WO2014007202A1

WO2014007202A1 - ヘッドレスト支持構造

Info

Publication number: WO2014007202A1
Application number: PCT/JP2013/068020
Authority: WO
Inventors: 玄高橋; 加藤　英之; 小林　英樹
Original assignee: トヨタ自動車株式会社
Priority date: 2012-07-02
Filing date: 2013-07-01
Publication date: 2014-01-09
Also published as: EP2862479A4; KR101591728B1; CN104334053A; KR20150005699A; CN104334053B; US20150145308A1; EP2862479A1; EP2862479B1

Abstract

ヘッドレスト支持構造は、シートバックフレーム（１０）に設けられるように構成された金属製の筒状のサポートブラケット（１１）と、ヘッドレストステー（１４）を支持するように構成されるとともに、サポートブラケット（１１）に挿入された樹脂製のヘッドレストサポート（１２）と、サポートブラケット（１１）とヘッドレストサポート（１２）との間に配設されたバネ（２３）とを備える。ヘッドレスト（１３）をダイナミックダンパーとして機能させるように、サポートブラケット（１１）に対してヘッドレストサポート（１２）は揺動可能に弾性支持されている。バネが、ヘッドレストサポート（１２）に一体に設けられた金属製の板バネ（２３）である。

Description

ヘッドレスト支持構造

　本発明は、ヘッドレストを弾性支持することで、同ヘッドレストをダイナミックダンパーとして機能させるヘッドレスト支持構造に関する。

　従来、上記のようなヘッドレスト支持構造として、特許文献１に記載の構造が知られている。同文献に記載のヘッドレスト支持構造は、次のように構成されている。なお、以下の説明では、ヘッドレストに対して、シートに着座した人の頭部が位置する側を当該ヘッドレスト支持構造の前方、その逆方向を当該ヘッドレスト支持構造の後方とする。

　図１１に示すように、シートバックの骨格構造をなすシートバックフレーム５０には、サポートブラケット５１が固定されている。サポートブラケット５１は、略Ｕ字形状に曲った金属製の板材からなっている。こうしたサポートブラケット５１の上部及び下部には、貫通孔５２、５３がそれぞれ形成されている。なお、サポートブラケット５１の上部に形成された貫通孔５２は、シート前後方向に延びる長穴である。そして、これらの貫通孔５２、５３には、ヘッドレストステー５６（図１１参照）を支持する樹脂製のヘッドレストサポート５４が挿入されている。なお、サポートブラケット５１の貫通孔５２の前方部分には、金属からなるワイヤ状のバネ５５が架け渡されている。そして、ヘッドレストサポート５４は、このバネ５５により後方に向う付勢力を受けた状態でサポートブラケット５１に取り付けられている。

　図１２に示すように、このヘッドレスト支持構造では、ヘッドレストステー５６が取り付けられたヘッドレストサポート５４は、サポートブラケット５１に対して、貫通孔５３を支点として、バネ５５の撓みを伴って前後方向に揺動可能に配設されている。そのため、この支持構造では、ヘッドレストは、前後方向に変位可能に弾性支持され、シートの前後方向の振動を低減するダイナミックダンパーとして機能するようになる。

実公昭６１－１４９５５２号公報

　しかしながら、こうした従来の支持構造では、サポートブラケット５１の貫通孔５２、５３に対するヘッドレストサポート５４の挿入に際してその中心軸の位置や向きにずれが生じると、ヘッドレストサポート５４がバネ５５に引っ掛ることがある。また、挿入中に、金属製のバネ５５がヘッドレストサポート５４の表面に食い込んだり、その表面を削ったりして、バネ５５とヘッドレストサポート５４との間の摩擦が大きくなることがある。そのため、ヘッドレストサポート５４の組付けに際して、そのヘッドレストサポート５４をサポートブラケット５１に円滑に挿入できなくなることがある。

　本発明の目的は、サポートブラケットに挿入されるサポートブラケットをバネにより弾性支持することで、ヘッドレストをダイナミックダンパーとして機能させるヘッドレスト支持構造において、ヘッドレストサポートをサポートブラケットに円滑に挿入できるようにすることにある。

