JP3844630B2 - ターゲットホルダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば酸化物超電導体を製造する際に使用するレーザ蒸着装置などの成膜法に用いるターゲットホルダー構造の改良及びそれを用いた酸化物超電導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化物系超電導体を製造する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザ蒸着法、MBE法(分子線エピタキシー法)、CVD法(化学気相成長法)、IVD法(イオン気相成長法)などの成膜法が知られている。これらの各種成膜方法のうちで、均質で超電導特性の良い酸化物超電導体膜を製造できる方法としては、真空成膜プロセスを用い、ターゲットから発生させた粒子を対向する基材上に堆積させる、いわゆるスパッタリング法、レーザ蒸着法などの物理蒸着法が主流となっている。
【0003】
図8に、酸化物系超電導体を製造するためのレーザ蒸着装置の一例を示した。このレーザ蒸着装置は、内部を真空排気自在に構成された処理容器10を有し、この処理容器10の内部の蒸着処理室10aの下部側に基材1がセットされ、該基材1の上方側には酸化物超電導体または酸化物超電導体と近似組成のターゲット2を配置してある。一方、処理容器10の外部には前記ターゲット2の表面にレーザ光を照射して粒子の噴流(プルーム)3を発生させるための、レーザ発光装置4が設けられている。
前記処理容器10は排気孔10bを介して図示略の真空排気装置に接続されていて、処理容器10の内部を真空排気できるようになっている。
【0004】
前記ターゲット2は平盤状のものであり、円形の他に方形のものも使用される。材質は目的とする薄膜の組成と同じかそれに近い組成のものが使用される。例えば酸化物超電導体の場合には、Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Ti−Ba−Ca−Cu−O系、などの酸化物焼結体を使用する。金属薄膜を作る場合はCu、Ti、Mo、Taなどの純金属が使用される。その他には窒化物等の高融点物質も使用される。
ターゲット2は、片方の表面が基材1表面と所定の角度をなして向き合うようにターゲットホルダー11によって支持され配置されている。
【0005】
また、基材1とターゲット2の間には、窓孔5aを有するフィルタ板5を配置する場合がある。フィルター板5を使用することにより、ターゲット2から基材1に向けて移動する粒子のうち、窓孔5aを通過して基材1に対してほぼ垂直に当たる粒子のみを選択的に基材1上に堆積させることができるようになる。このような窓孔5aを有するフィルタ板5は、ターゲット2から基材1に向けて移動する粒子の噴流3の中心線Gが窓孔5aの中心を通るように配置される。
【0006】
基材1の下には基材表面を成膜に適する温度に保ち、時には生成した薄膜の熱処理を行うために、基材1を高温に加熱するヒーター6が配置されている。基材1は通常200℃以上、高い時には900℃以上の高温に加熱される。基材1の下部には温度を管理するための熱電対7を挿入してある。
【0007】
一方、ターゲット2にはレーザ光が所定の角度を持って照射され、照射された部分のタ−ゲット2は局部的に超高温となり、構成粒子が蒸着処理室10a空間に叩き出されて粒子の噴流(プルーム)3となって飛散し、対向配置された基材1上に飛来堆積して薄膜を形成するようになっている。
【0008】
上記のような薄膜形成装置を使用して異なる組成の薄膜を形成する場合、処理室10の減圧状態を解放してターゲットを交換したのでは能率が悪いので、図示してないが処理室10内に例えば回転式のターゲットホルダーを複数装備し、目的とする組成のターゲットを被処理基材の上部に移動させ、レーザビームを照射して目的とする組成の薄膜を得ている。この際、他のターゲットは被処理基材のレーザビームの当たらない位置に退避している。例えば、酸化物超電導体を作る場合を例に挙げれば、中間層となるY23等の焼結体からなるターゲットと、酸化物超電導体層となるY1Ba2Cu3 X 等の焼結体からなるターゲットの2枚のターゲットを装着し、一方が成膜している時は他方は退避させてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の方式では、中間層であるY23層成膜時にY23粒子が酸化物超電導体層となるY1Ba2Cu3 X (YBCO)ターゲットの表面にも付着してしまう。この状態でそのまま連続してYBCO層を成膜すると、成膜開始直後にはY23の混入したYBCO層が形成されてしまうという問題点があった。
