WO2012165499A1 - トリアゾール化合物、およびその利用 - Google Patents

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Abstract

 植物病害に対して高い防除効果を示す化合物を提供するため、本発明に係るトリアゾール化合物は、式(I)で示される化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、(-)-エナンチオマーまたは(+)エナンチオマーである。(式(I)中、Rはアルキル基、Rはハロアルキル基を表しており、Arは、置換または無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表している。)

Description

トリアゾール化合物、およびその利用
 本発明は、トリアゾール化合物の鏡像異性体、これを含む植物病害防除剤、この植物病害防除剤を用いた植物病害防除方法、およびこれらの利用に関する。
 ある種の2-置換-5-ベンジル-1-アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体には、殺菌活性を示すものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
 また、2-(ハロゲン化炭化水素置換)-5-ベンジル-1-アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体に包含される一部の化合物が、抗痙攣性や抗不安緩解性活性を示すことが報告されている(特許文献3参照)。なお、特許文献3には、農園芸用薬剤に関する記載はない。
日本国特許公報「特開平01-93574号公報」 日本国特許公報「特開平01-186871号公報」 独国特許出願公開第3902031号明細書 日本国特許公報「特開平05-271197号公報」 日本国特許公報「特開平01-301664号公報」
 従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す植物病害防除剤が求められている。
 そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記の要望に応える化合物を提供することにある。
 上記の課題を解決するために、本発明者らは、2-(ハロゲン化炭化水素置換)-5-ベンジル-1-アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体の化学構造と生理活性を詳細に検討した。その結果、下記式(I)で示されるアゾール誘導体(具体的には、2-(ハロゲン化炭化水素置換)-5-ベンジル-1-アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体)が優れた活性を有することを見出すとともに、各鏡像異性体において特に優れた活性を有していることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は係る新規知見に基づいてなされたものであり、以下の発明を包含する。
 本発明に係るトリアゾール化合物の第1の態様は、式(I)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式(I)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、Rは炭素数1~6のハロアルキル基を表しており、Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基または5~10員の芳香族複素環基を表している。)
で示されるトリアゾール化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、(-)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物である。
 本発明に係るトリアゾール化合物の第2の態様は、上記式(I)で示されるトリアゾール化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、(+)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物である。
 本発明に係る植物病害防除剤は、上記トリアゾール化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤である。
 本発明に係る植物病害防除方法は、上記植物病害防除剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う工程を含む、物病害防除方法である。
 本発明に係る種子は、上記植物病害防除剤により処理した種子である。
 本発明に係るトリアゾール化合物は、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する。したがって、本発明に係るトリアゾール化合物を有効成分として含む薬剤は、広範な植物病害に対して高い防除効果を発揮することができる効果を奏する。
 以下、本発明に係るトリアゾール化合物、植物病害防除剤および植物病害防除方法の一実施形態について説明する。
 〔トリアゾール化合物〕
 本発明に係るトリアゾール化合物の第1の態様は、式(I)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(式(I)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、Rは炭素数1~6のハロアルキル基を表しており、Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基または5~10員の芳香族複素環基を表している。)
で示されるトリアゾール化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、(-)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物(以下、「化合物I(-)」と称する)である。
 また、本発明に係るトリアゾール化合物の第2の態様は、上記式(I)で示されるトリアゾール化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、(+)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物(以下、「化合物I(+)」と称する)である。
 Rは、炭素数1~6のアルキル基を表しており、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、およびヘキシル基などを挙げることができる。なかでも、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、炭素数1~3のアルキル基が特に好ましい。
 Rは、炭素数1~6のハロアルキル基を表している。Rに含まれるハロゲン原子としては、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ、なかでもフッ素原子、塩素原子および臭素原子がより好ましい。また、Rに含まれるハロゲン原子の数に制限はない。
 炭素数1~6のハロアルキル基としては、具体的には、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2-クロロエチル基、1-クロロエチル基、2,2-ジクロロエチル基、1,2-ジクロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、3-クロロプロピル基、2,3-ジクロロプロピル基、1-クロロ-1-メチルエチル基、2-クロロ-1-メチルエチル基、2-クロロプロピル基、4-クロロブチル基、5-クロロペンチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、1-フルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、2,3-ジフルオロプロピル基、1-フルオロ-1-メチルエチル基、2-フルオロ-1-メチルエチル基、2-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、4-フルオロブチル基、5-フルオロペンチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2-ブロモエチル基、1-ブロモエチル基、2,2-ジブロモエチル基、1,2-ジブロモエチル基、2,2,2-トリブロモエチル基、3-ブロモプロピル基、2,3-ジブロモプロピル基、1-ブロモ-1-メチルエチル基、2-ブロモ-1-メチルエチル基、2-ブロモプロピル基、4-ブロモブチル基、5-ブロモペンチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、2-ヨードエチル基、1-ヨードエチル基、2,2-ジヨードエチル基、1,2-ジヨードエチル基、2,2,2-トリヨードエチル基、3-ヨードプロピル基、2,3-ジヨードプロピル基、1-ヨード-1-メチルエチル基、2-ヨード-1-メチルエチル基、2-ヨードプロピル基、および4-ヨードブチル基を挙げることができる。なかでも、炭素数1~4のハロアルキル基がより好ましく、炭素数1~3のハロアルキル基が特に好ましい。
 Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基、または水素原子が置換されていてもよい5~10員の芳香族複素環基を表している。
 Arにおける炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデン基およびアズレン基等を挙げることができる。5~10員の芳香族複素環基を構成する芳香族複素環としては、例えば、チオフェン、ピリジン、チアゾール、フラン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、フラサン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンゾフラン、クマリンおよびイソキノリン等を挙げることができる。
 Arにおける芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のハロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基および炭素数1~4のハロアルコキシ等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子等が挙げられる。炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基およびn-ブチル基等が挙げられる。炭素数1~4のハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基およびブロモメチル基等が挙げられる。炭素数1~4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびn-プロポキシ基等が挙げられる。炭素数1~4のハロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ基および2,2,2-トリフルオロエトキシ基等が挙げられる。また置換基としてのフェニル基における水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
 Arの芳香族炭化水素基および芳香族複素環基における置換基の数および位置は特に限定されない。また、置換基が複数である場合、それぞれは同じであってもよく、互いに異なるものであってもよい。
 Arの一例としては、例えば、以下の式(a)~(d)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。以下の式(a)~(d)以外のArとしては、例えば、ナフタレンおよびアズレンなどの多環芳香族炭化水素、またはキノリン、ベンゾチオフェンなどの多環芳香族複素環を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
(上記式中、Yは、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のハロアルコキシ基を表しており、pは0、1または2である。Yは、ハロゲン原子を表している。*はメチレン基との結合を表している。)
