WO2014021184A1 - マグネシウム材と樹脂部品の複合品及びその製造方法 - Google Patents

マグネシウム材と樹脂部品の複合品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウム材に樹脂部品を効率良く製造できるようにする。 【解決手段】マグネシウム材2を電解液に浸漬させて電圧を印加することによって、マグネシウム材2の一方の面2Aに陽極酸化皮膜3を形成し、陽極酸化皮膜3を用いて樹脂部品4をマグネシウム材2に接合して複合品1を製造する。電解液は、純水にリン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムを溶解させることによって形成する。例えば、リン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの重量混合比R1は、1:2≦R1<2:1とし、電圧は20V~50Vとする。

Description

マグネシウム材と樹脂部品の複合品及びその製造方法
 本発明は、マグネシウム材と樹脂部品の複合品とその製造方法に関する。
 金属材料に樹脂部品を接合する方法としては、インサート成形用金型を用いることが知られている。具体的には、鉄又は鋼鉄製の金属部品の一部を金型のキャビティ内に挿入し、この状態で溶融させた樹脂をキャビティ内に射出し、所定形状の樹脂部品内に金属部品の一部をインサート成形する。
 また、アルミニウム材に樹脂部品を接合する方法としては、アルミニウム材の表面に孔径が25nm以上の孔を多数有する陽極酸化皮膜を形成し、射出成形などで樹脂の一部を陽極酸化皮膜の孔内に食い込ませることが知られている。
国際公開番号2004/055248号明細書
 ここで、近年では、部品のさらなる軽量化や高強度化を目指し、アルミニウム材の代わりにマグネシウム材を用い、マグネシウム材に樹脂部品を接合することが望まれている。
 本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、マグネシウム材に樹脂部品を効率良く製造できるようにすることを主な目的とする。
 本発明によれば、リン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムを純水に溶かした電解液にマグネシウム材を浸漬させる工程と、前記電解液に浸漬させた前記マグネシウム材に電圧を印加し、前記マグネシウム材の表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、前記陽極酸化皮膜の多数の孔に樹脂部品の一部を浸入させることで前記マグネシウム材と前記樹脂部品を接合する工程と、を有することを特徴とするマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法が提供される。
 また、本発明によれば、リン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムを純水に溶かした電解液にマグネシウム材を浸漬させる工程と、前記電解液に浸漬させた前記マグネシウム材に電圧を印加し、前記マグネシウム材の表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、前記陽極酸化皮膜の多数の孔に樹脂部品の一部を浸入させることで前記マグネシウム材と前記樹脂部品を接合する工程と、を含むマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法を用いて製造したことを特徴とする複合品が提供される。
 本発明によれば、水酸化ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムを混合させた電解液を用いてマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成することによって、樹脂部品を安定して接合することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材と樹脂部品の複合品の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に形成した陽極酸化皮膜の断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材の陽極酸化皮膜に樹脂部品を接合する方法の一例を示す断面図である。 図5Aは、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成するプロセスの実施例を示す図である。 図5Bは、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成するプロセスの実施例を示す図である。 図6Aは、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成するプロセスの実施例を示す図である。 図6Bは、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成するプロセスの実施例を示す図である。 図7Aは、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成するプロセスの実施例を示す図である。 図7Bは、本発明の実施の形態に係るマグネシウム材に陽極酸化皮膜を形成するプロセスの実施例を示す図である。