また、逆にYBCO層成膜時にはYBCO粒子がY23ターゲット表面にも付着してしまい、次のY23層成膜時にYBCOの混入したY23層が形成されてしまうという問題点があった。異分子が混入した薄膜は結晶性が悪く、したがって超電導特性も劣るものとなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記欠点を解消するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、金属又は非金属のイオン若しくは蒸気または原子を使用して薄膜を形成する成膜装置に用いるターゲットホルダーであって、ターゲットを保持するための台座と、該台座を支持する支持軸と、ターゲットを該台座に固定するための把持具及びターゲットカバーからなり、該台座は平盤状でターゲットを保持する面と反対側の面に支持軸を有し、かつ台座側面にはターゲットカバーを保持するためのターゲットカバー止め具を有し、該ターゲットカバー止め具をターゲットカバーに設けた止め溝に嵌合させて、ターゲットを覆うようにして該ターゲットカバーをターゲットホルダーに保持するように構成したことを特徴とするターゲットホルダーである。本発明のターゲットホルダーは簡便な機構によってターゲット表面の汚染を防ぐのに有効である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のターゲットホルダーの一実施態様を示すもので、ターゲットホルダーがターゲットを保持するための台座と、該台座を支持する支持軸と、ターゲットを該台座に固定するための把持具からなり、該台座は平盤状でターゲットを保持する面と反対側の面に支持軸を有し、かつターゲットを保持する面の周縁には、互いに切欠部分を隔てて3ヶ所以上に分割配置されたターゲットの位置決めをするための位置決め枠を有し、該切欠部分の台座側面にネジ部を設け、ターゲットを把持する把持具を用いて、ターゲットを該台座の側面の各ネジ部にネジ止めして固定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のターゲットホルダーである。本発明のターゲットホルダーによればネジ部の焼き付きが防止できる。また、台座へのターゲットの取付状態が目視で確認できるのでターゲットの向きを適切に維持でき、特性の良い薄膜が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の薄膜形成装置に係わるターゲットホルダーの一実施例を示す外観図である。この図1ではターゲットカバーは外した状態を示している。図2はターゲットカバーの外観図である。図3は図1のターゲットホルダーのA−A’に沿った断面図で、ターゲットカバーを装着した状態を示す。図4は図1のターゲットホルダーを下方(B方向)から見た平面図であり、ターゲットカバーは外した状態を示している。
このターゲットホルダーは、3個の把持具を用いてターゲットを台座側面のネジ部に締め付けて固定する方式としてある。
【0014】
図1は円形状のターゲットを対象とした例で、台座12の周縁に3個のL字型の把持具16を用いてネジ止めし、タ−ゲット2をターゲットホルダー11に固定している。台座12の周縁には図3に示すようにタ−ゲット2の位置決めをするための位置決め枠13が台座のターゲット保持面12aよりやや下がった位置まで設けられている。台座12及び位置決め枠13の内壁は使用するターゲットの大きさよりも若干大きめに構成されており、ターゲットをはめ込めば所定の位置にターゲットが納まるようになっている。位置決め枠13の深さはターゲットがずれなければ良く、台座12のターゲット保持面12aからわずかに下がった状態、通常は0.2〜2mm程度あればよい。位置決め枠13の長さは、ターゲットの位置決めに支障がない限り特に制限はない。
【0015】
台座12の周縁にはターゲットカバーを装着するためのカバー止め具23が3個設けられている。一方、図2に示すターゲットカバー22にはカギ状のフック24が3個設けてある。このフック24を前記カバー止め具23に引掛けて、図3に示すようにターゲットカバー22をターゲットホルダー11に装着する。ターゲットカバー22は、ターゲットホルダー11の下方からセットして回転させることにより、カバー止め具23に引掛かり、図3のようにターゲットホルダー11にぶら下がるように装着することができる。
