WO2013069682A1 - ラジアルフォイル軸受 - Google Patents

Abstract

　回転軸（１）を取り囲んでこの回転軸（１）を支持するラジアルフォイル軸受（３，３Ａ）は、回転軸（１）に対向して配置される円筒状のトップフォイル（１０）と、トップフォイル（１０）の径方向外側に配置されるバックフォイル（１１）と、トップフォイル（１０）及びバックフォイル（１１）を収容する円筒状の軸受ハウジング（１２）と、を備える。また、軸受ハウジング（１２）の内周面の両側端部には、それぞれ、係合凸部（１５）が設けられる。バックフォイル（１１）の両側端部には、それぞれ、係合凸部（１５）に係合する係合切欠（１６）が形成されている。

Description

ラジアルフォイル軸受

　本発明は、ラジアルフォイル軸受に関する。
　本願は、２０１１年１１月９日に日本に出願された特願２０１１－２４５７０６号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　従来、高速回転体用の軸受として、回転軸を取り囲むように装着されて用いられるラジアル軸受が知られている。このようなラジアル軸受としては、軸受面を形成する薄板状のトップフォイルと、このトップフォイルを弾性的に支持するバックフォイルと、上記トップフォイル及び上記バックフォイルを収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備えたラジアルフォイル軸受がよく知られている。ラジアルフォイル軸受のバックフォイルとしては、薄板を波板状に成形したバンプフォイルが主として用いられている。

　このようなラジアルフォイル軸受にあっては、通常、トップフォイルやバックフォイルの軸受ハウジングからの脱落を防止するため、その一端部(止端部)がスポット溶接によって軸受ハウジングに直接、あるいはスペーサを介して間接的に固定されている。
　また、溶接に代えて機械的に固定を行うべく、トップフォイルやバックフォイル（バンプフォイル）の端部を曲げ加工によって折り曲げ、この折り曲げ部を軸受ハウジングに形成した係合溝に係合させた構造を有するラジアルフォイル軸受も知られている（例えば、特許文献１～３参照）。

日本国特開２０１１－０３３１７６号公報 日本国特開２０１１－０１７３８５号公報 日本国特開２００２－０６１６４５号公報

　しかし、軸受ハウジングへのバックフォイル(バンプフォイル)の固定を溶接で行うと、入熱によってバックフォイルや軸受ハウジングが変形する場合があり、この影響を受けてトップフォイルに歪みが生じる可能性がある。また、前記特許文献１～３に開示された軸受においても、トップフォイルやバックフォイルを曲げ加工しているため、トップフォイルに歪みが生じる可能性がある。すなわち、曲げ加工によってトップフォイル及びバックフォイルのそれぞれに歪みが生じた場合、バックフォイルはトップフォイルを支持しているため、バックフォイルの歪みがトップフォイルに影響し、トップフォイルの歪みがより大きくなる可能性がある。

　さらに、回転軸の回転によってこの回転軸とトップフォイルとの間に形成されるフォイル軸受の流体潤滑膜の厚さは、１０μｍ程度と非常に薄い。そのため、トップフォイルに少しでも歪みが生じると、軸受の負荷能力や動特性(剛性と減衰性能)に影響が及び、設計通りの性能が得られない可能性がある。

　また、ラジアルフォイル軸受の軸受性能を向上させるためには、バックフォイルをその周方向で複数に分割することが有効であると考えられる。しかし、その場合には、軸受ハウジングに対するバックフォイルの固定点が多くなり、従来の溶接による固定では溶接箇所が増えるため、工数が増え、製造コストが増大する可能性がある。また、溶接箇所が増えると、全箇所が良好に溶接できなければ製品として出荷できないため、品質維持が難しくなり、良品率の低下によるコストアップも懸念される。

　本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トップフォイルに生じる歪みを十分に少なくでき、軸受の負荷能力や動特性(剛性と減衰性能)について設計通りの良好な性能が得られるようにするとともに、コストアップを抑制できる、ラジアルフォイル軸受を提供することを目的とする。

　本発明の第１の態様によれば、回転軸を取り囲んでこの回転軸を支持するラジアルフォイル軸受は、前記回転軸に対向して配置される円筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、前記トップフォイル及び前記バックフォイルを収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備える。また、前記軸受ハウジングの内周面の両側端部には、それぞれ、係合凸部が設けられる。前記バックフォイルの両側端部には、それぞれ、前記係合凸部に係合する係合切欠が形成されている。

　このラジアルフォイル軸受にあっては、軸受ハウジングの内周面の両側端部にそれぞれ設けた係合凸部に、バックフォイルの両側端部にそれぞれ形成した係合切欠を係合させることにより、バックフォイルを軸受ハウジングに固定する。そのため、バックフォイルに対してスポット溶接や曲げ加工を行うことなく、バックフォイルを軸受ハウジング内に収容・固定することができる。したがって、スポット溶接や曲げ加工を原因とするバックフォイルの歪みの影響によりトップフォイルに歪みが生じることが防止され、トップフォイルの歪みを十分に少なくできる。また、バックフォイルの溶接が不要であるため、溶接不良による組立て不良や組立てのバラツキを無くすことができる。