 本発明を実施するための形態について以下に説明する。以下の詳細な説明は、典型例を説明するもので、本発明を限定するためのものではない。
 図1の断面図に示すように、複合品1は、マグネシウム材2を有し、マグネシウム材2の一方の面2Aに形成した陽極酸化皮膜3を用いて樹脂部品4を接合した構成を有する。
 続いて、マグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法の概略について、図2のフローチャートを用いて説明する。
 最初に、ステップS101では、マグネシウム材2をプレス加工して、所定の形状に成形する。次に、ステップS102では、マグネシウム材2に接合用皮膜として、ポーラスな陽極酸化皮膜3を形成する。
 さらに、ステップS103では、陽極酸化皮膜3を形成した領域に樹脂部品4を接合する。図1に示すように、樹脂部品4は、陽極酸化皮膜3の孔6に食い込むようにしてマグネシウム材2に接合され、これによりマグネシウム材2と樹脂部品4の複合品1が形成される。
 さらに、ステップS104では、複合品1に対して後処理を行う。後処理としては、マグネシウム材2の他方の面2Bの塗装があげられる。なお、ステップS104を実施せずに処理を終了しても良い。
 次に、ステップS102の接合用皮膜の形成処理の詳細について説明する。
 まず、マグネシウム材2の脱脂処理及び中和処理を必要に応じて行う。次いで、マグネシウム材2を電解槽に入れる。電解槽には、強アルカリ性物質と弱酸性物質とを純水に溶解させた電解液が貯溜されている。強アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウムが用いられる。弱酸性物質としては、リン酸ナトリウム、より具体的にはリン酸二水素ナトリウム(NaHPO)が用いられる。水酸化ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムは、純水40Lに対して、それぞれ1kgから3kgとする。さらに、電解液は、30℃~40℃に温度調整されている。マグネシウム材2は、陽極として使用され、陰極にはステンレス板などを用いる。そして、電圧10V~50Vの範囲で直流法による電気分解を、例えば3分~10分行う。
 これにより、図3に断面形状を示すように、マグネシウム材2の一方の面2A上に深さ0.5~1.5μ程度のポーラスな陽極酸化皮膜3が形成される。陽極酸化皮膜3は、表面に開口する細長い孔6が密集する多孔質層5Aと、多孔質層5Aの底部から金属面までの薄い緻密な絶縁層5Bとを有する。また、陽極酸化皮膜3の表面に形成された多数の孔6の直径は、約20~100nmであった。陽極酸化皮膜3を形成したら、マグネシウム材2を純水で洗浄した後、熱風で乾燥する。
 次に、ステップS103のマグネシウム材2に樹脂部品を接合する工程について説明する。
 図4に、この工程で使用される射出成形機の一例を示す。射出成形機20は、上下に方開き可能な金型21を有する。下型21Aと上型21Bの間には、マグネシウム材2を設置するスペース22が形成されている。さらに、上型21Bには、樹脂部品4の形状に合わせたキャビティ23と、キャビティ23に充填する樹脂24が通るゲート25とが形成されている。なお、ゲート25は、図示を省略する樹脂24の供給源に接続されている。
 樹脂24としては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)などの各種樹脂、及びこれらの樹脂の組み合わせ、並びにシリコーン樹脂などが使用できる。なお、マグネシウム材2と樹脂24の線膨張の違いを考慮し、前記の射出成形により樹脂成形体とする樹脂材として、その線膨張の差を吸収できる弾性率、好ましくは、10000Mpa以下の弾性率を有し、且つ耐熱水性と耐薬品性を有する樹脂を選択することが好ましい。これに好適な樹脂24としては、PBTやPE、PPなどのオレフィン系樹脂があげられる。また、オレフィン系樹脂を他の樹脂に混合させて使用しても良い。
 樹脂部品4を成形するときは、金型21を型開きしてスペース22にマグネシウム材2を設置する。マグネシウム材2は、陽極酸化皮膜3が上向き、即ち陽極酸化皮膜3がゲート25に対向するように配置する。金型21を閉じた後、溶融させた樹脂24をゲート25からキャビティ23内に射出させる。これにより、溶融した樹脂24がキャビティ23内に加圧充填されると共に、陽極酸化皮膜3の多数の孔6内に侵入する。
 この後、型開きすると、図1に示すような複合品1が得られる。複合品1は、陽極酸化皮膜3の多数の孔6内に樹脂部品4を構成する樹脂24が一部食い込んで接合された構成を有する。
 このようにして製造した複合品1におけるマグネシウム材2と樹脂部品4の接合強度を、押し込み試験機を用いた押し込み強度として測定した結果、20N以上の押し込み強さが得られた。なお、樹脂部品4をマグネシウム材に接合する工程は、加熱圧着方式やその他の方法を用いても良い。
