WO2014178133A1 - 蓄電デバイス及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

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Abstract

 容量が互いに異なる複数種類のものを効率的に製造可能で、且つ厚さ方向での絶縁破壊の進行が有利に阻止され得るように改良された蓄電デバイスを提供する。 少なくとも一つの蓄電体膜26と複数の内部電極膜28とを交互に積層した基本ユニット22の両側端面に、電気絶縁性の保護フィルム24a,24bを更に積層してなる構造を備えた蓄電素子12の複数を相互に積層し、そして、それら複数の蓄電素子12の積層体14の対応する側面16a,16bのそれぞれに対して、外部電極18,18を、互いに隣り合う蓄電素子12,12のそれぞれの側面34a,34a,34b,34bに跨るように形成して、構成した。

Description

蓄電デバイス及びその製造方法並びに製造装置
 本発明は、蓄電デバイス及びその製造方法並びに製造装置と、フィルムコンデンサ及びその製造方法並びに製造装置とに係り、特に、少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用いて構成された積層型の蓄電デバイスやフィルムコンデンサの改良と、そのような積層型蓄電デバイスやフィルムコンデンサを有利に製造する方法及び装置とに関するものである。
 従来から、各種の電子機器や電気機器には、コンデンサや二次電池等の蓄電デバイスが使用されている。そして、近年では、電子機器や電気機器に対する小型化の要求の高まりに応じて、蓄電デバイスに対しても、その構造のコンパクト化が望まれている。このため、最近の電子機器や電気機器には、少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の積層体を用いて構成された、小型化の要求に対応可能な蓄電デバイスが用いられるようになってきている。
 すなわち、小型化が要求される電子機器や電気機器等においては、蓄電デバイスの一種であるコンデンサとして、例えば、特開平9-153434号公報(特許文献1)に明らかにされるような積層型のフィルムコンデンサ等が用いられている。このフィルムコンデンサは、誘電体膜たる樹脂フィルムの片面に金属蒸着膜が設けられて構成された金属化フィルムを、樹脂フィルムと金属蒸着膜とが交互に位置するように積層してなる構造の基本ユニットや、樹脂フィルムの両面に金属蒸着膜が設けられて構成された金属化フィルムと、金属蒸着膜が何等設けられていない樹脂フィルムとを、樹脂フィルムと金属蒸着膜とが交互に位置するように積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットにおける金属化フィルムの積層方向両側の面に対して、保護フィルムをそれぞれ更に積層することにより、一つのフィルムコンデンサ素子を形成し、そして、かかる一つのフィルムコンデンサ素子における基本ユニットの積層方向に対して直交する方向において互いに対応する二つの側面に、メタリコン電極をそれぞれ形成することによって構成されている。
 また、例えば、特開2011-181885号公報(特許文献2)等には、ナノオーダーの膜厚で成膜が可能な蒸着重合膜にて構成した誘電体膜と金属蒸着膜との基本ユニットの積層方向両側の面に保護フィルムをそれぞれ積層してなる一つのフィルムコンデンサ素子の対応する二つの側面に対して、メタリコン電極をそれぞれ形成することによって構成された、更なる小型化が可能なフィルムコンデンサも、提案されている。
 要するに、蓄電デバイスの一種である従来の積層型フィルムコンデンサは、一般に、少なくとも一つの蓄電体膜としての誘電体膜と複数の金属蒸着膜からなる内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットの積層方向両側の面に、電気絶縁性の保護フィルムをそれぞれ積層して得られた一つのフィルムコンデンサ素子(蓄電素子)を用い、このフィルムコンデンサ素子の対応する二つの側面に対して、外部電極としてのメタリコン電極をそれぞれ形成することによって構成されているのである。
 ところで、そのような従来の積層型フィルムコンデンサにあっては、通常、基本ユニットにおける誘電体膜と金属蒸着膜の積層数によって、静電容量が調節されている。即ち、金属化フィルムを積層してなる基本ユニットを用いて構成されるフィルムコンデンサでは、その静電容量が、一つのフィルムコンデンサ素子において、2枚の保護フィルムの間に積層される金属化フィルムの枚数によって決定されている。従って、これまでは、例えば、金属化フィルムを用いた積層型フィルムコンデンサにおいて、要求される静電容量の大きさが互いに異なる複数種類のものが必要とされる場合、要求される静電容量の大きさの違いに応じて、金属化フィルムの積層枚数が互いに異なる枚数とされた複数種類のフィルムコンデンサが、準備されていたのである。
 ところが、そのように、一つのフィルムコンデンサ素子だけを有し、この一つのフィルムコンデンサ素子における金属化フィルムの積層枚数(基本ユニットにおける誘電体膜と金属蒸着膜の積層数)の違いによって互いに異なる大きさの静電容量が得られるようにしたフィルムコンデンサにおいては、その構造よりして、以下の如き問題が内在していた。
 すなわち、かかるフィルムコンデンサでは、必要とされる静電容量が大きければ大きい程、金属化フィルムの積層枚数が増大して、一つのフィルムコンデンサ素子の大きさが大きくなる。それ故、静電容量が互いに異なる複数種類のフィルムコンデンサが必要なときには、金属化フィルムを積層して、基本ユニットを得ると共に、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に保護フィルムをそれぞれ更に積層して、一つのフィルムコンデンサ素子を得るようにしたフィルムコンデンサ素子製造装置や、そのような一つのフィルムコンデンサ素子の対応する二つの側面に、メタリコン電極をそれぞれ形成するメタリコン電極形成装置として、通常、金属化フィルムの積層枚数が最も多いフィルムコンデンサの製造に使用可能な装置が用いられていた。そして、そのようなフィルムコンデンサ素子製造装置とメタリコン電極形成装置を使い回しながら、金属化フィルムの積層枚数が最も多いフィルムコンデンサと、それよりも金属化フィルムの積層枚数が少ない、幾つかの種類のフィルムコンデンサとを、それぞれ製造し、準備していた。このため、目的とするフィルムコンデンサの種類(静電容量)が変わる度に、フィルムコンデンサ素子製造装置における金属化フィルムの積層枚数の設定を変更したり、また、それに応じて、必要な設備や操作条件等も変更したりする面倒な作業を行わなければならなかった。また、それによって、フィルムコンデンサの製造時の作業効率が低下するといった問題が惹起される可能性があった。しかも、既存の設備では製造が困難な程の、より大きな静電容量を有するフィルムコンデンサが必要となった場合には、新たな設備が必要となるといった不具合もあった。
 加えて、従来のフィルムコンデンサにあっては、フィルムコンデンサ素子の内部で絶縁破壊が生じた際に、かかる絶縁破壊が生じた一つの誘電体膜において、自己回復機能が発揮されるようになってはいるものの、フィルムコンデンサ素子の厚さ方向(誘電体膜と金属蒸着膜の積層方向)での破壊の進行を止める手だてがなかったのである。
 また、少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用いて構成された、フィルムコンデンサ以外の蓄電デバイス、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛等を正極活物質又は負極活物質として、或いは電極として利用する全固体二次電池や空気二次電池等にあっても、上記したフィルムコンデンサが有する問題と同様な問題が存していたのである。
特開平9-153434号公報 特開2011-181885号公報
 ここにおいて、本発明は、上記した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、積層型の蓄電デバイスにおいて、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的な作業により、容量が互いに異なる複数種類のものの製造が可能で、しかも、厚さ方向での絶縁破壊の進行を有利に阻止できるように改良された構造を提供することにある。また、本発明は、そのような積層型の蓄電デバイスを有利に製造し得る方法と装置を提供することをも、その解決課題とするものである。更に、本発明は、積層型のフィルムコンデンサにおいて、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的な作業により、容量が互いに異なる複数種類のものの製造が可能で、しかも、厚さ方向での絶縁破壊の進行を有利に阻止できるように改良された構造を提供することを、解決課題とする。更にまた、本発明は、そのような積層型のフィルムコンデンサを有利に製造し得る方法と装置を提供することをも、また、その解決課題とするものである。
 そして、本発明は、かかる課題の解決のために、少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットにおける積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に積層してなる蓄電素子を用い、かかる蓄電素子の複数が、相互に積層されていると共に、それら複数の蓄電素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、外部電極が、互いに隣り合う蓄電素子のそれぞれの側面に跨るように形成されていることを特徴とする蓄電デバイスを、その要旨とするものである。なお、本明細書において、蓄電体膜とは、二つの内部電極膜に挟まれて配置されて、電気を蓄え得る構造を有する、例えば、誘電体膜や有機固体電解質膜、無機固体電解質膜等の薄膜を言い、また、内部電極膜とは、金属材料からなる薄膜を言う。
 また、本発明の好ましい態様の一つによれば、蓄電デバイスが、フィルムコンデンサ、全固体二次電池及び空気二次電池のうちの何れかにて構成される。
 さらに、本発明の有利な態様の一つによれば、前記内部電極膜の少なくとも一部が、金属蒸着膜、金属スパッタリング膜及び金属CVD膜のうちの何れかにて構成される。
 そして、本発明は、前記した課題を解決するために、(a)少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に重ね合わせて構成される蓄電素子を準備する工程と、(b)該準備された蓄電素子の複数のものの中から少なくとも二つを選択する工程と、(c)該選択された少なくとも二つの蓄電素子を相互に積層して、該蓄電素子の積層体を形成する工程と、(d)前記蓄電素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、外部電極を、互いに隣り合う蓄電素子のそれぞれの側面に跨るように形成する工程とを含むことを特徴とする蓄電デバイスの製造方法をも、その要旨とするものである。
 なお、本発明の好適な態様の一つによれば、前記蓄電素子の準備工程において、前記基本ユニットの積層方向両側の面にそれぞれ積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させつつ、該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、それぞれ載置する一方、前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせながら、その長手方向に連続走行させることにより、該複数の基本ユニットを、それら第一の帯状体と第二の帯状体との間にそれぞれ保持せしめた状態で、連続的に搬送させると共に、該基本ユニットに重ね合わされた該第一の帯状体と該第二の帯状体とを、該基本ユニットを間に挟んだ、該第一及び第二の帯状体の走行方向の上流側位置と下流側位置とにおいてそれぞれ切断することにより、前記蓄電素子の複数が連続的に形成されることとなる。
 また、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記第一の帯状体と前記第二の帯状体とを前記基本ユニットに重ね合わせてなる重合せ物を連続的に搬送する過程において、それら第一及び第二の帯状体の切断に先立ち、かかる重合せ物が加圧プレスされる。
