JP4043732B2 - 加熱ヒータ及び酸化物超電導体薄膜の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば長尺の酸化物超電導体を製造する際に使用するレーザ蒸着装置等の改良に関するものであり、特に、装置内部に備えられた加熱ヒータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化物超電導体を製造する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザ蒸着法、MBE法(分子線エピタキシー法)、CVD法(化学気相成長法)、IVD法(イオン気相成長法)などの成膜法が知られている。これらの各種成膜方法のうちで、均質で超電導特性の良い酸化物超電導体膜を製造できる方法としては、真空成膜プロセスを用い、ターゲットから発生させた粒子を対向する基材上に堆積させる、いわゆるスパッタリング法、レーザ蒸着法などの物理蒸着法が主流となっている。
【0003】
図4に従来の酸化物超電導体を製造するためのレーザ蒸着装置の一例を示す。このレーザ蒸着装置は、内部を真空排気自在に構成された処理容器10を有し、この処理容器10の内部の成膜室10aの下部側に長尺のテープ状の基材1が設けられ、該基材1の上方側には酸化物超電導体または酸化物超電導体と近似組成のターゲット12が設けられる一方、処理容器10の外部にはターゲット12表面にレーザ光を照射して粒子の噴流(プルーム)13を発生させるためのレーザ発振装置14が設けられている。
【0004】
処理容器10は、排気孔10bを介して図示略の真空排気装置に接続されて内部を真空排気できるようになっている。
ターゲット12は、板状のものであり、その下面が基材1上面と平行に向き合うようにターゲットホルダ12aによって支持されている。
基材1の下方側には、送出装置18と、巻取装置19がそれぞれ離間して設けられ、送出装置18からテープ状の基材1を送り出し、巻取装置19で巻き取ることができるとともに、基材1をターゲット12の下方で水平移動できるようになっている。
これら送出装置18と巻取装置19との間には、基材1を輻射熱により加熱するためのヒータ線20aを有する加熱ヒータ20が設けられている。ヒータ線20aは例えば、Pt線、Pt-Rh合金線等からなる。
また、レーザ発振装置14と処理容器10との間には、第1反射鏡21と集光レンズ22と第2反射鏡23が設けられ、レーザ発振装置14が発生させたレーザビームを処理容器10の側壁に取り付けられた透明窓24を介してターゲット12に集光照射できるようになっている。
また、従来のレーザ蒸着装置においては、基材1上に粒子を堆積させる際、基材1の温度を一定にするために、上記加熱ヒータ20に一定出力が投入されるようになっている。
【0005】
図4に示す従来のレーザ蒸着装置を用いて基材1上に酸化物超電導層を形成するには、成膜室10a内を減圧の酸素雰囲気とした上で、レーザ発振装置14からレーザビームを射出し、第1反射鏡21と集光レンズ22と第2反射鏡23と透明窓24を介してレーザビームをターゲット12に照射する。一方、多結晶中間薄膜が形成された基材1を、多結晶中間薄膜側の面を上にして送出装置18から所定速度で順次送り出して巻取装置19に巻取り、基材1をターゲット12の下方を水平移動させるとともに加熱ヒータ20に出力を投入して基材1を加熱する。
【0006】
ここでの加熱の際、加熱ヒータ20に一定出力を投入する。こうすると、レーザビームが照射されたターゲット12は表面部分がえぐり取られるか蒸発されて構成粒子が叩き出され、基材1の中間薄膜2上に堆積し結晶化薄膜となる。このとき、基材1は加熱ヒータ20により加熱されているので、結晶化薄膜は堆積と同時に熱処理されて酸化物超電導層が形成される。
以上の操作によって基材1の上面に順次粒子を堆積させ、テープ状の基材1の多結晶中間薄膜上に酸化物超電導層を形成することで、酸化物超電導導体が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示す従来のレーザ蒸着装置を用いて長尺の酸化物超電導体を製造するには、長時間に渡って基体1を一定温度に保つ必要があり、そのためにはヒータ線20aに長時間の通電を行う必要がある。
