WO2013038494A1 - リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 カーボンナノチューブを導電性助剤として使用しつつ、良好な電池特性を有するリチウムイオン二次電池を構成可能な電極、その製造方法、および前記電極を有するリチウムイオン二次電池を提供する。 【解決手段】 本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、導電性助剤としてカーボンナノチューブを含有し、かつカーボンナノチューブの分散剤としてデオキシリボ核酸を含有する電極合剤層を有しており、前記電極合剤層における前記カーボンナノチューブの含有量が、前記活物質粒子100質量部に対して0.001~5質量部であるものであり、本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の電極を正極および/または負極に有するものである。本発明の電極は、カーボンナノチューブとデオキシリボ核酸とを含む分散体を用いて調製した電極合剤含有組成物によって電極合剤層を形成する本発明の製造方法により製造できる。

Description

リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法およびリチウムイオン二次電池
 本発明は、導電性助剤としてカーボンナノチューブを含有するリチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、および前記電極を有するリチウムイオン二次電池に関するものである。
 リチウムイオン二次電池は、携帯用電子機器やハイブリッド自動車などに用いるための電池として、急速に開発が進められている。このようなリチウムイオン二次電池では、負極活物質には主に炭素材料が用いられ、正極活物質には、金属酸化物、金属硫化物、各種ポリマーなどが用いられている。特に、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウム複合酸化物は、高エネルギー密度で高電圧の電池を実現できることから、現在、リチウムイオン二次電池の正極活物質として一般的に用いられている。
 リチウムイオン二次電池の電極(正極または負極)には、例えば、活物質、バインダおよび導電性助剤などを含有する電極合剤層(正極合剤層または負極合剤層)を、集電体上に有する構成のものが使用されている。そして、こうした電極の導電性助剤には、カーボンブラックなどの粒子状のものが一般に使用されている。
 近年の適用機器の高機能化などに伴って、リチウムイオン二次電池には更なる高容量化が求められている。リチウムイオン二次電池の高容量化に関しては、例えば、電極の電極合剤層を厚くし、電池内に導入する集電体部分を減らして、電池内の活物質量を多くする方法や、高容量の活物質を使用する方法が検討されている。
 しかしながら、例えば、電極の電極合剤層を厚くした場合、電極合剤層の集電体とは反対側の表面から集電体までの距離が長くなることから、例えば電極合剤層の集電体近傍にまでは非水電解液が浸透し難くなる。よって、電極合剤層を厚くするには、非水電解液の浸透性を高めるために、例えば電極合剤層の密度を下げることが求められるが、その場合、電極合剤層内での活物質粒子間の距離や、活物質粒子と導電性助剤との距離が長くなるため、電極合剤層内での電子伝導性が不十分となって、活物質の利用効率が低下し、このような電極を有する電池では、想定した容量が確保できなかったり、負荷特性が低下したりする。
 また、例えば、負極活物質として使用可能な材料は、一般に正極活物質として使用されている材料に比べて、電池の充放電に伴う体積変化量が大きいことが知られており、通常は、容量の大きな負極活物質ほど、こうした体積変化量が大きいことから、負極活物質の膨張代を設けるために、電極合剤層の密度を下げることが好ましい。そのため、電極合剤層内での活物質粒子間の距離や、活物質粒子と導電性助剤との距離が長くなることから、電極合剤層を厚くする場合と同様の問題が生じ得る。
 これらの問題の解決に当たっては、距離が長くなった活物質粒子間の電子伝導性を良好に保ち得る導電性助剤の使用が考えられる。
 例えば、特許文献1には、二次電池に係る正極の導電性助剤としてカーボンナノチューブを使用する技術が提案されている。カーボンナノチューブは、中空繊維状の形態を有しており、活物質粒子同士の距離が比較的長い場合でも、これらの活物質粒子間の電子伝導性を確保できると考えられることから、カーボンナノチューブの使用によって、前記の問題を解決し得る可能性がある。
特開2003-77476号公報
 ところで、カーボンナノチューブは、それ自体Li(リチウム)イオン吸蔵性を有している一方で、一旦吸蔵したLiを放出し難いといった性質を有している。よって、リチウムイオン二次電池用電極の導電性助剤としてカーボンナノチューブを用いる場合には、その使用量を多くすると、電極合剤層内の電子伝導性が向上する一方で、不可逆容量が大きくなる虞がある。
 カーボンナノチューブは、通常、数本程度が集まってバンドル(束)を形成しているが、1つのバンドルと、解された1本のカーボンナノチューブとでは、電子伝導性の向上効果は変わらない。よって、バンドルをそのまま使用するよりも、1本ずつ解して使用してカーボンナノチューブの使用量を減らす方が、電極合剤層内の電子伝導性を高めつつ、不可逆容量の増大を可及的に抑制し得ることから望ましい。
 カーボンナノチューブのバンドルを解す方法としては、例えば、界面活性剤の如き有機高分子を含む分散剤を用いる方法が挙げられる。しかし、この方法では、カーボンナノチューブの周囲が分散剤で覆われてしまうため、カーボンナノチューブ同士の接触確率やカーボンナノチューブと活物質粒子との接触確率が下がり、また、より良好にバンドルを解すためには多量の分散剤が必要になるため、電池内に導入する絶縁物質である分散剤の量が増えることから、却って電子伝導性の向上効果が阻害されてしまう。
 このようなことから、リチウムイオン二次電池の電極用の導電性助剤としてのカーボンナノチューブの有効性は、十分に引き出し得ていないのが現状である。
 本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーボンナノチューブを導電性助剤として使用しつつ、良好な電池特性を有するリチウムイオン二次電池を構成可能な電極、その製造方法、および前記電極を有するリチウムイオン二次電池を提供することにある。
 前記目的を達成し得た本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、Liを吸蔵放出可能な活物質粒子、導電性助剤および樹脂製バインダを含む電極合剤層を有する電極であって、前記電極合剤層は、前記導電性助剤としてカーボンナノチューブを含有し、かつカーボンナノチューブの分散剤としてデオキシリボ核酸を含有し、前記電極合剤層における前記カーボンナノチューブの含有量が、前記活物質粒子100質量部に対して0.001~5質量部であることを特徴とするものである。
