JP2017181261A - 炎検知器 - Google Patents

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浩志 上野
Hiroshi Ueno
浩志 上野
木股 雅章
Masaaki Kimata
雅章 木股
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Abstract

【課題】炎検知用の赤外線検出素子として焦電素子を使用する場合よりも、耐振動性、応答特性に優れた炎検知器を得る。【解決手段】炎検知に適した第1波長領域に分光感度を有する第1素子(TP1)と、その他の波長領域に分光感度を有する第2素子(TP2)とを含む2波長サーモパイルを備え、第1素子と第2素子の検出結果の比較に基づいて、火炎と光源を判別した上で炎の発生を検出する炎検知器であって、第1素子は、反射膜(11)、干渉膜(12)、吸収膜(13)、保護膜(14)が順次積層されて構成され、吸収膜の波長帯は、第1波長領域に分光感度を有するように選定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、火災が発生したことを知らせる炎検知器に関し、特に、設置環境における耐振動性を改善した炎検知器に関する。
トンネル内で発生する火災を検出するために使用される現行の炎検知器では、波長0.8μm〜1.1μmの近赤外線領域と、波長1.0〜2.7μmの中赤外線領域の2波長を検知している。
より具体的には、近赤外線領域を検出するセンサとしてフォトダイオードを用い、中赤外線領域を検出するセンサとして焦電素子を用い、これらのセンサで検出した波長に応じて、検知対象の火災と、誤検出要因となる光源との判別を行っている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、既存のトンネル用の炎検知器の窓材の構造を示すものである。図12に示すように、現行のトンネル用の炎検知器では、近赤外線領域を検出するためのフォトダイオード101の前面には、赤外透過フィルタ112と硬質ガラス113とが順次積層された窓材が設けられている。
一方、中赤外線領域を検出するための焦電素子102の前面には、シリコンフィルタ(Siフィルタ)111、赤外透過フィルタ112、および硬質ガラス113が順次積層された窓材が設けられている。
なお、硬質ガラス113は、フォトダイオード101および焦電素子102を保護する保護材としての役割をなしている。
既存のトンネル用の炎検知器において、窓材として使用されるSiフィルタ111、赤外透過フィルタ112、硬質ガラス113は、各波長に対する透過率特性から、以下の特徴を備えている。
・Siフィルタ111:約1.0μm以下の波長をカットする働きを有している。
・赤外透過フィルタ112:約0.8〜2.8μmの波長領域で高い透過率を有している。
・硬質ガラス113:約2.7μm以上の波長をカットする働きを有している。
図13は、既存のトンネル炎検知器である図12に示した構成を有する窓材を透過後のフォトダイオード101と焦電素子102のそれぞれの、波長に対する相対感度特性を示した図である。図13に示すように、先の図12に示した窓材構成を備えることで、フォトダイオード101により波長0.8μm〜1.1μmの近赤外線領域を検出し、焦電素子102により波長1.0〜2.7μmの中赤外線領域を検出し、2波長を識別して検知できることがわかる。
また、特許文献1に開示された従来の炎検知器において、焦電素子102の前面に設けられるSiフィルタ111は、安価で焦電素子102の短波長側の出力を制限できる。しかしながら、焦電素子102は、フォトダイオード101の感度領域と重複する部分が生じてしてしまうため、各種光源の波長を検出してしまい、火災の検出精度が低下するおそれがある。
そこで、このような課題を解決するために、火炎とトンネル内に存在する各種光源の分離度を高めた炎検知器がある(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された従来の炎検知器は、近赤外線領域を検出するフォトダイオードと、中赤外線領域を検出する焦電素子と、フォトダイオードおよび焦電素子の前面に設けられた窓材構造とを備えている。そして、同一検知対象に対するフォトダイオードの出力と焦電素子の出力との比較に基づいて、火炎と光源を判別した上で炎の発生を検出する。
ここで、特許文献2に開示された従来の炎検知器は、焦電素子の前面に設けられる窓材構造として、フォトダイオードと焦電素子で重なっていた感度領域をなくすように、焦電素子の短波長側の感度領域を長波長側に移動させることのできる窓材を適用している。この結果、火炎とトンネル内に存在する各種光源の分離度を高めた炎検知器を実現している。
