JP2015169533A - 熱型赤外線センサー及び熱型赤外線センサーの製造方法 - Google Patents

熱型赤外線センサー及び熱型赤外線センサーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】下地膜上で複数の半導体材料パターンが異なる層に絶縁膜を介して形成された構造をもつ熱電対を含むサーモパイルを備えた熱型赤外線センサーにおいて、センサーの応答特性を向上させ、かつ梁折れ不良を低減する。【解決手段】基板1上に、下地膜3、第一の半導体材料7a、絶縁膜8a、第二の半導体材料の積層構造を形成する。第二の半導体材料をエッチングして、後工程で基板1が除去されて梁部となる第一の領域から基板1が除去されない第二の領域にまたがって配置された第二の半導体材料パターン9を形成する。絶縁膜8aをエッチングして絶縁膜8を形成する。絶縁膜8aのエッチング時に第一の領域内の下地膜3は第一の半導体材料7a又はエッチング用マスク33で覆われている。第一の半導体材料7aをエッチングして第一の半導体材料パターン7を形成する。第一の領域の基板1を除去して空洞部15を形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、熱型赤外線センサー及び熱型赤外線センサーの製造方法に関するものである。
近年、ボロメータ、サーモパイル(熱電堆)、ダイオード等を使用した非冷却型の熱型赤外線アレイセンサー、熱型赤外線ラインセンサー等の開発が盛んに行われている。これらのセンサーは、中赤外から遠赤外の波長帯に感度を有するため、自動車向けの暗視カメラや、セキュリティー機器向けの人体検知センサー、電気電子機器の節電を目的とした人体検知センサー等に幅広く用いられている。
特に、サーモパイル方式のセンサーは、センサーの駆動電源が不要で低消費電力化が容易であることや、ポリシリコンやアルミニウム等の一般的なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスで使用される材料で形成できることから、周辺回路とのモノリシック化が容易であるという特徴がある。このような点から、サーモパイルを利用した比較的小規模の赤外線アレイセンサーの開発が盛んに行われている。
また、サーモパイルの材料としては、ゼーベック係数の極性が互いに異なるN型ポリシリコンとP型ポリシリコンを対で使用したものが知られている(例えば特許文献1を参照。)。N型ポリシリコンとP型ポリシリコンを使用したサーモパイルでは、N型ポリシリコンとP型ポリシリコンは温接点と冷接点にまたがるように交互に配置され、導電材料で全てのN型ポリシリコンとP型ポリシリコンが直列接続される。
また、これらの赤外線センサーでは、微弱な赤外線に対して十分な感度を得るためにMEMSプロセスにより形成したブリッジ構造体やダイアフラム構造体などの断熱構造体上にサーモパイルの温接点を形成することが一般的である。
サーモパイル型の赤外線センサーの場合、センサーの感度はサーモパイルを構成する熱電対の数に比例する。したがって、熱電対の数を増やした方が感度は高くなる。一方で、熱電対の数を増やすとセンサーのサイズが大きくなり、熱容量が増加して、応答特性が低下する。
このような不具合を防ぐために、熱電対を構成するP型ポリシリコンとN型ポリシリコンを互いに異なるポリシリコン層に形成し、サーモパイルの面積を変えずに熱電対の対を増やす方法が知られている(例えば特許文献1を参照。)。
しかし、P型ポリシリコンとN型ポリシリコンを異なるポリシリコン層に形成すると、各ポリシリコン間の絶縁膜が厚くなるために熱容量が増加してセンサーの応答特性が低下するという問題があった。また、ポリシリコン間の上記絶縁膜がパターニングされる際に梁部を構成する下地膜がエッチングされ、梁部の薄膜化による梁折れ不良が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、センサーの応答特性を向上させ、かつ梁折れ不良を低減することができる熱型赤外線センサーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる熱型赤外線センサーの製造方法は、第一の半導体材料パターンの上に絶縁膜を介して第二の半導体材料パターンが積層された構造をもつ熱電対を含むサーモパイルを備えた熱型赤外線センサーの製造方法であって、基板上に、下地膜と、第一の半導体材料と、上記絶縁膜と、第二の半導体材料の積層構造を形成する第一の工程と、上記第二の半導体材料をエッチングして、後工程で上記基板が除去されて梁部となる第一の領域から上記基板が除去されない第二の領域にまたがって配置された上記第二の半導体材料パターンを形成する第二の工程と、少なくとも上記第二の半導体材料パターンの下の上記絶縁膜を残すようにして上記絶縁膜をエッチングする第三の工程と、少なくとも上記第二の半導体材料パターンの下の上記第一の半導体材料を残すようにして上記第一の半導体材料をエッチングして上記第一の半導体材料パターンを形成して上記熱電対の積層構造を形成する第四の工程と、上記第一の領域の上記基板を除去する第五の工程と、を含み、上記第三の工程の上記絶縁膜のエッチング時に、上記第一の領域内の上記下地膜が露出していないことを特徴とする。
本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、センサーの応答特性を向上させ、かつ梁折れ不良を低減することができる。