しかし、通電状態のヒータ線20aが減圧で高温の酸素雰囲気に曝されると、Ptを主成分とするヒータ線20a自体が蒸発し、ヒータ線20aの細りによる断線や、ヒータ線20aを支持する絶縁碍子に対するPtの再蒸着による絶縁不良などの不具合が発生し、その度に酸化物超電導体の製造が中断され、長尺の酸化物超電導体の製造が困難な状況であった。
【0008】
また、上記の加熱ヒータ20に代えてランプヒータにより加熱を行うと、ターゲット12から叩き出された粒子の一部がランプヒータの集光ミラー表面に付着してヒータの出力が徐々に低下し、これにより長時間にわたって一定の成膜条件を維持することができなくなり、安定した超電導特性を有する長尺の酸化物超電導体の製造が困難な状況であった。
更に、FeNiCr合金(インコネル)線の表面に溶射法によりアルミナ層を形成してヒータとし、このヒータを上記加熱ヒータ20に代えて用いた場合には、FeNiCr合金線がヒータ線20aよりも耐酸化性に劣るとともに溶射法で形成されたアルミナ層が比較的薄いことから、加熱ヒータ20の場合と同様に、断線や絶縁不良による酸化物超電導体の製造が中断され、長尺の酸化物超電導体の製造が困難であった。
【0009】
このように従来から、長時間にわたって、減圧状態の高温酸素雰囲気中での薄膜形成に使用可能な加熱ヒータは、得られていない状況であった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基材のうち薄膜を堆積させる部分(成膜領域)の温度を、長時間にわたって成膜に適切な温度範囲に維持して、基材の長さ方向に沿って均一で、かつ従来よりも長尺な酸化物超電導体の薄膜形成を可能にすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の加熱ヒータは、Ptを主成分とする高抵抗発熱体と、前記高抵抗発熱体の表面全面に形成されたAl2O3またはSiO2のいずれかを主体とする0.5〜1mmの厚さの保護層とからなるヒータ線が備えられてなり、減圧状態の高温酸素雰囲気中において酸化物超電導体の製造に用いられることを特徴とする。
【0012】
また本発明の酸化物超電導体薄膜の成膜装置は、真空排気可能であり、減圧状態の高温酸素雰囲気とされた成膜室内にテープ状の基材を送り込み、該基材を加熱しながら前記成膜室内に設けたターゲットの構成粒子を叩き出し、これら粒子を前記基材上に堆積させて薄膜を形成する酸化物超電導体薄膜の製造装置において、前記基材上における前記薄膜の形成領域の近傍に、前記基材を加熱する加熱ヒータが配設され、該加熱ヒータは、Ptを主成分とする高抵抗発熱体と、該高抵抗発熱体の表面全面に形成されたAl2O3またはSiO2のいずれかを主体とする保護層とからなるヒータ線が備えられてなることを特徴とする。
【0013】
また本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置は、先に記載の酸化物超電導体薄膜の製造装置であって、前記保護層が、Al2O3またはSiO2からなる微粉末が相互に結着されてなるとともに厚さが0.5〜1mmの範囲であることを特徴とする。
【0014】
更に本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置は、先に記載の酸化物超電導体薄膜の製造装置であって、前記基材に対して相対的に摺動するサセプターが前記加熱ヒータに取り付けられ、前記サセプターを介して前記加熱ヒータにより前記基材を加熱することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置をレーザ蒸着装置に適用した場合について説明する。
図1〜図3は、本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置をレーザ蒸着装置に適用した実施形態を示す図である。