 以上、説明したように、この実施の形態によれば、水酸化ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムを混合させた電解液を用いてマグネシウム材2に陽極酸化皮膜3を形成することによって、樹脂部品4との接合が可能になる。
(実施例)
 以下に実施例について説明する。
 図5Aに示す実施例では、電解液は、純水40lにリン酸二水素ナトリウムを2kg溶かした。電解液の温度は35℃とし、通電時間は5分とした。電圧は、10Vから50Vの範囲で、10V刻みで実験を行った。その結果、いずれの電圧においてもマグネシウム素材2の表面が電解液に腐食されて劣化した。このために、リン酸二水素ナトリウムのみでは、陽極酸化皮膜3の形成には適さないことが分かった。
 図5Bに示す実施例では、電解液は、純水40lにリン酸二水素ナトリウムを2kg、水酸化ナトリウムを1kg溶かした。電解液の温度は35℃とし、通電時間は5分とした。電圧は、10Vから50Vの範囲で、10V刻みで実験を行った。その結果、いずれの電圧においてもマグネシウム素材2の表面が電解液に腐食されて劣化すると共に、陽極酸化皮膜3は形成されなかった。従って、この条件は、陽極酸化皮膜3の形成には適さないことが分かった。
 図6Aに示す実施例では、電解液は、純水40lに水酸化ナトリウムを500g溶かした。電解液の温度は35℃とし、通電時間は5分とした。電圧は、10Vから50Vの範囲で、10V刻みで実験を行った。その結果、印加電圧が10Vのときは、マグネシウム材2の表面に劣化が生じた。印加電圧が20V、30V、40Vのケースでは、陽極酸化皮膜3を形成することができた。そこで、これらの条件によって形成した陽極酸化皮膜3を用いてマグネシウム材2に樹脂部品4を接合し、接合強度を押し込み強度試験によって調べた。印加電圧が20V、30V、40Vのそれぞれのケースにおいて、樹脂部品4の接合強度の平均値は、順番に20N、50N、30Nであった。しかしながら、接合強度にムラがあり、接合には不向きであると考えられる。そして、印加電圧50Vのケースでは、マグネシウム材2の表面に劣化は発生しないが、樹脂部品4を接合することはできなかった。従って、この電解液は、陽極酸化皮膜3の形成には適さないことが分かった。なお、純水に溶かす水酸化ナトリウムの量をさらに増加させたところ、マグネシウム材2の劣化が顕著になった。
 図6Bに示す実施例では、電解液は、純水40lにリン酸二水素ナトリウムを1kg、水酸化ナトリウムを2kg溶かした。電解液の温度は35℃とし、通電時間は5分とした。電圧は、10Vから50Vの範囲で、10V刻みで実験を行った。その結果、印加電圧10Vのときは、マグネシウム材2の表面に劣化が生じてしまい、接合には不向きであった。印加電圧20Vで形成した陽極酸化皮膜3を用いて製造した複合品1の樹脂部品4の接合強度の平均値は、60Nであった。同様に、印加電圧が30V、40Vのケースでは、樹脂部品4の接合強度の平均値がそれぞれ50Nと30Nであった。印加電圧が50Vのケースでは、表面の劣化は生じなかったが、接合はできなかった。従って、この電解液では、20V~40Vの間で陽極酸化皮膜3を形成すると、樹脂部品4を接合することができる。
 図7Aに示す例において、電解液は、純水40lにリン酸二水素ナトリウムを2kg、水酸化ナトリウムを2kg溶かした。電解液の温度は35℃とし、通電時間は5分とした。電圧は、10Vから50Vの範囲で、10V刻みで実験を行った。その結果、印加電圧が10Vのケースにおける複合品1の接合強度の平均値は、40Nであった。さらに、印加電圧が20V、30V、40V、50Vのそれぞれのケースにおける複合品1の接合強度の平均値は、順番に50N、70N、70N、20Nであった。マグネシウム材2の表面は、印加電圧が10V及び20Vでは劣化が僅かながら生じていたが、30V以上では劣化は認められなかった。従って、この電解液では、10V~50Vの範囲で、樹脂部品4を安定して接合することができた。さらに、マグネシウム材2の表面状態と接合強度の2つの観点からは、印加電圧は30V~40Vがより好ましい条件であることが分かった。
 図7Bに示す例において、電解液は、純水40lにリン酸二水素ナトリウムを3kg、水酸化ナトリウムを3kg溶かした。電解液の温度は35℃とし、通電時間は5分とした。電圧は、10Vから50Vの範囲で、10V刻みで実験を行った。その結果、印加電圧が10Vのケースにおける複合品1の接合強度の平均値は、80Nであった。印加電圧が20V、30V、40V、50Vのそれぞれのケースにおける複合品1の接合強度の平均値は、順番に70N、85N、55N、50Nであった。マグネシウム材2の表面は、印加電圧が10V及び20Vのケースでは劣化が僅かながら生じていたが、印加電圧が30V以上では劣化は認められなかった。従って、この電解液では、印加電圧が10V~50Vの範囲で樹脂部品4を接合することができる。なお、実施例の電解液は、電解槽中に一部が結晶化していた。これは、40lの純水に対してリン酸二水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムの混合量が多くなり過ぎて、電解液が飽和していたためであると考えられる。
