WO2014041747A1

WO2014041747A1 - コンセント

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Publication number: WO2014041747A1
Application number: PCT/JP2013/004918
Authority: WO
Inventors: 前田　裕史; 義男山口; 正実早船
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2012-09-14
Filing date: 2013-08-20
Publication date: 2014-03-20
Also published as: EP2897232A1; JP5958859B2; JP2014059995A; EP2897232A4

Abstract

　前面に開口を有する箱状のボディと、ボディの前面側を覆うカバーと、ボディおよびカバーを結合する組立ねじとを備える。カバーは、熱硬化性樹脂により形成された第１カバーと、熱可塑性樹脂により形成された第２カバーとで構成される。第１カバーは、プラグの一対のピンを挿入可能な一対のピン挿入口が形成された板状の本体部を有する。第２カバーは、孔が形成された底を持つ筒状で本体部が収納される収納部を有する。収納部の底部は、本体部とボディとで挟持され、この底部に、一対のピンを挿通可能でありピン挿入口よりも大きな窓孔が形成される。ボディ内には、一対のピンを挟持可能な一対の刃受け部が収納されている。組立ねじは、ボディの底壁の後面側に頭部が位置し、ねじ部が底壁の挿通孔に挿通され、本体部の後面側のねじ穴にねじ部の先端部が螺合している。

Description

コンセント

　本発明は、コンセントに関するものである。

　従来から、造営材（例えば壁）に設けられた孔（埋込孔）に器体の後部を挿入する形で配設される埋込型コンセントが提案されている（例えば日本国特許公開２００３－２４９２９８号公報参照）。

　この埋込型コンセントは、図１０に示すように、合成樹脂成形品からなり外鍔部１００ａを有する有底円筒状のカバー１００と、合成樹脂成形品からなるボディ１０１とを備えている。カバー１００の前面には、ねじ挿通孔１００ｂと、プラグ（図示せず）の一対のピンを差し込むための一対のピン挿入口１００ｃとが形成されている。カバー１００は、カバー１００の前方からねじ挿通孔１００ｂにねじ１０２を挿通し、ボディ１０１のリベット取付孔１０１ａに取り付けられたリベット１０３のナット１０３ａにねじ１０２を螺合することにより、ボディ１０１に結合される。

　上述の埋込型コンセントでは、火災防止などの安全性を考慮して、カバー１００が熱硬化性樹脂により形成されているものと推考される。そのため、上述の埋込型コンセントでは、カバー１００を熱可塑性樹脂により形成する場合に比べて、カバー１００を成形する時間が長くなる可能性がある。

　また、上述の埋込型コンセントでは、カバー１００の前面側にねじ１０２の頭部が露出するので、誤ってねじ１０２が取り外されてカバー１００とボディ１０１とが分離されてしまう可能性がある。

　本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、カバーの成形性を向上させることが可能で、且つ、組立ねじが不用意に取り外されるのを防止することが可能なコンセントを提供することにある。

　本発明のコンセントは、前面に開口を有する箱状のボディと、前記ボディの前記前面側を覆うカバーと、前記ボディおよび前記カバーを結合する組立ねじとを備え、前記カバーは、熱硬化性樹脂により形成された第１カバーと、熱可塑性樹脂により形成された第２カバーとで構成され、前記第１カバーは、プラグの一対のピンを挿入可能な一対のピン挿入口が形成された板状の本体部を有し、前記第２カバーは、前記本体部が収納された有底筒状の収納部を有してなり、前記収納部の底部は、前記本体部と前記ボディとで挟持され、前記底部に、前記一対のピンを挿通可能であり前記ピン挿入口よりも大きな窓孔が形成され、前記ボディ内には、前記一対のピンを挟持可能な一対の刃受け部が収納されており、前記組立ねじは、前記ボディの底壁の後面側に頭部が位置し、ねじ部が前記底壁の挿通孔に挿通され、前記本体部の前記後面側のねじ穴に前記ねじ部の先端部が螺合していることを特徴とする。

　なお、第２カバーを熱可塑性樹脂により形成することは、オプションである。

　本発明のコンセントにおいては、カバーの成形性を向上させることが可能で、且つ、組立ねじが不用意に取り外されるのを防止することが可能となる。

本実施形態のコンセントの断面図である。図２Ａは本実施形態のコンセントを前面側から見た斜視図、図２Ｂは本実施形態のコンセントを後面側から見た斜視図である。本実施形態のコンセントの分解斜視図である。図４Ａ，図４Ｂおよび図４Ｃは、それぞれ、本実施形態のコンセントの上面図、前面図および下面図である。図５Ａおよび図５Ｂは、それぞれ、本実施形態のコンセントの側面図および後面図である。本実施形態のコンセントに接続されるプラグの斜視図である。比較例のコンセントの断面図である。図８Ａは、比較例のコンセントを前面側から見た斜視図、図８Ｂは比較例のコンセントを後面側から見た斜視図である。比較例のコンセントの分解斜視図である。従来例の埋込型コンセントの分解斜視図である。