　上記目的を達成するために一態様は、シートバックフレームに設けられるように構成された金属製の筒状のサポートブラケットと、ヘッドレストステーを支持するように構成されるとともに、前記サポートブラケットに挿入された樹脂製のヘッドレストサポートと、前記サポートブラケットと前記ヘッドレストサポートとの間に配設されたバネとを備えるヘッドレスト支持構造を提供する。ヘッドレストをダイナミックダンパーとして機能させるように、前記サポートブラケットに対して前記ヘッドレストサポートは揺動可能に弾性支持されている。前記バネが、前記ヘッドレストサポートに一体に設けられた金属製の板バネである。

　上記構成では、金属製の板バネがヘッドレストサポートに一体に設けられているため、ヘッドレストサポートが挿入中にバネに引っ掛ることはない。また、バネが金属で形成されており、ヘッドレストサポートの挿入中にそのバネに摺接する部材が金属製のサポートブラケットであるため、食い込み等による摩擦の増大も抑えられる。したがって、ヘッドレストをダイナミックダンパーとして機能させるヘッドレスト支持構造において、ヘッドレストサポートをサポートブラケットに円滑に挿入できる。

　上記ヘッドレスト支持構造は、前記ヘッドレストサポートに設けられ前記板バネと一体に形成された金属製のストッパとを更に備え、前記ストッパが、前記サポートブラケットの内周面に当接することで、前記サポートブラケットに対する前記ヘッドレストサポートの揺動を規制することが好ましい。こうした場合、ストッパと板バネとの間に、金属に比して熱膨張率の大きい樹脂で形成された部位が介在されないため、温度変化がヘッドレストのダンパー特性や支持特性に与える影響を好適に抑えることができる。

　上記ヘッドレスト支持構造の板バネは、サポートブラケットに対するヘッドレストサポートの挿入方向の端に固定端を有し、その逆方向の端に自由端を有する片持ちバネであることが好ましい。このように構成すれば、ヘッドレストサポートの挿入時に、板バネがサポートブラケットの外側に位置するように誤組付けされ難くなる。

　上記ヘッドレスト支持構造のヘッドレストサポートは、ヘッドレストステーが挿入されるように構成されたステー穴を有するとともに、同ヘッドレストステーの挿入方向における端部が塞がれた筒状であるとともに、その塞がれた端部の部分に前記板バネの固定端が埋設されていることが好ましい。このように構成すれば、ヘッドレストサポートの剛性が高められる。

第１実施形態にかかるヘッドレスト支持構造の分解斜視図。（ａ）は同ヘッドレスト支持構造に設けられるヘッドレストサポートの左前方から見た斜視図であり、（ｂ）は右後方から見た斜視図である。同ヘッドレストサポート及びサポートブラケットの側面断面図。ヘッドレストが前方に変位したときの同ヘッドレストサポート及びその周辺の側面断面図。ヘッドレストの変位とその変位に要する荷重との関係を示すグラフ。誤組付けが生じたときのヘッドレストサポートの先端部及びその周辺の側面断面図。（ａ）～（ｃ）ヘッドレストサポートに対する板バネのインサート態様をそれぞれ示す断面図。（ａ）は第２実施形態にかかるヘッドレスト支持構造に設けられるヘッドレストサポートの左前方から見た斜視図であり、（ｂ）は右後方から見た斜視図である。（ａ）はヘッドレストに外力が加わっていないときの同ヘッドレストサポートの先端部分及びその周辺の側面断面図、（ｂ）はヘッドレストが前方に変位したときの同ヘッドレストサポートの先端部分及びその周辺の側面断面図。（ａ）は上記実施形態に採用可能なばねの別例を示す斜視図であり、（ｂ）は該別例の側面断面図である。従来のヘッドレスト支持構造のヘッドレストサポート及びその周辺の斜視構造を示す図。同じく従来のヘッドレスト支持構造について、図１１の１２－１２線に沿ったヘッドレストサポート及びその周辺の断面構造を示す図。

　（第１実施形態）
　以下、ヘッドレスト支持構造の第１実施形態について、図１～図７を参照して詳細に説明する。

　図１に示すように、シートバックの骨格をなすシートバックフレーム１０の上部には、間隔をおいて２つのサポートブラケット１１が設けられている。各サポートブラケット１１は、金属により断面四角筒状に形成され、例えば溶接又はろう付けにより、サポートブラケット１１に固定されている。各サポートブラケット１１には、樹脂製のヘッドレストサポート１２が挿入される。そして、ヘッドレスト１３から下方に延びる２本のヘッドレストステー１４をそれらヘッドレストサポート１２にそれぞれ挿入することで、ヘッドレスト１３がシートバックフレーム１０に支持される。

