WO2015107597A1

WO2015107597A1 - 赤外線センサ及びその製造方法

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Publication number: WO2015107597A1
Application number: PCT/JP2014/006179
Authority: WO
Inventors: 裕一樋口; 秀幸新井
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2014-01-20
Filing date: 2014-12-11
Publication date: 2015-07-23
Also published as: JP2015135306A

Abstract

　赤外線の検出感度を高めるための赤外線吸収膜を備えつつも、製造工程が短縮され製造コストが低減できる赤外線センサを提供する。基板と、基板の一表面側において、基板上に形成された支持脚および赤外線吸収部を含む薄膜構造体とを備えた赤外線センサである。ここで、基板と薄膜構造体との間には空間部が設けられており、赤外線吸収部には、支持膜、層間絶縁膜および金属配線が下層より順に形成されており、金属配線は、熱電対素線に電気的に接続されたバリア膜と導電膜とで構成された積層膜からなり、第１の赤外線吸収膜とバリア膜とは、同一材料かつ同一膜厚で形成されている。

Description

赤外線センサ及びその製造方法

　本発明は、赤外線センサ及びその製造方法に関する。

　従来から、赤外線吸収体を用いて入射赤外線を熱に変換し、その熱の変化を電気信号などの変化に変換して赤外線を検出する熱型の赤外線センサが提案されている。このような熱型の赤外線センサは、マイクロマシンニング技術などを利用して形成される。

　このような原理に基づく熱型赤外線センサでは、検出感度を高めるため、赤外線を吸収する検知部の赤外線吸収率が高いことが求められる。

　そこで、従来技術では、赤外線の吸収率を高めるためにチタニウム（Ｔｉ、以下「チタン」ともいう）からなる吸収層を赤外線検知部に設ける構造が開示されている（例えば、非特許文献１参照）。

　以下、非特許文献１に開示された赤外線センサについて、図面を参照しながら説明する。図９は、非特許文献１に記載された従来の赤外線センサの断面模式図である。

　図９に示すように、従来の赤外線センサにおいては、単結晶シリコンからなる基板１の一表面側で、直下に空間部２が設けられた薄膜構造体からなる赤外線吸収部３が、支持脚４を介して、基板１上の支持部１４に支持されている。支持脚４は、赤外線の吸収による温度変化を検知するためのサーモパイルを備えている。

　赤外線吸収部３は、支持膜５、層間絶縁膜７、第１の保護膜１２ａ、赤外線吸収膜８、第２の保護膜１２ｂの積層膜からなる。また、支持脚４は、支持膜５、熱電対素線６、層間絶縁膜７、第１の保護膜１２ａ、第２の保護膜１２ｂからなる。層間絶縁膜７と第１の保護膜１２ａの間には、熱電対素線６に電気的に接続する金属配線９が形成されている。支持部１４は、支持膜５、層間絶縁膜７、第１の保護膜１２ａ、第２の保護膜１２ｂの積層膜からなる。

　この構造では、赤外線吸収率の高い赤外線吸収膜を赤外線吸収部に形成することにより、センサとしての赤外線検出感度を向上させることができる。

　次に、図９に示す赤外線センサの製造方法の概要について、図１０Ａ～図１０Ｆに示す断面工程図を用いて説明する。

　まず、図１０Ａに示すように、シリコン基板からなる基板１の一表面側に酸化シリコン（ＳｉＯ_２）膜、窒化シリコン（ＳｉＮ）膜などの積層膜を形成することにより、支持膜５を形成する。次に、図１０Ｂに示すように、支持膜５上の所定の位置にポリシリコン膜をパターニング形成し、イオン注入法などを用いてポリシリコン膜に不純物をドーピングすることで、熱電対素線６を形成する。次に、図１０Ｃに示すように、基板１上に酸化シリコン（ＳｉＯ_２）膜などの絶縁膜を堆積して層間絶縁膜７を形成する。その後、層間絶縁膜７における熱電対素線６上の所定の位置にコンタクトホール１１を形成し、次に、図１０Ｄに示すように、層間絶縁膜７上の所定の位置にアルミニウム（Ａｌ）などの金属膜をパターニング形成することにより、熱電対素線６に電気的に接続する金属配線９を形成する。次に、図１０Ｅに示すように、酸化シリコン（ＳｉＯ_２）膜などの絶縁膜を堆積して第１の保護膜１２ａを形成する。その後、Ｔｉなどの金属膜を所定の位置にパターニング形成することにより、赤外線吸収膜８を形成する。次に、図１０Ｆに示すように、酸化シリコン（ＳｉＯ_２）膜などの絶縁膜を堆積して第２の保護膜１２ｂを形成する。その後、ドライエッチングなどにより、保護膜１２と支持膜５を厚み方向に貫通する開口部１３を形成する。次に、開口部１３を通じて、エッチング液、例えば、テトラメチルアンモニウム（ＴＭＡＨ）溶液を導入して、支持膜５下の基板１に空間部２を形成する。これにより、図９に示す赤外線吸収部３、支持脚４が形成される。