　以下、本実施形態のコンセントについて、図１～図５を参照しながら説明する。

　本実施形態のコンセント２０は、例えば、造営材、例えば壁（図示せず）に予め形成された孔（埋込孔）（図示せず）に埋め込まれる埋込ボックス９０に取り付けられるものである。

　コンセント２０は、その第１面（前面）側に、プラグの一対のピンをそれぞれ差し込むための一対のピン挿入口３１ａ，３１ａを備える。プラグのピンは、この第１面に直交する方向（第１方向Ｄ１）の第１側へプラグを動かすことで、ピン挿入口３１ａ，３１ａから引き抜かれ、この第１方向Ｄ１の第２側へプラグを動かすことで、ピン挿入口３１ａ，３１ａに挿入される。以下、簡単のため、第１方向Ｄ１の第１側を「前側」ともいい、第１方向Ｄ１の第２側を「後側」ともいう。

　コンセント２０は、電気ケーブルに含まれる第１電線および第２電線（ライン（ホット）およびニュートラルに対応する）に接続される、一対の刃受け部６，７を含む。刃受け部６，７は、第１方向Ｄ１に直交する第２方向Ｄ２の第１側および第２側にそれぞれ設けられる。以下、簡単のため、第２方向Ｄ２の第１側を「左側」ともいい、第２方向Ｄ２の第２側を「右側」ともいう。

　また本実施形態のコンセント２０は、電気ケーブルのアース（グラウンド）に対応する第３電線（接地線）に接続される接地部材５を、オプションとして含む。接地部材５は、第１方向Ｄ１および第２方向Ｄ２と直交する第３方向Ｄ３の第１側および第２側に、前方へ突出する接触片５３（５３１），５３（５３２）を有する。以下、第３方向Ｄ３の第１側を「上側」ともいい、第３方向Ｄ３の第２側を「下側」ともいう。

　コンセント２０は、前面に開口１ａ（図３参照）を有する箱状（本実施形態では、矩形箱状）のボディ１と、ボディ１の上記前面側を覆うカバー２と、ボディ１およびカバー２を結合する組立ねじ１０とを備えている。

　ボディ１は、熱硬化性樹脂により形成されている。また、ボディ１には、ボディ１の内底面から突出した２つの仕切壁１１ａ，１１ｂ（左側に設けられた第１仕切壁１１ａ，右側に設けられた第２仕切壁１１ｂ）が並設されており、ボディ１の内部が３つの部位に区画されている。つまり、ボディ１の内部には、３つの収納室１２が形成されている。以下、本実施形態では、説明の便宜上、中央、左および右の３つの収納室１２を、それぞれ第１収納室１２ａ、第２収納室１２ｂおよび第３収納室１２ｃと称する。

　２つの仕切壁１１ａ，１１ｂで挟まれた部位には、第１収納室１２ａが設けられている。第１収納室１２ａには、プラグ９１（図６参照）のプラグ本体９２に設けられた一対の接地極９４，９４と接触可能な接地部材５の一部が収納されている。なお、図６では、一対の接地極９４，９４のうちの一方の接地極９４が見えている。

　また、第１収納室１２ａの内底面には、接地部材５を位置決めするためのリブ１３（図１参照）が突設されている。

　第１収納室１２ａの底壁の後面（図１では、右面）には、後方へ突出する第１突出部１９が設けられている。第１突出部１９は、例えば、直方体状に形成されている。

　第１突出部１９の一端側（図１では、下端側）には、接地部材５に接地線（第３電線；図示せず）を電気的および機械的に接続するための第１端子ねじ８ａをネジ締めするための工具（ドライバー）を挿入可能な第１貫通孔１９ａが設けられている。

　また、第１突出部１９の他端側（図１では、上端側）には、組立ねじ１０の頭部１０ａを収納するための第１凹部１９ｂが設けられている。第１凹部１９ｂの底部には、組立ねじ１０のねじ部１０ｂが挿通される第１挿通孔１９ｃが貫設されている。

　左側のボディ１の一側壁（第１側壁）２７ａ（図３参照）と第１仕切壁１１ａとで挟まれた部位には、第２収納室１２ｂが設けられている。第２収納室１２ｂには、プラグ本体９２から導出された一対のピン９３，９３のうちの一方のピン９３を挟持可能な第１刃受け部６を有する第１刃受けばね６０が収納されている。