特開2001−141559号公報 特開2014−197296号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
炎検知用の赤外線検出素子には、赤外線感度の高さから、特許文献1、2に示すように、主に焦電素子が使用されてきた。しかしながら、赤外線検出素子としては、焦電素子以外にも、サーモパイル、ボロメーター、量子型など、種々な原理の素子があり、それぞれに特徴を有している。
すなわち、炎検知器を必要とする様々な現場状況に対応するためには、炎検知器に用いられる赤外線検出素子も、状況に応じて最適な検出原理を選定することで、より効果的な火災検出を実行できることとなる。
焦電素子は、他の検出原理と比較して、感度的には優れている。しかしながら、耐振動性、応答特性の観点では、焦電素子は、他の検出原理のものと比較して、劣る場合もあった。
また、炎検知器として焦電素子を用いる場合には、例えば、4.3μmのバンドパスフィルタ(BPF)が必要となり、製品コストの上昇につながっていた。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、炎検知用の赤外線検出素子として焦電素子を使用する場合よりも、耐振動性、応答特性に優れ、コスト低減を図ることのできる炎検知器を得ることを目的とする。
本発明に係る炎検知器は、炎検知に適した第1波長領域に分光感度を有する第1素子と、その他の波長領域に分光感度を有する第2素子とを含む2波長サーモパイルを備え、第1素子と第2素子の検出結果の比較に基づいて、火炎と光源を判別した上で炎の発生を検出する炎検知器であって、第1素子は、吸収膜を含む積層構造を有し、吸収膜の波長帯は、第1波長領域に分光感度を有するように選定されているものである。
本発明によれば、炎検知に適した波長領域に分光感度を有する素子と、その他の波長領域に分光感度を有する素子とを含む2波長サーモパイルを組み込むことで炎検知器を構成している。この結果、炎検知用の赤外線検出素子として焦電素子を使用する場合よりも、耐振動性、応答特性に優れ、コスト低減を図ることのできる炎検知器を得ることができる。
本発明の実施の形態1における2波長サーモパイルの素子吸収膜構造を示す断面略図である。 本発明の実施の形態1における2波長サーモパイルの有する分光吸収率特性を示した図である。 本発明の実施の形態1における2波長サーモパイルの素子構造を示す図である。 本発明の実施の形態1において試作した煙検知器の外観の一例を示した説明図である。 本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、黒体炉温度と分光比との関係を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、各種火炎に対する分光比の比較結果を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、各種光源に対する分光比の比較結果を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、太陽光を入射したときのTP1出力の時間変化を示した図である。 本発明の実施の形態1に係るパターン1の配列を有する炎検知器の、監視角度に対する素子出力の変化特性を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るパターン2の配列を有する炎検知器の、監視角度に対する素子出力の変化特性を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るパターン2の配列を有する炎検知器の、視野拡大を図った後の、監視角度に対する素子出力の変化特性を示す図である。 既存のトンネル用の炎検知器の窓材の構造を示すものである。 既存のトンネル炎検知器である図12に示した構成を有する窓材を透過後のフォトダイオード101と焦電素子102のそれぞれの、波長に対する相対感度特性を示した図である。
以下、本発明の炎検知器の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
本発明は、2波長を識別して検出するために、異なる2種類の分光感度を持つサーモパイル(以下、2波長サーモパイルと称す)を試作し、炎検出の性能検証を行うことで、耐振動性、応答特性に優れた炎検知器を実現したことを技術的特徴とするものである。換言すると、一般的に、焦電素子よりも耐振動性、応答特性に優れたサーモパイルを用いて、実用的な炎検知器を実現したことを技術的特徴とするものである。
実施の形態1.