熱型赤外線センサーの一実施例を説明するための概略的な図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A’位置での断面図である。 図1(B)の一部分を拡大して示した概略的な断面図である。 図1(C)の一部分を拡大して示した概略的な断面図である。 熱型赤外線センサーの他の実施例を説明するための概略的な断面図である。 熱型赤外線センサーの製造方法の一実施例を説明するため概略的な断面図である。 同実施例の図5の続きの工程を説明するため概略的な断面図である。 図5の各工程に対応する概略的な平面図である。 図6の各工程に対応する概略的な平面図である。 ポリシリコン間の絶縁膜がパターニングされる際に梁部を構成する下地膜がエッチングされる不具合を説明するための概略的な断面図である。 ダミーパターンの構造例について説明するための概略的な断面図である。 従来技術を説明するための概略的な断面図である。
本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、第二の工程で第二の半導体材料をエッチングして第二の半導体材料パターンを形成した後に、第四の工程で第一の半導体材料をエッチングして第一の半導体材料パターンを形成する。したがって、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、第一の半導体材料と第二の半導体材料の間の絶縁膜を薄くすることができる。これにより、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、梁部を構成する第一の領域の熱容量を従来技術に比べて低減することができ、センサーの応答特性を向上させることができる。また、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、第一の半導体材料と第二の半導体材料の間の絶縁膜を平坦化するための処理が不要となる。
さらに、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、上記第三の工程の上記絶縁膜のエッチング時に、梁部を構成する第一の領域内の下地膜が露出していないようにした。これにより、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、上記第三の工程において第一の領域内の下地膜がエッチングされて梁部が薄くなることを防止することができ、梁折れ不良を低減することができる。
本発明の熱型赤外線センサーの製造方法において、上記第三の工程の上記絶縁膜のエッチング時に、上記第一の領域内の上記下地膜は上記第一の半導体材料及びエッチング用マスクで覆われている例を挙げることができる。
本発明の熱型赤外線センサーの製造方法において、上記サーモパイルの形成領域とは異なる位置の上記基板上にセンサー信号処理回路部が設けられるようにしてもよい。ただし、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法は、上記センサー信号処理回路を備えていなくてもよい。
さらに、上記基板は半導体基板であって、上記センサー信号処理回路は上記半導体基板に形成されたトランジスタを備え、上記トランジスタは上記第一の半導体材料又は上記第二の半導体材料がパターニングされたゲート電極を備えている例を挙げることができる。
また、上記センサー信号処理回路は、上記第一の半導体材料、上記絶縁膜及び上記第二の半導体材料がパターニングされた容量素子を備えている例を挙げることができる。
本発明の熱型赤外線センサーの製造方法において、上記絶縁膜は、上記第一の半導体材料の熱酸化膜、シリコン窒化膜、又は上記熱酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造で形成されている例を挙げることができる。これにより、半導体材料間の上記絶縁膜が従来技術に比べて薄い積層型サーモパイルを形成することでき、センサーの応答速度を向上させることができる。ただし、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法において、上記絶縁膜は、これらの材料及び構成とは異なっていてもよい。
また、上記第二の工程、上記第三の工程及び上記第四の工程において、同一のエッチング用マスクを用いる例を挙げることができる。これにより、第二の工程、第三の工程、第四の工程でそれぞれエッチング用マスクを形成する場合に比べて製造工程を少なくすることができる。
本発明にかかる熱型赤外線センサーは、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法によって形成された熱型赤外線センサーであって、少なくとも上記第一の領域において、上記熱電対の周囲の上記下地膜上に、上記第一の半導体材料のパターン又は上記第二の半導体材料のパターンを少なくとも含むダミーパターンが形成されていることを特徴とするものである。ダミーパターンは上記熱電対を形成するための上記絶縁膜のエッチング時に上記下地膜がエッチングされることを防止する機能を有する。本発明の熱型赤外線センサーは、本発明の熱型赤外線センサーの製造方法によって形成されたものなので、センサーの応答特性を向上させ、かつ梁折れ不良を低減することができる。
本発明の熱型赤外線センサーにおいて、上記ダミーパターンは、上記第一の半導体材料と上記絶縁膜と上記第二の半導体材料の積層構造で形成されている例を挙げることができる。ただし、ダミーパターンの構成はこれに限定されない。
また、上記ダミーパターンは、上記熱電対とは電気的に接続されていない例を挙げることができる。ただし、上記ダミーパターンは、熱電対の第一の半導体材料と第二の半導体材料間や複数の熱電対間を短絡させない構成であれば、熱電対とは電気的に接続されていてもよい。