 化合物(I(-))および化合物(I(+))では、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基および-CH-Ar基同士(シクロペンタン環1位と2位、および1位と5位)は、シクロペンタン環を基準にして互いにシス型である。当該-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型である化合物としては、1対のエナンチオマーが存在し、化合物(I(-))は、このうちの(-)-エナンチオマーであり、化合物(I(+))は、このうちの(+)-エナンチオマーである。なお、本明細書において、「(-)-エナンチオマー」とは、ナトリウムD線の直線偏光の振動面を左に回転させるエナンチオマーのことを指し、「(+)-エナンチオマー」とは、ナトリウムD線の直線偏光の振動面を右に回転させるエナンチオマーのことを指す。
 なお、本明細書において、「1,2-シス」、「1,5-シス」および「1,2-トランス」との記載は、上記一般式(I)で示される化合物におけるシクロペンタン環1位の-OH基、2位の-R基および5位の-CH-Ar基、あるいは上記一般式(I)で示される化合物の中間体化合物におけるそれぞれに対応する官能基について言及しているものである。
 化合物(I(-))の具体例としては、例えば、式(Ia)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
(式(Ia)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、XおよびXは、それぞれ独立にハロゲン原子を表している。mは0または1を表している。)
で示されるトリアゾール化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-CH-X基および置換または無置換のベンジル基同士がシス型であり、(-)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物を挙げることができる。
 同様に、化合物(I(+))の具体例としては、例えば、上記式(Ia)で示されるトリアゾール化合物であって、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-CH-X基および置換または無置換のベンジル基同士がシス型であり、(+)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物を挙げることができる。
 式(Ia)におけるRは、上述のRと同義である。
 XおよびXは、それぞれ独立にハロゲン原子を表している。具体的には、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表している。なかでもXは、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が好ましく、Xは、フッ素原子および塩素原子が好ましい。
 mは、ベンジル基の芳香環に結合しているXの数を示しており、0または1である。
 mが1の場合、ベンジル基におけるXの結合位置に制限はないが、4-置換ベンジル基となることが好ましい。
 化合物(I(-))のより具体的な例としては、上記式(Ia)で示されるトリアゾール化合物であって、mが1であり、Xがフッ素原子または塩素原子であり、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-CH-X基および置換または無置換のベンジル基同士がシス型であり、(-)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物を挙げることができる。
 同様に、化合物(I(+))のより具体的な例としては、上記式(Ia)で示されるトリアゾール化合物であって、mが1であり、Xがフッ素原子または塩素原子であり、シクロペンタン環に結合している、-OH基、-CH-X基および置換または無置換のベンジル基同士がシス型であり、(+)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物を挙げることができる。
 化合物(I(-))および化合物(I(+))は、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する。さらに、化合物(I(-))は、植物に対する薬害が低く抑えられている。
 〔トリアゾール化合物の製造方法〕
(1)製造工程
 以下、化合物(I(-))、および化合物(I(+))の製造方法について説明する。化合物(I(-))、および化合物(I(+))は、例えば、以下の工程A~Eによって製造することができる。
 (1-1)工程A
 化合物(I(-))および化合物(I(+))は何れも、化合物(I(-))およびその鏡像異性体である化合物(I(+))からなるラセミ体(以下、化合物(I’)という)から、分取分離によって得ることができる。
 各エナンチオマーの分離方法としては、キラルクロマトグラフィーによって分離する方法が挙げられる。具体的には、アミローストリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)、セルローストリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)、セルローストリス(3,5-ジクロロフェニルカルバメート)、アミローストリス[(S)-α-メチルベンジルカルバメート]、セルローストリス(4-メチルベンゾエート)、アミローストリス(5-クロロ-2-メチルフェニルカルバメート)またはセルローストリス(3-クロロ-4-メチルフェニルカルバメート)をシリカゲル担体に固定化した固定相上で、ヘキサン/エタノール(100/0~0/100)、ヘキサン/イソプロパノール(100/0~0/100)、エタノール、メタノールまたはアセトニトリルを移動相として用いて、化合物(I’)から分取分離を行うことにより、化合物(I(-))あるいは化合物(I(+))を調製できる。
 分取分離された各エナンチオマーの旋光度は、従来公知の方法に従って決定すればよい。
 (1-2)工程B
 化合物(I(-))の製造方法および化合物(I(+))の製造方法の一実施形態では、下記式(II)で示される化合物における所定の官能基をハロゲン原子で置換することにより、化合物(I’)を得る工程(工程B)を含む(下記反応式(1)参照)。下記式(II)で示される化合物は、シクロペンタン環第2位の置換基上に脱離基(X)を有する化合物である。以下、式(II)で示される化合物を「化合物(II)」と称する。なお、下記反応式(1)では、化合物(I’)を式(Ib)により示しているが、これは、式(I)と実質的に同一の構造を表している。
(反応式(1))
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式中、RおよびArは上述のRおよびArと同義である。
 Xは、ハロゲン原子と置換可能な脱離基を表している。脱離基としては、置換スルホニルオキシ基、およびアルコキシ基等が挙げられる。置換スルホニルオキシ基としては、例えば、-OSOを挙げることができる。ここで、Rは水素原子が置換されていてもよい炭素数1~3のアルキル基、フェニル基またはナフチル基を表している。水素原子が置換されていてもよい炭素数1~3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基およびトリフルオロメチル基等を挙げることができる。水素原子が置換されているフェニル基およびナフチル基としては、例えば、4-メチルフェニル基、2-ニトロフェニル基および5-ジメチルアミノナフチル基等を挙げることができる。このうち、メチル基および4-メチルフェニル基がより好ましい。
 nは、RにおけるXと置換し得る水素原子の個数を示す。nは、好ましくは1~5であり、より好ましくは1~3であり、1が特に好ましい。
 Rは、1以上の水素原子がXに置換されている、炭素数1~6のアルキル基を表している。
 Xは、ハロゲン原子を表しており、上述のXと同義である。
 脱離基をハロゲン原子と置換する方法としては、(a)パラトルエンスルホニルオキシ基およびメタンスルホニルオキシ基等の置換スルホニルオキシ基を有する化合物を溶媒中、ハロゲン化塩で置換する方法、(b)ヒドロキシ基またはアルコキシ基を塩酸または臭化水素酸を用いて置換する方法、(c)ハロゲン化リンを用いてヒドロキシ基を置換する方法、および(d)ヒドロキシ基をハロゲン化チオニルと反応させる方法等を挙げることができる。
 上記(a)~(d)として示した置換方法うち、特に(a)として示した方法を用いることが好ましい。以下に、(a)として示した方法の詳細を説明する。
 (a)として示した方法における反応は、通常、化合物(II)とフッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化マグネシウムおよびヨウ化ナトリウム等のハロゲン化塩とを溶媒中で混合することにより行なわれる。
 化合物(II)に対するハロゲン化塩の使用量は例えば0.1~100倍モルであり、好ましくは0.8~20倍モルである。また、反応温度としては、例えば0℃~250℃であり、室温~200℃が好ましい。反応時間は、例えば0.1時間~数日であり、好ましくは0.2時間~2日である。
 (1-3)工程C
 工程Bで使用される化合物(II)のうち、例えば、脱離基が置換スルホニルオキシ基である、式(IIa)で示される化合物(以下、「化合物IIa」と称する)は、下記式(III)で示される化合物(以下、「化合物(III)」と称する)と、置換スルホニルクロリドと、を反応させる工程(工程C)により得られる(下記反応式(2)参照)。(反応式(2))
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 置換スルホニルクロリドにおけるRは、上述のRと同義である。
 化合物(III)に対する置換スルホニルクロリドの使用量は、例えば0.5~10倍モルであり、好ましくは0.8~5倍モルである。また、塩基を添加しなくても反応が進行する場合もあるが、発生する塩化水素を除くために、塩基を添加することが好ましい。その場合、化合物(III)に対する塩基の使用量は、例えば0~5倍モル(但し、0は含まない)であり、好ましくは0.5~3倍モルである。
 使用される塩基としては、特に限定されない。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウム等のアルカリ金属水素化合物、ならびにトリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンおよびN,N-ジメチルアニリン等の有機アミン類等を挙げることができる。
 反応温度は、用いられる溶媒および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、-50℃~200℃であることが好ましく、-20℃~150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、用いられる溶媒および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間は、0.1時間~数日であることが好ましく、0.5時間~1日であることがより好ましい。
 (1-4)工程D
 工程Cで使用される化合物(III)は、公知の方法(例えば、特許文献4参照)を用いて製造すればよい。ただし、2位にヒドロキシメチル基およびアルキル基を有する、下記式(IIIa)で示される化合物(以下、化合物(IIIa))については、以下に示す合成法を用いて製造することが好ましい。
 まず、下記式(VI)で示されるカルボニル化合物(以下、「化合物(VI)」と称する)をオキシラン化して、下記式(V)で示されるオキシラン誘導体(以下、「化合物(V)」と称する)を得る。次に、得られた化合物(V)と、下記式(X)で示される1,2,4-トリアゾール化合物(以下、「化合物(X)」と称する)とを反応させることにより、下記式(IV)で表される化合物(以下、「化合物(IV)」と称する)を得る。そして、化合物(IV)中、Gで示されるヒドロキシ基の保護基を脱保護することにより、化合物(IIIa)を合成する。一連の反応工程(工程D)を、下記反応式(3)に示す。
(反応式(3))