 そして、本発明は、前記した課題の解決のために、(a)少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に重ね合わせて構成される蓄電素子の複数を形成する蓄電素子形成手段と、(b)該形成された蓄電素子の複数のものの中から少なくとも二つを相互に積層して、該蓄電素子の積層体を形成する積層体形成手段と、(c)前記蓄電素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、外部電極を、互いに隣り合う蓄電素子のそれぞれの側面に跨るように形成する外部電極形成手段とを含むことを特徴とする蓄電デバイスの製造装置をも、また、その要旨とするものである。
 なお、本発明の好適な態様の一つによれば、前記蓄電素子形成手段が、(a)前記基本ユニットの積層方向両側の面のそれぞれに積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させる第一の走行手段と、(b)該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、該第一の帯状体上にそれぞれ載置する載置手段と、(c)前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせながら、その長手方向に連続走行させることにより、該基本ユニットの複数を、該第一の帯状体と該第二の帯状体にて挟んだ重合せ物として、それら帯状体の走行方向に搬送する第二の走行手段と、(d)該重ね合せ物の該基本ユニットの隣接するものの間に位置する該第一の帯状体と該第二の帯状体とを切断して、個々の蓄電素子として分離せしめる切断手段とを含んで構成される。
 また、本発明の有利な態様の一つによれば、前記切断手段よりも、前記第一の帯状体と前記第二の帯状体の走行方向の上流側に配置されて、前記重合せ物を加圧プレスする加圧プレス手段が、前記蓄電素子形成手段に更に設けられる。
 そして、本発明は、前記した課題を解決するために、少なくとも一つの誘電体膜と複数の金属蒸着膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットにおける積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に積層してなるフィルムコンデンサ素子の複数を用い、かかるフィルムコンデンサ素子の複数が、相互に積層されていると共に、それら複数のフィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、メタリコン電極が、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子のそれぞれの側面に跨るように形成されていることを特徴とするフィルムコンデンサも、その要旨とするものである。
 なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記複数のフィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面に、外方に開口して、前記金属蒸着膜の一部を外部に露呈させる隙間が、それぞれ設けられていると共に、前記メタリコン電極が、その一部を該隙間内に侵入させた状態で、該対応する側面にそれぞれ形成されており、そして、該対応する側面のうちの一方のものに設けられた該隙間内に侵入した該メタリコン電極部分が、該隙間を通じて外部に露呈する前記金属蒸着膜の露呈部分と、該一方の側面に形成された該メタリコン電極とを接続する第一の接続部とされている一方、該対応する側面のうちの他方のものに設けられた該隙間内に侵入した該メタリコン電極部分が、該隙間を通じて外部に露呈する前記金属蒸着膜の露呈部分と、該他方の側面に形成された該メタリコン電極とを接続する第二の接続部とされ、更に、それら第一の接続部と第二の接続部とが、前記積層体の積層方向において交互に位置するように配置される。
 そして、本発明は、前記した課題の解決のために、(a)少なくとも一つの誘電体膜と複数の金属蒸着膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に重ね合わせて構成されるフィルムコンデンサ素子を準備する工程と、(b)該準備されたフィルムコンデンサ素子の複数のものの中から少なくとも二つを選択する工程と、(c)該選択された少なくとも二つのフィルムコンデンサ素子を相互に積層して、該フィルムコンデンサ素子の積層体を形成する工程と、(d)前記フィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、メタリコン電極を、互いに隣り合う該フィルムコンデンサ素子のそれぞれの側面に跨るように形成する工程とを含むことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法をも、また、その要旨とする。
 なお、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記フィルムコンデンサ素子の準備工程において、前記基本ユニットの積層方向両側の面にそれぞれ積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させつつ、該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、それぞれ載置する一方、前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせながら、その長手方向に連続走行させることにより、該複数の基本ユニットを、それら第一の帯状体と第二の帯状体との間に保持せしめた状態で、連続的に搬送させると共に、該基本ユニットに重ね合わされた該第一の帯状体と該第二の帯状体とを、該基本ユニットを間に挟んだ、該第一及び第二の帯状体の走行方向の上流側位置と下流側位置とにおいてそれぞれ切断することにより、前記フィルムコンデンサ素子の複数が連続的に形成されることとなる。
 また、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記第一の帯状体と前記第二の帯状体とを前記基本ユニットに重ね合わせてなる重合せ物を連続的に搬送する過程において、それら第一及び第二の帯状体の切断に先立ち、かかる重合せ物が加圧プレスされる。
 そして、本発明は、前記した課題の解決のために、(a)少なくとも一つの誘電体膜と複数の金属蒸着膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットにおける積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に積層して構成されたフィルムコンデンサ素子の複数を形成するフィルムコンデンサ素子形成手段と、(b)該形成されたフィルムコンデンサ素子の複数のものの中から少なくとも二つを相互に積層して、該フィルムコンデンサ素子の積層体を形成する積層体形成手段と、(c)前記フィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、メタリコン電極を、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子のそれぞれの側面に跨るように形成するメタリコン電極形成手段とを含むことを特徴とするフィルムコンデンサの製造装置も、その要旨とするものである。
 なお、本発明の有利な態様の一つによれば、前記フィルムコンデンサ素子形成手段が、(a)前記基本ユニットの積層方向両側の面のそれぞれに積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させる第一の走行手段と、(b)該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、該第一の帯状体上にそれぞれ載置する載置手段と、(c)前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせるように連続走行させることにより、該基本ユニットの複数を、該第一の帯状体と該第二の帯状体にて挟んだ重合せ物として、それら帯状体の走行方向に搬送する第二の走行手段と、(d)該重ね合せ物の該基本ユニットの隣接するものの間に位置する該第一の帯状体と該第二の帯状体とを切断して、個々のフィルムコンデンサ素子として分離せしめる切断手段とを含んで構成される。
 また、本発明の好適な態様の一つによれば、前記切断手段よりも、前記第一の帯状体と前記第二の帯状体の走行方向の上流側に配置されて、前記重合せ物を加圧プレスする加圧プレス手段が、前記フィルムコンデンサ素子形成手段に更に設けられる。
 すなわち、本発明に従う蓄電デバイスにあっては、複数の蓄電素子のそれぞれにおける蓄電体膜と内部電極膜の積層数を、何等増やすことなしに、蓄電素子の積層数を増加することによって、容量を大きくすることできる。このため、かかる蓄電デバイスでは、例えば、蓄電体膜と内部電極膜の積層数が同数とされた蓄電素子を用い、そのような蓄電素子の積層数を調節することによって容量を増減させることができる。
 それ故、本発明に係る蓄電デバイスにおいては、例えば、複数の蓄電素子のそれぞれにおける蓄電体膜と内部電極膜の積層数を同数とすれば、そのような複数の蓄電素子を一つ一つ製造する際に、必要とされる容量の大きさに拘わらず、前述したフィルムコンデンサ素子製造装置と同様な構造を有する、単に、一種類の蓄電素子製造装置だけを用いて、蓄電体膜と内部電極膜の積層数の設定を何等変更することもなしに、また、かかる蓄電素子製造装置の構造の変更や、操作条件の変更等を行うこともなく、複数の蓄電素子の製造操作を実施できる。これによって、複数の蓄電素子、ひいては蓄電デバイスの製造時の作業効率の向上が、効果的に図られ得ることとなるのである。
 しかも、かかる蓄電デバイスでは、単に、積層体を構成する蓄電素子の積層数を増やすだけで、更なる大容量化の要求に即座に対応できる。それ故、新たに、大容量の蓄電デバイスが必要となった場合にも、そのような蓄電デバイスを製造するための設備を何等新設することなく、既存の設備で対応可能となる。
 さらに、本発明に従う蓄電デバイスでは、複数の蓄電素子が相互に積層されて構成されているところから、一つの蓄電素子だけを有する従来の蓄電デバイスとは異なって、保護フィルムが、蓄電デバイスの積層方向両側の面だけでなく、蓄電デバイスの厚さ方向の中間部において、互いに隣り合う(互いに積層される)蓄電素子の間に、2枚が重なり合って介在するように、配置される。このため、かかる蓄電デバイスにおいては、複数の蓄電素子のうちの何れか一つの内部で絶縁破壊が生じて、それが厚さ方向に進行したときに、そのような破壊の進行を、かかる一つの蓄電素子とそれに隣り合う別の蓄電素子との間に、2枚が重なり合って位置する保護フィルムによって止めることができる。
 従って、かくの如き本発明に従う蓄電デバイスにあっては、容量が互い異なる複数種類のものを、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的な作業によって製造可能な構造が、極めて有利に実現され得るだけでなく、絶縁破壊が生じたときに、厚さ方向での絶縁破壊の進行が効果的に阻止され得るのである。
 そして、本発明に従う蓄電デバイスの製造方法によれば、厚さ方向での絶縁破壊の進行を効果的に阻止し得る蓄電デバイスを有利に製造できるだけでなく、容量が互いに異なる複数種類の蓄電デバイスも、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的に且つ容易に製造することができるのである。
 また、本発明に従う蓄電デバイスの製造装置を用いれば、本発明に係る蓄電デバイスの製造方法において奏される作用・効果と実質的に同一の作用・効果が有効に享受され得ることとなる。
 さらに、本発明に従うフィルムコンデンサにあっては、静電容量が互いに異なる複数種類のものを、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的な作業によって製造可能な構造が、極めて有利に実現され得るだけでなく、絶縁破壊が生じたときに、厚さ方向での絶縁破壊の進行が効果的に阻止され得るのである。
 そして、本発明に従うフィルムコンデンサの製造方法によれば、厚さ方向での絶縁破壊の進行を効果的に阻止し得るフィルムコンデンサを有利に製造できるだけでなく、静電容量が互いに異なる複数種類のフィルムコンデンサも、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的に且つ容易に製造することができるのである。
