JP2005217238A - 積層形フィルムコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサ素子内に複数のコンデンサ要素を形成することにより、容量の設定自由度を向上することが可能であり、またこれらコンデンサ要素の並列、あるいは直列接続作業を容易に行うことができる積層形フィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】蒸着電極2を有する金属化フィルム3に、メタリコン電極6、7とは交差する方向に延びると共に蒸着電極2を複数の分割電極2a、2bに分割するマージン部5を設ける。各蒸着電極2の対応するマージン部5が金属化フィルム3の積層方向に重なるよう積層する。対向するメタリコン電極6、7の一方は、上記各分割電極2a、2bに対応して形成された分割メタリコン電極7a、7bとして構成する。他方のメタリコン電極6は、両分割電極2a、2bの共通メタリコン電極としたり、分割メタリコン電極6a、6bとして構成する。
【選択図】図3

Description

この発明は、積層形フィルムコンデンサに関するもので、詳しくは、容量設定の自由度が向上された積層形フィルムコンデンサに関するものである。
従来からの積層形フィルムコンデンサの製造方法は、一対の片面金属化フィルム23を、端部にずらしを設けて、図8に示すように、ドラム20の周囲にリング状に巻回し、両端面22、22にメタリコン金属を溶射した後、図9に示すように、リング状の母体コンデンサ21を必要な容量に応じて所定寸法に切断して製造していた。切断されたコンデンサ素子は、フィルムにずらしを設けたことにより、フィルム片面に形成された金属層が、フィルムを挟んで1層ずつ互い違いに一方の端面のメタリコン電極22と接合され、積層形フィルムコンデンサ素子27を形成する。製造される積層形フィルムコンデンサ素子27の容量は、図9に示すように、母体コンデンサの切断寸法24、フィルム幅25、及びフィルムの巻回層数26によって決定される(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−175716号公報
ところで、上記従来の積層形フィルムコンデンサにおいては、複数のコンデンサを直列接続したり、あるいは並列接続した構造のコンデンサを形成するためには、コンデンサ素子の各メタリコン電極にリード端子を取付けて、これらを接続する必要がある。この場合、複数のコンデンサ素子間の絶縁を行い、またリード端子の配線作業を行う必要があるので、その組立て作業は煩雑なものとなる。
この発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コンデンサ素子内に複数のコンデンサ要素を形成することにより、容量の設定自由度を向上することが可能であり、またこれらコンデンサ要素の並列、あるいは直列接続作業を容易に行うことができる積層形フィルムコンデンサを提供することにある。
そこで請求項1の積層形フィルムコンデンサは、蒸着電極2を有する金属化フィルム3を複数積層してコンデンサ素子を形成し、対抗する端面にメタリコン電極6、7を形成した積層形フィルムコンデンサにおいて、金属化フィルム3に、上記メタリコン電極6、7とは交差する方向に延びると共に蒸着電極2を複数の分割電極2a、2bに分割するマージン部5を設け、各蒸着電極2の対応するマージン部5が金属化フィルム3の積層方向に重なるよう構成し、対向するメタリコン電極6、7の少なくとも一方は、上記各分割電極2a、2bに対応して形成された分割メタリコン電極7a、7bとして構成されていることを特徴としている。
請求項2の積層形フィルムコンデンサは、上記両方のメタリコン電極6、7が上記各分割電極2a、2bに対応して形成された分割メタリコン電極6a、6b、7a、7bとして構成されており、コンデンサ素子は、上記マージン部5で分割された複数のコンデンサ要素C1、C2を有し、この複数のコンデンサ要素C1、C2が電気的に分離されていることを特徴としている。
請求項3の積層形フィルムコンデンサは、上記コンデンサ素子は、上記マージン部5で分割された複数のコンデンサ要素C1、C2を有し、この複数のコンデンサ要素C1、C2が直列接続されていることを特徴としている。
請求項1の積層形フィルムコンデンサによれば、単一のコンデンサ素子内に複数のコンデンサ要素C1、C2を形成することができる。これら各コンデンサ要素C1、C2は、分割マージン部5によって絶縁されているので、格別の絶縁構造を採用する必要がなく、そのためコンパクトに構成可能である。また、各コンデンサ要素C1、C2の接続関係を、メタリコン電極6、7によって任意に選択できるので、容量の設定自由度を向上しながらも、配線作業が不要であり、容易に製造することができる。さらに、分割マージン部5の数を変更すれば、形成するコンデンサ要素C1、C2の個数を任意に変更することができ、使用上の利便性を向上できる。
