以下、一実施形態に係る携帯機器について、図1~図9に基づいて、詳細に説明する。図1には、一実施形態に係る携帯機器10の六面図が模式的に示されている。また、図2には、携帯機器10のブロック図が示されている。
携帯機器10は、携帯電話やスマートフォン、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などの機器である。携帯機器10は、電話機能、インターネット等に接続するための通信機能、及びプログラムを実行するためのデータ処理機能等を有する。携帯機器10は、一例として、図1に示すように、長方形の第1面(前面)、第2面(背面)及び第3~第6面(側面)を有する薄板状の形状を有し、片手の手のひらで把持することができる程度の大きさを有している。
携帯機器10は、図2に示すように、前面撮像部11と、背面撮像部12と、ディスプレイ13と、スピーカ14と、マイク15と、GPS(Global Positioning System)モジュール16と、フラッシュメモリ17と、タッチセンサ18A~18Fと、加速度センサ19と、制御部20と、を備える。
前面撮像部11は、第1面(前面)の上端部近傍に設けられ、撮影レンズや撮像素子(CCD(Charge Coupled Device)およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイス)を有する。前面撮像部11は、一例として、携帯機器10を保持したユーザの顔を撮像する。
背面撮像部12は、第2面(背面)の中央やや上側に設けられ、前面撮像部11と同様、撮影レンズや撮像素子を有する。背面撮像部12は、一例として、携帯機器10を保持したユーザの足元を撮像する。
ディスプレイ13は、例えば液晶表示素子を用いたデバイスであり、画像、各種情報、及びボタン等の操作入力用画像を表示する。ディスプレイ13は、図1に示してあるように長方形の形状をしており、第1面のほぼ全面を占める面積を有している。
スピーカ14は、第1面のディスプレイ13の上側に設けられ、ユーザが電話をかけるときに、ユーザの耳近傍に位置するようになっている。マイク15は、第1面のディスプレイ13の下側に設けられ、ユーザが電話をかけるときに、ユーザの口近傍に位置するようになっている。すなわち、図1に示してあるように、スピーカ14とマイク15とは、ディスプレイ13を挟んで、携帯機器10の短辺側に設けられている。
GPSモジュール16は、携帯機器10の位置(例えば緯度や経度)を検出するセンサである。フラッシュメモリ17は、不揮発性の半導体メモリであり、制御部20が実行するプログラムや、制御部20が実行する処理において用いるパラメータや、電話番号、メールアドレスなどのデータに加えて、目、鼻、口といった顔のパーツに関するデータ等が格納されている。
タッチセンサ18Aは、第1面においてディスプレイ13の表面を覆う状態で設けられており、ユーザがタッチセンサ18Aに触れたという情報や、ユーザの指の動きに応じた情報を入力する。タッチセンサ18Bは、第2面のほぼ全面を覆う状態で設けられており、ユーザがタッチセンサ18Bに触れたという情報や、ユーザの指の動きに応じた情報を入力する。その他のタッチセンサ18C~18Fは、第3~第6面をほぼ覆う状態で設けられており、タッチセンサ18A,18Bと同様、ユーザがタッチセンサに触れたという情報や、ユーザの指の動きに応じた情報を入力する。すなわち、本実施形態では、携帯機器10の6面全てにタッチセンサ18A~18Fが設けられている。なお、タッチセンサ18A~18Fは、静電容量式のタッチセンサであるものとし、ユーザの指が複数箇所に接触したことを判別できるものとする。
加速度センサ19は、圧電素子や歪ゲージなどを用いることができる。加速度センサ19は、本実施形態ではユーザが立っているか、座っているか、歩いているか、走っているかなどを検出する。なお、加速度センサ19を用いてユーザが立っているか、座っているか、歩いているか、走っているかを検出する方法については、例えば日本特許第3513632号(特開平8-131425号公報)に開示されている。また、加速度センサ19に代えて、もしくは加速度センサ19と併用して角速度を検出するジャイロセンサを用いてもよい。
なお、携帯機器10が横位置で保持されているか、縦位置で保持されているかを判定する姿勢センサを設けてもよい。姿勢センサとしては、各タッチセンサ18A~18Fが検出した指の位置を利用したり、前面撮像部11の撮像結果(ユーザの顔の撮像結果)を利用してもよい。また、専用の姿勢センサとして例えば3軸の加速度センサやジャイロセンサを用いてもよく、前述の各タッチセンサ18A~18Fや前面撮像部11などと組み合わせて用いてもよい。また、姿勢センサとして加速度センサを用いた場合には携帯機器10の傾きを検出するようにしてもよく、加速度センサ19を兼用してもよい。