 また、本発明に従うフィルムコンデンサの製造装置を用いれば、本発明に係るフィルムコンデンサの製造方法において奏される作用・効果と実質的に同一の作用・効果が有効に享受され得ることとなる。
本発明に従う構造を有する蓄電デバイスの一実施形態としてのフィルムコンデンサを示す断面説明図である。 図1に示されたフィルムコンデンサを製造する際に実施される一工程例を示す説明図であって、フィルムコンデンサ素子母材を形成している状態を示している。 図2に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、フィルムコンデンサ素子母材からフィルムコンデンサ素子を切り出している状態を示している。 図3に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、複数のフィルムコンデンサ素子を積層して、フィルムコンデンサ素子の積層物を形成している状態を示している。 図4に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、フィルムコンデンサ素子の積層物の側面にメタリコン電極を形成している状態を示している。 本発明に従う構造を有するフィルムコンデンサの別の実施形態を製造する際に実施される一工程例を示す説明図であって、図4に対応する図である。 図6に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、図5に対応する図である。 図1に示されたフィルムコンデンサを製造する際に用いられる製造装置の一例を示す説明図である。 本発明に従う構造を有する蓄電デバイスの別の実施形態としての全固体リチウムイオン二次電池を示す断面説明図である。 図9に示された全固体リチウムイオン二次電池を構成する電池素子を示す断面説明図である。 図10に示された電池素子を製造する際に用いられる、金属箔と樹脂フィルムの積層フィルムを示す断面説明図である。 図10に示された電池素子を製造する際に用いられる、図11に示される積層フィルムとは異なる構造の金属箔と樹脂フィルムの積層フィルムを示す断面説明図である。 図10に示された電池素子を製造する際に用いられる、図11及び図12に示される積層フィルムとは更に異なる構造の金属箔と樹脂フィルムの積層フィルムを示す断面説明図である。
 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
 先ず、図1には、本発明に従う構造を有する蓄電デバイスの一実施形態としてのフィルムコンデンサが、その縦断面形態において示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のフィルムコンデンサ10は、蓄電素子としてのフィルムコンデンサ素子12を三つ有している。そして、それら三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12が互いに積層された積層体14の積層方向に直交する方向において互いに対応する二つの側面16a,16bに対して、外部電極たるメタリコン電極18が、それぞれ形成されて、構成されている。
 より具体的には、本実施形態のフィルムコンデンサ10を構成する各フィルムコンデンサ素子12は、複数枚の金属化フィルム20が相互に積層された基本ユニット22の厚さ方向(金属化フィルム20の積層方向)一方側の面に、第一保護フィルム24aが、また、他方の面に、第二保護フィルム24bが、それぞれ更に積層されてなる、互いに同一の構造を有している。そして、ここでは、各フィルムコンデンサ素子12(基本ユニット22)における金属化フィルム20の積層枚数が、8枚ずつの同数とされている。なお、各フィルムコンデンサ素子12(基本ユニット22)における金属化フィルム20の積層枚数は、何等これに限定されるものではないことは、勿論である。
 各フィルムコンデンサ素子12を構成する金属化フィルム20は、蓄電体膜としての樹脂フィルム26の一方の面に、内部電極膜としての金属蒸着膜28が積層形成されてなっている。そのような金属化フィルム20の幅方向(図1の左右方向)の一端部には、樹脂フィルム26に金属蒸着膜28が積層されていないマージン部30が設けられている。なお、図1においては、フィルムコンデンサ10及びフィルムコンデンサ素子12の構造の理解を容易とするために、金属化フィルム20の樹脂フィルム26及び金属蒸着膜28と、第一及び第二保護フィルム24a,24bとメタリコン電極18のそれぞれの厚さが誇張した大きな寸法で示されており、また、フィルムコンデンサ素子12における金属化フィルム20の積層枚数も、実際の数よりも極端に少ない数において例示されていることが、理解されるべきである。
 金属化フィルム20の樹脂フィルム26は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等からなる二軸延伸フィルムにて構成されている。また、ここでは、金属蒸着膜28が、例えば、アルミニウムや亜鉛等からなり、公知の蒸着法を利用して、樹脂フィルム26上に積層形成されている。なお、金属蒸着膜28は、内部電極としての機能を有するものである。従って、スパッタリング法等の蒸着法以外のPVD法により、或いは公知のCVD法により、樹脂フィルム26に形成される金属薄膜を、金属蒸着膜28に代えて、内部電極膜として採用することも可能である。また、第一及び第二保護フィルム24a,24bは、電気絶縁性を有するものであれば、その材質は、特に限定されるものではないものの、一般には、金属化フィルム20の樹脂フィルム26と同じ樹脂材料からなる樹脂製フィルムにて構成される。
 そして、そのような1枚の第一保護フィルム24a上に、複数枚の金属化フィルム20が相互に積層されている。なお、そのような複数枚の金属化フィルム20の積層状態下で、各金属化フィルム20の樹脂フィルム26と金属蒸着膜28とが交互に1枚ずつ位置するように配置されていると共に、各金属化フィルム20のマージン部30が、金属化フィルム20の幅方向において互い違いに位置するように配置されている。そしてまた、それら互いに積層された複数枚の金属化フィルム20のうちの最上層に位置する金属化フィルム20の金属蒸着膜28上に、1枚の第二保護フィルム24bが、更に積層されている。かくして、フィルムコンデンサ素子12が、複数枚の金属化フィルム20からなる基本ユニット22と、この基本ユニット22の上面と下面にそれぞれ積層された第一及び第二の2枚の保護フィルム24a,24bとからなる積層構造をもって構成されているのである。
 また、かかるフィルムコンデンサ素子12では、互いに隣り合う金属化フィルム20が、それらのうちの一方の金属化フィルム20の端部を、他方の金属化フィルム20のマージン部30側の端縁から側方に突出させた状態で、相互に重ね合わされている。これにより、1枚の金属化フィルム20を間に挟んで、その両側に位置する2枚の金属化フィルム20の幅方向端部同士の間に、フィルムコンデンサ素子12(複数の金属化フィルム20の基本ユニット22)の幅方向(図1の左右方向)両側の側面において側方に向かって開口する隙間32が、それぞれ形成されている。また、かかる隙間32を形成する2枚の金属化フィルム20,20のうちの下側に位置する金属化フィルム20の金属蒸着膜28の端部が、それら2枚の金属化フィルム20,20のうちの上側に位置する金属化フィルム20が積層されていない非積層部分とされて、この非積層部分が、かかる隙間32を通じて、外部に露呈するように配置されている。
 そして、かくの如き構造とされた三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12が、金属化フィルム20の積層方向において互いに積層されることによって、前記積層体14が構成されている。この積層体14では、一つのフィルムコンデンサ素子12における基本ユニット22の上面に積層される第二保護フィルム24bに対して、別のフィルムコンデンサ素子12における基本ユニット22の下面に積層される第一保護フィルム24aが重ね合わされている。
 かくして、かかる積層体14においては、その最上層と最下層にそれぞれ位置する第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとの間に、ここでは、合計24枚の金属化フィルム20が相互に積層配置され、また、それら24枚の金属化フィルム20のうちの下から8枚目と9枚目との間と、16枚目と17枚目との間に、それぞれ、第一及び第二の2枚の保護フィルム24a,24bが互いに重ね合わされた状態で、介装されている。即ち、積層体14の厚さ方向中間部において、互いに積層される24枚の金属化フィルム20のうちの8枚毎に、第一及び第二の2枚の保護フィルム24a,24bが、互いに重ね合わされた状態で、挿入位置するように配置されているのである。
 また、そのような三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12の積層体14における、前記隙間32が形成された幅方向(図1の左右方向)両側の側面16a,16bには、メタリコン電極18が、溶射により、それぞれ形成されている。
 そして、本実施形態は、特に、積層体14の幅方向一方の側面16aに形成されたメタリコン電極18が、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12の幅方向一方の側面34a,34aに跨って延びるように配置されている一方、積層体14の幅方向他方の側面16bに形成されたメタリコン電極18が、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12の幅方向他方の側面34b,34bに跨って延びるように配置されている。即ち、ここでは、積層体14の一方の側面16aに形成されたメタリコン電極18が、かかる一方の側面16aの全面を被覆する一体物にて構成されている一方、積層体14の他方の側面16bに形成されたメタリコン電極18が、かかる他方の側面16bの全面を被覆する一体物にて構成されているのである。
 また、それら一対のメタリコン電極18,18は、各フィルムコンデンサ素子12の幅方向両側の側面34a,34bにおいて側方に開口する隙間32内に侵入し、かかる隙間32に露出する金属蒸着膜28の一端部からなる前記非積層部分に固着されている。そして、側面34aに設けられた各隙間32内へのメタリコン電極18の侵入部分が、第一の接続部33aとされている。一方、側面34bに設けられた各隙間32内へのメタリコン電極18の侵入部分が、第二の接続部33bとされている。また、それら第一の接続部33aと第二の接続部33bは、両側面34a,34bに、それぞれ、複数個(ここでは、12個)設けられて、樹脂フィルム26と金属蒸着膜28の積層方向において互い違いに位置するように配置されている。なお、それら一対のメタリコン電極18,18の構成材料は、特に限定されるものではなく、亜鉛やアルミニウム等、従来より一般に使用されるものが、適宜に用いられる。
 かくして、一対のメタリコン電極18,18が、金属化フィルム20の積層体14の幅方向両側の側面16a,16bのそれぞれに対して、それら両側面16a,16bの全面を被覆し、且つ各金属化フィルム20の金属蒸着膜28の非積層部分に対して、第一及び第二接続部33a,33bにより確実に接続された状態で形成されて、フィルムコンデンサ10が構成されているのである。
 すなわち、一つのフィルムコンデンサ素子だけを有し、且つかかる一つのフィルムコンデンサ素子の対応する二つの側面にメタリコン電極がそれぞれ形成されてなるフィルムコンデンサの複数を相互に積層して、組み付けて構成された従来のフィルムコンデンサ組付体とは異なって、本実施形態のフィルムコンデンサ10は、複数のフィルムコンデンサ素子12を相互に積層してなる積層体14の対応する二つの側面16a,16bに、メタリコン電極18が、それぞれ、一体物として一つずつ形成されてなる、1個の独立した構造をもって構成されているのである。なお、かかるフィルムコンデンサ10には、必要に応じて、二つのメタリコン電極18,18に対して、図示しない端子等が、それぞれ接続されることとなる。
 ところで、かくの如き構造とされたフィルムコンデンサ10を製造する際には、有利には、以下のような手順に従って、その操作が進められる。
