JP2014173850A - 熱型赤外線センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】熱型赤外線センサーにおいて、センサーの感度と応答速度を向上させる。
【解決手段】熱型赤外線センサーは、基板1上に断熱構造体2と温度センサー部3と赤外線吸収部4と配線部5とを備えている。断熱構造体2は、薄膜部6が複数の梁部7によって中空状に支持された構造を有する。温度センサー部3は、温度によって電気特性の変化する複数の半導体素子8を有し、薄膜部6に配置されている。赤外線吸収部4は、薄膜部6に配置されている。配線部5は、複数の半導体素子8同士を接続するための素子接続配線部12と、半導体素子8と周辺回路部15を接続するための梁上配線部13とを有する。素子接続配線部12と梁上配線部13は同一配線層で構成されている。素子接続配線部12と半導体素子10の間には層間絶縁膜が形成されていない。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱型赤外線センサーに関し、特に、基板上に断熱構造体と温度センサー部と赤外線吸収部と配線部とを備えた熱型赤外線センサーに関するものである。
近年、ボロメータ、サーモパイル、ダイオード等を使用した非冷却型の熱型赤外線アレイセンサー、熱型赤外線ラインセンサー等の開発が盛んに行われている。これらのセンサーは、中赤外から遠赤外の波長帯に感度を有するため、自動車向けの暗視カメラや、セキュリティー機器向けの人体検知センサー、電気電子機器の節電を目的とした人体検知センサー等に幅広く用いられている。
このような熱型赤外線センサーは、主に、赤外線吸収層と断熱構造体と温度センサーの三つの要素から構成されている。断熱構造体上に赤外線吸収層と温度センサーが配置された構成が一般的である。
断熱構造体は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセス等により形成したブリッジ構造体やダイアフラム構造体などが一般的である。この断熱構造体によって微弱な赤外線に対して十分な感度を得ることができる。ブリッジ構造とは、MEMSプロセスを用いて形成される構造体で、センサーが形成される薄膜部を複数本の梁で中空状に支持する構造である(例えば特許文献1を参照。)。
また、このような熱型赤外線センサーをレンズと組み合わせて用いることにより、画角や検出範囲を調整し、様々なアプリケーションに適用されている。特にダイオード方式のセンサーは、特性のばらつきが少なく、ダイオードの直列数を増やすことによって感度を高めることができるため、高画素数の赤外線アレイセンサーへも実用化されている。
このような熱型赤外線センサーでは、真空パッケージ技術を用いてセンサー周囲の空気への熱伝導を抑制することや、ブリッジ構造体の梁部の熱コンダクタンスを低減することによって、センサーの高感度化を実現している。
梁部の熱コンダクタンスを低減するためには、梁部の断面積を小さくし、梁部の長さを長くする必要がある。また、梁部を通るセンサーの信号線の熱コンダクタンスを同様に低減する必要がある。また、ブリッジ構造体の薄膜部の膜厚はセンサーの熱容量に寄与するため、膜厚を薄くしてセンサーの熱容量を低減することにより、センサーの応答速度の高速化を図ることができる。
特許文献1には、検出器内の配線を薄膜化し、検出器の熱容量を低減させる目的と、検出器内の配線段差を低減させる目的で、検出器内の配線と梁部の配線を同層の薄膜の配線で形成した構成が開示されている。また、これらの配線はTi等のSiと良好なコンタクトが取れる材料とTiN等の導電材料がSiに拡散するのを防止する材料の二層構造とする構成が開示されている。
図13は、従来の熱型赤外線センサーを説明するための概略的な平面図及び断面図である。図13において、断面図は、平面図のZ−Z’位置の断面を示している。
基板101は、例えば半導体基板が使われ、シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板などが使用されている。図13では一例としてSOI基板を使用した例を示している。
断熱構造体102は温度センサー部103が形成される薄膜部106を複数の梁部107で中空状に支持する構造となっている。この他にも断熱構造体としては梁構造をもたない単純な薄膜状のメンブレン型のものもある。
温度センサー部103は、電気特性が温度によって変化する半導体素子が用いられ、ダイオード、トランジスタ、サーミスタ等が用いられる。図13では一例として、温度センサー部103が複数のPN接合ダイオード108によって構成されている例を示す。PN接合ダイオード108は、P型領域109及びN型領域110からなる。
