JP2013512857A - アゾール誘導体及びその製造方法、該誘導体の中間体化合物及びその製造方法、並びに該誘導体を含有する農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤 - Google Patents

アゾール誘導体及びその製造方法、該誘導体の中間体化合物及びその製造方法、並びに該誘導体を含有する農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤 Download PDF

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敬 下川原
央由 今井
信之 草野
久 菅野
泰司 三宅
勝 森
俊英 最勝寺
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Abstract

【課題】病害に対する防除効果に優れた農園芸用薬剤に有効成分として含まれるアゾール誘導体を提供する。
【解決手段】本発明に係るアゾール誘導体は、下記一般式(I)で示される。

Figure 2013512857

(式(I)中、R及びRは同一又は異なり、C3〜C6シクロアルキル基、又は当該シクロアルキル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表す。また、Aは、窒素原子又はメチン基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアゾール誘導体に関する。また、該誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤、並びに該誘導体の製造方法に関する。
従来、農園芸用殺菌剤の有効成分として、環内に窒素原子1個以上を含む複素5員環であるヒドロキシエチルアゾール誘導体で、かつ水酸基が結合する炭素原子にさらにシクロアルキル基、もしくはシクロアルキル基で置換されたアルキル基が結合している誘導体が多数提案されている(例えば、特許文献1〜13参照)。
欧州特許出願公開第0015756号明細書 欧州特許出願公開第0052424号明細書 欧州特許出願公開第0061835号明細書 欧州特許出願公開第0297345号明細書 欧州特許出願公開第0047594号明細書 欧州特許出願公開第0212605号明細書 特開昭56−97276号公報 特開昭61−126049号公報 特開平2−286664号公報 特開昭59−98061号公報 特開昭61−271276号公報 欧州特許出願公開第0229642号明細書 特開平4−230270号公報
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用病害防除剤に対する要望が高い。加えて、種々の農作物や園芸植物の成長を調節して収量を増加させる効果やその品質を高める効果を示す植物生長調節剤及び、工業用材料を侵す広範な有害微生物から材料を保護する効果を示す工業用材料保護剤に対する要望も高い。
本発明は、上記の要望に応えるような農園芸用薬剤及び工業用材料において有効成分として含有されるアゾール誘導体を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本発明者らは、多数のアゾール誘導体について、その化学構造と生理活性を詳細に検討した。そして、その結果、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体が優れた活性を有することを見出し、本発明を完成させるにいたった。
すなわち、本発明は、係る新規知見に基づいてなされたものであり、以下の発明を包含する。
本発明に係るアゾール誘導体は、下記一般式(I)で示されることを特徴とする。
Figure 2013512857
(式(I)中、R及びRは同一又は異なり、C3〜C6シクロアルキル基、又は当該シクロアルキル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表す。
上記シクロアルキル基および上記アルキル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖C1〜C3)で置換されていてもよい。上記アリール基及び上記アリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、または、C1〜C4ハロアルコキシ基で置換されていてもよい。
Aは、窒素原子又はメチン基を表す。)
上記の構成のアゾール誘導体では、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有するという効果を奏する。
本発明に係るアゾール誘導体では、上記一般式(I)中のR及びRは、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のハロアルキル基で置換されたC3〜C6のシクロアルキル基、又は、該シクロアルキル基で置換されたC1〜C4のアルキル基であることが好ましい。
本発明に係るアゾール誘導体では、上記一般式(I)中のR及びRは、ハロゲン原子もしくはC1〜C4のアルキル基で置換されたシクロプロピル基、又は、該シクロプロピル基で置換されたC1〜C4のアルキル基であることがさらに好ましい。
本発明に係るアゾール誘導体では、上記一般式(I)中のR及びRは、下記一般式(XVII)で示されることが好ましい。
Figure 2013512857
(式(XVII)中、R、R、R、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはエチル基を表すとともに、R、R、R、R及びRの少なくとも1つはハロゲン原子であり、nは0〜2を表す。)
ここで、上記一般式(XVII)においてドット(・)を付けた炭素は、一般式(I)においてヒドロキシル基を有する炭素と同一の炭素を示している。
本発明に係るアゾール誘導体では、Rを示す上記一般式(XVII)のnが1〜2であるとき、Rを示す上記一般式(XVII)のnは0であるとともに、Rがハロゲン原子、R、R、R及びRが水素原子であることが好ましい。
また、本発明に係るアゾール誘導体では、上記一般式(I)中のAは、窒素原子であることが好適である。
本発明に係るアゾール誘導体は、上記の構成とすることにより、植物に病害を引き起こす多くの菌に対してより一層優れた殺菌作用を有するという効果を奏する。
また、本発明は、上記アゾール誘導体の中間体として以下の化合物を包含する。
すなわち、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物は、下記一般式(II)で示されるオキシラン化合物あることを特徴としている。
Figure 2013512857
(式(II)中、R及びRは同一又は異なり、C3〜C6のシクロアルキル基、当該シクロアルキル基で置換されているC1〜C4のアルキル基、C2のアルケニル基、または、当該アルケニル基で置換されているC1〜C4のアルキル基を表す。上記シクロアルキル基、上記アルキル基または上記アルケニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C3〜C6のシクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖が1〜3)で置換されていてもよい。上記アリール基及び上記アリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のハロアルコキシ基で置換されていてもよい。)
また、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物は、下記一般式(II−a)で示されるオキシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2013512857
(式(II−a)中、R、R、R10、R11及びR12は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C3〜C6のシクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖が1〜3)で置換されていてもよい。アリール基及びアリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、または、C1〜C4のハロアルコキシ基で置換されていてもよい。X及びXは、ハロゲン原子を表す。nは、0〜4を表す。)
また、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物は、下記一般式(VIII)で示されるオキシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2013512857
(式(VIII)中、R、R、R10、R11及びR12は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C3〜C6のシクロアルキル基、アリール基又は、アリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖が1〜3)を示す。アリール基及びアリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、または、C1〜C4のハロアルコキシ基で置換されていてもよい。nは、0〜4を示す。)
さらに、本発明に係るアゾール誘導体の製造方法は、下記一般式(II)で示されるオキシラン化合物と、下記一般式(III)で示される1,2,4−トリアゾール又はイミダゾール化合物と、を反応させる工程を含むことを特徴としている。
Figure 2013512857
Figure 2013512857
(式(III)中、Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。Aは、窒素原子又はメチン基を表す。)
また、本発明は、上記アゾール誘導体の中間体の製造方法として以下の方法を包含する。
本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物の製造方法は、下記一般式(VIII)で示されるオキシラン化合物をgem−ジハロシクロプロパン化することにより下記一般式(II−a)で示される中間体化合物を得る工程を含むことを特徴としている。
Figure 2013512857
また、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物の製造方法は、下記一般式(VII)で示される化合物に、下記一般式(X)で示される有機金属化合物を反応させて得られる下記一般式(IX)で示されるハロヒドリン化合物をオキシラン化することにより下記一般式(VIII)で示される中間体化合物を得る工程を含むことを特徴としている。
Figure 2013512857
(式(X)中のLは、アルカリ金属、アルカリ土類金属−Q1(Q1はハロゲン原子)、1/2(Cuアルカリ金属)、亜鉛−Q2(Q2はハロゲン原子)を表し、式(VII)および(IX)中のXは、ハロゲン原子を表す。)
また、本発明に係るアゾール誘導体の中間体化合物の製造方法は、下記一般式(XI)で示されるカルボニル化合物をオキシラン化することにより下記一般式(VIII−a)で示される中間体化合物を得る工程を含むことを特徴とする。
Figure 2013512857
(式(XI)および(VIII−a)中のmは、1〜3を表す。)
なお、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤または工業用材料保護剤も本発明の範疇に含まれる。
また、本明細書等において、各一般式において同一の官能基(または原子)を規定している符号は同一の符号を付してその詳細な説明については省略している。例えば、一般式(I)において示されるRと異なる一般式において示されているRは同一のものを示している。もちろん、Rに限らず、他の官能基(または原子)も同様である。
本発明に係るアゾール誘導体は、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する。従って、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対して高い防除効果を発揮することができる効果を奏する。また、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、種々の農作物や園芸植物の成長を調節して収量を増加させると共に、その品質を高める効果も併せて奏する。さらに、本発明に係るアゾール誘導体を有効成分として含有する工業用材料保護剤は、工業用材料を侵す広範な有害微生物からより一層効果的に工業用材料を保護することができる効果を奏する。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
また、本実施形態において同一の用語については特に断りのない限り同一の意味で用いる。これは、一般式において置換基もしくは原子またはそれらの個数を示す記号についても同様である。