　なお、以下の説明では、ヘッドレスト１３に対して、シートに着座した人の頭部が位置する側をヘッドレスト支持構造の前方とし、その逆方向をヘッドレスト支持構造の後方とする。また、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の挿入方向をヘッドレスト支持構造の下方とし、その逆方向をヘッドレスト支持構造の上方とする。

　図２（ａ）に示すように、ヘッドレストサポート１２の下端部分は、先細りとなるように形成されている。また、ヘッドレストサポート１２の上端からは、その中心軸に沿って、ヘッドレストステー１４が挿入されるステー穴２０が形成されている。

　ヘッドレストサポート１２の下部前方には、ビード２４が設けられている。ビード２４は、ヘッドレストサポート１２と同じ樹脂で形成されている。なお、こうしたビード２４は、ヘッドレストサポート１２と一体形成するようにしても、別体に形成して、後でヘッドレストサポート１２に接着で固定するようにしても良い。

　また、図２（ｂ）に示すように、ヘッドレストステー１４の上部後方には、ビード２２が設けられている。このビード２２も、ヘッドレストサポート１２と同じ樹脂で形成されている。また、ヘッドレストステー１４の下部後方には、金属製の板バネ２３が設けられている。板バネ２３は、上端、すなわちサポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の挿入方向の端に固定端を有し、その逆方向の端に自由端を有する片持ちバネである。

　図３に示すように、ヘッドレストサポート１２は、塞がれた下端部を有する筒状に形成されている。即ち、サポートブラケット１１に対する挿入方向における端部が塞がれている。そして、板バネ２３の基部、即ち固定端は、その塞がれた端部に埋設されている。

　なお、同図３に示すように、ヘッドレストサポート１２の上部における同ヘッドレストサポート１２の外周面とサポートブラケット１１の内周面との隙間は、ビード２２によって低減されている。また、ヘッドレストサポート１２の下部におけるヘッドレストサポート１２の外周面とサポートブラケット１１の内周面との間の隙間は、ビード２４によって詰められており、それにより板バネ２３が一定量撓んだ状態でサポートブラケット１１の後方の内壁に当接されている。ヘッドレストサポート１２の上部における左右の側面、即ち図３の紙面と平行な面には円筒形状のピン（図示しない）がそれぞれ突出している。それらピンは、サポートブラケット１１の内壁おいて回動可能に支持されている。ピンは、ビード２２と同程度の高さに配置されていることが好ましい。

　こうしたヘッドレストサポート１２は、ピンを中心として、サポートブラケット１１に対して揺動可能に支持される。図４における反時計回り方向のヘッドレストサポート１２の揺動に際しては、板バネ２３の撓みによる反力が発生される。こうしたヘッドレストサポート１２の揺動の範囲は、その前方下部に設けられたビード２４がサポートブラケット１１の前方の内壁と当接する位置から、ヘッドレストサポート１２の後側の側面における板バネ２３の下側の部位（ストッパ２５）がサポートブラケット１１の後方の内壁と当接する位置までである。

　次にこうしたヘッドレスト支持構造の作用を説明する。

　ヘッドレスト１３が前方に変位すると、ヘッドレストステー１４が挿入されたヘッドレストサポート１２は、サポートブラケット１１に対して、ピンを中心として、図４における反時計回り方向に揺動する。この揺動に際しては、サポートブラケット１１の後方の内壁に押し付けられて板バネ２３が撓むことで、ヘッドレスト１３の変位に対する抗力が発生される。

　ヘッドレスト１３の前方への変位量がある程度に達すると、ストッパ２５がサポートブラケット１１の後方の内壁に当接して、それ以上のヘッドレストサポート１２の揺動が規制される。そのため、それ以上のヘッドレスト１３の前方への変位は、ヘッドレストステー１４の弾性変形により行われることになる。

　これに対して、ヘッドレスト１３の後方への変位に際しては、サポートブラケット１１の前方の内壁へのビード２４の当接により、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の揺動が当初より規制されている。そのため、ヘッドレスト１３の後方への変位は、最初からヘッドレストステー１４の弾性変形により行われることになる。