 すなわち、先ず、図2に示されるように、第一保護フィルム24aを、フィルムコンデンサ素子製造装置を構成する回転ドラム36の周面に対して、その全周に亘って1周分だけ巻き付けた後、この第一保護フィルム24a上に、金属化フィルム20を、ここでは8周分巻き付ける。このとき、第一保護フィルム24a上に巻き付けられた金属化フィルム20が、互いに重なり合うものの間において、幅方向に所定寸法だけ互い違いに位置ずれし、且つ各金属化フィルム20のマージン部30も、金属化フィルム20の幅方向において互い違いに位置するように為す。その後、第一保護フィルム24a上に8周分巻き付けられた金属化フィルム20の最上層(最外層)に対して、第二保護フィルム24bを、かかる最上層の金属化フィルム20の全周に亘って1周分だけ巻き付ける。なお、図2及び後述する図3乃至図7においては、金属化フィルム20を省略する。
 これにより、金属化フィルム20が、ここでは8層に亘って積層されてなる基本ユニット22の厚さ方向一方の端面に、1枚の第一保護フィルム24aが積層される一方、他方の端面に、1枚の第二保護フィルム24bが積層されてなるフィルムコンデンサ素子母材38を、回転ドラム36の周面上において形成する。なお、このフィルムコンデンサ素子母材38は、回転ドラム36の周面に沿った延びる円環板形状において形成される。また、図2に明示されてはいないものの、そのようなフィルムコンデンサ素子母材38の幅方向両方の側面34a,34b側には、各金属化フィルム20のマージン部が30が、それぞれ配置されると共に、それら幅方向両方の側面に、前記した隙間32が、それぞれ、複数個ずつ形成される。
 次いで、図示されてはいないものの、フィルムコンデンサ素子母材38を回転ドラム36から取り外して、平板状に引き延ばすと共に、必要に応じて、フィルムコンデンサ素子母材38に対する熱エージング処理を公知の方法で実施する。これにより、フィルムコンデンサ素子母材38における第一及び第二保護フィルム24a,24bと基本ユニット22との密着性や、基本ユニット22における金属化フィルム20同士の密着性を高める。
 その後、図3に示されるように、平板状に引き延ばされたフィルムコンデンサ素子母材38を、その幅方向に沿って、切断刃40により、一定の長さで複数に切断する。これによって、互いに同じ幅と長さとを有する同一サイズのフィルムコンデンサ素子12の複数個を得る。なお、図3には明示されてはいないものの、かくして得られる複数のフィルムコンデンサ素子12においては、何れも、切断刃40による切断面と隣り合う二つの側面34a,34b(図4には、一方の側面34aのみを示す)に、前記隙間32が複数形成される。
 引き続き、上記のようにして得られた同一サイズの複数のフィルムコンデンサ素子12の中から、少なくとも二つ以上の任意の数のフィルムコンデンサ素子12を選択する。ここでは、三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12を選択する。
 そして、図4に示されるように、選択された三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12を相互に積層する。その際には、一つのフィルムコンデンサ素子12の基本ユニット22の上面に積層される第二保護フィルム24bの基本ユニット22側とは反対側の面の全面に対して、別の一つのフィルムコンデンサ素子12の下面に積層される第一保護フィルム24aの基本ユニット22側とは反対側の面の全面を、密着するように重ね合わせる。また、複数の隙間32が形成される二つの側面34a,34b(図4には、一方の側面34aのみを示す)が、互いに対応位置するように、三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12を積層する。
 これにより、三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12の積層体14を得る。かくして得られる積層体14は、その最下層と最上層とにそれぞれ位置する第一保護フィルム24a第二保護フィルム24bとの間に、合計24枚の金属化フィルム20が互いに積層配置されると共に、そのような24枚の金属化フィルム20のうちの8枚毎に、第一及び第二の2枚の保護フィルム24a,24bが、互いに重ね合わされた状態で、挿入位置するように配置されて、構成される(図1参照)。また、図示されてはいないものの、かかる積層体14の二つの側面16a,16b(図4には、一方の側面16aのみを示す)に、複数の隙間32がそれぞれ形成される。
 その後、図5に示されるように、図示しないメタリコン電極形成装置の溶射ノズル42から、例えば亜鉛やアルミニウム等の溶射材を溶融状態で噴出させて、それを、三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12の積層体14の、前記複数の隙間32が形成されている二つの側面16a,16b(図5には、一方の側面16aのみを示す)にそれぞれ吹き付けて、溶射する。これにより、積層体14の二つの側面16a,16bに対して、メタリコン電極18を、それぞれ形成する。
 このとき、積層体14の二つの側面16a,16bのそれぞれの全面に対して、溶融状態の溶射材を満遍なく吹き付けて、それら一体の側面16a,16bの全面を、メタリコン電極18にて、それぞれ被覆する。それによって、積層体14の一方の側面16aに形成されるメタリコン電極18を、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12のそれぞれの側面34a,34aに跨って、積層体14の一方の側面16aの全面に広がる一体物として構成する。また、積層体14の他方の側面16bに形成されるメタリコン電極18も、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12のそれぞれの側面34b,34bに跨って、積層体14の一方の側面16bの全面に広がる一体物として構成する。更に、積層体14の二つの側面16a,16bに設けられた複数の隙間32内に、メタリコン電極18の一部を侵入させて、かかる一部のメタリコン電極18にて各隙間32内を充填して、前記第一及び第二接続部33a,33bをそれぞれ形成する。
 かくして、24枚の金属化フィルム20が相互に積層されて、二つの側面16a,16bに、メタリコン電極18が、それぞれ、一体物として一つずつ形成されてなる、図1に示される如き1個の独立した構造を有するフィルムコンデンサ10を得るのである。このフィルムコンデンサ10では、安定した電気導通性が確保される。
 なお、本実施形態によれば、24枚の金属化フィルム20が相互に積層されてなる、図1に示される如き構造を有するフィルムコンデンサ10以外に、かかるフィルムコンデンサ10を構成する金属化フィルム20よりも多くの枚数の金属化フィルム20が相互に積層されてなる、静電容量の大きなフィルムコンデンサ10や、フィルムコンデンサ10を構成する金属化フィルム20よりも少ない枚数の金属化フィルム20が相互に積層されてなる、静電容量の小さいフィルムコンデンサ10も、容易に製造可能である。
 すなわち、例えば、40枚の金属化フィルム20が相互に積層されてなる大容量のフィルムコンデンサ10を製造する際には、図2に示されるフィルムコンデンサ素子母材38の形成工程と、図3に示されるフィルムコンデンサ素子母材38の切断工程によって形成された複数のフィルムコンデンサ素子12の中から、五つのものを選択する。
 その後、図6に示されるように、選択された五つのフィルムコンデンサ素子12,12,12,12,12を相互に積層して、それら五つのフィルムコンデンサ素子12,12,12,12,12の積層体14を得る。なお、その際には、図1に示されるフィルムコンデンサ10を製造するのに、三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12を相互に積層した積層体14を得るときと同様に、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12が、第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとにおいて互いに重なり合い、且つ複数の隙間32が形成される二つの側面34a,34b同士が互いに対応位置するように、五つのフィルムコンデンサ素子12,12,12,12,12を相互に積層する。
 次いで、図7に示されるように、溶射ノズル42から、例えば亜鉛やアルミニウム等の溶射材を溶融状態で噴出させて、それを、五つのフィルムコンデンサ素子12,12,12,12,12の積層体14の、複数の隙間32が形成されている二つの側面16a,16b(図7には、一方の側面16aのみを示す)の全面に、それぞれ吹き付けて、溶射する。これにより、積層体14の二つの側面16a,16bに対して、メタリコン電極18,18を、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12のそれぞれの側面34a,34a,34b,34bに跨り、且つ積層体14の二つの側面16a,16bの全面を被覆するように形成する。また、各フィルムコンデンサ素子12の幅方向両側の側面34a,34bにおいて側方に開口する隙間32内にメタリコン電極18をそれぞれ侵入させて、第一の接続部33aと第二の接続部33bとをそれぞれ形成する。かくして、40枚の金属化フィルム20が相互に積層されてなる、静電容量の大きな、しかも安定した電気導通性を備えたフィルムコンデンサ10を得るのである。
 また、例えば、16枚の金属化フィルム20が相互に積層されてなる、静電容量の小さなフィルムコンデンサ10を製造する際には、図2に示されるフィルムコンデンサ素子母材38の形成工程と、図3に示されるフィルムコンデンサ素子母材38の切断工程によって形成された複数のフィルムコンデンサ素子12の中から、二つのものを選択する。
 その後、選択された二つのフィルムコンデンサ素子12,12を相互に積層して、それら二つのフィルムコンデンサ素子12,12の積層体14を得る。なお、その際にも、図1に示されるフィルムコンデンサ10を製造するのに、三つのフィルムコンデンサ素子12,12,12を相互に積層した積層体14を得るときと同様にして、二つのフィルムコンデンサ素子12,12を積層する。
 次いで、図1に示されるフィルムコンデンサ10を得る際と同様に、溶射ノズル42から、例えば亜鉛やアルミニウム等の溶射材を溶融状態で噴出させて、それを、二つのフィルムコンデンサ素子12,12の積層体14の、複数の隙間32が形成されている二つの側面16a,16bの全面に、それぞれ吹き付けて、溶射する。これにより、積層体14の二つの側面16a,16bに対して、メタリコン電極18,18を、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12のそれぞれの側面34a,34a,34b,34bに跨り、且つ積層体14の二つの側面16a,16bの全面を被覆するように形成すると共に、前記第一及び第二の接続部33a,33bを形成する。かくして、16枚の金属化フィルム20が相互に積層されてなる、静電容量の小さなフィルムコンデンサ10を得るのである。
 以上の説明から明らかなように、本実施形態のフィルムコンデンサ10にあっては、その製造時に、フィルムコンデンサ素子12における金属化フィルム20の積層枚数を、何等増減することなく、予め形成された、金属化フィルム20の積層枚数が同数のフィルムコンデンサ素子12の複数のものの中から選択するフィルムコンデンサ素子12の数を増やしたり、減らしたりして、積層体14を構成するフィルムコンデンサ素子12の積層数を増減するだけで、静電容量を調節することができる。
 それ故、そのような本実施形態のフィルムコンデンサ10の構造によれば、互いに異なる静電容量を有する複数種類のフィルムコンデンサ10の製造工程で、フィルムコンデンサ素子製造装置の回転ドラム36に、第一及び第二保護フィルム24a,24bと複数の金属化フィルム20とを巻き付けて、フィルムコンデンサ素子12を作製する際に、回転ドラム36に対する金属化フィルム20の巻回数(積層枚数)の設定や、操作条件を変更することなしに、ましてや、フィルムコンデンサ素子製造装置の構造を、何等変更することなく、複数種類のフィルムコンデンサ10の製造に使用されるフィルムコンデンサ素子12を容易に作製することができる。そして、それによって、フィルムコンデンサ素子12、ひいてはフィルムコンデンサ10の製造時の作業効率の向上が、極めて効果的に図られ得るのである。
 また、かかるフィルムコンデンサ10の構造を採用すれば、より大きな静電容量を有するフィルムコンデンサ10が必要となったときにも、それに対応した製造設備を新設することなく、単に、フィルムコンデンサ10を構成する積層体14におけるフィルムコンデンサ素子12の積層数を増やすだけで、より大容量のフィルムコンデンサ10を容易に且つ低コストに得ることができる。