ＭＥＭＳ２０１１　Ｍｉｃｒｏ　Ｍｉｒｒｏｒ　Ａｒｒａｙｓ　Ｆｏｒ　Ｉｍｐｒｏｖｅｄ　Ｓｅｎｓｉｔｉｖｉｔｙ　ｏｆ　Ｔｈｅｒｍｏｐｉｌｅ　Ｉｎｆｒａｒｅｄ　Ｓｅｎｓｏｒｓ　（Ｍ．　Ｏｈｉｒａ，　ｅｔ　ａｌ．）

　しかしながら、上記非特許文献１に開示されたような従来の赤外線センサおよびその製造方法では、赤外線吸収膜を形成するための新たな追加工程が必要となる。そのため、製造工程が長くなり、製造コストが増大するという課題がある。

　そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、赤外線の検出感度を高めるための赤外線吸収膜を備えつつも、製造工程が短縮され製造コストが低減できる赤外線センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、本発明の赤外線センサは、基板と、前記基板の一表面側において、前記基板上に形成された支持脚および赤外線吸収部を含む薄膜構造体とを備えた赤外線センサであって、前記基板と前記薄膜構造体との間には空間部が設けられており、前記赤外線吸収部には、支持膜、層間絶縁膜および第１の赤外線吸収膜が下層より順に形成されており、前記支持脚には、前記支持膜、熱電対素線、前記層間絶縁膜および金属配線が下層より順に形成されており、前記金属配線は、前記熱電対素線に電気的に接続されたバリア膜と導電膜とで構成された積層膜からなり、前記第１の赤外線吸収膜と前記バリア膜とは、同一材料かつ同一膜厚で形成されている。

　また、本発明の第１の赤外線センサの製造方法は、基板の一表面上に支持膜を形成する工程と、前記支持膜上に熱電対素線を形成する工程と、前記熱電対素線上を含む前記支持膜上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜に前記熱電対素線に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール上を含む前記層間絶縁膜上に、導電性のバリア膜を形成する工程と、前記バリア膜上に導電膜を形成する工程と、前記バリア膜および前記導電膜を連続してパターニングし、金属配線を形成すると同時に、前記バリア膜からなる赤外線吸収膜および前記赤外線吸収膜上の前記導電膜を残存させる工程と、前記赤外線吸収膜と前記赤外線吸収膜上の前記導電膜のうち前記導電膜のみを除去する工程と、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の周縁部に形成された前記層間絶縁膜および前記支持膜を除去して前記基板を露出する工程と、露出した前記基板を所定の深さまでエッチング除去して、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の直下に空間部を形成し、支持脚および赤外線吸収部を形成する工程とを備える。

　また、本発明の第２の赤外線センサの製造方法は、基板の一表面上に支持膜を形成する工程と、前記支持膜上に熱電対素線を形成する工程と、前記熱電対素線上を含む前記支持膜上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜に前記熱電対素線に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール上を含む前記層間絶縁膜上に、導電性のバリア膜を形成する工程と、前記バリア膜上に導電膜を形成する工程と、前記バリア膜および前記導電膜のうち前記導電膜のみをパターニングし、前記支持膜の上方の前記導電膜を残存させると同時に、赤外線吸収膜を形成する領域では前記導電膜を除去する工程と、前記導電膜を除去する工程の後に、前記赤外線吸収膜を形成する領域に前記バリア膜からなる赤外線吸収膜を残存させるように、前記層間絶縁膜上に露出した前記バリア膜を除去する工程と、前記バリア膜を除去する工程の後に、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の周縁部に形成された前記層間絶縁膜および前記支持膜を除去して前記基板を露出する工程と、露出した前記基板を所定の深さまでエッチング除去して、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の直下に空間部を形成し、支持脚および赤外線吸収部を形成する工程と、を備える。

　上記の赤外線センサおよびその製造方法によれば、金属配線を構成するバリア膜を赤外線吸収膜としても用いるため、従来技術と対比して赤外線吸収膜を別途形成する必要が無く、製造工程を短縮し、製造コストを低減することができる。

図１は、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサを示す平面図である。図２は、図１に示すＡ－Ａ線に沿った断面を示す図である。図３は、各種の赤外線吸収膜における赤外線吸収スペクトルを示す図である。図４Ａは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法を示す工程断面図である。図４Ｂは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ａの続き）を示す工程断面図である。図４Ｃは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ｂの続き）を示す工程断面図である。図４Ｄは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ｃの続き）を示す工程断面図である。図４Ｅは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ｄの続き）を示す工程断面図である。図４Ｆは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ｅの続き）を示す工程断面図である。図４Ｇは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ｆの続き）を示す工程断面図である。図４Ｈは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図４Ｇの続き）を示す工程断面図である。図５Ａは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法の変形例を示す工程断面図である。図５Ｂは、本発明の第１の実施形態に係る赤外線センサの製造方法（図５Ａの続き）の変形例を示す工程断面図である。図６は、本発明の第１の実施形態の変形例に係る赤外線センサを示す断面図である。図７Ａは、本発明の第２の実施形態に係る赤外線センサを示す断面図である。図７Ｂは、本発明の第２の実施形態に係る赤外線センサの製造方法を示す工程断面図である。図８Ａは、本発明の第３の実施形態に係る赤外線センサを示す断面図である。図８Ｂは、本発明の第３の実施形態に係る赤外線センサの製造方法を示す工程断面図である。図９は、従来の赤外線センサを示す断面図である。図１０Ａは、従来の赤外線センサの製造方法を示す工程断面図である。図１０Ｂは、従来の赤外線センサの製造方法（図１０Ａの続き）を示す工程断面図である。図１０Ｃは、従来の赤外線センサの製造方法（図１０Ｂの続き）を示す工程断面図である。図１０Ｄは、従来の赤外線センサの製造方法（図１０Ｃの続き）を示す工程断面図である。図１０Ｅは、従来の赤外線センサの製造方法（図１０Ｄの続き）を示す工程断面図である。図１０Ｆは、従来の赤外線センサの製造方法（図１０Ｅの続き）を示す工程断面図である。