図1の実施形態のレーザ蒸着装置が、図4に示した従来のレーザ蒸着装置と異るところは、テープ状の基材1上に結晶化薄膜を堆積する領域の近傍、すなわち送出装置18と巻取装置19との間の基材1の下方に、加熱ヒータ31とサセプター32とからなる加熱治具30が配設された点である。図2は、加熱ヒータ31を説明するための図であって、(A)はターゲット側から見た加熱ヒータの平面図であり、(B)は加熱ヒータの正面図である。また図3は、加熱ヒータ31に備えられたヒータ線31aの模式図である。
尚、図1に示す構成要素のうち、図4に示す構成要素と同一の構成要素には同一符号を付けてその説明を省略する。
【0016】
図1に示すように加熱治具30は、基材1を接触状態で加熱するサセプター32と、該サセプター32を加熱する加熱ヒータ31とから構成されている。
サセプター32は、基材1の成膜領域の裏面に接触する湾曲面26aを有しており、このサセプター32をなす材料としては、Ni80%-Cr14%-Fe6%(商品名インコネル、インターナショナルニッケル社製)などの耐熱合金や、ハステロイなどが好適に用いられる。
サセプター32の幅W1は、基材1の幅W2が1〜20mmのとき、1〜50mm程度、好ましくは10〜25mm程度が良い。またサセプター32の基材1の長さ方向に沿う方向の曲率半径は、基材1の材質等にもよるが300〜800mm程度に設定される。
尚、基材1の成膜領域とは、ターゲット12に対向する基材1の表面であって、ターゲット12からの粒子の噴流(プルーム)13が主に堆積する領域である。
【0017】
このような構成の加熱治具30においては、加熱ヒータ31によりサセプター32が加熱されると、サセプター32の湾曲32aがほぼ一定温度範囲に加熱され、また、このときセプター32の湾曲面32aの温度分布は安定していて、温度分布のバラツキは殆どない。
従って、サセプター32上に基材1を走行させて加熱する際、該サセプター32の湾曲面32aに基材1を常に接触させるようにすれば、基材1の成膜領域を一定温度範囲に維持することができる。
【0018】
次に図2(A)及び図2(B)に示すように、加熱ヒータ31は、略直方体状のケース33と、該ケース33に内蔵された4本のヒータ線31a…と、該ケース33を封口する上蓋34とを主体として構成されている。
ケース33の両側面33a、33aにはそれぞれ端子35…が4個ずつ、対になって設けられており、前記のヒータ線31a…がケース33内部においてこれら一対の端子35…の間にそれぞれ掛け渡されて接続されている。
各端子35…は図示しない制御部に接続されており、この制御部から各端子35…を介してヒータ線31a…に通電し、ヒータ線31a…を自己発熱させることが可能なように構成されている。
【0019】
また図3に示すように、ヒータ線31aは、Ptを主成分とする高抵抗発熱体31bと、この高抵抗発熱体31bの表面に形成された保護層31cとから構成されている。
高抵抗発熱体31bは、直径1.5〜2mm程度のPt線またはPt-Rh合金線がコイル状に巻回されて構成されている。Pt-Rh合金の組成としては、例えばPt組成比が70〜90重量%であり、残部がRhであるものを例示できる。
保護層31cは、高抵抗発熱体31bの表面の全面に緻密に形成されていて、高抵抗発熱体31bが減圧状態の高温酸素雰囲気中に直接に暴露されるのを防止し、高抵抗発熱体31bの蒸発若しくは酸化を防止して高抵抗発熱体31bの断線を防止する。
また保護層31cは、Al2O3またはSiO2のいずれかを主体としてなるもので、Al2O3またはSiO2の微粉末が相互に結着されて形成されている。この保護層31cの厚さは0.5〜1mmの範囲が好ましく、0.5mmが最も好ましい。
【0020】
保護層31cの厚さが0.5mm未満であると、場所によっては保護層31cの表面に隙間が生じ、高抵抗発熱体31bが露出してしまうので好ましくなく、また厚さが1mmを越えると保護層31cの熱容量が増大し、加熱ヒータ31の熱効率が低下するので好ましくない。
【0021】
この保護層31cを形成するには、例えば、Al2O3またはSiO2の微粉末と結着剤とが水により分散されてなる水溶性ペーストを用意し、この水溶性ペーストに水を加えて適当な粘度に調整する。そして、上記の高抵抗発熱体31bをこの調整済みの水溶性ペースト中に浸漬させるか、または高抵抗発熱体31bに調整済みの水溶性ペーストを吹き付ける等により、高抵抗発熱体31bの表面に水溶性ペーストを塗布する。その後、高抵抗発熱体31bごと水溶性ペーストを真空乾燥して水分を除去する。
