WO2015182235A1 - 粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、インクリボン - Google Patents

粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、インクリボン Download PDF

Info

Publication number
WO2015182235A1
WO2015182235A1 PCT/JP2015/059796 JP2015059796W WO2015182235A1 WO 2015182235 A1 WO2015182235 A1 WO 2015182235A1 JP 2015059796 W JP2015059796 W JP 2015059796W WO 2015182235 A1 WO2015182235 A1 WO 2015182235A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
layer
adhesive tape
printed
ultraviolet curable
tape
Prior art date
Application number
PCT/JP2015/059796
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
春樹 松元
Original Assignee
ブラザー工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2014109239A external-priority patent/JP6256762B2/ja
Priority claimed from JP2014109241A external-priority patent/JP6226136B2/ja
Priority claimed from JP2014109240A external-priority patent/JP6278194B2/ja
Priority claimed from JP2014109238A external-priority patent/JP6268532B2/ja
Application filed by ブラザー工業株式会社 filed Critical ブラザー工業株式会社
Publication of WO2015182235A1 publication Critical patent/WO2015182235A1/ja

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/36Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for portability, i.e. hand-held printers or laptop printers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • B41M5/392Additives, other than colour forming substances, dyes or pigments, e.g. sensitisers, transfer promoting agents
    • B41M5/395Macromolecular additives, e.g. binders
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/40Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
    • B41M5/42Intermediate, backcoat, or covering layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/20Adhesives in the form of films or foils characterised by their carriers
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Printers Characterized By Their Purpose (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

【課題】ロールからの繰り出し時における印字への悪影響防止等を図りつつ、印字済み粘着テープが貼り付けて使用されるときの防汚性を維持する。 【解決手段】基材層153と、その厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着剤層152と、基材層153の厚さ方向の他方側に設けられた剥離剤層154と、を有する、被印字粘着テープ150を搬送する搬送工程と、インクリボンIBに備えられた、紫外線硬化樹脂層を含む転写層155'を、搬送される被印字粘着テープ150に対して転写して所望の印字を形成し、印字済み粘着テープ150'とする印字工程と、印字工程で印字が形成された印字済み粘着テープ150"に対し、紫外線を照射することにより、紫外線硬化樹脂層を硬化させる照射工程と、照射工程で紫外線が照射された印字済み粘着テープ150"を巻き取ることにより、印字済みテープロールR2を形成する巻き取り工程と、を有する。