　第２収納室１２ｂは、２つの電線挿入口１４ａ，１４ｂを有する。これらは、２つの仕切壁１１ａ，１１ｂの並設方向との直交方向の一の側（第３方向Ｄ３の第２側）の側壁（下側壁）２８ａに形成されている。本実施形態では、２つの電線挿入口１４ａ，１４ｂの何れか一方に電気ケーブル（第１電気ケーブル）の第１電線を挿入して、第１電線をその奥の第１刃受けばね６０と電気的に接続することができる。第１電線は、例えばニュートラルに対応する。また、本実施形態では、２つの電線挿入口１４ａ，１４ｂの他方に、送り配線用の第２電気ケーブルの第１電線を挿入して、上記第１刃受けばね６０と電気的に接続することもできる。

　なお、ボディ１は、第２収納室１２ｂの上記直交方向の他の側（第３方向Ｄ３の第１側）にも、前方へ突出する側壁（上側壁）２９ａを有している。

　第２収納室１２ｂの底壁の中央部には、後方へ突出する第２突出部１５（図２Ｂ参照）が設けられている。第２突出部１５には、一対のピン９３，９３のうちの一方のピン９３の先端部を配置するための第１窪部（図示せず）が形成されている。

　第２収納室１２ｂの底壁の各電線挿入口１４ａ，１４ｂ側（図２Ｂでは、下側）には、第１刃受けばね６０に電線（第１電気ケーブルの第１電線や第２電気ケーブルの第１電線）を電気的および機械的に接続するための第２端子ねじ８ｃをネジ締めするための工具を挿入可能な第２貫通孔１６が形成されている。

　また、右側のボディ１の他側壁（第２側壁）２７ｂ（図３参照）と第２仕切壁１１ｂとで挟まれた部位には、第３収納室１２ｃが設けられている。第３収納室１２ｃには、プラグ本体９２から導出された一対のピン９３，９３のうちの他方のピン９３を挟持可能な第２刃受け部７を有する第２刃受けばね７０が収納されている。

　第３収納室１２ｃは、２つの電線挿入口１４ｃ，１４ｄを有する。これらは、上記直交方向の一の側の側壁（下側壁）２８ｂに形成されている。本実施形態では、２つの電線挿入口１４ｃ，１４ｄの何れか一方に電気ケーブル（第１電気ケーブル）の第２電線を挿入して、第２電線をその奥の第２刃受けばね７０と電気的に接続することができる。第２電線は、例えばライン（ホット）に対応する。また、本実施形態では、２つの電線挿入口１４ｃ，１４ｄの他方に、上記第２電気ケーブルの第２電線を挿入して、上記第２刃受けばね７０と電気的に接続することもできる。

　なお、ボディ１は、第３収納室１２ｃの上記直交方向の他の側（第３方向Ｄ３の第１側）にも、前方へ突出する側壁（上側壁）２９ｂを有している。

　第３収納室１２ｃの底壁の中央部には、後方へ突出する第３突出部１７（図２Ｂ参照）が設けられている。第３突出部１７には、一対のピン９３，９３のうちの他方のピン９３の先端部を配置するための第２窪部（図示せず）が形成されている。

　第３収納室１２ｃの底壁の各電線挿入口１４ｃ，１４ｄ側（図２Ｂでは、下側）には、第２刃受けばね７０に電線（第１電気ケーブルの第２電線や第２電気ケーブルの第２電線）を電気的および機械的に接続するための第３端子ねじ８ｅをネジ締めするための工具を挿入可能な第３貫通孔１８が形成されている。

　接地部材５は、図３に示すように、逆Ω字状に形成されている。接地部材５の材料としては、金属材料を用いている。

　接地部材５は、板状の基端片５１と、基端片５１の両端部に立設された一対の脚片５２，５２と、各脚片５２の先端部に設けられプラグ９１の各接地極９４と各別に接触可能な接触片５３とを有している。

　基端片５１の中央部には、組立ねじ１０のねじ部１０ｂが挿通される第２挿通孔５１ａが形成されている。基端片５１の一端部（図３では、右上端部）には、第１収納室１２ａの内底面に突設されたリブ１３が挿通されるリブ挿通孔５１ｂが形成されている。基端片５１の他端部（図３では、左下端部）には、第１端子ねじ８ａのねじ部が挿通される第１ねじ挿通孔５１ｃが形成されている。基端片５１の上記他端部の前面側（図３では、上面側）には、第１端子ねじ８ａが螺合する第１ナット８ｂが配置されている。なお、本実施形態では、第１端子ねじ８ａと第１ナット８ｂとで、第１ねじ付き端子を構成している。

