WO2013002372A1 - Re123系超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

 本RE123系超電導線材は、基材と、基材の上方に形成された中間層と、中間層の上方に形成されたREBaCu7-δ(REは希土類元素のうちの1種又は2種以上を表す。)の組成式で表される酸化物超電導体を含む酸化物超電導層と、を備え、酸化物超電導層は、人工ピンとして酸化物超電導層中に分散している、0.5~10mol%のHfを含む化合物を有し、酸化物超電導層の膜厚dは、d>1μmであり、Jcd/Jc1≧0.9(Jc1は酸化物超電導層の厚さが1μmの時の臨界電流密度を表し、Jcdは酸化物超電導層の厚さがdμmの時の臨界電流密度を表す。)の電流特性を満たす。

Description

RE123系超電導線材およびその製造方法
 本発明は、超電導層に人工ピンが導入されたRE123系超電導線材およびその製造方法に関する。
 本願は、2011年6月30日に、日本に出願された特願2011-146025号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 RE123系の酸化物超電導体は、REBaCu7-δ(RE:Y、Gdなどの希土類元素)の組成で表記される。また、RE123系の酸化物超電導体は、液体窒素温度(77K)よりも高い臨界温度を有しており、超電導デバイスや、変圧器、限流器、モータ又はマグネット等の超電導機器への応用が期待されている。
 一般に、RE123系の酸化物超電導体を用いて良好な結晶配向性を持つように成膜された超電導体は、自己磁場下で高臨界電流特性を示す。しかしながら、超電導状態の超電導体に磁場を印加し、電流を流すと、超電導体に侵入している量子化磁束にローレンツ力が生じる。ローレンツ力によって量子化磁束が移動すると、電流の方向に電圧が生じ、抵抗が生じる。ローレンツ力は、電流値が増加するほど、また磁場が強くなるほど大きくなるので、外部磁場が強くなると臨界電流特性が低下する。
 解決策として、一般的に超電導層内に不純物や欠陥などのナノスケールの異相(超電導層とは異なる相)を混入させ、磁束をピン止めすることで、超電導体の磁界中での臨界電流特性を改善させる方法が知られている。例えば、RE123系の酸化物超電導体を含む超電導層中に、BaZrO等のBaを含む複合酸化物の常電導体を人工ピン(本明細書では、磁束ピンニング点、または、ピン止め点とも記載する)として導入する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。図12は、特許文献1に記載の、YBaCu7-δ(YBCO)超電導層中へのBaZrOの導入の有無による、外部磁場μHに対する臨界電流密度Jの特性変化を示すグラフである。図12に示すように、YBCO超電導層にBaZrOの人工ピンを導入した場合、人工ピンが導入されない場合と比較して、磁場中の臨界電流密度を向上(例えば、3Tの磁場中で、約0.1MA/cmが約0.2MA/cmに向上)させることが可能である。
米国特許第7737087号明細書 国際公開第2009/044637号パンフレット
 上述したRE123系超電導層への人工ピンの導入方法の一例として、特許文献1、2に記載のように、パルスレーザ蒸着法(PLD法)等の成膜方法を用いて、超電導層の成膜時にBaZrO等の微量不純物を混入させる方法が知られている。
 図13に、PLD法により製造したRE123系超電導線材における、GdBaCu7-δ(GdBCO)超電導層の膜厚と、臨界電流最小値(Icmin)との関係をプロットしたグラフを示す。図13に示すように、GdBCO超電導層にBaZrO(BZO)の人工ピンを導入すると、膜厚1μmの超電導層では臨界電流最小値(Icmin)が向上している。しかし、RE123系超電導層の膜厚が厚くなるにつれて臨界電流特性の向上度合いが減少する傾向にあり、膜厚3μmの超電導層では人工ピンを導入しない場合とほぼ同等の臨界電流特性が示される。これは、PLD法を用いて人工ピンを導入したRE123系超電導層を成膜する場合、異相(超電導層とは異なる相)である人工ピンがRE123系超電導層の結晶成長に影響を与えるためであると推察される。このように、RE123系超電導線材では、臨界電流値Iが膜厚に対して直線的に増加しない問題がある。
 一方、静止基材に対してRE123系超電導層をPLD法により形成する場合は、成膜面の温度の制御が比較的容易である。従って、人工ピンを導入した超電導層を厚膜化しても、人工ピン導入による臨界電流特性の向上度合いを維持できる場合もある。
 ところが、長尺のRE123系超電導線材を得るためには、長尺の基材を長尺の基材の長手方向に搬送することにより、成膜装置内の成膜領域を通過させて超電導層を連続して成膜する必要がある。しかしながら、移動する基材に対して超電導層を連続して成膜する場合には、成膜する超電導層の膜厚が厚くなるにつれて、成膜面の温度の制御が難しくなる。従って、成膜条件を最適に保つことが容易でなく、人工ピン導入による臨界電流特性の向上効果が得られ難い。
 本発明は、上記従来の実情を考慮し、超電導層の膜厚が1μm超の場合であっても、磁場中の臨界電流の低下を抑制し、良好な臨界電流特性を有するRE123系超電導線材およびその製造方法を提供する。
 本RE123系超電導線材の一態様は、基材と、基材上方に形成された中間層と、中間層上に形成され、REBaCu7-δ(REは希土類元素のうちの1種又は2種以上を表す。)の組成式で表される酸化物超電導体を含む酸化物超電導層と、を備え、酸化物超電導層は、人工ピンとして酸化物超電導層中に分散している、0.5~10mol%のHfを含む化合物を有し、酸化物超電導層の膜厚dは、d>1μmであり、Jcd/Jc1≧0.9(Jc1は酸化物超電導層の厚さが1μmの時の臨界電流密度を表し、Jcdは酸化物超電導層の厚さがdμmの時の臨界電流密度を表す。)の電流特性を満たす、RE123系超電導線材である。
 上記の一態様によれば、Hfを含む化合物が人工ピン(以下では、磁束ピンニング点、または、ピン止め点とも記載する)として機能し、酸化物超電導層の膜厚が1μm超の場合であっても磁場中の臨界電流特性の低下を抑制できる。
 本RE123系超電導線材のさらなる一態様において、Hfを含む化合物が、MHfO(MはBa、Sr又はCaを表す。)であることが好ましい。
 本RE123系超電導線材の一態様において、REが、Gd、Y及びSmのいずれか1種又は2種以上であることが好ましい。