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 上記式中、Gは保護基を表している。化合物(IV)から化合物(IIIa)を製造することができれば、保護基は特に限定されるものではない。保護基としては、例えば、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基、t-ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基、ならびに置換または無置換ベンジル基等を挙げることができる。
 式(X)中、Mは、水素原子またはアルカリ金属を表している。アルカリ金属としては、ナトリウムおよびカリウムがより好ましい。
 以下、工程Dに含まれるそれぞれの反応工程について説明する。
 (1-4-1)工程D1
 まず、本工程Dにおいて、化合物(VI)をオキシラン化して、化合物(V)を得る工程(工程D1)について説明する。
 化合物(V)の好適な第1の合成方法として、化合物(VI)を、ジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類およびジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等の硫黄イリドと溶媒中で反応させる方法を挙げることができる。
 反応に用いられるスルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドもしくはトリメチルスルホニウムブロミド等)またはスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドもしくはトリメチルスルホキソニウムブロミド等)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。
 反応に用いられるスルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の量は、化合物(VI)に対して0.5~5倍モルであることが好ましく、0.8~2倍モルであることがより好ましい。
 用いられる溶媒は特に限定されない。溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよびN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、ならびにこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
 スルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシドおよびカリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を挙げることができる。
 反応温度および反応時間は、溶媒、化合物(VI)、スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には、-100℃~200℃であり、-50℃~150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、好適には0.1時間~数日であり、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 次に、化合物(V)の第2の合成方法として、化合物(VI)を、ヨウ化サマリウムおよびジヨードメタンと溶媒中で反応させた後、塩基で処理する方法について説明する。
 第2の合成方法において用いられる塩基は、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム等を用いることができる。化合物(VI)に対する塩基の量は、特に限定されないが、例えば0.5~10倍モルであり、0.8~6倍モルであることがより好ましい。また、塩基で処理する場合は無水系である必要はないため、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を用いてもよい。
 第2の合成方法において用いられるヨウ化サマリウムは、無水溶媒中で、金属サマリウムと、1,2-ジヨードエタンまたはジヨードメタンとを反応させることにより生成させることができる。
 第2の合成方法において用いられる溶媒は、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いることができる。
 反応温度および反応時間は、溶媒、化合物(VI)および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には-100℃~150℃であり、-50℃~100℃であることがより好ましい。また、反応時間は、好適には0.1時間~数日であり、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 (1-4-2)工程D2
 次に、本工程Dにおいて、化合物(V)と化合物(X)とを反応させて、化合物(IV)を得る工程(工程D2)について説明する。
 化合物(IV)は、化合物(V)と化合物(X)とを溶媒中で混合することにより、オキシラン誘導体(化合物(V))においてオキシラン環を構成する炭素原子と1,2,4-トリアゾールの窒素原子との間に炭素-窒素結合が生成することで製造される。
 溶媒は、特に限定されないが、例えば、N-メチルピロリドンおよびN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類を挙げることができる。
 化合物(V)に対する化合物(X)の使用量は、例えば0.5~10倍モルであり、0.8~5倍モルであることがより好ましい。また、所望により塩基を添加してもよい。化合物(X)に対する塩基の使用量は、例えば0~5倍モル(但し、0は含まない)であり、0.5~2倍モルであることがより好ましい。
 反応温度は、溶媒および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度としては、0℃~250℃であることが好ましく、10℃~150℃であることがより好ましい。また、反応時間は、溶媒および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間~数日であることが好ましく、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 また、化合物(IV)は、化合物(V)を生成した後、段階的に化合物(X)と反応させて製造することができる。しかし、化合物(V)の第1の合成方法において、オキシラン化反応のみを単独で行った場合には、オキセタン誘導体のような副生成物が生成されて、収率低下を招くことがある。この収率低下を回避するためには、化合物(V)を生成させながら、アゾール化を行えばよい(下記反応式(4)参照)。
(反応式(4))
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 この場合、まず、化合物(VI)および化合物(X)を溶媒に溶解する。そして、これにトリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩と塩基とを間欠的に加え、反応系内でジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類またはジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等を発生させることにより、化合物(V)を生成させながらアゾール化を行う。
 ここで用いられる溶媒は、特に限定されない。溶媒としては、好ましくは、N-メチルピロリドンおよびN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド結合を有する極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ならびに極性溶媒とアルコールとの混合溶媒等を挙げることができる。アルコールとしては、t-ブタノールを用いることができる。
 スルホニウムメチリド類およびスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化合物、ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシドおよびカリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等を挙げることができる。また、1,2,4-トリアゾールのアルカリ金属塩を使用してもよい。
 反応温度は、溶媒、化合物(VI)、スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度としては、-100℃~250℃であることが好ましく、-50℃~200℃であることがより好ましい。また、反応時間は、溶媒、化合物(VI)、スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩および塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応時間としては、0.1時間~数日であることが好ましく、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 また、トリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩と塩基とを間欠的に加える際の回数については、所定の目的を達成することができる回数であれば、特に限定されるものではない。回数としては、例えば、それぞれ2~20回であることが好ましく、3~15回であることがより好ましい。トリメチルスルホニウム塩等のスルホニウム塩またはトリメチルスルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩の総使用量は、化合物(VI)に対して0.5~5倍モルであることが好ましく、0.8~2倍モルであることがより好ましい。
 化合物(VI)に対する化合物(X)の使用量は、例えば0.5~10倍モルであり、0.8~5倍モルであることがより好ましい。化合物(X)は、Mがアルカリ金属であるものを使用することが好ましい。
 なお、アゾリルメチルシクロアルカノール誘導体の製造においてオキシラン誘導体を生成させながらアゾール化を行う方法の詳細な工程については、特許文献5を参照すればよい。
 (1-4-3)工程D3
 続いて、本工程Dにおいて、化合物(IV)の保護基を脱保護することにより、化合物(IIIa)を得る工程(工程D3)について説明する。
 ここで、保護基の種類により好適な条件は異なるが、例えば、保護基としてメトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基またはt-ブチル基およびメチル基等の低級アルキル基を使用している場合には、溶媒中、塩化水素および硫酸等の酸性条件下における脱保護が好ましい。
 ここで使用される好適な酸としては、塩化水素等のハロゲン化水素および硫酸等の無機酸が挙げられる。使用量は特に限定されないが、化合物(IV)に対する酸の使用量は、たとえば、0.5~100倍モルであり、より好ましくは0.8~20倍モルである。
 反応温度は、例えば0℃~200℃であり、室温~100℃であることがより好ましい。反応時間は、例えば0.1時間~数日であり、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 (1-5)工程E
 工程Dで使用される化合物(VI)は、以下の方法により好適に合成可能である。
 すなわち、まず、下記式(IX)で示されるケトエステル化合物(以下、「化合物(IX)」と称する)をヒドロキシメチル化することによって、下記式(VIII)で示される化合物(以下、「化合物(VIII)」と称する)を得る。次に、化合物(VIII)のヒドロキシ基に、例えばメトキシメチル基およびt-ブチル基等の保護基を導入し、下記式(VII)で示される化合物(以下、「化合物(VII)」と称する)に誘導する。そして、化合物(VII)を、加水分解および脱炭酸することにより、下記式(VI)で表されるカルボニル化合物(化合物(VI))を得る。一連の反応工程(「工程E」)を、下記反応式(5)に示す。
(反応式(5))