　以下、本発明に係る赤外線センサ及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。

　（第１の実施形態）
　以下、本発明の第１の実施形態について、図１、図２、図３、図４Ａ～図４Ｈおよび図５Ａ、図５Ｂを参照しながら説明する。

　図１は、本実施形態における赤外線センサの構成を示す平面図である。また、図２は、図１に示す赤外線センサのＡ－Ａ線に沿った断面を示す図である。

　図１、図２に示すように、本実施形態に係る赤外線センサは、基板１と、基板１の一表面側に設けられた空間部２と、空間部２上に設けられた薄膜構造体からなる。薄膜構造体は、赤外線を吸収する赤外線吸収部３と、基板１と赤外線吸収部３に亘って設けられた支持脚４からなる。薄膜構造体は、支持脚４によってその一部が基板１上の支持部１４と連続することで空間部２上に保持されている。支持脚４は、後述する熱電対素線６からなるサーモパイルを含んでいる。平面視において、薄膜構造体を囲うように、空間部２を形成するための開口部１３が設けられている。

　つまり、本実施形態に係る赤外線センサは、基板１と、基板１の一表面側において、基板１上に形成された支持脚４および赤外線吸収部３を含む薄膜構造体とを備える。基板１と薄膜構造体との間には空間部２が設けられている。赤外線吸収部３には、支持膜５、層間絶縁膜７および第１の赤外線吸収膜（赤外線吸収膜８）が下層より順に形成されている。支持脚４には、支持膜５、熱電対素線６、層間絶縁膜７および金属配線９が下層より順に形成されている。金属配線９は、熱電対素線６に電気的に接続されたバリア膜１０ａと導電膜（低抵抗膜１０ｂ）とで構成された積層膜からなる。第１の赤外線吸収膜（赤外線吸収膜８）とバリア膜１０ａとは、同一材料かつ同一膜厚で形成されている。以下、本実施形態に係る赤外線センサの構成について、詳細に説明する。

　基板１はヒートシンクとして機能し、赤外線吸収部３が赤外線を吸収することにより生じた基板１との温度差を、支持脚４内のサーモパイルにより電気的信号に変換し、赤外線を検知する。空間部２及び開口部１３を設けることで、薄膜構造体を基板１から熱的に分離している。これにより、基板１と赤外線吸収部３との間の断熱性を向上させ、検出感度を高めている。

　以下、基板１、赤外線吸収部３、支持脚４および支持部１４のそれぞれの構造について詳述する。

　基板１は、例えばｎ型で一表面が｛１００｝面の単結晶シリコン（Ｓｉ）基板を用いることが可能である。

　赤外線吸収部３は、図２に示すように、支持膜５と、層間絶縁膜７と、赤外線吸収膜８とを含んで構成されている。

　ここで、支持膜５および層間絶縁膜７は、一例として酸化シリコン（ＳｉＯ_２）膜などの絶縁膜で形成されておればよいが、これに限るものではなく、他に窒化シリコン（ＳｉＮ）膜、酸窒化シリコン（ＳｉＯＮ）膜、あるいは炭化シリコン（ＳｉＣ）膜などを用いることができ、また、それらの積層膜であってもよい。

　層間絶縁膜７上には、赤外線吸収膜８が形成されている。赤外線吸収膜８は、例えば、チタン（Ｔｉ）と窒化チタン（ＴｉＮ）の積層膜（Ｔｉ／ＴｉＮ膜）を用いることができるが、これに限るものではなく、他にチタン（Ｔｉ）、タンタル（Ｔａ）などの金属およびその窒化物または酸化物のいずれかを含んでいてもよい。つまり、第１の赤外線吸収膜（赤外線吸収膜８）は、チタニウム、タンタル、もしくはその窒化物または酸化物のいずれかを含んでもよい。

　支持脚４は、図２に示すように、支持膜５と、熱電対素線６と、層間絶縁膜７と、熱電対素線６どうしを電気的に接続する金属配線９とを含んで構成されている。また、支持脚４は、図１に示すように、赤外線吸収部３に隣接すると共に赤外線吸収部３と基板１上の支持部１４にまたがって形成されている。

　ここで、支持脚４における支持膜５は、前述した赤外線吸収部３を構成する支持膜５と工程のばらつき範囲内で実質的に同一材料、同一膜厚で構成される。以下、「同一」は工程のばらつき範囲内を含んでいる。