 上記の一態様によれば、REがGd、Y及びSmのいずれか1種または2種以上であるREBaCu7-δから酸化物超電導層が形成されることにより、RE123系超電導線材の超電導特性がより良好となる。
 本RE123系超電導線材の一態様において、Mが、Baであることがより好ましい。
 上記の一態様によれば、BaHfOの添加により酸化物超電導層に導入されたHfを含む化合物が人工ピンとして効果的に機能し、外部磁場印加による臨界電流特性の低下を抑制する効果がより向上する。
 本RE123系超電導線材の一態様において、酸化物超電導層に、1.5~7.5mol%、または、1.5~5.0mol%のハフニウム複合酸化物MHfO(MはBa、Sr又はCaを表す。)が分散されていることも好ましい。
 本RE123系超電導線材の製造方法の一態様は、ターゲットを用いた物理気相蒸着法により、基材上に形成された中間層上に、Hfを含む化合物を人工ピンとして分散させ、ターゲットには、REBaCu7-δ(REは希土類元素のうちの1種又は2種以上を表す。)の組成式で表される酸化物超電導体、又は酸化物超電導体の粉末に対し、0.5~10mol%のHfの酸化物が添加されており、酸化物超電導層は、Jcd/Jc1≧0.9(Jc1は酸化物超電導層の厚さが1μmの時の臨界電流密度を表し、Jcdは酸化物超電導層の厚さがdμmの時の臨界電流密度を表す。)の電流特性を満たし、酸化物超電導層の膜厚dがd>1μmである、酸化物超電導層を形成する、RE123系超電導線材の製造方法である。
 上記の一態様によれば、酸化物超電導層の膜厚が1μm超の場合であっても、磁場中の臨界電流特性の低下を抑制できる、新規なRE123系超電導線材を提供できる。
 本RE123系超電導線材の製造方法の一態様は、パルスレーザ蒸着法により、基材を移動させながら、基材上に形成された中間層上に、酸化物超電導線材を形成する方法であってもよい。
 超電導層の膜厚が1μm超の場合であっても、磁場中の臨界電流の低下を抑制し、良好な臨界電流特性を有するRE123系超電導線材およびその製造方法を提供できる。
本発明に係るRE123系超電導線材の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るRE123系超電導線材の超電導導体の製造方法で使用される成膜装置の一例を示す模式図である。 実施例1および比較例1~3のRE123系超電導線材の臨界電流密度の特性を示すグラフである。 実施例1および比較例1~3のRE123系超電導線材の臨界電流密度の磁場印加角度依存性を示すグラフである。 実施例1のRE123系超電導線材の、酸化物超電導層の断面のTEM写真である。 実施例1および比較例2,3のRE123系超電導線材の、酸化物超電導層の断面のTEM写真である。 実施例1のRE123系超電導線材の酸化物超電導層の電子線回折図形である。 比較例2のRE123系超電導線材の酸化物超電導層の電子線回折図形である。 比較例3のRE123系超電導線材の酸化物超電導層の電子線回折図形である。 実施例2、3および比較例4、5のRE123系超電導線材の臨界電流密度の磁場印加角度依存性を示すグラフである。 実施例4および比較例6、7のRE123系超電導線材の臨界電流特性を示すグラフである。 実施例4および比較例6~8のRE123系超電導線材について、酸化物超電導層の膜厚に対してJcd/Jc1をプロットしたグラフである。 実施例5,6および比較例9,10の超電導線材の77K、0T~5Tにおける磁化率による臨界電流特性を示すグラフである。 同超電導線材の65K、0T~5Tにおける磁化率による臨界電流特性を示すグラフである。 同超電導線材の40K、0T~5Tにおける磁化率による臨界電流特性を示すグラフである。 同超電導線材の20K、0T~5Tにおける磁化率による臨界電流特性を示すグラフである。 検討例で作製した超電導線材の臨界電流特性を示すグラフである。 YBaCu7-δの超電導層中へのBaZrOの導入の有無による、外部磁場に対する臨界電流密度の特性変化を示すグラフである。 PLD法により製造したRE123系超電導線材における、GdBaCu7-δ超電導層の膜厚と、臨界電流最小値との関係をプロットしたグラフである。
 以下、本発明のRE123系超電導線材の一実施形態について説明する。
 図1は、本発明に係るRE123系超電導線材の一実施形態を示す概略構成図である。
 図1に示すRE123系超電導線材10は、長尺の基材11と、基材11上に形成された中間層12と、中間層12上に成膜されたキャップ層13と、キャップ層13上に形成された酸化物超電導層14と、酸化物超電導層14上に形成された安定化層15とを含む。
 本実施形態のRE123系超電導線材において、基材11としては、テープ状、板状、矩形状の金属材料を用いることができる。基材11の材料としては、強度及び耐熱性に優れた、Cu、Ni、Ti、Mo、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Ag等の金属又はこれらの合金を用いることができる。好ましくは、耐食性及び耐熱性の点で優れているステンレス、ハステロイ(登録商標)、その他のニッケル系合金である。また、基材11として、ニッケル合金などに集合組織を導入した配向Ni-W基板のような配向金属基板を用いてもよい。基材11の厚みは、酸化物超電導線材用として、0.01~0.5mm程度とすることができる。
 中間層12は、イオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)により形成された薄膜である。中間層12の材料としては、MgO、GZO(GdZr)、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、SrTiO等を用いることができる。これらの中でも、結晶配向度を表す指標である面内方向の結晶軸分散の半値幅(FWHM:半値全幅)ΔΦの値が、より小さくなる材料、即ち面内結晶配向度を良好にできる材料を選択することが好ましい。配向金属基板を用いる場合は、IBAD法ではなく、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、PLD法などの成膜法を用いてもよい。
 中間層12の厚みは、例えば、1nm~1.0μm程度が好ましい。