 さらに、本実施形態のフィルムコンデンサ10の構造によれば、例えば、互いに静電容量が異なる多くの種類のフィルムコンデンサ10が必要な場合に、例えば、金属化フィルム20の積層枚数が同数のフィルムコンデンサ素子12を、予め、多数、形成して、準備しておき、フィルムコンデンサ10が必要なときに、かかるフィルムコンデンサ10の静電容量の大きさに応じて、準備された多数のフィルムコンデンサ素子12の中から、必要な数のフィルムコンデンサ素子12を選択し、それらを用いて、所望の大きさの静電容量を有するフィルムコンデンサ10を製造するように為すことによって、互いに静電容量が異なる多くの種類のフィルムコンデンサ10の全ての種類を、予め形成し、在庫として保有しておく必要が、有利に解消され得ることとなる。
 加えて、本実施形態のフィルムコンデンサ10にあっては、その厚さ方向の中間部において、互いに重ね合わされる24枚の金属化フィルム20のうちの8枚毎に、第一及び第二の2枚の保護フィルム24a,24bが、互いに重ね合わされた状態で、挿入配置されている。それ故、24枚の金属化フィルム20のうちの何れかのものにおいて絶縁破壊が生じ、かかる破壊が、フィルムコンデンサ10の厚さ方向に進行して、互いに重ね合わされる金属化フィルム20が次々と破壊されていったときに、かかる金属化フィルム20の破壊が、2枚重ねで十分に厚肉とされた第一及び第二保護フィルム24a,24bで止められる。従って、より優れた使用耐久性が、効果的に確保され得るのである。
 ところで、複数のフィルムコンデンサ素子12を得る方法は、先に例示したものに、何等限定されるものではなく、各種の方法が採用可能である。
 図8には、先に例示した方法とは異なる方法で、複数のフィルムコンデンサ素子12を製造する際に好適に用いられるフィルムコンデンサ素子12の製造装置(蓄電素子形成手段)の一例が示されている。図8から明らかなように、かかる製造装置44は、第一送出しローラ46(第一の走行手段)と、第二送出しローラ48(第二の走行手段)と、基本ユニット移送装置50(載置手段)と、加圧プレス装置52(加圧プレス手段)と、二つの切断刃54,54(切断手段)とを有している。
 より詳細には、第一送出しローラ46は、図示しない電動モータ等の駆動装置にて回転駆動するようになっている。また、この第一送出しローラ46には、第一の帯状体としての長尺な第一保護フィルム24aを巻回してなる第一ロール58aが装着されている。これにより、第一送出しローラ46の回転駆動に伴って、第一保護フィルム24aが、第一送出しローラ46に装着された第一ロール58aから連続的に巻き出されるようになっている。そして、第一ロール58aから巻き出された第一保護フィルム24aが、その長手方向に連続走行させられるようになっている。
 また、基本ユニット移送装置50は、可動アーム60を有し、この可動アーム60の先端には、図示しない吸着装置にて吸引力を発揮する吸着パッド62が取り付けられている。そして、かかる基本ユニット移送装置50にあっては、予め別途に形成された基本ユニット22を、吸着パッド62による吸着と可動アーム60の作動により、一方向に走行する第一保護フィルム24aの走行方向の上流端において、第一保護フィルム24a上に次々と移送して、載置するようになっている。また、それによって、複数の基本ユニット22を、第一保護フィルム24a上に、一つずつ、順次、積層するように構成されているのである。なお、基本ユニット移送装置50は、基本ユニット22を、一方向に走行する第一保護フィルム24a上に次々と移送して、載置し得るものであれば、その具体的な構造が、特に限定されるものではない。例えば、吸着パッド62に代えて、基本ユニット22を把持して、第一保護フィルム24a上に載置する構造を有していても良い。
 一方、第二送出しローラ48は、第一保護フィルム24aの走行方向の前方側における第一送出しローラ46の斜め上方に配置されている。また、この第二の送出しローラ48にあっては、図示しない電動モータ等の駆動装置にて、第一送出しローラ46の回転方向とは逆の方向に、第一送出しローラ46と同一速度で回転駆動するようになっている。そして、この第二送出しローラ48には、第二の帯状体としての長尺な第二保護フィルム24bを巻回してなる第二ロール58bが装着されている。
 これにより、第二送出しローラ48の回転駆動に伴って、第二保護フィルム24bが、第二送出しローラ48に装着された第二ロール58bから連続的に巻き出されて、第一保護フィルム24a上に所定寸法だけ離間した位置において、第一保護フィルム24aの走行方向と同じ長手方向に連続走行させられるようになっている。そして、ここでは、第一保護フィルム24aの走行方向と同一方向に走行する第二保護フィルム24bが、基本ユニット移送装置50にて、第一保護フィルム24a上に次々と載置される基本ユニット22上に、重ね合わされ、それによって、基本ユニット22が、第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとの間で保持されるようになっている。かくして、基本ユニット22の複数が、長尺な第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとにて挟まれて、保持された重合せ物11として、第一及び第二保護フィルム24a,24bの走行に伴って、それらの走行方向に、順次、搬送されるように構成されているのである。
 加圧プレス装置52は、位置固定の下側プレス板64と、この下側プレス板64に対して、その上方に所定距離を隔てて対向配置された上側プレス板66とを有している。それら下側プレス板64と上側プレス板66は、互いの対向面が、それぞれ平面状の加圧面67,67とされている。更に、上側プレス板66は、図示しない油圧シリンダ等の駆動装置により上下方向に移動可能とされている。そして、このような加圧プレス装置52は、前記重合せ物11の搬送途中の箇所において、上側プレス板66と下側プレス板64とが、重合せ物11を間に挟んで上下両側にそれぞれ位置するように配置されている。そして、ここでは、第一及び第二送出しローラ46,48の回転駆動に伴って搬送される重合せ物11のうち、基本ユニット22が第一及び第二保護フィルム24a,24bにて挟まれた部分、つまり、重合せ物11における基本ユニット22の存在部位が、上側プレス板66と下側プレス板64との間に到達したときに、上側プレス板66が下方に移動するようになっている。かくして、加圧プレス装置52が、重合せ物11の搬送途中において、重合せ物11における基本ユニット22の存在部位を加圧するように構成されているのである。
 二つの切断刃54,54は、重合せ物11の走行方向における加圧プレス装置52よりも下流側において、第一保護フィルム24aの下側に配置されている。また、それら、二つの切断刃54,54は、その配置間隔が、基本ユニット22の長さ(重合せ物11の走行方向と同一方向の寸法)と略同一か、またはそれよりも僅かに大きな寸法とされている。そして、そのような二つの切断刃54,54が、公知のアクチュエータにより、上下方向に移動可能とされている。かくして、二つの切断刃54,54にあっては、第一保護フィルム24aよりも下側の位置から上方に移動することにより、一方向に走行する重合せ物11の互いに隣り合う基本ユニット22,22の間に位置する第一及び第二保護フィルム24a,24bを切断するようになっている。より具体的には、基本ユニット22を間に挟んだ第一及び第二保護フィルム24a,24bの走行方向の上流側位置と下流側位置とを、基本ユニット22の長さと同一寸法で、同時に切断し得るようになっているのである。なお、切断刃54,54は、回転式のものであっても良い。
 また、そのようなフィルムコンデンサ素子12の製造装置44の横には、積層装置56(積層物形成手段)が並設されている。この積層装置56は、基本ユニット移送装置50と同様に、可動アーム68と、その先端に取り付けられた吸着パッド70とを有している。可動アーム68は、図示しない公知のアクチュエータにより、吸着パッド70を、上下方向と、重合せ物11の走行方向(第一及び第二保護フィルム24a,24bの走行方向)と同一方向とに移動し得るように構成されている。また、吸着パッド70は、図示しない吸引装置の作動に伴って、吸引力を発揮するようになっている。更に、ここでは、積層装置56が、所定の載置台72上に固設されている。なお、積層装置56の構造も、特に限定されるものではなく、例えば、吸着パッド70に代えて、後述するフィルムコンデンサ素子12の複数を、それぞれ把持して、積層する構造を有していても良い。
 そして、かくの如き構造とされた製造装置44を用いて、フィルムコンデンサ素子12を製造し、そして、製造されたフィルムコンデンサ素子12の複数を用いて、フィルムコンデンサ10を得る際には、その作業が、例えば、以下のようにして進められる。
 すなわち、先ず、第一送出しローラ46を連続的に回転駆動させることにより、第一ロール58aから第一保護フィルム24aを巻き出して、それを、その長手方向に連続走行させる。
 そして、別途に形成された複数の基本ユニット22を、その保管箇所から、基本ユニット移送装置50にて一つずつ順番に移送して、一方向に連続走行する第一保護フィルム24a上に、一つずつ載置する。これにより、各基本ユニット22を、第一保護フィルム24aに対して、下面が重なり合うように積層する。このとき、各基本ユニット22が、第一保護フィルム24a上において、第一保護フィルム24aの走行方向に一定の距離を隔てて位置し、且つメタリコン電極18が形成される側面34a,34bが、第一保護フィルム24aの走行方向に対して直角な方向に位置するように、配置される。
 また、基本ユニット22を第一保護フィルム24a上に積層する一方で、第二送出しローラ48を連続的に回転駆動させることにより、第二ロール58bから第二保護フィルム24bを巻き出して、それを、第一保護フィルム24aに積層された基本ユニット22上に重ね合わせながら、第一保護フィルム24aの走行方向と同一方向に連続走行させる。これにより、複数の基本ユニット22を、その下面と上面とに対して第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとをそれぞれ積層させて、複数の基本ユニット22を第一及び第二保護フィルム24a,24bとの間に保持させる。かくして、重合せ物11を作製して、それを加圧プレス装置52に向かって、連続的に搬送する。
 次に、重合せ物11の搬送途中で、重合せ物11における基本ユニット22の存在部位たるを、加圧プレス装置52により、加圧プレスする。かくして、搬送される重合せ物11を、加圧プレス装置52の上側及び下側プレス板66,64の平面状の加圧面67,67にて、順次、加圧して、平板形状とする。
 その後、平板形状とされた重合せ物11における基本ユニット22の存在部位が、二つの切断刃54,54の配置位置にまで搬送される毎に、それら二つの切断刃54,54を上方に移動させる。これにより、重合せ物11における基本ユニット22の存在部位が二つの切断刃54,54の配置位置にまで搬送される毎に、かかる部位を間に挟んだ両側に位置する第一保護フィルム24a部分と第二保護フィルム24b部分のうち、特に、基本ユニット22の二つの側面(重合せ物11の走行方向の両側に位置する側面)との対応部分を、それぞれ切断する。かくして、基本ユニット22の下面と上面とに、基本ユニット22の長さと同一長さを有する第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとがそれぞれ積層されてなるフィルムコンデンサ素子12の複数を、次々と製造するのである。
 そして、そのようにして製造された複数のフィルムコンデンサ素子12を用いて、フィルムコンデンサ10を得る際には、先ず、上記のようにしてフィルムコンデンサ素子12を得る毎に、得られたフィルムコンデンサ素子12を、積層装置56の吸着パッド70にて吸着、支持した後、可動アーム68の吸着パッド70の移動により、フィルムコンデンサ素子12を載置台72上にまで移動させる。また、載置台72上に移動させたフィルムコンデンサ素子12を、予め決められた数(ここでは、三つ)だけ、互いに積層させる。これにより、所定の数のフィルムコンデンサ素子12が相互に積層されてなる積層体14を得る。
 その後、得られた積層体14に対して、必要に応じて熱エージング処理を行った後、図5に示されるように、積層体14の二つの側面16a,16bに対する溶射を行なう溶射ノズル42を備えた、図示しないメタリコン電極形成装置(外部電極形成手段)を用いて、各側面16a,16bにメタリコン電極18を形成する。ここでは、かかるメタリコン電極形成装置が、二つの側面16a,16bに対して、メタリコン電極18,18を、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子12,12のそれぞれの側面34a,34a,34b,34bに跨り、且つ積層体14の二つの側面16a,16bの全面を被覆するように形成可能な構造とされている。かくして、目的とするフィルムコンデンサ10を得るのである。