　支持脚４における支持膜５上には、例えばポリシリコンなどからなる熱電対素線６が形成されている。熱電対素線６は、本実施形態ではｎ型ポリシリコン層６ａ及びｐ型ポリシリコン層６ｂからなるサーモパイルとして形成されている。なお、熱電対素線６を構成する材料はこれに限るものではなく、ポリシリコン、ポリゲルマニウム、ポリシリコンゲルマニウムなど、ゼーベック効果を有する材料であれば使用することができる。

　熱電対素線６上には、層間絶縁膜７が形成されている。ここで、支持脚４における層間絶縁膜７は、前述した赤外線吸収部３を構成する層間絶縁膜７と同一材料、同一膜厚で構成される。

　層間絶縁膜７上には、金属配線９が形成されている。金属配線９は、層間絶縁膜７内に設けられたコンタクトホールを介して、ｎ型ポリシリコン層６ａとｐ型ポリシリコン層６ｂとを電気的に接続し、サーモパイルを形成する。

　ここで、金属配線９は、バリア膜１０ａと低抵抗膜１０ｂとの積層膜からなる。バリア膜１０ａは、前述した赤外線吸収部３における赤外線吸収膜８と同一材料、同一膜厚で構成される。また、低抵抗膜１０ｂは、例えばアルミニウム（Ａｌ）を含む金属膜からなる。

　支持部１４は、図２に示すように、基板１の一表面側に、支持膜５と、層間絶縁膜７とを含んで構成されている。

　支持部１４における基板１上には支持膜５が形成されている。ここで、支持部１４における支持膜５は、前述した赤外線吸収部３を構成する支持膜５と同一材料、同一膜厚で構成される。

　支持部１４における支持膜５上には、層間絶縁膜７が形成されている。ここで、支持部１４における層間絶縁膜７は、前述した赤外線吸収部３を構成する層間絶縁膜７と同一材料、同一膜厚で構成される。

　次に、赤外線吸収膜８の特性について説明する。

　図３に、単結晶シリコン基板上に形成された単層膜もしくは積層膜の赤外線吸収膜８の赤外線吸収スペクトルを示す。図３では、赤外線センサによく用いられる赤外線吸収膜８として、酸化シリコン膜（図中の「ＳｉＯ_２」、厚みを２００ｎｍとする）、窒化シリコン膜（図中の「ＳｉＮ」、厚みを２００ｎｍとする）、およびＴｉ／ＴｉＮ膜（図中の「Ｔｉ／ＴｉＮ」、厚みを５ｎｍ／１０ｎｍとする）の結果（吸収率）を示している。

　赤外線吸収膜中での光の吸収は、界面での反射を考慮しない場合、膜厚が厚いほどその吸収率が高くなる。図３からわかるように、Ｔｉ／ＴｉＮ膜は合計膜厚が１５ｎｍという薄膜であっても、膜厚が２００ｎｍという厚膜の酸化シリコン膜や窒化シリコン膜と対比して、全波長域に亘って安定して高い吸収率を示している。従って、Ｔｉ／ＴｉＮ膜などの金属膜を吸収膜として用いることにより、赤外線の吸収率を高めることができる。また、Ｔｉなどの金属を酸化させることにより、赤外線の吸収率をさらに高めることができる。

　一方、Ｔｉ／ＴｉＮ膜などの金属膜からなる赤外線吸収膜８をバリア膜として併用する場合、そのバリア性と赤外線吸収効率の観点から、バリア膜の膜厚は５ｎｍから１００ｎｍの範囲にすることが好ましい。つまり、第１の赤外線吸収膜（赤外線吸収膜８）の膜厚は、５ｎｍ以上かつ１００ｎｍ以下の範囲であるのが好ましい。

　次に、本実施形態の赤外線センサの製造方法について、図４Ａ～図４Ｈを参照しながら説明する。

　まず、図４Ａに示すように、例えば基板１の一表面上の全面に、熱酸化法などを用いて、例えば膜厚３００ｎｍの酸化シリコン膜からなる支持膜５を形成する。

　次に、図４Ｂに示すように、ＬＰＣＶＤ（Ｌｏｗ　Ｐｒｅｓｓｕｒｅ　Ｃｈｅｍｉｃａｌ　Ｖａｐｏｒ　Ｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ）法などを用いて、支持膜５上に例えば膜厚３００ｎｍのノンドープポリシリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、ノンドープポリシリコン膜のうち熱電対素線６となる部分が残るようにパターニングする。その後、熱電対素線６となるノンドープポリシリコン膜のうち、ｐ型ポリシリコン層６ｂとなる部分に例えばホウ素などのｐ型不純物のイオン注入を行い、続いて、ｎ型ポリシリコン層６ａとなる部分に例えばリンなどのｎ型不純物のイオン注入を行う。その後、ドライブインアニールを行うことにより、熱電対素線６となるｐ型ポリシリコン層６ｂとｎ型ポリシリコン層６ａを形成する。このようにして、支持膜５上に熱電対素線６を形成する。