試作した2波長サーモパイルは、吸収膜の材質と厚みにより、吸収波長の分光感度を調整できる構成となっている。図1は、本発明の実施の形態1における2波長サーモパイルの素子吸収膜構造を示す断面略図である。また、図2は、本発明の実施の形態1における2波長サーモパイルの有する分光吸収率特性を示した図である。
図1に示すように、短波長まで感度があり、炎検出用の素子の役目を果たす素子TP1は、反射膜11、干渉膜12、吸収膜13、保護膜14が順次積層されて構成されている。一方、長波長まで感度のある素子TP2は、反射膜11、干渉膜12、保護膜14が順次積層されて構成されている。
すなわち、素子TP1に吸収膜13を設けることで、図2に示すように、1つの筐体内に2つの異なる分光吸収率特性を備えた2波長サーモパイルを形成することができる。そして、吸収膜13の波長帯は、素子TP1の波長領域に分光感度を有するように選定されている。なお、素子TP2側に、素子TP1とは異なる吸収率を有する吸収膜13を設ける構成を採用することも可能である。
図3は、本発明の実施の形態1における2波長サーモパイルの素子構造を示す図である。図3に示すように、本実施の形態1におけるサーモパイルの素子構造(素子TP1、TP2のそれぞれの素子構造)は、感度、応答時間、振動特性を考慮して、図3に示すような構造としている。
なお、図1に示した積層順は、一例に過ぎず、その他の積層構造を採用することも可能である。また、図2に示した吸収波長も、一例に過ぎず、2波長サーモパイルの構成に応じて、適切な設計が可能である。さらに、図3に示した素子構造も、一例に過ぎず、他の素子構造を採用することも可能である。
本実施の形態1に係る2波長サーモパイルは、先の図1で示した素子TP1と素子TP2の異なる2種類の素子を、交互に3個、直線状に、500μm間隔で並べて配置している。3個の素子配列としては、以下の2つのパターンがある。
パターン1:TP2−TP1−TP2と配列した場合
パターン2:TP1−TP2−TP1と配列した場合
なお、以下に説明する検証結果では、パターン1、2の2種類の素子配列に関するデータが混在しているが、結論としては、パターン2を採用することで、視差による誤報耐性を上げている。
図4は、本発明の実施の形態1において試作した炎検知器の外観の一例を示した説明図である。試作品は、3個の素子配列を有する2波長サーモパイル素子を、断熱材を介してPC板に半田付けし、図4に示した樹脂筐体に収めた構成としている。さらに、炎検知器の表面の窓材としては、両面研磨Ge(ゲルマニウム)を採用している。
また、試作した炎検知器は、素子出力の交流成分(AC出力)を使用して火災判定を行っており、AC出力がパーソナルコンピュータ等のデータ収集器に伝送可能な構成となっている。
さらに、試作品の電気的な仕様は、以下のようになっている。
アンプ増幅率 AC:×49000(max)
周波数特性 AC:1〜10Hz
AC変換 12ビット(F.S.=3.0V)
サンプリング 20msec
次に、試作品を用いた動作確認結果について、以下に詳細に説明する。
(1)高温物体に対する分光比の検証結果(パターン1の素子配列を使用)
黒体炉を熱源として、試作した炎検知器のAC出力、および素子TP1と素子TP2との分光比(TP1/TP2)を測定した。なお、試作品では、上述したように交流成分を測定していることから、炎検知器と熱源との間には、4Hzのチョッパを設置した。
図5は、本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、黒体炉温度と分光比との関係を示した図である。なお、図5では、環境温度として、−20℃、25℃、60℃の3種類の結果がプロットされている。
図5から、分光比(TP1/TP2)は、環境温度による影響はほとんど見られず、黒体炉温度の上昇とともに増加し、黒体炉温度が800℃付近で一定となっていることがわかる。
従って、図5の特性を利用すれば、適切な分光比の閾値を設定することで、環境温度に依存することなく、ある温度以下の熱源を排除することが可能となる。
(2)各種火炎に対する分光比の検証結果(パターン1の素子配列を使用)
図6は、本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、各種火炎に対する分光比の比較結果を示した図である。図6から、種々の燃焼火炎に対する分光比は、おおむね1.3以上を示していることがわかる。その一方で、水素炎は、他の火炎と比較して、分光比が低くなっていることがわかる。