また、上記ダミーパターンは、上記第一の半導体材料と上記絶縁膜と上記第二の半導体材料の積層構造で形成されており、上記第一の半導体材料の側面と上記第二の半導体材料の側面が同一平面に形成されていない構造を少なくとも一側面にもっている、もしくは上記熱電対の線幅と異なっている、又はその両方の構造を備えている例を挙げることができる。ただし、ダミーパターンの構成はこれらに限定されない。
次に従来技術について説明する。
図11は、従来技術を説明するための概略的な断面図である。
図11は熱電対の長手方向に垂直な面の断面を示している。基板100上に熱電対を構成する第一の半導体材料101と第二の半導体材料102が異なる層に形成されている。例えば第一の半導体材料101をN型ポリシリコン、第二の半導体材料102をP型ポリシリコンとする。
半導体材料101,102を同一の層に形成した場合、P型ポリシリコンとN型ポリシリコンをデザインルール上のある決まった距離を離して形成する必要がある。これにより、サーモパイルの面積が増加する原因となっていた。
図11のように、第一の半導体材料101と第二の半導体材料102を異なる層に形成することによって、平面視(図示せず)においては、P型ポリシリコンとN型ポリシリコンを隙間なく配置することが可能となる。これにより、サーモパイルの小面積化を図ることができる。
一方で、図11の構成では、第一の半導体材料101と第二の半導体材料102の間の層間絶縁膜103が例えばBPSG(Boro-phospho silicate glass)等の酸化シリコンを主とする材料のニ層構成で形成されている。層間絶縁膜103の存在によって熱電対の形成領域の膜厚が厚くなっており、熱容量が増加し、センサーの応答速度が悪化するという問題があった。
また、この構成においては、第一の半導体材料101と第二の半導体材料102を別々にパターニングする必要があるので、第一の半導体材料101のパターニング後に表面平坦化の効果も兼ねて層間絶縁膜103を厚めに形成する必要がある。
この平坦化処理が不十分であると、上層の第二の半導体材料102がプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法によって堆積される際に、第一の半導体材料101の段差部での被覆性(カバレッジ)が悪くなる。これにより、第二の半導体材料102の体積不良が生じる。
また、上記の平坦化処理が不十分であると、堆積された第二の半導体材料102をパターニングする際に、第一の半導体材料101による段差の側面に堆積した第二の半導体材料102がエッチングされにくくなり、サイドウォール状に段差の側面に残る。これにより、第二の半導体材料102のパターニング不良が生じる。
図11の構成は、第一の半導体材料101をパターニングした後に第二の半導体材料102がパターニングされて形成される。また、第一の半導体材料101と第二の半導体材料102の間の層間絶縁膜103はある程度の厚さを有していることが必要になる。したがって、図11の構成は層間絶縁膜103を薄膜化して応答速度を改善することができない。
以下に、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、熱型赤外線センサーの一実施例を説明するための概略的な図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A’位置での断面図である。
基板1上に形成された下地膜3上に、サーモパイル5(熱電堆)を構成する第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9が積層形状で形成されている。各半導体材料パターン7,9の端部に電気的接続を得るためのコンタクトホール11が形成されている。サーモパイル5の熱電対を構成する第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9はコンタクトホール11と導電材料13を介して電気的に接続されている。
熱型赤外線センサーの中央側に位置するサーモパイル5の一端において、半導体材料パターン7,9の端部の位置は同じである。第二の半導体材料パターン9に開口10が形成されている。開口10は、コンタクトホール11によって開口10を介して第一の半導体材料パターン7の電位をとるためのものである。開口10は第二の半導体材料パターン9の端面及び側面とは接していない。
熱型赤外線センサーの周縁側に位置するサーモパイル5の他端において、第二の半導体材料パターン9の端部は第一の半導体材料パターン7の端部とは重ならない位置で第一の半導体材料パターン7の上に配置されている。第一の半導体材料パターン7の端部は第二の半導体材料パターン9には覆われていない。第一の半導体材料パターン7の電位をコンタクトホール11によってとるためである。
なお、サーモパイル5の他端の構成は、サーモパイル5の一端の構成と同様に、半導体材料パターン7,9の端部の位置が同じであって、第二の半導体材料パターン9に開口10が形成されている構成であってもよい。
第一の半導体材料パターン7は例えばN型ポリシリコンである。第二の半導体材料パターン9は例えばP型ポリシリコンである。一対の第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9が接続されたものが熱電対である。この熱電対がそれぞれコンタクトホール11及び導電材料13を介して直列に複数段接続されてサーモパイル5が形成されている。
サーモパイル5を構成する第一の半導体材料パターン7及び第二の半導体材料パターン9としては、ゼーベック係数の極性が異なる異種材料を対にして用いればよい。例えばCMOSプロセスで一般的に使用されるN型ポリシリコンとP型ポリシリコンの対が使用されることが一般的である。コンタクトホール11に埋め込まれる導電材料や配線として用いられる導電材料13は、例えばCMOSプロセスで一般的に使用される材料でよい。その材料は例えばアルミニウムである。