　次に、図４Ｃに示すように、熱電対素線６となるｐ型ポリシリコン層６ｂとｎ型ポリシリコン層６ａを形成した基板１の表面側の全面に、ＣＶＤ法などにより例えば膜厚６００ｎｍの酸化シリコン膜を堆積して層間絶縁膜７を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、層間絶縁膜７におけるｐ型ポリシリコン層６ｂ上とｎ型ポリシリコン層６ａ上を開口し、コンタクトホール１１を形成する。

　次に、図４Ｄに示すように、コンタクトホール１１を形成した層間絶縁膜７上の全面に、ＰＶＤ（Ｐｈｙｓｉｃａｌ　Ｖａｐｏｕｒ　Ｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ）法などにより例えば膜厚５ｎｍのチタン（Ｔｉ）膜と例えば膜厚１０ｎｍの窒化チタン（ＴｉＮ）膜を堆積し、バリア膜１０ａを形成する。つまり、コンタクトホール１１上を含む層間絶縁膜７上に、導電性のバリア膜１０ａを形成する。その後、バリア膜１０ａ上に、ＰＶＤ法などにより例えば膜厚１０００ｎｍのアルミニウム（Ａｌ）膜を堆積し、低抵抗膜（導電膜）１０ｂを形成する。つまり、バリア膜１０ａ上に低抵抗膜（導電膜）１０ｂを形成する。なお、バリア膜はチタン（Ｔｉ）膜および窒化チタン（ＴｉＮ）膜としたが、これに限るものではなく、チタン（Ｔｉ）膜、タンタル（Ｔａ）膜、もしくはその窒化物または酸化物で形成されていてもよい。また、膜厚も上述の値に限るものではないが、５ｎｍ～１００ｎｍの範囲とすることが望ましい。

　次に、図４Ｅに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、金属配線９及び赤外線吸収膜８に対応する部分に、バリア膜１０ａと低抵抗膜１０ｂが残存するようにパターニングする。エッチングには、塩素などを含む反応性ガスを用いたドライエッチングを用いることができる。これにより、金属配線９および赤外線吸収膜８を形成することができる。つまり、バリア膜１０ａおよび低抵抗膜（導電膜）１０ｂを連続してパターニングし、金属配線９を形成すると同時に、バリア膜１０ａからなる赤外線吸収膜８および赤外線吸収膜８上の低抵抗膜（導電膜）１０ｂを残存させる。

　次に、図４Ｆに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、赤外線吸収膜８に対応する部分のバリア膜１０ａを残して、低抵抗膜１０ｂのみを選択的に除去することで、赤外線吸収膜８を露出する。つまり、赤外線吸収膜８と赤外線吸収膜８上の低抵抗膜（導電膜）１０ｂのうち低抵抗膜（導電膜）１０ｂのみを除去する。選択的エッチングには、例えば、燐酸、硝酸、酢酸の加熱混合溶液を用いることができる。また、アッシング工程により、赤外線吸収膜８を意図的に酸化する工程を用いてもよい。

　次に、図４Ｇに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、層間絶縁膜７及び支持膜５の所定領域をエッチングし、後に空間部２を形成するための基板１に到達する開口部１３を形成する。つまり、熱電対素線６および赤外線吸収膜８の周縁部に形成された層間絶縁膜７および支持膜５を除去して基板１を露出させる。エッチングには、四フッ化炭素（ＣＦ_４）などを含む反応性ガスを用いたドライエッチングを用いることができる。

　次に、図４Ｈに示すように、開口部１３を通じてエッチング液を導入して、基板１を異方性エッチングすることにより、基板１内に空間部２を形成する。つまり、露出した基板１を所定の深さまでエッチング除去して、熱電対素線６および赤外線吸収膜８の直下に空間部２を形成し、支持脚４および赤外線吸収部３を形成する。エッチング液には、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム（ＴＭＡＨ）溶液などのアルカリ系溶液を用いることができる。

　アルカリ系溶液のエッチングレートは、シリコンの結晶面によって異なり、｛１００｝面に比べて、｛１１１｝面のエッチングレートが低い。そのため、エッチングされた凹部では、エッチングレートの遅い｛１１１｝面が現れると、エッチングが停止し、結果として、空間部２がＶ字型に形成される。

　以上の製造方法により、本実施形態に示す赤外線センサを作製することができる。

　次に、本実施形態の赤外線センサの製造方法の変形例について、図５Ａ、図５Ｂを参照しながら説明する。

　本実施形態の赤外線センサの製造方法の変形例は、上記した本実施形態の赤外線センサの製造方法に示した図４Ｄまでは全く同一の製造工程であるため、繰り返しの説明は省略する。

　４Ｄの工程まで終了した後、図５Ａに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、金属配線９に対応する部分に、低抵抗膜１０ｂが残存するように他の領域の低抵抗膜のみを選択的に除去するパターニングを行う。つまり、バリア膜１０ａおよび低抵抗膜（導電膜）１０ｂのうち低抵抗膜（導電膜）１０ｂのみをパターニングし、支持膜５の上方の低抵抗膜（導電膜）１０ｂを残存させると同時に、赤外線吸収膜８を形成する領域では低抵抗膜（導電膜）１０ｂを除去する。選択的エッチングには、例えば、燐酸、硝酸、酢酸の加熱混合溶液を用いることができる。この時点では、バリア膜１０ａは全面に残存している。