制御部20は、CPUを有し、携帯機器10全体を統括的に制御する。本実施形態においては、制御部20は、ユーザが携帯機器10で所定のアプリケーションを実行するときの携帯機器10の持ち方を判別し、当該持ち方に応じたアプリケーションのアイコン(情報)を表示する処理などを実行する。なお、アプリケーションの一例として音声認識機能を備えたアプリケーションを備えることができる。
なお、本実施形態では、携帯機器10の6面全てにタッチセンサが設けられているので、外部機器との通信や充電等は、無線通信(トランスファージェットや無線WiFi)や無接点充電などにより行うことが好ましい。
次に、制御部20の処理について、図3及び図4のフローチャートに沿って、詳細に説明する。なお、図3の処理は、携帯機器10が待受状態(アプリケーションが起動していない状態)で実行される処理である。なお、前提として、携帯機器10のマニュアル等においては、ユーザが携帯機器10で所定のアプリケーションを起動したい場合には、当該アプリケーションを利用する際の携帯機器10の持ち方をユーザが再現する必要がある旨定められている(記載されている)ものとする。したがって、例えば、ユーザがカメラのアプリケーションを利用したい場合には、図5(b)のような持ち方をし、ゲームのアプリケーションを利用したい場合には、図6(b)のような持ち方をするものとする。
図3の処理では、ステップS10において、制御部20が、タッチセンサ18A~18Fの出力があるまで待機する。すなわち、制御部20は、ユーザによって携帯機器10が保持されるまで待機する。
ユーザによって携帯機器10が保持されると、制御部20は、ステップS12に移行し、タッチセンサの出力を取得する。なお、制御部20は、タッチセンサ18A~18Fの出力を、この出力があった場合に常に取得するようにしてもよいが、例えば、ユーザが何らかのアクション(例えば、ディスプレイをn回タップしたり、携帯機器10を強く振るなど)した数秒後のタッチセンサ18A~18Fの出力のみを取得するようにしてもよい。
次いで、ステップS14では、制御部20が、タッチセンサ18A~18Fの出力に応じたアプリケーションの情報を表示する処理を実行する。具体的には、制御部20は、図4のフローチャートに沿った処理を実行する。
図4では、まず、ステップS30において、制御部20が、持ち方がパターン1であったか否かを判断する。ここで、パターン1とは、例えば、図5(a)に示すような持ち方のパターンであるものとする。なお、図5(a)の●は、第2面(背面)のタッチセンサ18Bによる出力を意味し、○はその他の面のタッチセンサによる出力を意味する。この図5(a)に示す持ち方のパターン1では、図5(b)、図5(c)に示すようにユーザが携帯機器10を横位置(ユーザが携帯機器10を横長の状態で保持している位置)で保持している可能性が高い。ステップS30の判断が肯定されると、制御部20は、ステップS32に移行する。
ステップS32では、制御部20は、前面撮像部11を用いた撮像を実行する。次いで、ステップS34では、制御部20は、撮像結果に基づいて、ユーザが顔の前で携帯機器10を持っているか否かを判断する。この場合、制御部20は、撮像画像における顔の位置や、目の位置、鼻の形等に基づいて、ユーザが顔の前で携帯機器10を持っているのか、顔の下側で携帯機器10を持っているのかを判断する。これに代えて、またはこれと併せて、制御部20は、前述の姿勢センサにより携帯機器10の傾きを検出することにより、ユーザが携帯機器10を保持している位置を判断してもよい。具体的には、図5(b)に示すようにユーザが携帯機器10を顔の前で保持している場合には、携帯機器10が垂直に近い状態で保持されている。一方、図5(c)に示すようにユーザが携帯機器10を顔よりも下側で保持している場合には、図5(b)に示した状態よりも携帯機器10を傾斜した状態で保持している。このように、制御部20は、携帯機器10の傾斜の具合からユーザが携帯機器10をどの位置で保持しているかを判断してもよい。
ステップS34の判断が肯定された場合、すなわち、ユーザが携帯機器10を図5(b)に示すように持っている場合には、制御部20は、ステップS36に移行し、カメラのアプリケーションのアイコンをディスプレイ13上に表示する。なお、ステップS36において、制御部20が、ゲームのアプリケーションのアイコンを表示しないのは、図5(b)のような姿勢では、ユーザがゲームを実行する可能性が低いためである。ステップS36の後は、図3のステップS16に移行する。一方、ステップS34の判断が否定された場合、すなわち、ユーザが携帯機器10を図5(c)に示すように持っている場合には、制御部20は、ゲーム及びカメラのアプリケーションのアイコンをディスプレイ13上に表示する。