　本発明の第２の態様によれば、上記第１の態様において、前記軸受ハウジングの両側面には、それぞれ、この軸受ハウジングの内周面から外周面に向かって延びる係合凹部が互いに対向して形成されてもよい。また、前記軸受ハウジングの内周面には、互いに対向する前記係合凹部間に、これら係合凹部に連通し、前記軸受ハウジングの外周面側に向かう深さが前記係合凹部より浅い係合溝が形成されてもよい。前記係合凹部および前記係合溝には、係止部材が係止されてもよい。前記係止部材は、前記係合凹部に係合する一対の係合アームと、前記係合溝に係合すると共に前記一対の係合アームを連結する連結部と、を有してもよい。前記一対の係合アームの、前記係合凹部に係合する側と反対の側の一部が、前記軸受ハウジングの内周面より突出して設けられてもよい。前記係合アームの一部によって前記係合凸部が構成されてもよい。
　このようにすれば、比較的簡易な加工と組み立てで軸受ハウジングに係合凸部を形成することができる。

　本発明の第３の態様によれば、上記第１又は第２の態様において、前記係合切欠は、前記バックフォイルの周方向での中央部に形成されていてもよい。
　バックフォイルは、トップフォイルを弾性的に支持する。そのため、バックフォイルがトップフォイルから荷重を受けた際には、その周方向に変形することでトップフォイルの撓みを許容し、これを支持する。しかし、バックフォイルは周方向に変形する際、軸受ハウジングとの間の摩擦の影響を受けるため、軸受ハウジングと固定されていない自由端側では変形し易いが、軸受ハウジングに固定されている固定端側では変形し難い。また、フォイル軸受の支持剛性は、バックフォイルの変形のし易さに関係している。そのため、自由端側と固定端側とでは支持剛性に差が生じてしまい、軸受全体として均一な支持剛性が得られない可能性がある。
　本発明では、係合切欠をバックフォイルの周方向での中央部に形成し、係合凸部による固定をバックフォイルの周方向での中央部で行っている。そのため、バックフォイルの周方向での一端部を係合凸部で固定した場合に比べ、固定端（係合凸部による固定部）と自由端（バックフォイルの端部）との間の距離がほぼ半分になり、軸受ハウジングとの間の摩擦の影響を抑制でき、自由端側と固定端側との間の支持剛性の差を十分に小さくできる。

　本発明の第４の態様によれば、上記第１又は第２の態様において、前記バックフォイルは、前記トップフォイルの周方向に沿って配置された複数のバックフォイル片を有して構成されてもよい。また、前記バックフォイル片には、それぞれ前記係合切欠が形成されていてもよい。
　このようにすれば、バックフォイル片における固定端と自由端との間の距離が短くなるため、前述したように自由端側と固定端側との間の支持剛性の差が小さくなる。したがって、バックフォイル全体での支持剛性のバラツキを少なくできる。

　本発明の第５の態様によれば、上記第４の態様において、前記係合切欠は、前記バックフォイル片の周方向での中央部に形成されていてもよい。
　このようにすれば、各バックフォイル片の、自由端側と固定端側との間の支持剛性の差がさらに小さくなる。したがって、バックフォイル全体での支持剛性のバラツキをより少なくできる。

　本発明の第６の態様によれば、上記第１から第３のいずれか１つの態様において、前記バックフォイルは、前記軸受ハウジングの周方向に沿って、この軸受ハウジングと接する谷部と、前記トップフォイルに接する山部とを交互に形成した波板状に形成されていてもよい。また、前記係合切欠は、前記谷部に形成されていてもよい。
　このようにすれば、バックフォイルの山部がトップフォイルに接するため、谷部に形成された係合切欠に係合する係合凸部は、トップフォイルに干渉しないように配置可能となる。

　本発明の第７の態様によれば、上記第４又は第５の態様において、前記バックフォイル片は、前記軸受ハウジングの周方向に沿って、この軸受ハウジングと接する谷部と、前記トップフォイルに接する山部とを交互に形成した波板状に形成されていてもよい。また、前記係合切欠は、前記谷部に形成されていてもよい。
　このようにすれば、バックフォイル片の山部がトップフォイルに接するため、谷部に形成された係合切欠に係合する係合凸部は、トップフォイルに干渉しないように配置可能となる。

　本発明のラジアルフォイル軸受によれば、バックフォイルにおける歪みの発生を防止でき、トップフォイルの歪みを十分に少なくできる。そのため、軸受の負荷能力や動特性(剛性と減衰性能)について、設計通りの良好な性能を得ることができる。
　また、溶接を不要にして溶接不良による組立て不良や組立てのバラツキを抑制できるため、良品率の向上によるコストダウンを図ることができる。

本発明の第１実施形態におけるラジアルフォイル軸受が適用されるターボ機械を示す模式図である。 本発明の第１実施形態におけるラジアルフォイル軸受の概略側面図である。 図２Ａの要部の分解斜視図である。 図２Ａの要部の斜視図である。 図２Ａの要部を平坦化して模式的に示す側面図である。 図３ＡのＡ－Ａ線矢視図である。 本発明の第２実施形態におけるラジアルフォイル軸受の概略側面図である。 図４Ａの要部の分解斜視図である。 図４ＡのＢ－Ｂ線矢視断面図である。 本発明の変形例を示す要部断面図である。