また、微弱な赤外線を感度良く検出するために、サーモパイル5の下部の基板1に空洞部15が形成されて断熱構造体となっている。空洞部15によって基板1から断熱された梁部の上に配置されているサーモパイル5の接点は温接点を構成している。空洞部15のない基板1上に配置されているサーモパイル5の接点は冷接点を構成している。基板1が除去されて梁部となっている領域は本発明における第一の領域を構成する。基板1が除去されていない領域は本発明における第二の領域を構成する。
第一の半導体材料パターン7及び第二の半導体材料パターン9からなる熱電対の周囲の下地膜3上にダミーパターン17が形成されている。ダミーパターン17は空洞部15の上から基板1の上に跨って形成されている。この実施例では、ダミーパターン17は、第一の半導体材料17aで形成される部分と、第一の半導体材料17aと絶縁膜17bと第二の半導体材料17cの積層構造で形成されている部分を含んでいる。
下地膜3上に、サーモパイル5及びダミーパターン17を覆って層間絶縁膜18(図1(A)での図示は省略)が形成されている。層間絶縁膜18上に、上方から見てサーモパイル5の温接点を覆う位置に赤外線吸収膜19が形成されている。赤外線吸収膜19で赤外線が吸収されて梁部が温まると、温接点と冷接点の間に温度差が生じ、サーモパイル5に熱起電力が生じる。
この実施例のサーモパイル5は、図1(A)に示されるように、熱電対の配置領域が例えば4つの領域に分けられて構成されている。それぞれの領域では、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9が積層された熱電対がラインアンドスペース状に配置されている。4つの領域ごとに、熱電対の配列の周囲にダミーパターン17が配置されている。熱電対の配列の周囲にダミーパターン17が配置されていることによって、梁部における下地膜3の薄膜化が抑制され、梁折れ不良のない安定した熱型赤外線センサーが形成可能となる。その詳細については後述する。
なお、ダミーパターン17は少なくとも梁部(第一の領域)に配置されていればよい。ただし、ダミーパターン17は、この実施例のように基板1の上(第二の領域)にまたがって配置されていてもよい。また、ダミーパターン17は熱電対の配列の周囲を取り囲むように配置されていてもよい。
図1(B)及び図1(C)を参照して熱型赤外線センサーの層構成について説明する。熱型赤外線センサーの層構成は、基板1上に形成された下地膜3上に、第一の半導体材料パターン7、第二の半導体材料パターン9、コンタクトホール11、導電材料13、各層の層間絶縁膜18、赤外線吸収膜19となっている。基板1としては、断熱構造の形成にシリコンを用いたMEMSプロセスが利用されることが多いので、シリコン基板が使用されることが一般的である。
また、温接点(梁部上)の熱電対の周囲にダミーパターン17が配置されている。なお、梁構造ではない冷接点側では、ダミーパターン17が設けられる必要はない。ただし、冷接点側においてダミーパターン17が設けられていてもよい。
下地膜3は例えばシリコンの熱酸化膜である。層間絶縁膜18は例えばシリコンのプラズマ酸化膜又はCVD膜である。赤外線吸収膜19は、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜又は金黒膜等で形成されている。ただし、各層の材料はこれらに限定されない。
サーモパイル5の下部には空洞部15が形成されており、サーモパイル5の温接点部の断熱性を高めている。図1ではテーパー形状の空洞部15が形成されている構造が示されているが、空洞部15は基板1に対してテーパーを持たずに垂直に形成された形状であってもよい。また、空洞部15は基板1を貫通している形状が示されているが、これに限らず、サーモパイル5の温接点部と基板1との間に空隙が形成されて断熱性が得られる構造であれば問題ない。
図1(B)及び図1(C)に示されるように、この実施例の熱型赤外線センサーは、熱電対が第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9が積層構造になっていることに特徴がある。さらに、熱型赤外線センサーは、熱電対の配列の周囲にダミーパターン17が配置されていることに特徴がある。
図2は、図1(B)の一部分を拡大して示した概略的な断面図である。図3は、図1(C)の一部分を拡大して示した概略的な断面図である。
第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9は積層形状に形成されている。第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9は、それらの長手方向に沿った側面に関して例えば同時にパターニングされて形成されたものである。第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9の間の絶縁膜8が形成されている。絶縁膜8は非常に薄く形成されている。
絶縁膜8の形成方法は、例えば第一の半導体材料パターン7の熱酸化膜等を利用してもよいし、第一の半導体材料パターン7の表面にシリコンのプラズマ酸化膜やCVD酸化膜を薄く堆積してもよい。特に第一の半導体材料パターン7としてポリシリコンが使用される場合は、絶縁膜8として第一の半導体材料パターン7の熱酸化膜を使用することは薄膜化に有利であり、膜質の安定性でも有利である。
また、下層の第一の半導体材料パターン7は上層の第二の半導体材料パターン9よりも長く形成されている。これは、第一の半導体材料パターン7及び第二の半導体材料パターン9の両端部のそれぞれに電気的接続を取るためのコンタクトホール11を形成するためである。