ターゲットカバー22の脱着操作は、たとえば図示しない操作棒等を使用して蒸着処理室10aの外から行うことが可能である。
ターゲットカバー22の材質は特に制限はない。一般に蒸着温度に十分耐える金属材料を使用する。
【0016】
本実施の形態例では位置決め枠13は台座12の周縁に3ヶ所の切欠部14を設けて分割して配置してある。切欠部14は図3に示すとおり台座12の厚さのままであり、こうすることによりターゲット2をターゲットホルダー11に取り付けるに際しては、ターゲット2の傾きの有無が目視で判定できる利点が生ずる。切欠部14の幅は特に制限はないが、把持具16の幅と同等かやや広く構成しておくと良い。ターゲットを台座に固定するために、切欠部14はターゲットの形状、大きさに従って複数個設ける。ターゲットが円形の場合には、把持具16は3個以上あればタ−ゲットを所定位置に確実に固定することができる。また、ターゲットが方形の場合には、方形の各側面に沿って把持具16で固定すると安定して固定可能となる。
【0017】
台座12の周縁は切欠部14を含めて同一面としても良く(図5(a)の場合)、或いは図5(b)のごとく切欠部14の部分で一段引込めるように構成しても良い。このようにすれば把持具16をより確実に台座12に固定することが可能となる利点を有する。切欠部14の台座12の側面には、把持具取付用のネジ部15を設けておく。
ネジ部15は図5に示すようにネジ孔でも良いし、図6に示すようにネジ15bを取り付けても良い。ネジ15bを取り付けた場合はナット20と座金21とを用いて把持具16を台座12に取り付ける。
さらに台座12の周縁にはターゲットカバー22用のカバー止め具23を設ける。カバー止め具23は、図2のターゲットカバー22のフック24が嵌合するものであれば特に制限はない。
【0018】
タ−ゲット2は、把持具16を用いて台座12の側面にネジ止め固定する。把持具16は、最も単純には、図3に示すように台座12に固定する部分とターゲットを保持する部分とから、L字型に構成したものを利用することができる。固定部にはネジ止めするための長孔17が明けられている。台座12に固定する部分とターゲットを保持する部分とは、互いに直角になるように構成しておく。台座12が円形で台座が曲面をなしている場合には、台座12と接する面は密着できるよう互いに面合わせを施しておくと良い。さらに、台座に固定する部分の長さはタ−ゲット2の厚さに基づいてて決めれば良く、タ−ゲット2を把持するのに充分な長さがあれば良い。ターゲットを保持する部分の形状も特に制限は無く、ターゲットを受け止められるものであれば良い。例えば台座12に固定する部分と同じ幅であっても良いし、ターゲットに沿って横長に拡がっていても良い。ターゲットを保持する部分の長さも特に制限はなく、タ−ゲット2の大きさに基づいて保持するのに充分な長さがあれば良い。長孔17は長円形にしておけば、ターゲットの厚さの変化にも対応できて都合がよいからである。
【0019】
本発明の他の実施の態様として、図7には方状のターゲットとして4角形のターゲットを使用する場合の例として、台座12が4角形の例を示す。ターゲット位置決め枠13、把持具16の構成方法は前述の通りで良い。本態様では切欠部14とネジ部15の設置位置は、方形台座の各側面とした。台座の各側面でターゲット2を固定することにより、安定して把持することができる。本実施の態様を取ることにより、方形のターゲットにも対応できるようになる。
方丈のターゲットを使用する場合のターゲットカバー22の取り付け方は、カバー止め具23に引掛けてから横にスライドさせれば良い。このためにはターゲットカバー22はどちらかの方向にターゲットホルダー11よりも大きく作成しておけばよい。
【0020】
ターゲットホルダー11の支持軸19は、ターゲット2が基材1と所定の角度をなすように真空蒸着装置に取り付けられる(図示省略)。その場合支持軸19を台座12の中心部に配置し、回転機構(図示省略)に連結すればターゲット2を回転させることができる。ターゲットを回転させることにより、高品質の成膜が得られると共に、ターゲットの均一な消耗もはかられるので好都合である。
【0021】