　接地部材５（特に両端）は弾性を有し、一対の接触片５３，５３は、先端部（前端部）が互いに近づく向きに屈曲されている。詳しくは、接触片５３，５３間の距離は、プラグ９１の一対の接地極９４，９４間の距離よりも小さく設定されている。従って、プラグ９１がコンセント２０に接続されたとき、接触片５３，５３は、接地部材５の弾性力によって先端部が互いに近づく向きに付勢される。各接触片５３の幅寸法は、基端片５１および各脚片５２の幅寸法よりも小さく設定されている。

　第１刃受けばね６０の材料としては、金属材料を用いている。

　第１刃受けばね６０は、第１電気ケーブルの第１電線や第２電気ケーブルの第１電線と電気的に接続可能な板状（本実施形態では、矩形板状）の第１端子片６１と、第１端子片６１の両端縁に立設された一対の側板６２，６２と、一対の側板６２，６２の一端部（図３では、右上端部）からそれぞれ延設された第１ばね片６４，６４とを有している。本実施形態では、第１ばね片６４，６４が上述の第１刃受け部６を構成する。

　第１端子片６１には、第２端子ねじ８ｃのねじ部が挿通される第２ねじ挿通孔６１ａが形成されている。第１端子片６１の前面側（図３では、上面側）には、第２端子ねじ８ｃが螺合する第２ナット８ｄが配置されている。なお、本実施形態では、第２端子ねじ８ｃと第２ナット８ｄとで、第２ねじ付き端子を構成している。

　第１端子片６１の第１刃受け部６側（図３では、右上端側）には、第１電気ケーブルの第１電線や第２電気ケーブルの第１電線が過度に挿入されるのを防止するための第１ストッパ部６３が立設されている。これにより、本実施形態のコンセント２０では、電線が過度に挿入されるのを防止することができるので、電線の絶縁被覆部（図示せず）の噛み込みを防止することが可能となり、第１端子片６１と電線の導電体（図示せず）との電気的な接続不良が生じるのを抑制することが可能となる。また、本実施形態のコンセント２０では、電線が過度に挿入されるのを防止することができるので、電線が第１刃受け部６に挿入されるのを防止することが可能となり、プラグ９１のピン９３と第１刃受け部６との電気的な接続不良が生じるのを抑制することが可能となる。

　第２刃受けばね７０の材料としては、金属材料を用いている。

　第２刃受けばね７０は、第１電気ケーブルの第２電線や第２電気ケーブルの第２電線と電気的に接続可能な板状（本実施形態では、矩形板状）の第２端子片７１と、第２端子片７１の両端縁に立設された一対の側板７２，７２と、一対の側板７２，７２の一端部（図３では、右上端部）からそれぞれ延設された第２ばね片７４，７４とを有している。本実施形態では、第２ばね片７４，７４が上述の第２刃受け部７を構成する。

　第２端子片７１には、第３端子ねじ８ｅのねじ部が挿通される第３ねじ挿通孔７１ａが形成されている。第２端子片７１の前面側（図３では、上面側）には、第３端子ねじ８ｅが螺合する第３ナット８ｆが配置されている。なお、本実施形態では、第３端子ねじ８ｅと第３ナット８ｆとで、第３ねじ付き端子を構成している。

　第２端子片７１の第２刃受け部７側（図３では、右上端側）には、第１電気ケーブルの第２電線や第２電気ケーブルの第２電線が過度に挿入されるのを防止するための第２ストッパ部７３が立設されている。これにより、本実施形態のコンセント２０では、電線が過度に挿入されるのを防止することができるので、電線の絶縁被覆部（図示せず）の噛み込みを防止することが可能となり、第２端子片７１と電線の導電体（図示せず）との電気的な接続不良が生じるのを抑制することが可能となる。また、本実施形態のコンセント２０では、電線が過度に挿入されるのを防止することができるので、電線が第２刃受け部７に挿入されるのを防止することが可能となり、プラグ９１のピン９３と第２刃受け部７との電気的な接続不良が生じるのを抑制することが可能となる。

　カバー２は、熱硬化性樹脂により形成された第１カバー３と、熱可塑性樹脂により形成された第２カバー４とで構成されている。

　第１カバー３は、板状の本体部３１を有している。本体部３１の平面視形状は、長円形状である。この本体部３１は、ボディ１の上記前面側を覆う。

　本体部３１には、プラグ９１の一対のピン９３，９３を挿入可能な一対のピン挿入口３１ａ，３１ａが形成されている。一対のピン挿入口３１ａ，３１ａは、本体部３１の短手方向（第２方向Ｄ２）に沿って配置されるとともに、本体部３１の長手方向（第３方向Ｄ３）の中央部に配置されている。