形成プロセスの詳細は後述するが、この実施例の熱型赤外線センサーの特徴の一つは、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9が同時にパターニングされて形成されている点である。そのプロセスによって形成される場合、図3に示されるように、第一の半導体材料パターン7の長手方向に沿った側面と第二の半導体材料パターン9の長手方向に沿った側面が同一面に形成される。
ダミーパターン17は、第一の半導体材料のパターンで形成される部分と、第一の半導体材料と絶縁膜と第二の半導体材料の積層構造で形成されている部分を含んでいる。
この実施例の熱型赤外線センサーは、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9が積層されている熱電対を用いているので、サーモパイル5の単位面積当たりのサーモパイル5の対数(熱電対の数)を多くすることができる。
さらに、この実施例の赤外線センサーは、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9の間の絶縁膜8として第一の半導体材料の熱酸化膜を備えているので、熱酸化膜以外の層間絶縁膜を用いる場合に比べて絶縁膜8の厚みを低減することができる。これにより、この実施例の赤外線センサーは熱容量を低減することができ、センサーの応答特性を向上させることができる。
さらに、この実施例の赤外線センサーでは、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9の長手方向に沿った側面は同一面に形成されている。したがって、例えば第一の半導体材料の幅寸法が第二の半導体材料の幅寸法に比べて大きく形成されている場合に比べて、この実施例は第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9を含む熱電対の幅寸法を小さくすることができる。これにより、この実施例の赤外線センサーは、サーモパイル5の単位面積当たりのサーモパイル5の対数を多くすることができる。
さらに、ダミーパターン17は上記熱電対を形成するための絶縁膜8のエッチング時に下地膜3がエッチングされて部分的に薄くなることを防止する機能を有する。この実施例の熱型赤外線センサーは、センサーの応答特性を向上させ、かつ梁折れ不良を低減することができる。
図4は、熱型赤外線センサーの他の実施例を説明するための概略的な断面図である。図4において、図1に示された構成と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施例は、サーモパイル5を備えたセンサー部21と、センサー信号処理回路部23がモノリシックに形成されていることを特徴とする。図4におけるセンサー部21の図示に関して、センサー部21の断面は図1(B)に対応しているが、便宜上、図1(C)に対応する部分のサーモパイル5の一部分及びダミーパターン17も図示されている。
センサー信号処理回路部23は例えばCMOSプロセスで形成される。センサー信号処理回路部23はトランジスタ25と容量素子27を含んでいる。トランジスタ25は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。容量素子27は例えば下部電極と上部電極がポリシリコンで形成されたPIP容量である。
センサー部21とセンサー信号処理回路部23をモノリシックに形成する場合にプロセスの簡略化が必要となる。そこで、サーモパイル5の第一の半導体材料パターン7と容量素子27の下部電極が共通のポリシリコンで形成されることが好ましい。さらに、サーモパイル5の第二の半導体材料パターン9と容量素子27の上部電極が共通のポリシリコンで形成されることが好ましい。また、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9のいずれかがトランジスタ25のポリシリコンゲート電極と共通のポリシリコンで形成されることが好ましい。
このように、本発明の赤外線センサーは、第一の半導体材料パターン7、第二の半導体材料パターン9の両方をCMOSプロセスと共通のプロセスで形成可能であるため、CMOSプロセスとの親和性が非常に高く、プロセスの簡略化が可能である。
また、センサー信号処理回路部23では複数層の配線層を使用することが一般的であるため、層間絶縁膜18が厚くなる。そこで、センサー部21ではセンサーの応答速度向上のために不要な層間絶縁膜18をエッチングで除去し、空洞部15の上方に位置する梁部分の厚みを薄くすることが好ましい。
また、赤外線吸収膜19は、別途成膜することもできるが、層間絶縁膜18やパッシベーション膜等で代用することが可能である。このようにすれば、特殊な金黒等の材料を使用する必要がなく、一般的なCMOSプロセスとの親和性がより高くなる。
図5及び図6は、熱型赤外線センサーの製造方法の一実施例を説明するため概略的な断面図である。図5及び図6の断面は図4の断面位置に対応している。図7及び図8は、図5及び図6の各工程に対応する概略的な平面図である。なお、図5から図8において、各素子の構造は簡略化して図示されている。
以下に説明する各工程のかっこ数字は図5から図8の中のかっこ数字に対応している。この実施例は、CMOSプロセスを適用させてサーモパイルのセンサー部21とセンサー信号処理回路部23を作成する。
(1)例えばシリコン基板からなる基板1上にLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化法によって素子分離用の下地膜3を形成する。トランジスタ25の形成領域が画定される。下地膜3上に第一の半導体材料を成膜する。この第一の半導体材料は例えばN型ポリシリコンである。