なお、この場合、ユーザは、片手で携帯機器10を保持しているので、カメラのアプリケーションを使おうとしている(カメラで下方を撮影しようとしている)可能性のほうがゲームのアプリケーションを使おうとしている可能性よりも高いと考えられる。したがって、制御部20は、カメラのアプリケーションのアイコンの優先順位をゲームのアプリケーションのアイコンよりも高くして、表示することとすればよい。この場合、制御部20は、例えば、カメラのアプリケーションのアイコンをゲームのアプリケーションのアイコンよりも大きく表示したり、カメラのアプリケーションのアイコンをゲームのアプリケーションのアイコンよりも上側に表示したりするなどすればよい。ステップS38の処理が行われた後は、図3のステップS16に移行する。なお、ユーザが図5(b)に示す姿勢で両手で携帯機器10を保持した場合もカメラのアプリケーションの表示を目立つようにする。
一方、図4のステップS30の判断が否定された場合には、制御部20は、ステップS40に移行する。ステップS40では、制御部20は、ユーザによる携帯機器10の持ち方がパターン2であるか否かを判断する。ここで、パターン2とは、例えば、図6(a)に示すような持ち方のパターンであるものとする。この図6(a)に示す持ち方のパターン2では、図6(b)に示すようにユーザが携帯機器10を横位置で保持している可能性が高い。したがって、ステップS40の判断が肯定されると、制御部20は、ステップS42に移行し、ゲームのアプリケーションのアイコンを表示した後、図3のステップS16に移行する。
これに対し、ステップS40の判断が否定された場合には、ステップS44において、制御部20は、ユーザによる携帯機器10の持ち方がパターン3であるか否かを判断する。ここで、パターン3とは、例えば、図7(a)に示すような持ち方のパターンであるものとする。この図7(a)に示す持ち方のパターン3では、図7(b)に示すようにユーザが携帯機器10を縦位置(ユーザが携帯機器10を縦長の状態で保持している位置)で保持している可能性が高い。したがって、ステップS44の判断が肯定されると、制御部20は、ステップS46に移行し、電話のアプリケーションのアイコンを表示した後、図3のステップS16に移行する。なお、電話のアプリケーションには、様々なアプリケーションが存在する場合がある。例えば、携帯機器10が有する電話機能のほか、インターネットを利用した電話のアプリケーション(スカイプやバイバーなど)もある。このような場合には、全てのアプリケーションを表示することとしてもよいし、よく利用するアプリケーションのアイコンを1又は複数表示するようにしてもよい。このステップS46に代えて、図7(b)に示すようにユーザの耳が第1面に触れていることをタッチセンサ18Aで検出した場合には、声で携帯機器10を操作するアプリケーションであるボイルコントロールのアプリケーションを起動してもよい。この場合、ユーザが電話を掛けたい相手の名前(例えば、鈴木太郎)を発したときに、制御部20が、フラッシュメモリ17に記憶されている電話番号を用いて自動的に電話をかけるようにしてもよい。なお、ステップS44の判断が否定された場合には、ステップS48に移行する。また、ユーザが電話機能を利用する際に、右手で携帯機器10を保持する場合と左手で携帯機器10を保持する場合とがあるので、図7(a)の持ち方を反転させた場合も電話のアプリケーションを表示すればよい。
ステップS48では、制御部20は、ユーザによる携帯機器10の持ち方がパターン4であるか否かを判断する。ここで、パターン4とは、例えば、図7(c)に示すように携帯機器10を縦位置でかつユーザの口の位置と携帯機器10が対向する持ち方のパターンであるものとする。すなわち、前面撮像部11によりユーザの口が撮像できる持ち方である。この図7(c)に示す持ち方のパターン4では、図7(d)に示すようにユーザが携帯機器10を保持している可能性が高い。したがって、ステップS48の判断が肯定されると、制御部20は、ステップS50に移行し、ボイスコントロールのアプリケーションのアイコンを表示した後、図3のステップS16に移行する。一方、ステップS48の判断が否定された場合には、ステップS52に移行する。
ステップS52では、制御部20は、ユーザによる携帯機器10の持ち方がパターン5であるか否かを判断する。ここで、パターン5とは、例えば、図8(a)に示すような持ち方のパターンであるものとする。この図8(a)に示す持ち方のパターン5では、図8(b)や図8(c)に示すようにユーザが携帯機器10を縦位置で保持している可能性が高い。このステップS52の判断が肯定された場合には、制御部20は、ステップS54に移行する。