1.アゾール誘導体
(1)R・R
(2)A
(3)異性体
(4)具体例
2.アゾール誘導体の製造方法
(1)溶媒
(2)塩基・酸
(3)化合物(I)の第一製造方法
(3−1)工程A1
(3−2)工程A2
(3−3)工程A3
(3−4)工程A2a
(3−5)工程A4
(3−6)工程A4a
(4)化合物(I)の第二製造方法
(4−1)工程B1
(4−2)工程B2
3.農園芸用薬剤・工業用材料保護剤
(1)植物病害防除効果
(2)植物生長作用
(3)工業材料保護効果
(4)製剤
1.アゾール誘導体
本発明に係る前記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(以下、化合物(I)と称する)について説明する。
Figure 2013512857
以下、化合物(I)の各記号(R、R、A)の定義内容とその具体例について説明する。
(1)R・R
及びRは、C3〜6シクロアルキル基、又はC3〜C6シクロアルキル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表す。R及びRは、同一であっても、異なっていてもよい。
C3〜6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、より好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基であり、特に好ましくはシクロプロピル基である。また、C3〜C6シクロアルキル基で置換されているC1〜C4アルキル基としては、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、2−(シクロプロピル)エチル、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、3−(シクロプロピル)プロピル基、4−(シクロプロピル)ブチル基等が挙げられ、より好ましくは、シクロプロピルメチル基、2−(シクロプロピル)エチル、3−(シクロプロピル)プロピル基、4−(シクロプロピル)ブチル基が挙げられ、特に好ましくはシクロプロピルメチル基、2−(シクロプロピル)エチルである。
これらの基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖C1〜C3)で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。C1〜C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。C1〜C4ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基等が挙げられる。C3〜C6シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
これらの中で、より好ましくは、ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1〜C4アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。C1〜C4ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基が挙げられる。C3〜C6シクロアルキル基としては、シクロプロピル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。
さらに好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、フェニル基が挙げられる。
特に好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基が挙げられる。
上述したアリール基及びアリールアルキル基のフェニル部は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基から1〜3置換されてもよい。
これらアリール基及びアリールアルキル基のフェニル部を置換する置換基としては以下のものが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。C1〜C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基等が挙げられる。C1〜C4ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基等が挙げられる。C1〜C4アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。C1〜C4ハロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基等が挙げられる。
より好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
(2)A
Aは、窒素原子又はメチン基を表す。
(3)異性体
化合物(I)は、R及びRが異なる場合、水酸基が結合する炭素原子が不斉炭素となる。また、R及びRで示される構造によっても不斉炭素が生じ得る。このため、化合物(I)には、幾何異性体及び光学異性体が存在し得る。化合物(I)は、すべての単独の異性体、及び各異性体の任意の比率での混合物をも包含するものとする。
(4)具体例
上述のR、R及びAの組み合わせにより、化合物(I)として、以下の「表1」〜「表37」に記載する化合物を例示することができる。
Figure 2013512857
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Figure 2013512857
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表中、R、Rは、「・」(ドット)で結合位置を示した。すなわち、「・」が結合している炭素原子と、化合物(I)中の水酸基の結合した炭素原子と、の間で、炭素原子−炭素原子結合を形成しているものとする。
上述した具体例の中で、R、Rのどちらか一方に1〜2個のハロゲン原子の置換したシクロプロピル基もしくは(シクロプロピル)C1〜C4アルキル基を有する化合物がより好ましい。
また、R、Rともに1〜2個のハロゲン原子が置換したシクロプロピル基もしくは(シクロプロピル)C1〜C4アルキル基を有する化合物がさらに好ましい。
さらに、R、Rの片方が1つのハロゲン原子が置換したシクロプロピル基であり、かつ、他方が2つのハロゲン原子が置換した(シクロプロピル)C1〜C4アルキル基である場合が特に好ましい。
ここで、好ましい1つのハロゲン原子が置換したシクロプロピル基としては、1-フルオロシクロプロピル、1-クロロシクロプロピル基、1-ブロモシクロプロピル基が挙げられ、1-フルオロシクロプロピル、1-クロロシクロプロピル基がより好ましく、1-クロロシクロプロピル基が特に好ましい。
また、2つのハロゲン原子が置換した(シクロプロピル)C1〜C4アルキル基としては、(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)エチル基、3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)プロピル基、(2,2-ジクロロシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル基、3-(2,2-ジクロロシクロプロピル)プロピル基、4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)ブチル基、(2,2-ジブロモシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジブロモシクロプロピル)エチル基、3-(2,2-ジブロモシクロプロピル)プロピル基、4-(2,2-ジブロモシクロプロピル)ブチル基、(2,2-ジヨードシクロプロピル)メチル基等が挙げられ、より好ましくは(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)エチル基、(2,2-ジクロロシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル基、(2,2-ジブロモシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジブロモシクロプロピル)エチル基の(2,2-ジハロシクロプロピル)C1〜C2アルキル基であり、特に好ましくは(2,2-ジクロロシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル基、(2,2-ジブロモシクロプロピル)メチル基、2-(2,2-ジブロモシクロプロピル)エチル基が挙げられる。
2.アゾール誘導体の製造方法
次に、化合物(I)の製造方法について説明する。以下に説明する本発明に係る製造方法の各工程において、使用される溶媒、塩基、酸等は、特に言及しない限り、次のようなものを用いることができる。
(1)溶媒
使用される溶媒は、特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、石油エーテル、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等が挙げられる。この他、溶媒としては、水、二硫化炭素、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、2種類以上を混合して用いることができる。
また、溶媒として、互いに均一な層を形成することのない溶媒からなる溶媒組成物が挙げられる。例えば、反応混合物中に、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩等の四級アンモニウム塩、クラウンエーテルとその類似物等の相間移動触媒を添加してこれらの反応を行うこともできる。この場合において、用いる溶媒は特に限定されないが、油相としてはベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
(2)塩基・酸
上述の溶媒には、塩基または酸を添加してもよい。
用いられる塩基は、特に限定されないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属水素化合物;n-ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド等のアルカリ金属の有機金属化合物;ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類;リチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド類;トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセン等の有機アミン類等が挙げられる。
また、用いられる酸は、特に限定されないが、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、酪酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ロジウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化アルミニウム等のルイス酸が挙げられる。
(3)化合物(I)の第一製造方法
(3−1)工程A1
この製造方法の1つの実施形態は、下記一般式(II)で示されるオキシラン化合物と、下記一般式(III)で示される1,2,4−トリアゾール又はイミダゾール化合物と、を反応させる工程(工程A1)を含むことを特徴とする(下記反応式(1)参照)。以下、一般式(II)で示されるオキシラン化合物を「化合物(II)」と、一般式(III)で示される1,2,4−トリアゾール又はイミダゾール化合物を「化合物(III)」と称する。
反応式(1)
Figure 2013512857
ここで、R、R及びAの定義内容は、上述した通りである。
Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。
本工程では、化合物(II)のオキシラン環中の炭素原子と化合物(III)を反応させて、化合物(II)のオキシラン環中の炭素原子と化合物(III)の窒素原子間に炭素−窒素結合を生成させる。
この際、用いられる溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドンやN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
化合物(II)に対する化合物(III)の使用量は、通常0.5〜10倍モル、好ましくは0.8〜5倍モルである。また、所望により塩基を添加してもよい。その場合の化合物(III)に対する塩基の使用量は通常0〜10倍モル、好ましくは0.5〜5倍モルである。
反応温度及び反応時間は、用いられる溶媒、塩基等によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には0℃〜250℃、より好適には10℃〜150℃とされる。また、反応時間は、好適には0.1時間〜数日、より好適には0.5時間〜2日とされる。
(3−2)工程A2
工程A1で使用される化合物(II)の好適な第一の合成方法として、一般式(VI)で示されるハロヒドリン化合物(以下、「化合物(VI)」と称する)を、塩基存在下、溶媒中で反応して得る方法が挙げられる(下記反応式(2)参照)。
反応式(2)
Figure 2013512857
ここで、R、Rの定義内容は、上述した通りである。また、Xは、ハロゲン原子を表す。
使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、等のアルカリ金属の炭酸塩もしくは炭酸水素塩等が好ましく使用できるが、これらに限定されるものではない。
塩基の量は、化合物(VI)に対して0.5〜20倍モル、好適には0.8〜5倍モルとするのが好ましい。
溶媒は、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類;n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;これらの混合溶媒等が挙げられる。塩基の水溶液を、疎水性溶媒と共に用いる場合には、反応混合物中に、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、クラウンエーテルとその類似物等の相間移動触媒を添加して反応を行うこともできる。
(3−3)工程A3
工程A2で使用される化合物(VI)は、一般式(VII)で示される化合物(以下、「化合物(VII)」と称する)のカルボニル基に対し、一般式(IV)で示される化合物(以下、「化合物(IV)」と称する)を求核付加させ、炭素−炭素結合を生成させることにより製造できる(下記反応式(3)参照)。
反応式(3)
Figure 2013512857
ここで、R、R、Xの定義内容は、上述した通りである。
Lは、アルカリ金属、アルカリ土類金属−Q1(Q1はハロゲン原子)、1/2(Cuアルカリ金属)、亜鉛−Q2(Q2はハロゲン原子)等が挙げられ、いずれでも使用可能である。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、リチウムが好ましい。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム等が挙げられる。
使用される溶媒としては、反応条件において不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香炭化水素類が挙げられる。また、水溶液を疎水性溶媒と共に用いる場合には反応混合物中に、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、クラウンエーテルとその類似物等の相間移動触媒を添加して反応を行うことも可能である。
化合物(VII)に対する化合物(IV)の使用量は、通常0.5〜10倍モル、好ましくは0.8〜5倍モルである。なお、化合物(IV)は、直前に調製されたものが好ましい。また、反応系内で化合物(IV)を発生させながら反応させることも可能な場合もあり、特にLが亜鉛−Q2(Q2はハロゲン原子)の場合、好ましい。
また、所望によりルイス酸を添加してもよい。化合物(IV)に対するルイス酸の使用量は、通常0を超え5倍モル以下、好ましくは0.1〜2倍モルである。用いられるルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化セリウム等があげられる。
反応温度及び反応時間は、用いられる溶媒、化合物(VII)や化合物(IV)の種類等によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には−80℃〜200℃、より好適には−50℃〜100℃とされる。また、反応時間は、好適には0.1〜12時間、より好適には0.5〜6時間とされる。
ここで使用される化合物(IV)や化合物(VII)は、市販化合物や既存の技術で製造可能なものを使用することができる。
(3−4)工程A2a
工程A1で使用される化合物(II)の中で、一般式(II−a)で示される、分子中にgem−ジハロシクロプロパン構造を有する化合物(以下、「化合物(II−a)」と称する)は、以下の好適な第二の合成法により得ることができる。すなわち、一般式(VIII)で示される分子中に二重結合を有するオキシラン化合物(以下、「化合物(VIII)」と称する)から、トリハロメタンと水酸化ナトリウム等の塩基との反応によって合成することができる。あるいは、化合物(VIII)から、トリハロ酢酸塩の熱分解等によって生じるハロカルベン類の付加反応によって合成することができる。これらの反応を、下記反応式(4)に示す。
反応式(4)
Figure 2013512857
ここで、Rの定義内容は、上述した通りである。
、R、R10、R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、アリール基又は、アリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖C1〜C3)を示す。アリール基及びアリールアルキル基の場合、フェニル部は、さらにハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基で置換されていてもよい。
nは、0から4の整数を示す。ここで、nが2以上の場合、R11及びR12は複数存在することになるが、それらの定義内容は各々独立にR11、R12の定義内容を示す。また、X1、X2は、それぞれ独立にハロゲン原子を示す。
以下、化合物(II−a)を合成する好適な方法として、トリハロメタンと水酸化ナトリウム等の塩基との反応により合成する方法について説明する。
使用されるトリハロメタンには、例えば、クロロホルム、ブロモホルム、クロロジフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジブロモフルオロメタン等が用いられる。化合物(VIII)に対するトリハロメタンの使用量は、特に限定されないが、通常0.5〜1000倍モル、好ましくは0.8〜100倍モルである。
溶媒には、トリハロメタンそのもの、あるいは、反応に不活性なジクロロメタンやトルエン等の他の溶媒を用いることができる。
塩基を添加する際、水酸化ナトリウム水溶液等の水溶液を使用する場合は、相関移動触媒を使用することが好ましい。相関移動触媒は、特に限定されず、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の四級アンモニウム塩、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の三級アミン類などを用いることができる。相関移動触媒の使用量は、通常化合物(VIII)に対し、0.001倍モルから5倍モルであり、好ましくは0.01倍モルから2倍モルである。
また、使用される塩基も、特に限定されないが、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好適に使用され、多くの場合、水溶液として使用される。塩基の使用量は、通常化合物(VIII)に対し、0.1倍モルから100倍モルであり、好ましくは0.8倍モルから50倍モルである。また、この時のアルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度は通常10%から飽和水溶液、好ましくは30%から飽和水溶液である。
反応温度は、通常0℃から200℃、好適には10℃から150℃である。また、反応時間は0.1時間〜数日、好ましくは0.2時間〜2日である。
(3−5)工程A4
工程A2aで使用される化合物(VIII)は、以下の好適な第一の合成法により得ることができる。まず、上記の化合物(VII)に、一般式(X)で示される有機金属化合物(以下、「化合物(X)」と称する)を反応させ、有機金属化合物による、化合物(VII)のカルボニル炭素原子への求核付加反応により炭素−炭素結合を生成させる。これにより、一般式(IX)で示されるハロヒドリン化合物(以下、「化合物(IX)」と称する)を得る。次いで、化合物(IX)を、塩基存在下にオキシラン化して、化合物(VIII)を得る(下記反応式(5)参照)。