 本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、例えば、デオキシリボ核酸、カーボンナノチューブおよび溶剤を含有するカーボンナノチューブ分散体を調製する工程と、前記カーボンナノチューブ分散体に、活物質粒子および樹脂性バインダを混合して電極合剤含有組成物を調製する工程と、前記電極合剤含有組成物を、集電体上に塗布し乾燥して電極合剤層を形成する工程とを有することを特徴とする本発明の製造方法により、製造することができる。
 また、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有しており、前記正極および/または前記負極が、本発明のリチウムイオン二次電池用電極であることを特徴とするものである。
 本発明によれば、カーボンナノチューブを導電性助剤として使用しつつ、良好な電池特性を有するリチウムイオン二次電池を構成可能な電極、その製造方法、および前記電極を有するリチウムイオン二次電池を提供することができる。すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極および/または負極にカーボンナノチューブを導電性助剤として含有しつつ、良好な電池特性を有するものである。
 本発明のリチウムイオン二次電池用電極(以下、単に「電極」という場合がある)は、Liを吸蔵放出可能な活物質粒子、導電性助剤および樹脂製バインダを含む電極合剤層を有するものであり、この電極合剤層が、例えば、集電体の片面または両面に形成された構造を有している。本発明の電極は、リチウムイオン二次電池の正極または負極に使用される。
 本発明の電極に係る電極合剤層は、導電性助剤としてカーボンナノチューブを含有し、かつカーボンナノチューブの分散剤としてデオキシリボ核酸(DNA)を含有している。すなわち、本発明の電極は、その電極合剤層に、DNAの作用によってバンドルから解れた状態のカーボンナノチューブを含有している。
 例えば、DNAを溶剤に溶解して調製した溶液中にカーボンナノチューブのバンドルを分散させると、DNAが二重らせん構造を有するためにカーボンナノチューブに巻き付くことから、バンドルが容易に解れ、カーボンナノチューブの1本1本が溶剤中に分散した状態の分散体を得ることができる。よって、このような状態のカーボンナノチューブ分散体を用いることで、カーボンナノチューブの分散剤であるDNAと、バンドルから解れた状態のカーボンナノチューブとを含有する電極合剤層を有する本発明の電極を得ることができる。
 より具体的には、カーボンナノチューブは、通常、3本以上が束になってバンドルを形成しているが、本発明の電極においては、電極合剤層内に分散しているカーボンナノチューブの各存在領域において、これらの存在領域内に含まれるカーボンナノチューブの本数の平均値を、2本未満とすることができる。電極合剤層内に分散しているカーボンナノチューブは、全てがバンドルから解されていることがより好ましいため、本発明の電極において、電極合剤層内に分散しているカーボンナノチューブの各存在領域に含まれるカーボンナノチューブの本数の平均値は、1本に近い程より好ましく、1本であることが特に好ましい。
 本明細書でいう電極合剤層内に分散しているカーボンナノチューブの各存在領域内に含まれるカーボンナノチューブの本数の平均値は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて電極合剤層の断面を観察し、カーボンナノチューブの存在領域100箇所について、それぞれの存在領域内に存在しているカーボンナノチューブの本数を数え、これらの本数の合計値をカーボンナノチューブの存在領域の総数(100箇所)で除して求められる平均値である。
 また、DNAは、通常のリチウムイオン二次電池の電池電圧では分解し難いため、本発明の電極では、電池反応に関与しない成分(カーボンナノチューブの分散剤)を電極合剤層内に含有させることによる電池特性の低下を抑えることができる。
 本発明の電極に係るカーボンナノチューブには、シングルウォールのもの、マルチウォールのもののいずれも用いることができる。
 本発明の電極に使用するカーボンナノチューブは、比較的距離の長い活物質粒子間における電子伝導性をより良好に確保する観点から、その平均長が、50nm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、カーボンナノチューブの長さは、長ければ長いほど、活物質間を繋ぐ特性に対しては効果を得られると考えられるが、あまりに長いカーボンナノチューブは製造が困難であり、高コストとなるために電極の生産性を損なう虞があることから、本発明の電極で使用するカーボンナノチューブの平均長は、例えば、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
 本明細書でいうカーボンナノチューブの平均長は、TEM観察したカーボンナノチューブ100本について、各々の長さを求め、これらの長さの合計値を本数(100本)で除して求められる平均値である。
 本発明の電極では、電極合剤層におけるカーボンナノチューブの含有量を、活物質粒子100質量部に対して、5質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下とする。本発明の電極では、DNAの作用によってバンドルから解された状態のカーボンナノチューブを電極合剤層中に含有しているため、前記のようにカーボンナノチューブの量を少なくしても、良好な電子伝導性を確保することが可能であることから、例えば、カーボンナノチューブの使用による不可逆容量の増大や、それに伴う負荷特性の低下を可及的に抑制することができる。
 また、本発明の電極において、カーボンナノチューブに使用による電子伝導性の向上効果を良好に確保する観点からは、電極合剤層におけるカーボンナノチューブの含有量を、活物質粒子100質量部に対して、0.001質量部以上、好ましくは0.1質量部以上とする。
 本発明の電極では、電極合剤層におけるDNAの含有量を、カーボンナノチューブ100質量部に対して、30質量部以上とすることが好ましく、70質量部以上とすることがより好ましい。DNAを分散剤とした場合には、前記程度の使用量でもカーボンナノチューブのバンドルを良好に解すことができるため、カーボンナノチューブの周囲がDNAで覆われることを抑制して、活物質粒子との接点を良好に確保することができる。
 ただし、電極合剤層内のDNA量が多すぎると、効果が飽和するばかりか、電池反応に不要な成分の電池内の量が多くなることになる。よって、本発明の電極では、電極合剤層におけるDNAの含有量を、カーボンナノチューブ100質量部に対して、120質量部以下とすることが好ましく、110質量部以下とすることがより好ましい。
 本発明の電極においては、負極活物質の種類にもよるが、例えば黒鉛を負極活物質とする負極の場合には、この電極を有するリチウムイオン二次電池の高容量化を図る観点から、電極合剤層の厚み(集電体の両面に電極合剤層を有する電極の場合は、集電体の片面当たりの厚み。電極合剤層の厚みについて、以下同じ。)を、80μm以上とすることが好ましく、100μm以上とすることがより好ましい。