Description

粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、インクリボン
 本発明は、粘着テープに所望の印刷を行う粘着テープ印刷装置及び粘着テープの印刷方法、その方法により生成される粘着テープロール、上記方法において使用されるインクリボンに関する。
 裏面に粘着層(糊面)を備えた被印字粘着テープを搬送しつつ、所望の印字を形成する、粘着テープの印刷方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術において、印字が形成された印字済み粘着テープ(耐洗文字入りテープ)は、芯材まわりに、順次ロール状に巻き取られる。
 また、被印字媒体(メディア)に紫外線硬化インクを用いて印字を形成した後、当該形成された印字部分に紫外線を照射して硬化させる技術が、既に知られている(例えば、特許文献2参照)。
実用新案登録第3093958号公報 特開2010-280828号公報
 上記特許文献1に記載の技術においては、生成された印字済み粘着テープは、ユーザが適宜の被着体に対し貼り付けることで使用することができる。あるいは、上記特許文献1に記載の印字形成時に、上記特許文献2に記載の手法を適用することが考えられる。この場合も、搬送される被印字粘着テープの表面に対し、紫外線硬化インクによる印字層が形成されて、上記印字済み粘着テープが生成され、生成された印字済み粘着テープは、ユーザが適宜の被着体に対し貼り付けることで使用することができる。それらの使用の際、表面に汚れやゴミが付着しにくくなるように(防汚性を保つように)、上記被印字粘着テープとして、予め表面に何らかの剥離性の剥離層を備えるものを使用することが考えられる。その場合には、被印字粘着テープは、表面側に剥離層を備え、裏面側に粘着層を備える、積層構造となる。表面側に剥離層が設けられることにより、上記のようにして使用されるときに表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 しかしながら、上記のような構成とする場合、以下の新たな課題が生じる。すなわち、上記のような構成の被印字粘着テープを用いて印字形成を行った場合には、剥離層の表面に印字が形成されて印字済み粘着テープが生成されることとなる。したがって、この印字済み粘着テープが巻き取られて生成した印字済み粘着テープロールでは、あるテープ層の剥離層の表面に位置する印字部分と、当該テープ層のロール径方向外側に隣接するテープ層の裏面に位置する粘着層とが、ロール径方向に接する状態となる。このとき、上記印字部分と上記剥離層との密着性がもし小さい場合には、使用時に、上記印字済み粘着テープロールから印字済み粘着テープが繰り出されて使用されるとき、上記剥離層上の印字部分が粘着層側へと引き剥がされてしまい、形成済みの印字内容の品質に悪影響を与える恐れがあった。
 本発明の目的は、ロールからの繰り出し時における印字への悪影響防止等を図りつつ、印字済み粘着テープが貼り付けて使用されるときの防汚性を維持できる、粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、及びインクリボンを提供することにある。
 上記目的を達成するために、本願発明は、テープ基材層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の他方側に設けられた剥離層と、を備えた被印字粘着テープを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字粘着テープに対し、紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分を供給することにより、前記紫外線硬化成分を含む層を形成し、印字済み粘着テープとする印字手段と、前記印字手段により前記紫外線硬化成分を含む層が形成された前記印字済み粘着テープに対し、紫外線を照射して前記紫外線硬化成分を硬化させる照射手段と、前記印字済み粘着テープをロール状に巻き取ることにより、印字済み粘着テープロールを形成する巻き取り手段と、を有することを特徴とする。
 本願発明の粘着テープ印刷装置では、搬送手段により搬送される被印字粘着テープに対し、印字手段が、紫外線硬化成分を供給することで、印字済み粘着テープが生成される。ユーザは、所望の長さのこの印字済み粘着テープを適宜の被着体に対し貼り付けることで、例えばラベルや梱包用の封止材として使用する。このとき、被印字粘着テープは、厚さ方向の他方側(例えば上側)から一方側(例えば下側)に向かって、剥離層、テープ基材層、及び粘着層、をこの順序で含む積層構造となっている。テープ基材層の上記他方側に剥離層が設けられることにより、上記のようにラベルや封止材として使用されるときに表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 そして、本願発明においては、上記印字済み粘着テープが巻き取り手段により巻き取られ、印字済み粘着テープロールとして生成される。上述のように印字済み粘着テープが剥離層、テープ基材層、及び粘着層、をこの順序で含むことから、上記生成された粘着テープロールにおいては、紫外線硬化成分を含む層が付着している部分では、紫外線硬化成分を含む層の他方側(例えば上側)表面と粘着層とがロールの径方向に接する状態となる。このとき、紫外線硬化成分を含む層と剥離層との密着性が小さいと、ロールから印字済み粘着テープが繰り出されて使用されるとき、インクリボンから剥離層に付着した紫外線硬化成分を含む層が再び粘着層側へと引き剥がされ、印字に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本願発明においては、照射手段が設けられる。この照射手段によって、紫外線硬化成分を含む層に備えられた紫外線硬化成分に対し紫外線照射が行われて当該紫外線硬化成分を硬化させ、剥離層に対し強固に密着させることができる。この結果、前述したように紫外線硬化成分を含む層が剥離層から引き剥がされるのを防止することができる。
 以上のように、本願発明においては、ロールからの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持することができる。
 また、上記目的を達成するために、本願発明の粘着テープの印刷方法は、テープ基材層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の他方側に設けられた剥離層と、を有する、被印字粘着テープを搬送する搬送工程と、前記搬送工程で搬送される前記被印字粘着テープに対し、紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分を供給することにより、前記紫外線硬化成分を含む層を形成し、印字済み粘着テープとする印字工程と、前記印字工程で前記紫外線硬化成分を含む層が形成された前記印字済み粘着テープに対し、紫外線を照射して前記紫外線硬化成分を硬化させる照射工程と、前記印字済み粘着テープを巻き取ることにより、印字済み粘着テープロールを形成する巻き取り工程と、を有することを特徴とする。
 本願発明の印刷方法により生成される印字済み粘着テープは、印字工程において、被印字粘着テープに対し、紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分が供給されることで、紫外線硬化成分を含む層が形成(いわゆる印字形成)される。ユーザは、所望の長さのこの印字済み粘着テープを適宜の被着体に対し貼り付けることで、例えばラベルや梱包用の封止材として使用する。このとき、被印字粘着テープは、厚さ方向の他方側(例えば上側)から一方側(例えば下側)に向かって、剥離層、テープ基材層、及び粘着層、をこの順序で含む積層構造となっている。テープ基材層の上記他方側に剥離層が設けられることにより、上記のようにラベルや封止材として使用されるときに表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 そして、本願発明においては、上記印字済み粘着テープが巻き取り工程で巻き取られ、印字済み粘着テープロールとして生成される。上述のように印字済み粘着テープが剥離層、テープ基材層、及び粘着層、をこの順序で含むことから、上記生成された粘着テープロールにおいては、紫外線硬化成分を含む層が形成されている部分では、紫外線硬化成分を含む層の他方側(例えば上側)表面と粘着層とがロールの径方向に接する状態となる。このとき、紫外線硬化成分を含む層と剥離層との密着性が小さいと、ロールから印字済み粘着テープが繰り出されて使用されるとき、上記紫外線硬化成分を含む層が再び粘着層側へと引き剥がされ、印字に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本願発明においては、照射工程において、紫外線硬化成分を含む層に備えられた紫外線硬化成分に対し紫外線照射が行われて当該紫外線硬化成分が硬化しており、これによって剥離層に対し強固に密着されている。これにより、上記のような紫外線硬化成分を含む層の引き剥がしを防止することができる。
 以上のように、本願発明においては、ロールからの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持することができる。
 また、上記目的を達成するために、本願発明の粘着テープロールは、厚さ方向寸法を備え、テープ本体と、前記テープ本体に形成された印字層と、を有する印字済み粘着テープであって、前記テープ本体が、テープ基材層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の他方側に設けられた剥離層と、を有し、前記印字層が、紫外線の露光により硬化した紫外線硬化成分を含む層である、前記印字済み粘着テープを、前記剥離層を外周側としつつ所定の軸芯回りに巻回して構成されたことを特徴とする。
 本願発明の粘着テープロールに巻回される印字済み粘着テープは、テープ本体に印字層が形成(いわゆる印字形成)されることにより、構成されている。ユーザは、所望の長さのこの印字済み粘着テープを適宜の被着体に対し貼り付けることで、例えばラベルや梱包用の封止材として使用する。このとき、テープ本体は、厚さ方向の他方側(例えば上側)から一方側(例えば下側)に向かって、剥離層、テープ基材層、及び粘着層、をこの順序で含む積層構造となっている。テープ基材層の上記他方側に剥離層を設けることにより、上記のようにラベルや封止材として使用されるときに表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 そして、本願発明においては、上記印字済み粘着テープが、所定の軸心まわりに巻回したロールとして生成される。上述のように印字済み粘着テープのテープ本体が剥離層、テープ基材層、及び粘着層、をこの順序で含むことから、本願発明の粘着テープロールにおいては上記印字層が形成されている部分では、当該印字層の他方側(例えば上側)表面と粘着層とがロールの径方向に接する状態となる。このとき、印字層と剥離層との密着性が小さいと、ロールから印字済み粘着テープが繰り出されて使用されるとき、形成された上記印字層が再び粘着層側へと引き剥がされ、印字に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本願発明においては、印字層が、紫外線の露光により硬化した紫外線硬化成分を含む層を有している。すなわち、印字層に備えられた紫外線硬化成分が、紫外線照射によって硬化し剥離層に対し強固に密着されている。これにより、上記のような印字層の引き剥がしを防止することができる。
 以上のように、本願発明においては、ロールからの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持することができる。
 また、上記目的を達成するために、本願発明は、厚さ方向寸法を備えたインクリボンであって、リボン基材層と、前記リボン基材層の前記厚さ方向の一方側に隣接して設けられるとともに、所定の受熱により溶融して前記リボン基材層から分離可能なアンダーコート層と、前記アンダーコート層の前記一方側に隣接して設けられたインク層と、前記インク層の前記一方側に隣接して設けられるとともに、6以上11以下である溶解度パラメータの値を備え、転写対象に対して付着可能なオーバーコート層と、を有し、前記オーバーコート層、前記インク層、及び、前記アンダーコート層のうち、少なくとも1層に、紫外線硬化樹脂の層が含まれていることを特徴とする。
 本願発明のインクリボンは、リボン基材層、アンダーコート層、インク層、オーバーコート層、を備えている。このとき、アンダーコート層は、所定の受熱により溶融してリボン基材層から分離可能となっている。上記受熱によりアンダーコート層がリボン基材層から分離することにより、上記アンダーコート層、インク層、オーバーコート層を例えば粘着テープに転写させて転写層を形成(いわゆる印字形成)し、印字済み粘着テープとすることができる。ユーザは、所望の長さのこの印字済み粘着テープを適宜の被着体に対し貼り付けることで、例えばラベルや梱包用の封止材として使用する。
 このとき、上記印字済み粘着テープが、所定の軸心まわりに巻回したロールとして生成される場合があり得る。通常、粘着テープには裏面側に粘着層が備えられることから、上記ロールにおいては、転写層が転写されている部分では、転写層と粘着層とがロールの径方向に接する状態となる可能性がある。このとき、転写層の粘着テープへの密着性が小さいと、ロールから印字済み粘着テープが繰り出されて使用されるとき、インクリボンから粘着テープに転写して形成された上記転写層が再び粘着層側へと引き剥がされ、印字に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本願発明においては、転写層に備えられるオーバーコート層、インク層、及び、アンダーコート層のうち少なくとも1層に紫外線硬化樹脂の層が含まれている。これにより、上記のようにして粘着テープに転写層が転写された後、当該転写層に備えられた紫外線硬化樹脂の層に対し紫外線照射を行うことで、紫外線硬化によって転写層を粘着テープに対し強固に密着ささせることが可能となる。これにより、上記のような転写層の引き剥がしを防止することができる。
 一方、上記のようにしてロールから粘着テープを繰り出すときの便宜を図るために、粘着テープの表面側に剥離層が設けられる場合がある。このような剥離層を設けることで、印字済み粘着テープが被着体に対し貼り付けられ使用される際に、表面に汚れやゴミが付着しにくくして防汚性を保つことができる。このとき、より軽い負荷で粘着層を引き剥がせるようにするために、剥離層は、比較的溶解度パラメータの値が低い材料(例えばオレフィン樹脂系剥離剤若しくは長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂系剥離剤等)によって構成される場合がある。
 なお、本願発明のインクリボンが上記粘着テープの剥離層へ転写する場合には、上記オーバーコート層が上記剥離層に付着することとなる。このときの転写性を良好にするためには、これら隣接する剥離層とオーバーコート層との密着性を増大させる必要があり、そのためには、剥離層の溶解度パラメータの値とオーバーコート層の溶解度パラメータの値との差が比較的小さいことが好ましい。
 そこで、本願発明のインクリボンでは、オーバーコート層として、(通常のテープ印字に用いられるインクリボンのように溶解度パラメータ値11等のものを使用せず)溶解度パラメータの値が6以上11以下の比較的低い値のものを採用している。これにより、オーバーコート層と剥離層との密着性を増大させることができるので、インクリボンから粘着テープの剥離層への転写性を向上することもできる。
 以上のように、本願発明においては、ロールからの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、印字済み粘着テープが貼り付けて使用されるときの防汚性を維持することができる。また、インクリボンからの転写性を向上することもできる。
 本発明によれば、ロールからの繰り出し時における印字への悪影響防止等を図りつつ、印字済み粘着テープが貼り付けて使用されるときの防汚性を維持することができる。
本発明の第1実施形態における、粘着テープ印刷装置の外観を表す斜視図である。 粘着テープ印刷装置の内部構造を表す側断面図である。 テープカートリッジの全体構成を表す上方からの斜視図である。 粘着テープ印刷装置の制御系の構成を表す機能ブロック図である。 印字済み粘着テープロール中における、印字済み粘着テープの積層構造を概念的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態における、粘着テープ印刷装置の内部構造を表す側断面図である。 粘着テープ印刷装置の第1開閉カバー、第2開閉カバー、及び前方側開閉カバーが開いた状態の外観を表す斜視図である。 粘着テープ印刷装置の第1開閉カバー、第2開閉カバー、及び前方側開閉カバーを開けてテープカートリッジ及びインクリボンカートリッジを取り外した状態を表す斜視図である。 粘着テープ印刷装置の制御系の構成を表す機能ブロック図である。 インクの転写挙動及び印字済み粘着テープロール中における積層構造を概念的に示す断面図である。 インクリボンを構成する、アンダーコート層、インク層、オーバーコート層それぞれの紫外線硬化樹脂含有のバリエーションを説明するための説明図である。 剥離剤の種類及び剥離性の良否と溶解度パラメータの大小との関係を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態における、粘着テープ印刷装置の内部構造を表す側断面図である。 粘着テープ印刷装置の制御系の構成を表す機能ブロック図である。 印字済み粘着テープロール中における積層構造を概念的に示す断面図である。 本発明の第4実施形態における、粘着テープ印刷装置の内部構造を表す側断面図である。 印字済み粘着テープロール中における積層構造を概念的に示す断面図である。
