WO2016063486A1

WO2016063486A1 - 画像描画装置

Info

Publication number: WO2016063486A1
Application number: PCT/JP2015/005158
Authority: WO
Inventors: 威一郎寺尾
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2014-10-23
Filing date: 2015-10-12
Publication date: 2016-04-28
Also published as: US10186235B2; JP6319038B2; JP2016085528A; US20170309252A1; CN107077293B; CN107077293A

Abstract

　画像描画装置（Image drawing apparatus）は、第１処理装置（２０Ｂ）と第２処理装置（２０Ａ）とを含み、スクリーン（１１）に対する描画処理を実行させる。第１処理装置は、起動時の表示準備時間が、第２処理装置より、短く、前記スクリーンにユーザによる入力操作を受け付ける入力画像（６０）を表示する。第１処理装置か第２処理装置は、ユーザに通知する通知画像（７０、８０、９０）をスクリーンに表示させる通知処理を行う通知部（２１Ｂ、１２１Ｂ、２２１Ａ）を備える。通知処理は、第２処理装置の表示準備が完了する前に実行可能である。通知画像は、第２処理装置がスクリーンに表示する画像が更新できないことをユーザに通知する。

Description

画像描画装置

関連出願の相互参照

　本出願は、２０１４年１０月２３日に出願された日本出願番号２０１４－２１６４３６号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

　本開示は、１つの表示装置のスクリーンに対する描画処理を複数の処理装置により行う画像描画装置（Image drawing apparatus）に関する。

　１つのスクリーンを複数の領域に分割して、それぞれの領域に異なる内容を表示する表示装置が知られている。たとえば、特許文献１に開示された車両用の装置は、１つのスクリーンの表示領域を、主ウインドウと、その主ウインドウの横に位置しており、主ウインドウよりも小さい従ウインドウとに分割している。スクリーンが大きい場合に、スクリーンの表示領域を主ウインドウと従ウインドウとに分割することが有効である。たとえば、主ウインドウに道路地図画像を表示し、従ウインドウにＡＶ機器やエアコンなどの操作用画像を表示したり、主ウインドウに従ウインドウの詳細情報を表示したりできる。

　これら主ウインドウ、従ウインドウは、ユーザが種々の機器を操作する際の指示を入力する入力ウインドウになっている場合もあり、スクリーンに表示されているスイッチなどに対して、ユーザが選択操作を行うと、選択されたスイッチなどに応じた制御が実行される。

ＪＰ　２０１１－１２３７２３　Ａ

　主ウインドウには、前述した道路地図画像以外に、種々の画像を表示させることができる。たとえば、主ウインドウに、従ウインドウの操作により定まる画像を表示することも考えられる。また、主ウインドウと従ウインドウに対する画像の描画を迅速に行う等の目的で、主ウインドウを描画する処理装置と従ウインドウを描画する処理装置とを別々に備えることも考えられる。

　これら主ウインドウを描画する処理装置と、従ウインドウを描画する処理装置には、処理負荷に応じた異なる性能の処理装置が用いられる。加えて、起動時に実行するタスクも、主ウインドウを描画する処理装置と、従ウインドウを描画する処理装置とでは異なる。そのため、電源投入後、主ウインドウに画像が表示されるまでの時間と、従ウインドウに画像が表示されるまでの時間が異なる可能性がある。したがって、従ウインドウには起動時の画像が表示されているが、主ウインドウにはまだ起動時の画像が表示されていない状況が生じる可能性がある。

　従ウインドウには起動時の画像が表示されているが、主ウインドウには起動時の画像が表示されていない状態では、ユーザが従ウインドウを操作して主ウインドウの画像を更新させようとしても、主ウインドウの画像は更新されず、ユーザに違和感を与えてしまうという問題があった。

　本開示の目的とするところは、１つのスクリーンの描画処理を複数の処理装置で行う画像描画装置であって、起動時にユーザに与える違和感が少ない画像描画装置を提供することにある。