　したがって、ヘッドレスト１３の前後方向の変位量とその変位に必要な荷重との関係は、図５に示されている。すなわち、変位量が０の初期位置、すなわち外力を受けていないときのヘッドレスト１３の位置から前方に対しては、ヘッドレスト１３の支持剛性が小さい領域が設定されている。ただし、一定量を超える前方への変位、及び初期位置から後方への変位に対しては、ヘッドレスト１３の支持剛性が大きくなる。そのため、このヘッドレスト支持構造を採用するシートでは、シートバックフレーム１０に対するヘッドレスト１３の微小振動が許容されており、ヘッドレスト１３は、シートの振動を低減するダイナミックダンパーとして機能する。ただし、ヘッドレスト１３の後方への変位に対しては、高い支持剛性を示すため、例えば車両が追突を受けた場合には、乗員の頭部をヘッドレスト１３で確実に受け止められるようになっている。

　なお、こうしたヘッドレスト支持構造の組付時におけるサポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の挿入に際しては、金属製の板バネ２３がヘッドレストサポート１２に一体に設けられているため、挿入中にヘッドレストサポート１２が板バネ２３に引っ掛ることはない。また、板バネ２３が金属で形成されている。ヘッドレストサポート１２の挿入中にその板バネ２３と摺接する部材が金属製のサポートブラケット１１であるため、食い込みによる摩擦の増大も抑えられる。そのため、こうしたヘッドレスト支持構造では、ヘッドレストサポート１２の挿入を円滑に行うことができる。

　なお、板バネ２３のヘッドレストサポート１２の挿入方向の端が自由端である場合には、挿入時にヘッドレストサポート１２の中心軸がサポートブラケット１１の中心軸に対してずれたり、傾いたりすると、図６に示すように、板バネ２３がサポートブラケット１１の外側に位置するように誤組付けされる虞がある。その点、本実施形態のヘッドレスト支持構造では、板バネ２３のヘッドレストサポート１２の挿入方向とは逆方向の端が自由端であるため、そうした誤組付けは生じない。

　ちなみに、ピンの位置と板バネ２３の位置とを入れ換えても、図５に示したようなヘッドレスト１３の支持特性を同様に得ることができる。

　なお、ヘッドレストサポート１２への板バネ２３のインサートの仕方には、次の態様がある。図７（ａ）の例では、ヘッドレストサポート１２の下端部における厚さ方向の中程に板バネ２３の基端部が埋設されている。こうした場合には、ヘッドレストサポート１２に対する板バネ２３の保持力を大きくすることができる。図７（ｂ）の例では、ヘッドレストサポート１２の下端部の外面、即ち下面に板バネ２３の基端部が配設されている。また、図７（ｃ）の例では、ヘッドレストサポート１２の下端部の内面、即ち上面に、板バネ２３の基端部が配設されている。図７（ｂ）及び図７（ｃ）の例の場合、板バネ２３の基端部がインサートされた部分において、ヘッドレストサポート１２の樹脂部分が、板バネ２３によって厚さ方向に２つに分割されることがないため、ヘッドレストサポート１２の樹脂材のミニマム厚さＴｍｉｎ（厚さの最小値）をより大きくすることができる。

　以上説明した本実施形態のヘッドレスト支持構造によれば、以下の効果を奏することができる。

　（１）本実施形態では、ヘッドレスト１３をダイナミックダンパーとして機能させるべくサポートブラケット１１に対してヘッドレストサポート１２を揺動可能に弾性支持するバネとして、ヘッドレストサポート１２に一体に設けられた金属製の板バネ２３が用いられている。そのため、ヘッドレストサポート１２に対するバネの引っ掛りやそのバネの食い込みによる摩擦の増大を抑えて、ヘッドレストサポート１２をサポートブラケット１１に円滑に挿入可能とすることができる。

　（２）樹脂よりも熱膨張率が大幅に小さい金属によって板バネ２３が形成されているため、板バネ２３の熱膨張によるヘッドレスト１３の支持特性やダンパー特性の変化を抑えることができる。

　（３）サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の揺動の中心となるピンがヘッドレストサポート１２の上部に設けられ、板バネ２３をヘッドレストサポート１２の下部後方に設けられている。こうした構成では、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の揺動の中心を振れ難くし、ヘッドレスト１３の振動をコントロールし易くなる。そのため、ヘッドレスト１３のダンパー特性をより的確に設定することが可能となる。

　（４）上記のようにピン及び板バネ２３を配置したことで、ストッパ２５が設けられた部分におけるヘッドレストサポート１２の許容変位量を大きくすることが可能となり、各部材の加工誤差や組付誤差、熱膨張がヘッドレスト１３のダンパー特性や支持特性に与える影響をより小さくすることができる。