 以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前方(前)」「後方(後)」「左方(左)」「右方(右)」「上方(上)」「下方(下)」とは、その注記された方向を指す。
 <第1実施形態>
 本発明の第1実施形態を、図1~図5により説明する。
 <粘着テープ印刷装置の概略構成>
 まず、図1~図3を参照しつつ、本実施形態に係わる粘着テープ印刷装置の概略構成について説明する。
 <筐体>
 図1~図3において、本実施形態の粘着テープ印刷装置1は、装置外郭を構成する筐体2を有している。筐体2は、筐体本体2aと、後方側開閉部8と、前方側開閉カバー9と、を備えている。
 筐体本体2a内には、後方側に設けられた第1収納部3と、前方側に設けられた第2収納部5及び第3収納部4と、が備えられている。
 後方側開閉部8は、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この後方側開閉部8は、回動することで、第1収納部3の上方を開閉可能である。この後方側開閉部8は、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bにより構成されている。
 第1開閉カバー8aは、筐体本体2aの後方側の上部に設けられた所定の回動軸心K1まわりに回動することで、第1収納部3のうち前方側の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、第1収納部3のうち前方側の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第1収納部3のうち前方側の上方を露出させる開き位置までの間で回動可能である。
 第1開閉カバー8aの内部には、インクジェットヘッド10a(この実施形態での印字手段に相当)を備えたヘッド保持体10が設けられている。そして、第1開閉カバー8aは、上記の回動軸心K1まわりに回動することで、ヘッド保持部10に備えられた上記インクジェットヘッド10aを、筐体本体2aに設けられた搬送ローラ12によるテープ搬送経路に対して相対的に離反・近接可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、インクジェットヘッド10aがテープ搬送経路に対して近接した閉じ位置(図2の状態)から、インクジェットヘッド10aがテープ搬送経路から離反した開き位置までの間で回動可能である。
 第2開閉カバー8bは、上記第1開閉カバー8aよりも後方側に設けられており、筐体本体2aの後方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K2まわりに回動することで、第1収納部3のうち後方側の上方を、上記第1開閉カバー8aの開閉とは別個に開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー8bは、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図2の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置までの間で回動可能である。
 そして、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bは、それぞれが閉じ状態であるときに、当該第1開閉カバー8aの外周部18と当該第2開閉カバー8bの縁部19とが互いに略接触して、第1収納部3の上方の略全部を覆うように構成されている。
 前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K3まわりに回動することで、第3収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、前方側開閉カバー9は、第3収納部4の上方を覆う閉じ位置(図2の状態)から、第3収納部4の上方を露出させる開き位置までの間で回動可能である。
 <被印字テープロール及びその周辺>
 このとき、図2及び図3に示すように、筐体本体2aにおける、閉じ状態での前方側開閉カバー9の下方にある第1所定位置13には、テープカートリッジTKが着脱可能に装着される。このテープカートリッジTKは、軸心O1まわりに巻回形成された被印字テープロールR1を備えている。
 すなわち、テープカートリッジTKは、図3に示すように、被印字テープロールR1と、連結アーム16とを備えている。連結アーム16は、後方側に設けられた左・右一対の第1ブラケット部20,20と、前方側に設けられた左・右一対の第2ブラケット部21,21とを備えている。
 第1ブラケット部20,20は、上記被印字テープロールR1を、軸心O1に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では被印字テープロールR1を巻芯39(図2参照)のまわりに回転可能に保持する。これら第1ブラケット部20,20は、上端部において左右方向に略沿って延設された第1接続部22により被印字テープロールR1の外径との干渉を回避しつつ接続されている。
 被印字テープロールR1は、テープカートリッジTKが筐体本体2aの内部に装着された際には回転自在となる。被印字テープロールR1は、繰り出しにより消費される被印字粘着テープ150(後述する剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151を備える。図2中拡大図参照)を、あらかじめ左右方向の軸心O1まわりに巻回している。
 第1収納部3には、上記テープカートリッジTKの装着によって、被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、被印字粘着テープ150の巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、被印字粘着テープ150を繰り出す。
 本実施形態では、粘着性を備えた被印字粘着テープ150が用いられる場合を例示している。すなわち、被印字粘着テープ150は、剥離剤層154(剥離層に相当)、基材層153(テープ基材層に相当)、粘着剤層152(粘着層に相当)、剥離材層151が、図2の拡大図中の上方側(厚さ方向他方側に相当)から図2の拡大図中の下方側(厚さ方向一方側に相当)へ向かって、この順序で積層されている。剥離剤層154には、上記インクジェットヘッド10aによって、UVインク(紫外線の露光により硬化する紫外線硬化インク)が供給(すなわちこの例では吐出)される。そしてこれにより、紫外線硬化成分としての紫外線硬化樹脂を含み所望の印字を形成するインク層155(この実施形態における紫外線硬化インク層、印字形成用付着層、紫外線硬化成分を含む層に相当。図2中の部分拡大図参照)が付着形成される(剥離剤層154の材質や機能の詳細については後述)。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
 <基材層の種類の具体例>
 なお、基材層153を形成する基材の種類としては、例えば、以下の材料を使用することができる。
 1.ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMMA)、ポリブテン(PB)、ポリブタジエン(BDR)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン(NY)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、発泡ポリスチレン(FS/EPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、普通セロハン(PT)、防湿セロハン(MST)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ビニロン(VL)、ポリウレタン(PU)、トリアセチルセルソース(TAC)、
 2.金属箔<アルミニウム箔(AI)、銅箔>、真空蒸着(通常アルミニウムの)フィルム(VM)、
 3.上質紙、無塵紙、グラシン紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、ラミネート紙(ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等)などの紙
ユポ(合成)紙、クラフト紙
 4.不織布
 5.ガラスクロス
 <剥離層の種類の具体例>
 また、剥離剤層154は、例えばシリコーン系剥離剤(若しくは、オレフィン樹脂系剥離剤、若しくは、長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂系剥離剤等)により構成される。
 <オレフィン樹脂系剥離剤の具体例>
 剥離剤層154を形成する上記オレフィン樹脂系剥離剤としては、例えば結晶性オレフィン系樹脂等が使用できる。この結晶性オレフィン系樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる。
 1.エチレン系樹脂(分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)
 2.ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独ポリマー(プロピレン単独重合体)、プロピレン-α-オレフィンコポリマー(プロピレン-α-オレフィン共重合体)、なお、立体規則性α-オレフィン系樹脂という表記でもよい。また、上記結晶性オレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。)
 <長鎖アルキル系剥離剤の具体例>
 また、上記剥離剤層154を形成する上記長鎖アルキル系剥離剤としては、例えば下記のものが挙げられる。
 1.長鎖アルキル基含有化合物
 長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたもの→側鎖に炭素数8~30の長鎖アルキル基を有するもの。なお、上記炭素数が8未満となると剥離性能確保が難しい。また、炭素数が30を超えると入手性や取り扱いが困難である。このような剥離性ポリマーには、アルキルイソシアネートを原料成分としたウレタン系ポリマーなどの反応生成物、アクリル系重合体などがある。また、反応生成物は、ポリビニルアルコール系重合体やポリエチレンイミンなどに炭素数8~30の長鎖アルキル基を有するアルキルイソシアネートを反応させて生成できる。例えば、ポリビニルアルコール系重合体+長鎖アルキルイソシアネート→ポリビニルカーバメート、または、ポリエチレンイミン+長鎖アルキルイソシアネート→アルキル尿素誘導体、等の反応が挙げられる。
 <搬送ローラ、サブローラ及びヘッド>
 図2に戻り、筐体本体2aにおける第1収納部3及び第2収納部5の中間上方側には、上記搬送ローラ12(搬送手段に相当)が設けられている。第1開閉カバー8aのうち搬送ローラ12に対して被印字粘着テープ150を介し対向する部位(搬送ローラ12の上側)には、当該搬送ローラ12によって従動回転するサブローラ12aが設けられている。搬送ローラ12は、筐体本体2aの内部に設けられた搬送用モータM1によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、サブローラ12aと協働して第1収納部3に収納された被印字テープロールR1から繰り出される被印字粘着テープ150を、テープ幅方向が左右方向となるテープ姿勢で搬送する。
 また、第1開閉カバー8aに設けられた上記ヘッド保持部10には、上記インクジェットヘッド10aが備えられている。インクジェットヘッド10aは、搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字粘着テープ150の剥離剤層154に対し、所望の印字を形成して、印字済み粘着テープ150′とする。インクジェットヘッド10aは、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の4色のUVインク(紫外線硬化樹脂を含むインク)をそれぞれ吐出させることでフルカラー印刷可能となるように、複数のラインヘッドノズル(図示省略)がそれぞれ配管を介し対応する色のインクタンク(図示省略)に連結されている。また、インクジェットヘッド10aは、上記ラインヘッドノズルのそれぞれに圧電アクチュエータ(図示せず)が設けられている。そして、インクジェットヘッド制御回路300(後述する図4参照)の制御に基づき、印字データに応じて上記圧電アクチュエータが駆動制御されることにより、各ラインヘッドノズルから上記UVインクが被印字粘着テープ150の剥離剤層154に吐出されて、上記インク層155が形成される。
 また、インクジェットヘッド10aに対する搬送経路の上流側には、被印字テープロールR1から繰り出される被印字粘着テープ150を上方側からガイドし搬送経路を規制する、規制ローラ12bが設けられている。この規制ローラ12bにより、被印字テープロールR1から繰り出される被印字粘着テープ150は、(被印字粘着テープ150の消費に伴う被印字テープロールR1の径の変化に関係なく)上記規制ローラ12bの位置から第1ヘッド10aに対向する位置を経て、上記搬送ローラ12及びサブローラ12a相互間に挟持される位置まで、上流側から略直線状に搬送される。
 <剥離材ロール及びその周辺>
 図2、図3に示すように、テープカートリッジTKの連結アーム16は、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備えている。この引き剥がし部17は、被印字テープロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済み粘着テープ150′から、剥離材層151を引き剥がす部位である。上記のようにして印字が形成された印字済み粘着テープ150′は、図2に示すように、上記引き剥がし部17によって上記剥離材層151が引き剥がされることで、剥離材層151と、それ以外のインク層155、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152からなる印字済み粘着テープ150″とに分離される。
 テープカートリッジTKは、図2に示すように、上記引き剥がされた剥離材層151が軸心O3を備えた巻芯29まわりに巻回されることで形成される、上記剥離材ロールR3を有している。すなわち、上述したテープカートリッジTKの装着によって、剥離材ロールR3が上方から上記第2収納部5に受け入れられ、軸心O3が左右方向となる状態で収納される。そして、巻芯29は、第2収納部5に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において、筐体本体2aに設けられた剥離紙巻取用モータM3によりギア機構(図示省略)を介して駆動され、第2収納部5内で所定の回転方向(図2中のC方向)に回転することで、剥離材層151を巻き取る。
 このとき、図3に示すように、テープカートリッジTKの上記第2ブラケット部21,21は、上記剥離材ロールR3を、軸心O3に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では巻芯29(言い換えれば剥離材ロールR3)を当該軸心O3まわりに回転可能に保持する。これら第2ブラケット部21,21は、上端部において左右方向に略沿って延設された第2接続部23により接続されている。そして、後方側の第1ブラケット部20,20及び第1接続部22と、前方側の第2ブラケット部21,21及び第2接続部23とは、左・右一対のロール連結ビーム部24,24により連結されている。
 また、図3中では、巻芯29のまわりに剥離材層151が巻回され剥離材ロールR3が形成される前の状態(未使用のテープカートリッジTKである場合)を示している。すなわち、当該剥離材層151の幅方向両側を挟み込むように設けられている略円形のロールフランジ部f3,f4を図示するとともに、便宜的に剥離材ロールR3が形成される箇所に符号「R3」を付している。
 <印字済み粘着テープロール及びその周辺>