反応式(5)
Figure 2013512857
ここで、R、R、R、R10、R11、R12、L、X、nの定義内容は、上述した通りである。
以下、化合物(VII)に化合物(X)を反応させ、化合物(IX)を得る反応について説明する。
使用される溶媒としては、不活性溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香炭化水素類が挙げられる。これらの溶媒は、混合して使用することも可能である。 また、反応に水を用いる場合は、有機溶媒と混合して使用することも可能であり、疎水性有機溶媒と共に用いる場合には必要に応じ、反応混合物中に、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、クラウンエーテルとその類似物等の相間移動触媒を添加して反応を行うことも可能である。
化合物(VII)に対する化合物(X)の使用量は、通常0.5〜10倍モル、好ましくは0.8〜5倍モルである。化合物(X)は、直前に調製されたものが好ましい。また、反応系内で化合物(X)を発生させながら反応させることも可能な場合もあり、特にLが亜鉛−Q2(Q2はハロゲン原子)の場合、より好ましい。
また、所望によりルイス酸を添加してもよく、その場合の化合物(VII)に対するルイス酸の使用量は、通常0を超え5倍モル以下、好ましくは0.1〜2倍モルである。用いられるルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化セリウム等が挙げられる。
反応温度及び反応時間は、用いられる溶媒、化合物(VII)や化合物(X)の種類等によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には−100℃〜200℃、より好適には−70℃〜100℃とされる。また、反応時間は、好適には0.1〜12時間、より好適には0.5〜6時間とされる。
なお、本工程における化合物(IX)のオキシラン化は、工程A2における化合物(VI)から化合物(II)の合成と同様の条件で行うことができる。
ここで使用される化合物(X)は、市販品やハロゲン化アルケニル化合物を有機金属試薬に変換する等の既存の合成技術で製造可能なものを使用することができる。例えば、化合物(X)中のLが亜鉛−Q2(Q2はハロゲン原子)の場合における反応系内で化合物(X−a)を発生させながら反応させる方法の例として、下記の反応式(6)に示す好適な方法が採用できる。
化合物(X−a)を発生させるには、化合物(XVII)で表されるハロゲン化アルケニルと亜鉛から系内で反応させる方法が好適である。すなわち、化合物(VII)共存下溶媒中で混合することにより、調製される。
反応式(6)
Figure 2013512857
ここで、R、R、R、R10、R11、R12、Q2、X、nの定義内容は、上述した通りである。
ここで、使用される溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香炭化水素類等の有機溶媒等が挙げられるが、特に限定されない。また、反応に水を用いる場合は、有機溶媒と混合して使用することも可能であり、疎水性有機溶媒と共に用いる場合には必要に応じ、反応混合物中に、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、クラウンエーテルとその類似物等の相間移動触媒を添加して反応を行うことも可能である。
より好適な実施形態の一例としては、例えば、化合物(VII)を含むテトラヒドロフラン等の有機溶媒と塩化アンモニウムや臭化アンモニウム等のハロゲン化水素を含む塩若しくは塩化水素、や臭化水素等のハロゲン化水素等の亜鉛の活性化を促す添加物を含む水溶液とが接触する条件下で化合物(XVII)で表されるハロゲン化アルケニルと亜鉛を混合することにより行われる。
この時、使用される化合物(XVII)の量は化合物(VII)に対し通常0.5〜20倍モル、好ましくは0.8〜10倍モルである。また、使用される亜鉛の量は化合物(VII)に対し通常0.5〜20倍モル、好ましくは0.8〜10倍モルである。
反応温度は好適には0℃〜150℃、より好適には5℃〜100℃とされる。また、反応時間は、好適には0.1〜24時間、より好適には0.5〜12時間とされる。
本工程で使用される化合物(VII)は、既存の技術で製造可能なものを使用することができる。
(3−6)工程A4a
工程A2aで使用される化合物(VIII)の中で、一般式(VIII−a)で示されるオキシラン化合物(以下、化合物(VIII−a)と称する)は、以下の好適な第二の合成法により得ることができる。すなわち、一般式(XV)で示されるメチルケトン化合物(以下、「化合物(XV)」と称する)に対し、塩基存在下、一般式(XVI)で示される炭酸ジアルキル化合物(以下、「化合物(XVI)」と称する)との反応を行い、一般式(XIII)で表されるケトエステル化合物(以下、「化合物(XIII)」と称する)を得る。次いで、塩基存在下、化合物(XIII)中のアルコキシカルボニル基の結合した炭素原子の、一般式(XIV)で示されるハロゲン化アルケニル化合物(以下、「化合物(XIV)」と称する)への求核置換反応により炭素−炭素結合を生成させて、一般式(XII)で表されるアルケニル化ケトエステル化合物(以下、「化合物(XII)」と称する)を得る。そして、化合物(XII)を加水分解・脱炭酸して、一般式(XI)で示されるカルボニル化合物(以下、「化合物(XI)」と称する)を得る。最後に、化合物(XI)をオキシラン化して、化合物(VIII−a)を得る。これらの反応を、下記反応式(7)に示す。
反応式(7)
Figure 2013512857
ここで、R2の定義内容は、上述した通りである。
13は、C1〜C4アルキル基を示す。R14、R15、R16、R17、R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、アリール基又は、アリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖C1〜C3)を示す。アリール基及びアリールアルキル基の場合、フェニル部は、さらにハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基で置換されていてもよい。
mは、1から3の整数を表す。ここで、mが2以上の場合、R17及びR18は複数存在することになるが、それらの定義内容は各々独立にR17、R18の定義内容を示す。
3は、ハロゲン原子を表す。
まず、化合物(XV)に対し、塩基存在下、化合物(XVI)を反応させて、化合物(XIII)を得る反応について説明する。
本反応は、溶媒中もしくは、化合物(XVI)を溶媒として行うことができる。
化合物(XV)に対する化合物(XVI)の使用量は、通常、0.5倍モル〜20倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜10倍モルである。
使用される塩基としては、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化合物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド類等が挙げられるが、これらに限定されない。化合物(XV)に対する塩基の使用量は、通常0.5倍モル〜10倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜5倍モルである。
反応温度は、通常0℃〜250℃、好ましくは室温〜150℃である。また、反応時間は通常、0.1時間〜数日、好ましくは0.5時間〜24時間である。
ここで使用される化合物(XV)や化合物(XVI)は、市販品や文献既知の方法等により合成可能である。
次に、化合物(XIII)中のアルコキシカルボニル基の結合した炭素原子の、化合物(XIV)への求核置換反応により炭素−炭素結合を生成させて、化合物(XII)を得る反応について説明する。
本反応は、通常、溶媒中、塩基の存在下で行われる。
化合物(XIII)に対する化合物(XIV)の使用量は、通常0.5倍モル〜10倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜5倍モルである。
使用される塩基としては、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化合物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(XIII)に対する塩基の使用量は、通常0.5倍モル〜10倍モルであり、好ましくは0.8倍モル〜5倍モルである。
また、上述した化合物(XV)から、塩基存在下、化合物(XIII)を得る反応において、生成した化合物(XIII)のカルボニル基とエステル基の間のメチレン部の水素原子の酸性度は化合物(XV)のアセチル基の水素原子の酸性度よりも高い為、反応の過程で化合物(XIII)のアルカリ金属塩等を形成するので、そのまま単離することなく化合物(XIII)の反応液を使用することもできる。その場合は、特に新たに塩基の添加することなく反応することも可能である。
反応温度は通常、0℃〜250℃、好ましくは室温〜150℃であり、反応時間は通常、0.1時間〜数日、好ましくは0.5時間〜24時間である。
続いて、化合物(XII)を加水分解・脱炭酸して、化合物(XI)を得る反応について説明する。
この加水分解・脱炭酸反応は、溶媒中、塩基性条件下でも酸性条件下でも行うことができる。
塩基性条件下で行なう場合、塩基には、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基を使用する。溶媒には、通常、水の他、アルコール類などを加えた水を使用する。
また、酸性条件下で行なう場合、酸触媒には、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸などの無機酸や酢酸等の有機酸を使用する。溶媒には、通常、水、若しくは、水に酢酸などの有機酸を加えて行なう。
反応温度は、通常、0℃〜還流点、好ましくは10℃〜還流点である。反応時間は、通常、0.1時間〜数日、好ましくは0.5時間〜24時間である。
また、他の方法として、塩基性条件下、まず加水分解を行った後に、酸性条件下で脱炭酸を行う方法や、加水分解で得られたb-ケトカルボン酸を有機溶媒中加熱して脱炭酸を行う方法も採用可能である。その際、使用される塩基や酸等は上述のものが使用される。
最後に、化合物(XI)をオキシラン化して、化合物(VIII−a)を得る反応について説明する。
本反応として、化合物(XI)をジメチルスルホニウムメチリド等のスルホニウムメチリド類やジメチルスルホキソニウムメチリド等のスルホキソニウムメチリド類等の硫黄イリドと溶媒中で反応させる方法が採用できる。
使用されるスルホニウムメチリド類やスルホキソニウムメチリド類は、溶媒中、スルホニウム塩(例えば、トリメチルスルホニウムヨージドやトリメチルスルホニウムブロミド等)やスルホキソニウム塩(例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドやトリメチルスルホキソニウムブロミド等)と、塩基とを反応させることにより生成させることができる。
スルホニウムメチリド類やスルホキソニウムメチリド類の量は、化合物(XI)に対して0.5〜10倍モル、好適には0.8〜5倍モルとされる。
用いられる溶媒は特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、2種類以上を混合して用いることができる。
また、反応に水を用いる場合は、有機溶媒と混合して使用することも可能であり、疎水性有機溶媒と共に用いる場合には必要に応じ、反応混合物中に、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、クラウンエーテルとその類似物等の相間移動触媒を添加して反応を行うことも可能である。
また、トルエン等の有機溶媒中、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を使用する場合はジエチレングリコール等のアルコール類を添加した方が好ましい場合がある。
この時のアルコール類の使用量は化合物(XI)に対し、通常0.001倍モル〜10倍モル、好適には0.005倍モル〜5倍モルである。
スルホニウムメチリド類やスルホキソニウムメチリド類の生成に用いられる塩基は、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウム等の金属水素化合物やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド等が好適に用いられる。
反応温度及び反応時間は、用いられる溶媒、化合物(XI)、スルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩、塩基等の種類によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には−100℃〜200℃、より好適には−50℃〜150℃とされる。また、反応時間は、好適には0.1時間〜数日、より好適には0.5時間〜2日とされる。
(4)化合物(I)の第二製造方法
(4−1)工程B1
本発明に係る製造方法の他の実施形態は、上記化合物(IV)と、下記一般式(V)で示されるカルボニル化合物(以下、「化合物(V)」と称する)と、を反応させる工程(工程B1)を含むことを特徴とする(下記反応式(8)参照)。
反応式(8)
Figure 2013512857
ここで、R、R、A、Lの定義内容は、上述した通りである。なお、本工程において、Lは、アルカリ土類金属−Q(Qはハロゲン原子)がより好ましく使用される。
本工程では、化合物(IV)による、化合物(V)のカルボニル炭素原子への求核付加反応によって炭素−炭素結合を生成させる。
使用される溶媒は、不活性溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香炭化水素類が挙げられる。
化合物(V)に対する化合物(IV)の使用量は、通常0.5〜10倍モル、好ましくは0.8〜2倍モルである。化合物(IV)は、直前に調製されたものがより好ましい。また、所望によりルイス酸を添加してもよく、その場合の一般式(IV)に対する塩基の使用量は、通常0を超え5倍モル以下、好ましくは0.1〜1倍モルである。ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化セリウム等が挙げられる。
反応温度及び反応時間は、用いられる溶媒、化合物(V)や化合物(IV)の種類等によって適宜設定することができる。反応温度は、好適には−100℃〜100℃、より好適には−70℃〜50℃とされる。また、反応時間は、好適には0.1〜12時間、より好適には0.5〜6時間とされる。
(4−2)工程B2
工程B1で使用される化合物(V)は、公知の方法(例えば、特開昭64−22857記載参照)で得ることができる。また、化合物(V)は、例えば、上記化合物(VII)と化合物(III)との反応により得ることができる(下記反応式(9)参照)。
反応式(9)
Figure 2013512857
ここで、R、A、X、Mの定義内容は、上述した通りである。
3.農園芸用薬剤・工業用材料保護剤
本発明に係るアゾール誘導体(化合物(I))の農園芸用薬剤及び工業用材料保護剤(以下、「農園芸用薬剤等」ともいう)としての有用性について説明する。
化合物(I)は、1,2,4−トリアゾリル基もしくはイミダゾリル基を有するので、無機酸、有機酸の酸付加塩や、金属錯体を形成する。従って、酸付加塩や金属錯体の一部として、農園芸用薬剤等の有効成分として使用することもできる。
さらに、化合物(I)には、R、Rで示される構造によっては、1つ以上の不斉炭素が存在する可能性がある。そのため、組成によっては、立体異性体混合物であるか、光学異性体混合物であるか、いずれかの立体異性体か、光学異性体であり得る。従って、これらの立体異性体又は光学異性体の少なくとも1種類を農園芸用薬剤等の有効成分として使用することもできる。
(1)植物病害防除効果
化合物(I)は、広汎な植物病害に対して防除効果を呈する。適用病害の例として以下が挙げられる。
ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、イネいもち病 (Pyricularia grisea)、イネごま葉枯病 (Cochliobolus miyabeanus)、イネ白葉枯病 (Xanthomonas oryzae)、イネ紋枯病 (Rhizoctonia solani)、イネ小黒菌核病 (Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病 (Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病 (Pythium aphanidermatum)、リンゴうどんこ病 (Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病 (Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病 (Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病 (Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病 (Valsa mali)、ナシ黒斑病 (Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病 (Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病 (Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病 (Venturia nashicola)、ブドウうどんこ病 (Uncinula necator)、ブドウべと病 (Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病 (Glomerella cingulata)、オオムギうどんこ病 (Erysiphe graminis f. sp hordei)、オオムギ黒さび病 (Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病 (Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病 (Rhynchosporium secalis)、コムギうどんこ病 (Erysiphe graminis f. sp tritici)、コムギ赤さび病 (Puccinia recondita)、コムギ黄さび病 (Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病 (Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病 (Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病 (Septoria tritici)、ウリ類うどんこ病 (Sphaerotheca fuliginea)、ウリ類の炭疸病 (Colletotrichum lagenarium)、キュウリべと病 (Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病 (Phytophthora capsici)、トマトうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病 (Alternaria solani)、ナスうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、イチゴうどんこ病 (Sphaerotheca humuli)、タバコうどんこ病 (Erysiphe cichoracearum)、テンサイ褐斑病 (Cercospora beticola)、トウモロコシ黒穂病 (Ustillaga maydis)、核果類果樹の灰星病 (Monilinia fructicola)、種々の作物をおかす灰色かび病 (Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) 等。
さらに、ブドウのさび病(Phakopsora ampelopsidis)、スイカのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveum)、キュウリのつる割病(Fusarim oxysporum f.sp.cucumerinum)、ダイコンの萎黄病(Fusarium oxysporum f.sp.raphani)、タバコの赤星病(Alternaria longipes)、ジャカイモノ夏疫病(Alternaria solani)、ダイスの褐紋病(Septoria glycines)、ダイスの紫斑病(Cercospora kikuchii)等。