 このようなフィルムコンデンサ素子12の製造装置44とメタリコン電極形成装置とを含むフィルムコンデンサ10の製造装置を用いる本実施形態手法によれば、単に、積層装置56によって積層されるフィルムコンデンサ素子12の数を変更するだけで、静電容量が互い異なる複数種類のフィルムコンデンサ10を、製造設備の変更や新設を要することなく、より効率的な作業によって製造することができる。そして、製造されるフィルムコンデンサ10において、絶縁破壊が生じたときの厚さ方向での絶縁破壊の進行を、効果的に阻止することが可能となるのである。
 また、本実施形態手法によれば、複数のフィルムコンデンサ素子12の自動生産が可能となり、それによって、フィルムコンデンサ素子12、ひいてはフィルムコンデンサ10の生産効率の向上が、有利に図られ得る。
 さらに、本実施形態手法では、第一保護フィルム24aと第二保護フィルム24bとが、第一及び第二保護フィルム24a,24bと基本ユニット22の積層体をフィルムコンデンサ素子12として形成する箇所にまで搬送する搬送部材として、巧みに利用されている。従って、フィルムコンデンサ素子12、更にはフィルムコンデンサ10の自動生産が、更に一層効率的且つ低コストに実現され得るのである。
 更にまた、本実施形態手法においては、複数のフィルムコンデンサ素子12を自動生産する途中で、フィルムコンデンサ素子12を構成する第一及び第二保護フィルム24a,24bと基本ユニット22の積層体が、加圧プレスされて、平板形状とされている。これにより、互いに積層された複数のフィルムコンデンサ素子12同士の密着性や、第一及び第二保護フィルム24a,24bと基本ユニット22との密着性が、効果的に高められ得る。
 なお、第一及び第二保護フィルム24a,24bを搬送部材として利用する本実施形態手法によって、複数のフィルムコンデンサ素子12を製造する際には、第一及び第二送出しローラ46,48と基本ユニット移送装置50と加圧プレス装置52と二つの切断刃54,54とを備えた製造装置44を、必ずしも用いる必要はない。
 次に、図9には、本発明に従う構造を有する蓄電デバイスの別の実施形態としての全固体リチウムイオン二次電池74が、その断面形態において示されている。かかる図9から明らかなように、本実施形態の全固体リチウムイオン二次電池74(以下、単に、リチウムイオン二次電池74と言う)は、蓄電素子としての電池素子76を三つ有している。そして、それら三つの電池素子76,76,76が互いに積層された積層体78の幅方向(図9の左右方向)両側に位置する二つの側面80a,80bに対して、外部電極たるバスバー82a,82bが、それぞれ設けられて、構成されている。
 より具体的には、本実施形態のリチウムイオン二次電池74を構成する各電池素子76は、図10に示されるように、複数(ここでは二つ)の正極集電体層84及び複数(ここでは二つ)の負極集電体層86と、複数(ここでは三つ)の正極層88及び複数(ここでは三つ)負極層90と、複数(ここでは三つ)の固体電解質層92と、第一及び第二の保護フィルム94a,94bとを有している。
 そして、ここでは、正極集電体層84が、アルミニウム箔からなり、また、負極集電体層86が、銅箔からなっている。なお、それら正極集電体層84と負極集電体層86は、その形成材料が、特に限定されるものではなく、従来と同様な材料が用いられる。即ち、正極集電体層84と負極集電体層86は、アルミニウムや銅の他、チタン、ニッケル、鉄等の金属、又はそれらの金属の合金等を用いて形成される。
 正極層88は、例えば、LiCoO2 の粉体乃至は粒体等からなる正極活物質(図示せず)と、アセチレンブラックの粉体乃至は流体等からなる導電補助剤と、PVdF等からなるバインダとにて構成されている。
 負極層90は、例えば、天然グラファイト(天然黒鉛)の粉体乃至は粒体等からなる負極活物質(図示せず)と、アセチレンブラックの粉体乃至は流体等からなる導電補助剤と、PVdF等からなるバインダとにて構成されている。
 固体電解質層92は、ここでは、第一固体電解質層部分96と第二固体電解質層部分98とからなる複層構造を有し、それら第一及び第二固体電解質層部分96,98が、何れも、ポリエチレンオキシドの樹脂薄膜からなっている。なお、第一及び第二固体電解質層部分96,98は、ポリエチレンオキシド樹脂薄膜に、何等限定されるものではなく、従来からリチウムイオン二次電池74の固体電解質層92を形成する有機乃至は無機材料の薄膜にて構成されていても良い。また、第一の固体電解質層部分96と第二の固体電解質層98とが別個の材料にて構成されていても、何等差し支えない、更に、固体電解質92は、単層構造とされていても良い。
 第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bは、ここでは、ポリエチレンオキシド樹脂薄膜にて構成されている。それら第一及び第二の保護フィルム94a,94bは、電気絶縁性を有するものであれば、その材質は、特に限定されるものではないものの、一般には、正極層88中や負極層90中のバインダを構成する樹脂材料や、固体電解質層92を構成する樹脂材料と同じ樹脂材料からなる樹脂製フィルムにて構成される。
 そして、電池素子76においては、第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bとの間に、二つの正極集電体層84と二つの負極集電体層86とが、一つずつ交互に配置されている。また、互いに隣り合う正極集電体層84と負極集電体層86との間に、正極層88と負極層90とが、第一及び第二固体電解質層部分96,98からなる固体電解質層92を介して積層されている。これによって、電池素子76が、複数の正極及び負極集電体層84,86と、複数の正極及び負極層88,90と、複数の固体電解質層92とが積層されてなる基本ユニット77の両側の端面のそれぞれに対して、第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bとが更に積層されてなる積層構造を有しているのである。このことから明らかなように、ここでは、正極集電体層84と正極層88とにて、正極側の内部電極膜が構成されている一方、負極集電体層86と負極層90とにて、負極側の内部電極膜が構成されている。なお、第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bとの間に積層される正極及び負極集電体層84,86や、正極及び負極層88,90、固体電解質層92のそれぞれの積層枚数は、何等限定されるものではない。
 また、電池素子76においては、第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bと、第一の保護フィルム94aに対して直接に積層される正極集電体層84と、第二の保護フィルム94bに対して直接に積層される負極集電体層86とが、他の正極及び負極集電体層84,86や固体電解質層92よりも所定寸法だけ広幅とされている。そして、それら広幅とされた第一の保護フィルム94aと正極集電体層84の幅方向一方側(図10の右側)の端部が、電池素子76の幅方向一方側に位置する側面100aから側方に突出している一方、広幅とされた第二の保護フィルム94bと負極集電体層86の幅方向他方側(図10の左側)の端部が、電池素子76の幅方向他方側に位置する側面100bから側方に突出している。
 さらに、電池素子76にあっては、幅方向両側の側面100a,100bに対して、電気絶縁性の膜状絶縁体102a,102bが、それぞれ、固着されている。そして、電子素子76の側面100aに固着された膜状絶縁体102aは、かかる側面100aのうち、側方に突出する第一の保護フィルム94aと正極集電体層84のそれぞれの幅方向一方側の側面を除く部分を、全て被覆している。また、電子素子76の側面100bに固着された膜状絶縁体102bは、かかる側面100bのうち、側方に突出する第二の保護フィルム94bと負極集電体層86のそれぞれの幅方向他方側の側面を除く部分を、全て被覆している。これにより、第一の保護フィルム94aに対して直接に積層される正極集電体層84と第二の保護フィルム94bに対して直接に積層される負極集電体層86以外の正極及び負極集電体層84,86と、全ての正極及び負極層88,90とが電気的に絶縁状態とされている。
 そして、図9に示されるように、上記の如き構造とされた電池素子76の三つのものが、正極及び負極集電体層84,86と正極及び負極層88,90と固体電解質層92と第一及び第二の保護フィルム94a,94bの積層方向において、互いに積層されて、積層体78が構成されているのである。
 また、かかる積層体78においては、幅方向一方の側面80aが、三つの電池素子76,76,76の側面100a,100a,100aにそれぞれ形成された膜状絶縁体102a,102a,102aの各電池素子76側とは反対側の面と、各電池素子76の各側面100aから突出する第一の保護フィルム94aと正極集電体層84の側面とにて構成されている。一方、幅方向他方の側面80bが、三つの電池素子76,76,76の側面100b,100b,100bにそれぞれ形成された膜状絶縁体102b,102b,102bの各電池素子76側とは反対側の面と、各電池素子76の各側面100bから突出する第二の保護フィルム94bと負極集電体層86の側面とにて構成されている。
 そして、そのような積層体78の一方の側面80aに対して、バスバー82aが、かかる側面80aから側方に突出する、三つの電池素子76,76,76の正極集電体層84,84,84の側面に接触して、それら三つの正極集電体層84,84,84と電気的に接続された状態で固着されている。また、積層体78の他方の側面80bに対して、バスバー82bが、かかる側面80bから側方に突出する、三つの電池素子76,76,76の負極集電体層86,86,86の側面に接触して、それら三つの負極集電体層86,86,86と電気的に接続された状態で固着されている。換言すれば、バスバー82aが、互いに積層されて、隣り合う三つの電池素子76,76,76の一方の側面100a,100a,100aに跨るように形成されている一方、バスバー82bが、互いに積層されて、隣り合う三つの電池素子76,76,76の他方の側面100b,100b,100bに跨るように形成されている。
 かくして、本実施形態のリチウムイオン二次電池74が、三つの電池素子76が相互に積層されて、電気的に直列に接続された状態で形成されているのである。
 そして、そのようなリチウムイオン二次電池74は、例えば、以下に示す工程に従って製造されることとなる。
 すなわち、先ず、電池素子76を複数個作製する。その際には、互いに同一の幅を有する第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bとを準備する。また、その一方で、図11に示される第一積層フィルム104と、図12に示される第二積層フィルム106と、図13に示される第三及び第四積層フィルム108,110を、それぞれ複数個ずつ作製して、準備する。
 なお、図11に示される第一積層フィルム104は、第一の保護フィルム94aと同一の幅を有する正極集電体層84の一方の面上に、それよりも狭幅の正極層88と第一固体電解質層部分96とが、その順番で積層形成されてなる構造を有するものである。
 このような第一積層フィルム104を作製する際には、例えば、先ず、第一の保護フィルム94aと同一幅のアルミニウム箔等の金属箔を用いて、これを正極集電体層84とする。次いで、正極集電体層84の一方の面上に、正極層88を公知の手法により形成する。その後、正極層88上に、第一の固体電解質部分96を公知の手法により形成する。なお、正極集電体層84は、金属箔の他、公知の蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形成された金属蒸着膜や金属スパッタリング膜、金属CVD膜にて構成しても良い。
 また、図12に示される第二積層フィルム106は、第二の保護フィルム94bと同一の幅を有する負極集電体層86の一方の面上に、それよりも狭幅の負極層88と第二固体電解質層部分98とが、その順番で積層形成されてなる構造を有するものである。
