バレロラクトンおよび無水コハク酸を3首フラスコに加える。次いで、N2保護下において、温度を150℃に加熱し、4〜5時間(ラクトンの変換率が97%超に達するまで)保持することにより、粘稠性の液体が形成される。上記の反応系を60℃に冷却し、次いで、イミダゾールを加え、60℃で2時間撹拌することにより、黄色がかった液体が形成される。GPC解析によって確かめるとき、得られるポリマーは、3013g/molというMnおよび4.6というMw/Mnを有する。
実施例15〜17
触媒15〜17のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒15〜17の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒15〜17から選択される触媒を含む。実施例15〜17と命名された3つのエポキシ組成物試料を調製する。それらの1成分エポキシ組成物は、表8に報告されるような硬化特性および貯蔵特性を有する。
触媒15〜17のような実質的に同様に調製される触媒を使用して、以下の研究を試みる。単純な1成分エポキシ組成物を調製して、触媒15〜17の硬化活性を評価する。それらの配合は、94gのD.E.R.331エポキシ樹脂、5gのジシアンジアミドおよび1gの触媒15〜17から選択される触媒を含む。実施例15〜17と命名された3つのエポキシ組成物試料を調製する。それらの1成分エポキシ組成物は、表8に報告されるような硬化特性および貯蔵特性を有する。
Claims (9)
- a)少なくとも1つのエポキシ樹脂、b)少なくとも1つの硬化剤、ならびにc)少なくとも1つの第三級アミン化合物と少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基を有する少なくとも1つのポリマーとの反応産物を含む触媒組成物を含む、1成分エポキシ組成物。
- 前記少なくとも1つのカルボン酸基および/または無水物基の重量基準の含有率が、前記ポリマーの重量に基づいて0.1%〜40%である、請求項1記載のエポキシ組成物。
- 前記ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルおよびポリウレタンからなる群より選択される、請求項1記載のエポキシ組成物。
- 前記ポリマーが、エチレンアクリル酸コポリマーを含む、請求項3記載のエポキシ組成物。
- 前記エチレンアクリル酸コポリマーのビカット軟化温度が、40℃より高い、請求項4記載のエポキシ組成物。
- 前記第三級アミン化合物が、アミノフェノールおよびイミダゾールからなる群より選択される、請求項1記載のエポキシ組成物。
- 前記ポリマーに対する前記第三級アミン化合物の当量比が、0.1〜10である、請求項1記載のエポキシ組成物。
- 前記ポリマーに対する前記第三級アミン化合物の当量比が、0.4〜5である、請求項7記載のエポキシ組成物。
- 前記エポキシ組成物の重量に基づいて0.1〜30重量パーセントの前記触媒組成物を含む、請求項1記載のエポキシ組成物。
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