 以上の結果から、例えば図5Aの実施例に示すように、リン酸二水素ナトリウムと純水だけで電解液を形成した場合は、複合品1の製造に適した陽極酸化皮膜3を形成できなかった。これは、処理時のマグネシウム材2の表面の溶解速度が陽極酸化皮膜3の生成速度を超え、マグネシウム表面が削られる割合が多くなって表面が劣化すると考えられる。この現象は、印加電圧が低い場合に特に顕著に現われる。これに対して、印加電圧を上昇させると、陽極酸化皮膜3の生成速度が大きくなってマグネシウム材2の表面の劣化よりも陽極酸化皮膜3の生成が支配的になると考えられる。
 さらに、図6Aの実施例に示すように、水酸化ナトリウムと純水だけで電解液を形成した場合に形成される陽極酸化皮膜3では、十分な接合強度を安定して得難い。
 これに対して、図6B及び図7Bに示すように、リン酸二水素ナトリウムにリン酸二水素ナトリウムを添加したところ、複合品1の製造に適した陽極酸化皮膜3を形成できた。これは、水酸化ナトリウムに添加されたリン酸二水素ナトリウムが、マグネシウム素材1の溶解速度の調整剤として機能し、マグネシウム材2の表面の溶解速度と、陽極酸化皮膜3の生成のバランスが調整され、十分な接合強度が得られるような陽極酸化皮膜3が形成されたためであると考えられる。
 さらに、純水に溶かすリン酸二水素ナトリウムの重量は、水酸化ナトリウムの重量より多くなり過ぎない方が、安定した接合強度が得られる。このようなリン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの重量比R1は、1:2≦R1<2:1であった。また、重量比R1のより好ましい例は、1:1であった。このときにマグネシウム材1に印加する電圧は、10V以上、例えば、10V~50Vが好ましい。これによって、マグネシウム材2に樹脂部品4を安定して接合することが可能になり、十分な接合強度を有する複合品1を製造することが可能になる。
 なお、各実施の形態に係る複合品は、パーソナルコンピュータや携帯電話などの電気機器、電子機器などの部品、建材、建造物の屋内,外装置品、船舶、航空機、鉄道車両及び自動車などの内,外装置品、ナンバープレートなどの装飾品などの種々の大きさと形状を有するマグネシウム材と樹脂部品との複合品に適用できる。
 1 複合品
 2 マグネシウム材
 3 陽極酸化皮膜
 4 樹脂部品
 6 孔

Claims (8)

  1.  リン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムを純水に溶かした電解液にマグネシウム材を浸漬させる工程と、
     前記電解液に浸漬させた前記マグネシウム材に電圧を印加し、前記マグネシウム材の表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、
     前記陽極酸化皮膜の多数の孔に樹脂部品の一部を浸入させることで前記マグネシウム材と前記樹脂部品を接合する工程と、
    を有することを特徴とするマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法。
  2.  前記リン酸二水素ナトリウムと前記水酸化ナトリウムの重量混合比R1は、1:2≦R1<2:1であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法。
  3.  前記マグネシウム材への印加電圧は、10V~50Vであることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法。
  4.  前記リン酸二水素ナトリウムと前記水酸化ナトリウムの重量比を1:1としたことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法。
  5.  リン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムを純水に溶かした電解液にマグネシウム材を浸漬させる工程と、
     前記電解液に浸漬させた前記マグネシウム材に電圧を印加し、前記マグネシウム材の表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、
     前記陽極酸化皮膜の多数の孔に樹脂部品の一部を浸入させることで前記マグネシウム材と前記樹脂部品を接合する工程と、
    を含むマグネシウム材と樹脂部品の複合品の製造方法を用いて製造したことを特徴とする複合品。
  6.  前記リン酸二水素ナトリウムと前記水酸化ナトリウムの重量混合比R1は、1:2≦R1<2:1であることを特徴とする請求項5に記載のマグネシウム材と樹脂部品の複合品。
  7.  前記マグネシウム材への印加電圧は、10V~50Vであることを特徴とする請求項5に記載のマグネシウム材と樹脂部品の複合品。
  8.  前記リン酸二水素ナトリウムと前記水酸化ナトリウムの重量比を1:1としたことを特徴とする請求項5に記載のマグネシウム材と樹脂部品の複合品。
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