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 上記式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基を示す。炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基およびn-ブチル基等が挙げられる。
 以下、工程Eに含まれるそれぞれの反応工程について説明する。
 (1-5-1)工程E1
 本工程Eにおいて、化合物(IX)をヒドロキシメチル化して化合物(VIII)を得る工程(工程E1)においては、溶媒中、塩基存在下、化合物(IX)をホルムアルデヒドと反応させる方法を用いればよい。
 化合物(IX)に対するホルムアルデヒドの使用量は、例えば、0.5~20倍モルであり、より好ましくは0.8~10倍モルである。
 塩基としては、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ならびに水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。化合物(IX)に対する塩基の使用量は、例えば、0.1~10倍モルであり、より好ましくは0.2~5倍モルである。
 反応温度は、例えば、0℃~250℃であり、0℃~100℃であることがより好ましい。反応時間は、例えば、0.1時間~数日であり、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 なお、ここで使用される化合物(IX)は、公知の方法(例えば、特許文献1に開示されている方法)を用いて製造すればよい。
 (1-5-2)工程E2
 次に、本工程Eにおいて、化合物(VIII)のヒドロキシ基に保護基を導入し、化合物(VII)を得る工程(工程E2)について説明する。
 ヒドロキシ基を保護する保護基としては、特に限定されないが、メトキシメチル基およびエトキシメチル基等のアルコキシメチル基またはt-ブチル基等の低級アルキル基が好適に使用される。これらの保護基の導入は、酸性触媒条件下、(a)アルコキシメチル基の導入の場合は、化合物(VIII)中のヒドロキシ基とホルムアルデヒドジアルキルアセタールとのアセタール交換反応による方法、(b)t-ブチル基の導入の場合は、化合物(VIII)中のヒドロキシ基をイソブテンに付加させる方法を好適に利用できる。
 まず、上記(a)の場合について説明する。
 酸としては、塩酸、リン酸(五酸化二リンなど、アルコールおよび水等の添加により酸基を生成する化合物を含む)および硫酸等の無機酸、ならびにp-トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。これらの酸の存在下、溶媒中または無溶媒中で、ホルムアルデヒドジアルキルアセタールを使用することが好ましい。また、五酸化二リンなど、生成されるアルコールを除去できる化合物を添加することがより好ましい。
 化合物(VIII)に対するホルムアルデヒドジアルキルアセタールの使用量は、例えば、0.5~50倍モルであり、より好ましくは0.8~10倍モルである。化合物(VIII)に対する酸の使用量は、例えば、0.01~10倍モルであり、より好ましくは0.05~5倍モルである。
 反応温度は、例えば、0℃~250℃であり、0℃~150℃であることがより好ましい。反応時間は、例えば、0.1時間~数日であり、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 上記(b)の場合は、塩酸、リン酸および硫酸等の無機酸、またはp-トルエンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸等の有機酸の存在下、溶媒中で、化合物(VIII)をイソブテンと反応させることが好ましい。
 化合物(VIII)に対するイソブテンの使用量は、例えば、0.5~100倍モルであり、より好ましくは0.8~20倍モルである。化合物(VIII)に対する酸の使用量は、例えば、0.01~10倍モルであり、より好ましくは0.05~5倍モルである。
 反応温度は、例えば、0℃~200℃であり、0℃~100℃であることがより好ましい。反応時間は、例えば、0.1時間~数日であり、0.5時間~2日であることがより好ましい。
 (1-5-3)工程E3
 続いて、本工程Eにおいて、化合物(VII)を加水分解および脱炭酸して化合物(VI)を得る工程(工程E3)について説明する。
 この反応は、溶媒中、塩基存在下で行うことが好適である。塩基には、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基が好適に用いられる。化合物(VII)に対する塩基の使用量は、例えば、0.1~50倍モルであり、より好ましくは0.2~20倍モルである。
 溶媒には、例えば、水、アルコール類等を加えた水、および互いに均一な層を形成することのない溶媒(水-トルエン等)からなる溶媒組成物(この場合、反応系に相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩を使用することが好ましい場合がある)が用いられる。
 反応温度は、例えば、0℃~還流点であり、室温~還流点であることがより好ましい。反応時間は、例えば、0.1時間~数日であり、0.5時間~24時間であることがより好ましい。
 なお、上述した製造方法の各工程において、使用される溶媒、塩基および酸等は、特に言及しない限り、次のようなものを用いることができる。
 (2)溶媒
 使用される溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、通常、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;石油エーテル、ヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ならびにN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドおよびN-メチル-2-ピロリジノン等のアミド類等を挙げることができる。この他、溶媒としては、水、アセトニトリル、酢酸エチル、無水酢酸、酢酸、ピリジンおよびジメチルスルホキシド等も使用可能である。これらの溶媒は、2種類以上を混合して使用してもよい。
 また、溶媒としては、互いに均一な層を形成することのない溶媒からなる溶媒組成物も挙げられる。この場合には、反応系に相間移動触媒、例えば、慣用の第4アンモニウム塩またはクラウンエーテルを添加してもよい。
 (3)塩基・酸
 上述の溶媒には、塩基または酸を添加してもよい。
 用いられる塩基は、特に限定されない。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウムおよび炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リチウム、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウム等のアルカリ金属水素化合物;n-ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機金属化合物;リチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド類;ならびにトリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリンおよび1,8-ジアザビシクロ-7-[5.4.0]ウンデセン等の有機アミン類等を挙げることができる。
 また、用いられる酸は、特に限定されない。酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硫酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、酪酸、トリフルオロ酢酸およびp-トルエンスルホン酸等の有機酸;ならびに塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ロジウム、塩化アルミニウムおよび三フッ化ホウ素等のルイス酸を挙げることができる。
 〔植物病害防除剤および植物病害防除方法〕
 本発明に係るトリアゾール化合物(化合物(I(-))および化合物(I(+)))の植物病害防除剤としての有用性、およびこれを用いた植物病害防除方法について以下に説明する。
 化合物(I(-))および化合物(I(+))は、1,2,4-トリアゾリル基を有するため、無機酸もしくは有機酸との酸付加塩、または金属錯体を形成する。化合物(I(-))および化合物(I(+))は、これらの酸付加塩および金属錯体の形態で用いてもよい。
 (1)植物病害防除効果
 本発明に係る植物病害防除剤の有用性について説明する。化合物(I(-))および化合物(I(+))は何れも、茎葉病害、種子伝染病害および土壌伝染病害を含む広範な植物病害に対して防除効果を奏する。適用病害の例として以下が挙げられる:ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、イネいもち病(Pyricularia grisea、Pyricularia oryzae)、イネごま葉枯病 (Cochliobolus miyabeanus)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、リンゴうどんこ病 (Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病 (Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病 (Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病 (Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病 (Valsa mali)、ナシ黒斑病 (Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病 (Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病 (Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病 (Venturia nashicola)、ブドウうどんこ病 (Uncinula necator)、ブドウべと病 (Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病(炭疽病) (Glomerella cingulata)、オオムギうどんこ病 (Erysiphe graminisf. sp hordei)、オオムギ黒さび病(Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病 (Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病(Rhynchosporium secalis)、オオムギ裸黒穂病 (Ustilago nuda)、コムギうどんこ病 (Erysiphe graminisf. sp tritici)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、コムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病 (Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病 (Fusarium graminearum)、コムギ紅色雪腐病 (Microdochium nivale)、コムギ立枯れ病(Gaeumannomyces graminis)、コムギふ枯病 (Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病 (Septoria tritici)、ウリ類うどんこ病 (Sphaerotheca fuliginea)、ウリ類の炭疸病 (Colletotrichum lagenarium)、キュウリべと病 (Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病(Phytophthora capsici)、トマトうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病 (Alternaria