 一方、図2に示すように、上記第3収納部4には、上記印字済み粘着テープ150″を順次巻回するための巻芯41を備えた巻き取り機構40(巻き取り手段に相当)が上方から受け入れられる。巻き取り機構40は、印字済みテープ150″の巻回の軸心O2が左右方向となる状態で、上記巻芯41が軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻き取り機構40が、第3収納部4に収納された状態において、筐体本体2aの内部に設けられた粘着巻き取り用モータM2により不図示のギア機構を介して巻芯41が駆動され、第3収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済み粘着テープ150″を巻き取って積層する。これにより、巻き取り機構40の外周側に印字済み粘着テープ150″が順次巻回されて、印字済みテープロールR2(粘着テープロールに相当)が形成される。
 <UV照射器>
 また、図2に示すように、前方側開閉カバー9の後方側(第1開閉カバー8aの内側となる部分)に、UVランプあるいはUV-LEDを光源とする公知の構成のUV照射器50(照射手段に相当)が設けられている。
 詳細には、UV照射器50は、搬送ローラ12によるテープ搬送経路において、インクジェットヘッド10aの下流側でかつ巻き取り機構40の上流側でかつ上記引き剥がし部17よりも上流側に配置されている。そして、このUV照射器50は、上記インクジェットヘッド10aにより形成された、上記UVインクによるインク層155に対して紫外線(UV)を照射し、当該インク層155に含まれる上記紫外線硬化樹脂を硬化させる。
 <カッター機構30>
 また、図2に示すように、テープ搬送方向に沿ってインクジェットヘッド10aの下流側でかつ印字済みテープロールR2の上流側に、カッター機構30が設けられている。
 カッター機構30は、詳細な図示を省略するが、可動刃と、可動刃を支持しテープ幅方向(言い替えれば左右方向)に走行可能な走行体とを有している。そして、カッターモータ(図示せず)の駆動により走行体が走行し可動刃がテープ幅方向に移動することで、上記印字済み粘着テープ150″を幅方向に切断する。
 <粘着テープ印刷装置の動作の概略>
 次に、上記構成の粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
 すなわち、上記第1所定位置13にテープカートリッジTKが装着されると、筐体本体2aの後方側に位置する第1収納部3に被印字テープロールR1が収納され、筐体本体2aの前方側に位置する第2収納部5に剥離材ロールR3を形成する軸心O3側が収納される。また、筐体本体2aの前方側に位置する第3収納部4には、印字済みテープロールR2を形成するための巻き取り機構40が収納される。
 この状態で、ユーザが、被印字粘着テープ150(この時点ではまだ印刷が始まっていない)から剥離材層151を手動で引き剥がし、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152からなるテープの先端を、上記巻き取り機構40の巻芯41に取り付ける。そして、このとき、搬送ローラ12が駆動されると、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字粘着テープ150が、前方側へ搬送される(この実施形態における搬送工程に相当)。そして、搬送される被印字粘着テープ150の剥離剤層154に対し、インクジェットヘッド10aにより所望の印字によるインク層155が形成されて、印字済み粘着テープ150′となる(この実施形態における印字工程に相当)。印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17まで搬送されると、当該引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第2収納部5へ導入され、当該第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。
 一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、上記UV照射器50によりインク層155に対して紫外線(UV)が照射され、当該インク層155に含まれる上記紫外線硬化樹脂が硬化する(この実施形態における照射工程に相当)。その後、印字済み粘着テープ150″はさらに前方側へ搬送されて第3収納部4へ導入され、当該第3収納部4内の巻き取り機構40の巻芯41の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される(この実施形態における巻き取り工程に相当)。その際、搬送方向下流側(すなわち前方側)に設けられたカッター機構30が印字済み粘着テープ150″を切断する。これにより、ユーザの所望のタイミングで、印字済みテープロールR2に巻回されていく印字済み粘着テープ150″を切断し、切断後は印字済みテープロールR2を第3収納部4から取り出すことができる。
 なお、印字済みテープ150″の搬送経路のうち、上記UV照射器50による照射位置の下流側であって、かつ、印字済みテープロールR2の外周側へ合流後に周方向に沿って一周して再び上記合流位置へと至る前の、適宜の位置に、加熱ヒータ又は温風ファン等の乾燥手段(図示せず)が設けられる。この乾燥手段は、少なくとも上記印字済みテープ150″が印字済みテープロールR2の外周側に巻回されるより前に、上記UV照射により硬化したインク層155を乾燥させる。
 なおこのとき、上記印字済み粘着テープ150″の搬送経路を、印字済みテープロールR2へ向かう側と排出口(図示省略)へ向かう側との相互間で切り替える、シュート15(図2参照)が配されていても良い。すなわち、切替レバー(図示省略)によるシュート15の切替操作でテープ経路を切り替えることで、印字形成後の印字済みテープ150″を上述のように第3収納部4内において巻回することなく、筐体2の例えば第2開閉カバー8b側に設けた排出口(図示省略)から、そのまま筐体2外部へ排出するようにしても良い。
 <制御系>
 次に、図4を用いて、粘着テープ印刷装置1の制御系について説明する。図4において、粘着テープ印刷装置1には、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212が備えられている。CPU212は、RAM213及びROM214に接続されている。CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって粘着テープ印刷装置1全体の制御を行う。
 また、CPU212は、上記搬送ローラ12を駆動する上記搬送用モータM1の駆動制御を行うモータ駆動回路218と、上記巻き取り機構40の巻芯41を駆動する上記粘着巻取用モータM2の駆動制御を行うモータ駆動回路219と、上記剥離材ロールR3を駆動する上記剥離紙巻取用モータM3の駆動制御を行うモータ駆動回路220と、上記インクジェットヘッド10aの圧電アクチュエータ(図示省略)の通電制御を行うインクジェットヘッド制御回路300と、UV照射器50を駆動してUV照射を開始させるUV照射器制御回路310と、適宜の表示を行う表示部215と、ユーザが適宜に操作入力可能な操作部216と、に接続されている。また、CPU212は、この例では、外部端末としてのPC217に接続されるが、粘着テープ印刷装置1が(いわゆるスタンドアローンタイプで)単独で動作する場合には、接続されなくてもよい。
 ROM214には、所定の制御処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。RAM213には、例えば上記操作部216(又はPC217)での操作者の操作に対応して生成された印字データを、上記インク層155として印字するためのドットパターンデータに展開して記憶する、イメージバッファ213aが備えられている。
 CPU212は、上記制御プログラムによって、搬送ローラ12により被印字粘着テープ150を繰り出しつつ、イメージバッファ213aに記憶された上記ドットパターンデータに対応した1つのイメージを、インクジェットヘッド10aによって被印字粘着テープ150に対し繰り返して印刷する。具体的には、上記CPU212は、上記インクジェットヘッド制御回路300を介し、上記印字データに応じて、インクジェットヘッド10aに設けられた上記圧電アクチュエータの駆動を制御し、ノズルから紫外線硬化インクを吐出させる。このとき、公知の手法により、各種インクの種類に対応する制御パラメータに基づき、インクジェットヘッド10aの駆動電圧、吐出速度、吐出量等が制御される。
 <本実施形態の効果>
 次に、上記のように構成された本実施形態の効果を、図5を用いて説明する。
 図5において、上述したように、上記被印字粘着テープ150は、上記厚さ方向他方側(上記の例では上側)から上記厚さ方向一方側(上記の例では下側)に向かって、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151、をこの順序で含む積層構造となっている。剥離剤層154が設けられることにより、上記印字工程で印字形成後の上記印字済み粘着テープ150″が上記のようにしてラベルや封止材として使用されるときに、表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 このとき、本実施形態では、上記印字済み粘着テープ150″が巻き取り機構40により巻き取られ、印字済みテープロールR2として生成される。この印字済み粘着テープ150″は、インク層155、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、をこの順序で含む。この結果、上記巻き取り工程で生成された印字済みテープロールR2においては、図5に示すように、(UVインクによる上記インク層155が付着している部分では)インク層155の上記他方側(上側)表面と粘着剤層152とが印字済みテープロールR2の径方向に接する状態となる。このとき、印字済み粘着テープ150″におけるインク層155と剥離剤層154との密着性が小さいと、前述のようにして印字済みテープロールR2から印字済み粘着テープ150″が繰り出されて使用されるとき、剥離剤層154上のインク層155が、上側に重なる粘着剤層152側へと引き剥がされ、インク層155による印字内容に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本実施形態においては、上記UV照射器50が設けられ、インク層155に備えられた紫外線硬化樹脂に対し上記照射工程で紫外線照射が行われて当該紫外線硬化樹脂を硬化させることで、インク層155を剥離剤層154に対し強固に密着させることができる。この結果、上記のようなインク層155が剥離剤層154から引き剥がされるのを防止することができる。
 以上説明したように、本実施形態においては、印字済みテープロールR2からの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持できる、最適な特性の印字済み粘着テープ150″を実現することができる。
 また、本実施形態においては特に、UV照射器50が、搬送ローラ12によるテープ搬送経路において、インクジェットヘッド10aの下流側でかつ巻き取り機構40の上流側に配置されている。これにより、印字済みテープロールR2へ巻回される前の状態において印字済み粘着テープ150″に紫外線照射を行うので、遮るもののない状態で比較的強い強度で紫外線を照射することができる。この結果、確実に紫外線硬化樹脂を硬化させることができる。
 また、本実施形態においては、特に、UV照射器50は、搬送ローラ12によるテープ搬送経路において、上記引き剥がし部17よりも上流側に配置されている。このように、巻き取り機構40の上流側に位置する引き剥がし部17よりも、さらに上流側において紫外線照射が行われる結果、紫外線硬化樹脂の硬化が確実に終了した状態で、巻き取りを行うことができる。
 <第2実施形態>
 本発明の第2の実施形態を、図6~図12により説明する。本実施形態は、上記第1実施形態のインクジェットヘッドに代え、サーマルヘッドによるインクリボンからの熱転写により、UVインクによる印字形成を行う実施形態である。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
 <粘着テープ印刷装置の概略構成>
 図6~図8において、本実施形態の粘着テープ印刷装置1では、上記第1実施形態と同様、第1開閉カバー8aの内部に、ヘッド保持体10Aが設けられている。そして、第1開閉カバー8aは、上記回動軸心K1まわりに回動することで、ヘッド保持体10Aに備えられたサーマルヘッド11(本実施形態における印字手段に相当)を、上記搬送ローラ12に対して相対的に離反・近接可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、サーマルヘッド11が搬送ローラ12に対して近接した閉じ位置(図6の状態)から、サーマルヘッド11が搬送ローラ12から離反した開き位置(図7、図8の状態)までの間で回動可能である。
 また、第2開閉カバー8bも、上記同様、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図6の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置(図7及び図8の状態)までの間で回動可能である。前方側開閉カバー9も、第3収納部4の上方を覆う閉じ位置(図6の状態)から、第3収納部4の上方を露出させる開き位置(図7、図8の状態)までの間で回動可能である。
 <被印字テープロール及びその周辺>
 本実施形態においては、上記第1所定位置13に装着されるテープカートリッジTKの被印字テープロールR1は、上記実施形態と同様、被印字テープ150を備えている。この被印字粘着テープ150は、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151が、上記同様、厚さ方向他方側(図6の拡大図中の上方側)から一方側(図6の拡大図中の下方側)へ向かって、この順序で積層されている。
 本実施形態では、剥離剤層154は、上記サーマルヘッド11によるインクリボンからのインクの熱転写(詳細は後述)によって転写層155′(本実施形態における印字形成用付着層に相当。図2中の部分拡大図参照)が形成される層である。すなわち、上記サーマルヘッド11は、搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字粘着テープ150の剥離剤層154に対し、後述するインクリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて所望の印字を形成して、印字済み粘着テープ150′とする。この剥離剤層154は、本実施形態では、オレフィン樹脂系剥離剤若しくは長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂系剥離剤により構成されている。その際、剥離剤層154の溶解度パラメータの値(以下適宜、「SP値」という)は、例えば6以上10以下の、比較的低い値となっている。
 また、粘着剤層152は、例えばアクリル系粘着剤等の、所定の粘着剤により構成されている。粘着剤層152のSP値は、例えば9より大きく14以下の、比較的高い値となっている。なお、基材層153を形成する基材の種類としては、上記第1実施形態と同様のものを使用することができる。
 <インクリボンカートリッジ>
 本実施形態では、その特徴として、図6に示すように、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉カバー8aの下方でかつテープカートリッジTKの上方となる第2所定位置14に、インクリボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。
 図6及び図7に示すように、インクリボンカートリッジRKは、カートリッジ筐体(図示省略)と、未使用のインクリボンIBを繰り出し可能に巻回したリボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている。カートリッジ筐体は、後方側の繰り出しロール収納部81と、前方側の巻き取りロール収納部82と、それら両収納部81,82を連結する連結部(図示省略)と、を有している。連結部は、リボン繰り出しロールR4から繰り出された上記インクリボンIBをカートリッジ筐体外に露出させるようにしつつ、上記巻き取りロール収納部82と上記繰り出しロール収納部81とを連結する。
 繰り出しロール収納部81は、略半円筒の上部と、下部と、が組み合わされることにより構成されている。リボン繰り出しロールR4は、繰り出しロール収納部81内において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図6中のD方向)に回転することで、サーマルヘッド11による印字形成を行うためのインクリボンIBを繰り出す。
 巻き取りロール収納部82は、略半円筒の上部と、下部と、が組み合わされることにより構成されている。リボン巻き取りロールR5は、巻き取りロール収納部82内において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図6中のE方向)に回転することで、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。