　上記目的を達成するための本開示の一つの例によれば、画像描画装置は、第１処理装置と第２処理装置とを含み、互いに通信可能な複数の処理装置を備え、１つのスクリーンに対する描画処理を複数の処理装置により行うように提供される。第１処理装置は、第２処理装置に比べ、起動時の表示準備時間が短い。第１処理装置は、スクリーンにユーザによる入力操作を受け付ける入力画像を表示する。第１処理装置、あるいは、第２処理装置の、少なくとも一方は、第２処理装置の表示準備が完了する前に実行可能になる処理であって、第２処理装置がスクリーンに表示する画像が更新できないことをユーザに通知する通知画像を、表示タイミングを第１処理装置と第２処理装置との間の通信により制御して、スクリーンに表示する通知処理を行う通知部を備える。

　本例によれば、第１処理装置および第２処理装置の少なくとも一方は、第２処理装置がスクリーンに表示する画像が更新できないことをユーザに通知する通知画像をスクリーンに表示する。この通知画像を表示する通知処理は、第２処理装置の表示準備が完了する前に実行可能になる処理である。したがって、第２処理装置がスクリーンに表示する画像が更新できない状態において、通知画像を表示することができる。この通知画像がスクリーンに表示されることにより、ユーザは、第２処理装置がスクリーンに表示する画像が更新できないことが分かる。したがって、ユーザが、スクリーンに表示されている画像が更新できないことを知らずに、その画像を更新させる入力操作をしてしまうことが抑制される。その結果、スクリーンに表示されている画像を更新させる入力操作をしたにも関わらず、画像が更新されないことにより、ユーザに違和感を与えてしまうことが抑制できる。

　本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。
第１実施形態の車載表示システムの構成を示すブロック図、起動後画像が表示されているスクリーンを例示する図。マイクロコンピュータの処理を示すシーケンス図、準備中画像が表示されているスクリーンを例示する図、第２実施形態の車載表示システムの構成を示すブロック図、第２実施形態のマイクロコンピュータの処理を示すシーケンス図、第２実施形態の準備中画像が表示されているスクリーンを例示する図、第３実施形態の車載表示システムの構成を示すブロック図、第３実施形態のマイクロコンピュータの処理を示すシーケンス図、第３実施形態の準備中画像が表示されているスクリーンを例示する図である。

　＜第１実施形態＞
　以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。図１に示す車載表示システム１は、車両に搭載されており、表示装置１０と、少なくとも２つの第１マイクロコンピュータ２０Ｂ、第２マイクロコンピュータ２０Ａと、入力装置３０とを備えている。

　（表示装置１０の構成）
　表示装置１０は、１つのスクリーン１１（表示スクリーンとも言及される）を備えている。このスクリーン１１は、主ウインドウ１１ｍ（第２ウインドウ、第２表示領域とも言及される）と従ウインドウ１１ｓ（第１ウインドウ、第１表示領域とも言及される）を備えている。これら主ウインドウ１１ｍ、従ウインドウ１１ｓに対して、それぞれ画像生成器１２ｍ、１２ｓが備えられている。表示装置１０は、スクリーン１１が運転席の着座した運転手から視認できる位置に設置される。

　画像生成器１２ｍは、主ウインドウ１１ｍに表示する画像を生成する部分であり、たとえば、液晶ディスプレイであれば、液晶層、偏光板、光源を備えた構成である。他方の画像生成器１２ｓは、従ウインドウ１１ｓに表示する画像を生成する部分であり、構成は、画像生成器１２ｍと同様である。

　尚、第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂを含むものとして、画像描画装置は構成される。これら第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、通信線４０により互いに通信可能になっている。

　（第２マイクロコンピュータ２０Ａの構成）
　第２マイクロコンピュータ２０Ａは、第２処理装置とも言及される。この第２マイクロコンピュータ２０Ａは、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を備えており、ＣＰＵが、ＲＡＭの一時記憶機能を利用しつつＲＯＭに記憶されているプログラムを実行することで、描画部２１Ａ、更新指示部２２Ａ、完了通知部２３Ａとして機能する。なお、これらの部は、デバイスあるいはモジュールとも言及される。また、第２マイクロコンピュータ２０Ａが実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のＩＣ等によりハードウェア的に構成してもよい。