　本体部３１の長手方向の両端縁には、接地部材５の２つの接触片５３，５３を本体部３１の前面側（図３では、上面側）へ導出するための２つの導出口３１ｂ，３１ｂがそれぞれ形成されている。

　また、本体部３１には、一対のピン挿入口３１ａ，３１ａ間の部位の後面（図３では、下面）から、後方へ突出する第４突出部３２が設けられている。この第４突出部３２は、接地部材５の基端片５１に当接する形でボディ１の第１収納室１２ａ内に収納される（図１参照）。

　第４突出部３２には、接地部材５の第２挿通孔５１ａに対応する部位に、組立ねじ１０が螺合するねじ穴３２ａが形成されている。ねじ穴３２ａは、第１カバー３の後面側に形成されている。また、第４突出部３２には、接地部材５の第１ねじ挿通孔５１ｃに対応する部位に、第１ナット８ｂを収納可能な第２凹部３２ｂが形成されている。第２凹部３２ｂの底部には、第１端子ねじ８ａのねじ部の先端部を配置するための第３窪部３２ｃが設けられている。

　第２カバー４は、収納部４２と、枠状のプレート４１とを有している。収納部４２は、孔（窓孔４２ｃ）が形成された底部４２ａを持つ中空筒状の凹所を形成するように、第２カバー４の後側の面から後方に突出されている。第１カバー３は、本体部３１が底部４２ａの孔を閉塞するように収納部４２内に収納される。プレート４１は、収納部４２の開口側の側部４２ｂから側方へ延設されている。なお、プレート４１の外周形状は、図３に示すように、矩形状であるが、この形状を特に限定するものではない。

　収納部４２の形状は、例えば、有底円筒状である。また、収納部４２の開口形状は、円形状であるが、この形状を特に限定するものではなく、プラグ本体９２の平面視形状に合わせた形状であればよい。ここにおいて、本実施形態では、プラグ本体９２の平面視形状を、円形状としてある。収納部４２の底部４２ａ（図１参照）は、第１カバー３の本体部３１とボディ１とで挟持される。この底部４２ａには、本体部３１の一対のピン挿入口３１ａ，３１ａを挿通可能でありピン挿入口３１ａよりも大きな窓孔４２ｃが形成されている。

　収納部４２の側部４２ｂの内側には、プラグ本体９２に形成された一対の突条部９５，９５（図６参照）をガイドするための一対のガイド溝４３，４３が設けられている。なお、図６では、一対の突条部９５，９５のうちの一方の突条部９５が見えている。

　また、収納部４２の側部４２ｂには、接地部材５の一対の接触片５３，５３を第２カバー４の後側（図１では、右側）から収納部４２内に引き込むための一対のスリット４４，４４（図３参照）が設けられている。各スリット４４は、収納部４２の底部４２ａと側部４２ｂとに亘ってＬ字状に形成されている（図２Ａ参照）。これにより、本実施形態のコンセント２０では、一対の接触片５３，５３を一対のスリット４４，４４から収納部４２内に引き込むことが可能となる。よって、本実施形態のコンセント２０では、プラグ９１のプラグ本体９２が収納部４２内に嵌め込まれたときに、一対の接触片５３，５３をプラグ本体９２の一対の接地極９４，９４に接触させることが可能となる。

　以下、本実施形態のコンセント２０の組み立て手順について、説明する。

　まず、接触部材５の基端片５１の第１ねじ挿通孔５１ｃに基端片５１の後面側（図１では、右側）から第１端子ねじ８ａを挿通し、この第１端子ねじ８ａに第１ナット８ｂを螺合する。そして、ボディ１のリブ１３が接地部材５のリブ挿通孔５１ｂに挿通され且つ第１端子ねじ８ａの頭部がボディ１の第１貫通孔１９ａの前方（図１では左方）に位置するように、接地部材５を、ボディ１の第１収納室１２ａ内に収納する。

　また、第１刃受けばね６０の第１端子片６１の第２ねじ挿通孔６１ａに第１端子片６１の後面側（図３では、下側）から第２端子ねじ８ｃを挿通し、この第２端子ねじ８ｃに第２ナット８ｄを螺合する。そして、第２端子ねじ８ｃの頭部がボディ１の第２貫通孔１６の前方に位置するように、第１刃受けばね６０を、ボディ１の第２収納室１２ｂ内に収納する。

　また、第２刃受けばね７０の第２端子片７１の第３ねじ挿通孔７１ａに第２端子片７１の後面側（図３では、下側）から第３端子ねじ８ｅを挿通し、この第３端子ねじ８ｅに第３ナット８ｆを螺合する。そして、第３端子ねじ８ｅの頭部がボディ１の第３貫通孔１８の前方に位置するように、第２刃受けばね７０を、ボディ１の第３収納室１２ｃ内に収納する。