 基材11と中間層12との間に、加熱処理時の元素拡散を防止するために、拡散防止層を形成してもよい。拡散防止層は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するための層であり、拡散防止層上に配置される薄膜状の中間層12に良好な配向性を与えるために機能する。拡散防止層は、必要に応じて配置されればよく、材料としては、例えば、GZO(GdZr)、イットリア(Y)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」)等であればよい。拡散防止層は、例えばスパッタリング法等により、厚さ数10nm~200nm程度に形成される。拡散防止層の構成は、1層でも2層でもよい。
 キャップ層13は、キャップ層上に形成される酸化物超電導層14の配向性を制御する機能とともに、酸化物超電導層14を構成する元素が他の層へ拡散することを抑制する機能などを有する。キャップ層13により、中間層12よりも更に高い面内配向度が得られる。
 キャップ層13の材料としては、例えば、CeO、LMO(LaMnO)、SrTiO、Y、Al等が好ましい。
 キャップ層13の適正な膜厚は、材料によって異なる。例えば、CeOによってキャップ層13を形成する場合には、50nm~1μmの範囲であればよい。
 キャップ層13を成膜するには、PLD法、スパッタリング法等を用いることができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが望ましい。
 酸化物超電導層14は、RE123系の酸化物超電導体から形成される。且つ、酸化物超電導層14には、Hfを含む化合物が添加されて、Hfを含む異相が分散されている。RE123系の酸化物超電導体は、REBaCu7-δ(REは希土類元素のうちの1種又は2種以上を表し、6.5<7-δ<7.1を満たす。)の組成式で表される物質であり、中でも、REがGd、Y及びSmのいずれか1種または2種以上であることが好ましい。REがGd、Y及びSmのいずれか1種または2種以上であるREBaCu7-δから酸化物超電導層14が形成されると、RE123系超電導線材の超電導特性が良好となるため好ましい。
 酸化物超電導層14に分散されている異相はHfを含み、この異相が常電導部分となり、酸化物超電導層14中の量子化磁束の動きを制御する人工ピン(磁束ピンニング点)として機能する。
 人工ピンであるHfを含む異相は、酸化物超電導層14の形成時に、RE123系の酸化物超電導体にHfを含む化合物を添加することにより形成される。Hfを含む化合物としては、ハフニウム複合酸化物MHfO(MはBa、Sr又はCaを表す。)またはハフニウム酸化物HfOが好ましく、具体的には、BaHfO、SrHfO、CaHfOが挙げられる。中でも、ピン止め点として効果的に機能し、外部磁場印加による臨界電流特性の低下を抑制する効果が高いことから、BaHfOが特に好ましい。
 酸化物超電導層14に添加されるHfを含む化合物の割合は、0.5~10mol%の範囲であり、1.5~7.5mol%の範囲が好ましく、1.5~5.0mol%の範囲がより好ましい。このようなmol%の範囲で酸化物超電導層14にHfを含む化合物を添加することにより、酸化物超電導層14中に導入されるHfを含む異相(人工ピン)の割合も同等となる。従って、Hfを含む異相が量子化磁束の動きを効果的に抑制し、磁場中の臨界電流の低下を抑制し、良好な臨界電流特性を有するRE123系超電導線材が得られる。酸化物超電導層14に添加されるHfを含む化合物の割合が下限値未満では、人工ピンとして分散させたHfを含む異相によるピン止め効果が得られ難くなる可能性がある。また、上限値を超えると、酸化物超電導層14中におけるRE123系酸化物超電導体の結晶成長に影響を与えるので、RE123系超電導線材10の超電導特性が低下してしまう可能性がある。
 酸化物超電導層14中の異相は、XRD(X線回折)法又は電子線回折法により同定できる。
 酸化物超電導層14の組成の比率は、例えば、ICP発光分光分析により特定できる。また、酸化物超電導層14中の異相の形状やロッド径は、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより特定できる。
 酸化物超電導層14中に磁束ピンニング点(人工ピン)として分散されているHfを含む異相は、ハフニウム複合酸化物MHfO(MはBa、Sr又はCaを表す。)、HfO等であり、具体的には、BaHfO、SrHfO、CaHfO、HfO、等である。上述したように、酸化物超電導層14に添加されるHfを含む化合物がBaHfOである場合には、Hfを含む異相である人工ピンは、BaHfO、HfO等である。後述する実施例で図6Aに示すように、Hfを含む化合物としてBaHfOまたはHfOを添加した場合は、酸化物超電導層14中のHfを含む異相は主にBaHfOとなる。
 また、酸化物超電導層14に分散された磁束ピンニング点(人工ピン)としては、上述した化合物に加え、RE1+xBa2-xCu7-δなどのRE123系超電導体の組成が変化して常電導体となった化合物や、上述したMの酸化物であるBaO、SrO、CaOなども含む場合がある。
 酸化物超電導層14中に人工ピンとして分散されているHfを含む異相の割合は、酸化物超電導層14に添加したHfを含む化合物の割合とほぼ同等となる。そのため、酸化物超電導層14中のHfを含む異相の割合は、Hfを含む化合物の添加量と同様に、0.5~10mol%の範囲が好ましく、1.5~7.5mol%の範囲がより好ましく、1.5~5.0mol%の範囲がさらに好ましい。
 酸化物超電導層14の厚みdは、1μm超であり、1~10μmであることが好ましく、1~5μmであることがより好ましい。また、酸化物超電導層14の厚みは、均一であることが好ましい。
 本実施形態のRE123系超電導線材10では、酸化物超電導層14に0.5~10mol%のHfを含む化合物が添加されて、酸化物超電導層14中にHfを含む異相が分散している。このHfを含む異相がピン止め点(磁束ピンニング点)として機能し、酸化物超電導層14の膜厚がd>1μmであっても、Jcd/Jc1≧0.9の電流特性を示す。ここで、Jc1は酸化物超電導層14の厚さが1μmの時の臨界電流密度を表し、Jcdは酸化物超電導層14の厚さがdμmの時の臨界電流密度を表す。
 Jcd/Jc1≧0.9を満たすということは、即ち、酸化物超電導層14の膜厚がdμmの場合の臨界電流密度Jcdが、酸化物超電導層14の膜厚が1μmの場合の臨界電流密度Jc1の値の90%以上であることを示す。従って、本実施形態のRE123系超電導線材10では、酸化物超電導層14の膜厚が1μmからdμmに増加する場合であっても、臨界電流密度の低下が抑制できる。
