WO2014119756A1

WO2014119756A1 - 動力工具

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Publication number: WO2014119756A1
Application number: PCT/JP2014/052349
Authority: WO
Inventors: 聖展吉兼; 一竹内; 祥朗多田; 正規古澤
Original assignee: 株式会社マキタ
Priority date: 2013-02-01
Filing date: 2014-01-31
Publication date: 2014-08-07
Also published as: JP2014148011A; DE112014000651T5; JP6045374B2; DE202014011005U1; DE112014000651B4

Abstract

【課題】　バッテリの着脱技術に関して改良された動力工具を提供する。【解決手段】　動力工具であり、先端工具１１９を駆動するモータ１１０と、工具本体１０１と、ハンドル１０９と、バッテリ１７０Ａ，１７０Ｂが着脱可能に装着されるバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂと、を有する。バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂは、複数設けられるとともに、バッテリ１７０Ａ，１７０Ｂが係合可能なバッテリ係合部１６１を有する。バッテリ１７０Ａ，１７０Ｂは、バッテリ係合部１６１に対して先端工具１１９の長軸方向と交差する交差方向に摺動することで、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着される。

Description

動力工具

　本発明は、被加工材に所定の加工作業を行う動力工具に関する。

　特開２０１０－５７５１号公報には、バッテリを駆動源とするバッテリ式ハンマドリルが開示されている。このハンマドリルには、工具本体とハンドルとを連接する下方延出部の下面に１個のバッテリが装着される。

　バッテリ式ハンマドリルに用いられるバッテリは、充電式であり、バッテリ残量が減少した場合、バッテリをハンマドリルから取り外して充電後、改めて装着する作業が必要になる。

　しかしながら、バッテリは、重量物であることから、バッテリの装着作業には改良の余地がある。

　そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、バッテリの着脱技術に関して改良された動力工具を提供することを目的とする。

　上記課題は、本発明によって解決される。本発明に係る動力工具の好ましい形態によれば、取り外し可能に取り付けられた先端工具を当該先端工具の駆動軸に対して駆動させる動力工具が構成される。動力工具は、先端工具を駆動するためのモータと、モータを収容する工具本体と、工具本体に連接するハンドルと、モータに電流を供給するためのバッテリが取り外し可能に装着されるバッテリ装着部と、を有する。バッテリ装着部は、複数設けられており、バッテリ装着部に装着されたバッテリからモータに対して電流を供給可能に構成されている。ハンドルは、駆動軸が延在する駆動軸延在方向に交差するハンドル延在方向に延在するように設けられている。バッテリ装着部は、バッテリが係合可能なバッテリ係合部を有し、バッテリがバッテリ係合部に係合することによって当該バッテリを保持するように構成されている。駆動軸延在方向とハンドル延在方向の両方の方向に交差する交差方向に、バッテリがバッテリ係合部に対して摺動することで、当該バッテリがバッテリ装着部に装着されるように構成されている。なお、典型的には、ハンドルは、駆動軸を含む所定平面上において、当該駆動軸が延在する駆動軸延在方向に交差するハンドル延在方向に延在するように設けられていることが好ましい。