(3)誤報要因である各種光源に対する分光比の検証結果(パターン1の素子配列を使用)
図7は、本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、各種光源に対する分光比の比較結果を示した図である。図7から、誤報要因として考えられる種々の光源に対する分光比は、1.2以下を示しており、火炎に対する分光比よりも低めであることがわかる。
(4)太陽光の影響確認
太陽は、5500Kの高温物体である。そこで、太陽光の入射による影響の確認を行った。ただし、この確認に当たっては、試作した炎検知器の窓材として、Siを使用して測定した。
図8は、本発明の実施の形態1に係る炎検知器の、太陽光を入射したときのTP1出力の時間変化を示した図である。具体的には、試作品を日陰に設置し、太陽の日周運動により、試作した炎検知器に対して太陽光を入射させて測定した結果である。
図8から、経過時間が6分を過ぎた頃から、太陽光の入射の影響により、AC出力が上昇し、図示しないが、分光比は、2〜3程度と、火炎と同様に1.3以上の値を示した。測定中は、ほとんど雲は存在しなかったことから、大気の揺らぎによりAC出力が大幅に増加していると考えられる。
ここで、太陽光の揺らぎの影響を低減するためには、Geを窓材として使用することが考えられる。水の吸収スペクトルは、1.3μm付近であり、また、Geのカットオン波長は、1.6μmで、Siよりも長いためである。さらに、Geの価格は、干渉膜フィルタよりも安価であるというメリットもある。そこで、試作した炎検知器の窓材として、最終的には、Geを採用した。
(5)2波長サーモパイルの視差(パターン1の配列からパターン2の配列に変更)
試作した2波長サーモパイルは、上述したパターン1、パターン2のように、2種類の素子が同一パッケージ内に直線配置されている。このため、素子ごとに赤外線の入射角が僅かに異なり、分光比に影響が出る。そこで、パターン1、パターン2の配列に関して、視差の影響について検討した結果を以下に示す。
図9は、本発明の実施の形態1に係るパターン1の配列を有する炎検知器の、監視角度に対する素子出力の変化特性を示す図である。具体的には、熱源(黒体炉400℃)に対して、素子並びと同一方向で、試作の炎検知器を回転させた(傾けた)時の、監視角度(入射角度)による素子出力の変化を示したものである。
監視角度が±40°以内では、素子出力が変動しても、分光比は、ほぼ一定である。これに対して、監視角度が±40°を超えると、分光比も急激に変化している。分光比が上昇すると誤報の原因となる。従って、監視角度が±50°付近では、通常、火災と判定されるはずのない温度の物体でも、火災判定してしまうおそれがある。
監視角度が大きくなるに従って素子への入射量が減少することに伴い、素子出力も低下する。さらに、ある角度で、キャップ、フィルタ、筐体等により視野が遮られ、素子出力が大きく低下する。
3素子がパターン1(TP2−TP1−TP2)として配列された2波長サーモパイルでは、監視角度が大きくなると、両端にあるTP2素子のどちらかが先に遮られ、出力が大きく減少する。このとき、中央のTP1にはまだ赤外線が入射しているため、分光比(TP1/TP2)が上昇してしまい、誤報要因となってしまう。
そこで、3素子の素子配列の順番を逆にしたパターン2(TP1−TP2−TP1)による2波長サーモパイルを用いて、先の図9と同様の測定を行った。図10は、本発明の実施の形態1に係るパターン2の配列を有する炎検知器の、監視角度に対する素子出力の変化特性を示す図である。
図9と図10との比較からわかるように、パターン1の配列では、監視角度が±40°〜±55°の範囲で上昇していた分光比が、パターン2の配列では、低下に転じている。
撚り詳しく述べると、パターン2の配列を採用することで、正面に対する感度(分光比)の低下がみられるが、パターン1の配列と比べてパターン2の配列では、より広い監視範囲で安定した分光比が得られるようになるという効果が得られる。ただし、監視角度が±60°付近で分光比が大きく上昇しているため、まだ誤報の可能性が排除できていない。そこで、素子配列をそのままで、素子前面の開口部を広げて、監視角度、すなわち、視野の拡大を行った。
図11は、本発明の実施の形態1に係るパターン2の配列を有する炎検知器の、視野拡大を図った後の、監視角度に対する素子出力の変化特性を示す図である。視野を拡大した結果、分光比が異常上昇する監視角度が、±70°付近まで移動したが、誤報の可能性は、まだ残されている。