 このように酸化物超電導層14の膜厚が増加する場合にも臨界電流密度が低下し難いため、後述の実施例にて図8に示すように、酸化物超電導層14にBaHfO(BHO)を添加した本実施形態の超電導線材10では、膜厚の増加に比例して臨界電流値が直線的に増加する傾向を示す。
 酸化物超電導層14は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法等の物理気相蒸着法;化学気相成長法(CVD法);塗布熱分解法(MOD法)等で積層することができる。中でも生産性の観点から、パルスレーザ蒸着法(PLD法)、TFA-MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属塗布熱分解法)又はCVD法が好ましく、PLD法が特に好ましい。
 MOD法は、金属有機酸塩を塗布後熱分解させる方法で、金属成分の有機化合物を均一に溶解した溶液を基材上に塗布した後、加熱して熱分解させることにより基材上に薄膜を形成する方法である。これは、真空プロセスを必要とせず、低コストで高速成膜が可能であるため、長尺のテープ状酸化物超電導導体の製造に適している。また、原料溶液の組成を調整することによって、形成される酸化物超電導層14中のHfを含む異相の導入割合を制御できる。
 CVD法は、原料ガスの種類や流量を制御することによって、形成される酸化物超電導層14中のHfを含む異相の導入割合を制御できる。
 PLD法は、使用するターゲットの組成比を調整することにより、形成される酸化物超電導層14中のHfを含む異相の導入割合を制御できる。
 上記方法により酸化物超電導層14を形成するには、REBaCu7-δの組成式で表されるRE123系の酸化物超電導体に対して、Hfを含む化合物が0.5~10mol%、好ましくは1.5~7.5mol%、より好ましくは1.5~5.0mol%の範囲で混入されるように、原料の組成比を調整する。これにより、上記組成比が反映された薄膜(酸化物超電導層14)を形成できる。具体的には、例えば、PLD法により成膜する場合、REBaCu7-δの組成式で表されるRE123系の酸化物超電導体の粉末、或いはRE123系の酸化物超電導体の構成元素を含む粉末に対し、ハフニウム複合酸化物MHfOなどのHfを含む化合物の粉末を0.5~10mol%混入させて焼結させたターゲットを使用することが好ましい。
 また、ターゲットとして、REBaCu7-δの組成式で表されるRE123系の酸化物超電導体の粉末、或いはRE123系の酸化物超電導体の構成元素を含む粉末に対し、ハフニウム複合酸化物MHfOの構成元素を含む粉末(例えば、HfOなど)を、Hfの混入量が0.5~10mol%となるように混入して焼結させた焼結体を用いることもできる。
 本発明において、これらの方法の中でも、PLD法により酸化物超電導層14を形成することが特に好ましい。以下、本発明のRE123系超電導線材の製造方法の一実施形態として、PLD法による酸化物超電導層14を成膜する場合について説明する。
 図2は、PLD法による酸化物超電導層14の成膜に使用されるレーザ蒸着装置の一例を示す概略斜視図である。なお、本レーザ蒸着装置で成膜する前に、拡散防止層や中間層12、キャップ層13を上述した成膜法によりそれぞれ基材11上に形成しておき、その後、図2に示すレーザ蒸着装置により酸化物超電導層14を形成できる。
 図2に示すレーザ蒸着装置は、真空ポンプなどの減圧装置に接続された減圧容器を備え、減圧容器の内部に設置されたターゲット20に対して、減圧容器外部に設置されているレーザビームの照射装置からレーザビームBを照射できる。また、減圧容器の内部には、供給リール21と巻取リール22とこれらの中間位置に板状の加熱装置23が設置されている。供給リール21から加熱装置23を介して、テープ状の基材11を巻取リール22側に移動させることができる。移動中に加熱装置23で所望の成膜温度に加熱された基材11に、レーザビームBによりターゲット20から叩き出された若しくは蒸発した粒子を堆積させて、成膜が行われる。
 ターゲット20は、上述したように、形成しようとする酸化物超電導層14と同等または近似した組成、又は、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物あるいはRE123系の酸化物超電導体に、MHfOなどのHfを含む化合物が所望の割合で混入された焼結体などの板材からなっている。
 図2に示すレーザ蒸着装置は、基材11を例えば2~200m/hの搬送速度で長手方向に搬送しつつ、基材11を酸化物超電導層14の成膜温度として好適な温度(例えば700~1000℃)に加熱しながら成膜する。また、必要に応じて減圧容器内に酸素ガスを導入して、酸素雰囲気中で成膜を行ってもよい。
 ターゲット20にレーザビームBを照射することにより、ターゲット20から叩き出された若しくは蒸発した蒸着粒子の噴流F1は、ターゲット20に対向する領域を通過中の基材11上のキャップ層13の表面に堆積し、従って酸化物超電導層14が形成される。
 図2に示すレーザ蒸着装置のように、基材を基材の長尺方向に搬送しながらPLD法により成膜する方法は、長尺のRE123系超電導線材10を良好な生産性で製造できるため好ましい。
 図13に示すように、RE123系の酸化物超電導層にBaZrOの人工ピンを導入した従来の超電導線材では、図2に示すような装置を用いて、長尺基材を搬送しながら連続して成膜を行うPLD法により酸化物超電導層を成膜すると、酸化物超電導層の膜厚が増加するにつれて、人工ピン導入による効果が低減し、臨界電流値の向上度合いが鈍化する傾向にあった。
 一方、本実施形態のRE123系超電導線材10は、基材を搬送しながらPLD法により膜厚の大きな酸化物超電導層14を成膜した場合であっても、図8に示すように、酸化物超電導層14の膜厚の増加に伴って臨界電流が低下することを抑制でき、優れた臨界電流特性が示される。
 酸化物超電導層14の上には、図1に示すように安定化層15が積層されることが好ましい。
 酸化物超電導層14の上に積層される安定化層15は、酸化物超電導層14の一部領域が常電導状態に転移しようとした場合に、酸化物超電導層14を流れる電流が転流する電流のバイパス路として機能することで、酸化物超電導層14を安定化させて焼損に至らないようにする、主な構成要素である。
