JP2005054210A - 薄膜の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、長尺な酸化物超電導体などを製造するための薄膜の製造装置において、加熱部表面の酸化による熱電導性の低下を防止するようにしたものである。
【解決手段】かゝる本発明は、加熱部30表面にテープ基材1を接触させつつ走行させて、テープ基材1表面に薄膜を形成する薄膜の製造装置において、
テープ基材1と接触する加熱部30表面の熱伝達部金属面にPt層35を施した薄膜の製造装置にあり、このPt層35の形成により、加熱部表面の酸化が効果的に防止される一方、Pt自体の良好な熱伝導性により、安定した加熱部表面温度が得られる。つまり、結果として、高品質の薄膜が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】かゝる本発明は、加熱部30表面にテープ基材1を接触させつつ走行させて、テープ基材1表面に薄膜を形成する薄膜の製造装置において、
テープ基材1と接触する加熱部30表面の熱伝達部金属面にPt層35を施した薄膜の製造装置にあり、このPt層35の形成により、加熱部表面の酸化が効果的に防止される一方、Pt自体の良好な熱伝導性により、安定した加熱部表面温度が得られる。つまり、結果として、高品質の薄膜が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば長尺な酸化物超電導体などを製造するための薄膜の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、既に長尺なテープ基材(例えばハステロイなどのテープ基材)の表面にY−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Ti−Ba−Ca−Cu−O系などの材料の酸化物超電導層を形成する薄膜の製造装置を提案してある(特許文献1)。この装置を図示すると、図3の如くである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−367455
【0004】
この装置は、内部が真空排気自在に構成された処理容器10を有し、この処理容器10の内部は成膜室10aとなっている。この成膜室10a中の下部側には、テープ基材1を送り出す送出部21とテープ基材1を巻き取る巻取部22とが適宜離間させて配置してあり、また、これらの間には、テープ基材1を加熱するための加熱部30が配置してある。この加熱部30は、例えば加熱用ヒータ31とNi80%−Cr14%−Fe6%などの材料からなるサセプター(熱伝達部)32とからなり、送出部21から送り出されたテープ基材1は、このサセプター32の表面(加熱部表面)に直接接触しつつ走行し、加熱されて、巻取部22に巻き取られるようになっている。なお、処理容器10内の真空排気は、排気孔10bを通じて、外部の真空排気装置により行われるようになっている。
【0005】
一方、成膜室10a中の加熱部30の上方側には、ターゲットホルダ40が設置され、その下面側(上記テープ基材側)には、所望のターゲット41が支持させてある。このターゲット41には、処理容器10の外部に設置されたレーザー発振装置50からのレーザー光rが、第1反射鏡51、集光レンズ52、第2反射鏡53、処理容器外壁の透明窓11などを通じて、照射されるようになっている。
【0006】
従って、この装置において、レーザー光rをターゲット41に照射させ、この状態で、テープ基材1を走行させると共に、加熱部30により加熱させれば、ターゲット41から蒸発した(蒸発粒子)がテープ基材1の表面(上面側)に付着される。これは、所謂レーザー蒸着法であって、これによって、テープ基材1の表面には、ターゲット材料に対応した所望の薄膜、即ち、酸化物超電導層を適宜形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この装置によるレーザー蒸着法の場合、走行するテープ基材1を加熱部30の表面、即ち、サセプター32の表面と直接接触させてあるため、非接触方式の場合に比較して、安定したテープ基材表面温度が得られるものの、さらなる改善を施すべく、本発明者等が、より詳しく検討したところ、未だ改善すべき余地のあることを見い出した。
【0008】
つまり、加熱時、サセプター32の表面は1000℃程度にも達するため、上記したNi80%−Cr14%−Fe6%などの材料(商品名、インコネル)からなる金属表面にあっては、酸化し易いという問題があった。金属表面が酸化すると、熱伝導性が低下するため、安定したテープ基材表面温度が得られなくなることが分かった。結果として、得られる薄膜の品質も低下することとなる。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施して、加熱部表面の酸化を防止すると共に、Pt自体の良好な熱伝導性により、テープ基材表面温度の安定化を図り、結果として、高品質の薄膜が得られる薄膜の製造装置を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、加熱部表面にテープ基材を接触させつつ走行させて、当該テープ基材表面に薄膜を形成する薄膜の製造装置において、
前記テープ基材と接触する加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施したことを特徴とする薄膜の製造装置にある。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記Pt層の厚さが、100〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の薄膜の製造装置にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る薄膜の製造装置におけるテープ基材と加熱部との接触部分を示した側面図である。この装置では、テープ基材1と接触する加熱部30の表面、例えば、サセプター(熱伝達部)32の表面にPt層35を施してある。なお、本発明に係るこの装置も、基本的には、上記した図3の薄膜の製造装置とほぼ同様であり、同一構成部分には、同一の符合を付してある。