solani)、ナスうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、イチゴうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、タバコうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、テンサイ褐斑病 (Cercospora beticola)、核果類果樹の灰星病 (Monilinia fructicola)、種々の作物をおかす灰色かび病 (Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum)、ブドウのさび病(Phakopsora ampelopsidis)、タバコの赤星病(Alternaria longipes)、ジャカイモノ夏疫病(Alternaria solani)、ダイズの褐紋病(Septoria glycines)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、イネ白葉枯病 (Xanthomonas oryzae)、イネ小黒菌核病 (Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病 (Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病 (Pythium aphanidermatum、Rhizopus oryzae)、トウモロコシ黒穂病 (Ustillaga maydis)、スイカのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveum)、キュウリのつる割病(Fusarim oxysporum f.sp.cucumerinum)、カンキツ青かび(Penicillium italicum)およびダイコンの萎黄病(Fusarium oxysporumf.sp.raphani)等。
 また、適用植物の例としては、野生植物、植物栽培品種、異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物および植物栽培品種、遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物および植物栽培品種が挙げられる。遺伝子組み換え植物および植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、および収量向上作物等が挙げられる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、ROUNDUP READY、LIBERTY LINK、CLEARFIELD、YIELDGARD、HERCULEX、BOLLGARD等の登録商標を含むものが挙げられる。
 (2)植物生長作用
 また、化合物(I(-))および化合物(I(+))は何れも、広汎な作物および園芸植物に対して、その生長を調節して収量を増加させる効果あるいはその品質を高める効果を示す。かかる作物の例としては、コムギ、大麦および燕麦などの麦類、稲、ナタネ、サトウキビ、トウモロコシ、メイズ、大豆、エンドウ、落花生、シュガービート、キャベツ、ニンニク、ダイコン、ニンジン、リンゴ、ナシ、みかん、オレンジおよびレモンなどの柑橘類、モモ、桜桃、アボガド、マンゴー、パパイヤ、トウガラシ、キュウリ、メロン、イチゴ、タバコ、トマト、ナス、芝、菊、ツツジ、ならびにその他の観賞用植物が挙げられる。
 (3)製剤
 化合物(I(-))または化合物(I(+))を有効成分として含む植物病害防除剤は、通常、固体担体、液体担体、界面活性剤またはその他の製剤補助剤と混合して粉剤、水和剤、粒剤および乳剤などの種々の形態に製剤して使用する。
 これらの製剤には有効成分として化合物(I(-))または化合物(I(+))が、0.1~95重量%、好ましくは0.5~90重量%、より好ましくは2~80重量%含まれるようにすればよい。
 製剤補助剤として使用する坦体、希釈剤および界面活性剤としては、以下のものを挙げることができる。まず、固体坦体としては、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボンおよびクレーなどを挙げることができる。液体希釈剤としては、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびアルコールなどを挙げることができる。界面活性剤は、その効果により使い分けることが好ましい。乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルおよびポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを用いることが好ましい。また、分散剤としては、リグニンスルホン酸塩およびジブチルナフタリンスルホン酸塩などを用いることが好ましく、湿潤剤としては、アルキルスルホン酸塩およびアルキルフェニルスルホン酸塩などを用いることが好ましい。
 製剤には、そのまま使用するものと、水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用するものとがある。希釈して使用する場合、散布液中に含まれる化合物(I(-))または化合物(I(+))の濃度は0.001~1.0%の範囲であることが望ましい。
 (4)植物病害防除方法
 化合物(I(-))または化合物(I(+))を含む植物病害防除剤は、茎葉散布といった茎葉処理に加えて、種子処理、潅注処理、および水面処理などの非茎葉処理によっても施用できる。なお、非茎葉処理を行う場合には、茎葉処理を行う場合に比べて、労力を低減させることができる。
 種子処理による施用では、水和剤または粉剤などを種子と混合し攪拌することにより、あるいは希釈した水和剤などに種子を浸漬することにより、薬剤を種子に付着させる。種子処理の場合の化合物(I(-))または化合物(I(+))の使用量は、種子100kgに対して0.01~10000gであり、好ましくは0.1~1000gである。
 潅注処理による施用は、苗の移植時などに植穴やその周辺に粒剤などを処理したり、種子や植物体の周囲の土壌に粒剤や水和剤などを処理したりすることによって行う。潅注処理の場合の化合物(I(-))または化合物(I(+))の使用量は、農園芸地1mあたり0.01~10000gであり、好ましくは0.1~1000gである。
 水面処理による施用は、水田の田面水に粒剤などを処理することによって行う。水面処理の場合の化合物(I(-))または化合物(I(+))の使用量は、水田10aあたり0.1~10000gであり、好ましくは1~1000gである。
 なお、使用濃度および使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所および対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
 なお、茎葉散布に用いる場合の化合物(I(-))または化合物(I(+))の使用量は、畑、田、果樹園および温室などの農園芸地1haあたり20~5000g、より好ましくは50~2000gである。
 さらに、化合物(I(-))および化合物(I(+))は他の有効成分、例えば以下に例示するような殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤または除草剤と組み合わせ、植物病害防除剤としての性能を高めて使用することもできる。
<抗菌性物質>
 アシベンゾラーSメチル、2-フェニルフェノール(OPP)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、アミスルブロム、ビキサフェン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ビカルボネイト、ビフェニル、ビテルタノール、ブラスチシジン-S、ボラックス、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブロノポール、ブピリメート、セックブチラミン、カルシウムポリスルフィド、カプタフォル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、キノメチオネート、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリン、ジメトモルフ、ジメトキシストロビン、ジニコナゾール、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エディフェンフォス、エポキシコナゾール、エタポキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、エネストロブリン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオロミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フォセチル-アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルオピコリド、フルオピラム、グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、銅調製物例えば水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン-銅、クレゾキシムメチル、マンコカッパー、マンコゼブ、マネブ、マンジプロパミド、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メトミノスウトロビン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ニトロタル-イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、オキサジキシル、オキソリニック酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、オリサストロビン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンチオピラド、ピリベンカルブ、フサライド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、硫黄および硫黄調製物、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロフォス-メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、アミスルブロム、セダキサン、フルチアニル、バリフェナール、アメトクトラジン、ジモキシストロビン、メトラフェノン、ヒドロキシイソキサゾール、およびメタスルホカルブ等。
<殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤>