　次に、図５Ｂに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、金属配線９および赤外線吸収膜８に対応する部分に、バリア膜１０ａが残存するようにパターニングする。つまり、低抵抗膜（導電膜）１０ｂを除去する工程の後に、赤外線吸収膜８を形成する領域にバリア膜１０ａからなる赤外線吸収膜８を残存させるように、層間絶縁膜７上に露出したバリア膜１０ａを除去する。この際、例えば、赤外線吸収膜８に対応する部分のみをレジストマスクで覆い（図示せず）、金属配線９に対応する部分は低抵抗膜をハードマスクとして用いてエッチングしてもよい。エッチングには、例えばフッ化水素（ＨＦ）などを用いることができる。このようにして、金属配線９と赤外線吸収膜８を形成する。

　以降の工程は、本実施形態の製造方法に示した図４Ｇ、図４Ｈと全く同様の方法を用いて、本実施形態に示す赤外線センサを作製することができる。

　さらに、本変形例の特有の効果として、上記した本実施形態の製造方法では、赤外線吸収膜８を形成するためのパターニングを、低抵抗膜１０ｂ及びバリア膜１０ａのエッチング工程とバリア膜１０ａ選択除去工程との連続した２回で実施する必要があることに対して、本変形例では、バリア膜１０ａのエッチング工程１回のみのパターニングで、赤外線吸収膜８を形成することができる。そのため、上記した本実施形態の製造方法に比べて、赤外線吸収膜８のパターニング時の寸法ばらつきやパターニング工程間での重ね合わせずれによるばらつきを小さくすることができる。

　言い換えれば、赤外線吸収膜８の寸法ばらつきマージンを縮小することができ、赤外線吸収部３における赤外線吸収膜８の占める領域を大きくすることができ、結果として、赤外線の検出感度を高めることができる。

　以上に示した本実施形態の赤外線センサおよびその製造方法を用いれば、金属配線を構成するバリア膜を赤外線吸収膜として併用することができる。そのため、赤外線吸収膜を別途、膜形成する必要が無く、製造工程を短縮することができる。そのため、赤外線吸収膜を有しつつも、製造コストを抑制した赤外線センサを実現することができる。

　次に、本実施形態の赤外線センサの変形例について、図６を参照しながら説明する。

　図６は、本発明の第１の実施形態の変形例に係る赤外線センサを示す断面図である。図６に示す本実施形態の赤外線センサの変形例は、図１、図２に示す本実施形態の赤外線センサの赤外線吸収部３、支持脚４および支持部１４の上層に保護膜１２を有するものである。つまり、本変形例では、上記実施形態の赤外線センサの薄膜構造体上に絶縁膜からなる単層の保護膜１２が形成されている。

　保護膜１２は、一例として酸化シリコン（ＳｉＯ_２）膜などの絶縁膜で形成されておればよいが、これに限るものではなく、他に窒化シリコン（ＳｉＮ）膜、酸窒化シリコン（ＳｉＯＮ）膜、あるいは炭化シリコン（ＳｉＣ）膜などを用いることができ、また、それらの積層膜であってもよい。

　ここで、支持脚４における低抵抗膜１０ｂの上層の保護膜１２と、赤外線吸収部３における赤外線吸収膜８の上層の保護膜１２と、支持部１４における層間絶縁膜７の上層の保護膜１２とは、同時形成された同一材料で形成されている。

　次に、本実施形態の赤外線センサの変形例を作製するための製造方法について説明する。

　特に図示はしないが、上記した本実施形態の赤外線センサの製造方法において、図４Ｆと図４Ｇとの間に、層間絶縁膜７上、金属配線９上および赤外線吸収膜８上を覆う、例えば膜厚５００ｎｍの窒化シリコン膜からなる保護膜１２を形成した後、図４Ｇにおいて、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、保護膜１２、層間絶縁膜７及び支持膜５の所定領域をエッチングし、後に空間部２を形成するための基板１に到達する開口部１３を形成すればよい。エッチングには、四フッ化炭素（ＣＦ_４）などを含む反応性ガスを用いたドライエッチングを用いることができる。

　以降は、本実施形態の赤外線センサの製造方法における図４Ｈと同様の製造方法を用いることで、図８に示す本実施形態の赤外線センサの変形例の構造を作製することができる。

　このような構成とすることで、従来、金属配線よりも上層に赤外線吸収膜を配置していた構造の場合に必要とされていた、赤外線吸収膜と金属配線との間の第１の保護膜および赤外線吸収膜の上の第２の保護膜が、赤外線吸収膜の上の第２の保護膜のみの形成で済むため、保護膜の単層化および膜厚低減を図ることができ、結果的に製造工程を短縮することができる。

　（第２の実施形態）
　以下、本発明の第２の実施形態について、図７Ａおよび図７Ｂを参照しながら説明する。図７Ａは、本発明の第２の実施形態に係る赤外線センサを示す断面図である。図７Ｂは、本発明の第２の実施形態に係る赤外線センサの製造方法を示す工程断面図である。