　本発明によれば、バッテリ装着部を複数備えており、各バッテリ装着部にそれぞれバッテリが取り外し可能に装着される。このため、個々のバッテリとしては、バッテリ装着の自由度が高くなる。さらに、本発明によれば、バッテリが駆動軸延在方向とハンドル延在方向の両方の方向に交差する交差方向に移動されてバッテリ装着部に装着される。このため、駆動軸延在方向に振動が発生する動力工具の場合であれば、バッテリの抜け方向（取り外し方向）が振動方向と交差する。その結果、バッテリが振動の影響を受けてバッテリ装着部から脱落する可能性が低減される。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、複数のバッテリ装着部は、駆動軸延在方向に並んで設けられている。
　本形態によれば、複数のバッテリのコンパクトな配置が可能となる。したがって、バッテリ装着部に接続される電気配線が簡略化される。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、交差方向に関して、工具本体の同じ側からバッテリが摺動されてバッテリ係合部に係合するように、バッテリ係合部が構成されている。換言すると、バッテリは、工具本体（バッテリ装着部）に対して、駆動軸延在方向とハンドル延在方向に交差する交差方向に摺動されて装着される。例えば、ハンドル延在方向を上下方向と規定した場合には、複数のバッテリ装着部に装着されるそれぞれのバッテリは、工具本体の右側および左側のうちのどちらか一方の同一サイドから移動される。　本形態によれば、複数のバッテリの着脱作業が工具本体の同じ側から行われる。したがって、作業者によりバッテリの着脱作業の作業性が向上する。すなわち、バッテリの着脱作業が容易になる。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、複数のバッテリ装着部は、駆動軸延在方向に関して、モータの先端工具側とは反対側に設けられている。換言すると、複数のバッテリ装着部と先端工具の間にモータが配置される。
　本形態によれば、バッテリ装着部に装着されたバッテリが先端工具から離れた位置に配置される。したがって、先端工具が被加工材に当接して加工作業を行う際に、バッテリが被加工材から離れて配置されるため、バッテリが加工作業の邪魔にならない。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、バッテリ装着部にバッテリが装着された状態で、当該バッテリの下端部と工具本体の下端部が同一平面を形成するように構成されている。
　本形態によれば、工具本体の下端部に加えバッテリの下端部が動力工具を地面等に載置する場合の接地面として設定される。したがって、動力工具が安定的に載置される。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、バッテリ装着部に装着されたバッテリの、駆動軸延在方向の長さが交差方向の長さよりも短くなるように、バッテリ装着部が構成されている。
　本形態によれば、バッテリの駆動軸延在方向の長さが交差方向の長さよりも短くなるようにバッテリがバッテリ装着部に装着される。したがって、先端工具の駆動軸延在方向に関して、バッテリが装着された動力工具の全長を短くすることができる。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、バッテリ装着部は、バッテリが装着された状態で当該バッテリに向かって突出するとともに当該バッテリに当接する弾性部材を有する。弾性部材としては、典型的には、ゴムやバネ等で形成され、バッテリに対して弾性力を付与する部材として構成される。
　本形態によれば、バッテリ装着部に装着されたバッテリに対して弾性部材によって弾発状に当接する。したがって、弾性部材の付勢力によって加工作業時に発生する振動によるバッテリのがたつきが抑制される。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、ハンドルは、ハンドル延在方向に関する少なくとも一方の端部側が工具本体に連接するように構成されており、それぞれのバッテリ装着部は、ハンドル延在方向に関するハンドルの他方の端部側に設けられている。なお、ハンドルは、ハンドルの一方の端部のみが工具本体に連接された片持ち梁状のハンドル、およびハンドルの両方の端部が工具本体に連接されたループ状のハンドルを好適に包含する。
　本形態によれば、バッテリ装着部に装着されたバッテリが先端工具から離れた位置に配置される。そのため、先端工具が被加工材に当接して加工作業を行う際に、バッテリが被加工材から離れて配置される。したがって、バッテリが先端工具による加工作業の邪魔にならない。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、ハンドルは、作業者に把持されるグリップ部を有し、グリップ部は、駆動軸線上に設けられている。なお、典型的には、すべてのバッテリ装着部は、ハンドル延在方向における、工具本体の一方側の工具本体上に設けられている。
　本形態によれば、ハンドルのグリップ部が駆動軸線上に設けられた動力工具が構成される。したがって、作業者が駆動軸線上のグリップ部に対して加工作業のための力を付与することで、先端工具にほぼ直線的に力が伝達される。その結果、加工作業が効率的に行われる。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、ハンドルは、一端側が工具本体に連接するグリップ部と、当該グリップ部の他端側と工具本体を連結する補強部材を有する。すなわち、補強部材は、グリップ部とは別に設けられている。したがって、補強部材が、工具本体とグリップ部の連結部とは別の工具本体の領域と、ハンドル部の他端部と、を連結する。このような構成の場合、複数のバッテリ装着部は、補強部材に設けられていることが好ましい。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、モータは、当該モータの回転軸と駆動軸が交差するように設けられている。
　本形態によれば、モータの回転軸と駆動軸が交差する動力工具が構成される。

　本発明に係る動力工具の更なる形態によれば、モータは、当該モータの回転軸と駆動軸が平行に設けられている。
　本形態によれば、モータの回転軸と駆動軸が平行な動力工具が構成される。

　本発明によれば、バッテリの着脱技術に関して改良された動力工具が提供される。
　本発明の他の特質、作用および効果については、本明細書、特許請求の範囲、添付図面を参照することで直ちに理解可能である。

本発明の第１実施形態に係るハンマドリルの全体構成を示す断面図である。バッテリ装着部に取り付けられたバッテリパックの装着状態を示す拡大図である。図１のＡ矢視図である。図１のＢ矢視図である。バッテリ装着部のターミナルを示す図である。バッテリパックを示す斜視図である。バッテリパックを示す平面図である。図６のＣ矢視図である。図６のＤ矢視図である。本発明の第２実施形態に係るハンマドリルの構成および当該ハンマドリルに対するバッテリパックの配置を示す模式図である。本発明の第３実施形態に係るハンマドリルの構成および当該ハンマドリルに対するバッテリパックの配置を示す模式図である。本発明の第４実施形態に係るハンマドリルの構成および当該ハンマドリルに対するバッテリパックの配置を示す模式図である。本発明の第５実施形態に係るハンマドリルの構成および当該ハンマドリルに対するバッテリパックの配置を示す模式図である。

　以上および以下の記載に係る構成ないし方法は、本発明にかかる「動力工具」の製造および使用、当該「動力工具」の構成要素の使用を実現せしめるべく、他の構成ないし方法と別に、あるいはこれらと組み合わせて用いることができる。本発明の代表的実施形態は、これらの組み合わせも包含し、添付図面を参照しつつ詳細に説明される。以下の詳細な説明は、本発明の好ましい適用例を実施するための詳細情報を当業者に教示するに留まり、本発明の技術的範囲は、当該詳細な説明によって制限されず、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。このため、以下の詳細な説明における構成や方法ステップの組み合わせは、広義の意味において、本発明を実施するのに全て必須であるというものではなく、添付図面の参照番号とともに記載された詳細な説明において、本発明の代表的形態を開示するに留まるものである。
（第１実施形態）
　以下、本発明の第１実施形態につき、図１～図９を参照して説明する。第１実施形態は、動力工具の一例としてバッテリ式ハンマドリルを用いて説明する。図１に示すように、電動式のハンマドリル１００は、ハンマビット１１９が装着され、装着されたハンマビット１１９を長軸方向に打撃動作および長軸方向回りに回転動作させて、被加工材に対して穴明けやハツリ等の加工を行う動力工具である。このハンマビット１１９が、本発明における「先端工具」に対応する実施構成例である。