 アバメクチン、アセフェート、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アレトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アザメチフォス、アジンフォス-エチル、アジンフォス-メチル、アゾサイクロチン、バシルス・フィルムス、バシルス・ズブチルス、バシルス・ツリンジエンシス、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメイト、ビフェナゼイト、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ブプロフェジン、ブトカルボキシン、ブトキシカルボキシン、カズサフォス、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、カータップ、CGA50439、クロルデイン、クロレトキシフォス、クロルフェナピル、クロルフェンビンフォス、クロルフルアズロン、クロルメフォス、クロルピリフォス、クロルピリフォスメチル、クロマフェノザイド、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロラントラリニプロール、コウンパフォス、クリオライト、シアノフォス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シアザピル、シエノピラフェン、DCIP、DDT、デルタメトリン、デメトン-S-メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロロフェン、ジクロロプロペン、ジクロルボス、ジコフォル、ジクロトフォス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンフォス、ジノブトン、ジノテフラン、エマメクチン、エンドスルファン、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトフェンプロックス、エトプロフォス、エトキサゾール、ファムフル、フェナミフォス、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレレート、フイプロニル、フロニカミド、フルアクロピリム、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルバリネート、フルベンジアミド、フォルメタネート、フォスチアゼート、ハルフェンプロクス、フラチオカルブ、ハロヘノジド、ガンマ-HCH、ヘプテノフォス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イソプロカルブ、イソキサチオン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メタム、メタミドフォス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトスリン、メトキシフェノジド、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトフォス、ナレド、ニコチン、ニテンピラム、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、パラチオン、パーメトリン、フェントエート、フォレート、フォサロン、フォスメット、フォスファミドン、フォキシム、ピリミカルブ、ピリミフォスメチル、プロフェノフォス、プロポクスル、プロチオフォス、ピメトロジン、ピラクロフォス、ピレスリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、ピリフルキナゾン、ピリプロール、キナルフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマット、スルフラミド、スルフォテップ、SZI-121、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムフォス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメフォス、テルブフォス、テトラクロルビンフォス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トラロピリル、トリアザメート、トリアゾフォス、トリクロルフオン、トリフルムロン、バミドチオン、バリフェナル、XMC、キシリルカルブ、イミシアホス、およびレピメクチン等。
<植物成長調節剤>
 アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、パクロブトラゾール、ジクロブトラゾール、ウニコナゾール、メチルシクロプロペン、メピコートクロリド、エセフォン、クロルメコートクロライド、イナベンフィド、プロヘキサジオンおよびその塩、ならびにトリネキサパックエチル等。また、植物ホルモンとして、ジャスモン酸、ブラシノステロイド、およびジベレリン等。
 なお、上述した植物病害防除剤により処理した種子も本発明の範疇に含む。植物病害防除剤による処理については上記で述べたため、記載を省略する。植物病害防除剤により処理した種子は、種子処理していない種子と同様にして用いることができる。
 なお、化合物(I(-))を含む植物病害防除剤には、化合物(I(-))が含まれていればよく、化合物(I(-))の鏡像異性体、すなわち(+)-エナンチオマーである化合物(I(+))を含むものであってもよい。しかしながら、有効成分としての化合物(I(-))による効果を高めるために、(+)-エナンチオマーである化合物(I(+))の含量は、化合物(I(-))((-)-エナンチオマー)の含量よりも少ないことが好ましく、化合物(I(-))の含量の40%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましく、(+)-エナンチオマーである化合物(I(+))を含んでいないことが特に好ましい。
 同様に、化合物(I(+))を含む植物病害防除剤には、化合物(I(+))が含まれていればよく、化合物(I(+))の鏡像異性体、すなわち(-)-エナンチオマーである化合物(I(-))を含むものであってもよい。しかしながら、有効成分としての化合物(I(+))による効果を高めるために、(-)-エナンチオマーである化合物(I(-))の含量は、化合物(I(+))((+)-エナンチオマー)の含量よりも少ないことが好ましく、化合物(I(+))の含量の40%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましく、(-)-エナンチオマーである化合物(I(-))を含んでいないことが特に好ましい。
 以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
<製造例1:1-(4-クロロベンジル)-3-メチル-3-ヒドロキシメチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(8))の合成>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 1-(4-クロロベンジル)-3-メチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(9))(4.0mmol)に、37%ホルムアルデヒド水溶液(12mmol)および炭酸カリウム(2.0mmol)を加えて、室温で4時間激しく撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物(8)を2種の異性体として得た。
異性体(a):
収率:18%
異性体(b):
収率:76%
<製造例2:5-(4-クロロベンジル)-2-メトキシメトキシメチル-2-メチルシクロペンタノン(化合物(6))の合成>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 化合物(8)(0.60mmol)を塩化メチレン(5.6ml)に溶解し、ここにジメトキシメタン(2.8ml)を加えた。これを冷却し、五酸化二リン(372mg)を加えて室温で10分間激しく撹拌した。反応終了後、飽和食塩水に反応液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し減圧乾燥することにより粗製の1-(4-クロロベンジル)-3-メトキシメトキシメチル-3-メチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(7))を得た。
 得られた化合物(7)をイソプロパノール(0.53ml)に溶解し、ここに2M水酸化ナトリウム水溶液(1.12mmol)を加えて、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(6)を2種の異性体の混合物として得た。
収率:66%
<製造例3:5-(4-クロロベンジル)-2-メトキシメトキシメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(化合物(4))の合成>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 1H-1,2,4-トリアゾールナトリウム塩(13.1mmol)をNMP(7ml)に溶解し、内温115℃まで昇温した。ここに化合物(6)(8.76mmol)を加え、NMP(1.8ml)で洗い込みを行った。内温が115℃に戻った後に、ナトリウムt-ブトキシド(5.26mmol)およびトリメチルスルホキソニウムブロミド(1.476mmol)を約3時間かけて分割添加した。添加終了後、同温度で75分間撹拌した。反応液を35℃まで冷却した後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、異性体混合物の化合物(4)を得た。
収率:71%
<製造例4:5-(4-クロロベンジル)-2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(化合物(3))の合成>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 化合物(4)(1.66mmol)をメタノール(6.3ml)に溶解し、ここに10%塩化水素-メタノール(1.73mmol)を加えて室温で48時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、水を加えた。さらに酢酸エチルを加えた後に、水酸化ナトリウム水溶液をpHが10になるまで添加した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して、化合物(3)を複数の異性体(化合物(3-1)(1,2-シス、1,5-シス型):化合物(3-2)(1,2-トランス、1,5-シス型):その他の幾何異性体=6:3:1)として得た。
<製造例5:(1,2-シス、1,5-シス)-5-(4-クロロベンジル)-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニルオキシメチル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(化合物(2))の合成>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(1.83mmol)をヘキサンで洗浄した後、脱水THF(4ml)に懸濁し、冷却した。次いで、脱水THF(5ml)に溶解した化合物(3-1)(1.52mmol)を滴下した。室温に戻して、30分間攪拌した。再び、冷却した後、p-トルエンスルホニルクロリド(1.97mmol)を添加し、同温度で1.5時間攪拌した後、室温で0.5時間攪拌した。反応液に水を加え、反応を停止した後、酢酸エチルで分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物(2)を得た。
収率:55%
<製造例6:(1,2-シス、1,5-シス)-5-(4-クロロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(化合物(1’))の合成>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 アルゴン雰囲気下、化合物(2)(0.0245mmol)を脱水DMF(0.24ml)に溶解した。ここに塩化リチウム(0.245mmol)を加え、100℃で1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加えた後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ラセミ体である化合物(1’)を得た。
収率:58%
<製造例7:(1,2-シス、1,5-シス)-5-(4-クロロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(-)-エナンチオマーおよび(+)-エナンチオマーの調製>
 ラセミ体の化合物(1’)をエタノールに溶解し、アミローストリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)がシリカゲル担体に固定化されたセミ分取カラムをつないだ高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供し、分取分離を行った。
 具体的な条件は、以下の通りである。
高速液体クロマトグラフ:LC-9A(島津製作所社製)
セミ分取カラム:製品名「CHIRALPAK IA」、ダイセル化学工業社製、内径20mm、長さ250mm、粒子径5μm
サンプル濃度:50,000ppm(エタノール液中)
移動相:ヘキサン:エタノール(20:1)
流速:3.5ml/min
検出波長:254nm