　図７Ａに示す本実施形態の赤外線センサは、図１、図２に示す第１の実施形態の赤外線センサの赤外線吸収部３における赤外線吸収膜８（以降、本実施形態において、第１の赤外線吸収膜と称する）の下方に第２の赤外線吸収膜６ｃを備えたものである。つまり、本実施形態では、第１の実施形態における赤外線吸収部３において、支持膜５と層間絶縁膜７との間に熱電対素線６と同一材料かつ同一膜厚からなる第２の赤外線吸収膜６ｃが介在している。

　第２の赤外線吸収膜６ｃは、例えばポリシリコンからなり、支持脚４における熱電対素線６を構成する膜と同時形成された同一材料および同一膜厚を有する膜である。

　次に、本実施形態の赤外線センサを作製するための製造方法について説明する。

　本実施形態の赤外線センサの製造方法は、第１の実施形態における赤外線センサの製造方法における図４Ｂの工程のみが異なっている。

　図７Ｂに示すように、熱電対素線６となるｐ型ポリシリコン層６ｂとｎ型ポリシリコン層６ａを形成する際に、後に上方に第１の赤外線吸収膜８を形成する領域にも、例えばｎ型ポリシリコン層６ａ形成時に、同時に第２の赤外線吸収膜６ｃをｎ型ポリシリコン層として形成すればよい。勿論、ｐ型ポリシリコン層６ｂ形成時に、同時に第２の赤外線吸収膜６ｃをｐ型ポリシリコン層として形成しても良い。

　以降は、本実施形態の赤外線センサの製造方法における図４Ｃ～図４Ｈと同様の製造方法を用いることで、図７Ａに示す本実施形態の赤外線センサの構造を作製することができる。

　以上に示した本実施形態の赤外線センサおよびその製造方法を用いれば、金属配線を構成するバリア膜を第１の赤外線吸収膜として併用することができる。そのため、第１の赤外線吸収膜を別途、膜形成する必要が無く、製造工程を短縮することができる。そのため、第１の赤外線吸収膜を有しつつも、製造コストを抑制した赤外線センサを実現することができる。

　さらに、本実施形態特有の効果として、第１の実施形態の製造方法と対比して、何らの製造工程の追加なしに、第２の赤外線吸収膜６ｃを設けることができるため、第１の実施形態に比べて、製造コストの増加無く、さらに赤外線の吸収率を高めることができ、結果として、赤外線の検出感度をより高めることができる。

　（第３の実施形態）
　以下、本発明の第３の実施形態について、図８Ａおよび図８Ｂを参照しながら説明する。図８Ａは、本発明の第３の実施形態に係る赤外線センサを示す断面図である。図８Ｂは、本発明の第３の実施形態に係る赤外線センサの製造方法を示す工程断面図である。

　図８Ａに示す本実施形態の赤外線センサは、図１、図２に示す第１の実施形態の赤外線センサの赤外線吸収部３において、層間絶縁膜７における赤外線吸収膜８の下地となる領域に凹部を形成し、その上に赤外線吸収膜８を形成したものである。このため、赤外線吸収膜８は凹凸状を有する段差形状となる。勿論、第１の実施形態と同様、赤外線吸収部３における赤外線吸収膜８は、バリア膜１０ａと同時形成された同一材料、同一膜厚の膜で構成される。つまり、本実施形態では、第１の実施形態の赤外線吸収部３において、第１の赤外線吸収膜（赤外線吸収膜８）が凹凸状の段差形状に形成されている。さらに、層間絶縁膜７における第１の赤外線吸収膜（赤外線吸収膜８）の直下に凹凸状の段差が形成されている。

　本実施形態の赤外線センサの製造方法は、第１の実施形態における赤外線センサの製造方法における図４Ｃの工程のみが異なっている。

　図８Ｂに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、層間絶縁膜７におけるｐ型ポリシリコン層６ｂ上とｎ型ポリシリコン層６ａ上を開口し、コンタクトホール１１を形成する際に、層間絶縁膜７における赤外線吸収部３にも同時にコンタクトホール１１を形成すればよい。この際、赤外線吸収部３に形成するコンタクトホール１１は凹凸状の段差形状とすることが目的であるため、必ずしも支持膜５を露出させる必要はない。

　以降は、本実施形態の赤外線センサの製造方法における図４Ｄ～図４Ｈと同様の製造方法を用いることで、図８Ａに示す本実施形態の赤外線センサを作製することができる。

　さらに、本実施形態特有の効果として、第１の実施形態の製造方法と対比して、何らの製造工程の増加なしに、凹凸状の段差形状を有する赤外線吸収膜を形成することができるため、第１の実施形態に比べて、製造コストの増加無く、赤外線吸収膜８の表面積を増やすことができ、また斜めに入射した赤外線に対しても、赤外線吸収膜８を有効に活用することができる。したがって、より赤外線の吸収率を高めることができ、結果として、赤外線の検出感度をより高めることができる。

　なお、本発明の第１から第３の実施形態に開示された構成は互いに組み合わせることが可能であり、また、第１の実施形態で開示した赤外線吸収膜の構成材料および膜厚は第２および第３の実施形態でも成立する。