請求項2の積層形フィルムコンデンサによれば、コンデンサ素子内に独立した複数のコンデンサ要素C1、C2を形成できるので、使用上の利便性を向上することができる。
請求項3の積層形フィルムコンデンサによれば、複数のコンデンサ要素C1、C2が直列接続されたコンデンサ素子を容易に構成することが可能であり、使用上の利便性を向上することができる。
次に、この発明の積層形フィルムコンデンサの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず図1〜図3に示す第1実施形態について説明する。この積層形フィルムコンデンサにおいては、誘電体フィルム1の片面に蒸着電極2が蒸着された金属化フィルム3を有している。図1及び図2に示すように、上記金属化フィルム3の一端部には、端部マージン部4が形成されており、金属化フィルム3の他端部には、誘電体フィルム1の端部まで蒸着電極2が形成されている。そして、上記金属化フィルム3には、上記端部マージン部4とは直交して延びると共に、上記蒸着電極2を第1分割電極2aと、第2分割電極2bとに分割する分割マージン部5が形成されている。そして、上記金属化フィルム3を、上下方向に複数積層すると共に、その両端部にメタリコン電極6、7を形成する。このとき、金属化フィルム3は、端部マージン部4が交互に逆になり、かつ上記分割マージン部5が上下方向に互いに重なるように積層すると共に、積層したコンデンサ素子の端面の少なくとも一方に非メタリコン部を設けるため、分割マージン部5の端部に、メタリコン金属が付着しないよう予め樹脂やオイル等を塗布しておき、メタリコン電極6、7を形成する。この場合、図3(a)に示すように、図において左側の一方のメタリコン電極6は、第1分割電極2aと第2分割電極2bとを連設し、両分割電極2a、2bを電気的に接続する共通メタリコン電極6として構成する。他方(図において右側)のメタリコン電極7は、上記分割マージン部5の端部を除いた態様、つまり非メタリコン部Hを挟んで両側に、第1分割電極2aに接続される第1分割メタリコン電極7aと、第2分割電極2bに接続される第2分割メタリコン電極7bとによって構成し、両分割メタリコン電極7a、7bは互いに電気的に絶縁した状態にする。そして、上記第1分割メタリコン電極7aと第2分割メタリコン電極7bとにそれぞれ端子8、9を接続することでコンデンサ素子を構成する。上記コンデンサ素子は、図3(b)に示すように、コンデンサ素子内において、2個のコンデンサ要素C1、C2が直列接続された構造のものとなる。
図4には、第2実施形態を示している。このコンデンサ素子は、両方のメタリコン電極6、7を、分割メタリコン電極としている。すなわち、両メタリコン電極6、7を、上記分割マージン部5の両端部を除いた態様、つまり非メタリコン部H、Hを挟んで、それぞれ第1分割電極2aに接続される第1分割メタリコン電極6a、7aと、それぞれ第2分割電極2bに接続される第2分割メタリコン電極6b、7bとによって構成し、これらを互いに電気的に絶縁された状態に形成している。そして、上記第1分割メタリコン電極6a、7aと第2分割メタリコン電極6b、7bとにそれぞれ端子8〜11を接続することでコンデンサ素子を構成する。上記コンデンサ素子は、図4(b)に示すように、コンデンサ素子内において、2個のコンデンサ要素C1、C2を有し、これらが電気的に分離し、互いに独立した構造のものとなる。
上記図3の場合においても、また図4の場合においても、各コンデンサ要素C1、C2の容量を変更するのは、分割マージン部5の位置を金属化フィルム3の中央部から幅方向にずらせ、第1分割電極2aと第2分割電極2bとの面積比率を変化させることによって行える。
図5には、金属化フィルム3の変更例を示している。これは、2本の分割マージン部5、5を設け、蒸着電極2を、第1分割電極2aと、第2分割電極2bと、第3分割電極2cとに区画したものである。このような金属化フィルム3を用い、上記同様に、端部マージン部4が交互に逆になり、かつ上記分割マージン部5、5が上下方向に互い重なるように金属化フィルム3を積層すると共に、その両端部にメタリコン電極16、17を形成する。
図6には、第3実施形態を示している。これは、図6(a)において左側の一方のメタリコン電極16は、非メタリコン部Hの両側に、第1分割電極2aに接続される分割メタリコン電極16aと、第2分割電極2bと第3分割電極2cとを接続する共通メタリコン電極16bとによって構成している。他方(図において右側)のメタリコン電極17は、非メタリコン部Hの両側に、第1分割電極2aと第2分割電極2bとを接続する共通メタリコン電極17aと、第3分割電極2cに接続される分割メタリコン電極17bとによって構成している。そして、上記分割メタリコン電極16aと分割メタリコン電極17bとにそれぞれ端子8、9を接続することでコンデンサ素子を構成する。上記コンデンサ素子は、図6(b)に示すように、コンデンサ素子内において、3個のコンデンサ要素C1、C2、C3が直列接続された構造のものとなる。