赤外線吸収部104は、赤外線波長領域に吸収を持つ薄膜で形成される。ここでは、薄膜部106を構成するSOI基板のBOX(Buried Oxide)層111が主に赤外線吸収部104として機能している。
配線部105は、複数のPN接合ダイオード108を直列に接続するための素子間配線部112と、梁部107上に形成された梁上配線部113によって構成されている。PN接合ダイオード108と素子間配線部112は、コンタクトホール114を介して電気的に接続されている。梁上配線部113は基板101上で、周辺回路部115からの配線と接続されており、温度センサー部103を周辺回路部115へ電気的に接続している。
また、周辺回路部115は、複数のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)素子116及び図示しない複数の能動素子、受動素子と、それらを電気的に接続する第1配線層117、第2配線層118、第3配線層119から構成される。
MOSFET素子116は、SOI基板のSOI層にソース・ドレイン領域120が形成されており、ゲート電極はポリシリコン121で形成されている。
各素子間は素子分離層122で絶縁分離されている。各配線層間は層間絶縁膜123,124,125,126で絶縁分離されている。各素子と、各配線層間はコンタクトホールやスルーホールを介して電気的に接続されている。
最表面は、保護膜127であり、素子表面を保護している。外部との電気接点を取る部分は保護膜127が除去されてパッド128を形成している。断熱構造体102の部分は、薄膜部106、梁部107の厚さを薄くしてセンサー特性を向上させるために、不要な層間絶縁膜125,126及び保護膜27が除去されている。
従来の熱型赤外線センサーでは、各PN接合ダイオードと、各PN接合ダイオードを直列接続する配線部との導通を取るために、PN接合ダイオード上に層間絶縁膜が設けられ、該層間絶縁膜に開口を設けて導通を取る方法が用いられている。
したがって、この層間絶縁膜の厚さ分だけ梁部の厚さが厚くなるため、梁部の熱コンダクタンスが大きくなり、センサーの感度が低下するという問題とがあった。また、薄膜部の膜厚が厚くなることにより、センサー部の熱容量が増加し、センサーの応答速度が遅くなるという問題があった。
本発明は、熱型赤外線センサーにおいて、センサーの感度と応答速度を向上させることを目的とする。
本発明にかかる熱型赤外線センサーは、基板上に断熱構造体と温度センサー部と赤外線吸収部と配線部とを備えた熱型赤外線センサーであって、上記断熱構造体は、薄膜部が複数の梁部によって中空状に支持された構造を有し、上記温度センサー部は、温度によって電気特性の変化する複数の半導体素子を有し、上記薄膜部に配置されており、上記赤外線吸収部は、上記薄膜部に配置されており、上記配線部は、複数の上記半導体素子同士を接続するための素子接続配線部と、上記半導体素子と周辺回路部を接続するための梁上配線部とを有し、上記素子接続配線部と上記梁上配線部は同一配線層で構成されており、上記素子接続配線部と上記半導体素子の間には層間絶縁膜が形成されていないことを特徴とするものである。
本発明の熱型赤外線センサーは、センサーの感度と応答速度を向上させることができる。
一実施例を説明するための概略的な平面図及び断面図である。 図1に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図である。 図1に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図であって、図2の続きの工程を説明するための図である。 図1に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図であって、図3の続きの工程を説明するための図である。 図1に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図であって、図4の続きの工程を説明するための図である。 他の実施例を説明するための概略的な平面図及び断面図である。 図6に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図である。 図6に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図であって、図7の続きの工程を説明するための図である。 さらに他の実施例を説明するための概略的な平面図及び断面図である。 PN接合ダイオードの接合面積を説明するための図である。 PN接合ダイオードと素子接続配線との接続部分を説明する図である。 図9に示された実施例のPN接合ダイオードの接続部分を説明するための図である。 従来の熱型赤外線センサーを説明するための概略的な平面図及び断面図である。