 なお、前記の通り、電池の高容量化を図るために電極合剤層を厚くすると、非水電解液が電極合剤層の全体に十分に浸透せず、例えば集電体の近傍では非水電解液が不足して、想定した電池容量が十分に引き出せなくなったり、電池の負荷特性や充放電サイクル特性が低下したりする虞がある。そのため、電極合剤層を厚くすると同時に、その密度を小さくすることが好ましいが、その場合、電極合剤層内での活物質粒子間の距離が長くなるため、電子伝導性が低下して、これによる電池の容量低下や、負荷特性の低下、充放電サイクル特性の低下も生じ得る。
 しかしながら、本発明の電極では、カーボンナノチューブの作用によって、電極合剤層の密度を小さくして距離が長くなった活物質粒子間においても良好な導電パスを形成できるため、前記のように電極合剤層を厚くして電池の高容量化を図りつつ、電池の負荷特性や充放電サイクル特性も高く維持することができる。
 ただし、電極合剤層が厚すぎると、例えば集電体の反対側の表面近傍において電子伝導性が低下して、カーボンナノチューブの使用による電極合剤層内の電子伝導性向上効果が小さくなる虞がある。よって、本発明の電極においては、電極合剤層の厚みを、200μm以下とすることが好ましく、150μm以下とすることがより好ましい。
 本発明の電極に係る電極合剤層は、カーボンナノチューブと共に、粒子状の導電性助剤を含有していることが好ましい。電極合剤層がカーボンナノチューブと共に粒子状の導電性助剤を含有している場合には、比較的距離の短い活物質粒子間の電子伝導性を、粒子状の導電性助剤で確保することができるため、電極合剤層内での導電ネットワークを、より良好に形成できるようになる。
 粒子状の導電性助剤としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ-ボンブラック;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの粒子状の導電性助剤の中でも、最も汎用性が高く、安定的に生産が可能で低コストであることから、アセチレンブラックまたはファーネスブラックを用いることがより好ましい。
 本発明の電極では、粒子状の導電性助剤の使用による前記の効果を良好に確保する観点から、電極合剤層内における粒子状の導電性助剤の含有量を、活物質粒子100質量部に対して、0.5質量部以上とすることが好ましく、1質量部以上とすることがより好ましい。ただし、電極合剤層内の粒子状の導電性助剤の量が多すぎると、例えば、電極合剤層内の活物質粒子量が減って容量低下を引き起こす虞がある。よって、本発明の電極では、電極合剤層内における粒子状の導電性助剤の含有量を、活物質粒子100質量部に対して、10質量部以下とすることが好ましく、5質量部以下とすることがより好ましい。
 本発明の電極がリチウムイオン二次電池用負極として使用される場合、活物質粒子には、従来から知られているリチウムイオン二次電池の負極に使用されている活物質粒子、すなわち、Liを吸蔵放出可能な活物質の粒子を用いることができる。このような活物質粒子の具体例としては、例えば、黒鉛[天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;など]、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、MCMB、炭素繊維、活性炭などの炭素材料;リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)や、これらの金属を含む材料(合金、酸化物など);などの粒子が挙げられる。本発明の電極をリチウムイオン二次電池用負極とする場合、これらの活物質粒子は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 前記の負極活物質の中でも、特に電池の高容量化を図るには、SiとOとを構成元素に含む材料(ただし、Siに対するOの原子比pは、0.5≦p≦1.5である。以下、当該材料を「SiO」という)を用いることが好ましい。
 SiOは、Siの微結晶または非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶または非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOには、非晶質のSiOマトリックス中にSi(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、前記の原子比pが0.5≦p≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中にSiが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の材料の場合、p=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。
 なお、SiOは導電性が低いことから、例えば、SiOの表面を炭素で被覆して用いてもよく、これにより負極における導電ネットワークを、より良好に形成することができる。
 SiOの表面を被覆するための炭素には、例えば、低結晶性炭素、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などを使用することができる。
 なお、炭化水素系ガスを気相中で加熱し、炭化水素系ガスの熱分解により生じた炭素を、SiO粒子の表面上に堆積する方法[気相成長(CVD)法]で、SiOの表面を炭素で被覆すると、炭化水素系ガスがSiO粒子の隅々にまで行き渡り、粒子の表面や表面の空孔内に、導電性を有する炭素を含む薄くて均一な皮膜(炭素被覆層)を形成できることから、少量の炭素によってSiO粒子に均一性よく導電性を付与できる。
 CVD法で使用する炭化水素系ガスの液体ソースとしては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどを用いることができるが、取り扱いやすいトルエンが特に好ましい。これらを気化させる(例えば、窒素ガスでバブリングする)ことにより炭化水素系ガスを得ることができる。また、メタンガスやエチレンガス、アセチレンガスなどを用いることもできる。
 CVD法の処理温度としては、例えば、600~1200℃であることが好ましい。また、CVD法に供するSiOは、公知の手法で造粒した造粒体(複合粒子)であることが好ましい。
 SiOの表面を炭素で被覆する場合、炭素の量は、SiO:100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、また、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましい。