　第２マイクロコンピュータ２０Ａは、電源が投入されて起動するときに、これらの各部２１Ａ、２２Ａ、２３Ａや、その他の機能など、予め設定されている機能を起動させる起動処理を行う。

　描画部２１Ａは、画像生成器１２ｍに画像生成信号２４Ａを送信することにより、画像生成器１２ｍに、主ウインドウ１１ｍに表示させる画像を生成させる。画像生成器１２ｍが画像を生成すると、その画像が主ウインドウ１１ｍに表示させる。

　描画部２１Ａが画像生成器１２ｍに生成させる画像は、オーディオ機器に対する操作をユーザが入力するための画像、ナビゲーション機能を実行中に表示する種々の画像などがある。この描画部２１Ａは、入力装置３０から指示された入力信号と、その入力信号が入力されたときに表示している画像とに基づいて、入力信号がどの画像を選択したかを判断する。この判断結果に基づいて、画像生成器１２ｍに生成させる画像を変化させる。

　ただし、前述したように、第２マイクロコンピュータ２０Ａは起動時に起動処理を行う。この起動処理には、描画部２１Ａが画像を表示させるための表示準備処理も含まれる。表示準備処理は、たとえば、オーディオ機器を制御するためのプログラムを起動させる処理や、ナビゲーション機能を実行するためのプログラムを起動させる処理である。第２マイクロコンピュータ２０Ａに電源が投入されてから表示準備処理が終了するまでの期間である表示準備期間Ｔｐ（Ａ）は、主ウインドウ１１ｍに表示する画像を切り替えることができない。

　更新指示部２２Ａは、描画部２１Ａが画像生成器１２ｍに描画させている画像と、入力装置３０から入力された入力信号とに基づいて、入力信号がどの画像を選択したかを判断する。この判断結果に基づいて、従ウインドウ１１ｓに表示する画像を変化させる必要があるかどうかをさらに判断する。従ウインドウ１１ｓに表示する画像を変化させる必要があると判断した場合、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの描画部２１Ｂに更新指示信号を送信する。

　完了通知部２３Ａは、描画部２１Ａの表示準備が完了した場合に、そのことを示す準備完了信号を第１マイクロコンピュータ２０Ｂに送信する。

　（第１マイクロコンピュータ２０Ｂの構成）
　第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、第１処理装置とも言及される。この第１マイクロコンピュータ２０Ｂも、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を備えており、ＣＰＵが、ＲＡＭの一時記憶機能を利用しつつＲＯＭに記憶されているプログラムを実行することで、第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、描画部２１Ｂ、更新指示部２２Ｂとして機能する。なお、これらの部は、デバイスあるいはモジュールとも言及される。また、第１マイクロコンピュータ２０Ｂが実行する機能の一部または全部も、一つあるいは複数のＩＣ等によりハードウェア的に構成してもよい。

　第１マイクロコンピュータ２０Ｂも、電源が投入されて起動するときに、これらの各部２１Ｂ、２２Ｂや、その他の機能など、予め設定されている機能を起動させる起動処理を行う。描画部２１Ｂは、画像生成器１２ｓに画像生成信号２３Ｂを送信することにより、画像生成器１２ｓに、従ウインドウ１１ｓに表示させる画像を生成させる。画像生成器１２ｓが画像を生成すると、その画像が従ウインドウ１１ｓに表示させる。

　第１マイクロコンピュータ２０Ｂも起動時に起動処理を行う。第１マイクロコンピュータ２０Ｂが行う起動処理には、描画部２１Ｂが画像を表示させるための表示準備処理も含まれる。第１マイクロコンピュータ２０Ｂに電源が投入されてから表示準備処理が終了するまでの期間である表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）は、従ウインドウ１１ｓに表示する画像を切り替えることができない。ただし、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの起動時の演算量が、第２マイクロコンピュータ２０Ａの起動時の演算量よりも少ない等の理由により、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの起動時の表示準備時間は、第２マイクロコンピュータ２０Ａの起動時の表示準備時間よりも短い。

　したがって、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの表示準備処理は、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備処理よりも早く終了する。しかし、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了するまでは、第２マイクロコンピュータ２０Ａに主ウインドウ１１ｍの更新を指示しても、第２マイクロコンピュータ２０Ａは主ウインドウ１１ｍを更新することができない。