また、適用植物の例としては、野生植物、植物栽培品種、異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物及び植物栽培品種、遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物及び植物栽培品種が挙げられる。遺伝子組み換え植物及び植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、収量向上作物等が挙げられる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、ROUNDUP READY、LIBERTY LINK、CLEARFIELD、YIELDGARD、HERCULEX、BOLLGARD等の登録商標を含むものが挙げられる。
(2)植物生長作用
また、化合物(I)は、広汎な作物や園芸植物に対して、その成長を調節して収量を増加させる効果やその品質を高める効果を示す。かかる作物の例として以下が挙げられる。
コムギ・大麦・燕麦などの麦類、稲、ナタネ、サトウキビ、トウモロコシ、メイズ、大豆、エンドウ、落花生、シュガービート、キャベツ、ニンニク、ダイコン、ニンジン、リンゴ、ナシ、みかん、オレンジ、レモンなどの柑橘類、モモ、桜桃、アボガド、マンゴー、パパイヤ、トウガラシ、キュウリ、メロン、イチゴ、タバコ、トマト、ナス、芝、菊、ツツジ、その他の観賞用植物。
(3)工業材料保護効果
さらに、化合物(I)は、工業材料を侵す広汎な有害微生物から材料を保護する優れた効果を示す。かかる微生物の例として以下が挙げられる。
紙・パルプ劣化微生物(スライム形成菌を含む)であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ジェオトリカム(Geotrichum sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、カドホーラ(Cadophora sp.)、セラトストメラ(Ceratostomella sp.)、クラドスボリウム(Cladosporium sp.)、コーティシウム(Corticium sp.)、レンティヌス(Lentinus sp.)、レンズィテス(Lenzites sp.)、フォーマ(Phoma sp.)、ポリスティクス(Polysticus sp.)、プルラリア(Pullularia sp.)、ステレウム(Stereum sp.)、トリコスポリウム(Trichosporium sp.)、アエロバクタ−(Aerobacter sp.)、バシルス(Bacillus sp.)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、フラボバクテリウム(Flavobacterium sp.)、ミクロコツカス(Micrococcus sp.)など、繊維劣化微生物であるアスペルギルスAspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、ミロテシウム(Myrothecium sp.)、クルブラリア(Curvularia sp.)、グリオマスティックス、(Gliomastix sp.)、メンノニエラ(Memnoniella sp.)、サルコポディウム(Sarcopodium sp.)、スタキボトリス(Stschybotrys sp.)、ステムフィリウム(Stemphylium sp.)、ジゴリンクス(Zygorhynchus sp.)、バシルス(bacillus sp.)、スタフィロコッカス(Staphylococcus sp.)など、木材変質菌であるオオウズラタゲ(Tyromyces palustris)、カワラタケ(Coriolus versicolor)、アスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、リゾプス(Rhizopus sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、グリオクラデイウム(Gliocladum sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)など、皮革劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、ムコール(Mucor sp.)、パエシロミセス(Paecilomyces sp.)、ピロブス(Pilobus sp.)、プルラリア(Pullularia sp.)、トリコスポロン(Trichosporon sp.)、トリコテシウム(Tricothecium sp.)など、ゴム・プラスチック劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、リゾプス(Rhizopus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ケトミウム(Chaetomium sp.)、ミロテシウム(Myrothecium sp.)、ストレプトマイセス(Streptomyces sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、バシルス(Bacillus sp.)、ミクロコツカス(Micrococcus sp.)、セラチア(Serratia sp.)、マルガリノマイセス(Margarinomyces sp.)、モナスクス(Monascus sp.)など、塗料劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、クラドスポリウム(Cladosporium sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、グリオクラディウム(Gliocladium sp.)、ボトリオディプロディア(Botryodiplodia sp.)、マクロスポリウム(Macrosporium sp.)、モニリア(Monilia sp.)、フォーマ(Phoma sp.)、プルラリア((Pullularia sp.)、スポロトリカム(Sporotrichum sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、バシルス((bacillus sp.)、プロテウス(Proteus sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、セラチア(Serratia sp.)。
(4)製剤
化合物(I)を農園芸用薬剤の有効成分として適用するには、他の何らかの成分も加えずそのままでもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活性剤、その他の製剤補助剤と混合して粉剤、水和剤、粒剤、乳剤などの種々の形態に製剤して使用する。
これらの製剤には有効成分として化合物(I)を、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%、より好ましくは2〜80重量%含まれるように製剤する。
製剤補助剤として使用する坦体、希釈剤、界面活性剤を例示すれば、まず、固体坦体として、タルク、カオリン、ベンナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレーなどがある。液体希釈剤として、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アルコールなどがある。界面活性剤は、その効果により使い分けるのがよく、乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなど、分散剤として、リグニンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン酸塩など、湿潤剤として、アルキルスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩など、を挙げることができる。
製剤には、そのまま使用するものと水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用するものとがある。希釈して使用する時の化合物(I)の濃度は0.001〜1.0%の範囲が望ましい。
また、化合物(I)の使用量は、畑、田、果樹園、温室などの農園芸地1haあたり、20〜5000g、より好ましくは50〜2000gである。これらの使用濃度及び使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所、対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
さらに、化合物(I)は他の有効成分、例えば以下に例示するような殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤と組み合わせ、農園芸用薬剤としての性能を高めて使用することもできる。
<抗菌性物質>
アシベンゾラーSメチル、2−フェニルフェノール(OPP)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、アミスルブロム、ビキサフェン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ビカルボネイト、ビフェニル、ビテルタノール、ブラスチシジン−S、ボラックス、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブロノポール、ブピリメート、セックブチラミン、カルシウムポリスルフィド、カプタフォル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、キノメチオネート、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリン、ジメトモルフ、ジメトキシストロビン、ジニコナゾール、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エディフェンフォス、エポキシコナゾール、エタポキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、エネストロブリン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオロミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フォセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルオピコリド、フルオピラム、グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、銅調製物例えば水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン−銅、クレゾキシムメチル、マンコカッパー、マンコゼブ、マネブ、マンジプロパミド、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メトミノスウトロビン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、オキサジキシル、オキソリニック酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、オリサストロビン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンチオピラド、ピリベンカルブ、フサライド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、硫黄及び硫黄調製物、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、アミスルブロム、セダキサン、フルチアニル、バリフェナール、アメトクトラジン、ジモキシストロビン、メトラフェノン、ヒドロキシイソキサゾール、メタスルホカルブ等。
<殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤>
アバメクチン、アセフェート、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アレトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アザメチフォス、アジンフォス−エチル、アジンフォス−メチル、アゾサイクロチン、バシルス・フィルムス、バシルス・ズブチルス、バシルス・ツリンジエンシス、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメイト、ビフェナゼイト、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ブプロフェジン、ブトカルボキシン、ブトキシカルボキシン、カズサフォス、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、カータップ、CGA 50439、クロルデイン、クロレトキシフォス、クロルフェナピル、クロルフェンビンフォス、クロルフルアズロン、クロルメフォス、クロルピリフォス、クロルピリフォスメチル、クロマフェノザイド、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロラントラリニプロール、コウンパフォス、クリオライト、シアノフォス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シアザピル、シエノピラフェン、DCIP、DDT、デルタメトリン、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロロフェン、ジクロロプロペン、ジクロルボス、ジコフォル、ジクロトフォス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンフォス、ジノブトン、ジノテフラン、エマメクチン、エンドスルファン、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトフェンプロックス、エトプロフォス、エトキサゾール、ファムフル、フェナミフォス、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレレート、フイプロニル、フロニカミド、フルアクロピリム、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルバリネート、フルベンジアミド、フォルメタネート、フォスチアゼート、ハルフェンプロクス、フラチオカルブ、ハロヘノジド、ガンマ−HCH、ヘプテノフォス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イソプロカルブ、イソキサチオン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メタム、メタミドフォス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトスリン、メトキシフェノジド、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトフォス、ナレド、ニコチン、ニテンピラム、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、パラチオン、パーメトリン、フェントエート、フォレート、フォサロン、フォスメット、フォスファミドン、フォキシム、ピリミカルブ、ピリミフォスメチル、プロフェノフォス、プロポクスル、プロチオフォス、ピメトロジン、ピラクロフォス、ピレスリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、ピリフルキナゾン、ピリプロール、キナルフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマット、スルフラミド、スルフォテップ、SZI-121、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムフォス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメフォス、テルブフォス、テトラクロルビンフォス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トラロピリル、トリアザメート、トリアゾフォス、トリクロルフオン、トリフルムロン、バミドチオン、バリフェナル、XMC、キシリルカルブ、イミシアホス、レピメクチン等。
<植物成長調節剤>
アンシミドール、6−ベンジルアミノプリン、パクロブトラゾール、ジクロブトラゾール、ウニコナゾール、メチルシクロプロペン、メピコートクロリド、エセフォン、クロルメコートクロライド、イナベンフィド、プロヘキサジオン及びその塩、トリネキサパックエチル等。また、植物ホルモンとしてのジャスモン酸や、ブラシノステロイド、ジベレリン等。
化合物(I)を工業用材料保護剤の有効成分として適用するには、他の成分を添加せずに単独で用いてもよいが、一般に、適当な液体担体に溶解或いは分散させ、又は固体担体と混合し、必要に応じて、更に乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、安定剤等を添加し、水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、ペースト剤、懸濁剤、噴霧材などの剤型として使用することができる。又、他の殺菌剤、殺虫剤、劣化防止剤等を配合してもよい。
液体担体としては、有効成分と反応しない限り如何なる液体を用いてもよく、例えば、水、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、セロソルブ等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル類(例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(例えばガソリン、ケロシン、灯油、機械油、燃料油等)、酸アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)ハロゲン化炭化水素類(例えば、クロロホルム、四塩化炭素等)、エステル類(例えば、酢酸エチルエステル、脂肪酸のグリセリンエステル等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)及びジメチルスルホキシド等が使用できる。
また、固体担体としては、カオリンクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石、尿素、硫酸アンモニウム等の微粉末或いは粒状物が使用できる。
乳化剤、分散剤としては、石鹸類、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、第4級アンモニウム塩、オキシアルキルアミン、脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイド系、アンヒドロソルビトール系等の界面活性剤が使用できる。
化合物(I)を有効成分として製剤中に含有させる場合、その含有割合は、剤型及び使用目的によっても異なるが、一般には、0.1〜99.9%重量%の濃度となるように加えるのが適当である。なお、実際の使用時においては、その処理濃度は、通常0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%となるように適宜、溶剤、希釈剤、増量剤などを加えて調整するのが好ましい。
以上説明したように、化合物(I)で示されるアゾール誘導体は、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。すなわち、化合物(I)で示されるアゾール誘導体を有効成分として含むことにより、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用病害防除剤を実現することができる。
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、製造例、製剤例、試験例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の製造例、製剤例および試験例に限定されるものではない。
化合物(I)に不斉炭素が2個以上存在する場合は、異性体として複数のジアステレオマーが生成する。これらのジアステレオマー全てをそれぞれ分離、帰属することは困難である。そこで、以下の製造例等においては、帰属可能となったジアステレオマーのみを、アルファベット順に記載した。アルファベット順の順序に特段の意味はなく、帰属された順に、例えば、化合物I−2a、化合物I−2b等と記載した。
<製造例1>
1−(1−クロロシクロプロピル)−1−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノール(化合物番号I−2)の合成