　以下、図面を参照して本発明のラジアルフォイル軸受を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。

（第１実施形態）
　図１は、本発明の第１実施形態におけるラジアルフォイル軸受が適用されるターボ機械を示す模式図である。図１中の符号１は回転軸、符号２は回転軸の先端部に設けられたインペラ、符号３は本発明に係るラジアルフォイル軸受である。なお、図１では省略してラジアルフォイル軸受を一つのみ記載しているが、通常は回転軸１の軸方向にラジアルフォイル軸受が２つ設けられて、回転軸１の支持構造が構成される。したがって、図示しないが、本実施形態においてもラジアルフォイル軸受３は２つ設けられている。

　回転軸１には、インペラ２が形成された側にスラストカラー４が固定されている。このスラストカラー４の両側には、このスラストカラー４に対向してスラスト軸受５がそれぞれ配置されている。
　また、インペラ２は静止側となるハウジング６内に配置されており、インペラ２とハウジング６との間にチップクリアランス７が形成されている。
　また、回転軸１には、スラストカラー４より回転軸１の中央側に、ラジアルフォイル軸受３が取り囲むように装着されている。

　図２Ａ～２Ｃは、このような構成のターボ機械に適用されるラジアルフォイル軸受の第１実施形態を示している。本実施形態のラジアルフォイル軸受３は、その概略構成を示す側面図である図２Ａに示すように、回転軸１を取り囲んで回転軸１を支持する円筒状に形成されている。ラジアルフォイル軸受３は、回転軸１に対向して配置される円筒状のトップフォイル１０と、トップフォイル１０の径方向外側に配置されるバックフォイル１１と、バックフォイル１１の径方向外側に配置される軸受ハウジング１２とを備えて構成されている。なお、図２Ａは、ラジアルフォイル軸受３を回転軸１の軸方向から見た側面図である。

　軸受ハウジング１２は、ラジアルフォイル軸受３の最外部を構成し、金属等を用いて円筒状に形成されている。軸受ハウジング１２は、その内部にバックフォイル１１およびトップフォイル１０を収容している。この軸受ハウジング１２には、その内周面に、軸受ハウジング１２の軸方向に沿って溝１３が形成されている。
　すなわち、軸受ハウジング１２の内周面には、軸受ハウジング１２の軸方向の全長に亘って溝１３が形成されている。この溝１３は、その深さ方向が、後述するトップフォイル１０の一方の側１０ａが延び出る方向に一致するように形成されている。また、その深さは、２ｍｍ～５ｍｍ程度とされる。

　また、軸受ハウジング１２の外周面側には、溝１３に連通する一対の孔１４が形成されている。これら孔１４には、後述するように溝１３内に差し入れられたトップフォイル１０の一方の側１０ａを、溝１３内に固定するために用いられる雄ネジが挿入される。孔１４の内周面には雌ネジ部が形成されている。

　また、軸受ハウジング１２の内周面には、図２Ａの要部の分解斜視図である図２Ｂに示すように、その両側端部（回転軸１の軸方向での両側端部）にそれぞれ、係合凸部１５が互いに対向して（回転軸１の軸方向で対向して）形成配置されている。すなわち、一対の係合凸部１５は、軸受ハウジング１２の周方向における同じ位置に配置されている。係合凸部１５は、係合凸部１５が形成された軸受ハウジング１２の内周面に直交する方向に突出し、横断面が矩形状の柱状（又は台状等）に形成されている。係合凸部１５の高さは、０．１～０．３ｍｍ程度、好ましくは０．２ｍｍ～０．２５ｍｍ程度に設定されている。なお、このような係合凸部１５、１５は、旋盤加工等によって軸受ハウジング１２を円筒状に形成した後、例えば放電加工やワイヤカット放電加工等、又はこれらの組み合わせにより、形成することができる。

　係合凸部１５は、本実施形態では図２Ａに示すように、軸受ハウジング１２の側面をその周方向にほぼ３分割する位置にそれぞれ配置されている。したがって、係合凸部１５が軸受ハウジング１２の周方向での３箇所に形成され、かつ、内周面の両側端部に形成されていることから、合計６つの係合凸部１５が形成されている。これら係合凸部１５には、後述するバックフォイル１１の係合切欠１６がそれぞれ係合している。なお、本実施形態では、軸受ハウジング１２の側面視（図２Ａ参照）において、係合凸部１５が配置されている３箇所（実際には６箇所）のうちの２箇所（実際には４箇所）の間に、溝１３が配置されている。

　バックフォイル１１は、フォイル（金属等の薄板）を用いて形成され、トップフォイル１０を弾性的に支持する。このようなバックフォイル１１としては、例えばバンプフォイルや、特開２００６－５７６５２号公報や特開２００４－２７０９０４号公報などに記載されているスプリングフォイル、特開２００９－２９９７４８号公報などに記載されているバックフォイルなどが用いられる。本実施形態では、バックフォイル１１としてバンプフォイルを用いている。ただし、上記のスプリングフォイルやバックフォイルを、本発明のバックフォイルとして用いてもよい。

　バックフォイル（バンプフォイル）１１は、図２Ａに示すように、本実施形態では、トップフォイル１０の周方向（軸受ハウジング１２の周方向）に沿って配置された３つ（複数）のバックフォイル片１１ａを有して構成されている。これらバックフォイル片１１ａは、フォイル（薄板）が波板状に成形され、かつ、側面視において全体として略円弧状になるように成形されている。３つのバックフォイル片１１ａは、全て同じ形状・寸法に形成されている。したがって、これらバックフォイル片１１ａは、軸受ハウジング１２の内周面を周方向にほぼ３分割するように配置されている。