更に、高抵抗発熱体31bに通電して自己発熱させ、この熱で水溶性ペーストを熱硬化させることにより、上記の微粉末が相互に結着してなる緻密な保護層31cが形成される。尚、通電による熱硬化は、水溶性ペーストを900〜1000℃程度に加熱し、真空中で5〜10時間かけて徐冷することにより行う。冷却速度が高いと保護層31cが急速に収縮し、ひび割れ等が発生するおそれがあるので好ましくない。
また水溶性ペーストに含まれる結着剤は、耐熱性に優れた無機系の結着剤であればどのようなものでもよく、セメント、水ガラス等であっても良い。
上記のように、Al2O3またはSiO2の微粉末を含むペーストを用いて保護層31cを形成することにより、溶射法の場合と比べて比較的膜厚な保護層31cを形成することができ、減圧状態の高温酸素雰囲気中での高抵抗発熱体31bの蒸発を効果的に防止することができる。
【0022】
次に図1に示すターゲット12は、形成しようとする酸化物超電導層と同等または近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物の焼結体、または、酸化物超電導体のバルクなどから形成されている。現在知られている臨界温度の高い酸化物超電導体として具体的には、Y-Ba-Cu-O系、Bi-Sr-Ca-Cu-O系、Tl-Ba-Ca-Cu-O系などがあるので、ターゲット12としてはこれらの系のものなどを用いることができる。なお、酸化物超電導体を構成する元素の中には、蒸気圧が高く、蒸着の際に飛散しやすい元素もあるので、このような元素を含むターゲット12を使用する場合は、蒸気圧の高い元素を目的とする所定の割合よりも多く含むターゲットを用いればよい。
また、レーザ発振装置14としては、ターゲット12から構成粒子を叩き出せるものであれば、YAGレーザ、エキシマレーザなどのいずれのものを使用してもよい。
【0023】
次に、図1乃至図3に示した実施形態のレーザ蒸着装置を用いて酸化物超電導導体を製造する方法について説明する。
まず、表面に多結晶中間薄膜が形成されたテープ状の基材1を成膜室10a内の送出装置18にセットし、ターゲット12をその下面が上記基材1の多結晶中間薄膜側の面と平行に向き合うようにターゲットホルダ12aにセットする。また、基材1の裏面をサセプター32の湾曲面32aに接触させる。
このようにしたならば成膜室10aを真空排気する。ここで必要に応じて成膜室10aに酸素ガスを導入して成膜室10aを酸素雰囲気としても良い。
【0024】
次に、加熱ヒータ31に出力を投入してサセプター32を加熱し、サセプター32からの伝熱により基材1を加熱できるようにする。このようにするとサセプター32の湾曲面32aが一定温度範囲に加熱される。ここで加熱ヒータ31に投入する出力としては、サセプター32の湾曲面32aが成膜に適切な温度な一定温度範囲となる値である。サセプター32の湾曲面32aの温度は、基材1としてハステロイテープ上にYSZからなる多結晶中間薄膜を形成したものを用い、該基材1上にYBaCuO系の超電導層を形成する場合、700〜750℃の範囲内で、かつ温度分布のバラツキが±10℃以内とすることが好ましい。
【0025】
次に、レーザ発振装置14から発生させたレーザビームを第1反射鏡21と集光レンズ22と第2反射鏡23と透明窓24を介して成膜室10a内に導き、ターゲット12の表面に集光照射する。この際に、集光レンズ22の位置調節を行ってターゲット12の表面にレーザビームの焦点を合せる。また、多結晶中間薄膜が形成された基材1を多結晶中間薄膜側の面を上にして送出装置18からサセプター32の上に所定速度で順次送り出し、さらに巻取装置19に巻取ることにより、基材1をターゲット12とサセプター32の間で、かつサセプター32と基材1とを接触させた状態で水平移動させながら加熱する。
【0026】
ここでの基材1の走行速度は、0より大きく10m/時間より小さいことが好ましい。基材1の走行速度が10m/時間を超えると結晶成長時間が不十分のため好ましくない。