 なお、SiOは、他の高容量負極材料と同様に電池の充放電に伴う体積変化が大きいため、負極活物質には、SiOと黒鉛とを併用することが好ましい。これにより、SiOの使用による高容量化を図りつつ、電池の充放電に伴う負極の膨張収縮を抑えて、充放電サイクル特性をより高く維持することが可能となる。
 負極活物質にSiOと黒鉛とを併用する場合、負極活物質全量中におけるSiOの割合は、SiOの使用による高容量化効果を良好に確保する観点から0.5質量%以上とすることが好ましく、また、SiOによる負極の膨張収縮を抑制する観点から10質量%以下とすることが好ましい。
 また、本発明の電極がリチウムイオン二次電池用正極として使用される場合、活物質粒子には、従来から知られているリチウムイオン二次電池の正極に使用されている活物質粒子、すなわち、Liを吸蔵放出可能な活物質の粒子を用いることができる。このような活物質粒子の具体例としては、例えば、Li1+c(-0.1<c<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などの粒子を用いることが可能である。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1-dCod-eAl(0.1≦d≦0.3、0.01≦e≦0.2)などの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiMn3/5Ni1/5Co1/5など)などを例示することができる。本発明の電極をリチウムイオン二次電池用正極とする場合、これらの活物質粒子は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 なお、負極活物質粒子は正極活物質粒子に比べて、電池の充放電に伴う体積変化量が大きいため、負極合剤層は、負極活物質粒子の膨張代を設けるために、正極合剤層よりも密度を小さくすることが好ましい。よって、本発明の電極を、リチウムイオン二次電池用負極に使用する場合に、その効果がより良好に奏される。
 また、容量の大きな負極活物質粒子(例えば、前記のSiO)は、容量の小さなものよりも、電池の充放電に伴う体積変化量が大きく、膨張代をより大きくするために、負極合剤層の密度をより小さくすることが好ましいことから、本発明の電極を、より容量の大きな負極活物質粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極に使用する場合に、その効果がより顕著に奏される。
 なお、本発明の電極をリチウムイオン二次電池用負極とする場合の前記活物質粒子や、リチウムイオン二次電池用正極とする場合の前記活物質粒子は、前記酸化物粒子と同じ方法で測定される一次粒子の平均粒子径が、50nm以上であることが好ましく、また、500μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
 本発明の電極の電極合剤層に係る樹脂製バインダには、従来から知られているリチウムイオン二次電池用の正極に係る正極合剤層や、負極に係る負極合剤層で使用されている樹脂製バインダと同じものが使用できる。具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが好ましいものとして挙げられる。
 本発明の電極をリチウムイオン二次電池用負極とする場合、電極合剤層(負極合剤層)においては、例えば、活物質粒子の量を85~99質量%とすることが好ましく、また、樹脂製バインダの量を1.0~10質量%とすることが好ましい。また、本発明の電極をリチウムイオン二次電池用負極とする場合の電極合剤層(負極合剤層)の密度は、1.3~1.65g/cmであることが好ましい。
 本明細書でいう電極合剤層の密度(前記の負極合剤層の密度および後述する正極合剤層の密度)は、以下の方法により測定される値である。電極を所定面積に切り取り、その質量を最小目盛0.1mgの電子天秤を用いて測定し、集電体の質量を差し引いて電極合剤層の質量を算出する。一方、電極の全厚を最小目盛1μmのマイクロメーターで10点測定し、これらの測定値から集電体の厚みを差し引いた値の平均値と、面積とから、電極合剤層の体積を算出する。そして、前記電極合剤層の質量を前記体積で割ることにより電極合剤層の密度を算出する。
 本発明の電極を、集電体を有するリチウムイオン二次電池用負極とする場合、集電体には、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。集電体の厚みは、5~30μmであることが好ましい。
 本発明の電極をリチウムイオン二次電池用正極とする場合、電極合剤層(正極合剤層)においては、例えば、活物質粒子の量を75~95質量%とすることが好ましく、樹脂製バインダを2~15質量%とすることが好ましい。また、本発明の電極をリチウムイオン二次電池用正極とする場合の電極合剤層(正極合剤層)の密度は、活物質に用いた物質の真密度にも依存するが、例えばスピネルマンガンを活物質に用いた場合には、2.4~2.6g/cmであることが好ましい。その他、活物質材料を変更した場合でも、空孔率が約30vol.%~40vol.%であることが好ましい。
 本発明の電極を、集電体を有するリチウムイオン二次電池用正極とする場合、集電体には、アルミニウム製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、アルミニウム箔が用いられる。集電体の厚みは、10~30μmであることが好ましい。
 本発明の電極は、(1)DNA、カーボンナノチューブおよび溶剤を含有するカーボンナノチューブ分散体を調製する工程、(2)前記カーボンナノチューブ分散体に、活物質粒子および樹脂製バインダなどを混合して電極合剤含有組成物を調製する工程、および(3)前記電極合剤含有組成物を、集電体上に塗布し乾燥して電極合剤層を形成する工程を有する本発明の製造方法により製造することができる。
 本発明の製造方法の(1)の工程では、DNA、カーボンナノチューブおよび溶剤を含有するカーボンナノチューブ分散体を調製する。まず、DNAを溶剤に溶解した溶液を調製し、この溶液にカーボンナノチューブのバンドルを添加して分散させる。この工程によって、溶液中のDNAの作用によってバンドルから解れた状態のカーボンナノチューブを含む分散体を得ることができる。
 カーボンナノチューブ分散体の調製に用いる溶剤には、DNAを溶解できればよく、水または極性有機溶媒が使用可能であるが、この溶剤は、電極合剤層形成用の電極合剤含有組成物の溶剤にもなるため、電極合剤含有組成物用の溶剤として汎用されている水やN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を用いることが好ましい。
 DNA溶液にカーボンナノチューブを分散させるには、例えば、超音波分散やマグネチックスターラー、スリーワンモーターを用いた攪拌など、せん断力の弱いメディアレス分散方法を用いることができる。せん断力の強い方法で長時間分散させる際は、カーボンナノチューブやDNAが切断される場合がある。