　また、これらバックフォイル片１１ａは、溝１３を挟む位置ではある程度の隙間をあけて配置されているが、それ以外の位置では、互いの端部が近接して配置されている。このような構成によって３つのバックフォイル片１１ａは、全体として略円筒形状に形成されて、軸受ハウジング１２の内周面に沿って配置されている。

　また、このように波板状に成形されたバックフォイル片１１ａは、図２Ａの要部を平坦化して模式的に示す図３Ａに示すように、軸受ハウジング１２の周方向（図３Ａでの左右方向）に沿って、軸受ハウジング１２と接する平坦な谷部１１ｂと、トップフォイル１０に接する湾曲した山部１１ｃとを交互に形成することで構成されている。これによってバックフォイル片１１ａは、特にトップフォイル１０に接する山部１１ｃにより、トップフォイル１０を弾性的に支持している。また、ラジアルフォイル軸受３の軸方向に、山部１１ｃや谷部１１ｂによる流体の通路を形成している。谷部１１ｂは軸受ハウジング１２の内周面に沿って略平坦に形成され、山部１１ｃは側面視において軸受ハウジング１２の径方向内側（トップフォイル１０側）に向けて突出するように湾曲している。なお、図３Ａには１つのバックフォイル片１１ａが示されている。

　また、各バックフォイル片１１ａには、図３ＡのＡ－Ａ線矢視図である図３Ｂに示すように、その周方向での中央部（軸受ハウジング１２の周方向に沿う方向での中央部）の両側端部（回転軸１の軸方向での両側端部、図３Ｂの上下方向での両側端部）に、係合切欠１６がそれぞれ形成されている。係合切欠１６は、図２Ｂに示すようにバックフォイル片１１ａの谷部１１ｂに形成されている。より詳細には、係合切欠１６は、山部１１ｃ、１１ｃ間に形成された平坦部からなる谷部１１ｂが、その側縁から内側に向かって矩形状に切り欠かれることで形成されている。

　係合切欠１６は、軸受ハウジング１２の係合凸部１５に対応する位置、すなわち係合凸部１５と重なる位置に形成されている。係合切欠１６は、その縦横の幅が、係合凸部１５に係合するように係合凸部１５の縦横の幅とほぼ同じに形成されている。具体的には、軸受ハウジング１２の周方向に沿う横幅が０．２ｍｍ～０．４ｍｍ程度、軸受ハウジング１２の軸方向に沿う縦幅が１ｍｍ～２ｍｍ程度となっている。

　なお、係合切欠１６の形成については、バリが発生せず、ストレスによる歪みも生じないように、フォイルに対するエッチング加工や放電加工を用いることが好ましい。すなわち、エッチング加工や放電加工でフォイルに係合切欠１６を形成した後、山部１１ｃや谷部１１ｂを形成するためのプレス成型を行い、バックフォイル片１１ａを形成することが好ましい。
　このような構成のもとに、軸受ハウジング１２の係合凸部１５には、図２Ｃに示すようにバックフォイル片１１ａの係合切欠１６が係合している。

　図２Ａに示すように、トップフォイル１０は、３つのバックフォイル片１１ａからなるバックフォイル１１の内面に沿って円筒状に巻かれて形成されている。トップフォイル１０は、一方の側１０ａの先端部が軸受ハウジング１２に形成された溝１３に係合するように配設されている。
　このトップフォイル１０は、軸受周方向を長辺とし、軸受軸方向を短辺とする矩形状の金属箔が長辺の長さ方向（軸受周方向）に円筒状に巻かれて、形成されている。

　このトップフォイル１０は、上記金属箔の両端が突き合わされるように巻かれることなく、一方の側１０ａが他方の側の外側に重なるように巻かれている。また、一方の側１０ａは、これ以外の部分で形成される円筒部の所定位置での接線方向に、延び出て形成されている。
　また、軸受ハウジング１２における溝１３は、その深さ方向が、トップフォイル１０の一方の側１０ａの延び出る方向に一致するように形成されている。

　したがって、トップフォイル１０は、その一方の側１０ａの延び出た方向が溝１３の深さ方向に一致するように配置されて、その一方の側１０ａの先端部が溝１３に係合している。これにより、トップフォイル１０は、その一方の側１０ａが溝１３に係合した状態では溝１３からのストレスを受けず変形しないため、歪みが生じない。

　また、本実施形態では、溝１３に係合しているトップフォイル１０の一方の側１０ａは、雄ネジ１７によって溝１３内に固定されている。すなわち、雄ネジ１７が孔１４に螺合し挿入されることにより、一方の側１０ａが溝１３の内壁面に密着して固定されている。なお、このように溝１３の内壁面に密着することによる一方の側１０ａの変形は僅かであり、したがって、この変形によってトップフォイル１０に歪みが生じることはほとんどない。

　また、トップフォイル１０の一方の側１０ａと、これと反対の他方の側とには、これらの間の中央部に比べて薄厚な薄肉部１８が形成されている。これら薄肉部１８は、その外周面（バックフォイル１１側の面）が上記中央部の外周面より凹んだ状態となるよう、薄厚化（薄肉化）されて形成されている。