しかしながら、炎検知器を部屋の隅に取り付け、分光比が異常を示す±70°の監視範囲を壁面とするなど、設置場所を工夫することで、誤報を排除することができる。
(6)パターン1からパターン2への素子配列変更による感度確認
採用する素子配列を、パターン1からパターン2に変更したことで、火炎に感度があるTP1素子が2個となるため、出力の絶対値が変化する。そこで、パターン1とパターン2での感度差の検討を行った。
パターン1の配列によるS/Nと、パターン2の配列によるS/Nとの比較した結果、パターン2の配列を採用することで、ヘプタン火炎に対する感度が、約1.4倍となることが明らかとなった。このことから、パターン2による監視距離は、パターン1による監視距離の20%増となり、約14mとなる。
以上の検証結果をまとめると、以下のようになる。
・パターン2の配列を採用した2波長サーモパイルによる炎検知器によれば、ヘプタン火炎の監視距離で14m以上を確保できた。
・さらに、パターン2の配列を採用することにより、視野角は、半値角で±55°を確保できた。なお、視野角を拡大した場合には、±70°付近で分光比の異常上昇が発生するため、誤報を防止するためには、設置位置に注意が必要である。
・太陽光の揺らぎの影響を排除するためには、窓材としてGeが必要である。
・サーモパイル自身で分光測定ができるため、高価なBPFが不要となり、コスト低減となる。ただし、誤報要因である光源と火炎との分光比の差が少ないため、閾値の設定に注意が必要である。
以上のように、実施の形態1によれば、サーモパイル式の感熱素子を用いて、2波長式の炎検知器を実現している。具体的には、適切な波長帯を検出できるように吸収膜を選定することで、誤報要因である各種光源と識別して炎検知を行う構成としている。この結果、炎検知用の赤外線検出素子として焦電素子を使用する場合よりも、耐振動性、応答特性に優れた炎検知器を得ることができる。
さらに、窓材として、カットオン波長が1.6μm程度のゲルマニウムを採用することで、太陽光の揺らぎの影響を最小限に抑える安価の構成を実現できる。
なお、窓材は、2波長サーモパイル自身の前面に設けられる第1窓材と、炎検知器の受光窓に設けられる第2窓材の2つとして構成することが可能である。そして、この場合、一方の窓材をゲルマニウム、他方の窓材をシリコンとして構成することができる。
さらに、素子TP1と素子TP2を交互に3個、直線状に配置した素子配列構造を有するように炎検知器を構成している。この結果、耐振動性、応答特性に優れたサーモパイルを用いて炎検出を行う際に、視野角および検出精度の改善を図った炎検知器を得ることができる。特に、TP2の両側にTP1を配置する素子配列構造を採用することで、監視範囲の両端に光源があるような環境においても、誤報を抑えた上で、視野角および検出精度の改善を図った炎検知器を実現できる。
なお、実施の形態1では、短波長まで感度があり、炎検出用の素子の役目を果たす素子TP1と、長波長まで感度のある素子TP2の2つを用いたが、適切な分光比が得られるものであればよく、素子TP1よりさらに短い波長に感度のある素子TP2としてもよい。
11 反射膜、12 干渉膜、13 吸収膜、14 保護膜。

Claims (4)

  1. 炎検知に適した第1波長領域に分光感度を有する第1素子と、その他の波長領域に分光感度を有する第2素子とを含む2波長サーモパイルを備え、前記第1素子と前記第2素子の検出結果の比較に基づいて、火炎と光源を判別した上で炎の発生を検出する炎検知器であって、
    前記第1素子は、吸収膜を含む積層構造を有し、前記吸収膜の波長帯は、前記第1波長領域に分光感度を有するように選定されている
    炎検知器。
  2. 前記第1素子は、反射膜、干渉膜、吸収膜、保護膜が順次積層されて構成されている
    請求項1に記載の炎検知器。
  3. 前記2波長サーモパイル自身の前面に設けられる第1窓材と、炎検知器の受光窓に設けられる第2窓材をさらに備え、
    前記第1窓材は、ゲルマニウムで構成され、前記第2窓材は、シリコンで構成されている
    請求項1または2に記載の炎検知器。
  4. 前記2波長サーモパイル自身の前面に設けられる第1窓材と、炎検知器の受光窓に設けられる第2窓材をさらに備え、
    前記第1窓材は、シリコンで構成され、前記第2窓材は、ゲルマニウムで構成されている
    請求項1または2に記載の炎検知器。
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