後工程でサーモパイル5の絶縁膜8などになる絶縁層を少なくとも第一の半導体材料の表面に形成する。この絶縁層は例えば第一の半導体材料の熱酸化膜である。ただし、この絶縁層は熱酸化膜に限定されない。この絶縁層は、例えば第一の半導体材料又はその熱酸化膜の上にシリコンのプラズマ酸化膜やCVD酸化膜を薄く堆積して形成されたものであってもよい。また、この絶縁層はシリコン窒化膜であってもよいし、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造で形成されていてもよい。この絶縁層は、サーモパイル5の絶縁膜8などになるものであり(図2,3を参照。)、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9とを電気的に絶縁できる材料及び厚みであれば特に限定されない。サーモパイル5には大きな電圧は生じないので、絶縁膜8の厚みは下層の第一の半導体材料パターン7と上層の第二の半導体材料パターン9が電気的に短絡しないだけの最低限の薄さの膜厚とすることが好ましい。
例えば写真製版技術により、第一の半導体材料上に成膜された絶縁膜の上にレジストパターン29を形成する。レジストパターン29をマスクにして絶縁膜と第一の半導体材料に対してエッチング処理を行う。これにより、絶縁膜のパターン8a,8bと第一の半導体材料7aと第一の半導体材料7bが形成される。第一の半導体材料7aと絶縁膜のパターン8aはセンサー部21に最終的にサーモパイル5が形成されるおおよその領域に形成される。第一の半導体材料7bは容量素子27の下部電極となる。絶縁膜のパターン8bは容量素子27における上部電極と下部電極の間の絶縁膜となる。なお、レジストパターン29は、電子ビーム描画法やインプリント法で形成されたマスクパターンなど、写真製版技術とは異なる方法で形成されたものであってもよい
(2)レジストパターン29を除去する。トランジスタ25の形成領域の基板1表面に形成されている犠牲酸化膜を除去する。例えば熱酸化処理を施してトランジスタ25の形成領域に熱酸化膜からなるゲート絶縁膜を成膜する。このとき、第一の半導体材料7a,7bの側面に熱酸化膜が形成される。また、例えば第一の半導体材料7a,7bの上面の絶縁膜のパターン8a,8bが熱酸化膜である場合、絶縁膜のパターン8a,8bは厚膜化される。なお、上記工程(1)において第一の半導体材料の上に上記絶縁膜を形成せずに第一の半導体材料7a,7bを形成し、ゲート絶縁膜の形成と同時に第一の半導体材料7a,7bの表面に形成される絶縁膜を絶縁膜のパターン8a,8bとして用いてもよい。
基板1上の全面に第二の半導体材料を成膜する。この第二の半導体材料は例えばP型ポリシリコンである。例えば写真製版技術により、第二の半導体材料の上にレジストパターン31を形成する。レジストパターン31をマスクにして第二の半導体材料に対してエッチング処理を行う。これにより、第二の半導体材料9aと第二の半導体材料9bと第二の半導体材料9cが形成される。第二の半導体材料9aはセンサー部21に最終的にサーモパイル5が形成されるおおよその領域に配置される。第二の半導体材料9aには開口10(図1,2も参照。)が形成される。第二の半導体材料9bは容量素子27の上部電極となる。第二の半導体材料9cはトランジスタ25のゲート電極となる。
(3)レジストパターン31を除去する。サーモパイル5をパターニングするためのエッチング用マスク33を形成する。エッチング用マスク33は例えば写真製版技術によって形成されたレジストパターンである。エッチング用マスク33はセンサー部21の加工を行うためのものである。センサー信号処理回路部23はエッチング用マスク33にて覆われている。
(4)エッチング用マスク33を用いて第二の半導体材料9aをエッチングして第二の半導体材料パターン9と第二の半導体材料17cを形成する。第二の半導体材料パターン9は、後工程で基板1が除去されて梁部となる第一の領域から基板1が除去されない第二の領域にまたがって配置される。第二の半導体材料17cはダミーパターン17の一部分を構成する。
(5)エッチング用マスク33を用いて絶縁膜のパターン8aをエッチングして絶縁膜8と絶縁膜17bを形成する。絶縁膜8は第二の半導体材料パターン9の下に形成される。絶縁膜17bはダミーパターン17の一部分を構成し、第二の半導体材料17cの下に形成される。
(6)エッチング用マスク33を用いて第一の半導体材料7aをエッチングして第一の半導体材料パターン7と第一の半導体材料17aを形成する。第一の半導体材料パターン7は上記第一の領域から上記第二の領域にまたがって配置される。第一の半導体材料パターン7は長手方向において第二の半導体材料パターン9よりも長く形成される。これにより、第一の半導体材料パターン7、絶縁膜8及び第二の半導体材料パターン9の最終形状が形成され、熱電対の積層構造が形成される。
また、第一の半導体材料17aは第一の半導体材料パターン7の配列の周囲に形成される。これにより、第一の半導体材料17a、絶縁膜17b及び第二の半導体材料17cを含むダミーパターン17の最終形状が形成される。
(7)エッチング用マスク33を除去する。例えば、イオン注入処理及び熱処理によるトランジスタの不純物拡散層の形成や、層間絶縁膜の形成、配線の形成、パッシベーション膜の形成など、公知の工程(図示せず)を行う。その後、基板1の裏面に空洞部15を形成する。これにより、センサー信号処理回路部がモノリシックに形成されたサーモパイル型の熱型赤外線センサーが完成する。
ところで、上記工程(5)において、下地膜3が露出していると、絶縁膜のパターン8aをエッチングする際に下地膜3もエッチングされるという不具合が生じる。図9を参照してこの不具合を説明する。