　薄肉部１８を形成するには、例えばエッチング加工によってトップフォイル１０の両端部を、十μｍ単位でコントロールして所望の厚さ（薄さ）に形成する。具体的には、軸受径φ３５ｍｍとした場合、トップフォイル１０の厚さを１００μｍとすると、薄肉部１８の厚さは８０μｍ程度となる。なお、このようなエッチング加工では、曲げ加工などに比べてトップフォイル１０に生じる応力が極めて小さく、したがってトップフォイル１０に歪みが生じることもほとんどない。
　また、薄肉部１８の周方向の長さは、例えば、溝１３から、溝１３の隣に位置する、バックフォイル１１の端部の山一つまでの長さに対応している。

　このようにトップフォイル１０の両端部に薄肉部１８を形成したことにより、これら両端部（薄肉部１８）は弾性変形し易くなる。したがってこれら両端部は軸受ハウジング１２の内周面を構成する曲面に沿って曲がる。これにより、トップフォイル１０では、その両端部においても回転軸１を締め付ける力（局所的なプリロード）がほとんど発生しない。

　すなわち、従来のようにトップフォイルの一端部(止端部)をスポット溶接で軸受ハウジングに固定した場合、その両端付近(止端側と自由端側)が軸受ハウジングの内周面を構成する曲面になじみ難く、平面に近い状態になる。すると、平面に近いこれらの部位では回転軸を締め付ける力（局所的なプリロード）が発生する可能性がある。その結果、始動トルクが高くなったり、運転中の発熱が設定以上に高くなったりするなどの不都合が起こる場合がある。これに対し、本実施形態のトップフォイル１０では、その両端部に薄肉部１８を形成したことにより、上記したように回転軸１を締め付ける力（局所的なプリロード）がほとんど発生しない。

　また、トップフォイル１０の両端部の外周面を、上記中央部の外周面より凹んだ状態となるように薄厚化して薄肉部１８を形成している。そのため、薄肉部１８と、その外周面側を支持するバックフォイル１１における端部の１つの山との間に、隙間が形成される。これにより、薄肉部１８においては、回転軸１を締め付ける力（局所的なプリロード）が生じることが確実に防止される。

　次に、このような構成からなるラジアルフォイル軸受３の作用について説明する。
　回転軸１が停止した状態では、トップフォイル１０はバックフォイル１１（３つのバックフォイル片１１ａ）によって回転軸１側に付勢されることで回転軸１に密着している。
　なお、本実施形態では、トップフォイル１０の両端部が薄肉部１８となっているので、これら薄肉部１８では回転軸１を締め付ける力（局所的なプリロード）がほとんど生じない。

　回転軸１を図２Ａ中の矢印Ｐ方向に始動させると、最初は低速で回転を始め、その後徐々に加速して高速で回転する。すると、図２Ａ中の矢印Ｑで示すように、トップフォイル１０の一方の側１０ａとバックフォイル片１１ａの一端との間から周囲流体が引き入れられ、トップフォイル１０と回転軸１との間に流入する。これにより、トップフォイル１０と回転軸１との間に流体潤滑膜が形成される。

　この流体潤滑膜の膜圧は、トップフォイル１０に作用し、トップフォイル１０に接するバックフォイル片１１ａの個々の山部１１ｃは径方向外側に向けて押圧される。バックフォイル片１１ａがトップフォイル１０から押圧されることにより、その山部１１ｃが押し広げられる。これによってバックフォイル片１１ａは軸受ハウジング１２上をその周方向に動く。
　すなわち、バックフォイル片１１ａ（バックフォイル１１）は、トップフォイル１０を弾性的に支持するため、トップフォイル１０から荷重を受けた際にはその周方向に変形することで、トップフォイル１０の撓みを許容し、これを支持する。

　しかし、図２Ｃに示すように、バックフォイル片１１ａの側縁部に設けられた係合切欠１６に、軸受ハウジング１２の係合凸部１５が係合している。これによってバックフォイル片１１ａは全体として、軸受ハウジング１２の内周面上で周方向に移動することが防止されている。したがって、バックフォイル片１１ａの個々の山部１１ｃは、係合凸部１５が係合している係合切欠１６を固定点（固定端）として周方向に変形する（動く）が、バックフォイル片１１ａの中心は定位置からずれない。

　また、バックフォイル片１１ａは周方向に変形する（動く）際、軸受ハウジング１２やトップフォイル１０との間の摩擦の影響を受ける。そのため、バックフォイル片１１ａの両端部、すなわち自由端側では変形し易い（動き易い）が、上記固定点（固定端）側では変形し難い。
　そのため、自由端側と固定端側とでは、バックフォイル片１１ａによる支持剛性に差が生じる。

　しかし、本実施形態では、係合切欠１６をバックフォイル片１１ａの周方向での中央部に形成し、係合凸部１５による固定点をバックフォイル片１１ａの周方向での中央部に設定している。そのため、固定端と自由端との間の距離が短くなっていることにより、支持剛性の差を小さくできる。さらに、本実施形態では、バックフォイル１１を３つのバックフォイル片１１ａに分割しているため、バックフォイル１１を１つのフォイルで形成した場合に比べ、固定端と自由端との間の距離が短くなっている。したがって自由端側と固定端側との間の支持剛性の差をより小さくできる。