 安定化層15は、導電性が良好な金属から形成されていることが好ましく、具体的には、銀又は銀合金、銅などがある。安定化層15の構成は、1層でも2層以上の積層構造でもよい。
 安定化層15は、公知の方法で積層できるが、銀層をメッキやスパッタ法で形成し、その上に銅テープなどを貼り合わせるなどの方法を用いることができる。安定化層15の厚さは、0.1~300μmの範囲であればよい。
 本実施形態のRE123系超電導線材10では、酸化物超電導層14に0.5~10mol%のHfを含む化合物が添加されて、酸化物超電導層14中にHfを含む異相が分散している。このHfを含む異相がピン止め点として機能し、酸化物超電導層14の膜厚がd>1μmであっても、磁場中の臨界電流特性の低下を抑制できる。
 また、実施例で後述する図4に示すように、酸化物超電導層14中に0.5~10mol%のハフニウム複合酸化物MHfOが添加された本実施形態のRE123系超電導線材10は、酸化物超電導層中にMHfOが添加されて形成されたナノオーダーサイズ(ロッド径約5nm)の柱状結晶(ナノロッド)が多数析出して分散している。これにより、BaZrOの人工ピンが導入された超電導線材と比較して、ナノロッドがあらゆる角度(方向)の磁束のピン止め点として機能していると推察され、全磁場印加角度領域において臨界電流特性の改善が可能となる。
 上述した本発明のRE123系超電導線材の製造方法によれば、酸化物超電導層14の膜厚が1μm超の場合であっても、磁場中の臨界電流特性の低下を抑制できるRE123系超電導線材10を提供できる。
 以上、本発明のRE123系超電導線材の一実施形態について説明したが、上記実施形態において、RE123系超電導線材の構成およびその製造方法は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
 次に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<超電導線材用基材の作製>
 本実施例および比較例において、超電導線材用基材として、以下の基材を使用した。
 幅10mm、厚さ0.1mm、長さ約10cmのハステロイ(登録商標)C276(米国ヘインズ社商品名)製の基材上に、スパッタ法により厚さ110nmのGdZr(GZO)層を形成し、さらにその上にIBAD法により厚さ3nmのMgOを形成して中間層を成膜した。次に、MgO層上にスパッタ法により厚さ8nmのLaMnO(LMO)を形成し、LMO層の上にPLD法により厚さ500nmのCeO層を形成して中間層上にキャップ層を成膜した。以上の工程により、超電導線材用基材を作製した。
(実施例1)
 上記作製した超電導線材用基材のCeO層上に、以下の手順で、図2に示すレーザ蒸着装置を用いて、PLD法により膜厚1.0μmのRE123系の酸化物超電導層を成膜した。
 図2に示すレーザ蒸着装置の供給リールに、ダミー基材として長尺金属基材を巻回した。長尺金属基材の端部を引き出して巻取リールに固定し、供給リールから巻取リールへ長尺金属基材を長手方向に搬送できるように設置した。次に、この一対のリール間に設置したダミー基材である長尺金属基材の、供給リール側に、上記作製した超電導線材用基材をCeO層が成膜面となるように接続した。
 次いで、供給リールおよび巻取リールを連動させて駆動し、長尺金属基材を長手方向に搬送するとともに、長尺金属基材に固定した超電導線材用基材を供給リールから巻取リール側へ搬送した。超電導線材用基材がターゲットと対向する成膜領域を通過する間に、CeO層上に膜厚1.6μmのRE123系の酸化物超電導層を成膜した。
 なお、酸化物超電導層の成膜には、GdBaCu7-δの粉末にBaHfOを1.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用した。成膜条件は、加熱装置(ヒータ)温度1070℃、圧力80Pa、レーザ出力34W、酸素100%雰囲気下、超電導線材用基材の搬送速度20m/hである。この条件のもとで、基材の搬送方向の変更を繰り返して、成膜領域に基材を複数回通過させた。
 次に、酸化物超電導層上に厚さ5μmのAg(安定化層)をスパッタしてRE123系超電導線材導を作製した。
 さらに、ターゲットへのBaHfOの混入量を2.5mol%、3.5mol%、5mol%、または7mol%に変更した以外は、上記と同様の条件にて酸化物超電導層を成膜してRE123系超電導線材を作製した。
(比較例1)
 ターゲットとして、GdBaCu7-δの焼結体を用いて酸化物超電導層を成膜した以外は、実施例1と同様にしてRE123系超電導線材を作製した。
(比較例2)
 ターゲットとして、GdBaCu7-δの粉末にBaZrOを3.5mol%、5mol%、または7.5mol%混入させた粉末を焼結させた焼結体を用いて酸化物超電導層を成膜した以外は、実施例1と同様にしてRE123系超電導線材を作製した。
(比較例3)
 ターゲットとして、GdBaCu7-δの粉末にBaSnOを3.5mol%、5mol%、7.5mol%、または10mol%混入させた粉末を焼結させた焼結体を用いて酸化物超電導層を成膜した以外は、実施例1と同様にしてRE123系超電導線材を作製した。
 実施例1および比較例1~3のRE123系超電導線材について、77K、3Tの磁場下における臨界電流特性を測定した。図3に各RE123系超電導線材の臨界電流密度の最小値Jcminをプロットした結果を示す。なお、図3において、「BHO」は実施例1、「ピンなし」は比較例1、「BZO」は比較例2、「BSO」は比較例3の結果をそれぞれ示す。
 図3の結果より、RE123系酸化物超電導体にBaHfOを添加して人工ピンを導入した実施例1のRE123系超電導線材は、人工ピンを導入していない比較例1の超電導線材と比較して、3Tの磁場下における臨界電流密度が大幅に向上した。また、添加量が1.5mol%~5mol%の範囲では、BaHfO添加により人工ピンを導入した超電導線材の臨界電流特性の向上効果は、BaSnO添加による人工ピン導入よりも効果が高く、添加量が1.5mol%~7.5mol%の範囲では、BaZrO添加による人工ピン導入よりも大幅に高い効果を示した。
 この結果より、RE123系の酸化物超電導層にBaHfOを1.5mol%~7.5mol%の範囲で添加することにより、臨界電流特性の低下を抑制できることがわかる。
 さらに、実施例1のRE123系超電導線材のうちBaHfO(BHO)の添加量が3.5mol%の超電導線材と、比較例1のRE123系超電導線材と、