図9は、ポリシリコン間の絶縁膜がパターニングされる際に梁部を構成する下地膜がエッチングされる不具合を説明するための概略的な断面図である。図9の中のかっこ数字は以下に説明する各工程のかっこ数字に対応している。なお、図9の工程(3)〜(7)に対応する工程(1)〜(2)の説明は図5の工程(1)〜(2)と同様なので省略される。
(3)図5を参照して説明した上記工程(1)及び上記工程(2)と同様にして、基板1上に下地膜3、第一の半導体材料7a,7b、絶縁膜のパターン8a,8b、第二の半導体材料9a,9b,9cを形成する。サーモパイル5を形成するための第一の半導体材料7a、絶縁膜のパターン8a、第二の半導体材料9aの積層体の幅寸法は、上記工程(1)及び上記工程(2)で形成される積層体の幅寸法に比べて小さい。
図5を参照して説明した上記工程(3)と同様にして、サーモパイル5をパターニングするためのエッチング用マスク33を形成する。第一の半導体材料7a、絶縁膜のパターン8a、第二の半導体材料9aの積層体の周縁部及びその周囲部分はエッチング用マスク33で覆われていない。その積層体の周囲部分において下地膜3が露出している。
(4)図6を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、エッチング用マスク33を用いて第二の半導体材料9aをエッチングする。これにより、第二の半導体材料パターン9が形成される。
(5)図6を参照して説明した上記工程(5)と同様にして、エッチング用マスク33を用いて絶縁膜のパターン8aをエッチングする。これにより、第二の半導体材料パターン9の下に絶縁膜8のパターンが形成される。このとき、サーモパイル5を形成するための上記積層体の周囲部分において露出している下地膜3もエッチングされる。これにより、下地膜3に溝37が形成される。溝37によって下地膜3の厚みが薄くなる。
(6)図6を参照して説明した上記工程(6)と同様にして、エッチング用マスク33を用いて第一の半導体材料7aをエッチングする。これにより、第一の半導体材料パターン7が形成される。
(7)図6を参照して説明した上記工程(7)と同様にして、エッチング用マスク33の除去やトランジスタの不純物拡散層の形成、層間絶縁膜の形成、配線の形成、パッシベーション膜の形成、空洞部15の形成などを行う。
このように、サーモパイル5の熱電対の配列の周囲にダミーパターン17が形成されない場合、下地膜3に溝37が形成される。下地膜3はサーモパイル5を支える梁構造を形成している。したがって、下地膜3の溝37に起因して梁部分の膜減リ領域が形成され、梁折れ不良が発生しやすくなるという不具合が生じる。
これに対して、図5及び図6を参照して説明した上記実施例では、上記工程(5)において下地膜3は第一の半導体材料7a又はエッチング用マスク33で覆われている。そして、絶縁膜のパターン8aのエッチング時に下地膜3はエッチングされない。したがって、図5及び図6を参照して説明した上記実施例は、下地膜3の膜減りのない構造を実現でき、梁折れのない安定したサーモパイル5の作成が可能である。
図5及び図6を参照して説明した上記製造方法の実施例は、異なる層に形成した第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9を同じエッチング用マスク33を用いてエッチングするプロセスを用いて積層型のサーモパイル5を形成する。ところで、第一の半導体材料と第二の半導体材料を別々にパターニングするプロセスの場合、第一の半導体材料と第二の半導体材料の間の層間絶縁膜を平坦化する処理が必要となる場合がある。この製造方法の実施例は、その平坦化処理が不要であり、第一の半導体材料パターン7と第二の半導体材料パターン9の間の絶縁膜8が非常に薄い積層型のサーモパイル5を形成できる。したがって、この製造方法の実施例は、センサーの応答速度を向上することができる。
上記の製造方法の実施例は上記工程(1)において第二の半導体材料9aを形成する前に第一の半導体材料の層をパターニングして第一の半導体材料7aを形成しているが、本発明の赤外線センサーの製造方法はこれに限定されない。本発明の赤外線センサーの製造方法は、第二の半導体材料9aを形成する前に第一の半導体材料の層をパターニングする工程を含まなくてもよい。
図10は、ダミーパターン17の構造例について説明するための概略的な断面図である。図10の断面は図1(B)の断面位置に対応している。図10の各図において、左端のパターンがダミーパターン17である。
図10(A)及び図10(B)では、サーモパイル5の熱電対とは反対側のダミーパターン17の側面において、第一の半導体材料17aと第二の半導体材料17cが同一平面上に形成されていない。図10(A)では下層の第一の半導体材料17aが上層の第二の半導体材料17cよりも広い線幅で形成されている。図10(B)では上層の第二の半導体材料17cが下層の第一の半導体材料17aの側面を覆うように形成されている。
図10(C)では、ダミーパターン17は第一の半導体材料17a、絶縁膜17b、第二の半導体材料17cの積層体で形成されている。ダミーパターン17の線幅(Ld)とサーモパイル5の熱電対の線幅(L)は異なっている。ただし、ダミーパターン17の線幅(Ld)とサーモパイル5の熱電対の線幅(L)は同じであってもよい。
図10に示されたダミーパターン17の各構造は、例えば図5を参照して説明した上記工程(1)及び上記工程(2)においてレジストパターン29,31の形成位置を変更することによって実現できる。