また、基材1の成膜領域とサセプター32とは、必ず接触していることが好ましい。このようにすると、加熱ヒータ31によりサセプター32の湾曲面32aが一定温度範囲に加熱され、これにより基材1の成膜領域を一定温度範囲に保つことができる。基材1とサセプター32とが離間すると基材1へ熱が伝わりにくくなり、加熱ヒータ31の負荷が大きくなるため好ましくない。
【0027】
基材1の成膜領域の温度は、基材1としてハステロイテープ上にYSZからなる多結晶中間薄膜を形成したものを用い、該基材1上にYBaCuO系の超電導層を形成する場合、700〜1000℃の範囲内、より好ましくは700〜750℃で、かつ温度分布のバラツキが±10℃以内、より好ましくは±5℃以内である。
【0028】
このようにすると、レーザビームが照射されたターゲット12は表面部分がえぐり取られるか蒸発されて構成粒子が叩き出され、この粒子は基材1の多結晶中間薄膜上に堆積して結晶化薄膜が形成される。このとき、基材1はサセプター32により加熱されているので、結晶化薄膜は堆積と同時に熱処理されて酸化物超電導層が形成される。
以上の操作によって基材1上に順次粒子を堆積させ、テープ状の基材1の多結晶中間薄膜上に酸化物超電導層を形成することで、酸化物超電導導体を得ることができる。このようにして形成された酸化物超電導層は、基材1の長さ方向に沿って均質に形成されており、しかも結晶配向性が優れている。
【0029】
上記のレーザ蒸着装置にあっては、高抵抗発熱体31bの表面の全面が、Al2O3またはSiO2のいずれかを主体とする保護層31cにより被覆されているので、酸化物超電導層を形成する際に、Ptを主成分として含む高抵抗発熱体31bが減圧状態の高温酸素雰囲気中で蒸発することがなく、ヒータ線31aの断線が発生することがないので、加熱ヒータ31を長時間にわたって安定して作動させることができ、均質でしかも長尺な酸化物超電導体を製造することができる。
【0030】
また上記のレーザ蒸着装置にあっては、ヒータ線31aを構成する保護層31cが、Al2O3またはSiO2からなる微粉末を結着させてなるので、溶射法で形成したものと比較して厚い層を形成できるとともに高抵抗発熱体31bの表面に緻密に形成できるので、高抵抗発熱体31bが減圧酸素雰囲気中で蒸発することがなく、これにより従来の保護層を備えたヒータ線よりも格段に寿命をのばすことができ、酸化物超電導体の製造を長時間に渡って連続して行うことができ、長尺の酸化物超電導体を製造することができる。
【0031】
また保護層31cの厚さが0.5mm以上であり、必要にして十分な厚さなので、場所によって厚さにばらつきが生じたとしても高抵抗発熱体31b自体がヒータ線31aの表面に露出することがなく、長時間の通電でも断線等の不具合が発生するおそれがない。
更に、保護層31cの厚さが1mm以下であり、必要にして十分な厚さなので、保護層31cの熱容量が過大となるおそれがなく、ヒータ線31aの熱効率を向上させることができる。
【0032】
更に上記のレーザ蒸着装置は、上記構成の加熱治具30を備えており、加熱ヒータ31により加熱されたサセプター32からの伝熱によって基材1を接触状態で加熱でき、このときサセプター32の湾曲面32aの温度分布は安定しており、しかも温度分布のバラツキも殆どないので、基材1の成膜領域を成膜に適切な一定の温度範囲に加熱することができ、ヒータ線31aの温度変動や加熱ヒータ31の内部温度の変動により基材1の温度が直ちに変動し、不安定になるといった問題点を改善できる。
【0033】
なお、上述の実施形態においては、本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置および薄膜の製造方法をレーザ蒸着装置および酸化物超電導導体の製造方法に適用した場合について説明したが、成膜室内に設けた酸化物超電導体または酸化物超電導体と近似組成のターゲットから発生させた粒子をターゲット近傍を移動中の基材上に順次堆積させて酸化物超電導層を形成する酸化物超電導導体の製造方法やこれに用いられる製造装置においても同様に適用でき、例えば、スパッタ法などの物理蒸着法やスパッタ装置などの物理蒸着装置において同様に適用できる。また、酸化物超電導導体の製造方法や製造装置に限らず、成膜室内に設けたターゲットから発生させた粒子をターゲット近傍を移動中の基材上に順次堆積させて薄膜や厚膜を形成する方法や、これに用いる製造装置に適用できる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