　ハンマドリル１００は、概括的に見て、ハンマドリル１００の外郭を形成する本体部１０１を主体として構成される。本体部１０１の先端領域には、ハンマビット１１９が筒状のツールホルダ１５９を介して取り外し可能に取付けられる。ハンマビット１１９は、ツールホルダ１５９のビット挿入孔内に挿入され、その長軸方向への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。

　本体部１０１は、電動モータ１１０を収容するモータハウジング１０３、運動変換機構１２０、打撃要素１４０および動力伝達機構１５０を収容するギアハウジング１０５を主体として構成される。ハンマビット１１９の長軸方向に関して本体部１０１のハンマビット１１９と反対側には、作業者が握るハンドグリップ１０９が連接されている。この本体部１０１が、本発明における「工具本体」に対応し、ハンドグリップ１０９が、本発明における「ハンドル」に対応する実施構成例である。

　なお、本実施形態では、説明の便宜上、ハンマビット１１９の長軸方向、すなわち本体部１０１の長軸方向に関して、ハンマビット１１９側を「ハンマドリル１００の前側」と規定し、ハンドグリップ１０９側を「ハンマドリル１００の後側」と規定する。また、図１の上方を「ハンマドリル１００の上側」と規定し、図１の下方を、「ハンマドリル１００の下側」と規定する。

　本体部１０１は、ハンマビット１１９の長軸方向に関して、前方にギアハウジング１０５が配置され、後方にモータハウジング１０３が配置される。そして、モータハウジング１０３の後方にハンドグリップ１０９が配置される。モータハウジング１０３は、ギアハウジング１０５の下面よりも下方へと延在されており、この延在された領域に電動モータ１１０が配置されている。電動モータ１１０は、当該電動モータ１１０の回転軸が上下方向に対して傾斜して延在するように配置され、ハンマビット１１９の長軸方向に延在する打撃軸に対して交差している。この電動モータ１１０が、本発明における「モータ」に対応し、打撃軸が、本発明における「駆動軸」に対応する実施構成例である。

　すなわち、第１実施形態のハンマドリル１００は、ハンマビット１１９の打撃軸と電動モータ１１０の回転軸が交差する構成であり、以下、このような構成のハンマドリルを便宜上、第１形態のハンマドリルという。なお、本体部１０１を構成するモータハウジング１０３、ギアハウジング１０５、およびハンドグリップ１０９のそれぞれは、ハンマビット１１９の長軸方向に関して、左右のハウジング部材を互いに接合することで構成される。

　電動モータ１１０の回転出力は、運動変換機構１２０によって直線運動に変換された上で打撃要素１４０に伝達され、当該打撃要素１４０を介してハンマビット１１９の長軸方向（図１の左右方向）への衝撃力を発生する。また電動モータ１１０の回転出力は、動力伝達機構１５０によって減速された上でハンマビット１１９に伝達され、当該ハンマビット１１９が周方向に回転される。電動モータ１１０は、ハンドグリップ１０９に配置されたトリガ１０９ａの引き操作によって通電駆動される。

　運動変換機構１２０は、電動モータ１１０のモータ軸１１１の上方に配置されており、モータ軸１１１の回転出力をハンマドリル１００の前後方向への直線運動に変換する機構である。運動変換機構１２０は、モータ軸１１１によって回転駆動される中間軸１２１と、中間軸１２１に取り付けられた回転体１２３と、中間軸１２１（回転体１２３）の回転に伴いハンマドリル１００の前後方向に揺動される揺動部材１２５と、揺動部材１２５の揺動動作に伴ってハンマドリル１００の前後方向に往復移動する駆動体としての筒状のピストン１２７と、ピストン１２７を収容するシリンダ１２９を主体として構成されている。モータ軸１１１は中間軸１２１に対して傾斜状に配置される。シリンダ１２９は、ツールホルダ１５９の後方領域としてツールホルダ１５９に一体状に形成されている。

　打撃要素１４０は、運動変換機構１２０の上方であって、ツールホルダ１５９の後方に配置されており、運動変換機構１２０によって電動モータ１１０の回転出力から変換されたハンマドリル１００の前後方向への直線状の出力を、ハンマビット１１９に打撃力として伝達する機構である。すなわち、打撃要素１４０は、筒状のピストン１２７内に摺動可能に配置された打撃子としてのストライカ１４３と、ストライカ１４３の前方に配置され、ストライカ１４３が衝突するインパクトボルト１４５を主体として構成されている。なお、ストライカ１４３の後方のピストン１２７の空間は、ピストン１２７の摺動動作を空気の圧力変動を介してストライカ１４３に伝達する空気室１２７ａを形成している。

　動力伝達機構１５０は、運動変換機構１２０の前側に配置されており、運動変換機構１２０の中間軸１２１から伝達された電動モータ１１０の回転出力をツールホルダ１５９に伝達する機構である。すなわち、動力伝達機構１５０は、中間軸１２１と共に回転する第１ギア１５１と、第１ギア１５１と噛み合い係合されるとともに、ツールホルダ１５９（シリンダ１２９）に取付けられた第２ギア１５３等の複数のギアからなるギア減速機構を主体として構成されている。