(1)中間体、1−クロロ−2−(1−クロロシクロプロピル)−3−ブテン−2−オール(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, X=Cl, n=0)の合成

窒素気流下、2−クロロ−1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン(化合物(VII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, X=Cl)(0.67 g, 4.38 mmol)の無水THF(5 ml)を-20℃に冷却した。この溶液へ、0.75Mビニルマグネシウムブロミド(化合物(X)、R8= H, R9= H, R10= H, L=MgBr , n=0)(12.5 ml, 9.38 mmol)を無水THF(6 ml)で希釈した溶液を、反応温度が上昇しないように滴下した。滴下終了後、ゆっくりと0℃まで加温した後、0℃で1時間撹拌した。氷水冷却下、反応液に飽和塩化アンモニウム溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=20:1))により精製し、目的物を得た。

収量:0.53g
収率:67%
性状:無色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.93 - 1.04 (m, 2H), 1.07 - 1.12 (m, 1H), 1.24 - 1.30 (m,1H), 2.34 (s,1H), 3.90 3.93 (d×2, 2H, J=11.3Hz), 5.36 (dd, 1H, J=0.8, 10.8Hz), 5.51 (dd, 1H, J=0.7,17.2Hz), 6.05 (dd, 1H, J=10.8, 17.2Hz).
(2)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R4= H, R5= H, R6 = H, X1=Cl, X2=Cl, n=0)の合成

1−クロロ−2−(1−クロロシクロプロピル)−3−ブテン−2−オール(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, X=Cl, n=0)(0.53g, 2.93 mmol)をクロロホルム(2.4 ml)に溶解し、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(34 mg, 0.15 mmol)を加えた。この溶液の中へ水酸化ナトリウム(1.80 g, 45.0mmol)を水(1.8 ml)に溶解した溶液を加え、60℃で8時間激しく撹拌した。その後、反応温度を70℃にして、さらに4時間、反応温度を80℃で20時間撹拌した。反応後、クロロホルムで抽出し、有機層を、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=20:1))で精製し、目的物を2種の異性体としてそれぞれ得た。

[異性体a]
収量:41 mg
収率:6.3%
性状:淡黄色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.9 - 0.97 (m, 2H), 1.19 - 1.25 (m, 2H), 1.46 - 1.52 (m, 1H), 1.54, 1.56 (d×2, 1H, J= 10.9Hz), 2.54 (d, 1H, J=5.5Hz), 2.68 (dd, 1H, J=8.4, 10.8Hz), 2.75 (d, 1H, J=5.5Hz).
[異性体b]
収量:37 mg
収率:5.7%
性状:淡黄色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.99- 1.11 (m, 2H), 1.13 - 1.26 (m, 2H), 1.28 - 1.38 (m, 1H), 1.66 (dd, 1H, J=7.8, 11.0Hz), 2.40 (dd, 1H, J=8.3,11.0Hz), 2.76 (d, 1H, J=3.6Hz), 2.83 (dd, 1H, J=0.7, 3.9Hz).
(3)1−(1−クロロシクロプロピル)−1−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノール(化合物番号I−2a)の合成

窒素気流下、1H−1,2,4−トリアゾール(化合物(III)、M=H)(15 mg, 0.22 mmol)、炭酸カリウム(31 mg, 0.22 mmol)、カリウムt−ブトキシド(1.7 mg, 0.02 mmol)をNMP(2 ml)に懸濁させた。2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, X1=Cl, X2=Cl, n=0の一方の異性体a)(37 mg, 0.16 mmol)のNMP(1 ml)溶液を加え、80℃で5時間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=1:1))により精製し、目的物を得た。

収量:12mg
収率:25%
性状:白色結晶、融点70-71℃
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.74-0.87 (m, 2H), 1.09-1.15 (m, 1H), 1.35-1.41 (m, 2H), 1.52 (dd, J = 11.0, 7.1Hz, 1H), 2.20 (dd, J = 11.0, 9.1Hz, 1H), 3.75 (s, 1H), 4.51 (d, J = 14.2Hz, 1H), 4.60(d, J = 14.2Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 8.22 (s, 1H).
<製造例2>
2−(1−クロロシクロプロピル)−1−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール(化合物番号I−210)の合成

(1)中間体、1−クロロ−2−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−2−オール(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11= H, R12 = H, X=Cl, n=1)の合成

アルゴン雰囲気下、2−クロロ−1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン(化合物(VII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, X=Cl)(1.5 g, 0.0098 mol)をジエチルエーテル(20 ml)に溶解し、約-50℃に冷却した。アリルマグネシウムブロミド(化合物(X)、R8= H, R9= H, R10= H, R11 = H, R12 = H, L=MgBr , n=1)1Mジエチルエーテル溶液(18 ml, 0.0098 x 1.8 mol)を加え、同温度で約20分間、徐々に昇温しながら1時間撹拌した。さらに、氷冷下、1時間撹拌した後、氷水と飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。ジエチルエーテルで抽出した後、有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗目的物を得た。

粗収量:1.48 g
粗収率:77%
性状:無色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.9-1.0 (m, 2H), 1.1-1.2 (m, 1H), 1.2-1.3 (m, 1H), 2.13 (s, 1H), 2.57 (dd, J = 14.3, 8.4Hz, 1H), 2.70 (ddt, J = 14.3, 6.5, 1.3Hz, 1H), 3.83 (d, J = 11.4Hz, 1H), 3.95 (d, J = 11.4Hz, 1H), 5.1-5.2 (m, 1H), 5.22 (bs, 1H), 5.9-6.1 (m, 1H).
(2)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2,2−ジブロモシクロプロピルメチル)オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11= H, R12 = H, X1=Br, X2=Br, n=1)の合成

粗1−クロロ−2−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−2−オール(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11= H, R12 = H, X=Cl, n=1)(0.60g g, 0.0031 mol)をブロモホルム (2.33 g, 9.2 mmol)、50%水酸化ナトリウム水溶液(2g)とベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(35 mg, 0.154 mmol)を加え、室温下、1時間、約60℃で1時間、更に約80℃で1時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物に、ブロモホルム (2.33 g, 9.2 mmol)、50%水酸化ナトリウム水溶液(2g)とベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(70 mg, 0.30 mol)を加え、約80℃で4時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=20:1))で精製して粗生成物を得て、そのまま次反応に用いた。

粗収量:0.60 g
粗収率:59%
性状:油状物
(3)2−(1−クロロシクロプロピル)−1−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール(化合物番号I−210)の合成

炭酸カリウム(0.38 g, 2.7 mmol)をDMF(3 ml)に加え懸濁した後、t-BuONa(0.035 g, 0.36 mmol)、1,2,4-トリアゾール(化合物(III)、M=H)(0.19 g, 2.7 mmol)を加えた。DMF(3 ml)に溶解した粗2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2,2−ジブロモシクロプロピルメチル)オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11= H, R12 = H, X1=Br, X2=Br, n=1)(0.60 g, 0.0018 mol)を加え、約90℃で2時間攪拌した。酢酸エチルと水を加え、分配した後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=1:1))で精製を行い、2種の異性体の中で低極性の異性体aを単離した。