 本発明の製造方法の(2)の工程では、(1)の工程で調製したカーボンナノチューブ分散体に、活物質粒子および樹脂製バインダ、更には必要に応じて粒子状の導電性助剤などを混合して電極合剤含有組成物を調製する。
 酸化物粒子分散体と、活物質粒子や樹脂製バインダ、粒子状の導電性助剤などとを混合する際には、ジルコニアビーズなどの分散メディアを使用する分散機を使用することもできるが、分散メディアが活物質粒子にダメージを与える虞があることから、メディアレス分散機を使用することがより好ましい。メディアレス分散機としては、例えば、ハイブリッドミキサー、ナノマイザー、ジェットミルなどの汎用の分散機が挙げられる。
 本発明の製造方法の(3)の工程では、(2)の工程で調製した電極合剤含有組成物を集電体上に塗布し乾燥して電極合剤層を形成する。電極合剤含有組成物を集電体上に塗布する方法については特に制限はなく、公知の各種塗布方法を採用できる。
 電極合剤層を形成した後の電極には、必要に応じてプレス処理を施したり、常法に従って電池内の端子と接続するためのリード部を形成したりすることができる。
 本発明のリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という場合がある)は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを備えており、正極および負極のうちの少なくとも一方が本発明のリチウムイオン二次電池用電極であればよく、その他の構成および構造については特に制限されず、従来から知られているリチウムイオン二次電池で採用されている各種構成および構造を適用することができる。
 本発明の電池は、正極および負極のいずれか一方のみが本発明の電極であればよく、正極および負極の両方が本発明の電極であってもよい。本発明の電池に係る負極のみが本発明の電極である場合、正極には、カーボンナノチューブおよびDNAを含有しない以外は、本発明の電極(正極)と同じ構成の正極を使用することができる。また、本発明の電池に係る正極のみが本発明の電極である場合、負極には、カーボンナノチューブおよびDNAを含有しない以外は、本発明の電極(負極)と同じ構成の負極を使用することができる。ただし、負極のみを本発明の電極とする場合の正極においては、正極合剤層には、電子伝導性確保のために、前記の粒子状の導電性助剤を含有させる。
 本発明の電池に係るセパレータは、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常のリチウムイオン二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。セパレータの厚みは、例えば、10~30μmであることが好ましい。
 前記の正極と前記の負極と前記のセパレータとは、正極と負極との間にセパレータを介在させて重ねた積層電極体や、更にこれを渦巻状に巻回した巻回電極体の形態で本発明の電池に使用することができる。
 本発明の電池に係る非水電解液には、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマーブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト、1,2-ジメトキシエタン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒に、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(ROSO[ここでRはフルオロアルキル基]などのリチウム塩から選ばれる少なくとも一種を溶解させることによって調製したものが使用される。このリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.5~1.5 mol/l、特に0.9~1.25 mol/lが好ましい。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3-プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t-ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
 また、前記の非水電解液は、ポリマーなどの公知のゲル化剤を加えてゲル状(ゲル状電解質)として用いてもよい。
 本発明のリチウムイオン二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<負極の作製>
 0.4gのDNAを40mlの水に溶解させて調製した溶液に、カーボンナノチューブのバンドル(カーボンナノチューブの平均長970nm):0.4gを加え、5時間混合してカーボンナノチューブ分散体を調製した。
 前記のカーボンナノチューブ分散体:15gと、CMC水溶液(濃度1.5質量%):35gとを混合し、この混合液に、鱗片状黒鉛(日立化成工業社製、一次粒子径の平均粒子径:約450μm):48gと、粘度調整剤としてSBR:0.5gとを加えて混合して、活物質粒子(鱗片状黒鉛)100質量部に対してカーボンナノチューブを4質量部の量で含有する負極合剤含有組成物を得た。
<リチウムイオン二次電池(テストセル)の作製>
 前記の負極合剤含有組成物を、集電体となる厚みが8μmの銅箔の片面にアプリケーターを用いて塗布して乾燥し、プレス処理した後、35×35mmのサイズにカットして、負極を作製した。得られた負極では、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量が13mg/cm、負極合剤層の厚みが98μm、負極合剤層の密度が1.4g/cmであった。また、前記負極の負極合剤層においては、カーボンナノチューブの含有量が活物質粒子100質量部に対して4質量部、DNAの含有量がカーボンナノチューブ100質量部に対して100質量部であった。
 また、正極活物質であるLi1.02Ni0.5Mn0.2Co0.3(一次粒子の平均粒子径:15μm):94質量部、アセチレンブラック:4質量部およびPVDF:2質量部を、NMPに分散させて正極合剤含有組成物を調製し、これを集電体となる厚みが15μmのアルミニウム箔の片面に、活物質の量が20mg/cmとなるようにアプリケーターを用いて塗布して乾燥し、プレス処理した後、30×30mmのサイズにカットして、正極を作製した。得られた正極の正極合剤層の厚みは75μmであった。
 前記の正極と前記の負極とを、セパレータ(厚みが16μmのPE製微多孔膜)を介して積層してラミネートフィルム外装体内に挿入し、非水電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.2Mの濃度で溶解した溶液)を注入した後にラミネートフィルム外装体を封止して、テストセルを作製した。
実施例2