　ハンドグリップ１０９は、ハンマビット１１９の長軸方向（打撃軸の延在方向）に交差する上下方向に延在するグリップ部１０９Ａを主体として構成されている。上記のハンマビット１１９の長軸方向である打撃軸の延在方向が、本発明における「駆動軸延在方向」に対応する実施構成例である。また、上下方向が、本発明における「ハンドル延在方向」に対応する実施構成例である。グリップ部１０９Ａは、モータハウジング１０３のうちの上側部分に対してハンマビット１１９の長軸方向に所定の間隔を置いて配置される。グリップ部１０９Ａの上部は、モータハウジング１０３の後端上部から後方へと概ね水平状に延在する上方連接部１０３ａに連接され、グリップ部１０９Ａの下部は、モータハウジング１０３の上下方向の略中程から後方へと概ね水平状に延在する下方連接部１０３ｂに連接されている。なお、第１実施形態では、図１に示すように、上方連接部１０３ａおよび下方連接部１０３ｂは、モータハウジング１０３から一体に延出されているが、グリップ部１０９Ａから一体に延出されていてもよい。

　モータハウジング１０３の下方連接部１０３ｂは、モータハウジング１０３の上下方向の略中央部から後方へと延出されており、その下面部にバッテリパックを装着するための装着部１６０が設けられている。この装着部１６０は、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂにより構成されている。そして、それら２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、電動モータ１１０に駆動用の電流を供給するためのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが個別に取り外し可能に装着される。この２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂが、本発明における「複数のバッテリ装着部」に対応し、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが、本発明における「バッテリ」に対応する実施構成例である。図１～図４においては、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂを二点鎖線で示している。

　なお、下方連接部１０３ｂの内部には空間が形成されており、この空間に電動モータ制御用のコントローラ１３０が配置されている。すなわち、コントローラ１３０は、図１に示すように、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂとハンドグリップ１０９との間に配置されている。換言すれば、コントローラ１３０は、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの上方位置に水平方向に延在するように配置されている。なお、このコントローラ１３０は、図１において二点鎖線で示すように、電動モータ１１０の後方において、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂと電動モータ１１０の間に配置してもよい。

　図６～図９は、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂ（図６～図９では１つのバッテリパックを示す）の詳細を示している。バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、概略的には略直方体のバッテリケース１７１と、バッテリケース１７１内に収容される複数の電池セル（図示省略）とを主体として構成される。バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、各バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂの下面に沿ってハンマビット１１９の長軸方向とハンドグリップ１０９の延在方向との両方の方向と交差する左右方向に水平状にスライドさせることによってバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに取り外し可能に装着される。なお、２つのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、同じ構成（形状）であり、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのいずれにも装着可能である。

　バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂをバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに対して摺動させるために、バッテリケース１７１の上面側の両側面には、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの長手方向に沿って直線状に延びる一対の装着ガイド１７３が設けられている。また、バッテリケース１７１の上面側中央部には、ロック用のフック１７５とロック解除用の押しボタン１７７が設けられている。ロック用のフック１７５は、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの装着方向（装着時の摺動方向）における後部側に設けられ、バッテリケース１７１の上面から突き出るようにバネ（図示省略）によって付勢されている。ロック解除用の押しボタン１７７は、バッテリケース１７１の装着方向（装着時の摺動方向）における後部側に配置されている。そして、作業者が押しボタン１７７を押し込み操作したときに、フック１７５がバッテリケース１７１の上面から引っ込む方向へ移動するように、押しボタン１７７がフック１７５と機械的に連結されている。

　一方、図１および図２に示すように、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれには、ハンマドリル１００の側方からバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂを装着するための、ハンマビット１１９の長軸方向（打撃軸）に交差する左右方向に直線状に延びる前後一対のガイドレール１６１がそれぞれ形成されている。このガイドレール１６１は、断面が横向きの略Ｕ字状に形成されており、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの装着ガイド１７３が摺動して挿入される。すなわち、ガイドレール１６１は、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂをバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに取り付ける際の案内手段としての機能と、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂがバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂから落下することを防止する落下防止手段としての機能を有する。このガイドレール１６１が、本発明における「バッテリ係合部」に対応する実施構成例である。

　また、図４に示すように、各バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂは、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂのフック１７５が係止可能な凹状の係止部１６３を備えている。係止部１６３は、前後のガイドレール１６１間の挿入口側に配置されている。したがって、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂがバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着されたとき、係止部１６３とフック１７５が係合する。これにより、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに固定され、取り外す方向（装着時の摺動方向とは反対方向）への移動、すなわちバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの抜け落ちが規制される。なお、フック１７５は、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂをバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着する時に、当該フック１７５のテーパ部分が係止部１６３で押されて一旦下方へと移動後、初期位置に復帰することで係止部１６３に係合する。

　各バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着されたバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、当該バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに対する装着面である上面を除いては、その外面が露出された状態で保持される。さらに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの下面がモータハウジング１０３の下面と面一となるように設定されている。これにより、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂおよびモータハウジング１０３の下面を載置面として、ハンマドリル１００が地面や床面に安定的に載置される。