　そして、接地部材５の一対の接触片５３，５３を第２カバー４の一対のスリット４４，４４から収納部４２内に引き込み、第２カバー４を、ボディ１の上記前面側に配置する。

　そして、第２カバー４の収納部４２内に引き込まれた一対の接触片５３，５３が第１カバー３の一対の導出口３１ｂ，３１ｂから導出するように、第１カバー３を、第２カバー４の収納部４２内に収納する。そして、第１カバー３の第４突出部３２を、第２カバー４の窓孔４２ｃを通して後方（図１では右方）へ突出させる。

　最後に、組立ねじ１０を、ボディ１の上記後面側からボディ１の第１挿通孔１９ｃと接地部材５の第２挿通孔５１ａとに挿通し、第１カバー３の第４突出部３２のねじ穴３２ａに螺合する。

　上記の手順により、本実施形態のコンセント２０では、第２カバー４の収納部４２の底部４２ａが第１カバー３の本体部３１とボディ１とで挟持され、コンセント２０を組み立てることが可能となる。

　また、本実施形態のプレート４１には、コンセント２０を埋込ボックス９０に取り付けるための取付金具８０（図３参照）が、複数（本実施形態では、２つ）設けられる。具体的に説明すると、プレート４１には、取付金具８０をプレート４１に取り付けるための取付ねじ９ａを挿通可能な第１取付ねじ挿通孔４１ｂが、複数（本実施形態では、２つ）形成されている。

　取付金具８０は、板状の基端片８１と、基端片８１の両端部に立設された一対の脚片８２，８２と、各脚片８２の先端部に形成された爪８３とを有している。

　基端片８１の中央部には、取付ねじ９ａが挿通される第２取付ねじ挿通孔８１ａが形成されている。ここにおいて、第２カバー４の収納部４２の側部４２ｂの外側には、取付金具８０の基端片８１を収納する第４収納室４５が、複数（本実施形態では、２つ）設けられている（図４Ａ，図５Ｂ参照）。また、基端片８１の後面側（図３では、下面側）には、取付ねじ９ａが螺合する第４ナット９ｂが配置されている。

　以下、本実施形態のコンセント２０を埋込ボックス９０に取り付ける手順について、説明する。なお、本実施形態では、埋込ボックス９０が、例えば、前面に開口を有する矩形箱状に形成されているものとして説明する。また、本実施形態では、埋込ボックス９０が、例えば、合成樹脂（例えば、熱硬化性樹脂など）により形成されているものとして説明する。

　まず、取付ねじ９ａを、第２カバー４の前方（図３では、上方）から第１取付ねじ挿通孔４１ｂと取付金具８０の第２取付ねじ挿通孔８１ａとに挿通し、第４ナット９ｂに仮止めする。

　そして、各取付金具８０が第２カバー４に仮止めされた状態で、コンセント２０を埋込ボックス９０内に埋め込む。

　そして、各取付ねじ９ａを各第４ナット９ｂに締め付ける。これにより、各取付金具８０の爪８３が埋込ボックス９０の内周面に食い込ませることが可能となり、コンセント２０を埋込ボックス９０に取り付けることが可能となる。

　図７～図９は、比較例としてのコンセントの構成を示す。この比較例のコンセント２１は、本実施形態のコンセント２０と同様に、ボディ１と、接地部材５と、第１刃受けばね６０と、第２刃受けばね７０とを備えている。また、比較例のコンセント２１は、ボディ１の前面側（図９では、上面側）を覆うカバー２２を備えている。以下、比較例のコンセント２１において、本実施形態のコンセント２０と同様の構成要素に同一の符号を付して説明を適宜省略する。

　カバー２２は、熱硬化性樹脂により形成されている。また、カバー２２は、有底円筒状のカバー本体２３と、カバー本体２３の開口側の側部に側方へ延設された平面視正方形状の鍔部２４とを有している。

　カバー本体２３の底部２３ａ（図８Ａ参照）には、プラグ９１の一対のピン９３，９３を挿入可能な一対のピン挿入口２３ｂ，２３ｂが形成されている。

　また、カバー本体２３の底部２３ａの中央部には、カバー２２およびボディ１を結合する組立ねじ１０の頭部１０ａを収納可能な収納凹部２６が設けられている。収納凹部２６の底部には、組立ねじ１０のねじ部１０ｂが挿通される第３挿通孔２６ｂ（図７参照）が貫設されている。ここにおいて、ボディ１の第１収納室１２ａの底壁には、カバー本体２３の収納凹部２６の第３挿通孔２６ｂに対応する部位に、組立ねじ１０が螺合するねじ穴２５が形成されている。