次に、上記の薄膜形成装置を利用して、酸化物超電導体を製造する場合を取り上げて説明する。
基材としては通常熱膨張係数が低い銅、銀、白金、ステンレス鋼、ハステロイ(C276等)の金属を使用する。又、上記金属以外では、各種ガラス、或いはマイカ等のセラミックを用いることもできる。
上記基材の表面に、熱膨張係数が金属よりも酸化物超電導体の熱膨張係数に近い中間層を形成する。中間層としてはY23、ZrO2、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、MgO、Al23、LaAlO3、LaGaO3、YAlO3、 等のセラミックが好ましい。中間層は必要により1層若しくは2層以上であっても良い。中間層の形成方法は特に制限はなく、スパッタ法、蒸着法等が利用できる。
【0022】
これらの中でもできる限り結晶配向性の整ったものを用いることが好ましい。結晶配向性を整えるためには、基材の片面にスパッタリングにより多結晶薄膜からなる中間層を形成する際に、中間層としてYSZを用いる場合には、スパッタリングと同時に基材成膜面の斜め方向からイオンビームを照射しながら多結晶膜を成膜する方法(イオンアシストスパッタリング法)を用いることにより、結晶配向性に優れた多結晶中間薄膜を形成することができる。
【0023】
酸化物超電導体物質としてはY1Ba2Cu3 Xで代表されるY系の他に、La2-xBaxCuO4で代表されるLa系、Bi2Sr2Can-1Cun2n+1で代表されるBi系、Ti2Ba2Cun2n+1で代表されるTi系、のものなど多数知られている。ターゲットとしてはこれら酸化物の焼結体を使用する。均質で超電導特性の良い超電導酸化膜を製造できる方法としてレーザ蒸着法を用いるのが一般的である。
【0024】
【実施例】
次に、上記の薄膜形成装置を利用して製造する薄膜の例として、酸化物超電導体の薄膜積層構造を有する超電導テープを製造する場合を取り上げて説明する。基材として幅10mm、厚さ0.2mm、長さ100cmのハステロイ(C276)テープを準備した。この基材表面に第一の中間層(下地層)としてYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)層を形成した。YSZ層はイオンビームアシストスパッタリング法(IBAD法)により形成した。成膜条件はスパッタ電圧1000V、スパッタ電流100mA、イオン源のビームの入射角を55度、イオン源のアシスト電圧を300V、イオンビームの電流密度を20μA/cm2 とした。以上の条件で厚さ0.1μmの薄膜からなるYSZ配向制御多結晶中間層を形成した。
【0025】
次いで、上記YSZ配向制御多結晶中間層の上に、第2の中間層であるY23薄膜と酸化物超電導体層となるY1Ba2Cu3 X(YBCO)薄膜を形成した。これらの薄膜の形成には、本発明のターゲットカバー付のレーザビーム真空蒸着成膜装置を使用した。
このレーザビーム真空蒸着成膜装置にはロータリー式の2個のターゲットホルダーが装着されており、2種類のターゲットを切り替えて用いることにより、2種類の薄膜を連続して成膜できるようになっている。また、このレーザビーム真空蒸着成膜装置には、円形のターゲットカバーを廻りから把持し回転させることができるトン具が蒸着処理室の壁を貫通して取り付けられており、蒸着処理室の外から気密を保ったままターゲットカバーの脱着ができるようになっている。
【0026】
上記のレーザビーム真空蒸着成膜装置の2個のターゲットホルダーに、Y23焼結体からなるターゲットとYBCO焼結体からなるターゲットを取り付け、それぞれ図2に示す形状の厚さ0.2mmのSUS207からなるターゲットカバーを図3のように取り付けた。
まず、Y23ターゲットの方を所定のレーザビーム照射位置に移動させ、ターゲットカバーを外した後、レーザビームを照射してY23中間層の成膜を行った。成膜条件は成膜処理室10aの内部を1×10-6Torrに減圧、ターゲット蒸発用のレーザとして波長248nmのKrFレーザを使用、温度700℃、成膜時間15分とした。この結果、厚さ0.1μmの薄膜からなるY23第2中間膜が形成された。
【0027】
次いで、Y23ターゲットにターゲットカバーを取り付け、ターゲットホルダーを回転させ、YBCO焼結体からなるターゲットを所定のレーザビーム照射位置に移動させ、ターゲットカバーを外した後、レーザビームを照射してYBCO酸化物超電導体薄膜を形成した。成膜条件は先ず成膜処理室10aの内部を1×10-6Torrに減圧した後、内部に酸素を導入して酸素圧力を2×10-3Torrにし、前記と同じKrFレーザを使用して、温度900℃で60分間成膜した。