【0013】
ここで、Pt層35としたのは、サセプター表面の場合、加熱時1000℃程度にも達するため、Pt自体が、融点が高く、酸化し難くい特性があるからである。また、この層は、サセプター表面と直接接触するテープ基材1側へ熱をスムーズに伝達する必要があるわけであるが、Pt自体は、良好な熱伝導性を有するため、この面からも最適材料と言えるからである。
【0014】
このPt層35の厚さtは、図2の拡大図に示すように、100〜1000μm程度としてある。つまり、層厚さが薄くとも、その強度はベース部材となるサセプター側によって確保されるからである。ここで、サセプター側の金属材料としては、特に限定されないが、Ni80%−Cr14%−Fe6%などの材料(商品名、インコネル)などの使用が望ましい。なお、Pt層35の形成にあたっては、例えばメッキ法や蒸着法(スパッタリング、レーザー蒸着)、溶射法などによってサセプター表面に被覆すればよい。
【0015】
本発明の装置によると、このPt層35の形成により、加熱時サセプターの表面が1000℃程度にも達しても、上記したように、Pt自体は融点が高く、酸化され難く、さらに、熱伝導性も良好であるため、サセプター表面側からの熱を、テープ基材1側へ安定して伝達することができる。従って、安定した加熱部表面温度が得られ、結果として、高品質の薄膜、例えば酸化物超電導層を形成することができる。
【0016】
また、このPt層35の厚さが、上記したように、100〜1000μm程度の厚さであっても、その強度はベース部材のサセプター側により確保される一方、高価なPtの使用量を少量に抑えることができるため、コスト上昇の抑制効果も得られる。
【0017】
因みに、本発明の装置により、長尺なテープ基材表面にターゲットからの蒸発粒子を蒸着させて酸化物超電導体を得、これに対して、スバッタ装置によりAgコーテイッグを施し、さらに両端部側にそれぞれAgの電極を形成した測定試料(サンプル)を作り、特性試験を行ったところ、以下の如くであった。
【0018】
なお、上記装置において、ターゲット蒸発用のレーザとして繰返周波数200Hz、エネルギー200mJのKrFエキシマレーザを用いた。また、長尺なテープ基材として、その上面に厚さ1.0μmのYSZからなる多結晶中間薄膜を被覆したハステロイ製の幅10mm、厚さ0.2mmのテープを用いた。また、ターゲットとしては、Y1 Ba2 Cu3 O(7− δ) 系の焼結体からなる円板状のものを用いた。また、特性試験での通電特性の測定にあたっては、試料を液体窒素で77Kに冷却し、外部磁場0T(テスラ)の条件下で行った。
【0019】
上記測定結果は、酸化物超電導体1m長さ当たりIC =150A、=1.5MA/cm2 であった。これに対して、サセプター表面にPt層を施さなかった場合には、酸化物超電導体1m長さ当たりIC =100A、JC =1.0MA/cm2 であった。なお、ここで、IC は臨界電流、JC は臨界電流密度である。
【0020】
このことから、サセプター表面にPt層を施した本発明装置の場合、Pt層が軟化して損傷することもなく、サセプター表面の酸化が防止できて、また、Pt自体の良好な熱伝導性から、安定した加熱部表面温度が得られ、結果として、高品質の酸化物超電導層が形成されていることが分かる。
【0021】
なお、上記説明では、薄膜が酸化物超電導層の場合であったが、本発明はこれに限定されず、その他の薄膜形成にも、勿論適用することができる。また、薄膜形成自体も、レーザー蒸着法に限定されず、他の蒸着法や薄膜形成法にも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る薄膜の製造装置よると、テープ基材と接触する加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施してあるため、サセプター表面の酸化が防止できて、また、Pt自体の良好な熱伝導性から、安定した加熱部表面温度が得られ、結果として、高品質の薄膜を形成することができる。また、これにより、テープ基材長手方向への安定した薄膜形成の歩留りが向上するため、酸化物超電導体などの大幅な長尺化も可能となる。さらに、Pt自体の良好な熱伝導性により熱伝導効率が上がるため、結果として、装置の省エネルギー化、加熱部における加熱用ヒータの負担軽減による長寿命化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の製造装置におけるテープ基材と加熱部との接触部分を示した側面図である。
【図2】図1の薄膜の製造装置における加熱部表面を示した拡大縦断面図である。
【図3】薄膜の製造装置の一例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
1 テープ基材
10 処理容器
10a 成膜室
21 送出部
22 巻取部
30 加熱部
31 加熱用ヒータ
32 サセプター
35 Pt層
40 ターゲットホルダ
41 ターゲット
50 レーザー発振装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば長尺な酸化物超電導体などを製造するための薄膜の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、既に長尺なテープ基材(例えばハステロイなどのテープ基材)の表面にY−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Ti−Ba−Ca−Cu−O系などの材料の酸化物超電導層を形成する薄膜の製造装置を提案してある(特許文献1)。この装置を図示すると、図3の如くである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−367455
【0004】