　（５）板バネ２３が、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の挿入方向の端に固定端を有し、その逆方向の端に自由端を有する片持ちバネである。そのため、ヘッドレストサポート１２の挿入時に、板バネ２３がサポートブラケット１１の外側に位置するように誤組付けされ難くなる。

　（６）ヘッドレストサポート１２は、ヘッドレストステー１４が挿入されるステー穴２０を有するとともに、ヘッドレストステー１４の挿入方向における端部が塞がれた筒状に形成されている。その塞がれた端部の部分に板バネ２３の基部が埋設されているため、ヘッドレストサポート１２の剛性が高められる。

　（第２実施形態）
　次に、ヘッドレスト支持構造の第２実施形態を、図８及び図９を併せ参照して詳細に説明する。なお、本実施形態のヘッドレスト支持構造は、ヘッドレストサポートの構成以外は、第１実施形態と同様とされている。本実施形態において、第１実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

　図８（ａ）及び図８（ｂ）に示すように、本実施形態のヘッドレスト支持構造に採用されるヘッドレストサポート３０は、その下端部分を構成する金属部３２とそれ以外の部分を構成する樹脂部３１とを有している。樹脂により形成された樹脂部３１には、金属により形成された金属部３２がインサート成型によって一体化されている。樹脂部３１の上部において左右の側面には、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の揺動の中心となるピン（図示しない）がそれぞれ設けられている。また、樹脂部３１には、その後方上部及び前方下部にビード２２、２４がそれぞれ設けられている。

　金属部３２は、塞がれた底部を有する筒状に形成されている。そして、金属部３２の後方の側面には、板バネ３３が一体に形成されている。板バネ３３は、その下端に固定端を有し、その上端に自由端を有する片持ちバネである。

　図９（ａ）に示すように、こうしたヘッドレストサポート３０は、サポートブラケット１１に対して、板バネ３３により弾性支持された状態で揺動可能に配設されている。ヘッドレスト１３を前方に変位させる方向へのヘッドレストサポート３０の揺動は、図９（ｂ）に示すように、その金属部３２の下端部の後方がサポートブラケット１１の後方の内壁に当接する位置まで許容されている。すなわち、このヘッドレストサポート３０では、金属部３２の下端部の後方がストッパ３４となっている。

　以上説明した本実施形態のヘッドレスト支持構造によっても、第１実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態のヘッドレスト支持構造によれば、更に次の効果を奏することができる。

　（７）本実施形態では、サポートブラケット１１の内周面に当接することで、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の揺動を規制するストッパ３４がヘッドレストサポート１２に設けられるとともに、そのストッパ３４と板バネ３３とが一体に形成されている。こうした構成では、ストッパ３４と板バネ３３との間に、金属に比して熱膨張率の大きい樹脂で形成された部位が介在されないため、温度変化がヘッドレスト１３のダンパー特性や支持特性に与える影響を好適に抑えることができる。

　なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。

　・第１実施形態では、ヘッドレストサポート１２の下端部分に板バネ２３の基部を埋設することで板バネ２３をヘッドレストサポート１２に一体固定していたが、ヘッドレストサポート１２の側壁に基部を埋設して板バネ２３を一体固定するようにしても良い。例えば、図１０（ａ）及び図１０（ｂ）に示されるように、板ばね４１を、インサート成形によりヘッドレストサポート１２の側壁に設けるようにすることもできる。

　・上記実施形態では、片持ちバネとして構成された板バネ２３，３３，４１が、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の挿入方向の端に固定端を有し、その逆方向の端に自由端を有するように配設されている。ヘッドレストサポート１２の挿入時における板バネ２３，３３，４１の誤組付けを十分低減できるのであれば、サポートブラケット１１に対するヘッドレストサポート１２の挿入方向の端に自由端を有し、その逆方向の端に固定端を有するように板バネ２３，３３，４１を配設するようにしても良い。

　・上記実施形態では、板バネ２３，３３は片持ちバネであるが、両端に固定端を有する両持ちバネであっても良い。

　・上記実施形態では、ヘッドレストサポート１２，３０の外周面にビード２２，２４を設けるようにしているが、ビード２２，２４をサポートブラケット１１の内周面に設けるようにしても良い。