　以上の通り、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、電動モータ１１０の後方であって、且つハンドグリップ１０９の下方位置に、当該バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの長手方向がハンマビット１１９の長軸方向とハンドグリップ延在方向の両方の方向に交差する交差方向に平行に配置される。２つのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、前後方向（ハンマビット１１９の長軸方向）に並んで配置される。すなわち、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向の長さが当該長軸方向と交差する方向の長さよりも短くなるようにバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着される。

　さらに、第１実施形態では、２つのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマドリル１００を後方から見て、ハンマドリル１００の左側から右側への移動（スライド）方向（図３および図４に示すＦ矢印方向）がバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの装着方向と定められ、一方、逆方向への移動がバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの取り外し方向と定められている。すなわち、第１実施形態では、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの着脱方向が、２つ共に同一方向として設定されている。なお、変形例として、着脱方向については、一方のバッテリパック１７０Ａと他方のバッテリパック１７０Ｂが互いに異なる方向であってもよい。つまり、ハンマドリル１００を後方から見て、一方のバッテリパック１７０Ａについては、ハンマドリル１００の右側から装着し、他方のバッテリパック１７０Ｂについては、ハンマドリル１００の左側から装着するように構成してもよい。

　また、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着されたとき、当該バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂのターミナル１７９（図６および図７参照）が各バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂの下面側に設けられたターミナル１６５（図５参照）と電気的に接続され、これにより電動モータ１１０およびコントローラ１３０への電流供給が可能とされる。

　また、各バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂの下面部には、図３に示すように、円柱状のラバーピン１６７が、仮想四角形の各コーナー部に位置するように４個配置されている。これら４個のラバーピン１６７は、下方へと所定長さで突出されており、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着されたバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの上面４か所に対して弾発状に下向きに付勢する。これにより、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの振動によるがたつきを規制する。このラバーピン１６７が、本発明における「弾性部材」に対応する実施構成例である。なお、ラバーピン１６７は、円柱状以外の形状に形成してもよいし、ラバーピン１６７から板ばね等の各種ばね部材を利用してもよい。

　以上のように、第１実施形態によれば、モータハウジング１０３の下方連接部１０３ｂに、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂを前後２箇所に設け、それぞれのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂにバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このため、ハンマドリル１００が、例えば３６Ｖ仕様の場合であれば、２つの１８Ｖのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが装着されて、電気的に直列に接続される。１８Ｖのバッテリパックは、３６Ｖのバッテリパックに比べると、その重量が相当に軽い。したがって、作業者は、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの交換作業、すなわちバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに対するバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの着脱を簡単に行うことができる。その結果、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの着脱作業の作業性が向上する。なお、ハンマドリル１００が１８Ｖ仕様の場合であれば、２つのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが、電気的に並列に接続される。この場合、ハンマドリル１００の長時間駆動が可能になる。また、ハンマドリル１００が３６Ｖと１８Ｖのどちらの電圧でも駆動可能である場合には、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの接続態様を直列と並列との間で切り替えるように構成されていてもよい。この場合には、作業者によってバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの接続態様を切り替え可能な切替スイッチを設けることが好ましい。

　また、一般にバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、略直方体として形成される。第１実施形態によれば、モータハウジング１０３の下方連接部１０３ｂに、１８Ｖのバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂを、その長手方向がハンマビット１１９の長軸方向と交差する方向となるように、前後方向に２つ並べて配置している。すなわち、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに装着された状態において、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向の長さが当該長軸方向と交差する方向の長さよりも短くなるように配置される。これにより、長手方向がハンマビット１１９の長軸方向に平行に配置する場合に比べて、ハンマビット１１９の長軸方向に関するバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの配置空間の長さを短くすることができる。したがって、ハンマドリル１００の前後方向長さが短縮されたコンパクトな形状が構成される。

　また、第１実施形態によれば、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂをバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに対してハンマドリル１００の側方から挿入して装着する。このため、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の打撃軸と交差する方向、すなわちハンマビット１１９の打撃動作によって発生する振動方向に交差する方向がバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの取り外し方向となる。したがって、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの取り外し方向とハンマドリル１００の振動方向が一致せず、ハンマドリル１００の振動によってバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが脱落する可能性が低減される。

　また、第１実施形態によれば、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの装着ガイド１７３をバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのガイドレール１６１に沿って摺動させることで、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂにバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが装着される。したがって、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが容易に装着される。

　また、第１実施形態によれば、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、モータハウジング１０３の後方で、且つハンドグリップ１０９の下方に位置するように配置されている。第１形態のハンマドリル１００においては、モータハウジング１０３のうち電動モータ１１０を収容する領域が下方へと延出する構造上の特性から、当該下方延出領域の後方であるハンドグリップ１０９の下方には、空きスペースが生じる。そのため、空きスペースを活用してバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが配置されるため、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが合理的に配置される。また、このようなバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの位置は、ハンマビット１１９による加工位置から離間した位置であり、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが加工作業を阻害しない。