この装置は、内部が真空排気自在に構成された処理容器10を有し、この処理容器10の内部は成膜室10aとなっている。この成膜室10a中の下部側には、テープ基材1を送り出す送出部21とテープ基材1を巻き取る巻取部22とが適宜離間させて配置してあり、また、これらの間には、テープ基材1を加熱するための加熱部30が配置してある。この加熱部30は、例えば加熱用ヒータ31とNi80%−Cr14%−Fe6%などの材料からなるサセプター(熱伝達部)32とからなり、送出部21から送り出されたテープ基材1は、このサセプター32の表面(加熱部表面)に直接接触しつつ走行し、加熱されて、巻取部22に巻き取られるようになっている。なお、処理容器10内の真空排気は、排気孔10bを通じて、外部の真空排気装置により行われるようになっている。
【0005】
一方、成膜室10a中の加熱部30の上方側には、ターゲットホルダ40が設置され、その下面側(上記テープ基材側)には、所望のターゲット41が支持させてある。このターゲット41には、処理容器10の外部に設置されたレーザー発振装置50からのレーザー光rが、第1反射鏡51、集光レンズ52、第2反射鏡53、処理容器外壁の透明窓11などを通じて、照射されるようになっている。
【0006】
従って、この装置において、レーザー光rをターゲット41に照射させ、この状態で、テープ基材1を走行させると共に、加熱部30により加熱させれば、ターゲット41から蒸発した(蒸発粒子)がテープ基材1の表面(上面側)に付着される。これは、所謂レーザー蒸着法であって、これによって、テープ基材1の表面には、ターゲット材料に対応した所望の薄膜、即ち、酸化物超電導層を適宜形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この装置によるレーザー蒸着法の場合、走行するテープ基材1を加熱部30の表面、即ち、サセプター32の表面と直接接触させてあるため、非接触方式の場合に比較して、安定したテープ基材表面温度が得られるものの、さらなる改善を施すべく、本発明者等が、より詳しく検討したところ、未だ改善すべき余地のあることを見い出した。
【0008】
つまり、加熱時、サセプター32の表面は1000℃程度にも達するため、上記したNi80%−Cr14%−Fe6%などの材料(商品名、インコネル)からなる金属表面にあっては、酸化し易いという問題があった。金属表面が酸化すると、熱伝導性が低下するため、安定したテープ基材表面温度が得られなくなることが分かった。結果として、得られる薄膜の品質も低下することとなる。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施して、加熱部表面の酸化を防止すると共に、Pt自体の良好な熱伝導性により、テープ基材表面温度の安定化を図り、結果として、高品質の薄膜が得られる薄膜の製造装置を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、加熱部表面にテープ基材を接触させつつ走行させて、当該テープ基材表面に薄膜を形成する薄膜の製造装置において、
前記テープ基材と接触する加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施したことを特徴とする薄膜の製造装置にある。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記Pt層の厚さが、100〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の薄膜の製造装置にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る薄膜の製造装置におけるテープ基材と加熱部との接触部分を示した側面図である。この装置では、テープ基材1と接触する加熱部30の表面、例えば、サセプター(熱伝達部)32の表面にPt層35を施してある。なお、本発明に係るこの装置も、基本的には、上記した図3の薄膜の製造装置とほぼ同様であり、同一構成部分には、同一の符合を付してある。
【0013】
ここで、Pt層35としたのは、サセプター表面の場合、加熱時1000℃程度にも達するため、Pt自体が、融点が高く、酸化し難くい特性があるからである。また、この層は、サセプター表面と直接接触するテープ基材1側へ熱をスムーズに伝達する必要があるわけであるが、Pt自体は、良好な熱伝導性を有するため、この面からも最適材料と言えるからである。
【0014】
このPt層35の厚さtは、図2の拡大図に示すように、100〜1000μm程度としてある。つまり、層厚さが薄くとも、その強度はベース部材となるサセプター側によって確保されるからである。ここで、サセプター側の金属材料としては、特に限定されないが、Ni80%−Cr14%−Fe6%などの材料(商品名、インコネル)などの使用が望ましい。なお、Pt層35の形成にあたっては、例えばメッキ法や蒸着法(スパッタリング、レーザー蒸着)、溶射法などによってサセプター表面に被覆すればよい。
【0015】
本発明の装置によると、このPt層35の形成により、加熱時サセプターの表面が1000℃程度にも達しても、上記したように、Pt自体は融点が高く、酸化され難く、さらに、熱伝導性も良好であるため、サセプター表面側からの熱を、テープ基材1側へ安定して伝達することができる。従って、安定した加熱部表面温度が得られ、結果として、高品質の薄膜、例えば酸化物超電導層を形成することができる。
【0016】
また、このPt層35の厚さが、上記したように、100〜1000μm程度の厚さであっても、その強度はベース部材のサセプター側により確保される一方、高価なPtの使用量を少量に抑えることができるため、コスト上昇の抑制効果も得られる。
【0017】
因みに、本発明の装置により、長尺なテープ基材表面にターゲットからの蒸発粒子を蒸着させて酸化物超電導体を得、これに対して、スバッタ装置によりAgコーテイッグを施し、さらに両端部側にそれぞれAgの電極を形成した測定試料(サンプル)を作り、特性試験を行ったところ、以下の如くであった。
【0018】