　本発明の赤外線センサ及びその製造方法は、赤外線の検出感度を高めるための赤外線吸収膜を備えつつも、製造工程が短縮され製造コストが低減できるものであり、特に、低コストで検出感度の高い赤外線センサ及びその製造方法において有用である。

１　基板
２　空間部
３　赤外線吸収部
４　支持脚
５　支持膜
６　熱電対素線
６ａ　ｎ型ポリシリコン層
６ｂ　ｐ型ポリシリコン層
６ｃ　第２の赤外線吸収膜
７　層間絶縁膜
８　赤外線吸収膜
９　金属配線
１０ａ　バリア膜
１０ｂ　低抵抗膜（導電膜）
１１　コンタクトホール
１２　保護膜
１２ａ　第１の保護膜
１２ｂ　第２の保護膜
１３　開口部
１４　支持部

Claims

　基板と、前記基板の一表面側において、前記基板上に形成された支持脚および赤外線吸収部を含む薄膜構造体とを備えた赤外線センサであって、
　前記基板と前記薄膜構造体との間には空間部が設けられており、
　前記赤外線吸収部には、支持膜、層間絶縁膜および第１の赤外線吸収膜が下層より順に形成されており、
　前記支持脚には、前記支持膜、熱電対素線、前記層間絶縁膜および金属配線が下層より順に形成されており、
　前記金属配線は、前記熱電対素線に電気的に接続されたバリア膜と導電膜とで構成された積層膜からなり、
　前記第１の赤外線吸収膜と前記バリア膜とは、同一材料かつ同一膜厚で形成されている赤外線センサ。
　前記赤外線吸収部において、前記支持膜と前記層間絶縁膜との間に前記熱電対素線と同一材料かつ同一膜厚からなる第２の赤外線吸収膜が介在している請求項１に記載の赤外線センサ。
　前記赤外線吸収部において、前記第１の赤外線吸収膜が凹凸状の段差形状に形成されている請求項１又は２に記載の赤外線センサ。
　前記層間絶縁膜における前記第１の赤外線吸収膜の直下に凹凸状の段差が形成されている請求項３に記載の赤外線センサ。
　前記薄膜構造体上に絶縁膜からなる単層の保護膜が形成されている請求項１～４のうちのいずれか１項に記載の赤外線センサ。
　前記保護膜は絶縁膜からなる請求項１～５のうちのいずれか１項に記載の赤外線センサ。
　前記第１の赤外線吸収膜の膜厚が５ｎｍ以上かつ１００ｎｍ以下の範囲である請求項１～６のうちのいずれか１項に記載の赤外線センサ。
　前記第１の赤外線吸収膜が、チタニウム、タンタル、もしくはその窒化物または酸化物のいずれかを含む請求項１～７のうちのいずれか１項に記載の赤外線センサ。
　基板の一表面上に支持膜を形成する工程と、
　前記支持膜上に熱電対素線を形成する工程と、
　前記熱電対素線上を含む前記支持膜上に層間絶縁膜を形成する工程と、
　前記層間絶縁膜に前記熱電対素線に達するコンタクトホールを形成する工程と、
　前記コンタクトホール上を含む前記層間絶縁膜上に、導電性のバリア膜を形成する工程と、
　前記バリア膜上に導電膜を形成する工程と、
　前記バリア膜および前記導電膜を連続してパターニングし、金属配線を形成すると同時に、前記バリア膜からなる赤外線吸収膜および前記赤外線吸収膜上の前記導電膜を残存させる工程と、
　前記赤外線吸収膜と前記赤外線吸収膜上の前記導電膜のうち前記導電膜のみを除去する工程と、
　前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の周縁部に形成された前記層間絶縁膜および前記支持膜を除去して前記基板を露出する工程と、
　露出した前記基板を所定の深さまでエッチング除去して、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の直下に空間部を形成し、支持脚および赤外線吸収部を形成する工程と、を備える赤外線センサの製造方法。
　基板の一表面上に支持膜を形成する工程と、
　前記支持膜上に熱電対素線を形成する工程と、
　前記熱電対素線上を含む前記支持膜上に層間絶縁膜を形成する工程と、
　前記層間絶縁膜に前記熱電対素線に達するコンタクトホールを形成する工程と、
　前記コンタクトホール上を含む前記層間絶縁膜上に、導電性のバリア膜を形成する工程と、
　前記バリア膜上に導電膜を形成する工程と、
　前記バリア膜および前記導電膜のうち前記導電膜のみをパターニングし、前記支持膜の上方の前記導電膜を残存させると同時に、赤外線吸収膜を形成する領域では前記導電膜を除去する工程と、
　前記導電膜を除去する工程の後に、前記赤外線吸収膜を形成する領域に前記バリア膜からなる赤外線吸収膜を残存させるように、前記層間絶縁膜上に露出した前記バリア膜を除去する工程と、
　前記バリア膜を除去する工程の後に、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の周縁部に形成された前記層間絶縁膜および前記支持膜を除去して前記基板を露出する工程と、
　露出した前記基板を所定の深さまでエッチング除去して、前記熱電対素線および前記赤外線吸収膜の直下に空間部を形成し、支持脚および赤外線吸収部を形成する工程と、を備える赤外線センサの製造方法。