[化合物番号I−210a]
収量:0.065 g
収率:9%
性状:白色固体、融点114℃
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.28 - 0.38 (m, 1H), 0.42 - 0.52 (m, 1H), 0.73 - 0.84 (m, 1H), 1.02 - 1.12 (m, 1H), 1.42 (app.t, J= 7.6 Hz, 1H), 1.88 (dd, J= 7.3, 10.6 Hz, 1H), 1.92 - 2.19 (m, 3H), 4.36 (s, 1H), 4.39 (d, J= 14.2 Hz, 1H,), 4.95 (d, J=14.2 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.28 (s, 1H).
<製造例3>
1,3−ビス(2,2−ジクロロシクロプロピル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)プロパン−2−オール(化合物番号I−277)の合成

(1)中間体、4−クロロメチルヘプタ−1,6−ジエン−4−オールの合成
窒素気流下、マグネシウム(0.58 g, 24 mmol)に無水ジエチルエーテル(10 ml)を加え、ここへ、アリルブロミド(2.70 g, 22.3 mmol)をジエチルエーテル(25 ml)に溶解した溶液を、反応液が穏やかに還流し続けるように滴下した後、室温で30分間撹拌した。塩化クロロアセチル(1.20 g, 10.6 mmol)を無水ジエチルエーテル(10 ml)に溶解した溶液を-40℃に冷却し、先に調整したアリルマグネシウムブロミド溶液を、反応液温度が上昇しないように滴下した。滴下終了後、-40℃で2時間撹拌した後、ゆっくりと0℃まで加温した。氷水冷却下、反応液に飽和塩化アンモニウム溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層は、飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的物を得た。

収量:1.06 g
収率:62%
性状:淡黄色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
2.31 - 2.42 (m, 4H), 3.49 (s, 2H), 5.15 - 5.21 (m, 4H), 5.79 - 5.90 (m, 2H).
(2)中間体、2,2−ビス(2,2−ジクロロシクロプロピルメチル)オキシラン(化合物(II)、R1= 2,2-dichlorocyclopropylmethyl, R2= 2,2-dichlorocyclopropylmethyl)の合成

4−クロロメチルヘプタ−1,6−ジエン−4−オール(1.06 g, 6.6 mmol)をクロロホルム(11 ml)に溶解し、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.15 g, 0.66 mmol)を加えた。水酸化ナトリウム(5.20 g, 130 mmol)を水(5 ml)に溶解した溶液を加え、60℃で15時間激しく撹拌した。反応後、クロロホルムで抽出し、有機層は、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的物をジアステレオマー混合物として得た。

収量:1.24 g
収率:65%
性状:褐色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
1.12 - 1.17 (m, 2H), 1.57 - 1.82 (m, 5H), 1.95 - 2.10 (m, 3H), 2.81(s,0.5H), 2.81(d, J=4.2Hz, 0.5H), 2.92 (s, 0.5H), 2.94(d, J=4.2Hz, 0.5H).
(3)1,3−ビス(2,2−ジクロロシクロプロピル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)プロパン−2−オール(化合物番号I−277)の合成

窒素気流下、60%水素化ナトリウム(0.12 g, 3.0 mmol)をヘキサンで洗浄した後、無水DMF(5.0 ml)に懸濁させ、氷冷下1H−1,2,4−トリアゾール(化合物(III)、M=H)(0.20 g, 2.9 mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、2,2−ビス(2,2−ジクロロシクロプロピルメチル)オキシラン(化合物(II)、R1= 2,2-dichlorocyclopropylmethyl, R2= 2,2-dichlorocyclopropylmethyl)(0.58 g, 2.0 mmol)の無水DMF(3.0 ml)溶液を加え、90℃で8 時間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=2:1))により精製し、目的物を得た。

[化合物番号I−277a]
収量:82 mg
収率:11%
性状:白色結晶、融点114-115℃
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
1.30 (t, J=7.4Hz, 2H), 1.69-1.74 (m, 4H), 1.84-1.85 (m, 4H), 3.98 (s, 1H), 4.44 (s, 2H), 8.04 (s, 1H), 8.18 (s, 1H).

[化合物番号I−277b]
収量:0.19g
収率:26%
性状:白色結晶、融点105 - 106.5℃
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
1.03-1.07 (m, 1H), 1.17-1.21 (m, 1H), 1.46-1.56 (m, 1H), 1.64-1.68 (m, 1H), 1.72-1.81 (m, 4H), 1.95-1.99 (m, 1H), 2.08 (dd, J=4.1, 14.8Hz, 1H), 4.01 (d, J=1.4Hz, 1H), 4.39 (d, J=14.1Hz, 1H), 4.45 (d, J=14.1Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.17 (s, 1H).
<製造例4>
2−(1−クロロシクロプロピル)−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール(化合物番号I−607)の合成

(1)中間体、3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XIII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R13 = Me)の合成

窒素気流下、60% 水素化ナトリウム(3.80 g, 95.0 mmol)をヘキサン洗浄後、炭酸ジメチル(化合物(XVI)、R913 = Me) (80 ml)に懸濁し、無水メタノール(0.5 ml)を加え、80℃に加温した。1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン(化合物(XV)、R2= 1-chlorocyclopropyl)(10.2 g, 86.0mmol)を炭酸ジメチル(化合物(XVI)、R13 = Me) (6 ml)に溶解した溶液を加え、80℃で3時間撹拌した。放冷後、反応液に酢酸(10 ml)を加え、次いで氷水中に注ぎ、有機層を分取した。水層をジエチルエーテルで抽出し、有機層をそれぞれ、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した後、減圧蒸留により、目的物を得た。

収量:8.85 g
収率:58%
性状:無色油状物、沸点88℃/1.3kPa。
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
1.41 (d, J=5.1Hz, 1H), 1.43 (d, J=4.8Hz, 1H), 1.72 (d, J=4.8Hz, 1H), 1.74 (d, J=5.1Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.90 (s, 2H).
(2)中間体、2−(2−プロペニル)−3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, R13 = Me, m=1)の合成

窒素気流下、60%水素化ナトリウム(1.32 g, 33.0 mmol)をヘキサン洗浄後、無水DMF(70 ml)に懸濁した。3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XIII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R9= Me)(5.30 g, 30.0mmol)を無水DMF(15 ml)に溶解した溶液を加え、室温で 1.5時間撹拌した。撹拌後、アリルブロミド(化合物(XIV)、R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, X3=Br, m=1) (4.0 g, 33.0mmol)を無水DMF(15 ml)に溶解した溶液を加え、室温下、3時間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、ヘキサンで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的物を得た。

収量:6.37 g
収率:98%
性状:無色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
1.37 - 1.45 (m, 2H), 1.65 - 1.75 (m, 2H), 2.61 - 2.68 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 4.35 (t, J=7.0Hz, 1H), 5.05 - 5.14 (m, 2H), 5.75 - 5.82 (m, 1H).
(3)中間体、1−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−1−オン(化合物(XI)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, m=1)の合成

2−(2−プロペニル)−3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, R13= Me, m=1)(6.16 g, 28.5 mmol)をイソプロパノール(10 ml)に溶解した。水酸化ナトリウム (2.20 g, 55.0mmol)を水(11 ml)に溶解した溶液を加え、80℃で 4.5時間撹拌した。放冷後、反応液を氷水中に注ぎ、ヘキサンで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=50:1))により精製し、目的物を得た。

収量:3.0 g
収率:67%
性状:無色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
1.31 - 1.35 (m, 2H), 1.62 - 1.65 (m, 2H), 2.31 - 2.37 (m, 2H), 2.94 - 2.98 (m, 2H), 4.98 - 5.09 (m, 2H), 5,78 - 5.87 (m, 1H).
(4)中間体、2−(3−ブテニル)−2−(1−クロロシクロプロピル)オキシラン(化合物(VIII-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, m=1)の合成

窒素気流下、60%水素化ナトリウム(1.75 g, 43.7mmol)をヘキサンで洗浄後、無水DMSO (70 ml)に懸濁した。トリメチルスルホキソニウムブロミド(7.51 g, 43.4mmol)を加え、室温で 1.5時間撹拌した。1−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−1−オン(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl,R14= H, R15= H, R16 = H, R17= H, R18 = H, m=1)(5.0 g, 31.5mmol)を無水DMSO (30 ml)に溶解した溶液を加え、室温でさらに3時間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、ヘキサンで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた油状物を減圧蒸留して、目的物を得た。

収量:1.67 g
収率:31%
性状:無色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.77 - 0.86 (m, 2H), 0.98 - 1.10 (m, 2H), 1.87 - 1.94 (m, 1H), 2.14 - 2.29 (m, 3H),
2.70 (d, J=4.9Hz, 1H), 2.74 (d, J=4.9Hz, 1H), 4.97 - 5.09 (m, 2H), 5.79 - 5.88 (m, 1H).
(5)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−[2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)エチル]オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11 = H, R12 = H, n=2)の合成

2−(3−ブテニル)−2−(1−クロロシクロプロピル)オキシラン(化合物(VIII-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, m=1)(18.92 g, 110 mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(515 mg, 2.26 mmol)をクロロホルム(63 ml)に溶解させ、水酸化ナトリウム(23.07 g, 577 mmol)/水(23.5 ml)溶液を加え、60℃で2時間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。
以上の操作をもう1回繰り返し、得られた粗生成物を減圧蒸留により精製し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=20:1))で精製し、目的物を得た。

収量:19.75 g
収率:71 %
性状:黄色油状物
[異性体a]
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.77 - 0.90(m,2H), 0.97 - 1.03(m,1H), 1.05 - 1.12(m,2H), 1.56 - 1.68(m,4H), 2.02 - 2.10(m,1H), 2.22 - 2.29(m,1H), 2.71 - 2.76(m,2H).

[異性体b]
0.77 - 0.90(m,2H), 0.97 - 1.03(m,1H), 1.05 - 1.12(m,2H), 1.56 - 1.68(m,3H), 1.74 - 1.83(m,1H), 1.86 - 1.93(m,1H), 2.35 - 2.43(m,1H), 2.73(d, J=4.9Hz, 1H), 2.75(d, J=4.9Hz, 1H).
(6)2−(1−クロロシクロプロピル)−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール(化合物番号I−607)の合成

窒素気流下、1H−1,2,4−トリアゾール(化合物(III)、M=H)(142 mg, 2.06 mmol)、炭酸カリウム(271 mg, 1.96 mmol)、カリウムt−ブトキシド(15 mg, 0.13 mmol)をDMF(2 ml)に懸濁させた。2−(1−クロロシクロプロピル)−2−[2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)エチル]オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11 = H, R12 = H, n=2)(394 mg, 1.54 mmol)のDMF(2 ml)溶液を加え、70℃で5時間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=1:1))により粗精製後、酢酸エチル−ヘキサン系で再結晶を行い、2種のジアステレオマーとして目的物を得た

[化合物番号I−607a]
収量:40 mg
収率:8 %
性状:白色結晶、融点:130-131℃
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.24 (ddd, J = 11.0, 7.2, 6.0Hz, 1H), 0.45 (ddd, J = 10.7, 7.5, 6.0Hz, 1H), 0.83(ddd, J = 10.7, 7.2, 5.7Hz, 1H), 1.06 (ddd, J = 11.0, 7.5, 5.7Hz, 1H), 1.12 (bs, 1H), 1.5-1.6 (m, 2H), 1.6-1.8 (m,1H), 1.8-2.1 (m, 3H), 4.06 (s, 1H), 4.27 (d, J = 14.2Hz, 1H), 4.71 (d, J = 14.2Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 8.24 (s, 1H).