 上記条件下で分離したところ、溶出時間が異なる2つのピークが検出された。それぞれのピークに由来する化合物の比旋光度を測定した結果、最初に溶出された化合物は、右旋性エナンチオマー((+)-エナンチオマー)であり、後に溶出された化合物は、左旋性エナンチオマー((-)-エナンチオマー)であった。以下、当該(+)-エナンチオマーを化合物(1-1b)と称し、当該(-)-エナンチオマーを化合物(1-1a)と称する。
 比旋光度の測定は、P-1020(日本分光社製、Naランプ:589nm)を用いて5回(化合物(1-1b))または14回(化合物(1-1a))行った。具体的な測定結果は以下の通りである。
化合物(1-1b)の平均比旋光度:
[α] 22=+21.9°(2mlのクロロホルムあたり20mg)
化合物(1-1a)の平均比旋光度:
[α] 22=-21.2°(2mlのクロロホルムあたり20mg)
<製造例8:5-(4-フルオロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(-)-エナンチオマーおよび(+)-エナンチオマーの製造>
 出発原料として、1-(4-クロロベンジル)-3-メチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステルの代わりに、1-(4-フルオロベンジル)-3-メチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステルを用いて、上記製造例1~7に準じた方法で、(1,2-シス、1,5-シス)-5-(4-フルオロベンジル)-2-クロロメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノールの(-)-エナンチオマーおよび(+)-エナンチオマーを製造した。以下、この化合物の(-)-エナンチオマーを、化合物(1-2a)と称する。同様にして分離された(+)-エナンチオマーを、以下、化合物(1-2b)と称する。
<製造例9:5-ベンジル-2-クロロメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(-)-エナンチオマーおよび(+)-エナンチオマーの調製>
 出発原料として、1-(4-クロロベンジル)-3-メチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステルの代わりに、1-ベンジル-3-メチル-2-オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステルを用いて、上記製造例1~7に準じた方法で、(1,2-シス、1,5-シス)-5-ベンジル-2-クロロメチル-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノールの(-)-エナンチオマーおよび(+)-エナンチオマーを製造した。
<製剤例1(水和剤)>
化合物(1-1a)   50 部
リグニンスルホン酸塩   5 部
アルキルスルホン酸塩   3 部
珪藻土         42 部
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用した。
<製剤例2(粉剤)>
化合物(1-1a)  3 部
クレー       40 部
タルク       57 部
を粉砕混合し、散粉として使用した。
<製剤例3(粒剤)>
化合物(1-1a)    5 部
ベントナイト      43 部
クレー         45 部
リグニンスルホン酸塩   7 部
を均一に混合しさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とした。
<製剤例4(乳剤)>
化合物(1-1a)             20 部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10 部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート  3 部
キシレン                  67 部
を均一に混合溶解して乳剤とした。
<製剤例5(水和剤)>
化合物(1-1b)   50 部
リグニンスルホン酸塩   5 部
アルキルスルホン酸塩   3 部
珪藻土         42 部
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用した。
<製剤例6(粉剤)>
化合物(1-1b)  3 部
クレー       40 部
タルク       57 部
を粉砕混合し、散粉として使用した。
<製剤例7(粒剤)>
化合物(1-1b)    5 部
ベントナイト      43 部
クレー         45 部
リグニンスルホン酸塩   7 部
を均一に混合しさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とした。
<製剤例8(乳剤)>
化合物(1-1b)             20 部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10 部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート  3 部
キシレン                  67 部
を均一に混合溶解して乳剤とした。
 <試験例1:茎葉散布処理によるキュウリ灰色かび病防除効果試験1>
 角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した子葉期のキュウリ(品種:SHARP1)に、製剤例1のような化合物(1-1a)または化合物(1-2a)の水和剤形態のものを、水で所定濃度(3.1mg/Lまたは12.5mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、灰色かび病菌の胞子液をしみこませたペーパーディスク(直径8mm)を乗せ、20℃高湿度条件下に保った。接種後、4日目にキュウリ灰色かび病の罹病度を表1に示す調査基準により調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%)=(1-(散布区の平均罹病度/無散布区の平均罹病度))×100
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000020
 結果を表2および3に示す。なお本試験例および以降の試験例における対照は、化合物(1-1a)および化合物(1-2a)の代わりに、それぞれ化合物(1-1b)および化合物(1-2b)を使用した製剤を用いて、防除効果試験を行ったものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000022
<試験例2:茎葉散布処理によるコムギ赤さび病防除効果試験1>
 角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例1のような化合物(1-1a)または化合物(1-2a)の水和剤形態のものを、水で所定濃度(0.8mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/ha
の割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、11日目にコムギ赤さび病の罹病度を表4に示す調査基準により調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%)=(1-(散布区の平均罹病度/無散布区の平均罹病度))×100
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000023
 結果を表5および6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000024
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000025
<試験例3:茎葉散布処理によるコムギうどんこ病防除効果試験1>
 角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例1のような化合物(1-1a)の水和剤形態のものを、水で所定濃度(12.5mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギうどんこ病に感染したコムギ苗から、うどんこ病菌をふりかけ接種した。接種後、8、11日目にコムギうどんこ病の罹病度を上記した表4に示す調査基準により調査して、試験例2と同様に防除価を算出した。結果を表7に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000026
<試験例4:種子処理によるコムギ赤さび病の防除効果>
 ポット試験により、種子処理によるコムギ赤さび病の防除効果を評価した。処理量が20g ai/100kg seedsとなるようにDMSOに溶解した化合物(1-1a)または(1-2a)をバイアル内でコムギ種子に塗沫した後、8粒のコムギ種子を80cmポットに播種した。温室内で下部給水管理し、播種21日後にコムギ赤さび病菌を接種し、湿箱に2日間保管した。その後、再び温室内で下部給水管理し、接種12日後に、罹病面積率を調査し、下記式により防除価を算出した。
防除価(%)=(1-(処理区罹病面積率/無処理区罹病面積率))×100
 結果を表8および9に示す。化合物(1-2b)を含む薬剤で処理した種子では、後述するように生育が抑制されていたため、防除価を測定することができなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000027
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000028
<試験例5:コムギ種子に対する種子処理による生育抑制の薬害>
 ポット試験により、種子処理による生育抑制の薬害を評価した。処理量が2~200g
 ai/100kg seedsとなるようにDMSOに溶解した化合物(1-1a)または(1-2a)をバイアル内でコムギ種子に塗沫した後、8粒のコムギ種子を80cmポットに播種した。温室内で下部給水管理し、播種20日後にコムギの生育程度を調査した。表10に示す基準から生育抑制指数を算出した。生育抑制指数が小さいほど、薬剤処理による生育抑制の薬害が小さいことを示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000029
 結果を表11および12に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000030
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000031
<試験例6:コムギ種子に対する種子処理によるネクロシスの薬害>
 ポット試験により、種子処理によるネクロシスの薬害を評価した。処理量が2~200g ai/100kg seedsとなるようにDMSOに溶解した化合物(1-1a)または(1-2a)をバイアル内でコムギ種子に塗沫した後、8粒のコムギ種子を80cmポットに播種した。温室内で下部給水管理し、播種20日後にコムギのネクロシスの度合い(ネクロシス面積率)を調査した。表13に示す基準を用いて、ネクロシス面積率からネクロシス指数を算出した。ネクロシス指数が小さいほど、薬剤処理によるネクロシスを起こす薬害が小さいことを示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000032
 結果を表14および15に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000034
<試験例7:種子処理によるイネばか苗病の防除効果>
 ポット試験により、種子処理によるイネばか苗病の防除効果を評価した。処理量が80g ai/100kg seedsとなるようにDMSOに溶解した化合物(1-1a)をバイアル内でばか苗病に感染したイネ種子に塗沫した後、16粒のイネ種子を50cmポットに播種した。温室内で下部給水管理し、播種20日後に、罹病苗率を調査し、試験例4と同様にして防除価を算出した。
 結果を表16に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000035
<試験例8:イネ種子に対する種子処理による生育抑制の薬害>
