JP2570560Y2 - 電子ビーム蒸発源 - Google Patents

電子ビーム蒸発源

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JP2570560Y2
JP2570560Y2 JP1991003773U JP377391U JP2570560Y2 JP 2570560 Y2 JP2570560 Y2 JP 2570560Y2 JP 1991003773 U JP1991003773 U JP 1991003773U JP 377391 U JP377391 U JP 377391U JP 2570560 Y2 JP2570560 Y2 JP 2570560Y2
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electron beam
evaporation source
aluminum
beam evaporation
crucible
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明憲 江部
孝也 石井
洋一 足立
滋樹 酒井
潔 緒方
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Nissin Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、蒸発材料を電子ビー
ムによって加熱・蒸発させる電子ビーム蒸発源に関し、
特に、蒸発材料に硫化物を使用する電子ビーム蒸発源に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電子ビーム蒸発源の従来例を図
2に示す。
【0003】この電子ビーム蒸発源は、るつぼ4を構成
する基体2を有し、その側部に設けられたフィラメント
8から放出させた電子ビーム(熱電子ビーム)10を、
図示しない磁極の磁界によって偏向させて、るつぼ4内
に入れた蒸発材料12に照射して加熱・蒸発させるもの
である。
【0004】るつぼ4の周りは、電子ビーム10の照射
時に高温になるため、基体2内に冷却水穴6を設けて、
水による冷却を行いながら使用する。そのため、基体2
には、ある程度高い融点を有し、かつ熱伝導の良い銅が
一般的に用いられている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記電子ビ
ーム蒸発源においては、蒸発材料12に銅との反性の
高い硫化物(例えばEL発光素子材料であるZnS、C
aS、SrS等)等を使用する場合、硫化物雰囲気中に
さらされている銅製の基体2は、硫黄(S)との化学反
応によって著しく劣化されてしまい、その結果、当該電
子ビーム蒸発源の寿命を短命なものにしてしまうという
問題がある。
【0006】そこでこの考案は、るつぼを構成する銅製
の基体の耐硫化物性および耐食性を向上させ、それによ
って電子ビーム蒸発源の寿命を延ばすことを主たる目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案の電子ビーム蒸発源は、前記るつぼを構成
する銅製の基体の表面に、アルミニウム単体から成る
ルミニウム膜をコーティングしたことを特徴とする。
【0008】
【作用】アルミニウムは硫黄に対して安定な材料であ
り、耐硫化物性に優れている。従って、上記のようにア
ルミニウム膜をコーティングすることにより、るつぼを
構成する銅製の基体の耐硫化物性および耐食性が向上す
る。
【0009】
【実施例】図1は、この考案の一実施例に係る電子ビー
ム蒸発源を示す概略断面図である。図2の従来例と同一
または相当する部分には同一符号を付し、以下において
は当該従来例との相違点を主に説明する。
【0010】この実施例においては、前述したようなる
つぼ4を構成する銅製の基体2の表面に、アルミニウム
単体から成るアルミニウム膜14をコーティングしてい
る。
【0011】コーティング材料にアルミニウムを用いる
主な理由は次のとおりである。 アルミニウムは、硫黄に対して安定な材料であり、耐
硫化物性に優れている。 アルミニウムは、銅に対する密着性が良く、また後述
する真空アーク蒸着法によるコーティングが容易であ
る。 蒸発材料12に硫化物を用いる場合は、その蒸発に必
要な電子ビーム10の投入パワーが低くて済むのに加え
て、アルミニウムは銅と同様、熱伝導に優れた材料であ
るため、アルミニウム膜14の表面も効率良く冷却され
る。従って、アルミニウム膜14に誤って電子ビーム1
0が当たったとしてもアルミニウムの蒸発は起こらな
い。
【0012】上記アルミニウム膜14のコーティングに
は、真空アーク蒸着法(アーク放電を利用した蒸発源を
用いる真空蒸着法)を用いるのが好ましい。その主な理
由は次のとおりである。 蒸着速度が速く、かつ蒸発粒子のまわり込みが良いた
め、複雑な形状の基材(被コーティング材)に対するコ
ーティングに適しており、均一な厚膜を作製することが
できる。 膜質およびその基材に対する密着性が良い。 低温プロセスでコーティングできるので、基材の歪み
が少ない。