 すなわち、図6において、リボン繰り出しロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、サーマルヘッド11と搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字粘着テープ150のさらにサーマルヘッド11側に配置されてサーマルヘッド11の下方に接触する。そして、サーマルヘッド11からの加熱によりインクリボンIBのインク(詳細は後述)が、被印字粘着テープ150の剥離剤層154に転写されて転写層155′が形成され(=印字形成)た後、使用済みのインクリボンIBが、リボン巻き取りロールR5に巻き取られる。
 なお、インクリボンIBの詳細構成については、後述する。
 <粘着テープ印刷装置の動作の概略>
 本実施形態の粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
 すなわち、前述と同様に、ユーザが、被印字粘着テープ150から剥離材層151を手動で引き剥がし、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152からなるテープの先端を、上記巻き取り機構40の巻芯41に取り付ける。そして、搬送ローラ12が駆動されると、被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字粘着テープ150が前方側へ搬送され(この実施形態における搬送工程に相当)、被印字粘着テープ150の剥離剤層154に対し上記サーマルヘッド11によるインク転写によって転写層155′により所望の印字が形成され(この実施形態における印字工程に相当)、印字済み粘着テープ150′となる。印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17で剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、上記同様、第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、上記同様、上記UV照射器50により転写層155′に対して紫外線(UV)が照射され、当該転写層155′に含まれる、紫外線硬化成分としての紫外線硬化樹脂の層が硬化する(この実施形態における照射工程に相当)。その後印字済み粘着テープ150″はさらに前方側へ搬送され、上記同様、巻き取り機構40の巻芯41の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される(この実施形態における巻き取り工程に相当)。なお、印字済みテープロールR2に巻回される印字済み粘着テープ150″を構成する、上記粘着層152、基材層153、剥離剤層154が、本実施形態におけるテープ本体に相当している。その後、カッター機構30が印字済み粘着テープ150″を切断する。なお、このとき、前述と同様、印字済み粘着テープ150″の搬送経路をシュート15によって切り替えてもよい。
 <制御系>
 粘着テープ印刷装置1の制御系を図9に示す。図9において、本実施形態では、上記図4に示した第1実施形態の制御系の構成における、インクジェットヘッド10aを制御するインクジェットヘッド制御回路300に代えて、上記サーマルヘッド11の発熱素子の通電制御を行うサーマルヘッド制御回路221が設けられている。それ以外の構成は、図4と同様である。
 <インクリボンによる転写>
 次に、本実施形態の特徴の1つである、インクリボンIBからのインクの転写の詳細について説明する。
 リボン供給ロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、サーマルヘッド11の下方に接触する。このとき、インクリボンIBは、図10に示すように、リボン基材層155aと、このリボン基材層155aの厚さ方向一方側(図示下側)に隣接して設けられ、所定の受熱により溶融してリボン基材層155aから分離するアンダーコート層155bと、アンダーコート層155bの上記厚さ方向一方側に隣接して設けられ(すなわちオーバーコート層155dとアンダーコート層155bとの厚さ方向中間に位置する)印字としての視覚的色彩を与える、例えば顔料からなるインク層155cと、インク層155cの上記厚さ方向一方側に隣接して設けられ、転写対象に対し付着するオーバーコート層155dと、を備えた(この例では4層の)積層構造となっている。なお、オーバーコート層155dは、この実施形態では、溶解度パラメータの値(以下適宜、「SP値」という)が、例えば6以上10以下の、比較的低い値となっている。
 上記構成のインクリボンIBにおいて、サーマルヘッド11からの加熱による受熱により上記アンダーコート層155bが溶融することで、上記リボン基材層155aから、アンダーコート層155b、インク層155c、及びオーバーコート層155dからなる上記転写層155′が分離する。そして、当該転写層155′のオーバーコート層155d側が転写対象である被印字粘着テープ150の例えばオレフィン樹脂系等の剥離剤層154に対し転写されて付着する(図10(a)及び図10(b)参照)。これにより、インクリボンIBによる被印字粘着テープ150の剥離剤層154への印字形成が実行され、上記印字済み粘着テープ150′が生成される。
 <転写層の紫外線硬化樹脂による密着向上>
 ここで、上記図10(b)に示した積層構造の印字済み粘着テープ150′から(剥離材層151が引き剥がされて)生成される印字済み粘着テープ150″は、図10(c)に示すように、剥離剤層154、テープ基材層153、及び粘着剤層152、をこの順序で含む。この結果、本実施形態の上記印字済みテープロールR2においては、転写層155′が転写されている部分では、転写層155′の上記厚さ方向一方側(図示の下側)表面と粘着剤層152とが印字済みテープロールR2の径方向に接する状態となる。このとき、転写層155′と剥離剤層154との密着性が小さいと、前述のようにして印字済みテープロールR2から印字済み粘着テープ150″が繰り出されて使用されるとき、インクリボンIBから転写され形成された上記転写層155′が再び粘着剤層152側へと引き剥がされ、印字に悪影響を与える恐れがある。
 そこで、本実施形態においては、転写層155′(詳細にはアンダーコート層155b、インク層155c、及びオーバーコート層155dのうち少なくとも一層)が、紫外線照射により硬化する紫外線硬化樹脂の層を有している。
 本実施形態において考えられ得る、上記転写層155′を構成するアンダーコート層155b、インク層155c、及びオーバーコート層155dに対する、紫外線硬化樹脂の含有パターンのバリエーションを、図11に示す。
 図11において、パターンAでは、アンダーコート層155bには紫外線樹脂は含まれず、インク層155cには紫外線硬化樹脂が含まれ、オーバーコート層155dには紫外線硬化樹脂が含まれていない。
 同様に、パターンBでは、アンダーコート層155bに紫外線樹脂が含まれ、インク層155cにも紫外線硬化樹脂が含まれ、オーバーコート層155dには紫外線硬化樹脂が含まれていない。また、パターンCでは、アンダーコート層155bには紫外線樹脂は含まれず、インク層155cには紫外線硬化樹脂が含まれ、オーバーコート層155dにも紫外線硬化樹脂が含まれている。
 パターンDでは、アンダーコート層155bに紫外線樹脂が含まれ、インク層155cにも紫外線硬化樹脂が含まれ、オーバーコート層155dにも紫外線硬化樹脂が含まれている。また、パターンEでは、アンダーコート層155bに紫外線樹脂が含まれ、インク層155cには紫外線硬化樹脂が含まれず、オーバーコート層155dにも紫外線硬化樹脂が含まれない。
 パターンFでは、アンダーコート層155bに紫外線樹脂が含まれ、インク層155cには紫外線硬化樹脂が含まれず、オーバーコート層155dには紫外線硬化樹脂が含まれている。また、パターンGでは、アンダーコート層155bには紫外線樹脂は含まれず、インク層155cにも紫外線硬化樹脂が含まれず、オーバーコート層155dに紫外線硬化樹脂が含まれている。
 そして、上記のように紫外線硬化樹脂を含む転写層155′が形成されている印字済み粘着テープ150″に対し、上記のようにUV照射器50によって紫外線照射が行われることで、転写層155′の上記紫外線硬化樹脂の層が、剥離剤層154に対し強固に密着する。これにより、上記のような転写層155′の引き剥がしを防止することができる。
 なお、本願発明者等の検討によれば、上記パターンA~パターンGのうち、インク層155c及びアンダーコート層155bのうち少なくとも1層に、紫外線硬化樹脂の層が含まれるもの(パターンA~パターンF)が、確実に強固な密着を実現する観点から特に好ましい。
 <SP値の設定による転写性の向上>
 一方、転写層155′は、図10(a)に示されるように、アンダーコート層155b、インク層155c、及びオーバーコート層155d、をこの順序で含む。すなわち、インクリボンIBからの転写時には、転写層155′の上記オーバーコート層155dが上記剥離剤層154に隣接して付着し転写が行われる。このときの転写性を良好にするためには、これら隣接する剥離剤層154とオーバーコート層155dとの密着性を増大させる必要があり、そのためには、剥離剤層154の上記SP値とオーバーコート層155dのSP値との差が比較的小さいことが好ましい(図12参照)。
 ここで、前述のように、剥離剤層154は、(使用時に印字済みテープロールR2からより軽い負荷で印字済み粘着テープ150″を引きはがせるようにする剥離性向上の観点から)オレフィン樹脂系剥離剤若しくは長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂系剥離剤によって構成されるとともに、比較的SP値が低くなっている。そこで、本実施形態では、上記オーバーコート層155dについても、通常のテープ印字に用いられるインクリボンIBのようにSP値(溶解度パラメータ値)が11を超えるものを使用せず、SP値が6以上11以下の比較的低い値のものを採用している(図12参照)。これにより、オーバーコート層155dと剥離剤層154との密着性を増大させ、インクリボンIBから転写層155′が転写するときの転写性を向上することができる。
 <本実施形態のインクリボンによる効果>
 以上のようにして、本実施形態における上記インクリボンIBは、転写層155′を構成するアンダーコート層155b、インク層155c、及びオーバーコート層155dのうち少なくとも一層に紫外線硬化樹脂が含まれ、かつ、オーバーコート層155dのSP値が6以上11以下となっていることにより、印字済みテープロールR2からの繰り出し時に印字内容に悪影響が生じるのを防止しつつ、インクリボンIBからの転写性を向上できる、最適な特性の印字済み粘着テープ150″を実現することができる。
 また、本実施形態では特に、上記インク層155c及び上記アンダーコート層155bのうち少なくとも1層に、紫外線硬化樹脂が含まれている。これには以下のような意義がある。すなわち、上記印字済みテープロールR2において、図10(c)に示したように、転写層155′が転写されている部分では、粘着層152とロールの径方向に直接接するのは、転写層155′の上記厚さ方向他方側(図10の図示上側)表面に位置するアンダーコート層155bである。したがって、このアンダーコート層155bに紫外線硬化樹脂を含めるのがもっとも上記引き剥がし防止効果が大きい。逆に、転写層155′の上記厚さ方向一方側(図10の図示下側)表面に位置するオーバーコート層155dに紫外線硬化樹脂の層を含めても(それ以外のアンダーコート層155bが引き剥がされる可能性があり)上記引き剥がし防止効果は小さい。前述したように、オーバーコート層155d以外のインク層155c及びアンダーコート層155bのうち少なくとも一層に紫外線硬化樹脂の層を設けることにより、印字済みテープロールR2からの繰り出し時に印字内容に悪影響が生じるのを確実に防止することができる。
 <本実施形態の印字形成方法及び印字済みテープロールによる効果>
 上述したように、上記印字済み粘着テープ150″は、上述したように、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152に対して、上記印字工程においてインクリボンIBからの転写で転写層155′が形成されることにより、構成されている。そして、ユーザは、前述のようにして上記巻き取り工程において印字済み粘着テープ150″が巻回された印字済みテープロールR2を適宜のタイミングで第3収納部4から取り出した後、当該印字済みテープロールR2から所望の長さ分の印字済み粘着テープ150″を繰り出して適宜の被着体に対し貼り付けることで、例えばラベルや梱包用の封止材として使用することができる。このとき、既に述べたように、印字済み粘着テープ150″は、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152、をこの順序で含む積層構造である。印字済み粘着テープ150″において基材層153の上記厚さ方向他方側(すなわち被着体への貼り付け側と反対側)に剥離剤層154を設けることにより、上記のようにラベルや封止材として使用されるときに表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 また、本実施形態においては、既に述べたように、上記UV照射器50による照射工程において、転写層155′に備えられた紫外線硬化樹脂(インクリボンIBからの上記熱転写によって供給されたもの)に対し紫外線照射が行われて当該紫外線硬化樹脂を硬化させることで、転写層155′を剥離剤層154に対し強固に密着させることができる。この結果、前述した印字済みテープロールR2からの繰り出し時に転写層155′が剥離剤層154から引き剥がされるのを防止することができる。
 以上説明したように、本実施形態の印字形成方法及びこれにより生成される印字済みテープロールR2においては、印字済みテープロールR2からの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持できる、最適な特性の印字済み粘着テープ150″を実現することができる。
 なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、UV照射器50が、搬送ローラ12によるテープ搬送経路において、インクジェットヘッド10aの下流側でかつ巻き取り機構40の上流側でかつ上記引き剥がし部17よりも上流側に配置されている。これにより、上記同様の効果を得ることができる。
 <第3実施形態>
 本発明の第3の実施形態を、図13~図15により説明する。本実施形態は、上記第1実施形態の構成において、1つのインクジェットヘッド10aに代え、アンカー層(後述)を形成する第1インクジェットヘッドと、UVインク層を形成する第2インクジェットヘッドと、の2つを設ける実施形態である。上記第1実施形態及び第2実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
 <粘着テープ印刷装置の概略構成>
 本実施形態では、図13に示すように、上記ヘッド保持部10に、第1インクジェットヘッド10b(第1印字ヘッドに相当)と、第2インクジェットヘッド10c(第2印字ヘッドに相当)とが、設けられる。なお、これら第1インクジェットヘッド10b及び第2インクジェットヘッド10cが各請求項記載のインクジェットヘッド手段に相当するとともに、本実施形態における印字手段にも相当する。
 第1インクジェットヘッド10bは、上記搬送ローラ12により搬送される被印字粘着テープ150に対し、オレフィン系樹脂を含むアンカー成分を吐出することにより、アンカー層156bを剥離剤層154の厚さ方向他方側(図13の拡大図中の上側)に形成する。
 第2インクジェットヘッド10cは、上記搬送ローラ12による搬送方向に沿って上記第1インクジェットヘッド10bよりも下流側に設けられ、被印字粘着テープ150に対し紫外線硬化インク成分を供給(この例では吐出)する。これにより、紫外線硬化インク層156aがアンカー層156bの他方側に形成される。
 <制御系>
 粘着テープ印刷装置1の制御系を図14に示す。図14において、本実施形態では、上記図4に示した第1実施形態の制御系の構成における、インクジェットヘッド10aを制御するインクジェットヘッド制御回路300に代えて、上記第1インクジェットヘッド10bの圧電アクチュエータ(図示省略)の通電制御を行う第1インクジェットヘッド制御回路300′と、第2インクジェットヘッド10cの圧電アクチュエータ(図示省略)の通電制御を行う第2インクジェットヘッド制御回路300″とが設けられている。それ以外の構成は、図4と同様である。
 CPU212は、ROM214に記憶された適宜の制御プログラムによって、搬送ローラ12により被印字粘着テープ150を繰り出しつつ、イメージバッファ213aに記憶された上記ドットパターンデータに対応した1つのイメージを、第1インクジェットヘッド10b及び第2インクジェットヘッド10cによって被印字粘着テープ150に対し繰り返して印刷する。