　また、第１実施形態によれば、モータハウジング１０３の後方で、且つハンドグリップ１０９の下方にバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが配置され、当該バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂの下面とモータハウジング１０３の下面が面一に設定される。このため、ハンマドリル１００を地面や床面に載置する場合、当該ハンマドリル１００が安定的に載置される。なお、第１実施形態は、ハンマビット１１９の打撃軸と電動モータ１１０の回転軸が傾斜状に交差しているが、これには限られない。例えば、ハンマビット１１９の打撃軸と電動モータ１１０の回転軸が直交するように、電動モータ１１０が配置されてもよい。

（第２実施形態）
　次に、第２実施形態につき、図１０を参照して説明する。図１０に示すように、第２実施形態においては、電動モータ１１０の回転軸とハンマビット１１９の打撃軸が平行になるように電動モータ１１０が配置されている。さらに、ハンドグリップ１０９のグリップ部１０９Ａは、打撃軸線上に配置されている。この第２実施形態に係るハンマドリル１００を便宜上、第２形態のハンマドリルという。ハンドグリップ１０９は、モータハウジング１０３の後端上部からハンマビット１１９の長軸方向と交差する下方に向かって延在する。このグリップ部１０９Ａの先端部とモータハウジング１０３の後端下部は、上下方向（鉛直方向）に対して傾斜状に延在するグリップ補強用のサポート部材１０７により連接されている。すなわち、ハンドグリップ１０９は、グリップ部１０９Ａとサポート部材１０７を有する。このサポート部材１０７が、本発明における「補強部材」に対応する実施構成例である。電動モータ１１０の回転は、運動変換機構１２０により直線運動に変換された後、ツールホルダ１５９によって保持されたハンマビット１１９に打撃要素１４０を介して打撃力として伝達される。また、電動モータ１１０の回転は、ツールホルダ１５９によって保持されたハンマビット１１９に動力伝達機構１５０を介して回転運動として伝達される。

　上記の第２形態のハンマドリル１００において、グリップ部１０９Ａの先端部およびサポート部材１０７の下面には、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂがハンマビット１１９の長軸方向に並んで設けられている。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。従って、第２実施形態によれば、第２形態のハンマドリル１００において、前述した第１実施形態と同様の効果が得られる。

（第３実施形態）
　次に、第３実施形態につき、図１１を参照して説明する。第３実施形態では、上記の第２形態のハンマドリル１００において、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂが、モータハウジング１０３とギアハウジング１０５の両方の下面に跨ってハンマビット１１９の長軸方向に並べて設けられている。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７１Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。従って、第３実施形態によれば、第２形態のハンマドリル１００において、前述した第１実施形態と同様の効果が得られる。

（第４実施形態）
　次に、第４実施形態につき、図１２を参照して説明する。図１２に示すように、第４実施形態においては、ハンドグリップ１０９のグリップ部１０９Ａが、モータハウジング１０３の後端側下部からハンマビット１１９の長軸方向と交差する下方に向かって延在するように設けられている。この第４実施形態に係るハンマドリル１００を便宜上、第３形態のハンマドリルという。

　上記の第３形態のハンマドリル１００において、ハンドグリップ１０９の先端部（自由端部）であるハンドグリップ１０９の下面には、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂがハンマビット１１９の長軸方向に並んで設けられている。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。従って、第４実施形態によれば、第３形態のハンマドリル１００において、前述した第１実施形態と同様の効果が得られる。

（第５実施形態）
　次に、第５実施形態につき、図１３を参照して説明する。図１３に示すように、第５実施形態では、上記第３形態のハンマドリル１００に加えて、グリップ部１０９Ａの先端部と、モータハウジング１０３の前端側下部は、上下方向（鉛直方向）に対して傾斜状に延在するグリップ補強用のサポート部材１０７により連接されている。すなわち、ハンドグリップ１０９は、グリップ部１０９Ａとサポート部材１０７を有する。この第５実施形態に係るハンマドリル１００を便宜上、第４形態のハンマドリルという。このサポート部材１０７が、本発明における「補強部材」に対応する実施構成例である。

　上記の第４形態のハンマドリル１００において、サポート部材１０７の前面部（サポート部材１０７上）に２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂが上下方向に並んで設けられている。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。従って、第５実施形態によれば、第４形態のハンマドリル１００において、前述した第１実施形態と同様の効果が得られる。