　そこで、描画部２１Ｂは、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了するまでは、従ウインドウ１１ｓ内のスイッチ操作を無効にする。また、従ウインドウ１１ｓ内のスイッチ操作が無効であることを示すために、従ウインドウ１１ｓに、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了した以後に従ウインドウ１１ｓに表示する画像（以下、起動後画像６０）とは色調を変化させた画像を表示する。起動後画像６０に対して色調を変化させた画像は、第２マイクロコンピュータ２０Ａが表示準備中であるときに従ウインドウ１１ｓに表示することになるので、以下、この画像を準備中画像７０という。図２、図４に、起動後画像６０、準備中画像７０を例示している。これらの説明は後述する。

　色調は、色の明度と彩度によって分けられる色の系統を意味しており、本実施形態における色調の変化は、起動後画像６０の色調を、グレーアウト、あるいは、トーンダウンさせる変化である。

　準備中画像７０を従ウインドウ１１ｓに表示した後、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了したことを、第２マイクロコンピュータ２０Ａの完了通知部２３Ａが通知した場合に、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの描画部２１Ｂは、従ウインドウ１１ｓに表示している画像を、起動後画像６０とする。

　準備中画像７０は、表示準備が完了した場合に第１マイクロコンピュータ２０Ｂが表示することができる画像であり、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの表示準備は、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備よりも先に完了する。すなわち、準備中画像７０を表示する処理は、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了する前に実行可能になる処理である。

　準備中画像７０は、起動後画像６０に対して、色調がグレーアウトあるいはトーンダウンさせられていることから、準備中画像７０に表示されているスイッチも、まだ、操作できないと、ユーザは認識することができる。準備中画像７０には、主ウインドウ１１ｍの表示を更新する際にユーザが操作するスイッチ画像も含まれている。たとえば、図４に例示している主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２などである。

　準備中画像７０は、全体が、起動後画像６０に対して色調がグレーアウトあるいはトーンダウンさせられているので、主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２の色調も、グレーアウトあるいはトーンダウンさせられている。したがって、主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２も
操作できないことを、ユーザは認識することができる。換言すれば、準備中画像７０に含まれており、起動後画像６０に対して色調がグレーアウトあるいはトーンダウンさせられた主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２は、ユーザに、主ウインドウ１１ｍを更新することができないことを通知していると言える。よって、準備中画像７０は、主ウインドウ１１ｍに表示する画像を更新することができないことをユーザに通知していることになるので、準備中画像７０は通知画像とも言及される。また、この準備中画像７０を表示する処理を行う描画部２１Ｂは通知部とも言及される。

　準備中画像７０の表示タイミングのうち、表示終了タイミングは、第１マイクロコンピュータ２０Ｂが、通信線４０を介した通信により、第２マイクロコンピュータ２０Ａから準備完了信号を取得したタイミングである。準備完了信号を取得した場合には、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの描画部２１Ｂは、従ウインドウ１１ｓに表示している画像を、準備中画像７０から起動後画像６０に切り替える。

　更新指示部２２Ｂは、描画部２１Ｂが画像生成器１２ｓに描画させている画像と、入力装置３０から入力された入力信号とに基づいて、入力信号がどの画像を選択したかを判断する。この判断結果に基づいて、主ウインドウ１１ｍに表示する画像を変化させる必要があるかどうかをさらに判断する。主ウインドウ１１ｍに表示する画像を変化させる必要があると判断した場合、第２マイクロコンピュータ２０Ａの描画部２１Ａに更新指示信号を送信する。

　入力装置３０は、たとえば、表示装置１０から離隔した位置に設けられた遠隔操作デバイスである。この遠隔操作デバイスは、スクリーン１１に表示されたポインタを移動させる際にユーザが操作する移動操作部と、ポインタの位置に表示されている画像を選択する際にユーザが操作する選択操作部とを備える。また、遠隔操作デバイスに加えて、あるいは、遠隔操作デバイスに代えて、スクリーン１１に重畳させたタッチパネルを入力装置３０として備えていてもよい。