 このような第二積層フィルム106を作製する際には、例えば、先ず、第二の保護フィルム94bと同一幅の銅箔等の金属箔を用いて、これを負極集電体層86とする。 次いで、負極集電体層84上に、負極層90を公知の手法により形成する。その後、負極層90上に、第二の固体電解質部分98を公知の手法により形成する。なお、負極集電体層86は、正極集電体層84と同様に、金属箔の他、公知の蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形成された金属蒸着膜や金属スパッタリング膜、金属CVD膜にて構成しても良い。
 さらに、図13に示される第三積層フィルム108は、第一及び第二の保護フィルム94a,94bよりも所定寸法だけ幅の狭い正極集電体層84の両面上に、それと同一幅の正極層88がそれぞれ積層形成されると共に、それら二つの正極層88のうちの一方の正極層88上に、第一の固体電解質部分96が、また、それらのうちの他方の正極層88上に、第二の固体電解質部分98が、それぞれ積層形成されてなる構造を有するものである。また、第四積層フィルム110は、第一及び第二の保護フィルム94a,94bよりも所定寸法だけ幅の狭い負極集電体層86の両面上に、それと同一幅の負極層90がそれぞれ積層形成されると共に、それら二つの負極層90のうちの一方の負極層90上に、第一の固体電解質部分96が、また、それらのうちの他方の負極層90上に、第二の固体電解質部分98が、それぞれ積層形成されてなる構造を有するものである。このような第三積層フィルム108や第四積層フィルム110は、第一積層フィルム104や第二積層フィルム106の作製手法と同様な手法により作製される。
 そして、第一及び第二の保護フィルム94a,94bと第一乃至第四積層フィルム104,106,108,110を、それぞれ、複数個ずつ準備したら、例えば、先ず、第一積層フィルム104と第三積層フィルム108と第四積層フィルム110と第二積層フィルム106とを、その順番で積層して、基本ユニット77を得る。その後、かかる基本ユニット77における第一積層フィルム104の第三積層フィルム108側とは反対側に、第一の保護フィルム94aを積層する一方、第二積層フィルム106の第四積層フィルム110側とは反対側に、第二の保護フィルム94bを積層する。このとき、第一の保護フィルム94aの端部と第一積層フィルム104の正極集電体層84の端部とが基本ユニットの側面100aから側方に突出すると共に、第二の保護フィルム94bの端部と第二積層フィルム106の負極集電体層86の端部とが基本ユニットの側面100bから側方に突出するように、第一及び第二の保護フィルム94a,94bと第一及び第二積層フィルム104,106とを積層配置する。これにより、第一及び第二の保護フィルム94a,94bと基本ユニット77の積層体を得る。
 その後、かくして得られた第一及び第二の保護フィルム94a,94bと基本ユニット77の積層体の両方の側面100a,100bに対して、膜状絶縁体102a,102bを、第一及び第二の保護フィルム94a,94bと第一及び第二積層フィルム104,106のそれぞれの側面を側方に露呈させるように積層形成する。これら膜状絶縁体102a,102bは、例えば、膜状絶縁体102a,102bを構成する樹脂材料の溶液を用いて、側面100a,100bに塗膜層を形成し、これを固化することによって形成される。かくして、図10に示される如き構造を有する電池素子76を得る。そして、同様にして、電池素子76を複数個作製する。
 次いで、作製された複数個の電池素子76のうちの三つを用い、図4に示される工程と同様に、三つの電池素子76を相互に積層して、積層体78を得る。かくして得られる積層体78においては、互いに隣り合う電池素子76の間に、第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bとが相互に重ね合わされた状態で配置されると共に、それら第一及び第二保護フィルム94a,94bを間に挟んだ両側に正極集電体層84と負極集電体層86とが配置されることとなる。
 その後、図9に示されるように、積層体78の二つの側面80a,80bに対して、亜鉛板等の金属平板からなるバスバー82a,82bをそれぞれ固着する。このとき、一方のバスバー82aは、積層体78の一方の側面80aにおいて側方に露呈する三つの正極集電体層84,84,84の各端面に接触した状態で、三つの膜状絶縁体102a,102a,102aに対して、接着剤等により固着される。また、他方のバスバー82bは、積層体78の他方の側面80bにおいて側方に露呈する三つの負極集電体層86,86,86の各端面に接触した状態で、三つの膜状絶縁体102b,102b,102bに対して、接着剤等により固着される。これにより、一方のバスバー82aを、三つの電池素子76,76,76の一方の側面100a,100a,100aに跨るように形成する一方、他方のバスバー82bを、三つの電池素子76,76,76の他方の側面100b,100b,100bに跨るように形成する。
 かくして、図9に示される如き構造を備えた、目的とするリチウムイオン二次電池74を得るのである。なお、容量の異なるリチウムイオン二次電池74を得る場合には、電池素子76の積層数が適宜に変更されて、上記と同様な工程が実施されることとなる。
 以上の説明から明らかなように、本実施形態のリチウムイオン二次電池74にあっては、その製造に際して、電池素子76における第三積層フィルム108や第四積層フィルム110の積層枚数を、何等増減することなく、予め形成された、第三及び第四積層フィルム108,110の積層枚数が同数の電池素子76の複数のものの中から選択する電池素子76の数を増やしたり、減らしたりして、積層体78を構成する電池素子76の積層数を増減するだけで、容量を調節することができる。
 従って、かくの如き本実施形態のリチウムイオン二次電池74の構造によれば、互いに異なる容量を有する複数種類のリチウムイオン二次電池74が、製造設備の変更や新設を要することなく、極めて容易に且つ効率的に作製可能となるのである。
 しかも、かかるリチウムイオン二次電池74においては、互いに隣り合う電池素子76の間に、第一及び第二の2枚の保護フィルム24a,24bが、互いに重ね合わされた状態で、挿入配置されている。それ故、互いに積層される複数の電池素子76のうちの何れかのものの内部で絶縁破壊が生じたときに、そのような絶縁破壊が、2枚重ねで十分に厚肉とされた第一及び第二保護フィルム24a,24bで止められて、別の電池素子76にまで、絶縁破壊が進行することが防止され得る。従って、より優れた使用耐久性が、効果的に確保され得るのである。
 また、リチウムイオン二次電池74は、例えば、フィルムコンデンサ10の製造に用いられる、図8に示される構造を備えた製造装置44を用いることによっても製造可能である。つまり、かかる製造装置44は、リチウムイオン二次電池74を製造する装置としても使用できる。
 すなわち、製造装置44を用いる場合には、先ず、図11乃至図13に示される第一乃至第四積層フィルム104,106,108,110を用い、それらを、図10に示される順番で互いに積層する。これにより、複数の正極及び負極集電体層84,86と複数の正極及び負極層88,90と複数の固体電解質層92とが、図10に示される順番で互いに積層された基本ユニット77を得る。そして、かかる基本ユニット77を、複数個、作製する。
 その後、かくして得られた複数の基本ユニット77と、長尺な帯状の第一の保護フィルム94aと第二の保護フィルム94bと、図8に示された製造装置44とを用い、複数のフィルムコンデンサ素子12を得る際と同様な工程に従って、複数の電池素子76を連続的に製造する。この電池素子76の製造過程で、基本ユニット77(22)と第一及び第二の保護フィルム94a,94b(24a,24b)の重合せ物11における基本ユニット77(22)の存在部位が、加圧プレス装置52にて加圧プレスされることにより、基本ユニット77(22)内での各層の密着性や、基本ユニット77(22)と第一及び第二の保護フィルム94a,94b(24a,24b)との間の密着性が、有利に高められる。
 そして、連続的に製造された複数の電池素子76のうちの三つのものを、積層装置56にて積層した後、各電池素子76の側面80a,80bに、膜状絶縁体102a,102bを形成して、積層体78を作製する。その後、この積層体78の二つの側面100a,100bに、バスバー82a,82bを形成する。これによって、目的とするリチウムイオン二次電池74を得るのである。
 このような製造装置44を用いたリチウムイオン二次電池74の製造方法によれば、目的とするリチウムイオン二次電池74が、より迅速に且つ効率的に製造できるのである。
 以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
 例えば、フィルムコンデンサ10を構成する複数のフィルムコンデンサ素子12の全てのものの金属化フィルム20の積層枚数が、必ずしも、互いに同数とされている必要はなく、それら複数のフィルムコンデンサ素子12のうちの少なくとも一つが、他のフィルムコンデンサ素子12とは、金属化フィルム20の積層枚数が異なる数とされていても良い。また、リチウムイオン二次電池74を構成する複数の電池素子76の全てのものの第三及び第四積層フィルム108,110の積層枚数も、必ずしも、互いに同数とされている必要はなく、それら複数の電池素子76のうちの少なくとも一つが、他の電池素子76とは、第三及び第四積層フィルム108,110の積層枚数が異なる数とされていても、何等差し支えない。
 従って、フィルムコンデンサ10の製造に際して、或いはリチウムイオン二次電池74の製造に際して、予め準備された複数のフィルムコンデンサ素子12や電池素子76の中から任意のものを選択する際にも、金属化フィルム20の積層枚数が異なる複数種類のフィルムコンデンサ素子12や、第三及び第四積層フィルム108,110の積層枚数が異なる複数種類の電池素子76を選択することも可能なのである。
 また、フィルムコンデンサ10を構成する複数のフィルムコンデンサ素子12としては、金属化フィルム20を積層してなる基本ユニット22の両側端面に、第一及び第二保護フィルム24a,24bが更に積層されてなる構造のものに代えて、例えば、誘電体膜としての蒸着重合膜と金属蒸着膜とを交互に積層してなる基本ユニットの両側端面に、第一及び第二保護フィルム24a,24bを更に積層してなる構造のものを採用することも可能である。
 さらに、フィルムコンデンサ素子12が、金属化フィルム20を積層してなる基本ユニット22を有するものであっても、かかる金属化フィルム20として、樹脂フィルム26の両面に金属蒸着膜28がそれぞれ積層形成されてなるものも使用できる。
 更にまた、複数のフィルムコンデンサ素子12の積層体14に対して、第一及び第二保護フィルム24a,24bとは別の保護フィルムを更に外装した上で、そのような保護フィルムが外装された積層体14の二つの側面のそれぞれにメタリコン電極をそれぞれ形成して、フィルムコンデンサ10を構成することも可能である。
 また、リチウムイオン二次電池74を構成する電池素子76の製造に際しては、、第一乃至第四積層フィルム104,106,108,110を用いることなく、例えば、互いに独立した構造の正極及び負極集電体層84,86と正極及び負極層88,90と固体電解質層92(第一及び第二固体電解質層部分96,98)を、第一の保護フィルム94a上に、それぞれ、適数毎だけ積層した後、第二の保護フィルム94bを更に積層して、目的とする電池素子76を得るように為すことも可能である。更に、電池素子76の固体電解質層92が、蒸着重合膜にて構成されていていも良い。
 加えて、前記実施形態では、本発明を、フィルムコンデンサとリチウムイオン二次電池とそれらの製造方法に適用したものの具体例を示したが、本発明は、フィルムコンデンサやリチウムイオン二次電池以外の蓄電デバイス、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛等を正極活物質又は負極活物質として、或いは電極として利用する全固体二次電池や空気二次電池、更にはそれらの製造方法に対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
 その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
 10 フィルムコンデンサ       12 フィルムコンデンサ素子
 11 重合せ物            14,78 積層体
 16a,16b,34a,34b,80a,80b,100a,100b 側面
 18 メタリコン電極         20 金属化フィルム
 22,77 基本ユニット       24a,94a 第一保護フィルム
 24b,94b 第二保護フィルム   26 樹脂フィルム