　なお、便宜上、図示を省略するが、上述した第１実施形態～第５実施形態の他に、下記のような更なる変形例が構成される。

（変形例１）
　第１形態のハンマドリル１００において、モータハウジング１０３とハンドグリップ１０９とを連接する下方連接部１０３ｂの下面が段差の無い平面に設定され、モータハウジング１０３および／または下方連接部１０３ｂの下面に、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂがハンマビット１１９の長軸方向に並んで設けられる。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例２）
　第２形態のハンマドリル１００において、一方のバッテリ装着部１６０Ａが、モータハウジング１０３とハンドグリップ１０９とを連接する下方連接部１０３ｂの下面に設けられ、他方のバッテリ装着部１６０Ｂが、モータハウジング１０３とギアハウジング１０５の両方の下面に跨って設けられる。モータハウジング１０３とギアハウジング１０５の下面は、面一に設定される。これにより、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂは、互いに離間して配置される。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７１Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例３）
　第２形態のハンマドリル１００において、一方のバッテリ装着部１６０Ａが、グリップ部１０９Ａおよびサポート部材１０７の下面に設けられ、他方のバッテリ装着部１６０Ｂが、グリップ部１０９Ａの上面に設けられる。すなわち、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂは、互いに離間して配置される。それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７１Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例４）
　第３形態のハンマドリル１００において、一方のバッテリ装着部１６０Ａが、ハンドグリップ１０９の先端部（自由端部）であるハンドグリップ１０９の下面に設けられ、他方のバッテリ装着部１６０Ｂが、モータハウジング１０３の下面とギアハウジング１０５の下面との両方に跨って設けられる。すなわち、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂは、互いに離間して配置される。それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例５）
　第３形態のハンマドリル１００において、モータハウジング１０３の後部上面に、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂが、ハンマビット１１９の長軸方向に並んで設けられる。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例６）
　第４形態のハンマドリル１００において、ハンドグリップ１０９の先端部（ハンドグリップ１０９の下端部）に、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂが、ハンマビット１１９の長軸方向に並んで設けられる。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例７）
　第４形態のハンマドリル１００において、ハンドグリップ１０９の下端部に一方のバッテリ装着部１６０Ａが設けられ、サポート部材１０７の前面部に他方のバッテリ装着部１６０Ｂが設けられる。すなわち、２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂは、互いに離間して配置される。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

（変形例８）
　第４形態のハンマドリル１００において、ギアハウジング１０５の下面に２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂがハンマビット１１９の長軸方向（前後方向）に並んで設けられる。そして、それらバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂのそれぞれに、バッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂが取り外し可能に装着される。このバッテリパック１７０Ａ，１７０Ｂは、ハンマビット１１９の長軸方向に交差する方向にハンマドリル１００の側方からバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂに挿入（摺動）されて装着される。

　なお、以上の第１～第５実施形態においては、装着部１６０が本体部１０１またはハンドグリップ１０９に対して固定されていたが、これには限られない。例えば、装着部１６０が本体部１０１またはハンドグリップ１０９に対して着脱自在であってもよい。さらに、装着部１６０が取り外された領域に所定のアダプタを介してバッテリパックが装着されてもよい。また、第１～第５実施形態は、バッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂを２つ有しているが、３つ以上のバッテリ装着部を有していてもよい。

　また、以上の第１～第５実施形態では、動力工具の例として、ハンマビット１１９が打撃動作と回転動作を行うハンマドリル１００を用いて説明したが、これには限られない。例えば、打撃工具としてハンマビット１１９が打撃動作のみを行うハンマに本発明を適用することも可能である。その他にも、動力工具として、電動ドライバ、電動レンチ、電動グラインダ、電動レシプロソー、電動ジグソーに本発明を適用することも可能である。

　上記発明の趣旨に鑑み、本発明に係る動力工具は、下記の態様が構成可能である。なお、各態様は、単独で、あるいは互いに組み合わされて用いられるだけでなく、請求項に記載された発明と組み合わされて用いられる。
（態様１）
　取り外し可能に取付けられた先端工具を当該先端工具の駆動軸に対して駆動させる動力工具であって、
　前記先端工具を駆動するためのモータと、
　前記モータを収容する工具本体と、
　前記工具本体に連接されたハンドルと、
　前記モータに電流を供給するためのバッテリが取り外し可能に装着される複数のバッテリ装着部と、を有し、前記複数のバッテリ装着部に装着された複数のバッテリから前記モータに対して電流を供給可能に構成されており、
　前記ハンドルは、前記駆動軸を含む所定平面上において、当該駆動軸が延在する駆動軸延在方向に交差するハンドル延在方向に延在するように設けられており、
　それぞれの前記バッテリ装着部は、バッテリが係合可能なバッテリ係合部を有し、バッテリが前記バッテリ係合部に係合することによって当該バッテリを保持するように構成されており、
　前記所定平面の法線方向に、バッテリが前記バッテリ係合部に対して摺動することで、当該バッテリが前記バッテリ装着部に装着されるように構成されていることを特徴とする動力工具。
（態様２）
　バッテリ係合部は、バッテリが係合して摺動するガイドレールを有する。
（態様３）
　バッテリ係合部のガイドレールは、駆動軸延在方向とハンドル延在方向に交差する方向に延在するように設けられている。
（態様４）
　工具本体は、バッテリ装着部にバッテリが装着された状態で、当該バッテリの下端面とともに同一平面を構成する工具本体下端面を有する。
（態様５）
　複数のバッテリ装着部は、装着された複数のバッテリが電気的に直列に接続されるように、互いに電気的に接続されている。
（態様６）
　複数のバッテリ装着部は、装着された複数のバッテリが電気的に直列に接続されるように、互いに電気的に接続されている。
（態様７）
　複数のバッテリ装着部は、装着された複数のバッテリが電気的に直列に接続される第１接続モードと、装着された複数のバッテリが電気的に並列に接続される第２接続モードが切替可能に、互いに電気的に接続されている。
ように、電気的に接続されている。