[化合物番号I−607b]
収量:55 mg
収率:11%
性状:白色結晶、融点83-84℃
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.24 (ddd, J = 11.0, 7.2, 6.0Hz, 1H), 0.44 (ddd, J = 10.8, 7.5, 6.0Hz, 1H), 0.85(ddd, J = 10.8, 7.2, 5.7Hz, 1H), 1.07 (ddd, J = 11.0, 7.5, 5.7Hz, 1H), 1.1-1.2 (m, 1H), 1.5-1.6 (m, 2H), 1.7-1.8 (m,2H), 1.8-2.0 (m, 1H), 2.2-2.3 (m, 1H), 4.08 (s, 1H), 4.26 (d, J = 14.2Hz, 1H), 4.71 (d, J = 14.2Hz, 1H), 8.02 (s,1H), 8.24 (s, 1H).
上記製造例1〜4に準じた方法で、下記「表38」〜「表41」に示す化合物(I)を合成した。
Figure 2013512857
Figure 2013512857
Figure 2013512857
Figure 2013512857
なお、上述で使用させる各種中間体は下記参考製造例によっても合成可能である。
<参考製造例1>
中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2,2−ジブロモシクロプロピルメチル)オキシラン(化合物(II-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11= H, R12 = H, X1=Br, X2=Br, n=1)の合成

(1)中間体、1−クロロ−2−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−2−オール(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10= H, R11= H, R12= H, X=Cl, n=1)の合成

2−クロロ−1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン (30.6 g, 0.20 mol)に臭化アリル(36.3 g, 0.20 x 1.5 mol) 、THF(100 ml)、飽和塩化アンモニウム水 (200 ml)を加えた混合物に亜鉛(5.0 g, 0.020 x 1.15 mol)を、10分間隔で3分割して添加した後、10分後、亜鉛(4.5 g, 0.20 x 0.38 mol)を加えた。ここで、反応温度は35℃以下で行った。2時間撹拌した後、原料の残存が確認された為、臭化アリル(3.63 g, 0.20 x 0.15 mol) 、亜鉛(1.95 g, 0.020 x 0.15 mol)を加え、0.5時間撹拌した。反応液に濃塩酸(20 ml)を加え、有機層を分離し、次反応に用いた。
(2)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2−プロペニル)オキシラン(化合物(VIII)、R2=chlorocyclopropyl, R8=H, R9=H, R10=H, R11=H, R12=H, n=1)の合成
(1)で得られた有機層に12.5%NaOH水溶液(128 g, 0.20 x 2.0 mol)を加え、室温下、3時間撹拌した後、更に25%NaOH水溶液(6.4 g, 0.20 x 0.2 mol)を加え、1時間撹拌した。反応液にヘキサン(100 ml)を加え、分配した後、水層をヘキサン(200 ml)で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得、減圧下蒸留して目的物を得た。

収量:27.37 g
収率:88%
性状:無色油状物
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.80 (ddd, J = 10.8, 7.5, 5.4Hz, 1H), 0.91 (ddd, J = 10.3, 7.5, 5.4Hz, 1H), 1.0‐1.2 (m, 2H), 2.64 (ddt, J = 14.9, 7.6, 1.1Hz, 1H), 2.69 (d, J = 5.1Hz, 1H), 2.74 (d, J = 5.1Hz, 1H), 2.81 (ddt, J = 14.9, 6.8,1.1Hz, 1H), 5.11 (ddt, J = 10.2, 1.9, 1.1Hz, 1H), 5.17 (ddt, J = 17.2, 1.9, 1.4Hz, 1H), 5.7‐5.9 (m, 1H).
(3)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2,2−ジブロモシクロプロピルメチル)オキシラン(化合物(II-a)、R2 = 1-chlorocyclopropyl, R4= H, R5= H, R6 = H, R7= H, R8 = H, X1=Br, X2=Br, n=1)の合成

2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(2−プロペニル)オキシラン(化合物(VIII)、R2=chlorocyclopropyl, R8=H, R9=H, R10=H, R11=H, R12=H, n=1)(5.00g, 31.5mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.29g, 1.56mmol)をブロモホルム(7.0ml)とジクロロメタン(7.0ml)の混合溶液に溶解した。約60℃の加熱下、50%水酸化ナトリウム水溶液(25.2g, 0.31mol)を加え、15時間反応させた。室温まで放冷した後、反応液を氷水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=50:1))で精製して目的物を得た。

収量 8.97g
収率 86%
性状:淡黄色油状物
[異性体a]
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.83〜0.89(m,1H), 0.93‐0.99(m,1H), 1.02‐1.12(m,2H), 1.36‐1.40(m,1H), 1.58‐1.66(m,1H), 1.79‐1.84(m,1H), 2.17(dd,1H,J=8.0,15.4Hz), 2.34(dd,1H,J=5.9,15.4Hz) 2.83(d,1H,J=4.7Hz), 2.97(d,1H,J=4.7Hz).

[異性体b]
NMR δH (400 MHz, CDCl3):
0.84‐0.90(m,1H), 0.93‐0.99(m,1H), 1.06‐1.15(m,2H), 1.32‐1.36(m,1H), 1.73‐1.82(m,2H), 1.86‐1.92(m,1H), 2.53‐2.58(m,1H), 2.77(d,1H,J=4.8Hz), 2.85(d,1H,J= 4.8Hz).
<参考製造例2>
中間体、2−(2−プロペニル)−3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, R13 = Me, m=1)

窒素気流下、炭酸ジメチル(化合物(XVI)、R13 = Me) (80 ml)と1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン(化合物(XV)、R2= 1-chlorocyclopropyl)(10.2 g, 86.0 mmol)を75℃に加熱した。28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液 (7.0ml、33.7mmol)を加え、メタノールを系外に除きながら、30 分ごとに28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(7.0ml、33.7mmol)を3 回追加した後、3.5 時間加熱撹拌した。
反応温度を60℃に下げた後、アリルブロミド(化合物(XIV)、R14= H, R15= H, R16= H, R17 = H, R18 = H, X3=Br, m=1)(7.85ml、90.7mmol)と炭酸ジメチル(化合物(XVI)、R9 = Me) (20 ml) の混合液を滴下した。1.5 時間加熱撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ、ヘキサンで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液(ヘキサン:酢酸エチル=30:1))で精製して目的物を得た。

収量:12.87 g
収率:69%
<参考製造例3>
中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−[2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)エチル]オキシラン(化合物(II-a)、R1= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11 = H, R12 = H, n=2)の合成

(1)中間体、2−(2−プロペニル)−3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XII)、R1= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, R13 = Me, m=1)の合成

窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(11.13g,0.253mol)をヘキサンで洗浄後、炭酸ジメチル(220ml)に懸濁し、この中へ無水メタノール(1.5ml,0.253×0.146mol)を加え、80℃に加温した。1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン(化合物(XV)、R2= 1-chlorocyclopropyl) (30g,0.253mol)の炭酸ジメチル(20ml)溶液を少しづつ滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌した。反応温度を60℃とした後、アリルブロミド(化合物(XIV)、R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, X3=Br, m=1)(33.67g,0.253×1.1mol)を滴下し、3時間反応させた。更に65℃で1時間反応させた。反応液を室温まで戻した後、氷水中に注ぎ、有機層をヘキサン(100ml×3回)で抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して粗目的物を得、次反応に用いた。

粗収量58.9g
(2)中間体、1−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−1−オン(化合物(XI)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, m=1)の合成

(1)で得られた粗2−(2−プロペニル)−3−(1−クロロシクロプロピル)−3−オキソプロピオン酸 メチル(化合物(XII)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, R13 = Me, m=1)(27.0g, 0.125mol)をメタノール(125ml)に溶解した。2N水酸化ナトリウム(9.97g、0.1246×2 molを水125mlに溶解)水溶液を内温が室温(約22-23℃)以上にならない様に滴下した。その後、室温で3時間20分程攪拌した。次いで反応液に酢酸20mlを加え、pHを約5にしてから、約80℃に昇温し、約30分間加熱攪拌した。
反応液を室温に戻し、ジエチルエーテル(100ml×3)で抽出した。有機層を水洗後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、残留物を減圧蒸留(b.p.61-64/1.4kPa)して目的物を得た。

収量14.0g
収率76%(1−(1−クロロシクロプロピル)エタノン(化合物(XV)、R2= 1-chlorocyclopropyl)からの通算収率)
(3)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(3−ブテニル)オキシラン(化合物(VIII-a)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, m=1)の合成

1−(1−クロロシクロプロピル)−4−ペンテン−1−オン(化合物(IX)、R2= 1-chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18 = H, m=1)(5.00g, 31.5mmol)、トリメチルスルホキソニウムブロミド(7.64g, 44.1mmol)、及びジエチレングリコール(0.2ml,2.11mmol)をトルエン(25ml) に懸濁させた。約75℃の加熱下、粉砕した固体の85%水酸化カリウム(2.48g, 37.6mmol)を加え、1 時間反応させた。室温まで放冷した後、不溶物をろ過し、ヘキサン(50ml) で洗浄した。ろ液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、目的物を得た。

収量 5.06g
収率 93%
(4)中間体、2−(1−クロロシクロプロピル)−2−[2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)エチル]オキシラン(化合物(II-a)、R1= 1-chlorocyclopropyl, R8= H, R9= H, R10 = H, R11 = H, R12 = H, n=2)の合成

2−(1−クロロシクロプロピル)−2−(3−ブテニル)オキシラン(化合物(VIII-a)、R2=chlorocyclopropyl, R14= H, R15= H, R16 = H, R17 = H, R18= H, m=2)(26.0g, 150mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(1.71g, 7.54mmol)をクロロホルム(90ml)に溶解した。50%水酸化ナトリウム水溶液(120g, 1.50mol)を加え、約50℃の加熱下、5時間反応させた。室温まで放冷した後、クロロホルム層を分取し、水層をさらにヘキサンで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮した後、減圧蒸留して目的物を得た。