本発明は、熱型赤外線センサーにおいて、温度によって電気特性の変化する半導体素子(例えばダイオード)とそれらを接続する配線部との間の層間絶縁膜がない構成にした。したがって、本発明の熱型赤外線センサーは、上記半導体素子と上記配線部との間に層間絶縁膜が形成されている場合に比べて、断熱構造体を構成する薄膜部の膜厚及び梁部の膜厚を薄膜化することができる。これにより、本発明の熱型赤外線センサーは、センサーの感度と応答速度を向上させることができる。
本発明の熱型赤外線センサーにおいて、例えば、上記半導体素子は、P型又はN型の第1導電型材料とN型又はP型の第2導電材料からなるPN接合ダイオードである。上記PN接合ダイオードは、例えば、上記第1導電型材料のある一部分を除く周囲を上記第2導電型材料が囲んでいる形状を有する。これにより、PN接合ダイオードの接合面積を大きくすることができ、PN接合ダイオードの1/fノイズを低減できる。
以下に、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、一実施例を説明するための概略的な平面図及び断面図である。図1において、断面図は、平面図のA−A’位置の断面を示している。図1の平面図において、層間絶縁膜及び保護膜の図示は省略されている。
熱型赤外線センサーは、基板1上に形成された断熱構造体2と温度センサー部3と赤外線吸収部4と配線部5を備えている。
基板1は、例えば半導体基板であり、シリコン基板やSOI基板などが使用されている。この実施例では、基板1の一例としてSOI基板を使用した。基板1は、シリコンからなるベース基板1aと、シリコン基板上に形成されたBOX層1bと、BOX層1b上に形成されたSOI層(単結晶シリコン層)を備えている。
断熱構造体2は、温度センサー部3が形成される薄膜部6を複数の梁部7で中空状に支持する構造となっている。
温度センサー部3は、電気特性が温度によって変化する複数の半導体素子、例えば複数のPN接合ダイオード8によって構成されている。PN接合ダイオード8は、基板1のSOI層1cに形成されたP型領域(第1導電型材料又は第2導電型材料)9及びN型領域(第2導電型材料又は第1導電型材料)10を備えている。複数のPN接合ダイオード8間は、LOCOS(local oxidation of silicon)法によってSOI層が酸化されて形成されたLOCOS層22で絶縁分離されている。
赤外線吸収部4は、赤外線波長領域に吸収を有する薄膜で形成される。ここでは、基板1(SOI基板)のBOX層1bが主に赤外線吸収部4として機能している。
この実施例の熱型赤外線センサーは、赤外線が基板1の裏面側から入射する構造となっているので、薄膜部6の裏面側で主に赤外線を吸収する。これに対し、赤外線が表面から入射する場合は、例えば、薄膜部6の表面側のシリコン酸化膜で赤外線を吸収すればよい。
また、BOX層やシリコン酸化膜層を吸収膜として使用する以外にも、金黒、TiN(チタンナイトライド)、SiN(シリコンナイトライド)など、赤外領域に吸収帯域を有する材料の薄膜を形成して赤外線吸収部としてもよい。
配線部5は、複数のPN接合ダイオード8を直列に接続するための素子間配線部12と、梁部7上に形成された梁上配線部13とを有する。PN接合ダイオード8と素子間配線部12は、コンタクトホールを介することなく、直接接続されている。梁上配線部13は、基板1上で、周辺回路部15からの配線と接続されており、温度センサー部3を周辺回路部15へ電気的に接続している。
周辺回路部15は、例えば、複数のMOSFET素子16を備えている。周辺回路部15は、図示しない複数の能動素子や受動素子も備えている。また、周辺回路部15は、それらの素子を電気的に接続するための第1配線層17、第2配線層18及び第3配線層19を備えている。
MOSFET素子16は、SOI基板のSOI層に形成された一対のソース・ドレイン領域20と、ポリシリコンからなるゲート電極21を備えている。
周辺回路部15において、複数のMOSFET素子16間は、SOI層が酸化されて形成されたLOCOS層22で絶縁分離されている。各配線層間は、層間絶縁膜24,25,26で絶縁分離されている。各素子と、各配線層間はコンタクトホールやスルーホールを介して電気的に接続されている。