比較例2のRE123系超電導線材のうちBaZrO(BZO)の添加量が5mol%の超電導線材と、比較例3のRE123系超電導線材のうちBaSnO(BSO)の添加量が7.5mol%の超電導線材と、について、77K、3Tの磁場下における臨界電流密度を測定した。図4に、各超電導線材について、臨界電流密度の磁場印加角度依存性をプロットした結果を示す。なお、図4に「BHO3.5mol%」で示す実施例1の超電導線材の77K、3Tの磁場下における臨界電流密度の最小値は、0.33MA/cmであった。同様に、「ピンなし」、「BZO5mol%」、「BSO7.5%」の最小値はそれぞれ、0.14MA/cm,0.28MA/cm,0.33MA/cmであった。
 図4の結果より、RE123系の酸化物超電導体にBaHfO(BHO)を添加して人工ピンを導入した実施例1の超電導線材は、比較例1~3の超電導線材と比較して、c軸よりずれた角度で磁場が印加された場合(30°<θ<90°、90°<θ<150°など)においても、臨界電流密度の低下を抑制できている。従って、実施例1のRE123系超電導線材は、磁場中の臨界電流の低下を抑制し、良好な臨界電流特性を有することが明らかである。また、実施例1の超電導線材は、比較例1~3の超電導線材よりも広い磁場印加角度において、臨界電流特性の低下を抑制できている。これにより、実施例1では、比較例1~3と比較して、ナノロッドがあらゆる角度(方向)の磁束のピン止め点として機能していると推察され、全磁場印加角度領域において臨界電流特性の改善が可能となる。
 実施例1のRE123系超電導線材のうちBaHfO(BHO)の添加量が5mol%の超電導線材について、酸化物超電導層の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)により観察した結果を図5Aに示す。
 図5Aに示すように、実施例1のRE123系超電導線材では、酸化物超電導層中にロッド径約5nmの柱状結晶(ナノロッド)がピン止め点として多数分散している。
 また、図4と同じ実施例1および比較例2,3のRE123系超電導線材について、酸化物超電導層の断面をTEMにより観察した結果を図5Bに示す。ここで、平均ナノロッド径は、実施例1において4.5nm、比較例1において5.6nm、比較例1において9.4nmであった。
 図5Bからわかるように、添加量が最も少ない実施例1において、比較例2,3の場合よりも、径の小さいナノロッドが多数分散している。従って、実施例1RE123系超電導線材を用いることで、効果的に磁場中の臨界電流密度を向上させることが可能である。
 さらに、図5Bの実施例1、および比較例2,3のRE123系酸化物超電導線材について、酸化物超電導層を電子線回折法、およびICP発光分光分析法により分析した。得られた電子線回折図形をそれぞれ図6A~Cに示す。
 図6Aに示すように、実施例1の超電導線材の酸化物超電導層には、GdBaCu7-δ(GdBCO)の結晶中にBaHfOの結晶が分散されている。また、ICP発光分光分析の結果、実施例1の超電導線材(BaHfO添加量が3.5mol%)の酸化物超電導層の組成比は、Gd:Ba:Cu=1.0:2.0:3.0、Hf/Gd=3.5mol%であった。すなわち、実施例1のRE123系超電導線材では、酸化物超電導中に人工ピンとしてBaHfOが分散されており、酸化物超電導層におけるHfを含む人工ピンの導入割合は、ターゲットに添加したHfを含む化合物の割合と同等となっていた。
 一方、図6Bに示すように、比較例2の超電導線材の酸化物超電導層には、GdBaCu7-δ(GdBCO)の結晶中にBaZrOの結晶が分散されている。また、図6Cに示すように、比較例3の超電導線材の酸化物超電導層には、同様に、BaSnOの結晶が分散されている。
(実施例2)
 GdBaCu7-δの粉末にBaHfO(BHO)を3.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を1.2μmにした以外は、実施例1と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
(実施例3)
 GdBaCu7-δの粉末にBaHfO(BHO)を3.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を2.2μmにした以外は、実施例1と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
(比較例4)
 GdBaCu7-δの粉末にBaZrO(BZO)を5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を1.1μmにした以外は、比較例2と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
(比較例5)
 GdBaCu7-δの粉末にBaZrO(BZO)を5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を2.1μmにした以外は、比較例2と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
 実施例2、3および比較例4、5の各RE123系超電導線材について、77K、3Tの磁場下における臨界電流密度を測定した。図7に、各超電導線材について、臨界電流密度の磁場印加角度依存性をプロットした結果を示す。なお、図7において、「BHO1.2μm」は実施例2、「BHO2.2μm」は実施例3、「BZO1.1μm」は比較例4、「BZO2.1μm」は比較例5の結果をそれぞれ示す。
 図7の結果によれば、RE123系の酸化物超電導体にBaHfO(BHO)を添加して人工ピンを導入した実施例2、3の超電導線材は、酸化物超電導層の膜厚を1.2μmから2.2μmに増加させた場合にも、臨界電流密度の特性変化が少ない。すなわち、膜厚が増加したことによる臨界電流密度の低下を抑制できている。
 一方、BaZrO(BZO)を添加して人工ピンを導入した比較例4、5の超電導線材では、酸化物超電導層の膜厚を1.1μmから2.1μmに増加させると、臨界電流密度が大きく低下していた。従って、BaHfO(BHO)を添加して人工ピンを導入した本RE123系超電導線材は、酸化物超電導層の膜厚を1μm超にした場合であっても、磁場中の臨界電流の低下を抑制し、良好な臨界電流特性を有することが明らかである。
(実施例4)