　鍔部２４には、本実施形態のコンセント２０におけるプレート４１と同様に、取付金具８０が、複数（図示例では、２つ）設けられる。

　比較例のコンセント２１では、組立ねじ１０を、カバー２２の前面側（図９では、上側）からカバー本体２３の収納凹部２６の第３挿通孔２６ｂと接地部材５の第２挿通孔５１ａとに挿通し、ボディ１の第１収納室１２ａのねじ穴２５に螺合することによって、コンセント２１を組み立てることが可能となる。

　上述の比較例のコンセント２１では、カバー２２を熱硬化性樹脂により形成しているので、カバー２２を熱可塑性樹脂により形成する場合に比べて、カバー２２を成形する時間が長くなる可能性がある。

　これに対して、本実施形態のコンセント２０では、カバー２が第１カバー３と第２カバー４とで構成され、第２カバー４を熱硬化性樹脂に比べて成形性の良い熱可塑性樹脂により形成しているので、比較例のコンセント２１に比べて、カバー２の成形性を向上させることが可能となる。

　また、比較例のコンセント２１では、カバー２２の前面側に組立ねじ１０が露出するので、埋込ボックス９０にコンセント２１が取り付けられた状態で人が誤って組立ねじ１０を取り外すと、カバー２２とボディ１とが分離する可能性がある。

　これに対して、本実施形態のコンセント２０では、組立ねじ１０の頭部１０ａをボディ１の底壁の後面側に配置しているので、カバー２の前面側に組立ねじ１０が露出しない構成となり、埋込ボックス９０にコンセント２０が取り付けられた状態で人が誤って組立ねじ１０を取り外すのを防止することが可能となる。また、本実施形態のコンセント２０では、カバー２の前面側に組立ねじ１０が露出しない構成であるため、比較例のコンセント２１に比べて、デザイン性を向上させることが可能となる。

　以上説明した本実施形態のコンセント２０は、前面に開口１ａを有する箱状のボディ１と、ボディ１の上記前面側を覆うカバー２と、ボディ１およびカバー２を結合する組立ねじ１０とを備えている。また、本実施形態のコンセント２０では、カバー２が、熱硬化性樹脂により形成された第１カバー３と、熱可塑性樹脂により形成された第２カバー４とで構成されている。また、本実施形態のコンセント２０では、第１カバー３が、プラグ９１の一対のピン９３，９３を挿入可能な一対のピン挿入口３１ａ，３１ａが形成された板状の本体部３１を有している。また、本実施形態のコンセント２０では、第２カバー４が、本体部３１が収納された有底筒状の収納部４２を有している。また、本実施形態のコンセント２０では、収納部４２の底部４２ａが、本体部３１とボディ１とで挟持され、底部４２ａに、一対のピン９３，９３を挿通可能でありピン挿入口３１ａよりも大きな窓孔４２ｃが形成されている。また、本実施形態のコンセント２０では、ボディ１内に、一対のピン９３，９３を挟持可能な一対の刃受け部６，７が収納されている。そして、本実施形態のコンセント２０では、組立ねじ１０が、ボディ１の底壁の後面側に頭部１０ａが位置し、ねじ部１０ｂがボディ１の底壁の挿通孔（第１挿通孔）１９ｃに挿通され、本体部３１の後面側のねじ穴３２ａにねじ部１０ｂの先端部が螺合している。

　これにより、本実施形態のコンセント２０では、図１０に示す構成を有する従来例の埋込型コンセントや比較例のコンセント２１に比べて、カバー２の成形性を向上させることが可能で、且つ、組立ねじ１０が不用意に取り外されるのを防止することが可能となる。

　また、本実施形態のコンセント２０では、カバー２の前面側に組立ねじ１０が露出しない構成であるため、図１０に示す構成を有する従来例の埋込型コンセントや比較例のコンセント２１に比べて、デザイン性を向上させることが可能となる。

　上記のように、本実施形態のコンセント２０では、刃受け部６，７を収納するボディ１に、組立ねじ１０を挿通するための貫通孔（第１挿通孔１９ｃ）が設けられている。そして、第１カバー３（カバー２）の後面に、組立ねじ１０が螺合するねじ孔３２ａが第１カバー３を貫通しないように設けられている。