　また、回転軸１が高速で回転している際、一対の係合凸部１５が軸方向での両側からバックフォイル片１１ａを挟み込むように配されているため、係合凸部１５はバックフォイル片１１ａの軸方向への動きも拘束している。よって、不測の衝撃等が軸受に作用した場合でも、バックフォイル片１１ａの軸受ハウジング１２からの脱落を防止できる。
　また、流体潤滑膜が形成されるまでの過渡状態においては、回転軸１とトップフォイル１０との間に固体摩擦が生じ、これが始動時の抵抗になる。しかし、上記したようにトップフォイル１０の両端部でプリロードが生じなくなっている。また、周囲流体が流入する側のトップフォイル１０が薄肉部１８となっていて柔らかくなっており、トップフォイル１０の端部（薄肉部１８）と回転軸１との間が開口し易くなっている。この構成により、回転軸１が始動すると早期に流体潤滑膜が形成され、回転軸１は短時間でトップフォイル１０に対して非接触状態で回転できる。

　このようなラジアルフォイル軸受３にあっては、軸受ハウジング１２の内周面の両側端部にそれぞれ設けた係合凸部１５に、バックフォイル片１１ａの両側端部にそれぞれ形成した係合切欠１６を係合させている。この構成により、バックフォイル片１１ａを軸受ハウジング１２に固定しているので、バックフォイル片１１ａに対してスポット溶接や曲げ加工を行うことなく、バックフォイル片１１ａを軸受ハウジング１２内に収容・固定することができる。したがって、スポット溶接や曲げ加工を原因とするバックフォイル１１（バックフォイル片１１ａ）の歪みの影響によってトップフォイル１０に歪みが生じることを防止し、トップフォイル１０の歪みを十分に少なくすることができる。よって、軸受の負荷能力や動特性(剛性と減衰性能)について、設計通りの良好な性能を発揮させることができる。

　また、バックフォイル１１については、従来のスポット溶接や、歪みを発生させる曲げ加工を無くすことができるため、製作の難易度を低下させ、製造コストを低減することができる。すなわち、溶接不良による組立て不良や組立てのバラツキを抑制できるので、良品率の向上によるコストダウンを図ることができる。また、バックフォイル１１に特別な曲げ加工が不要となるため、バックフォイル１１を高精度にプレス成型することが可能になる。
　また、係合凸部１５のトップフォイル１０との接触を防止するため、バックフォイル１１（バックフォイル片１１ａ）の山部１１ｃの高さは係合凸部１５の高さより高くする必要がある。しかし、係合凸部１５の高さを調整することで、バックフォイル１１（バックフォイル片１１ａ）の山部１１ｃの高さを調整することも可能となる。したがって、バックフォイル１１について所望のバネ特性を得ることが容易になる。
　また、バックフォイル１１の溶接を不要にしたことで、良品率や性能が溶接の良し悪しに影響されない。そのため、再現性が高くなって量産性に優れた軸受となり、バックフォイル１１の周方向での複数分割化にも対応し易くなる。

　また、バックフォイル１１を、トップフォイル１０の周方向に沿って配置された３つ（複数）のバックフォイル片１１ａで構成し、これらバックフォイル片１１ａにそれぞれ係合切欠１６を形成している。そのため、バックフォイル片１１ａにおける固定端と自由端との間の距離が短くなり、これによって自由端側と固定端側との間の支持剛性の差を小さくし、バックフォイル１１全体での支持剛性のバラツキを少なくすることができる。バックフォイル１１全体で均一な支持剛性と滑り特性が得られるため、大きな軸受負荷能力と、高い軸受剛性及び減衰能力を得ることができる。

　また、バックフォイル片１１ａの係合切欠１６を、バックフォイル片１１ａの周方向での中央部に形成している。そのため、バックフォイル片１１ａにおける固定端と自由端との間の距離をより短くし、これによって自由端側と固定端側との間の支持剛性の差をさらに小さくし、バックフォイル１１全体での支持剛性のバラツキをより少なくすることができる。

（第２実施形態）
　次に、図１に示したターボ機械に適用されるラジアルフォイル軸受の第２実施形態を、図４Ａ～４Ｃを参照して説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受３Ａは、図２Ａ～２Ｃ、３Ａ、３Ｂに示した第１実施形態のラジアルフォイル軸受３と、ラジアルフォイル軸受の内周面に設ける係合凸部の構造の点で異なっている。

　本実施形態のラジアルフォイル軸受３Ａでは、その概略構成を示す側面図である図４Ａに示すように、係止部材３０によって係合凸部が形成されている。すなわち、本実施形態では、軸受ハウジング１２の両側面にそれぞれ、軸受ハウジング１２の内周面から外周面に向かって延びる溝状の係合凹部３１が互いに対向して（回転軸１の軸方向で対向して）形成されている。すなわち、一対の係合凹部３１は、軸受ハウジング１２の周方向で同じ位置に配置されている。係合凹部３１は、本実施形態では軸受ハウジング１２の側面をその周方向にほぼ３分割する位置に、それぞれ配置されている。これら係合凹部３１には、係止部材３０が係止されている。なお、本実施形態では、軸受ハウジング１２の側面視（図４Ａ参照）において、係合凹部３１が配置されている３箇所（実際には６箇所）のうちの２箇所（実際には４箇所）の間に、溝１３が配置されている。