収量 33.9g
収率 88%
性状:無色油状物、沸点101℃/0.13kPa
上記、製造例1〜4及び参考製造例1〜3に準じた方法で下記の化合物(II)を合成した。
Figure 2013512857
Figure 2013512857
次に、製剤例と試験例を示す。なお、担体(希釈剤)および助剤、その混合比は広い範囲で変更し得るものとする。各製剤例の「部」は重量部を表す。
<製剤例1(水和剤)>
化合物(I−192a) 50 部
リグニンスルホン酸塩 5 部
アルキルスルホン酸塩 3 部
珪藻土 42 部
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用した。
<製剤例2(粉剤)>
化合物(I−607a) 3 部
クレー 40 部
タルク 57 部
を粉砕混合し、散粉として使用した。
<製剤例3(粒剤)>
化合物(I−625a) 5 部
ベンナイト 43 部
クレー 45 部
リグニンスルホン酸塩 7 部
を均一に混合しさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とした。
<製剤例4(乳剤)>
化合物(I−210a) 20 部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10 部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3 部
キシレン 67 部
を均一に混合溶解して乳剤とした。
<試験例1:キュウリ灰色かび病防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した子葉期のキュウリ(品種:SHARP1)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(500mg/l)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、灰色かび病菌の胞子液をしみこませたペーパーディスク(直径8mm)を乗せ、20℃高湿度条件下に保った。接種後、4日目にキュウリ灰色かび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%) = (1−散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
Figure 2013512857
上記の試験において、例えば、化合物I-2a、I-2b、I-192a、I-192b、I-210a、I-607a、I-607b、I-625a、I-625bは、防除価80%以上を示した。
<試験例2:コムギ赤さび病防除効果試験>
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林61号)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(500mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子(200個/視野に調整、60ppmとなるようにグラミンSを添加)を噴霧接種し、25℃高湿度条件下に48時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、9〜14日目にコムギ赤さび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%) = (1−散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
Figure 2013512857
上記の試験において、例えば、化合物I-2a、I-2b、I-50a、I-192a、I-192b、I-210a、I-210b、I-277a、I-277b、I-607a、I-607b、I-625a、I-625bは、防除価80%以上を示した。
<試験例3:コムギ赤かび病防除効果試験>
開花期のコムギ穂部(品種:農林61号)に、製剤例1のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(500mg/L)に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。穂部を風乾した後、コムギ赤かび病菌の胞子(2×105個/mlに調整、終濃度60ppmのグラミンSおよび終濃度0.5%のスクロースを含む)を噴霧接種し、20℃高湿度条件下に保った。接種後、4〜7日目にコムギ赤かび病の罹病度を調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%) = (1−散布区の平均罹病度 / 無散布区の平均罹病度) × 100
Figure 2013512857
上記の試験において、例えば、化合物I-2a、I-2b、I-192a、I-192b、I-210a、I-210b、I-607a、I-607b、I-625a、I-625bは、防除価80%以上を示した。
<試験例4:各種病原菌、有害微生物に対する抗菌性試験>
本試験例では、各種植物病原性糸状菌及び工業用材料有害微生物に対する抗菌性を試験した。
化合物(I)をジメチルスルホキシド2mlに溶解した。この溶液0.6mlを60℃前後のPDA培地(ポテト−デキストロース−アガー培地)60mlに加え、100ml 三角フラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させ、所定濃度で化合物(I)を含む平板培地を作製した.
一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き,上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育適温(この生育適温には、例えば、LIST OF CULTURES 1996 microorganisms 10th edition、財団法人発酵研究所等の文献を参照)にて1〜3日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定した。薬剤含有平板培地上で得られた菌の生育程度を、薬剤無添加区における菌の生育程度と比較して、下記式により菌糸伸長抑制率を求めた。
R=100(dc−dt)/dc
(式中、Rは菌糸伸長抑制率(%)、dcは無処理平板上菌そう直径、dtは薬剤処理平板上菌そう直径、をそれぞれ示す)
得られた結果を、次の基準にしたがって5段階評価した.
<生育阻害度>
5:菌糸伸長抑制率が80%以上のもの
4:菌糸伸長抑制率が80未満〜60%以上のもの
3:菌糸伸長抑制率が60未満〜40%以上のもの
2:菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの
1:菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
Figure 2013512857
コムギふ枯病菌(Phaeosphaeria nodorum) P.n
コムギ眼紋病菌(Pseudocercoporella herpotrichoides) P.h
コムギ赤かび病菌(Fusarium graminearum) F.g
オオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda) U.n
イネいもち病菌(Pyricularia oryzae) P.o
イネばか苗病菌(Giberella fujikuroi) G.f
リンゴ斑点落葉病菌(Alternaria alternata) A.m
菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum) S.s
灰色かび病菌(Botritis cinerea) B.c
キュウリつる割れ病菌(Fusarium oxysporum) F.c
オオムギ雲形病菌(Rhynchosporium secalis) R.sec
また、薬剤濃度50 mg/lの試験において、紙・パルプ・繊維・皮革・塗料などの劣化微生物であるアスペルギルス(Aspergillus sp.)、トリコデルマ(Trichoderma sp.)、ペニシリウム(Penicillium sp.)、クラドスボリウム(Cladosporium sp.)、ムコール(Mucor sp.)、オーレオバシディウム(Aureobasidium sp.)、クルブラリア(Curvularia sp.)や木材変質菌であるオオウズラタケ(Tyromyces palustris)、カワラタケ(Coriolus versicolor)に対して、化合物I-2a、I-12a、I-50a、I-50b、I-192a、I-192b、I-210a、I-210b、I-607a、I-607b、I-625a、I-625bは、生育阻害度4以上の高い活性を示した。
<試験例6:コムギ徒長防止試験>
供試化合物2mgを18μlのDMSOに溶解し、1gのコムギ種子にバイアル内で塗抹する。1日後に1/10000aポットに10粒/ポットの割合で播種し、温室内で下部給水にて栽培した。播種14日後に各処理区の苗の草丈を10箇所調査し、下記式により、草丈抑制率を求めた。
R=1000(hc−ht)/hc
(式中、Rは草丈抑制率(%)、hcは無処理区平均草丈、htは薬剤処理区平均草丈、をそれぞれ示す)
得られた結果を、次の基準にしたがって5段階の生育調節度とした。
<生育調節度>
5:草丈抑制率が50%以上のもの
4:草丈抑制率が50未満〜30%以上のもの
3:草丈抑制率が30未満〜20%以上のもの
2:草丈抑制率が20未満〜10%以上のもの
1:草丈抑制率が10%未満のもの
上記の試験において、化合物I-2a、I-192a、I-192b、I-210a、I-210b、I-607a、I-607b、I-625a、I-625bは、イネの生育に対し4以上の生育調節度を示した。
本発明に係るアゾール誘導体は、農園芸用の殺菌剤、植物生長調節剤および工業用材料保護剤の有効成分として好適に利用することができる。

Claims (14)

  1. 下記一般式(I)で示されることを特徴とするアゾール誘導体。

    Figure 2013512857
    (式(I)中、R及びRは同一又は異なり、C3〜C6シクロアルキル基、又は当該シクロアルキル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表す。
    上記シクロアルキル基および上記アルキル基は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖C1〜C3)で置換されていてもよい。上記アリール基及び上記アリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、または、C1〜C4ハロアルコキシ基で置換されていてもよい。
    Aは、窒素原子又はメチン基を表す。)
  2. 上記一般式(I)中のR及びRは、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のハロアルキル基で置換されたC3〜C6のシクロアルキル基、又は、
    該シクロアルキル基で置換されたC1〜C4のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のアゾール誘導体。
  3. 上記一般式(I)中のR及びRは、ハロゲン原子もしくはC1〜C4のアルキル基で置換されたシクロプロピル基、又は、
    該シクロプロピル基で置換されたC1〜C4のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアゾール誘導体。
  4. 上記一般式(I)中のR及びRは、下記一般式(XVII)で示されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアゾール誘導体。
    Figure 2013512857
    (式(XVII)中、R、R、R、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはエチル基を表すとともに、R、R、R、R及びRの少なくとも1つはハロゲン原子であり、nは0〜2を表す。)
  5. 上記一般式(I)中のRを示す上記一般式(XVII)のnが1〜2であるとき、上記一般式(I)中のRを示す上記一般式(XVII)のnは0であるとともに、Rがハロゲン原子、R、R、R及びRが水素原子であることを特徴とする請求項4に記載のアゾール誘導体。
  6. 上記一般式(I)中のAが窒素原子であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアゾール誘導体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアゾール誘導体の中間体化合物であって、下記一般式(II)で示されることを特徴とする中間体化合物。
    Figure 2013512857
    (式(II)中、R及びRは同一又は異なり、C3〜C6のシクロアルキル基、当該シクロアルキル基で置換されているC1〜C4のアルキル基、C2のアルケニル基、または、当該アルケニル基で置換されているC1〜C4のアルキル基を表す。上記シクロアルキル基、上記アルキル基または上記アルケニル基は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C3〜C6のシクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖が1〜3)で置換されていてもよい。上記アリール基及び上記アリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のハロアルコキシ基で置換されていてもよい。)
  8. 下記一般式(II−a)で示されることを特徴とする請求項7に記載の中間体化合物。

    Figure 2013512857
    (式(II−a)中、R、R、R10、R11及びR12は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C3〜C6のシクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖が1〜3)で置換されていてもよい。アリール基及びアリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、または、C1〜C4のハロアルコキシ基で置換されていてもよい。
    及びXは、ハロゲン原子を表す。
    nは、0〜4を表す。)
  9. 下記一般式(VIII)で示されることを特徴とする請求項7に記載の中間体化合物。
    Figure 2013512857
    (式(VIII)中、R、R、R10、R11及びR12は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C3〜C6のシクロアルキル基、アリール基又は、アリールアルキル基(アルキル部分の炭素鎖が1〜3)を示す。アリール基及びアリールアルキル基の芳香環は、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、または、C1〜C4のハロアルコキシ基で置換されていてもよい。
    nは、0〜4を示す。)
  10. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアゾール誘導体の製造方法であって、
    下記一般式(II)で示されるオキシラン化合物と、下記一般式(III)で示される1,2,4−トリアゾール又はイミダゾール化合物と、を反応させる工程を含むことを特徴とするアゾール誘導体の製造方法。
    Figure 2013512857
    Figure 2013512857
    (式(III)中、Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。また、Aは、窒素原子又はメチン基を表わす。)
  11. 請求項8に記載の中間体化合物を製造する中間体化合物の製造方法であって、
    下記一般式(VIII)で示されるオキシラン化合物をgem−ジハロシクロプロパン化することにより下記一般式(II−a)で示される中間体化合物を得る工程を含むことを特徴とする中間体化合物の製造方法。
    Figure 2013512857
  12. 請求項9に記載の中間体化合物を製造する中間体化合物の製造方法であって、
    下記一般式(VII)で示される化合物に、下記一般式(X)で示される有機金属化合物を反応させて得られる下記一般式(IX)で示されるハロヒドリン化合物をオキシラン化することにより下記一般式(VIII)で示される中間体化合物を得る工程を含むことを特徴とする中間体化合物の製造方法。

    Figure 2013512857
    (式(X)中のLは、アルカリ金属、アルカリ土類金属−Q1(Q1はハロゲン原子)、1/2(Cuアルカリ金属)、亜鉛−Q2(Q2はハロゲン原子)を表し、式(VII)および(IX)中のXは、ハロゲン原子を表す。)
  13. 請求項9に記載の中間体化合物を製造する中間体化合物の製造方法であって、
    下記一般式(XI)で示されるカルボニル化合物をオキシラン化することにより下記一般式(VIII−a)で示される中間体化合物を得る工程を含むことを特徴とする中間体化合物の製造方法。
    Figure 2013512857
    (式(XI)および(VIII−a)中のmは、1〜3を表す。)
  14. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアゾール誘導体を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用薬剤又は工業用材料保護剤。
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