（実施形態の各構成要素と本発明の構成要素との対応関係）
　本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。なお、本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものであり、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
　本体部１０１が、本発明の「工具本体」に対応する構成の一例である。
　ハンマビット１１９が、本発明の「先端工具」に対応する構成の一例である。
　電動モータ１１０が、本発明の「モータ」に対応する構成の一例である。
　２つのバッテリ装着部１６０Ａ，１６０Ｂが、本発明の「複数のバッテリ装着部」に対応する構成の一例である。
　バッテリ装着部１６０Ａが、本発明の「バッテリ装着部」に対応する構成の一例である。
　バッテリ装着部１６０Ｂが、本発明の「バッテリ装着部」に対応する構成の一例である。
　バッテリパック１７０Ａが、本発明の「バッテリ」に対応する構成の一例である。
　バッテリパック１７０Ｂが、本発明の「バッテリ」に対応する構成の一例である。
　ガイドレール１６１が、本発明の「バッテリ係合部」に対応する構成の一例である。
　係止部１６３が、本発明の「バッテリ係合部」に対応する構成の一例である。
　ラバーピン１６７が、本発明の「弾性部材」に対応する構成の一例である。
　サポート部材１０７が、本発明の「補強部材」に対応する構成の一例である。

１００　ハンマドリル
１０１　本体部
１０３　モータハウジング
１０３ａ　上方連接部
１０３ｂ　下方連接部
１０５　ギアハウジング
１０７　サポート部材
１０９　ハンドグリップ
１０９Ａ　グリップ部
１０９ａ　トリガ
１１０　電動モータ
１１１　モータ軸
１１９　ハンマビット
１２０　運動変換機構
１２１　中間軸
１２３　回転体
１２５　揺動部材
１２７　筒状のピストン
１２７ａ　空気室
１２９　シリンダ
１３０　コントローラ
１４０　打撃要素
１４３　ストライカ
１４５　インパクトボルト
１５０　動力伝達機構
１５１　第１ギア
１５３　第２ギア
１５９　ツールホルダ
１６０　装着部
１６０Ａ　バッテリ装着部
１６０Ｂ　バッテリ装着部
１６１　ガイドレール
１６３　係止部
１６５　ターミナル
１６７　ラバーピン
１７０Ａ　バッテリパック
１７０Ｂ　バッテリパック
１７１　バッテリケース
１７３　装着ガイド
１７５　ロック用のフック
１７７　ロック解除用の押しボタン
１７９　ターミナル

Claims

　取り外し可能に取付けられた先端工具を当該先端工具の駆動軸に対して駆動させる動力工具であって、
　前記先端工具を駆動するためのモータと、
　前記モータを収容する工具本体と、
　前記工具本体に連接するハンドルと、
　前記モータに電流を供給するためのバッテリが取り外し可能に装着されるバッテリ装着部と、を有し、
　前記バッテリ装着部は、複数設けられており、
　前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリから前記モータに対して電流を供給可能に構成されており、
　前記ハンドルは、前記駆動軸が延在する駆動軸延在方向に交差するハンドル延在方向に延在するように設けられており、
　前記バッテリ装着部は、前記バッテリが係合可能なバッテリ係合部を有し、前記バッテリが前記バッテリ係合部に係合することによって当該バッテリを保持するように構成されており、
　前記駆動軸延在方向と前記ハンドル延在方向の両方の方向に交差する交差方向に、前記バッテリが前記バッテリ係合部に対して摺動することで、当該バッテリが前記バッテリ装着部に装着されるように構成されていることを特徴とする動力工具。
　請求項１に記載の動力工具であって、
　複数の前記バッテリ装着部は、前記駆動軸延在方向に並んで設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項１または２に記載の動力工具であって、
　前記交差方向に関して、前記工具本体の同じ側から前記バッテリが摺動されて前記バッテリ係合部に係合するように、当該バッテリ係合部が構成されていることを特徴とする動力工具。
　請求項１～３のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　複数の前記バッテリ装着部は、前記駆動軸延在方向に関して、前記モータの前記先端工具側とは反対側に設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項１～４のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された状態で、当該バッテリの下端部と前記工具本体の下端部が同一平面を形成するように構成されていることを特徴とする動力工具。
　請求項１～５のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリの、前記駆動軸延在方向の長さが前記交差方向の長さよりも短くなるように、前記バッテリ装着部が構成されていることを特徴とする動力工具。
　請求項１～６のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　前記バッテリ装着部は、前記バッテリが装着された状態で当該バッテリに向かって突出するとともに当該バッテリに当接する弾性部材を有することを特徴とする動力工具。
　請求項１～７のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　前記ハンドルは、前記ハンドル延在方向に関する少なくとも一方の端部側が前記工具本体に連接するように構成されており、
　複数の前記バッテリ装着部は、前記ハンドル延在方向に関する前記ハンドルの他方の端部側に設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項８に記載の動力工具であって、
　前記ハンドルは、作業者に把持されるグリップ部を有し、
　前記グリップ部は、前記駆動軸線上に設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項９に記載の動力工具であって、
　複数の前記バッテリ装着部は、前記ハンドル延在方向における、前記工具本体の一方側の当該工具本体上に設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項８に記載の動力工具であって、
　前記ハンドルは、一端側が前記工具本体に連接するグリップ部と、当該グリップ部の他端側と前記工具本体を連結する補強部材を有することを特徴とする動力工具。
　請求項１１に記載の動力工具であって、
　複数の前記バッテリ装着部は、前記補強部材上に設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項１～１２のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　前記モータは、当該モータの回転軸と前記駆動軸が交差するように設けられていることを特徴とする動力工具。
　請求項１～１２のいずれか１項に記載の動力工具であって、
　前記モータは、当該モータの回転軸と前記駆動軸が平行に設けられていることを特徴とする動力工具。