なお、ダミーパターン17の構造は図10に示されたものに限定されない。例えば、1つのダミーパターン17において、図10に示された構造のうち複数の構造が形成されていてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、上記実施例での寸法、材料、配置、個数等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の熱型赤外線センサー及びその製造方法において、第一の半導体材料と第二の半導体材料は基材をポリシリコンとするものに限定されない。第一の半導体材料と第二の半導体材料はゼーベック係数の極性が互いに反対になっているものであればよい。例えば、第一の半導体材料と第二の半導体材料の基材は、単結晶シリコンやアモルファスシリコン、シリコン系以外の半導体材料であってもよい。
また、上記実施例では、第一の半導体材料パターン7はN型ポリシリコンであり、第二の半導体材料パターン9はP型ポリシリコンであるが、第一の半導体材料パターン7及び第二の半導体材料パターン9はこれらに限定されない。第一の半導体材料パターン7はP型ポリシリコンであり、第二の半導体材料パターン9はN型ポリシリコンであってもよい。
また、上記実施例では、サーモパイルは複数の熱電対が直列に接続されたものであるが、本発明の熱型赤外線センサーは複数の熱電対が並列に接続されたものであってもよい。
7 第一の半導体材料パターン
8 絶縁膜
9 第二の半導体材料パターン
5 サーモパイル
1 基板
3 下地膜
33 エッチング用マスク
23 センサー信号処理回路部
25 トランジスタ
27 容量素子
17 ダミーパターン
特開2012−063221号公報

Claims (11)

  1. 第一の半導体材料パターンの上に絶縁膜を介して第二の半導体材料パターンが積層された構造をもつ熱電対を含むサーモパイルを備えた熱型赤外線センサーの製造方法であって、
    基板上に、下地膜と、第一の半導体材料と、前記絶縁膜と、第二の半導体材料の積層構造を形成する第一の工程と、
    前記第二の半導体材料をエッチングして、後工程で前記基板が除去されて梁部となる第一の領域から前記基板が除去されない第二の領域にまたがって配置された前記第二の半導体材料パターンを形成する第二の工程と、
    少なくとも前記第二の半導体材料パターンの下の前記絶縁膜を残すようにして前記絶縁膜をエッチングする第三の工程と、
    少なくとも前記第二の半導体材料パターンの下の前記第一の半導体材料を残すようにして前記第一の半導体材料をエッチングして前記第一の半導体材料パターンを形成して前記熱電対の積層構造を形成する第四の工程と、
    前記第一の領域の前記基板を除去する第五の工程と、を含み、
    前記第三の工程の前記絶縁膜のエッチング時に、前記第一の領域内の前記下地膜が露出していないことを特徴とする熱型赤外線センサーの製造方法。
  2. 前記第三の工程の前記絶縁膜のエッチング時に、前記第一の領域内の前記下地膜は前記第一の半導体材料及びエッチング用マスクで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の熱型赤外線センサーの製造方法。
  3. 前記サーモパイルの形成領域とは異なる位置の前記基板上にセンサー信号処理回路部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱型赤外線センサーの製造方法。
  4. 前記基板は半導体基板であって、
    前記センサー信号処理回路は前記半導体基板に形成されたトランジスタを備え、
    前記トランジスタは前記第一の半導体材料又は前記第二の半導体材料がパターニングされたゲート電極を備えていることを特徴とする請求項3に記載の熱型赤外線センサーの製造方法。
  5. 前記センサー信号処理回路は、前記第一の半導体材料、前記絶縁膜及び前記第二の半導体材料がパターニングされた容量素子を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の熱型赤外線センサーの製造方法。
  6. 前記絶縁膜は、前記第一の半導体材料の熱酸化膜、シリコン窒化膜、又は前記熱酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の熱型赤外線センサーの製造方法。
  7. 前記第二の工程、前記第三の工程及び前記第四の工程において、同一のエッチング用マスクを用いることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の熱型赤外線センサーの製造方法。
  8. 請求項1に記載された熱型赤外線センサーの製造方法によって形成された熱型赤外線センサーであって、
    少なくとも前記第一の領域において、前記熱電対の周囲の前記下地膜上に、前記第一の半導体材料のパターン又は前記第二の半導体材料のパターンを少なくとも含むダミーパターンが形成されていることを特徴とする熱型赤外線センサー。
  9. 前記ダミーパターンは、前記第一の半導体材料と前記絶縁膜と前記第二の半導体材料の積層構造で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の熱型赤外線センサー。
  10. 前記ダミーパターンは、前記熱電対とは電気的に接続されていないことを特徴とする請求項8又は9に記載の熱型赤外線センサー。
  11. 前記ダミーパターンは、前記第一の半導体材料と前記絶縁膜と前記第二の半導体材料の積層構造で形成されており、前記第一の半導体材料の側面と前記第二の半導体材料の側面が同一平面に形成されていない構造を少なくとも一側面にもっている、もしくは前記熱電対の線幅と異なっている、又はその両方の構造を備えていることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の熱型赤外線センサー。
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