　また、軸受ハウジング１２の内周面には、図４Ａの要部の分解斜視図である図４Ｂに示すように、互いに軸方向で対向する一対の係合凹部３１間に、一対の係合凹部３１にそれぞれ連通する係合溝３２が形成されている。係合溝３２の、軸受ハウジング１２の外周面側に向かう深さは、係合凹部３１の深さ（本実施形態では軸受ハウジング１２の厚さに等しい）より浅い。これにより、本実施形態では、係合凹部３１と係合溝３２との間に段差（図４Ｂ参照）が形成されている。

　これら一対の係合凹部３１および係合溝３２には、係止部材３０が係止されている。係止部材３０は、一対の係合凹部３１に係合する一対の係合アーム３３と、これら一対の係合アーム３３を連結する連結部３４と、を有し、全体としてＨ字状に形成されている。連結部３４は、図４ＡのＢ－Ｂ線矢視断面図である図４Ｃに示すように、係合溝３２に係合して係合溝３２内に収容されている。連結部３４は、係合溝３２の外側に突出しないように形成されている。具体的には、係合溝３２の深さが１ｍｍ～２ｍｍ程度となっており、したがって連結部３４の高さも１ｍｍ～２ｍｍ程度となっている。

　一対の係合アーム３３は、連結部３４の両端部から上下方向（軸受ハウジング１２の径方向）に延びて形成されている。これによって上記したように係止部材３０がＨ字状に形成されている。これら係合アーム３３の上側（径方向内側、回転軸１側）に延びた部分、すなわち係合凹部３１に係合する側と反対の側の一部は、軸受ハウジング１２の内周面より突出して設けられている。これにより、係合アーム３３の上側に延びた一部が、本発明における係合凸部１５を構成している。

　したがって、係合アーム３３の上側に延びた部分に、バックフォイル片１１ａの係合切欠１６が係合し、その状態で軸受ハウジング１２の内周面上に３つのバックフォイル片１１ａが配置されている。このようにバックフォイル片１１ａが軸受ハウジング１２の内周面上に配置されることで、特に連結部３４がバックフォイル片１１ａに押さえられ、係止部材３０の軸受ハウジング１２からの脱落が防止されている。
　また、係合アーム３３の下側（径方向外側）に延びた部分は、前述した係合凹部３１と係合溝３２との間の段差に係止されている。これにより、係止部材３０の、軸受ハウジング１２に対する軸方向への移動が規制されている。

　なお、係止部材３０の係合アーム３３や連結部３４は、図４Ｂに示したように四角柱状であっても、また、円柱状（丸棒状）であってもよい。係合アーム３３や連結部３４の太さは０．３～０．５ｍｍ程度となっている。このような係止部材３０は、例えば厚さが０．５ｍｍ未満のステンレス等からなる金属箔をＨ字状にエッチング加工することで、形成することができる。
　また、係合凹部３１や係合溝３２は、その幅寸法によっても異なるが、ワイヤカット放電加工やエンドミルによる切削加工などを用いて形成することができる。係止部材３０を軸受ハウジング１２の内周面側から係合凹部３１および係合溝３２に差し入れ、係止させることにより、係合凸部１５を容易に形成することができる。

　本実施形態のラジアルフォイル軸受３Ａにあっても、係止部材３０によって形成した係合凸部１５にバックフォイル片１１ａの係合切欠１６を係合することにより、バックフォイル片１１ａを軸受ハウジング１２に固定している。そのため、バックフォイル片１１ａに対してスポット溶接や曲げ加工を行うことなく、バックフォイル片１１ａを軸受ハウジング１２内に収容・固定することができる。したがって、スポット溶接や曲げ加工を原因とするバックフォイル１１（バックフォイル片１１ａ）の歪みの影響によってトップフォイル１０に歪みが生じることを防止でき、トップフォイル１０の歪みを十分に少なくすることができる。よって、軸受の負荷能力や動特性(剛性と減衰性能)について、設計通りの良好な性能を発揮させることができる。
　また、係止部材３０によって係合凸部１５を形成しているので、比較的簡易な加工と組み立てで軸受ハウジング１２に係合凸部１５を形成することができる。

　なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
　例えば、上記実施形態ではバックフォイル１１を３つのバックフォイル片１１ａによって構成したが、バックフォイル１１を、１枚の金属箔を略円筒状に成形して構成してもよい。また、複数のバックフォイル片１１ａでバックフォイル１１を構成する場合には、２つ、または４つ以上のバックフォイル片１１ａでバックフォイル１１を構成してもよい。
　バックフォイル１１を、１枚の金属箔を用いて構成した場合は、その金属箔の周方向での中央部に係合切欠１６を形成してもよい。

　また、上記実施形態では、バックフォイル片１１ａの周方向での中央部に係合切欠１６を形成し、係合切欠１６に係止凸部１５を係止させることで、係合切欠１６の形成箇所をバックフォイル片１１ａの固定端（固定点）とした。しかし、係合切欠１６を従来のようにバックフォイル片１１ａの端部（周方向での端部）に形成してもよい。同様に、バックフォイル１１を１枚の金属箔で構成した場合にも、係合切欠１６をバックフォイル１１の端部に形成してもよい。

　また、上記実施形態では、係合凸部１５を軸受ハウジング１２の内周面の最側端に、すなわち軸受ハウジング１２の側面に面一になるようにして係合凸部１５を形成している。しかし、本発明はこれに限定されることなく、内周面の最側端よりやや内側（軸方向での内側）であっても、本発明における内周面の両側端部の範囲内とすることができる。
　具体的には、図５に示すように、バックフォイル１１（バックフォイル片１１ａ）およびトップフォイル１０の軸方向の長さＬ１を、軸受ハウジング１２の軸方向の長さＬ２より短くした場合に、バックフォイル１１の長さに対応させて、係合凸部１５を軸受ハウジング１２の内周面の最側端よりやや内側に形成してもよい。