最表面は、素子及び配線層を保護するための保護膜27で形成されている。外部との電気接点を取る部分は、保護膜27が除去されており、パッド28を形成している。
断熱構造体2において、薄膜部6の厚み及び梁部7の厚みを薄くしてセンサー特性を向上させるために、層間絶縁膜25,26及び保護膜27が除去されている。また、断熱構造体2の層間絶縁膜24は、周辺回路部15の層間絶縁膜24に比べて、素子間配線部12及び梁上配線部13が露出しない程度に薄く形成されている。
断熱構造体2は、梁部7の断面積及び梁上配線部13の断面積を小さくすることによって熱コンダクタンスを小さくすることができる。熱コンダクタンスを小さくできれば、微小な赤外線エネルギーを吸収したときの薄膜部6の温度変化が大きくなるため、赤外線センサーとしての感度が向上する。
また、上記の理由から、梁上配線部13は、電気伝導性を有する材料で、かつ熱伝導率の小さい材料が使われる。一般的にはTi(チタン)とTiNなどの二層配線が用いられることが多い。梁上配線部13は電気伝導性やノイズへの影響を考慮した上で可能な限り薄く、細く形成される。
また、薄膜部6の厚さは、断熱構造体2の熱容量に寄与するので、赤外線吸収部4での赤外線吸収を考慮した上で、極力薄いことが好ましい。熱容量を小さくできれば赤外線を受光したときの薄膜部6の温度変化が早くなるため、熱型赤外線センサーの応答素速度を向上することができる。
この実施例の熱型赤外線センサーでは、PN接合ダイオード8と素子間配線部12との間に層間絶縁膜が形成されていない。PN接合ダイオード8のP型領域9とN型領域10は、接続孔を介することなく、素子間配線部12と直接接続されている。素子間配線部12は、PN接合ダイオード8上からLOCOS層22上にまたがって形成されている。梁上配線部13はLOCOS層22上に形成されている。
この実施例の熱型赤外線センサーは、PN接合ダイオード8と素子間配線部12との間に層間絶縁膜が形成されている場合に比べて、断熱構造体2を構成する薄膜部6の膜厚及び梁部7の膜厚を薄膜化することができる。これにより、この実施例の熱型赤外線センサーは、センサーの感度と応答速度を向上させることができる。
従来の熱型赤外線センサーでは、図13に示されるように、PN接合ダイオード108と素子間配線部112の間には層間絶縁膜123が形成されている。PN接合ダイオード108と素子間配線部112は、層間絶縁膜123に形成されたコンタクトホール114を介して、電気的に接続されている。PN接合ダイオード108と素子間配線部112の接続部分において、素子間配線部112の表面にコンタクトホール114に起因する凹部112aが見られる。
一方で、この実施例の熱型赤外線センサーでは、図1に示されるように、PN接合ダイオード8と素子間配線部12の間の層間絶縁膜がなく、PN接合ダイオード8と素子間配線部12は直接接続されている。したがって、PN接合ダイオード8と素子間配線部12の接続部分において、素子間配線部12にコンタクトホールに起因する凹部が見られない。
このように、温度センサー部3と素子間配線部12の接続部分を顕微鏡等で観察することにより、容易に本発明と従来技術との判別を行うことができる。
図2から図5は、図1に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図である。この製造方法例は、図1のA−A’位置に対応している。以下に説明する各工程のかっこ数字は図2から図5の中のかっこ数字に対応している。
(1)SOI基板からなる基板1を用いる。基板1は、シリコンからなるベース基板1aと、ベース基板1a上に形成された埋め込み酸化膜層であるBOX層1bと、BOX層1b上に形成された活性層であるSOI層1cを備えている。薄膜部6の形成予定領域のBOX層1bは赤外線吸収部4を構成する。表面拡散技術やイオン注入技術を用いて、周辺回路部15の半導体素子や温度センサー部の半導体素子が形成される領域のSOI層1cの不純物濃度の調整を行う。
(2)周辺回路部15や温度センサー部分のデバイス絶縁分離のためにLOCOS形成を行う。これにより、SOI層1cのデバイス領域以外の部分にLOCOS層22が形成される。