ここで、携帯機器10のマニュアルでは、ユーザがブラウザを利用したいときには、図8(b)に示すように、指をディスプレイ13上(タッチセンサ18A上)でスクロールする動作を擬似的に行う必要があり、メーラ(電子メールの作成、送受信、保存、管理を行なうソフトウエア)を利用したいときには、図8(c)に示すように、メーラで実際に行う文字入力の動作を擬似的に行う必要がある旨が定められている(記載されている)ものとする。
ステップS54では、制御部20は、画面スクロールの手の動きがあったか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、制御部20は、ステップS56において、ブラウザのアイコンをディスプレイ13上に表示する。一方、ステップS54の判断が否定された場合には、ステップS58に移行する。
ステップS58では、制御部20は、文字入力の手の動きがあったか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、制御部20は、ステップS60において、メーラのアイコンをディスプレイ13上に表示する。一方、ステップS54の判断が否定された場合、すなわち図8(b)や図8(c)の手の動きが無かった場合には、ステップS62に移行する。
ステップS62に移行した場合、制御部20は、ブラウザ及びメーラのアイコンをディスプレイ13上に表示する。制御部20は、ブラウザとメーラの優先順位が判断できない場合には、ブラウザとメーラのアイコンを並べて表示するようにすればよい。これに対し、ブラウザとメーラのうちユーザが普段からメーラを頻繁に使用しているような場合には、制御部20は、メーラの優先順位をブラウザよりも高くして、表示するようにすればよい。
ステップS56,S60,S62の各処理が終了した後は、図3のステップS16に移行する。なお、ステップS52の判断が否定された場合、すなわち、ユーザによる携帯機器10の持ち方が、パターン1~5のいずれにも該当しなかった場合(アイコンがディスプレイ13上に表示されなかった場合)にも、図3のステップS16に移行する。
図3に戻り、ステップS16では、制御部20は、ディスプレイ13にアイコンが表示されたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS10に戻る。一方、ステップS16の判断が肯定された場合には、ステップS18に移行する。
ステップS18に移行すると、制御部20は、ユーザによってアプリケーションが選択されるまで(起動するアプリケーションのアイコンがタップされるまで)待機する。そして、ユーザによってアプリケーションが選択されると、制御部20は、ステップS20において、選択されたアプリケーションを起動し、図3の全処理を終了する。
ここで、制御部20は、アプリケーションを起動した際に、当該起動したアプリケーションに応じて、各タッチセンサ18A~18Fに機能を割り当てるものとする。以下、具体的に説明する。
例えば、制御部20は、カメラのアプリケーションを起動した場合、図9に示すように、タッチセンサ18Bのうち、背面撮像部12の周囲の円環状の領域118aをズーム操作に割り当てる。また、制御部20は、タッチセンサ18Bの角部近傍の領域118bを調整のための操作に割り当てる。この場合、調整する対象(絞りや露出など)を決定するための操作は、ディスプレイ13側のタッチセンサ18Aに割り当てるものとする。また、制御部20は、タッチセンサ18Eの長手方向両端部近傍の領域118cをレリーズ操作に割り当てる。
なお、各タッチセンサ18A~18Fのうち機能の割り当てがあるタッチセンサ面(上述の例では、第1、2、5面)に圧電素子(例えばピエゾ素子)を設けて機能が割り当てられた面を振動させることにより、触覚によりユーザに機能の割り当てを報知することができる。複数の面に機能が割り当てられた場合には、時間差をつけて順番に圧電素子の振動による報知を行えばよい。また、図9に示すように複数のレリーズ118cが割り当てられる場合には、第5面(タッチセンサ18E)の右側と左側とに圧電素子を設けて、この2つの圧電素子を同位相で振動させて、ユーザに複数のレリーズ機能が割り当てられたことを報知してもよい。また、第5面のタッチセンサ18Eに左側にユーザの指がある場合には、左側の圧電素子のみを駆動させて、ユーザに左指によりレリーズが可能であることを報知させるようにしてもよい。また、第2面に設けられた調整領域118bや、第1面に設けられた決定領域をユーザがタッチしたのに応じて、第2面や第1面の圧電素子を駆動させてユーザに操作を受け付けたことを触覚により報知してもよい。
更に、携帯機器10の持ち方に応じてディスプレイ13の表示を変更する場合(図4のフローチャート)に、第1面や、ユーザの指がある面に設けられた圧電素子を振動させてユーザにディスプレイ13の表示の変更を報知してもよく、この後のユーザの操作に応じて圧電素子を振動させてもよい。なお、振動を発生させる圧電素子の振動制御も制御部20により行われる。