　すなわち、設計的に必要とされるバックフォイル１１（バックフォイル片１１ａ）およびトップフォイル１０の軸方向の長さＬ１に対応させて、係合凸部１５の外側面１５ａが軸受ハウジング１２の側面より内側となるように、係合凸部１５の位置を決定してもよい。なお、係合凸部１５の形成位置については、軸受ハウジング１２の内周面上において、軸方向で左右対称でなく、非対称となっていてもよい。

　なお、図５に示したように係合凸部１５を軸受ハウジング１２の内周面の最側端よりやや内側に形成する場合にも、この係合凸部１５を第２実施形態で示したような係止部材で形成してもよい。
　また、第２実施形態においては、係合凹部３１を軸受ハウジング１２の内周面から外周面まで切り欠いて溝状に形成した。一方、係合凹部が軸受ハウジング１２の内周面から外周面に向かって延びていれば、外周面に到達することなく、その手前までの軸受ハウジング１２の一部を切り欠くことで、係合凹部を形成していてもよい。さらに、係合凹部の幅（周方向での幅）については、加工が難しい場合などには係合溝３２の幅より広くなっていてもよい。その場合には、係止部材３０の係合アーム３３は係合凹部に大きなクリアランスを有して係合していてもよい。

　さらに、係合凸部の形成については、第２実施形態に示したようにＨ字状の係止部材を用いることなく、単に軸受の径方向に延びる棒状（柱状）の係合アームを、係合凹部３１に係合・固定することで形成してもよい。その場合に、係合凹部３１への係合アームの固定については、圧入（しまり嵌め）や、ネジ止め、耐熱性の高い接着剤による接着などで行うことができる。

　また、上記実施形態では、トップフォイル１０についてもこれを溶接で固定することなく、その一方の側１０ａを軸受ハウジング１２に形成した溝１３に係合させることで、軸受ハウジング１２内に収容・固定するようにした。しかし、トップフォイル１０の固定については、溶接を含めて任意に行うことができる。

　本発明は、回転軸を取り囲んでこの回転軸を支持するラジアルフォイル軸受に利用することができる。

１…回転軸
３，３Ａ…ラジアルフォイル軸受
１０…トップフォイル
１１…バックフォイル
１１ａ…バックフォイル片
１１ｂ…谷部
１１ｃ…山部
１２…軸受ハウジング
１５…係合凸部
１６…係合切欠
３０…係止部材
３１…係合凹部
３２…係合溝
３３…係合アーム
３４…連結部

Claims (7)

1. 　回転軸を取り囲んで該回転軸を支持するラジアルフォイル軸受であって、
   　前記回転軸に対向して配置される円筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、前記トップフォイル及び前記バックフォイルを収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備え、
   　前記軸受ハウジングの内周面の両側端部には、それぞれ、係合凸部が設けられ、
   　前記バックフォイルの両側端部には、それぞれ、前記係合凸部に係合する係合切欠が形成されているラジアルフォイル軸受。
2. 　前記軸受ハウジングの両側面には、それぞれ、該軸受ハウジングの内周面から外周面に向かって延びる係合凹部が互いに対向して形成され、
   　前記軸受ハウジングの内周面には、互いに対向する前記係合凹部間に、該係合凹部に連通し、前記軸受ハウジングの外周面側に向かう深さが前記係合凹部より浅い係合溝が形成され、
   　前記係合凹部および前記係合溝には、係止部材が係止され、
   　前記係止部材は、前記係合凹部に係合する一対の係合アームと、前記係合溝に係合すると共に前記一対の係合アームを連結する連結部と、を有し、
   　前記一対の係合アームの、前記係合凹部に係合する側と反対の側の一部が、前記軸受ハウジングの内周面より突出して設けられ、
   　前記係合アームの一部によって前記係合凸部が構成されている請求項１に記載のラジアルフォイル軸受。
3. 　前記係合切欠は、前記バックフォイルの周方向での中央部に形成されている請求項１又は２に記載のラジアルフォイル軸受。
4. 　前記バックフォイルは、前記トップフォイルの周方向に沿って配置された複数のバックフォイル片を有して構成され、
   　前記バックフォイル片には、それぞれ前記係合切欠が形成されている請求項１又は２に記載のラジアルフォイル軸受。
5. 　前記係合切欠は、前記バックフォイル片の周方向での中央部に形成されている請求項４に記載のラジアルフォイル軸受。
6. 　前記バックフォイルは、前記軸受ハウジングの周方向に沿って、該軸受ハウジングと接する谷部と、前記トップフォイルに接する山部とを交互に形成した波板状に形成され、
   　前記係合切欠は、前記谷部に形成されている請求項１又は２に記載のラジアルフォイル軸受。
7. 　前記バックフォイル片は、前記軸受ハウジングの周方向に沿って、該軸受ハウジングと接する谷部と、前記トップフォイルに接する山部とを交互に形成した波板状に形成され、
   　前記係合切欠は、前記谷部に形成されている請求項４に記載のラジアルフォイル軸受。

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