なお、上記装置において、ターゲット蒸発用のレーザとして繰返周波数200Hz、エネルギー200mJのKrFエキシマレーザを用いた。また、長尺なテープ基材として、その上面に厚さ1.0μmのYSZからなる多結晶中間薄膜を被覆したハステロイ製の幅10mm、厚さ0.2mmのテープを用いた。また、ターゲットとしては、Y1 Ba2 Cu3 O(7− δ) 系の焼結体からなる円板状のものを用いた。また、特性試験での通電特性の測定にあたっては、試料を液体窒素で77Kに冷却し、外部磁場0T(テスラ)の条件下で行った。
【0019】
上記測定結果は、酸化物超電導体1m長さ当たりIC =150A、=1.5MA/cm2 であった。これに対して、サセプター表面にPt層を施さなかった場合には、酸化物超電導体1m長さ当たりIC =100A、JC =1.0MA/cm2 であった。なお、ここで、IC は臨界電流、JC は臨界電流密度である。
【0020】
このことから、サセプター表面にPt層を施した本発明装置の場合、Pt層が軟化して損傷することもなく、サセプター表面の酸化が防止できて、また、Pt自体の良好な熱伝導性から、安定した加熱部表面温度が得られ、結果として、高品質の酸化物超電導層が形成されていることが分かる。
【0021】
なお、上記説明では、薄膜が酸化物超電導層の場合であったが、本発明はこれに限定されず、その他の薄膜形成にも、勿論適用することができる。また、薄膜形成自体も、レーザー蒸着法に限定されず、他の蒸着法や薄膜形成法にも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る薄膜の製造装置よると、テープ基材と接触する加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施してあるため、サセプター表面の酸化が防止できて、また、Pt自体の良好な熱伝導性から、安定した加熱部表面温度が得られ、結果として、高品質の薄膜を形成することができる。また、これにより、テープ基材長手方向への安定した薄膜形成の歩留りが向上するため、酸化物超電導体などの大幅な長尺化も可能となる。さらに、Pt自体の良好な熱伝導性により熱伝導効率が上がるため、結果として、装置の省エネルギー化、加熱部における加熱用ヒータの負担軽減による長寿命化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の製造装置におけるテープ基材と加熱部との接触部分を示した側面図である。
【図2】図1の薄膜の製造装置における加熱部表面を示した拡大縦断面図である。
【図3】薄膜の製造装置の一例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
1 テープ基材
10 処理容器
10a 成膜室
21 送出部
22 巻取部
30 加熱部
31 加熱用ヒータ
32 サセプター
35 Pt層
40 ターゲットホルダ
41 ターゲット
50 レーザー発振装置
Claims (2)
- 加熱部表面にテープ基材を接触させつつ走行させて、当該テープ基材表面に薄膜を形成する薄膜の製造装置において、
前記テープ基材と接触する加熱部表面の熱伝達部金属面にPt層を施したことを特徴とする薄膜の製造装置。 - 前記Pt層の厚さが、100〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の薄膜の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206267A JP2005054210A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 薄膜の製造装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003206267A JP2005054210A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 薄膜の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005054210A true JP2005054210A (ja) | 2005-03-03 |
Family
ID=34363183
Family Applications (1)
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JP2003206267A Pending JP2005054210A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 薄膜の製造装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005054210A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013002372A1 (ja) * | 2011-06-30 | 2013-01-03 | 公益財団法人国際超電導産業技術研究センター | Re123系超電導線材およびその製造方法 |
-
2003
- 2003-08-06 JP JP2003206267A patent/JP2005054210A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013002372A1 (ja) * | 2011-06-30 | 2013-01-03 | 公益財団法人国際超電導産業技術研究センター | Re123系超電導線材およびその製造方法 |
CN103620702A (zh) * | 2011-06-30 | 2014-03-05 | 公益财团法人国际超电导产业技术研究中心 | Re123系超导线材及其制造方法 |
JPWO2013002372A1 (ja) * | 2011-06-30 | 2015-02-23 | 公益財団法人国際超電導産業技術研究センター | Re123系超電導線材およびその製造方法 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071009 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080226 |