【0013】基体2にコーティングするアルミニウム膜
14の膜厚は、例えば10μm程度で良いが、これに限
定されるものではない。
【0014】また、基体2にアルミニウム膜14をコー
ティングする範囲は、必ずしも基体2の全表面でなくて
も良い。要は、基体2が硫化物雰囲気中にさらされるの
を防止すれば良く、従って例えば、基体2を台のような
ものの上に載置して使用する場合は、その底面2aには
必ずしも図示例のようにアルミニウム膜14をコーティ
ングしなくても良い。
【0015】るつぼ4を構成する銅製の基体2に上記の
ようにアルミニウム膜14をコーティングすることによ
り、当該るつぼ4の耐硫化物性および耐食性が向上す
る。その結果、従来例と同じ条件下で当該電子ビーム蒸
発源を使用した場合、その寿命は従来例に比べて約3倍
に延びる。
【0016】従って、この考案の電子ビーム蒸発源は、
特に硫化物を多量に用いる薄膜EL発光素子の製造に必
要不可欠な装置であると言える。
【0017】なお、上記には、アルミニウム膜14のコ
ーティング方法の好ましい例として真空アーク蒸着法を
説明したが、勿論、これ以外のCVD法、PVD法等に
よってアルミニウム膜14をコーティングしても良い。
【0018】
【考案の効果】以上のようにこの考案によれば、るつぼ
を構成する銅製の基体の表面に、アルミニウム単体から
成るアルミニウム膜をコーティングしたので、当該基体
の耐硫化物性および耐食性が向上し、それによって当該
電子ビーム蒸発源の寿命を従来例に比べて大幅に延ばす
ことができる。しかも、アルミニウム膜は導電膜であ
り、それを基体の表面にコーティングしても、蒸発材料
に対する電子ビーム照射に伴う電荷を、当該アルミニウ
ム膜を通して基体へ逃がすことができるので、るつぼ周
りが帯電(チャージアップ)して電子ビームがるつぼ内
の蒸発材料に正しく照射されなくなることを防止するこ
とができる。また、アルミニウムは比較的活性な金属で
あって銅製の基体に対する密着性が高く、しかもアルミ
ニウムは銅と同様に金属であって両者は熱膨張係数が近
いので、アルミニウム膜をヒートサイクルが加わる基体
にコーティングしても、膜剥離を起こす可能性が極めて
少ない。更に、アルミニウム膜は、単にアルミニウムの
蒸発、スパッタ等によって形成することができるので、
膜形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案の一実施例に係る電子ビーム蒸発源
を示す概略断面図である。
【図2】 従来の電子ビーム蒸発源の一例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
2 基体 4 るつぼ 10 電子ビーム 12 蒸発材料 14 アルミニウム膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 酒井 滋樹 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (72)考案者 緒方 潔 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−87360(JP,A) 特開 昭54−127878(JP,A) 実開 昭53−7444(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 るつぼを構成する銅製の基体を有し、こ
    のるつぼ内に入れた蒸発材料を電子ビームによって加熱
    する電子ビーム蒸発源であって蒸発材料に硫化物を使用
    するものにおいて、前記るつぼを構成する銅製の基体の
    表面に、アルミニウム単体から成るアルミニウム膜をコ
    ーティングしたことを特徴とする電子ビーム蒸発源。
JP1991003773U 1991-01-10 1991-01-10 電子ビーム蒸発源 Expired - Fee Related JP2570560Y2 (ja)

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US9463643B2 (en) 2006-02-21 2016-10-11 R.R. Donnelley & Sons Company Apparatus and methods for controlling application of a substance to a substrate
US8733248B2 (en) 2006-02-21 2014-05-27 R.R. Donnelley & Sons Company Method and apparatus for transferring a principal substance and printing system
US8869698B2 (en) 2007-02-21 2014-10-28 R.R. Donnelley & Sons Company Method and apparatus for transferring a principal substance

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