(3)ポリシリコンを堆積し、写真製版技術及びエッチング技術により、MOSFETのゲート電極21を形成する。写真製版技術及びイオン注入を用いて、種々のデバイス部分の不純物濃度調整を行う。これにより、MOSFET素子16のソース・ドレイン領域20、PN接合ダイオード8のP型領域9及びN型領域10、並びに図示しない他のデバイス部分が作成される。ここまでは、一般的な半導体プロセス技術を用いたものであり、特にここに記述された技術に限定されるものではない。
(4)リフトオフ法によって配線部5を形成する行程について説明する。レジスト30を例えばスピンコートで塗布する。配線部5を構成する素子間配線部12及び梁上配線部13を形成する部分のみのレジスト30を写真製版技術によって除去する。
P型領域9及びN型領域10において、素子間配線部12との電気的接続を行う部分の表面のシリコン酸化膜(図示は省略)を除去する。これは、例えば、Arイオン等によるスパッタによって行うことができる。また、このシリコン酸化膜の除去は、レジスト30の形成前に、希フッ酸等のウェット処理で行ってもよい。
全面に素子間配線部12及び梁上配線部13となる配線層31を、Ti等の金属材料で形成する。配線層31の膜厚は、例えば0.1〜0.5μm(マイクロメートル)程度である。配線層31の材料は、Tiに限定されないが、導電性を有し、熱伝導率の小さい材料が好ましい。また、配線層31は、窒素雰囲気中での熱処理により、表面を窒化チタンとして、TiとTiNの二層構造にしてもよい。また、配線層31は、他の配線材料を用いた場合も同様に二層配線にしてもよい。
(5)レジスト30を除去する。これにより、素子間配線部12、梁上配線部13が残存し、温度センサー部3の配線部5が完成する。このようにリフトオフ法を用いることによって、PN接合ダイオード8と配線部5の間に層間絶縁膜がない構造を形成することができる。
(6)MOSFET素子16と第1配線層17との間の層間絶縁膜24を形成する。層間絶縁膜24は、断熱構造体2の形成予定領域にも形成される。配線部5は非常に薄いため、層間絶縁膜24で覆われる。第1配線層17と配線部5は絶縁される。
第1配線層17は、デバイスとの電気的接続を得るために層間絶縁膜24にコンタクトホールを形成した後にAl等の金属材料を堆積し、写真製版技術及びエッチング技術を用いて配線形状へとパターニングされる。このとき、周辺回路部15と温度センサー部3の電気的接続を行うためのコンタクトホールも同時に形成され、第1配線層17と梁上配線部13は断熱構造体2の形成予定領域とは異なる位置で電気的に接続される。
(7)次に、一般的な半導体プロセスの配線行程によって、層間絶縁膜25、第2配線層18、層間絶縁膜26、第3配線層19、保護膜27を形成し、外部との電気接点を得るためのパッド28を形成する。
(8)温度センサー部3の断熱構造体2の形成を行う。写真製版技術及びエッチング技術により、断熱構造体2の形成予定位置の保護膜27、層間絶縁膜26、25、及び層間絶縁膜24の一部を、配線部5が露出しない程度に除去する。さらに、写真製版技術及びエッチング技術によって、所定の領域の層間絶縁膜24、LOCOS層22、BOX層1bを除去して、薄膜部6、梁部7の基礎形状を形成する。これらのエッチングによって、任意の薄膜部6及び梁部7の厚さ及び形状を形成することができる。
(9)最後に、例えばベース基板1bの裏面側からの異方性ドライエッチングによって、所定の領域のベース基板1bを除去する。これにより、薄膜部6、梁部7を有する断熱構造体2が形成される。
以上の工程によって、PN接合ダイオード8と配線部5の間の層間絶縁膜がない構成の熱型赤外線センサーを形成することができる。さらに、薄膜部6及び梁部7の膜厚を従来よりも薄くできるため、センサー特性を向上させることができる。
上記の製造プロセスは一例であり、この実施例の製造方法は上記の製造プロセスに限定されない。本発明の熱型赤外線センサーは、PN接合ダイオードと配線部の間の層間絶縁膜がない構成の熱型赤外線センサーであればよい。
図6は、他の実施例を説明するための概略的な平面図及び断面図である。図6において、断面図は、平面図のB−B’位置の断面を示している。図6の平面図において、層間絶縁膜及び保護膜の図示は省略されている。図6において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施例の熱型赤外線センサーは、図1に示された熱型赤外線センサーと比較して、周辺回路部15に層間絶縁膜23をさらに備えている。層間絶縁膜23は、LOCOS層22と層間絶縁膜24の間に設けられている。層間絶縁膜23は、MOSFET素子16のゲート電極21を覆っている。