 0.1gのDNAを400mlの水に溶解させて調製した溶液に、カーボンナノチューブのバンドル(カーボンナノチューブの平均長970nm):0.1gを加えた以外は、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ分散体を調製し、このカーボンナノチューブ分散体を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤含有組成物を調製した。そして、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
 得られた負極は、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、および負極合剤層の密度のいずれもが、実施例1で作製した負極と同じであった。また、前記負極の負極合剤層においては、カーボンナノチューブの含有量が活物質粒子100質量部に対して0.1質量部、DNAの含有量がカーボンナノチューブ100質量部に対して100質量部であった。
 更に、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
実施例3
 0.5gのDNAを400mlの水に溶解させて調製した溶液に、カーボンナノチューブのバンドル(カーボンナノチューブの平均長970nm):0.5gを加えた以外は、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ分散体を調製し、このカーボンナノチューブ分散体を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤含有組成物を調製した。そして、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
 得られた負極は、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、および負極合剤層の密度のいずれもが、実施例1で作製した負極と同じであった。また、前記負極の負極合剤層においては、カーボンナノチューブの含有量が活物質粒子100質量部に対して0.5質量部、DNAの含有量がカーボンナノチューブ100質量部に対して100質量部であった。
 更に、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
実施例4
 0.25gのDNAを400mlの水に溶解させて調製した溶液に、カーボンナノチューブのバンドル(カーボンナノチューブの平均長970nm):0.5gを加えた以外は、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ分散体を調製し、このカーボンナノチューブ分散体を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤含有組成物を調製した。そして、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
 得られた負極は、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、および負極合剤層の密度のいずれもが、実施例1で作製した負極と同じであった。また、前記負極の負極合剤層においては、カーボンナノチューブの含有量が活物質粒子100質量部に対して0.5質量部、DNAの含有量がカーボンナノチューブ100質量部に対して50質量部であった。
 更に、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
実施例5
 0.5gのDNAを400mlの水に溶解させて調製した溶液に、カーボンナノチューブのバンドル(カーボンナノチューブの平均長970nm):0.5gを加えた以外は、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ分散体を調製した。このカーボンナノチューブ分散体:15gと、CMC水溶液(濃度1.5質量%):35gとを混合し、この混合液に、鱗片状黒鉛(日立化成工業社製、一次粒子径の平均粒子径:約450μm):48gと、粒子状導電性助剤としてアセチレンブラック:0.48gと、粘度調整剤としてSBR:0.5gとを加えて混合して、活物質粒子(鱗片状黒鉛)100質量部に対してカーボンナノチューブを0.5質量部、アセチレンブラックを1.0質量部の量で含有する負極合剤含有組成物を得た。そして、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
 得られた負極は、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、および負極合剤層の密度のいずれもが、実施例1で作製した負極と同じであった。また、DNAの含有量はカーボンナノチューブ100質量部に対して100質量部であった。
 更に、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
比較例1
 カーボンナノチューブ分散体を使用せずに、CMC水溶液(濃度1.5質量%):35gに、鱗片状黒鉛(日立化成工業社製、一次粒子径の平均粒子径:約450μm):48gと、粘度調整剤としてSBR:0.5gとを加えて混合して負極合剤含有組成物を調製し、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。得られた負極は、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、負極合剤層の密度のいずれもが、実施例1で作製した負極と同じであった。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
比較例2
 0.6gのDNAを40mlの水に溶解させて調製した溶液に、カーボンナノチューブのバンドル(カーボンナノチューブの平均長970nm):0.6gを加えた以外は、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ分散体を調製し、このカーボンナノチューブ分散体を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤含有組成物を調製した。そして、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
 得られた負極は、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、負極合剤層の密度のいずれもが、実施例1で作製した負極と同じであった。また、前記負極の負極合剤層においては、カーボンナノチューブの含有量が活物質粒子100質量部に対して6.0質量部、DNAの含有量がカーボンナノチューブ100質量部に対して100質量部であった。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
<負荷特性>
 実施例1~5および比較例1、2のテストセルについて、1Cの電流値で電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行い、続いて、4.2Vで定電圧充電を行った。なお、定電流充電および定電圧充電の総充電時間は2時間とした。その後、各テストセルを0.2Cの電流値で電圧が2.5Vになるまで放電させて、0.2C放電容量を求めた。