直径1.5mm、長さ920mmの白金-ロジウム合金(Pt-Rh合金)線を巻回してなるコイル線を用意し、このコイル線の表面にAl2O3微粉末と結着剤とが水により分散されてなる水溶性ペーストを、約0.5mmの厚さに塗布した。その後、高抵抗発熱体ごと室温で24時間真空乾燥することにより、水溶性ペースト中の水分を除去して乾燥硬化させた。
更に、上記の高抵抗発熱体に通電して1000℃まで加熱し、6時間保持した後、真空中で6時間ほど徐冷させ、1000℃で1時間程度保温することにより、高抵抗発熱体の表面にAl2O3からなる厚さ0.5mmの保護層を形成した。このようにして本発明に係るヒータ線を製造した。
そして、このヒータ線を図1に示す加熱ヒータに組み込んで、本発明に係る実施例1のレーザ蒸着装置を製造した。
【0035】
上記のレーザ蒸着装置において、ターゲット蒸発用のレーザとして繰返周波数200Hz、エネルギー200mJのKrFエキシマレーザを用いた。また、基材として、ハステロイ製の幅10mm、厚さ0.2mmのテープの上面に、厚さ1.0μmのYSZからなる多結晶中間薄膜を被覆したものを用いるとともに、ターゲットとしてY1Ba2Cu3O(7-δ)なる組成の焼結体からなる円板状のターゲットを用いた。また、サセプターとしてインコネル(商品名;インターナショナルニッケル社製)製のものを用い、これを加熱ヒータに取り付けた。
成膜室の内部を1×10-5Torr(但し、1Torr=133.322Pa)の圧力まで一旦排気した後、酸素を導入して200Torrの圧力とし、更に雰囲気温度が700〜750℃の範囲となるようにサセプター下方の加熱ヒータに3kWの電力を投入し、上記基材と上記サセプターとを接触させた状態で、上記サセプターの上方にて上記基材を1m/hで通過させて加熱し該基材上に上記ターゲットから移動してくる粒子を堆積しレーザ蒸着を行って酸化物超電導導体を得た。
【0036】
実施例1のレーザ蒸着装置による酸化物超電導導体の製造は、640時間以上にわたって連続して行うことが可能であり、得られた酸化物超電導導体の長さは100m超であった。
また得られた酸化物超電導導体に対し、スパッタ装置によりAgコーティングを施し、更に両端部側にそれぞれAgの電極を形成し、Agコーティングして測定試料とした。そして、この試料を液体窒素で77Kに冷却し、外部磁場0T(テスラ)の条件で試料における長さ方向の臨界電流(Ic)を測定したところ、1×106A/cm2の臨界電流(Ic)を示した。このように高い臨界電流(Ic)を示す理由としては、実施例1のレーザ蒸着装置の加熱ヒータの発熱量(出力)が長時間にわたって安定し、蒸着条件が一定となり、長さ方向にわたって均一な特性の酸化物超伝導導体が得られたためと考えられる。
【0037】
(比較例1)
ヒータ線として、上記の白金-ロジウム合金(Pt-Rh合金)線を巻回してなるコイル線を用い、このヒータ線を図4に示す加熱ヒータに組み込んで、従来の比較例1のレーザ蒸着装置を製造した。
そして、上記の比較例1のレーザ蒸着装置を用いたこと以外は実施例1と同様して、比較例1の酸化物超電導導体を製造した。
【0038】
比較例1のレーザ蒸着装置による酸化物超電導導体の製造においては、製造開始から160時間経過した時点でヒータ線が断線し、酸化物超電導体の製造が中断された。このときまでに得られた酸化物超電導導体の長さは5mであった。
また得られた酸化物超電導導体に対し、スパッタ装置によりAgコーティングを施し、更に両端部側にそれぞれAgの電極を形成し、Agコーティングして測定試料とした。そして、この試料を液体窒素で77Kに冷却し、外部磁場0T(テスラ)の条件で試料における長さ方向の臨界電流(Ic)を測定したところ、2×105A/cm2の臨界電流(Ic)を示した。これは実施例1の場合の5分の1程度の値であった。このように比較的低い臨界電流(Ic)を示す理由としては、実施例1の加熱ヒータに比べて比較例1の加熱ヒータの発熱量(出力)の変動が大きく、蒸着条件が変動して均質な酸化物超伝導導体が得られなかったためと考えられる。