層間絶縁膜23は、薄膜部6及び梁部7には形成されていない。したがって、この実施例は、図1に示された実施例と同様に、薄膜部6及び梁部7の膜厚を従来よりも薄くして、センサー特性を向上させることができる。
図7及び図8は、図6に示された熱型赤外線センサーの製造方法の一例を説明するための概略的な断面図である。この製造方法例は、図6のB−B’位置に対応している。以下に説明する各工程のかっこ数字は図7及び図8の中のかっこ数字に対応している。
(1)図2を参照して説明した上記工程(1)〜(3)と同様にして、基板1に、LOCOS層22、MOSFET素子16のソース・ドレイン領域20、PN接合ダイオード8のP型領域9及びN型領域10、MOSFET素子16のゲート電極21を形成する。この状態から、MOSFET素子16を保護する目的で層間絶縁膜23を形成する。写真製版技術及びエッチング技術によって断熱構造体2の形成予定領域の層間絶縁膜23を除去する。
(2)ウェハ全面に、素子間配線部12及び梁上配線部13となる配線層31を、Ti等の金属材料で形成する。写真製版技術によって、素子間配線部12及び梁上配線部13を形成する部分にレジスト32を形成する。
(3)配線層31のエッチングを行って、配線部5を構成する素子間配線部12及び梁上配線部13を形成する。レジスト32を除去する。
(4)第1配線層17との配線部5との間の層間絶縁膜24を形成する。層間絶縁膜24上の所定の領域に第1配線層17を形成する。
(5)図6を参照して説明する。一般的な半導体プロセスの配線行程によって、層間絶縁膜25、第2配線層18、層間絶縁膜26、第3配線層19、保護膜27、パッド28を形成する。図5を参照して説明した上記工程(8)及び上記工程(9)と同様にして、薄膜部6、梁部7を有する断熱構造体2を形成する。
以上の工程によって、図6に示された熱型赤外線センサーが得られる。このプロセスでは、周辺回路部15の第1配線層17とMOSFET素子16との間の層間膜が層間絶縁膜23,24の2層になる。断熱構造体2に関しては、PN接合ダイオード8と配線部5の間に層間絶縁膜がない構造となっている。このプロセスは、リフトオフ法を使用しないため、より通常のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)プロセスとの親和性がよいプロセスである。
図9は、さらに他の実施例を説明するための概略的な平面図及び断面図である。図9において、断面図は、平面図のC−C’位置の断面を示している。図9の平面図において、層間絶縁膜及び保護膜の図示は省略されている。図9において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施例の熱型赤外線センサーは、図1に示された熱型赤外線センサーと比較して、PN接合ダイオード8におけるP型領域9及びN型領域10の平面形状が異なっている。PN接合ダイオード8において、N型領域10のある一部分を除く周囲をP型領域9が囲んでいる。具体的には、P型領域9が、矩形のN型領域10のある一辺を除いて、他の三辺の周囲を取り囲んでいる。
なお、図9に示されたPN接合ダイオード8の形状は一例である。本発明の熱型赤外線センサーのPN接合ダイオードにおいて、P型領域がN型領域のある一部分を除いて、周囲を取り囲んでいればよい。また、PN接合ダイオードにおいて、N型領域がP型領域のある一部分を除いて、周囲を取り囲んでいてもよい。また、PN接合ダイオード、P型領域、N型領域の各平面形状は、矩形やC字型に限定されず、どのような形状であってもよい。
温度センサー部3として、電気特性が温度によって変化する半導体デバイスを使用する場合、半導体デバイスの1/fノイズがセンサーのS/N特性に影響を与える。1/fノイズはシリコン半導体素子のシリコンとシリコン酸化膜の界面で発生するとされている。例えば、PN接合ダイオードでは、PN接合の面積拡大が、1/fノイズの低下につながることが知られている。この実施例は、本発明の配線構造を用いてセンサー特性を向上し、かつ、PN接合ダイオード8の1/fノイズを低減できる。
図10は、PN接合ダイオードの接合面積を説明するための図である。
図10(A)の場合、PN接合の面積は、P型領域9とN型領域10が接している寸法bと接合深さdの積となる。
図10(B)の場合、P型領域9はN型領域10の4辺を取り囲む形状となっており、PN接合面積は4×寸法c×深さdとなる。
PN接合ダイオード8の外形サイズが等しいとすると、図10(B)の形状の方が図10(A)の形状に比べてPN接合面積を大きくすることができる。したがって、図10(B)のようなPN接合ダイオード8を用いることが1/fノイズの低減には有効である。