図7には、第4実施形態を示している。これは、図7(a)において左側の一方のメタリコン電極16は、全ての分割電極2a、2b、2cに接続される共通メタリコン電極として構成している。他方(図において右側)のメタリコン電極17は、非メタリコン部H、Hを挟んで、第1分割電極2aと、第2分割電極2bと、第3分割電極2cにそれぞれ接続される3個の分割メタリコン電極17a、17b、17cとして構成している。そして、上記共通メタリコン電極16と各分割メタリコン電極17a、17b、17cとにそれぞれ端子8〜11を接続することでコンデンサ素子を構成する。上記コンデンサ素子は、図7(b)に示すように、コンデンサ素子内において、3個のコンデンサ要素C1、C2、C3が並列接続された構造のものとなる。
上記積層形フィルムコンデンサによれば、単一のコンデンサ素子内に複数のコンデンサ要素C1、C2、C3を形成することができる。これら各コンデンサ要素C1、C2、C3は、分割マージン部5によって絶縁されているので、格別の絶縁構造を採用する必要がなく、そのためコンパクトに構成可能である。また、各コンデンサ要素C1、C2、C3の接続関係を、メタリコン電極6、7、16、17によって任意に選択できるので、容量の設定自由度を向上しながらも、配線作業が不要であり、容易かつ安価に製造することができ、接続部分のインピーダンスの低減効果もある。さらに、分割マージン部5の数を変更すれば、形成するコンデンサ要素C1、C2、C3の個数を任意に変更することができ、使用上の利便性を向上できる。例えば、直列接続数を増加すれば、高圧用に好適であるし、並列接続数を増加すれば、大容量での使用に好適である。
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記各実施形態においては、分割マージン部5がメタリコン電極6、7に対して直交する方向に延びる例を示しているが、これは斜め方向に延びるものであってもよい。さらに、誘電体フィルム1の材質、蒸着金属の種類は種々のものを採用可能であり、誘電体フィルムとの組み合わせも種々ある。
この発明の積層形フィルムコンデンサの実施形態において用いる金属化フィルムを示す斜視図である。 この発明の積層形フィルムコンデンサの実施形態の断面図である。 この発明の積層形フィルムコンデンサの第1実施形態を示す図で、(a)は外観斜視図、(b)は回路図である。 この発明の積層形フィルムコンデンサの第2実施形態を示す図で、(a)は外観斜視図、(b)は回路図である。 この発明の積層形フィルムコンデンサの他の実施形態において用いる金属化フィルムを示す斜視図である。 この発明の積層形フィルムコンデンサの第3実施形態を示す図で、(a)は外観斜視図、(b)は回路図である。 この発明の積層形フィルムコンデンサの第4実施形態を示す図で、(a)は外観斜視図、(b)は回路図である。 従来の積層形フィルムコンデンサの製造方法を示す説明図である。 従来の積層形フィルムコンデンサの製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1・・誘電体フィルム、2・・蒸着電極、2a・・分割電極、2b・・分割電極、3・・金属化フィルム、5・・マージン部、6・・メタリコン電極、6a・・分割メタリコン電極、6b・・分割メタリコン電極、7・・メタリコン電極、7a・・分割メタリコン電極、7b・・分割メタリコン電極、C1・・コンデンサ要素、C2・・コンデンサ要素

Claims (3)

  1. 蒸着電極(2)を有する金属化フィルム(3)を複数積層してコンデンサ素子を形成し、対抗する端面にメタリコン電極(6)(7)を形成した積層形フィルムコンデンサにおいて、金属化フィルム(3)に、上記メタリコン電極(6)(7)とは交差する方向に延びると共に蒸着電極(2)を複数の分割電極(2a)(2b)に分割するマージン部(5)を設け、各蒸着電極(2)の対応するマージン部(5)が金属化フィルム(3)の積層方向に重なるよう構成し、対向するメタリコン電極(6)(7)の少なくとも一方は、上記各分割電極(2a)(2b)に対応して形成された分割メタリコン電極(7a)(7b)として構成されていることを特徴とする積層形フィルムコンデンサ。
  2. 上記両方のメタリコン電極(6)(7)が上記各分割電極(2a)(2b)に対応して形成された分割メタリコン電極(6a)(6b)(7a)(7b)として構成されており、コンデンサ素子は、上記マージン部(5)で分割された複数のコンデンサ要素(C1)(C2)を有し、この複数のコンデンサ要素(C1)(C2)が電気的に分離されていることを特徴とする請求項1の積層形フィルムコンデンサ。
  3. 上記コンデンサ素子は、上記マージン部(5)で分割された複数のコンデンサ要素(C1)(C2)を有し、この複数のコンデンサ要素(C1)(C2)が直列接続されていることを特徴とする請求項1の積層形フィルムコンデンサ。
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