 すなわち、CPU212は、第1インクジェットヘッド制御回路300′を介し、上記印字データに応じて、第1インクジェットヘッド10bに設けられた上記圧電アクチュエータの駆動を制御し、例えばオレフィン系樹脂を含むアンカー成分をノズルから吐出させる。このとき、公知の手法により、各種制御パラメータに基づき、第1インクジェットヘッド10bの駆動電圧、吐出速度、吐出量等が制御される。これにより、上記印字データに対応した形状のアンカー層156bを、上記剥離剤層154の上記厚さ方向他方側に形成する。
 また、CPU212は、第2インクジェットヘッド制御回路300″を介し、上記印字データに応じて、第2インクジェットヘッド10cに設けられた上記圧電アクチュエータの駆動を制御し、紫外線硬化インク成分(紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分に相当)をノズルから吐出させる。このとき、公知の手法により、各種制御パラメータに基づき、第2インクジェットヘッド10cの駆動電圧、吐出速度、吐出量等が制御される。これにより、上記印字データに対応した形状の紫外線硬化インク層156a(紫外線硬化成分を含む層に相当)を、上記アンカー層156bの上記厚さ方向他方側に形成する。すなわち、アンカー層156bは、紫外線硬化インク成分による上記紫外線硬化インク層156aのインク文字と同じ形状とされる。
 <粘着テープ印刷装置の動作の概略>
 本実施形態の粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
 すなわち、前述と同様に、ユーザが、被印字粘着テープ150から剥離材層151を手動で引き剥がし、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152からなるテープの先端を、上記巻き取り機構40の巻芯41に取り付ける。そして、搬送ローラ12が駆動されると、被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字粘着テープ150が前方側へ搬送され(この実施形態における搬送工程に相当)、被印字粘着テープ150の剥離剤層154に対し上記第1インクジェットヘッド10bにより上記アンカー層156bが形成され、さらに下流側で第2インクジェットヘッド10cにより上記アンカー層156bの上に上記紫外線硬化インク層156aによる所望の印字が形成され(この実施形態における印字工程に相当)、印字済み粘着テープ150′となる。なお、アンカー層156b及び紫外線硬化インク層156aが、本実施形態におけるアンカー含有インク層に相当するとともに印字層にも相当する。以下適宜、これらを総称して、単に「アンカー含有インク層156」という。
 その後、印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17で剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、上記同様、第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、上記同様、上記UV照射器50によりアンカー層156b及び紫外線硬化インク層156aに対して紫外線(UV)が照射され、紫外線硬化インク層156aの紫外線硬化インク成分が硬化する(この実施形態における照射工程に相当)。その後印字済み粘着テープ150″はさらに前方側へ搬送され、上記同様、巻き取り機構40の巻芯41の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される(この実施形態における巻き取り工程に相当)。なお、印字済みテープロールR2に巻回される印字済み粘着テープ150″を構成する、上記粘着層152、基材層153、剥離剤層154が、本実施形態におけるテープ本体に相当している。その後、カッター機構30が印字済み粘着テープ150″を切断する。なお、このとき、前述と同様、印字済み粘着テープ150″の搬送経路をシュート15によって切り替えてもよい。
 <本実施形態の効果>
 次に、上記のように構成された本実施形態の効果を、図15を用いて説明する。
 図15において、上述したように、上記被印字粘着テープ150は、上記厚さ方向他方側(上記の例では上側)から上記厚さ方向一方側(上記の例では下側)に向かって、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151、をこの順序で含む積層構造となっている。剥離剤層154が設けられることにより、上記印字工程で印字形成後の上記印字済み粘着テープ150″が上記のようにしてラベルや封止材として使用されるときに、表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 このとき、本実施形態では、上記印字済み粘着テープ150″が巻き取り機構40により巻き取られ、印字済みテープロールR2として生成される。この印字済み粘着テープ150″は、インクを含む層(この例ではアンカー含有インク層156)、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、をこの順序で含む。この結果、上記巻き取り工程で生成された印字済みテープロールR2においては、図15に示すように、インクを含む層が付着している部分では、当該インクを含む層の上記他方側(上側)表面と粘着剤層152とが印字済みテープロールR2の径方向に接する状態となる。このとき、印字済み粘着テープ150″におけるインクを含む層と剥離剤層154との密着性が小さいと、前述のようにして印字済みテープロールR2から印字済み粘着テープ150″が繰り出されて使用されるとき、剥離剤層154上の上記インクを含む層が、上側に重なる粘着剤層152側へと引き剥がされ、印字内容に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本実施形態においては、アンカー含有インク層156に、上記アンカー成分を備えたアンカー層156bが含まれている。これにより、当該アンカー含有インク層156と剥離剤層154との密着性を向上することができる。
 さらに、本実施形態では、アンカー含有インク層156に、上記紫外線硬化インク成分を備えた紫外線硬化インク層156aが含まれ、上記UV照射器50によって、紫外線硬化インク層156aに備えられた紫外線硬化インク成分に対し上記照射工程で紫外線照射が行われる。これにより、当該紫外線硬化成分が硬化し、アンカー含有インク層156を剥離剤層154に対しさらに強固に密着させることができる。この結果、上記のようなインク層(アンカー含有インク層156)が剥離剤層154から引き剥がされるのを防止することができる。
 以上説明したように、本実施形態においては、印字済みテープロールR2からの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持できる、最適な特性の印字済み粘着テープ150″を実現することができる。
 なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、UV照射器50が、搬送ローラ12によるテープ搬送経路において、第1インクジェットヘッド10b及び第2インクジェットヘッド10cの下流側でかつ巻き取り機構40の上流側でかつ上記引き剥がし部17よりも上流側に配置されている。これにより、上記同様の効果を得ることができる。
 <第4実施形態>
 本発明の第4の実施形態を、図16及び図17により説明する。本実施形態は、上記第3実施形態の構成において、アンカー成分を吐出する第1インクジェットヘッドと、紫外線硬化インク成分を吐出する第2インクジェットヘッドと、の2つに代え、アンカー成分及び紫外線硬化インク成分の混合物を吐出する、1つのインクジェットヘッドを設けた場合の実施形態である。上記第1~第3実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
 <粘着テープ印刷装置の概略構成>
 本実施形態では、図16に示すように、上記ヘッド保持部10に、単一のインクジェットヘッド10d(本実施形態における単一の印字ヘッド、インクジェットヘッド手段、印字手段に相当)が設けられる。インクジェットヘッド10dは、搬送ローラ12により搬送される被印字粘着テープ150に対し、上記アンカー成分と紫外線硬化インク成分との混合成分を供給(この例では吐出)する。これにより、当該混合成分からなる混合層157(本実施形態におけるアンカー含有インク層、印字層に相当)が上記剥離剤層154の上記厚さ方向他方側に形成される。
 <制御系>
 本実施形態における粘着テープ印刷装置1の制御系は、上記第1実施形態において図4に示した構成と同様のもので足りる。但し、インクジェットヘッド制御回路300は、上記インクジェットヘッド10dに備えられた圧電アクチュエータの通電制御を行う。
 CPU212は、ROM214に記憶された適宜の制御プログラムによって、搬送ローラ12により被印字粘着テープ150を繰り出しつつ、イメージバッファ213aに記憶された上記ドットパターンデータに対応した1つのイメージを、インクジェットヘッド10dによって被印字粘着テープ150に対し繰り返して印刷する。
 すなわち、CPU212は、インクジェットヘッド制御回路300を介し、上記印字データに応じて、インクジェットヘッド10dに設けられた上記圧電アクチュエータの駆動を制御し、例えばオレフィン系樹脂を含むアンカー成分及び紫外線硬化インク成分(紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分に相当)が混合された混合成分をノズルから吐出させる。このとき、公知の手法により、各種制御パラメータに基づき、インクジェットヘッド10dの駆動電圧、吐出速度、吐出量等が制御される。これにより、上記印字データに対応した形状の上記混合層157(紫外線硬化成分を含む層に相当)を、上記剥離剤層154の上記厚さ方向他方側に形成する。
 <粘着テープ印刷装置の動作の概略>
 本実施形態の粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
 すなわち、前述と同様に、ユーザが、被印字粘着テープ150から剥離材層151を手動で引き剥がし、剥離剤層154、基材層153、及び粘着剤層152からなるテープの先端を、上記巻き取り機構40の巻芯41に取り付ける。そして、搬送ローラ12が駆動されると、被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字粘着テープ150が前方側へ搬送され(この実施形態における搬送工程に相当)、被印字粘着テープ150の剥離剤層154に対し上記第1インクジェットヘッド10dにより上記混合層157による所望の印字が形成され(この実施形態における印字工程に相当)、印字済み粘着テープ150′となる。
 その後、印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17で剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、上記同様、第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、上記同様、上記UV照射器50により混合層157に対して紫外線(UV)が照射され、混合層157に含まれる紫外線硬化インク成分が硬化する(この実施形態における照射工程に相当)。その後印字済み粘着テープ150″はさらに前方側へ搬送され、上記同様、巻き取り機構40の巻芯41の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される(この実施形態における巻き取り工程に相当)。なお、印字済みテープロールR2に巻回される印字済み粘着テープ150″を構成する、上記粘着層152、基材層153、剥離剤層154が、本実施形態におけるテープ本体に相当している。その後、カッター機構30が印字済み粘着テープ150″を切断する。なお、このとき、前述と同様、印字済み粘着テープ150″の搬送経路をシュート15によって切り替えてもよい。
 <本実施形態の効果>
 次に、上記のように構成された本実施形態の効果を、図17を用いて説明する。
 図17において、上述したように、上記被印字粘着テープ150は、上記厚さ方向他方側(上記の例では上側)から上記厚さ方向一方側(上記の例では下側)に向かって、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151、をこの順序で含む積層構造となっている。剥離剤層154が設けられることにより、上記印字工程で印字形成後の上記印字済み粘着テープ150″が上記のようにしてラベルや封止材として使用されるときに、表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
 このとき、本実施形態では、上記印字済み粘着テープ150″が巻き取り機構40により巻き取られ、印字済みテープロールR2として生成される。この印字済み粘着テープ150″は、インクを含む層(この例では混合層157)、剥離剤層154、基材層153、粘着剤層152、をこの順序で含む。この結果、上記巻き取り工程で生成された印字済みテープロールR2においては、図5に示すように、インクを含む層(混合層157)が付着している部分では、当該インクを含む層の上記他方側(上側)表面と粘着剤層152とが印字済みテープロールR2の径方向に接する状態となる。このとき、印字済み粘着テープ150″における上記インクを含む層と剥離剤層154との密着性が小さいと、前述のようにして印字済みテープロールR2から印字済み粘着テープ150″が繰り出されて使用されるとき、剥離剤層154上の上記インクを含む層が、上側に重なる粘着剤層152側へと引き剥がされ、印字内容に悪影響を与える恐れがある。
 そこで本実施形態においては、上記インクを含む層としての混合層157に、アンカー成分が含まれている。これにより、当該混合層157と剥離剤層154との密着性を向上することができる。
 さらに、本実施形態では、上記混合層157に、上記紫外線硬化インク成分が含まれ、上記UV照射器50によって、当該混合層157に備えられた紫外線硬化インク成分に対し上記照射工程で紫外線照射が行われる。これにより、当該紫外線硬化成分が硬化し、混合層157を剥離剤層154に対しさらに強固に密着させることができる。この結果、上記のようなインクを含む層(混合層157)が剥離剤層154から引き剥がされるのを防止することができる。
 以上説明したように、本実施形態においては、印字済みテープロールR2からの繰り出し時に印字に悪影響が生じるのを防止しつつ、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持できる、最適な特性の印字済み粘着テープ150″を実現することができる。
 なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、UV照射器50が、搬送ローラ12によるテープ搬送経路において、インクジェットヘッド10dの下流側でかつ巻き取り機構40の上流側でかつ上記引き剥がし部17よりも上流側に配置されている。これにより、上記同様の効果を得ることができる。
 なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
 また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
 また、以上において、図4、図9に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
 また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
 その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
 1         粘着テープ印刷装置
 10a       インクジェットヘッド(印字手段)
 10b       第1インクジェットヘッド(第1印字ヘッド、インクジェットヘッド手段)
 10c       第2インクジェットヘッド(第2印字ヘッド、インクジェットヘッド手段、印字手段)
 10d       インクジェットヘッド(単一の印字ヘッド、インクジェットヘッド手段、印字手段)
 11        サーマルヘッド(印字手段)
 12        搬送ローラ(搬送手段)
 40        巻き取り機構(巻き取り手段)
 50        UV照射器(照射手段)
 150       被印字粘着テープ
 151       剥離材層
 152       粘着剤層(粘着層)
 153       基材層(テープ基材層)
 154       剥離剤層(剥離層)
 155       インク層(紫外線硬化インク層、印字形成用付着層)
 155′      転写層(紫外線硬化インク層、印字形成用付着層)
 155b      アンダーコート層
 155c      インク層
 155d      オーバーコート層
 156       アンカー含有インク層(印字層)
 157       混合層(アンカー含有インク層、印字層)
 212       CPU
 IB        インクリボン
 R2        印字済みテープロール(粘着テープロール)