 また、各テストセルについて、前記と同じ条件で充電を行った後、2Cの電流値で電圧が2.5Vになるまで放電させて、2C放電容量を求めた。そして、各テストセルについて、2C放電容量を0.2C放電容量で除した値を百分率で表して、容量維持率を求めた。この容量維持率が大きいほど、テストセルの負荷特性が良好であるといえる。また、比較例1のテストセルの容量維持率Bを基準として、各テストセルの容量維持率Aの向上率Xを下記式により算出した。
 X(%) = 100 × (A-B)/B
 実施例1~5および比較例1、2のテストセルに使用した負極に係る負極合剤層の構成および前記の評価結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1における「カーボンナノチューブの含有量」は、活物質粒子100質量部に対するカーボンナノチューブの含有量(質量部)を意味しており、「DNAの含有量」は、カーボンナノチューブ100質量部に対するDNAの含有量(質量部)を意味している(後記の表2~表5も同様である)。また、表1における「カーボンナノチューブの平均本数」は、前記の方法により測定した、負極合剤層内に分散しているカーボンナノチューブの各存在領域に含まれるカーボンナノチューブの本数の平均値を意味している(後記の表2~表5も同様である)。
 表1に示す通り、カーボンナノチューブおよびDNAを含有する負極合剤層を有する負極を備えた実施例1~5のテストセルは、負極合剤層におけるカーボンナノチューブの含有量が非常に少ないにも関わらず、カーボンナノチューブを含有しない負極を有する比較例1のテストセルに比べて、負荷特性が優れている。また、負極合剤層の導電性助剤として、カーボンナノチューブと共に粒状の導電性助剤を使用した実施例5のテストセルは、特に優れた負荷特性の向上が認められる。
 これに対し、負極合剤層におけるカーボンナノチューブの含有量が多すぎる負極を有する比較例2のテストセルは、負荷特性が低下している。
実施例6
 負極合剤層形成後のプレス処理条件を変更して、負極合剤層の厚みを92μmとし、負極合剤層の密度を1.5g/cmとした以外は、実施例3と同様にして負極を作製した。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
実施例7
 負極合剤層形成後のプレス処理条件を変更して、負極合剤層の厚みを86μmとし、負極合剤層の密度を1.6g/cmとした以外は、実施例3と同様にして負極を作製した。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
 実施例6、7のテストセルについて、実施例1のテストセルなどと同様にして負荷特性を評価した。実施例6、7のテストセルに使用した負極に係る負極合剤層の構成および前記の評価結果を表2に示す。また、表2には、実施例3のテストセルに使用した負極の構成および前記の評価結果も併記する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示す通り、負極合剤層の密度が低いほど、負荷特性が優れており、カーボンナノチューブおよびDNAを使用し、カーボンナノチューブの含有量を適正な量とする本発明の効果がより顕著である。負極合剤層の密度が高い場合には、活物質粒子間の電子伝導性が確保されやすいことから、カーボンナノチューブをDNAと共に使用する効果が小さくなるものと推測される。
比較例3
 負極合剤層形成後のプレス処理条件を変更して、負極合剤層の厚みを86μmとし、負極合剤層の密度を1.6g/cmとした以外は、比較例1と同様にして負極を作製した。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
 比較例3のテストセルについて、実施例1のテストセルなどと同様にして負荷特性を評価した。比較例3のテストセルに使用した負極の構成および前記の評価結果を表3に示す。また、表3には、実施例7のテストセルに使用した負極に係る負極合剤層の構成および前記の評価結果と、比較例3のテストセルにおける負荷特性評価時の容量維持率を基準として求めた実施例7のテストセルの向上率も併記する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表2に示す通り、密度が高い負極合剤層を有する負極を備えた実施例7のテストセルは、これよりも密度が低い負極合剤層を有する負極を備えた実施例3、6のテストセルに比べて負荷特性が劣っているが、表3から明らかなように、密度が同じで、かつカーボンナノチューブを含有していない負極合剤層を有する負極を備えた比較例3のテストセルに比べると、負荷特性の向上が認められる。
実施例8
 集電体への負極合剤含有組成物の塗布量および負極合剤層形成後のプレス処理条件を変更して、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量を20mg/cmとし、負極合剤層の厚みを137μmとし、負極合剤層の密度を1.4g/cmとした以外は、実施例3と同様にして負極を作製した。
 また、集電体への正極合剤含有組成物の塗布量および正極合剤層形成後のプレス処理条件を変更して、正極合剤層における単位面積当たりの正極活物質粒子の量を31mg/cmとし、正極合剤層の厚みを112μmとした以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
 そして、前記の負極および前記の正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
比較例4
 集電体への負極合剤含有組成物の塗布量および負極合剤層形成後のプレス処理条件を変更して、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量を20mg/cmとし、負極合剤層の厚みを137μmとし、負極合剤層の密度を1.4g/cmとした以外は、比較例1と同様にして負極を作製した。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
 実施例8および比較例4のテストセルについて、実施例1のテストセルなどと同様にして負荷特性を評価した。実施例8および比較例4のテストセルに使用した負極に係る負極合剤層の構成、前記の評価結果、および比較例4のテストセルにおける負荷特性評価時の容量維持率を基準として求めた実施例8のテストセルの向上率を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4に示す通り、カーボンナノチューブおよびDNAを含有する負極合剤層を有する負極を備えた実施例8のテストセルは、負極合剤層におけるカーボンナノチューブの含有量が非常に少ないにも関わらず、カーボンナノチューブを含有しない負極を有する比較例4のテストセルに比べて、負荷特性が優れている。実施例8のテストセルは、実施例1などのテストセルよりも、正極合剤層および負極合剤層を厚くして、更なる高容量化を図った例である。リチウムイオン二次電池の有する電極に係る電極合剤層を厚くすると、前記の通り、活物質全体の利用効率が低下するため、電極合剤層が薄い場合に比べて負荷特性が低下することが一般に知られているが、このような電池の場合にも、カーボンナノチューブを使用しない場合に比べて、負荷特性の大きな向上効果が認められる。