 28 金属蒸着膜           42 溶射ノズル
 44 製造装置            46 第一送出ローラ
 48 第二送出ローラ         50 基本ユニット移送装置
 52 加圧プレス装置         54 切断刃
 56 積層装置            74 リチウムイオン二次電池
 76 電池素子            82 バスバー
 84 正極集電体層          86 負極集電体層
 88 正極層             90 負極層
 92 固体電解質層

Claims (17)

  1.  少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットにおける積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に積層してなる蓄電素子を用い、かかる蓄電素子の複数が、相互に積層されていると共に、それら複数の蓄電素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、外部電極が、互いに隣り合う蓄電素子のそれぞれの側面に跨るように形成されていることを特徴とする蓄電デバイス。
  2.  フィルムコンデンサ、全固体二次電池及び空気二次電池のうちの何れかである請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3.  前記内部電極膜の少なくとも一部が、金属蒸着膜、金属スパッタリング膜及び金属CVD膜のうちの何れかにて構成されている請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイス。
  4.  少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に重ね合わせて構成される蓄電素子を準備する工程と、
     該準備された蓄電素子の複数のものの中から少なくとも二つを選択する工程と、
     該選択された少なくとも二つの蓄電素子を相互に積層して、該蓄電素子の積層体を形成する工程と、
     前記蓄電素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、外部電極を、互いに隣り合う蓄電素子のそれぞれの側面に跨るように形成する工程と、
    を含むことを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
  5.  前記蓄電素子の準備工程において、前記基本ユニットの積層方向両側の面にそれぞれ積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させつつ、該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、それぞれ載置する一方、前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせながら、その長手方向に連続走行させることにより、該複数の基本ユニットを、それら第一の帯状体と第二の帯状体との間にそれぞれ保持せしめた状態で、連続的に搬送させると共に、該基本ユニットに重ね合わされた該第一の帯状体と該第二の帯状体とを、該基本ユニットを間に挟んだ、該第一及び第二の帯状体の走行方向の上流側位置と下流側位置とにおいてそれぞれ切断することにより、前記蓄電素子の複数が連続的に形成されるようにした請求項4に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  6.  前記第一の帯状体と前記第二の帯状体とを前記基本ユニットに重ね合わせてなる重合せ物を連続的に搬送する過程において、それら第一及び第二の帯状体の切断に先立ち、かかる重合せ物を加圧プレスするようにした請求項5に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  7.  少なくとも一つの蓄電体膜と複数の内部電極膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に重ね合わせて構成される蓄電素子の複数を形成する蓄電素子形成手段と、
     該形成された蓄電素子の複数のものの中から少なくとも二つを相互に積層して、該蓄電素子の積層体を形成する積層体形成手段と、
     前記蓄電素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、外部電極を、互いに隣り合う蓄電素子のそれぞれの側面に跨るように形成する外部電極形成手段と、
    を含むことを特徴とする蓄電デバイスの製造装置。
  8.  前記蓄電素子形成手段が、(a)前記基本ユニットの積層方向両側の面のそれぞれに積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させる第一の走行手段と、(b)該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、該第一の帯状体上にそれぞれ載置する載置手段と、(c)前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせながら、その長手方向に連続走行させることにより、該基本ユニットの複数を、該第一の帯状体と該第二の帯状体にて挟んだ重合せ物として、それら帯状体の走行方向に搬送する第二の走行手段と、(d)該重ね合せ物の該基本ユニットの隣接するものの間に位置する該第一の帯状体と該第二の帯状体とを切断して、個々の蓄電素子として分離せしめる切断手段とを含んで構成されている請求項7に記載の蓄電デバイスの製造装置。
  9.  前記切断手段よりも、前記第一の帯状体と前記第二の帯状体の走行方向の上流側に配置されて、前記重合せ物を加圧プレスする加圧プレス手段が、前記蓄電素子形成手段に更に設けられている請求項8に記載の蓄電デバイスの製造装置。
  10.  少なくとも一つの誘電体膜と複数の金属蒸着膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットにおける積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に積層してなるフィルムコンデンサ素子の複数を用い、かかるフィルムコンデンサ素子の複数が、相互に積層されていると共に、それら複数のフィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、メタリコン電極が、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子のそれぞれの側面に跨るように形成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  11.  前記複数のフィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面に、外方に開口して、前記金属蒸着膜の一部を外部に露呈させる隙間が、それぞれ設けられていると共に、前記メタリコン電極が、その一部を該隙間内に侵入させた状態で、該対応する側面にそれぞれ形成されており、そして、該対応する側面のうちの一方のものに設けられた該隙間内に侵入した該メタリコン電極部分が、該隙間を通じて外部に露呈する前記金属蒸着膜の露呈部分と、該一方の側面に形成された該メタリコン電極とを接続する第一の接続部とされている一方、該対応する側面のうちの他方のものに設けられた該隙間内に侵入した該メタリコン電極部分が、該隙間を通じて外部に露呈する前記金属蒸着膜の露呈部分と、該他方の側面に形成された該メタリコン電極とを接続する第二の接続部とされ、更に、それら第一の接続部と第二の接続部とが、前記積層体の積層方向において交互に位置するように配置されている請求項10に記載のフィルムコンデンサ。
  12.  少なくとも一つの誘電体膜と複数の金属蒸着膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットを用い、かかる基本ユニットの積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に重ね合わせて構成されるフィルムコンデンサ素子を準備する工程と、
     該準備されたフィルムコンデンサ素子の複数のものの中から少なくとも二つを選択する工程と、
     該選択された少なくとも二つのフィルムコンデンサ素子を相互に積層して、該フィルムコンデンサ素子の積層体を形成する工程と、
     前記フィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、メタリコン電極を、互いに隣り合う該フィルムコンデンサ素子のそれぞれの側面に跨るように形成する工程と、
    を含むことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
  13.  前記フィルムコンデンサ素子の準備工程において、前記基本ユニットの積層方向両側の面にそれぞれ積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させつつ、該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、それぞれ載置する一方、前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせながら、その長手方向に連続走行させることにより、該複数の基本ユニットを、それら第一の帯状体と第二の帯状体との間に保持せしめた状態で、連続的に搬送させると共に、該基本ユニットに重ね合わされた該第一の帯状体と該第二の帯状体とを、該基本ユニットを間に挟んだ、該第一及び第二の帯状体の走行方向の上流側位置と下流側位置とにおいてそれぞれ切断することにより、前記フィルムコンデンサ素子の複数が連続的に形成されるようにした請求項12に記載のフィルムコンデンサの製造方法。
  14.  前記第一の帯状体と前記第二の帯状体とを前記基本ユニットに重ね合わせてなる重合せ物を連続的に搬送する過程において、それら第一及び第二の帯状体の切断に先立ち、かかる重合せ物を加圧プレスするようにした請求項13に記載のフィルムコンデンサの製造方法。
  15.  少なくとも一つの誘電体膜と複数の金属蒸着膜とを交互に積層してなる構造の基本ユニットにおける積層方向両側の面に対して、それぞれ電気絶縁性の保護フィルムを更に積層して構成されたフィルムコンデンサ素子の複数を形成するフィルムコンデンサ素子形成手段と、
     該形成されたフィルムコンデンサ素子の複数のものの中から少なくとも二つを相互に積層して、該フィルムコンデンサ素子の積層体を形成する積層体形成手段と、
     前記フィルムコンデンサ素子の積層体の対応する側面のそれぞれに対して、メタリコン電極を、互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子のそれぞれの側面に跨るように形成するメタリコン電極形成手段と、
    を含むことを特徴とするフィルムコンデンサの製造装置。
  16.  前記フィルムコンデンサ素子形成手段が、(a)前記基本ユニットの積層方向両側の面のそれぞれに積層される前記保護フィルムのうちの一方を与える第一の帯状体を、その長手方向に連続走行させる第一の走行手段と、(b)該基本ユニットの複数を、該基本ユニットにおける積層方向一方側の面が該第一の帯状体上に重ね合わされるように、且つ該第一の帯状体の走行方向において互いに所定の間隔を隔てて位置するように、該第一の帯状体上にそれぞれ載置する載置手段と、(c)前記保護フィルムのうちの他方を与える第二の帯状体を、該第一の帯状体上に載置された該基本ユニットを覆うように該第一の帯状体に重ね合わせるように連続走行させることにより、該基本ユニットの複数を、該第一の帯状体と該第二の帯状体にて挟んだ重合せ物として、それら帯状体の走行方向に搬送する第二の走行手段と、(d)該重ね合せ物の該基本ユニットの隣接するものの間に位置する該第一の帯状体と該第二の帯状体とを切断して、個々のフィルムコンデンサ素子として分離せしめる切断手段とを含んで構成されている請求項15に記載のフィルムコンデンサの製造装置。
  17.  前記切断手段よりも、前記第一の帯状体と前記第二の帯状体の走行方向の上流側に配置されて、前記重合せ物を加圧プレスする加圧プレス手段が、前記フィルムコンデンサ素子形成手段に更に設けられている請求項16に記載のフィルムコンデンサの製造装置。
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