Claims (18)

  1.  テープ基材層(153)と、前記テープ基材層(153)の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層(152)と、前記テープ基材層(153)の前記厚さ方向の他方側に設けられた剥離層(154)と、を備えた被印字粘着テープ(150)を搬送する搬送手段(12)と、
     前記搬送手段(12)により搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対し、紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分を供給することにより、前記紫外線硬化成分を含む層を形成し、印字済み粘着テープ(150′)とする印字手段(10a;11;10b,10c;10d)と、
     前記印字手段(;10b,10c;10d)により前記紫外線硬化成分を含む層が形成された前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射して前記紫外線硬化成分を硬化させる照射手段(50)と、
     前記印字済み粘着テープ(150′,150″)をロール状に巻き取ることにより、印字済み粘着テープロール(R2)を形成する巻き取り手段(40)と、
    を有することを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  2.  請求項1記載の粘着テープ印刷装置において、
     前記印字手段(10a;11)は、
     前記被印字粘着テープ(150)に対し、前記紫外線硬化成分を含む紫外線硬化樹脂を含む印字形成用付着層(155;155′)を付着させることにより前記印字済み粘着テープ(150′)とし、
     前記照射手段(50)は、
     前記印字手段(10a;11)により前記印字形成用付着層(155;155′)が付着した前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射して前記紫外線硬化樹脂を硬化させる
    ことを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  3.  請求項2記載の粘着テープ印刷装置において、
     前記照射手段(50)は、
     前記搬送手段(12)による搬送経路において、前記印字手段(10a)の下流側でかつ前記巻き取り手段(40)の上流側に配置されており、
     前記巻き取り手段(40)は、
     前記照射手段(50)の前記紫外線照射により前記紫外線硬化樹脂が硬化した前記印字済み粘着テープ(150′)をロール状に巻き取り、前記印字済み粘着テープロール(R2)を形成する
    ことを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  4.  請求項3記載の粘着テープ印刷装置において、
     前記被印字粘着テープ(150)は、前記粘着層(152)の前記一方側を覆う剥離材層(151)を備えており、
     前記照射手段(50)は、
     前記搬送手段(12)による搬送経路において、前記印字済み粘着テープ(150′)から前記剥離材層(151)を引き剥がす引き剥がし部(17)よりも上流側に、配置されている
    ことを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  5.  請求項1記載の粘着テープ印刷装置において、
     前記印字手段は、
     前記被印字粘着テープ(150)に対し、オレフィン系樹脂を含むアンカー成分、及び、前記紫外線硬化成分である紫外線硬化インク成分、を吐出することにより、少なくとも前記アンカー成分を前記剥離層(154)の表面に接するように含みかつ前記紫外線硬化インク成分を含む、アンカー含有インク層を形成して前記印字済み粘着テープ(150′)とするインクジェットヘッド手段(10b,10c;10d)であり、
     前記照射手段(50)は、
     前記インクジェットヘッド手段(10b,10c;10d)により前記アンカー含有インク層が形成された前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射して前記紫外線硬化インク成分を硬化させる
    ことを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  6.  請求項5記載の粘着テープ印刷装置において、
     前記インクジェットヘッド手段(10b,10c;10d)は、
     前記搬送手段(12)により搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対し前記アンカー成分を吐出することにより、アンカー層を前記剥離層(154)の前記他方側に形成する第1印字ヘッド(10b)と、
     前記搬送手段(12)による搬送方向に沿って前記第1印字ヘッド(10b)よりも下流側に設けられ、前記被印字粘着テープ(150)に対し前記紫外線硬化インク成分を吐出することにより、紫外線硬化インク層を前記アンカー層の前記他方側に形成する第2印字ヘッド(10c)と、
    を備えることを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  7.  請求項5記載の粘着テープ印刷装置において、
     前記インクジェットヘッド手段(10b,10c;10d)は、
     前記搬送手段(12)により搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対し、前記アンカー成分と前記紫外線硬化インク成分との混合成分を吐出することにより、当該混合成分からなる混合層を前記剥離層(154)の前記他方側に形成する、単一の印字ヘッド(15d)である
    ことを特徴とする粘着テープ印刷装置(1)。
  8.  テープ基材層(153)と、前記テープ基材層(153)の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層(152)と、前記テープ基材層(153)の前記厚さ方向の他方側に設けられた剥離層(154)と、を備えた被印字粘着テープ(150)を搬送する搬送工程と、
     前記搬送工程で搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対し、紫外線の露光により硬化する紫外線硬化成分を供給することにより、前記紫外線硬化成分を含む層を形成し、印字済み粘着テープ(150′)とする印字工程と、
     前記印字工程で前記紫外線硬化成分を含む層が形成された前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射して前記紫外線硬化成分を硬化させる照射工程と、
     前記印字済み粘着テープ(150′,150″)をロール状に巻き取ることにより、印字済み粘着テープロール(R2)を形成する巻き取り工程と、
    を有することを特徴とする粘着テープの印刷方法。
  9.  請求項8記載の粘着テープの印刷方法において、
     前記印字工程は、
     インクリボン(IB)に備えられた、前記紫外線硬化成分を含む紫外線硬化樹脂の層を含む転写層(155′)を、前記搬送工程で搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対して転写することにより、前記印字済み粘着テープ(150′)とし、
     前記照射工程は、
     前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射することにより、前記紫外線硬化樹脂の層を硬化させる
    ことを特徴とする、粘着テープの印刷方法。
  10.  請求項8記載の粘着テープの印刷方法において、
     前記印字工程は、
     前記搬送工程で搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対し、オレフィン系樹脂を含むアンカー成分、及び、前記紫外線硬化成分である紫外線硬化インク成分、を吐出することにより、少なくとも前記アンカー成分を前記剥離層(154)の表面に接するように含みかつ前記紫外線硬化インク成分を含む、アンカー含有インク層(156;157)を形成し、前記印字済み粘着テープ(150′)とし、
     前記照射工程は、
     前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射することにより、前記紫外線硬化インク成分を硬化させる
    ことを特徴とする粘着テープの印刷方法。
  11.  請求項8記載の粘着テープの印刷方法において、
     前記印字工程は、
     前記搬送工程で搬送される前記被印字粘着テープ(150)に対し、前記紫外線硬化成分を含む紫外線硬化インクを吐出することにより、紫外線硬化インク層(155′)を形成し、前記印字済み粘着テープ(150′)とし、
     前記照射工程は、
     前記印字済み粘着テープ(150′)に対し、紫外線を照射することにより、前記紫外線硬化インク層(155′)を硬化させる
    ことを特徴とする粘着テープの印刷方法。
  12.  厚さ方向寸法を備え、テープ本体(152,153,154)と、前記テープ本体(152,153,154)に形成された印字層(155′;156;157)と、を有する印字済み粘着テープ(150″)であって、
     前記テープ本体(152,153,154)が、テープ基材層(153)と、前記テープ基材層(153)の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層(152)と、前記テープ基材層(153)の前記厚さ方向の他方側に設けられた剥離層(154)と、を有し、
     前記印字層が、紫外線の露光により硬化した紫外線硬化成分を含む層である、
    前記印字済み粘着テープ(150″)を、
     前記剥離層(154)を外周側としつつ所定の軸芯回りに巻回して構成されたことを特徴とする粘着テープロール(R2)。
  13.  請求項12記載の粘着テープロールにおいて、
     前記印字層は、
     インクリボン(IB)からの転写により前記テープ本体(152,153,154)に形成された転写層(155′)であり、
     前記転写層(155′)が、前記紫外線硬化成分を含む紫外線硬化樹脂の層を有する
    ことを特徴とする粘着テープロール(R2)。
  14.  請求項13記載の粘着テープロールにおいて、
     前記転写層(155′)は、
     前記テープ剥離層(154)の前記他方側に付着したオーバーコート層(155d)と、
     前記オーバーコート層(155d)の前記他方側に隣接して設けられたインク層(155c)と、
     前記インク層(155c)の前記他方側に隣接して設けられ、所定の受熱により溶融して前記インクリボン(IB)の基材層(155a)から分離したアンダーコート層(155b)と、
    を有し、
     前記オーバーコート層(155d)、前記インク層(155c)、及び、前記アンダーコート層(155b)のうち、少なくとも1層に、前記紫外線硬化樹脂の層が含まれている
    ことを特徴とする粘着テープロール(R2)。
  15.  請求項14記載の粘着テープロールにおいて、
     前記インク層(155c)及び前記アンダーコート層(155b)のうち、少なくとも1層に、前記紫外線硬化樹脂の層が含まれている
    ことを特徴とする粘着テープロール(R2)。
  16.  請求項12記載の粘着テープロールにおいて、
     前記印字層は、
     インクジェットヘッド(10b,10c;10d)からの吐出により前記テープ本体(152,153,154)に形成され、オレフィン系樹脂を含むアンカー成分を少なくとも前記剥離層(154)の表面に接するように含み、かつ、前記紫外線硬化成分である紫外線硬化インク成分を含む、アンカー含有インク層(156;157)である
    ことを特徴とする粘着テープロール(R2)。
  17.  請求項12記載の粘着テープロールにおいて、
     前記印字層は、
     インクジェットヘッド(10a)からの吐出により前記テープ本体(152,153,154)に形成され、前記剥離層(154)の前記他方側に形成され、前記紫外線硬化成分を含む層である紫外線硬化インク層(155)である
    ことを特徴とする粘着テープロール(R2)。
  18.  厚さ方向寸法を備えたインクリボン(IB)であって、
     リボン基材層(155a)と、
     前記リボン基材層(155a)の前記厚さ方向の一方側に隣接して設けられるとともに、所定の受熱により溶融して前記リボン基材層(155a)から分離可能なアンダーコート層(155b)と、
     前記アンダーコート層(155b)の前記一方側に隣接して設けられたインク層(155c)と、
     前記インク層(155c)の前記一方側に隣接して設けられるとともに、6以上11以下である溶解度パラメータの値を備え、転写対象に対して付着可能なオーバーコート層(155d)と、
    を有し、
     前記オーバーコート層(155d)、前記インク層(155c)、及び、前記アンダーコート層(155b)のうち、少なくとも1層に、紫外線硬化樹脂の層が含まれている
    ことを特徴とするインクリボン(IB)。
PCT/JP2015/059796 2014-05-27 2015-03-27 粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、インクリボン WO2015182235A1 (ja)