実施例9
 負極活物質を、鱗片状黒鉛:48gから、鱗片状黒鉛:46gと表面を炭素(CVD法で形成した炭素)で被覆したSiO(SiOと表面の炭素との質量比が85:15):2gとに変更した以外は、実施例3と同様にして負極合剤含有組成物を調製し、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。得られた負極では、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量が12.5mg/cm、負極合剤層の厚みが79μm、負極合剤層の密度が1.6g/cmであった。
 そして、前記の負極と、実施例8で作製したものと同じ正極とを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
比較例5
 鱗片状黒鉛:48gから、鱗片状黒鉛:46gと表面を炭素(CVD法で形成した炭素)で被覆したSiO(SiOと表面の炭素との質量比が85:15):2gとに変更した以外は、比較例1と同様にして負極合剤含有組成物を調製し、この負極合剤含有組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。得られた負極では、負極合剤層における単位面積当たりの負極活物質粒子の量、負極合剤層の厚み、負極合剤層の密度のいずれもが、実施例9で作製した負極と同じであった。
 そして、前記の負極を用いた以外は、実施例8と同様にしてリチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
 実施例9および比較例5のテストセルについて、実施例1のテストセルなどと同様にして負荷特性を評価した。実施例9および比較例5のテストセルに使用した負極に係る負極合剤層の構成、前記の評価結果、および比較例5のテストセルにおける負荷特性評価時の容量維持率を基準として求めた実施例9のテストセルの向上率を表5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表5に示す通り、カーボンナノチューブおよびDNAを含有する負極合剤層を有する負極を備えた実施例9のテストセルは、負極合剤層におけるカーボンナノチューブの含有量が非常に少ないにも関わらず、カーボンナノチューブを含有しない負極を有する比較例5のテストセルに比べて、負荷特性が優れている。実施例9のテストセルは、実施例1などのテストセルで使用したものよりも正極合剤層を厚くし、かつ負極活物質に、鱗片状黒鉛よりも高容量のSiOを鱗片状黒鉛と併用することで、更なる高容量化を図った例であるが、このような電池の場合にも、カーボンナノチューブを使用しない場合に比べて、負荷特性の大きな向上効果が認められる。
 本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば優れた負荷特性や充放電サイクル特性を確保することが可能であり、こうした特性が特に求められる用途に好適に使用できる他、従来から知られているリチウムイオン二次電池が適用されている各種用途と同じ用途に用いることができる。

Claims (11)

  1.  Liを吸蔵放出可能な活物質粒子、導電性助剤および樹脂製バインダを含む電極合剤層を有するリチウムイオン二次電池用電極であって、
     前記電極合剤層は、前記導電性助剤としてカーボンナノチューブを含有し、かつカーボンナノチューブの分散剤としてデオキシリボ核酸を含有し、
     前記電極合剤層における前記カーボンナノチューブの含有量が、前記活物質粒子100質量部に対して0.001~5質量部であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
  2.  電極合剤層における前記カーボンナノチューブの含有量が、活物質粒子100質量部に対して0.1~5質量部である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  3.  電極合剤層におけるデオキシリボ核酸の含有量が、カーボンナノチューブ100質量部に対して30~120質量部である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  4.  電極合剤層の厚みが80~200μmである請求項1~3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  5.  カーボンナノチューブの平均長が50nm以上である請求項1~4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  6.  電極合剤層内に分散しているカーボンナノチューブの各存在領域に含まれるカーボンナノチューブの本数の平均値が、2本未満である請求項1~5のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  7.  電極合剤層が、更に粒子状の導電性助剤を含有している請求項1~6のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  8.  粒子状の導電性助剤が、アセチレンブラックまたはファーネスブラックである請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  9.  電極合剤層における粒子状の導電性助剤の含有量が、活物質粒子100質量部に対して0.5~10質量部である請求項7または8に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  10.  デオキシリボ核酸、カーボンナノチューブおよび溶剤を含有するカーボンナノチューブ分散体を調製する工程と、
     前記カーボンナノチューブ分散体に、活物質粒子および樹脂性バインダを混合して電極合剤含有組成物を調製する工程と、
     前記電極合剤含有組成物を、集電体上に塗布し乾燥して電極合剤層を形成する工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  11.  正極、負極、非水電解液およびセパレータを有するリチウムイオン二次電池であって、
     前記正極および/または前記負極が、請求項1~9のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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