図11は、PN接合ダイオードと素子接続配線との接続部分を説明する図である。
例えば、図13に示された従来技術に、図10(B)に示されたPN接合ダイオードの形状を適用した場合、図11(A)に示されるように、素子間配線部112によって複数のPN接合ダイオード108が直列に接続される。PN接合ダイオード108と素子間配線部112との間には層間絶縁膜123が形成されている。PN接合ダイオード108と素子間配線部112は、層間絶縁膜123に設けられたコンタクトホール114を介して電気的に接続される。
例えば、図1に示された実施例に、図10(B)に示されたPN接合ダイオードの形状を適用した場合、PN接合ダイオード8上及びLOCOS層22上に素子間配線部12が形成される。図1に示された実施例では、素子間配線部12と、PN接合ダイオード8のP型領域9及びN型領域10との間に層間絶縁膜がない。したがって、このようなレイアウトでは、PN接合ダイオード8が電気的にショートしてしまい、温度センサーとしての機能を得ることができない。そこで、本発明の配線構造の場合、PN接合ダイオード8上を素子間配線部12が通過する部分にはPN接合がない構造にする必要がある。
図12は、図9に示された実施例のPN接合ダイオードの接続部分を説明するための図である。
図12では、PN接合ダイオード8の形状は、N型領域10のある一辺を除いた周囲三方向をP型領域9で囲った形状となっている。PN接合ダイオード8上を素子間配線部12が通過する部分にはPN接合がない。
PN接合ダイオード8をこのようなレイアウトとすることで、PN接合ダイオード8の接合面積を最大化して1/fノイズを低減するとともに、本発明の配線構造を適用し、センサー性能を向上することが可能である。
ここでは一例として、図12のようなPN接合ダイオードの形状について説明したが、本発明の熱型赤外線センサーにおいて、PN接合ダイオードの形状は、N型領域のある一部分を除いた周囲をP型領域が囲っているレイアウトであれば上記の形状に限定されない。また、N型領域がP型領域を囲むレイアウトであってもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、上記実施例での数値、材料、配置、個数等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施例では、周辺回路部15はMOSFET素子16などの素子を備えている。ただし、本発明の熱型赤外線センサーにおいて、周辺回路部は外部接続用のパッドのみを有する構成であってもよい。
また、上記実施例では、温度によって電気特性の変化する半導体素子として、複数のPN接合ダイオード8が配置されている。ただし、本発明の熱型赤外線センサーにおいて、半導体素子は、PN接合ダイオードに限定されず、他の半導体素子であってもよい。
1 基板
2 断熱構造体
3 温度センサー部
4 赤外線吸収部
5 配線部
6 薄膜部
7 梁部
8 PN接合ダイオード(半導体素子)
9 P型領域(第1導電型材料又は第2導電型材料)
10 N型領域(第2導電型材料又は第1導電型材料)
12 素子接続配線部
13 梁上配線部
15 周辺回路部
特許3681113号公報

Claims (3)

  1. 基板上に断熱構造体と温度センサー部と赤外線吸収部と配線部とを備えた熱型赤外線センサーにおいて、
    前記断熱構造体は、薄膜部が複数の梁部によって中空状に支持された構造を有し、
    前記温度センサー部は、温度によって電気特性の変化する複数の半導体素子を有し、前記薄膜部に配置されており、
    前記赤外線吸収部は、前記薄膜部に配置されており、
    前記配線部は、複数の前記半導体素子同士を接続するための素子接続配線部と、前記半導体素子と周辺回路部を接続するための梁上配線部とを有し、
    前記素子接続配線部と前記梁上配線部は同一配線層で構成されており、
    前記素子接続配線部と前記半導体素子の間には層間絶縁膜が形成されていないことを特徴とする熱型赤外線センサー。
  2. 前記半導体素子は、P型又はN型の第1導電型材料とN型又はP型の第2導電材料からなるPN接合ダイオードである請求項1に記載の熱型赤外線センサー。
  3. 前記PN接合ダイオードは、前記第1導電型材料のある一部分を除く周囲を前記第2導電型材料が囲んでいる形状を有する請求項2に記載の熱型赤外線センサー。
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