　（スクリーン１１の画像例）
　図２には、スクリーン１１に表示される画像例である。図２の例では、主ウインドウ１１ｍには、ディスク画像５０が表示されている。ディスク画像５０は、曲情報画像５１、ＣＤジャケット画像５２、一時停止スイッチ画像５３、ランダム再生スイッチ画像５４、リピート再生スイッチ画像５５、設定変更スイッチ画像５６などを含んだ画像である。

　曲情報画像５１は、曲名、アルバム名、アーティスト名を表示している画像であり、ＣＤジャケット画像５２は選択中のＣＤジャケットの画像である。一時停止スイッチ画像５３は、再生中の音楽を一時停止させる際にユーザが選択する画像である。ランダム再生スイッチ画像５４は、再生モードをランダム再生モードにする際にユーザが選択するスイッチを表した画像であり、リピート再生スイッチ画像５５は、再生モードをリピート再生モードにする際にユーザが選択するスイッチを表す画像である。

　図２において、従ウインドウ１１ｓには起動後画像６０が表示されている。図２の例においては、起動後画像６０は、切替スイッチ画像６１、主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２、曲情報画像６３を含んでいる。

　切替スイッチ画像６１は、従ウインドウ１１ｓにおいて切替スイッチ画像６１よりも下の画像の種類を切り替える際にユーザが選択操作をするスイッチを表した画像である。主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２は、主ウインドウ１１ｍに表示させる画像を切り替える際にユーザが選択操作するスイッチを表した画像である。主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２には、呼び出す画像の種類を表している種別画像６２ａが含まれている。この主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２を含んでいる起動後画像６０は入力画像とも言及される。

　この主ウインドウ呼び出しスイッチ画像６２が選択されると、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの更新指示部２２Ｂは、選択時に、種別画像６２ａに表示されている種類の画像を主ウインドウ１１ｍに表示させることを指示する更新指示信号を第２マイクロコンピュータ２０Ａに送信する。

　曲情報画像６３は、主ウインドウ１１ｍの曲情報画像５１と同じ情報を表している画像である。従ウインドウ１１ｓにおいて、曲情報画像６３を表示している領域は、詳細表示領域６４であり、　詳細表示領域６４には、曲情報画像６３以外にも種々の画像が表示される。詳細表示領域６４に表示される画像は、主ウインドウ１１ｍに表示されている画像と関連する画像である場合もある。

　主ウインドウ１１ｍに表示されている画像と関連する画像を従ウインドウ１１ｓに表示させる場合には、第２マイクロコンピュータ２０Ａの更新指示部２２Ａが更新指示信号を第１マイクロコンピュータ２０Ｂに送信する。この更新指示信号を、第１マイクロコンピュータ２０Ｂが受信すると、受信した更新指示信号の内容に基づいて、詳細表示領域６４に表示する画像を切り替える。

　（第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの処理の流れ）
　図３は、第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの処理を示すシーケンス図であり、処理を実行する第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂから下方に延びる直線は時間軸を表している。この中で、各処理が実行されるが、各処理は、セクションあるいはステップとも言及され、例えば、Ｓ１と記載される。

　第２マイクロコンピュータ２０Ａと第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、時刻ｔ１において同時に電源がオンされる。電源がオンになると、第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、起動時に立ち上げるべきプログラムを立ち上げるなど、表示準備処理を含めた起動処理を開始する。

　図３に示すように、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）は、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備期間Ｔｐ（Ａ）よりも早く終了する。そのため、時刻ｔ２において第１マイクロコンピュータ２０Ｂは表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了する。表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了すると、第１マイクロコンピュータ２０Ｂの描画部２１Ｂは、従ウインドウ１１ｓに準備中画像７０を表示する（Ｓ１）。従ウインドウ１１ｓに準備中画像７０が表示されたとき、第２マイクロコンピュータ２０Ａは、まだ表示準備期間Ｔｐ（Ａ）が終了していない。したがって、図４に示すように、スクリーン１１のうち主ウインドウ１１ｍには画像は表示されていない。一方、従ウインドウ１１ｓには準備中画像７０が表示されている。

　この準備中画像７０を表示しているときは、準備中画像７０内に含まれているスイッチ操作も無効とする。すなわち、準備中画像７０内に含まれている種々のスイッチが選択操作されても、その選択操作は受け付けない。