このようにすることで、ユーザは、一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラ等で通常行う操作と同様の操作(円環状の領域118aでズームリングを回転させるような操作)を行うことで、直感的に、携帯機器10で起動したカメラのアプリケーションを操作することができる。また、上記のように各タッチセンサ18A~18Fに機能を略左右対称に割り当てることで、ユーザが右利きであるか左利きであるかに関わらず、ユーザが操作しやすい位置に各機能を割り当てることができる。また、携帯機器10の異なる面に各種操作を割り当てているのでユーザの指同士が交差(干渉)することがなくスムーズな操作を実現することができる。
また、例えば、制御部20は、ゲームのアプリケーションを起動した場合には、各タッチセンサ18A~18Fに、必要な操作の機能を割り当てるものとする。その他、ブラウザやメーラを起動した場合には、制御部20は、タッチセンサ18Eや18Fに画面スクロールの機能を割り当てるものとする。
また、例えば、制御部20は、文字入力が必要なアプリケーションでは、動かした指の本数や動かしたのがどの指かに応じた文字入力が可能な機能をタッチセンサに割り当てる等する。
なお、図6の各判断(S30,S40,S44,S48,S52)の順番は一例である。したがって、必要に応じて、適宜順番を変更してもよい。また、図6の各処理・判断の一部を省略するなどしてもよい。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、携帯機器10の面にタッチセンサ18A~18Fが設けられ、制御部20は、タッチセンサ18A~18Fの検出結果に基づいて、ユーザによる携帯機器10の持ち方を判別し、当該判別結果に応じたアプリケーションのアイコンをディスプレイ13上に表示し、かつ、タッチセンサ18A~18Fに、起動するアプリケーションに応じた機能を割り当てる。したがって、本実施形態では、ユーザが所定のアプリケーションを利用しようと携帯機器10を持ったときに、当該所定のアプリケーションのアイコンがディスプレイ13上に表示されるので、ユーザは、従来のように多数のアイコンの中からこれから利用するアプリケーションのアイコンを探しだして、選択するという操作をしなくてもよくなる。これにより携帯機器10の使い勝手を向上することができる。また、ユーザが緊急事態で動揺している場合や、泥酔状態で手元がおぼつかない状態にある場合であっても、簡易に利用したいアプリケーションを起動することができるので、この点からも、携帯機器10の使い勝手を向上することができる。また、本実施形態では、アプリケーションに応じてタッチセンサ18A~18Fに機能が割り当てられるため、アプリケーションにおける操作性を向上することができる。
また、本実施形態では、制御部20は、前面撮像部11によるユーザの撮像結果に基づいて、ユーザによる携帯機器10の持ち方の違い(図5(b)や図5(c)のような持ち方の違い)を判別し、当該判別結果に応じてアプリケーションのアイコンをディスプレイ13上に表示するので、携帯機器10を顔の前で持っているのか胸の前で持っているのか等に基づいて、これから利用する可能性の高いアプリケーションのアイコン表示を適切に行うことが可能となる。
また、本実施形態では、制御部20は、タッチセンサ18A上でのユーザの指の動きに基づいてアプリケーションのアイコンをディスプレイ13上に表示する(図8参照)ので、ブラウザやメーラのように携帯機器10の持ち方がほぼ同一である場合でも指の動きから、ユーザが利用しようとしているアプリケーションのアイコンを適切にディスプレイ13上に表示することができる。
また、本実施形態では、制御部20は、ディスプレイ13上に複数のアプリケーションのアイコンを優先順位をつけて表示する。これにより、携帯機器10の持ち方に応じて複数のアプリケーションのアイコンがディスプレイ13上に表示される場合であっても、優先順位をつけて表示することで、ユーザは、利用する可能性の高いアプリケーションを選択しやすくなる。
また、本実施形態では、図9で説明したように、ディスプレイ13とは反対側のタッチセンサ18Bに指の動きに応じた操作を割り当てることで、ユーザは、ディスプレイ13を見ながら指(例えば人差し指)を動かすことによる携帯機器10の操作が可能となる。これにより、携帯機器10の操作性が向上するとともに、親指や人差し指を用いた様々な操作が可能になる。
また、制御部20は、タッチセンサ18Aに起動するアプリケーションに関する調整メニューの選択機能(デジカメであれば、絞りや露出を選択する機能)を割り当て、タッチセンサ18Bに起動するアプリケーションの調整度合いに関する機能(絞りを大きくするなどの機能)を割り当てることができるので、通常の機器(例えば一眼レフカメラ)と同様の操作(タッチパネル上での擬似的操作)により、携帯機器10を操作することができる。