 GdBaCu7-δの粉末にBaHfO(BHO)を3.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用した以外は、実施例1と同様の手順および条件で、酸化物超電導層の膜厚を1.1μm~2.9μmに変化させた複数のRE123系超電導線材を作製した。
(比較例6)
 比較例1と同様に、ターゲットとして、GdBaCu7-δの焼結体を用いて酸化物超電導層を成膜し、酸化物超電導層の膜厚を0.5μm~5.2μmに変化させた複数のRE123系超電導線材を作製した。
(比較例7)
 GdBaCu7-δの粉末にBaZrO(BZO)を5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用した以外は、比較例2と同様の手順および条件で、酸化物超電導層の膜厚を0.9μm~3.2μmに変化させた複数のRE123系超電導線材を作製した。
(比較例8)
 GdBaCu7-δの粉末にBaSnO(BSO)を7.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用した以外は、比較例3と同様の手順および条件で、酸化物超電導層の膜厚を0.9μm~3.2μmに変化させた複数のRE123系超電導線材を作製した。
 実施例4および比較例6~8のRE123系超電導線材について、77K、3Tの磁場下における臨界電流および臨界電流密度を測定した。図8に、各RE123系超電導線材の臨界電流の最小値Icminをプロットした結果を示す。なお、図8において、「BHO3.5mol%」は実施例4、「ピンなし」は比較例6、「BZO5mol%」は比較例7、「BZO7.5mol%」は比較例8の結果をそれぞれ示す。
 また、実施例4と同様にして、酸化物超電導層の膜厚が1μmのRE123系超電導線材を作製し、この超電導線材の77K、3Tの磁場下における臨界電流密度Jc1を測定した。次に、上記測定した実施例4の各超電導線材の77K、3Tの磁場下における臨界電流密度Jcdと、得られたJc1とにより、Jcd/Jc1を算出した。
 さらに、比較例6~8の超電導線材においても、各線材の酸化物超電導層の膜厚が1μmの時の臨界電流密度Jc1を測定し、上記と同様にして、Jcd/Jc1を算出した。
 実施例4および比較例6~8のRE123系超電導線材について、酸化物超電導層の膜厚に対してJcd/Jc1をプロットした結果を図9に示す。
 図8の結果によれば、RE123系の酸化物超電導体にBaHfO(BHO)を添加して人工ピンを導入した実施例4の超電導線材は、酸化物超電導層の膜厚が増加するにつれて臨界電流値がほぼ一定の傾きで直線的に増加している。一方、RE123系の酸化物超電導体にBaZrO(BZO)を添加して人工ピンを導入した比較例7の超電導線材は、酸化物超電導層の膜厚が1μmを超えたあたりから、臨界電流値の増加度合いが鈍化している。RE123系の酸化物超電導体にBaSnO(BSO)を添加して人工ピンを導入した比較例8の超電導線材は、実施例4ほどは臨界電流値が増加していない。
 また、人工ピンを導入しない比較例6の超電導線材では、酸化物超電導層の膜厚が5.2μmで臨界電流値70Aであったが、本発明に係る実施例4の超電導線材では、酸化物超電導層の膜厚が2.9μmで臨界電流値85Aを達成している。すなわち、高い臨界電流値を薄い酸化物超電導層で実現できていることがわかる。
 図9の結果によれば、RE123系の酸化物超電導体にBaHfO(BHO)を添加して人工ピンを導入した実施例4の超電導線材は、酸化物超電導層の膜厚が1μm超の場合にも、Jcd/Jc1≧0.9である。すなわち、酸化物超電導層の膜厚を増加させた場合にも、臨界電流密度の特性変化が少なく、膜厚の増加による臨界電流密度の低下を抑制できている。
 従って、実施例4の酸化物超電導層の膜厚について、1μm~3μmの範囲が好ましいが、1μm~5μmの範囲であってもよい。
(実施例5)
 GdBaCu7-δの粉末にBaHfO(BHO)を3.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を1.2μmにした以外は、実施例1と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
(実施例6)
 GdBaCu7-δの粉末にBaHfO(BHO)を3.5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を2.2μmにした以外は、実施例1と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
(比較例9)
 GdBaCu7-δの粉末にBaZrO(BZO)を5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を1.2μmにした以外は、比較例2と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
(比較例10)
 GdBaCu7-δの粉末にBaZrO(BZO)を5mol%混入させた粉末を焼結させたターゲットを使用し、酸化物超電導層の膜厚を2.6μmにした以外は、比較例2と同様の手順および条件でRE123系超電導線材を作製した。
 実施例5,6および比較例9,10の各超電導線材について、77Kにて、0T、1Tまたは5Tの磁場下における磁化率による臨界電流値を測定した。その結果を図10Aに示す。同様に、65K、40K、20Kにて測定した結果を図10B~Dに、それぞれ示す。
 図10A~Dの結果によれば、RE123系の酸化物超電導体にBaHfO(BHO)を添加して人工ピンを導入した実施例5,6の超電導線材は、温度20K~77K、0T~5Tの磁場下において、酸化物超電導層の膜厚の増加に対し臨界電流値が直線的に増加している。
 一方、RE123系の酸化物超電導体にBaZrO(BZO)を添加して人工ピンを導入した比較例9,10の超電導線材では、酸化物超電導層の膜厚が増加すると、臨界電流値の増加度合いが鈍化している。
検討例:固定成膜または搬送成膜で作製したBaZrOの人工ピン導入線材の比較
 以下の検討例において、超電導線材用基材として、上記の超電導線材で使用した超電導線材用基材と同様の基材を使用した。
 酸化物超電導層の成膜は、搬送成膜および固定成膜のいずれの場合も、ターゲットとして、GdBaCu7-δの粉末にBaZrOを5mol%混入させた粉末を焼結させた焼結体を使用した。成膜は、加熱装置(ヒータ)温度1070℃、圧力80Pa、レーザ出力34W、酸素100%雰囲気下の条件にて行った。