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014-109241 2014-05-27
JP2014-109239 2014-05-27
JP2014109239A JP6256762B2 (ja) 2014-05-27 2014-05-27 粘着テープ印刷装置
JP2014109241A JP6226136B2 (ja) 2014-05-27 2014-05-27 粘着テープ印刷装置、粘着テープロール、粘着テープの印刷方法
JP2014109240A JP6278194B2 (ja) 2014-05-27 2014-05-27 粘着テープの印刷方法及び粘着テープロール
JP2014109238A JP6268532B2 (ja) 2014-05-27 粘着テープの印字形成方法、粘着テープロール、インクリボン
JP2014-109238 2014-05-27
JP2014-109240 2014-05-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2015182235A1 true WO2015182235A1 (ja) 2015-12-03

Family

ID=54698577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2015/059796 WO2015182235A1 (ja) 2014-05-27 2015-03-27 粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、インクリボン

Country Status (1)

Country Link
WO (1) WO2015182235A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111944414A (zh) * 2019-12-10 2020-11-17 合肥微晶材料科技有限公司 一种用于对纳米银线透明导电膜进行电极图案化的光学结构膜及其图案化方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001150612A (ja) * 1999-11-24 2001-06-05 Oji Paper Co Ltd 高透明易接着性フィルム
JP2002363515A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Oji Paper Co Ltd 剥離シート、粘着テープ、テープ貼着物およびインキ
JP2004505802A (ja) * 2000-07-11 2004-02-26 テクスティルマ・アクチェンゲゼルシャフト プリント織物テープ、特にラベルテープ製造プラント
JP2004091347A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Konica Minolta Holdings Inc オキセタン化合物及び活性エネルギー線硬化型インク
JP2005029718A (ja) * 2003-07-08 2005-02-03 Nichiban Co Ltd 機能層を有する粘着テープまたはシート
JP2005313434A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Konica Minolta Photo Imaging Inc 熱転写画像形成方法及び画像形成物
JP2009241349A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujifilm Corp 感熱転写シート
JP2010280828A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Mimaki Engineering Co Ltd インクおよびインクジェットプリンタ並びにプリント方法
JP2013097112A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Sato Knowledge & Intellectual Property Institute 台紙なしリストバンド、台紙なしリストバンド連続体および台紙なしリストバンド連続体の印字方法
JP2014019811A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 General Co Ltd インクセットおよびそれを用いた印刷方法
JP2014069332A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Brother Ind Ltd インクリボン及びインクリボンロール

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001150612A (ja) * 1999-11-24 2001-06-05 Oji Paper Co Ltd 高透明易接着性フィルム
JP2004505802A (ja) * 2000-07-11 2004-02-26 テクスティルマ・アクチェンゲゼルシャフト プリント織物テープ、特にラベルテープ製造プラント
JP2002363515A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Oji Paper Co Ltd 剥離シート、粘着テープ、テープ貼着物およびインキ
JP2004091347A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Konica Minolta Holdings Inc オキセタン化合物及び活性エネルギー線硬化型インク
JP2005029718A (ja) * 2003-07-08 2005-02-03 Nichiban Co Ltd 機能層を有する粘着テープまたはシート
JP2005313434A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Konica Minolta Photo Imaging Inc 熱転写画像形成方法及び画像形成物
JP2009241349A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujifilm Corp 感熱転写シート
JP2010280828A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Mimaki Engineering Co Ltd インクおよびインクジェットプリンタ並びにプリント方法
JP2013097112A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Sato Knowledge & Intellectual Property Institute 台紙なしリストバンド、台紙なしリストバンド連続体および台紙なしリストバンド連続体の印字方法
JP2014019811A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 General Co Ltd インクセットおよびそれを用いた印刷方法
JP2014069332A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Brother Ind Ltd インクリボン及びインクリボンロール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111944414A (zh) * 2019-12-10 2020-11-17 合肥微晶材料科技有限公司 一种用于对纳米银线透明导电膜进行电极图案化的光学结构膜及其图案化方法
CN111944414B (zh) * 2019-12-10 2021-09-24 合肥微晶材料科技有限公司 一种用于对纳米银线透明导电膜进行电极图案化的光学结构膜及其图案化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108883648B (zh) 打印盒
JP6206401B2 (ja) 粘着ラベル作成装置
JP6065260B2 (ja) 印字済み粘着テープ及び印字済み粘着テープロール
JP2014069332A (ja) インクリボン及びインクリボンロール
JP2014070089A (ja) 粘着テープ及び粘着テープロール
WO2015182235A1 (ja) 粘着テープ印刷装置、粘着テープの印刷方法、粘着テープロール、インクリボン
JP6268532B2 (ja) 粘着テープの印字形成方法、粘着テープロール、インクリボン
JP6226136B2 (ja) 粘着テープ印刷装置、粘着テープロール、粘着テープの印刷方法
JP6256762B2 (ja) 粘着テープ印刷装置
JP6278194B2 (ja) 粘着テープの印刷方法及び粘着テープロール
JP6327516B2 (ja) 粘着テープ印刷装置及び粘着テープの印刷方法
JP2015223740A (ja) 粘着テープの印字形成方法、粘着テープロール、インクリボン
WO2015064254A1 (ja) テープカートリッジ及び印刷装置
JP2011073437A (ja) 転写媒体製造方法、転写媒体
WO2015152102A1 (ja) 粘着テープロール、粘着テープ印刷装置、及び粘着テープの印刷方法
JP6252773B2 (ja) 粘着テープカートリッジ
JP2015193728A (ja) 粘着テープ印刷装置及び粘着テープ印刷方法
JP6025033B2 (ja) 粘着テープ及び粘着テープロール
JP2014083826A (ja) 製本用テープカセット
JP2015193727A (ja) 粘着テープロール
JP2015194591A (ja) 粘着テープロール
JP6376358B2 (ja) マスキングテープカートリッジ、印字マスキングテープロール、及び、印刷装置
WO2015156105A1 (ja) 粘着テープ印刷装置及び粘着テープカートリッジ
JP6269947B2 (ja) 粘着テープカートリッジ
JP6098989B2 (ja) 製本用シート

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 15800414

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 15800414

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1