 ポット試験により、種子処理による生育抑制の薬害を評価した。処理量が80g ai/100kg seedsとなるようにDMSOに溶解した化合物(1-1a)をバイアル内でイネ種子に塗沫した後、16粒のイネ種子を50cmポットに播種した。温室内で下部給水管理し、播種20日後に、イネの生育程度を調査し、試験例5と同様にして生育抑制指数を算出した。
 結果を表17に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000036
<試験例9:イネ種子に対する種子処理によるネクロシス薬害>
 ポット試験により、種子処理によるネクロシスの薬害を評価した。処理量が80g ai/100kg seedsとなるようにDMSOに溶解した化合物(1-1a)をバイアル内でイネ種子に塗沫した後、16粒のイネ種子を50cmポットに播種した。温室内で下部給水管理し、播種20日後に、イネのネクロシスの度合い(ネクロシス面積率)を調査し、試験例6と同様にしてネクロシス指数を算出した。
 結果を表18に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000037
<試験例10:病原菌に対する抗菌性試験1>
 本試験例では、各種植物病原性糸状菌に対する抗菌性を試験した。
 化合物(1-1a)または化合物(1-2a)をジメチルスルホキシドに溶解し、60℃前後のPDA培地(ポテト-デキストロース-アガー培地)に加えた。三角フラスコ内でよく混合した後、シャーレ内に流し固化させて、所定の濃度で化合物(1-1a)または化合物(1-2a)を含む平板培地を作製した。
 一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き,上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育適温(例えば、LIST OF CULTURES 1996 microorganisms 10th edition、財団法人発酵研究所等の文献を参照)にて1~7日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定した。薬剤含有平板培地上で得られた菌の生育程度を、薬剤無添加区における菌の生育程度と比較して、下記式により菌糸伸長抑制率を求めた。なお、下記式中、Rは菌糸伸長抑制率(%)、dcは無処理平板上菌そう直径、dtは薬剤処理平板上菌そう直径を示している。
R=100(dc-dt)/dc
 得られた結果を、表19に示す基準にしたがって5段階評価した。抗菌性指数が大きいほど、抗菌性に優れていることを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000038
 結果を表20および21に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000039
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000040
 なお、表20または21における菌種の略記はそれぞれ以下の菌種を表している。
 P.n:コムギふ枯病 (Phaeosphaeria nodorum)
 P.h:コムギ眼紋病菌 (Pseudocercoporellaherpotrichoides)
 M.n:コムギ紅色雪腐病菌 (Microdochiumnivale)
 G.g:コムギ立枯れ病菌 (Gaeumannomycesgraminis)
 R.s:イネ紋枯病菌 (Rhizoctonia solani)
 G.f:イネばか苗病菌 (Gibberellafujikuroi)
 R.o:イネ苗立枯病 (Rhizopusoryzae)
 A.m:リンゴ斑点落葉病 (Alternariaalternata)
 S.s:スクレロチニア(菌核) (Sclerotinia sclerotiorum)
 B.c:灰色かび病菌 (Botrytis cinerea)
 G.c:炭疽病菌 (Glomerellacingurata)
 C.b:テンサイ褐班病 (Cercosporabeticola)
<試験例11:病原菌に対する抗菌性試験2>
 各種植物病原性糸状菌に対する抗菌性を試験した。
 化合物(1-1b)または化合物(1-2b)をジメチルスルホキシドに溶解し、60℃前後のPDA培地(ポテト-デキストロース-アガー培地)に加えた。三角フラスコ内でよく混合した後、シャーレ内に流し固化させて、所定の濃度で化合物(1-1b)または化合物(1-2b)を含む平板培地を作製した。
 一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き,上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育適温(例えば、LIST OF CULTURES 1996 microorganisms 10th edition、財団法人発酵研究所等の文献を参照)にて1~7日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定した。薬剤含有平板培地上で得られた菌の生育程度を、薬剤無添加区における菌の生育程度と比較して、試験例10と同様にして菌糸伸長抑制率を求めた。なお本試験例における対照は、化合物(1-1b)および化合物(1-2b)の代わりに、それぞれ化合物(1-1a)および化合物(1-2a)を使用して抗菌性試験を行ったものである。
 得られた結果を、試験例10と同様にして5段階評価した。
 結果を表22および23に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000041
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000042
 なお、表22または23における菌種の略記はそれぞれ以下の菌種を表している。
 S.t:コムギ葉枯れ病菌 (Septoria tritici)
 P.g:オオムギ斑葉病菌 (Pyrenophoragraminea)
 U.n:オオムギ裸黒穂病菌 (Ustilagonuda)
 F.c:キュウリつる割れ (Fusariumoxysporum)
 P.i:カンキツ青かび (Penicilliumitalicum)
 <試験例12:茎葉散布処理によるキュウリ灰色かび病防除効果試験2>
 角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した子葉期のキュウリ(品種:SHARP1)に、製剤例5のような化合物(1-1b)または化合物(1-2b)の水和剤形態のものを、水で所定濃度(50mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、灰色かび病菌の胞子液をしみこませたペーパーディスク(直径8mm)を乗せ、20℃高湿度条件下に保った。接種後、4日目にキュウリ灰色かび病の罹病度を調査して、防除価を試験例1と同様にして算出した。
 その結果、化合物(1-1b)および化合物(1-2b)は、いずれも防除価90%以上を示した。
 <試験例13:茎葉散布処理によるコムギ赤さび病防除効果試験2>
 角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例5のような化合物(1-1b)または化合物(1-2b)の水和剤形態のものを、水で所定濃度(3.1mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、11日目にコムギ赤さび病の罹病度を調査して、試験例2と同様にして防除価を算出した。
 その結果、化合物(1-1b)および化合物(1-2b)は、いずれも防除価90%以上を示した。
 <試験例14:茎葉散布処理によるコムギうどんこ病防除効果試験2>
 角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例5のような化合物(1-1b)または化合物(1-2b)の水和剤形態のものを、水で所定濃度(50mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギうどんこ病に感染したコムギ苗から、うどんこ病菌をふりかけ接種した。接種後、8日目にコムギうどんこ病の罹病度を調査して、試験例1と同様にして防除価を算出した。
 その結果、化合物(1-1b)および化合物(1-2b)は、いずれも防除価90%以上を示した。
 本発明は、植物病害の病原菌に対する殺菌性に優れているため、植物病害を防除できる防除剤の有効成分として好適に利用することができる。

Claims (10)

  1.  式(I)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式(I)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、Rは炭素数1~6のハロアルキル基を表しており、Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基または5~10員の芳香族複素環基を表している。)
    で示されるトリアゾール化合物であって、
     シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、
     (-)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物。
  2.  式(Ia)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式(Ia)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、XおよびXは、それぞれ独立にハロゲン原子を表している。mは0または1を表している。)
    で示されるトリアゾール化合物であって、
     シクロペンタン環に結合している、-OH基、-CH-X基および置換または無置換のベンジル基同士がシス型であり、
     (-)-エナンチオマーである、請求項1に記載のトリアゾール化合物。
  3.  mが1であり、Xがフッ素原子または塩素原子であることを特徴とする請求項2に記載のトリアゾール化合物。
  4.  式(I)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    (式(I)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、Rは炭素数1~6のハロアルキル基を表しており、Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基または5~10員の芳香族複素環基を表している。)
    で示されるトリアゾール化合物であって、
     シクロペンタン環に結合している、-OH基、-R基およびCH-Ar基同士がシス型であり、
     (+)-エナンチオマーである、トリアゾール化合物。
  5.  式(Ia)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    (式(Ia)において、Rは炭素数1~6のアルキル基を表しており、XおよびXは、それぞれ独立にハロゲン原子を表している。mは0または1を表している。)
    で示されるトリアゾール化合物であって、
     シクロペンタン環に結合している、-OH基、-CH-X基および置換または無置換のベンジル基同士がシス型であり、
     (+)-エナンチオマーである、請求項4に記載のトリアゾール化合物。
  6.  mが1であり、Xがフッ素原子または塩素原子であることを特徴とする請求項5に記載のトリアゾール化合物。
  7.  請求項1~3の何れか1項に記載のトリアゾール化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤。
  8.  請求項4~6の何れか1項に記載のトリアゾール化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤。
  9.  請求項7または8に記載の植物病害防除剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う工程を含む、植物病害防除方法。
  10.  請求項7に記載の植物病害防除剤により処理した種子。
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