<搬送成膜(Reel to Reel(RTR)成膜)による線材の作製>
 図2に示すレーザ蒸着装置を用いたPLD法により、超電導線材用基材を搬送速度20m/hで搬送しながら酸化物超電導層を成膜した。
 図2に示すレーザ蒸着装置の供給リールに、ダミー基材として長尺金属基材を巻回した。長尺金属基材の端部を引き出して巻取リールに固定し、供給リールから巻取リールへ長尺金属基材を長手方向に搬送できるように設置した。次に、この一対のリール間に設置したダミー基材である長尺金属基材の、供給リール側に、上記作製した超電導線材用基材をCeO層が成膜面となるように接続した。
 次いで、供給リールおよび巻取リールを連動させて駆動し、長尺金属基材を長手方向に搬送するとともに、長尺金属基材に固定した超電導線材用基材を供給リールから巻取リール側へと搬送した。超電導線材用基材がターゲットと対向する成膜領域を通過する間に、CeO層上に膜厚1.6μmのRE123系の酸化物超電導層を成膜した。なお、酸化物超電導層の膜厚が1.6μmになるまで、基材の搬送方向の変更を繰返して、成膜領域に基材を複数回通過させた。
 次に、酸化物超電導層上に厚さ5μmのAg(安定化層)をスパッタしてRE123系超電導線材導を作製した。
<固定成膜による線材の作製>
 超電導線材用基材を、CeO層がターゲットと対向するように固定して配置し、超電導線材用基材を搬送せずに固定したままでCeO層上に膜厚2μmのRE123系の酸化物超電導層を成膜した。
 次に、酸化物超電導層上に厚さ5μmのAg(安定化層)をスパッタしてRE123系超電導線材導を作製した。
 搬送成膜(RTR成膜)および固定成膜で作製した各RE123系超電導線材について、77K、3Tの磁場下における臨界電流を測定した。図11に、各RE123系超電導線材の臨界電流の最小値Icminをプロットした結果を示す。
 図11に示すように、固定成膜により作製した超電導線材では、酸化物超電導層の膜厚が2μmの場合、臨界電流値Icminが60Aである。搬送成膜(RTR成膜)により作製した超電導線材では、酸化物超電導層の膜厚が1.6μmの場合、臨界電流値Icminが16.9Aである。
 この結果より、固定成膜により形成された人工ピン導入線材は、搬送成膜で形成された線材よりも臨界電流特性が良好であることがわかる。
 本検討例で得られた固定成膜の特性値を図13に示すグラフと対比してみると、固定成膜ではBaZrOの人工ピン導入によっても、膜厚が1μmから2μmに増加した場合、臨界電流は膜厚に比例して増加するように見受けられる。しかし、搬送成膜により作製されたBaZrOの人工ピン導入線材では、膜厚を増加させると臨界電流特性の増加が鈍化している。なお、図13に示す各超電導線材の特性は、搬送成膜により酸化物超電導層が形成された線材の超電導特性である。
 以上の結果より、BaZrOの人工ピン導入線材では、PLD法による搬送成膜(RTR成膜)で酸化物超電導層を成膜すると、膜厚の増加に伴い臨界電流特性の増加が鈍化することがわかる。
 一方、BaHfOの添加により人工ピンを導入した上記実施例1~7の線材では、PLD法による搬送成膜(RTR成膜)で酸化物超電導層を成膜しても、膜厚の増加による界電流特性の低下を効果的に抑制できている。
 本発明は、超電導層に人工ピンが導入されたRE123系超電導線材およびその製造方法に適用される。
 10  RE123系超電導線材
 11  基材
 12  中間層
 13  キャップ層
 14  酸化物超電導層
 15  安定化層
 20  ターゲット
 21  供給リール
 22  巻取リール
 23  加熱装置

Claims (8)

  1.  基材と、前記基材上に形成された中間層と、前記中間層上に形成され、REBaCu7-δ(REは希土類元素のうちの1種又は2種以上を表す。)の組成式で表される酸化物超電導体を含む酸化物超電導層と、を備え、
     前記酸化物超電導層は、人工ピンとして前記酸化物超電導層中に分散している、0.5~10mol%のHfを含む化合物を有し、
     前記酸化物超電導層の膜厚dは、d>1μmであり、
     Jcd/Jc1≧0.9(Jc1は前記酸化物超電導層の厚さが1μmの時の臨界電流密度を表し、Jcdは前記酸化物超電導層の厚さがdμmの時の臨界電流密度を表す。)の電流特性を満たす、
    RE123系超電導線材。
  2.  前記Hfを含む化合物が、MHfO(MはBa、Sr又はCaを表す。)である、請求項1に記載のRE123系超電導線材。
  3.  前記REが、Gd、Y及びSmのいずれか1種又は2種以上である、請求項1または2に記載のRE123系超電導線材。
  4.  前記Mが、Baである、請求項1~3のいずれか一項に記載のRE123系超電導線材。
  5.  前記酸化物超電導層に、1.5~7.5mol%のHfを含む化合物が添加されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のRE123系超電導線材。
  6.  前記酸化物超電導層に、1.5~5.0mol%のHfを含む化合物が添加されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のRE123系超電導線材。
  7.  ターゲットを用いた物理気相蒸着法により、基材上に形成された中間層上に、Hfを含む化合物を人工ピンとして分散させ、
     前記ターゲットには、REBaCu7-δ(REは希土類元素のうちの1種又は2種以上を表す。)の組成式で表される酸化物超電導体、又は前記酸化物超電導体の粉末に対し、0.5~10mol%のHfの酸化物が添加されており、
     前記酸化物超電導層は、Jcd/Jc1≧0.9(Jc1は前記酸化物超電導層の厚さが1μmの時の臨界電流密度を表し、Jcdは前記酸化物超電導層の厚さがdμmの時の臨界電流密度を表す。)の電流特性を満たし、
     前記酸化物超電導層の膜厚dがd>1μmである、
    酸化物超電導層を形成する、
    RE123系超電導線材の製造方法。
  8.  パルスレーザ蒸着法により、前記基材を移動させながら、前記基材上に形成された前記中間層上に、前記酸化物超電導線材を形成する、請求項7に記載のRE123系超電導線材の製造方法。
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