　時刻ｔ３になると、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備期間Ｔｐ（Ａ）が終了する。すなわち、主ウインドウ１１ｍに対する表示準備が完了する。このとき、通信線４０を介して、完了通知部２３Ａが準備完了信号を第１マイクロコンピュータ２０Ｂに送信する（Ｓ２）。

　第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、この準備完了信号を受信すると、従ウインドウ１１ｓに表示していた準備中画像７０の色調を変化させて起動後画像６０とする。また、起動後画像６０内に含まれているスイッチ操作を有効化する（Ｓ３）。

　その後の時刻である時刻ｔ４において、従ウインドウ１１ｓ内に表示しているスイッチが操作され、そのスイッチ操作が主ウインドウ１１ｍに表示する画像を変化させる操作であれば、第２マイクロコンピュータ２０Ａの描画部２１Ａに更新指示信号を送信する（Ｓ４）。

　この更新指示信号を受信した第２マイクロコンピュータ２０Ａは、主ウインドウ１１ｍに表示している画像を、更新指示信号に基づいて定まる画像に更新する。

　（第１実施形態の効果）
　以上、説明した本実施形態によれば、第１マイクロコンピュータ２０Ｂが備える描画部２１Ｂは、第２マイクロコンピュータ２０Ａが主ウインドウ１１ｍに表示する画像が更新できないことをユーザに通知する準備中画像７０を従ウインドウ１１ｓに表示する。この準備中画像７０を表示する処理は、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了する前に実行可能になる処理である。したがって、第２マイクロコンピュータ２０Ａが主ウインドウ１１ｍに表示する画像が更新できない状態において、準備中画像７０を表示することができる。

　この準備中画像７０が従ウインドウ１１ｓに表示されることにより、ユーザは、スクリーン１１が更新できないことが分かる。したがって、ユーザが、スクリーン１１に表示されている画像が更新できないことを知らずに、その画像を更新させる入力操作をしてしまうことが抑制される。その結果、スクリーン１１に表示されている画像を更新させる入力操作をしたにも関わらず、画像が更新されないことにより、ユーザに違和感を与えてしまうことが抑制できる。

　また、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備処理が終了していないにも関わらず、主ウインドウ１１ｍに表示する画像を変更させる操作をしてしまうと、表示準備処理に悪影響がある可能性もある。しかし、本実施形態では、表示準備処理が終了していない間に、主ウインドウ１１ｍに表示する画像を変更させる操作をしてしまうことが抑制されるので、表示準備処理を実行中にトラブルが生じてしまうことも抑制される。

　＜第２実施形態＞
　次に、第２実施形態を説明する。この第２実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。

　第２実施形態の車載表示システム１００は、図５に示すように、第１実施形態の第１マイクロコンピュータ２０Ｂに代えて、第１マイクロコンピュータ１２０Ｂを備える。その他の構成は第１実施形態と同じである。

　第１マイクロコンピュータ１２０Ｂは、第１実施形態の描画部２１Ｂに代えて、描画部１２１Ｂを備え、また、第１実施形態と同じ更新指示部２２Ｂを備える。描画部１２１Ｂは、表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了した後に従ウインドウ１１ｓに表示させる画像が、第１実施形態の描画部２１Ｂと異なる。その他は、第１実施形態の描画部２１Ｂと同様である。

　具体的には、描画部１２１Ｂは、表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了した場合、図６に示す準備中画像８０を従ウインドウ１１ｓに表示する。図６に示すように、準備中画像８０は、「しばらくお待ちください」というメッセージが表された画像である。この準備中画像８０を見たユーザは、起動処理中であることが分かる。したがって、準備中画像８０に表示されているメッセージは、起動中メッセージとも言及され、準備中画像８０は通知画像とも言及される。また、描画部１２１Ｂは通知部とも言及される。

　次に、描画部１２１Ｂの処理を、図７に示しているシーケンス図を用いて説明する。第１マイクロコンピュータ１２０Ｂは表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了した時刻ｔ２において、起動中メッセージを表している前述の準備中画像８０を従ウインドウ１１ｓに表示する（Ｓ１－１）。この準備中画像８０にはスイッチが表示されていないので、当然、従ウインドウ１１ｓ内のスイッチ操作も無効である。