なお、上記実施形態では、制御部20が、携帯機器10の持ち方に基づいてアプリケーションのアイコンを表示する場合について説明したが、これに限らず、例えば、ユーザの位置や姿勢を更に考慮して、ユーザが利用する可能性の高いアプリケーションのアイコンを表示することとしてもよい。例えば、カメラとゲームのいずれかを利用する可能性が高い場合において、GPSモジュール16による位置検出結果からユーザが電車内に存在していると判断でき、かつ加速度センサ19の検出結果からユーザが座っていると判断できたとする。この場合、制御部20は、ユーザが電車内で落ち着いた状態であることから、ユーザはゲームを利用する可能性が高いと判断し、ディスプレイ13上にゲームのアプリケーションのアイコンをカメラのアプリケーションのアイコンよりも高い優先順位で表示するなどする。また、制御部20は、ユーザが道を歩いている場合には、ナビゲーションのアプリケーションのアイコンを表示し、ユーザが駅構内に存在しているときには、乗り換え案内のアプリケーションのアイコンを表示するなどする。なお、制御部20は、ユーザが座っているか立っているかについて、加速度センサ19の検出結果を用いて判断する場合に限らず、例えば、背面撮像部12の撮像結果を用いて判断することとしてもよい。例えば、制御部20は、背面撮像部12によって膝が撮像された場合には、ユーザが座っていると判断し、靴が撮像された場合には、ユーザが立っていると判断するなどすればよい。
なお、携帯機器10(ユーザ)の位置は、無線WiFiの接続先情報(基地局情報)を用いて検出するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、タッチセンサが携帯機器10の6面全てに設けられた場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、携帯機器10の第1面(前面)と、その他の少なくとも1面にタッチセンサが設けられることとしてもよい。
また、上記実施形態では、ディスプレイ13として、透過型両面ディスプレイを採用してもよい。この場合、第1面(前面)でメニューを視認しつつ、その向こう側(背面)が視認できることになる。このため、第2面(背面)にある指の位置を視認しながらタッチセンサ18Bを操作することが可能となる。
なお、上記実施形態では、タッチセンサ18A~18Fによって指紋等からユーザの属性を検出し、制御部20が、当該属性に応じたアプリケーションのアイコンを表示するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザの属性に応じたアイコンの表示が可能となる。例えば、制御部20は、ユーザがよく利用するアプリケーションを表示(優先的に表示)したり、ユーザが利用してはいけないアプリケーションを表示しないようにすることができる(例えばペアレンタルロック機能など)。なお、タッチセンサを利用した指紋の検出については、例えば、特開2010-55156号公報等に開示されている。なお、制御部20は、背面撮像部12の撮像結果から、ユーザが車の運転席に座っていることがわかるような場合(ハンドルが正面から撮像されたような場合)には、運転に支障があるアプリケーションの起動を制限するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、制御部20は、ユーザが携帯機器10を振ったことを加速度センサ19で検出し、当該携帯機器10を振った時点での携帯機器10の持ち方をタッチセンサ18A~18Fを用いて判別することとしてもよい。このようにすることで、ユーザが必要としていないときにアイコンが表示されてしまうなどの誤作動が生じるのを抑制することができる。
なお、上記実施形態では、タッチセンサとあわせて感圧センサを各面に設けることとしてもよい。この場合、制御部20は、ユーザが携帯機器10を強く握った場合と弱く握った場合とで、異なる操作と認識するようにしてもよい。例えば、制御部20は、カメラのアプリケーションが起動している状態でユーザが強く握った場合には高画質で撮像を行い、弱く握った場合には低画質で撮像するなどしてもよい。
なお、上記実施形態では、携帯機器10の筐体を柔軟な形態変化が可能な材料で製造してもよい。この場合、制御部20は、ユーザの操作による形態の変化(ひねりなど)に応じて、アプリケーションのアイコンを表示したり、操作を受け付けたりするようにしてもよい。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。なお、これまでの説明で引用した公報の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。