この結果、厚さ0.1μmのY1Ba2Cu3 X 薄膜からなる酸化物超電導体層が形成された。
最後にこの上にスパッタリングにより銀(Ag)のコーティングを施して電極を形成した。
【0028】
このようにして得られたY1Ba2Cu3 X 超電導体薄膜は異物の混入もなくきれいな薄膜であり、X線回折の結果はY1Ba2Cu3 X のシャープなピークを示した。また、この試料を液体酸素で77Kに冷却し、外部磁場0T(テスラ)の条件下で臨界電流(Ic)を測定したところ、試料の長さ方向全体にわたって均一で高い臨界電流値を示した。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、簡便な構造でしかも確実にターゲットの汚れを防止するターゲットホルダー構造を提供できる。本発明によれば、蒸着処理室の気密を破ることなくターゲットの交換ができ、しかもターゲットの汚れがないので複数の組成のきれいな薄膜を能率良く形成することが可能となる。
また、ターゲットの取り付け状況が目視で確認できるようになり、ターゲット表面を所定の方向に確実に保持できるようになるので、特性の良い成膜が得られるようになる。本発明はターゲットの材質に係わらず適用でき、レーザ蒸着装置ばかりでなく、スパッタリング装置、イオンプレーティング装置などのターゲットを使用する物理成膜装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるターゲットホルダー構造の一例を示す外観図である。
【図2】 ターゲットカバーを示す外観図である。
【図3】 図1のターゲットホルダーのA−A’線に沿った断面図である。
【図4】 図1のターゲットホルダーを下面(B方向)から見た図である。
【図5】 ターゲットホルダーの台座の側面を示す図である。
【図6】 把持具を台座に取付ける方法の一例を示す図である。
【図7】 本発明に係わるターゲットホルダー構造の他の例を示す外観図である。
【図8】 レーザ蒸着装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・基材、2・・・ターゲット、3・・・粒子の噴流(プルーム)、4・・・レーザ発光装置、5・・・フィルタ板、6・・・加熱ヒーター、7・・・熱電対、8a,8b・・・反射鏡、9・・・集光レンズ、10・・・真空処理容器、11・・・ターゲットホルダー、12・・・台座、13・・・位置決め枠、 14・・・切欠部、15・・・ネジ部、16・・・把持具、17・・・長孔、18・・・ボルト、19・・・支持軸、20・・・ナット、21・・・座金、22・・・ターゲットカバー、23・・・カバー止め具、24・・・フック、25・・・ボルト溝

Claims (2)

  1. 金属又は非金属のイオン若しくは蒸気または原子を使用して薄膜を形成する成膜装置に用いるターゲットホルダーであって、ターゲットを保持するための台座と、該台座を支持する支持軸と、ターゲットを該台座に固定するための把持具及びターゲットカバーからなり、該台座は平盤状でターゲットを保持する面と反対側の面に支持軸を有し、かつ台座側面にはターゲットカバーを保持するためのターゲットカバー止め具を有し、該ターゲットカバー止め具をターゲットカバーに設けた止め溝に嵌合させて、ターゲットを覆うようにして該ターゲットカバーをターゲットホルダーに保持するように構成したことを特徴とするターゲットホルダー。
  2. ターゲットホルダーがターゲットを保持するための台座と、該台座を支持する支持軸と、ターゲットを該台座に固定するための把持具からなり、該台座は平盤状でターゲットを保持する面と反対側の面に支持軸を有し、かつターゲットを保持する面の周縁には、互いに切欠部分を隔てて3ヶ所以上に分割配置されたターゲットの位置決めをするための位置決め枠を有し、該切欠部分の台座側面にネジ部を設け、ターゲットを把持する把持具を用いて、ターゲットを該台座の側面の各ネジ部にネジ止めして固定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のターゲットホルダー。
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