　準備中画像８０を従ウインドウ１１ｓに表示しているときは、第２マイクロコンピュータ２０Ａはまだ表示準備処理が終了していないので、図６に示すように、主ウインドウ１１ｍには、何も表示されていない。

　時刻ｔ２よりも後の処理は第１実施形態と同じであり、時刻ｔ３において、第２マイクロコンピュータ２０Ａの表示準備が完了すると、完了通知部２３Ａが準備完了信号を第１マイクロコンピュータ２０Ｂに送信する（Ｓ２）。第１マイクロコンピュータ２０Ｂは、この準備完了信号を受信すると、準備中画像８０を消去して、代わりに、起動後画像６０を表示し、かつ、起動後画像６０内に含まれているスイッチ操作を有効化する（Ｓ３）。

　＜第３実施形態＞
　次に、第３実施形態を説明する。第３実施形態の車載表示システム２００は、図８に示すように、第１実施形態の第２マイクロコンピュータ２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２０Ｂに代えて、第２マイクロコンピュータ２２０Ａ、第１マイクロコンピュータ２２０Ｂを備える。その他の構成は第１実施形態と同じである。

　第２マイクロコンピュータ２２０Ａは、第１実施形態の描画部２１Ａに代えて、描画部２２１Ａを備え、また、第１実施形態と同じ更新指示部２２Ａを備える。一方、第１実施形態の第２マイクロコンピュータ２０Ａが備えていた完了通知部２３Ａは備えていない。

　描画部２２１Ａは、表示準備処理が第１実施形態の描画部２１Ａと相違する。具体的には、描画部２２１Ａは、表示準備処理において、表示準備中であることを通知する準備中表示プログラムを優先的に起動させる。

　この準備中表示プログラムは、表示準備処理が完了する前に第１マイクロコンピュータ２２０Ｂから更新指示信号が送信された場合に、起動処理中であること意味するメッセージが表された準備中画像９０を主ウインドウ１１ｍに表示させるためのプログラムである。

　図９に準備中画像９０を例示している。図９に例示している準備中画像９０は、起動処理中であることを意味するメッセージとして「しばらくお待ちください」というメッセージが表されている。この準備中画像９０は、第２実施形態の準備中画像８０と同様、通知画像とも言及され、描画部２２１Ａは通知部とも言及される。

　準備中表示プログラムは、更新指示信号が送信されたことを判断して、準備中画像９０を主ウインドウ１１ｍに表示させるだけのプログラムであることから、短時間で起動させることができる。描画部２２１Ａは、この準備中表示プログラムを、第１マイクロコンピュータ２２０Ｂの表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了する前に起動させる。これ以外の描画部２２１Ａの処理は、第１実施形態の描画部２１Ａと同じである。

　第１マイクロコンピュータ２２０Ｂは、第１、２実施形態の描画部２１Ｂ、１２１Ｂに代えて、描画部２２１Ｂを備え、また、第１、２実施形態と同じ更新指示部２２Ｂを備える。描画部２２１Ｂは、表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了した後、準備中画像７０、８０を表示せずに、即座に、起動後画像６０を従ウインドウ１１ｓに表示する。また、起動後画像６０を表示したときから、従ウインドウ１１ｓ内のスイッチ操作を有効化する。その他は、第１実施形態の描画部２１Ｂと同様である。

　次に、描画部２２１Ａ、２２１Ｂの処理を、図１０に示しているシーケンス図を用いて説明する。第１マイクロコンピュータ２２０Ｂは、表示準備期間Ｔｐ（Ｂ）が終了した時刻ｔ２において、従ウインドウ１１ｓに、起動後画像６０を表示するとともに、従ウインドウ１１ｓ内のスイッチ操作を有効化する（Ｓ１－２）。

　これにより、時刻ｔ２－１に示すように、第２マイクロコンピュータ２２０Ａの表示準備期間Ｔｐ（Ａ）が終了していない状況であっても、第１マイクロコンピュータ２２０Ｂから第２マイクロコンピュータ２２０Ａに更新指示信号が送信されることがある。