　・上記実施形態では、ビード２２，２４を樹脂により形成するようにしているが、板バネ２３，３３，４１よりも十分に剛性の高い材料であれば、任意の材料でビード２２，２４を形成するようにしても良い。

　・ビード２２，２４を設けずとも、サポートブラケット１１の揺動の中心の振れの低減やサポートブラケット１１の内周面に対する板バネ２３，３３，４１の当接の維持が可能であれば、ビード２２，２４を割愛するようにしても良い。

　・上記実施形態では、ヘッドレストサポート１２，３０の上部にピンが設けられ、ヘッドレストサポート１２，３０の下部後方に板バネ２３，３３，４１が設けられているが、ピン及び板バネ２３，３３，４１の位置を入れ換えても良い。すなわち、ヘッドレストサポート１２，３０の下部にピンが設けられ、その上部前方に板バネ２３，３３，４１が設けられても良い。こうした場合にも、ストッパ２５，３４が設けられた部分におけるヘッドレストサポート１２の許容変位量を十分大きくすることができるのであれば、各部材の加工誤差や組付誤差、熱膨張がヘッドレスト１３のダンパー特性や支持特性に与える影響を十分に小さくすることが可能である。

　・上記実施形態では、ヘッドレストサポート１２，３０の揺動の中心となるピンがヘッドレストサポート１２の左右の側面に形成されている。サポートブラケット１１の内周面にピンが形成されても良い。

　・ヘッドレストサポート１２，３０に複数の板バネ２３，３３，４１を設けるようにしても良い。例えばヘッドレストサポート１２，３０の前方、後方にそれぞれ板バネ２３，３３，４１を設ける構成としても良い。こうした場合、ヘッドレスト１３の支持特性は、図５に示したものとは異なる特性とはなるが、シートバックフレーム１０に対するヘッドレスト１３の微小振動が許容されることには変わりがないため、ヘッドレスト１３をダイナミックダンパーとして機能させることは可能である。

　・上記実施形態では、ヘッドレストサポート１２，３０を、下端が塞がれた筒状に形成していたが、下端が塞がれていなくても、十分な強度を確保できるのであれば、ヘッドレストサポート１２，３０を両端の開いた筒状に形成しても良い。

　・上記実施形態では、左右２本のヘッドレストステー１４の双方に上記ヘッドレスト支持構造を適用していたが、いずれか一方のみに上記ヘッドレスト支持構造を適用するようにしても良い。すなわち、いずれか一方のヘッドレストステー１４については、サポートブラケット１１に対してヘッドレストサポート１２がバネを介さずに剛体支持されるように構成されたヘッドレスト支持構造で支持するようにしても良い。こうした場合にも、上記実施形態のヘッドレスト支持構造にて支持された側では、ヘッドレストステー１４が弾性支持されるため、ヘッドレスト１３をダイナミックダンパーとして機能されることが可能である。

Claims

　ヘッドレスト支持構造であって、
　シートバックフレームに設けられるように構成された金属製の筒状のサポートブラケットと、
　ヘッドレストステーを支持するように構成されるとともに、前記サポートブラケットに挿入された樹脂製のヘッドレストサポートと、
　前記サポートブラケットと前記ヘッドレストサポートとの間に配設されたバネとを備え、
　ヘッドレストをダイナミックダンパーとして機能させるように、前記サポートブラケットに対して前記ヘッドレストサポートは揺動可能に弾性支持され、
　前記バネが、前記ヘッドレストサポートに一体に設けられた金属製の板バネである、ヘッドレスト支持構造。
　前記ヘッドレストサポートに設けられ、前記板バネと一体に形成された金属製のストッパとを更に備え、
　前記ストッパが、前記サポートブラケットの内周面に当接することで、前記サポートブラケットに対する前記ヘッドレストサポートの揺動を規制する、請求項１に記載のヘッドレスト支持構造。
　前記板バネは、前記サポートブラケットに対する前記ヘッドレストサポートの挿入方向の端に固定端を有し、その逆方向の端に自由端を有する片持ちバネを含む、請求項１又は２に記載のヘッドレスト支持構造。
　前記ヘッドレストサポートは、前記ヘッドレストステーが挿入されるように構成されたステー穴を有するとともに、同ヘッドレストステーの挿入方向における端部が塞がれた筒状であるとともに、その塞がれた端部に前記板バネの固定端が埋設されている、請求項１～３のいずれか１項に記載のヘッドレスト支持構造。