【0039】
以上のように、実施例1のレーザ蒸着装置によれば、加熱ヒータを640時間以上にわたって連続して作動させることが可能であり、しかも加熱ヒータの出力が長時間にわたって一定であるため、長さ方向にわたって均質な超伝導特性を示す酸化物超電導体が得られることが判明した。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の加熱ヒータによれば、高抵抗発熱体の表面にAl2O3またはSiO2のいずれかを主体とする0.5〜1mmの厚さの保護層が備えられているので、減圧状態の高温酸素雰囲気中にて使用された場合でも高抵抗発熱体が蒸発あるいは酸化することがなく、断線するおそれが極めて小さく、加熱ヒータを長時間にわたって連続して作動させることができるとともに安定した出力を得ることができる。
【0041】
また、本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置によれば、ターゲットの構成粒子を叩き出し、これを長尺の基材上に順次堆積させて薄膜を形成する際に、高抵抗発熱体の表面にAl2O3またはSiO2のいずれかを主体とする保護層を具備してなる加熱ヒータが備えられているので、減圧酸素雰囲気中にて薄膜を形成させた場合でも高抵抗発熱体が蒸発あるいは酸化することがなく、断線するおそれが極めて小さく、長時間にわたって加熱ヒータを連続して作動させることができ、安定した出力を得ることができる。
これにより、均一な特性の酸化物超電導体薄膜を、長尺の基材上に連続して形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の酸化物超電導体薄膜の製造装置をレーザ蒸着装置に適用した実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 図1のレーザ蒸着装置に備えられた加熱ヒータを説明するための図であり、(A)はターゲット側から見た平面図であり、(B)は正面図である。
【図3】 図2に示す加熱ヒータに備えられたヒータ線を説明するための模式図である。
【図4】 従来のレーザ蒸着装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…基材、10a…成膜室、12…ターゲット、31…加熱ヒータ、31b…高抵抗発熱体、31c…保護層、32…サセプター
Claims (4)
- Ptを主成分とする高抵抗発熱体と、前記高抵抗発熱体の表面全面に形成されたAl2O3またはSiO2のいずれかを主体とする0.5〜1mmの厚さの保護層とからなるヒータ線が備えられてなり、減圧状態の高温酸素雰囲気中において酸化物超電導体の製造に用いられることを特徴とする加熱ヒータ。
- 真空排気可能であり、減圧状態の高温酸素雰囲気とされた成膜室内にテープ状の基材を送り込み、該基材を加熱しながら前記成膜室内に設けたターゲットの構成粒子を叩き出し、これら粒子を前記基材上に堆積させて薄膜を形成する酸化物超電導体薄膜の製造装置において、前記基材上における前記薄膜の形成領域の近傍に、前記基材を加熱する加熱ヒータが配設され、該加熱ヒータは、Ptを主成分とする高抵抗発熱体と、該高抵抗発熱体の表面全面に形成されたAl2O3またはSiO2のいずれかを主体とする保護層とからなるヒータ線が備えられてなることを特徴とする酸化物超電導体薄膜の製造装置。
- 前記保護層は、Al2O3またはSiO2からなる微粉末が相互に結着されてなるとともに厚さが0.5〜1mmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の酸化物超電導体薄膜の製造装置。
- 前記基材に対して相対的に摺動するサセプターが前記加熱ヒータに取り付けられ、前記サセプターを介して前記加熱ヒータにより前記基材を加熱することを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれかに記載の酸化物超電導体薄膜の製造装置。
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