　第２マイクロコンピュータ２２０Ａは、表示準備期間Ｔｐ（Ａ）が終了していない状況で更新指示信号が送信された場合には、一定時間、図９に例示しているように、準備中画像９０を主ウインドウ１１ｍに表示する（Ｓ１－３）。第２マイクロコンピュータ２２０Ａの表示準備期間Ｔｐ（Ａ）が終了する時刻ｔ３以降の処理は、図３と同じである。

　（変形例）
　たとえば、第１実施形態では、準備中画像７０を表示するとともに、従ウインドウ１１ｓ内のスイッチ操作を無効としていたが、スイッチ操作を無効とすることは必須ではない（変形例１）。

　なお、準備中画像７０内のスイッチ操作を有効とする場合、第３実施形態と組み合わせ、第２マイクロコンピュータ２０Ａに更新指示信号が送信された場合に、主ウインドウ１１ｍに準備中画像９０を表示させることが好ましい（変形例２）。

　本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims

　第１処理装置（２０Ｂ）と第２処理装置（２０Ａ）とを含む、互いに通信可能な複数の処理装置を備え、１つのスクリーン（１１）に対する描画処理を前記複数の処理装置により行う画像描画装置であって、
　前記第１処理装置（２０Ｂ）は、起動時の第１表示準備時間をもち、前記第２処理装置（２０Ａ）は、起動時の第２表示準備時間を持ち、前記第１準備表示時間は、前記第２表示準備時間より短く、
　前記第１処理装置は、前記スクリーンにユーザによる入力操作を受け付ける入力画像（６０）を表示し、
　前記第１処理装置、あるいは、第２処理装置の、少なくとも一方は、前記第２処理装置の表示準備が完了する前に実行可能になる処理であって、前記第２処理装置が前記スクリーンに表示する画像が更新できないことをユーザに通知する通知画像（７０、８０、９０）を、表示タイミングを前記第１処理装置と前記第２処理装置との間の通信により制御して、前記スクリーンに表示する通知処理を行う通知部（２１Ｂ、１２１Ｂ、２２１Ａ）を備える
　画像描画装置。
　請求項１において、
　前記第２処理装置は、起動時の表示準備が完了した場合、前記第１処理装置に前記表示準備が完了したことを表す準備完了信号を送信し、
　前記第１処理装置が前記通知部（２１Ｂ）を備え、
　前記通知部は、前記第１処理装置の起動時の表示準備が完了したことに基づいて、前記通知画像（７０）として、前記入力画像の色調を前記第２処理装置から前記準備完了信号を受信した後とは異ならせた画像を、前記スクリーンに表示し、前記第２処理装置から前記準備完了信号を受信したことに基づいて、前記通知画像の色調を変化させて前記入力画像とする
　画像描画装置。
　請求項１において、
　前記第２処理装置は、起動時の表示準備が完了した場合、前記第１処理装置に前記表示準備が完了したことを表す準備完了信号を送信し、
　前記第１処理装置が前記通知部（１２１Ｂ）を備え、
　前記通知部は、前記第１処理装置の起動時の表示準備が完了したことに基づいて、前記通知画像（８０）として、起動処理中であることを意味する起動中メッセージを前記スクリーンに表示し、前記第２処理装置から前記準備完了信号を受信したことに基づいて、前記起動中メッセージを消去して、前記入力画像を前記スクリーンに表示する
　画像描画装置。
　請求項１において、
　前記第２処理装置が前記通知部（２２１Ａ）を備え、
　前記第１処理装置は、起動時の表示準備が完了したことに基づいて前記入力画像を表示し、ユーザが前記入力画像に対して行なった入力操作が、前記第２処理装置が前記スクリーンに表示する画像を更新させることを指示する操作であった場合、前記指示を表す更新指示信号を前記第２処理装置に送信し、
　前記第２処理装置が備える前記通知部は、前記第２処理装置の起動時の表示準備が完了していない期間に前記更新指示信号を受信したとき、前記通知画像（９０）として、起動処理中であることを意味する起動中メッセージを前記スクリーンに表示する
　画像描画装置。