　また、本実施形態のコンセント２０では、第２カバー４は、孔（窓孔４２ｃ）が形成された底を持つ円筒状の収納部４２を有する。第１カバー３は板状の本体部３１を有し、本体部３１が収納部４２の孔（窓孔４２ｃ）を閉塞するように収納部４２内に収納される。第１カバー３は、後方へ突出する突出部（第４突出部３２）を有し、この突出部の後面側にねじ孔３２ａが形成されている。ボディ１は、前方へ突出する側壁（２７ａ，２７ｂ，２８ａ，２８ｂ，２９ａ，２９ｂ）を有しており、これら側壁の少なくとも一つと第１カバー３の本体部３１との間で、収納部４２の底部４２ａを狭持している。なお本実施形態のコンセント２０では、複数の側壁で囲まれた収納室（第２収納室１２ｂ，第３収納室１２ｃ）内に、刃受け部（第１刃受け部６，第２刃受け部７）が収納されている。

　なお、第２カバー４を熱可塑性樹脂により形成することは、オプションである。すなわち、第２カバー４を熱硬化性樹脂により形成してもよい。この場合でも、鍔部を有する有底円筒状のカバー（例えば、上記の比較例を参照）を熱硬化性樹脂により一体に形成する場合に比べて、カバーの成形性を向上させることができる。

　本発明を幾つかの好ましい実施形態について記述したが、この発明の本来の精神および範囲、即ち請求の範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な修正および変形が可能である。

　例えば、上記実施形態では、プラグ９１は、ＣＥＥ７／４プラグのような、ライン（ホット）及びニュートラルに対応する２つのピン９３，９３を、第１及び第２雄コネクタとして含むが、本発明のコンセントに適用可能なプラグはこれに限定されない。つまり、本発明のコンセントに適用可能なプラグは、ＢＳ４５７３プラグ、ＣＥＥ７／４プラグ、ＣＥＥ７／５プラグ、ＣＥＥ７／１７プラグ、１０７－２－Ｄ１プラグ、ＣＥＩ２３－１６／ＶＩＩプラグ、ＳＥＶ１０１１プラグ、ＩＥＣ６０９０６－１プラグ、ＴＩＳ１６６－２５４９プラグなどのような２つの丸ピンに限定されない。例えば、本発明のコンセントに適用可能なプラグは、第１及び第２雄コネクタとして：ＪＩＳ　Ｃ　８３０３プラグ、ＮＥＭＡ１－１５プラグ又はＮＥＭＡ５－１５プラグなどのような、第２方向Ｄ２と平行な厚さ方向を持つ２つの栓刃；ＢＳ１３６３プラグなどのような、第３方向Ｄ３と平行な厚み方向を持つ２つの栓刃；又はＣＰＣＳ－ＣＣＣプラグ又はＡＳ／ＮＺＳ３１１２プラグなどのような、Ｖ形又は逆Ｖ形の２つの栓刃を含んでもよい。

　上記実施形態では、プラグ９１は、グランドコネクタ（オプション）として、接地極９４，９４を更に含むが、本発明のコンセントに適用可能なプラグはこれに限定されない。例えば、本発明のコンセントに適用可能なプラグは、接地コネクタとして：Ｕ状断面を持つか或は中空円筒状に形成される接地ピン；ＡＳ／ＮＺＳ３１１２プラグ又はＢＳ１３６３プラグなどのような接地栓刃；１０７－２－Ｄ１プラグのような半丸グラウンドピン；又はＣＥＩ２３－１６／ＶＩＩプラグ、ＳＥＶ１０１１プラグ、ＮＥＭＡ５－１５プラグ又はＴＩＳ１６６－２５４９プラグなどのような丸グラウンドピンを含んでもよい。

　従って、本発明のコンセントは、上述の種々のプラグの何れかと接続されるように構成されるコンセントでもよい。

Claims

　前面に開口を有する箱状のボディと、
　前記ボディの前記前面側を覆うカバーと、
　前記ボディおよび前記カバーを結合する組立ねじと
を備え、
　前記カバーは、熱硬化性樹脂により形成された第１カバーと、熱可塑性樹脂により形成された第２カバーとで構成され、
　前記第１カバーは、プラグの一対のピンを挿入可能な一対のピン挿入口が形成された板状の本体部を有し、
　前記第２カバーは、前記本体部が収納された有底筒状の収納部を有し、
　前記収納部の底部は、前記本体部と前記ボディとで挟持され、前記底部に、前記一対のピンを挿通可能であり前記ピン挿入口よりも大きな窓孔が形成され、
　前記ボディ内には、前記一対のピンを挟持可能な一対の刃受け部が収納されており、
　前記組立ねじは、前記ボディの底壁の後面側に頭部が位置し、ねじ部が前記底壁の挿通孔に挿通され、前記本体部の前記後面側のねじ穴に前記ねじ部の先端部が螺合している
ことを特徴とするコンセント。