WO2012140796A1 - 人造爪形成方法及び人造爪形成用基材 - Google Patents

人造爪形成方法及び人造爪形成用基材 Download PDF

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Abstract

 強度のある人造爪を容易に形成することができる技術を提供する。 人造爪形成用基材は、幅方向断面が凸状に湾曲した形状であり柔軟性を有する。自爪上に光硬化樹脂を塗布し、自爪上に人造爪形成用基材を載置して貼り付け、自爪上に貼り付けた人造爪形成用基材に、光硬化樹脂を塗布し、光を照射させて、人造爪を形成する。

Description

人造爪形成方法及び人造爪形成用基材
 本発明は、自爪上に人造爪を形成する技術に関する。
 従来から、特許文献1に示されるように、少なくとも幅方向断面が凸状に湾曲した形状の人造爪が提供されている。このような人造爪は、接着剤又は両面テープにより自爪上に接着させて使用される。ところが、前記人造爪の裏面の曲率半径と自爪の曲率半径が一致していないこと、及び、人造爪が硬質であることから、人造爪と自爪との間に隙間が生じ、人造爪を自爪に密着させた状態で接着させることができなかった。このため、人造爪と自爪の接着力が弱く、少なくとも数日以内、最悪の場合には当日のうちに、人造爪が自爪から剥がれ落ちてしまうという問題があった。
 そこで近年、自爪上にジェル状の光硬化樹脂等を盛って、爪の延長を行うスカルプチャーネイル(ネイルスカルプチャーともいう)と称される付け爪の一種が流行しつつある。このスカルプチャーネイルの一種に、ジェルネイルスカルプチャーがある。
 ジェルネイルスカルプチャーは、フォームと呼ばれるシール台紙を、指先に向けて自爪と指先の間に差し込み、自爪及びシール台紙上にジェル状の光硬化型樹脂を塗布した後に、前記樹脂を光硬化させるという工程を繰り返すことにより形成される。
 このようなスカルプチャーネイルは、自爪と一体に形成されることから、自爪から剥がれ落ち難い。
特開2010-35830号公報
 しかしながら、ジェル状の樹脂は透明であり、塗布されたジェル状の樹脂の外縁が視認し難く、また、台紙上にジェル状の樹脂を塗布して爪の形状を形成するのには高度な形成技術が要求される。このため、自分でスカルプチャーネイルを形成することは困難であり、ネイリストにスカルプチャーネイルを形成してもらうのが一般的であった。
 また、ネイリストがカルプチャーネイルを形成した場合であっても、上記したように、自爪及び台紙上に前記ジェル状の樹脂を塗布して爪形状を形成し、前記樹脂を硬化させるという工程を指10本分繰り返す必要があることから、多大な時間(少なくとも1本10分で計100分以上)がかかり、このため多大な費用がかかっていた。
 また、スカルプチャーネイルは自爪と一体となることから、自爪から剥がれ落ち難いという利点が有るが、衝撃により、自爪先端とスカルプチャーネイルの境界である所謂イエローラインから亀裂が入ることがある。その結果、前記イエローラインからスカルプチャーネイルが折れてしまうことがあるという問題があった。
 本発明は、上記問題を解決し、強度のある人造爪を容易に形成することができる技術を提供することを目的とする。
 (1) 人造爪形成方法は、自爪上に、幅方向断面が凸状に湾曲した形状の柔軟性を有する基材を貼り付ける工程と、自爪上に基材を載置し貼り付ける工程と、前記基材に光硬化樹脂又は2物体硬化樹脂を塗布する工程と、前記光硬化樹脂又は前記2物体硬化樹脂を硬化させる工程を含む。
 これにより、自爪上に基材を貼り付け、この基材に前記樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという簡単な作業で、人造爪を形成することができる。また、形成された人造爪内には、基材が芯材として入っているので、形成された人造爪は折れ難く、亀裂が入り難い。更に、基材は柔軟性を有するので、自爪の曲率半径と人造爪の裏面の曲率半径とが一致するように人造爪を形成することができる。このため、自爪と基材が密着して人造爪が形成されることから、形成された人造爪が自爪から剥がれ難い。
 (2) 上記(1)において、自爪上に前記基材を貼り付ける工程は、自爪及び前記基材の裏面の少なくとも一方に、光硬化樹脂又は2物体硬化樹脂を塗布し、自爪に前記基材を載置することにより行われる。
 上述のように、自爪及び基材の裏面の少なくとも一方に、前記樹脂を塗布して載置させると、基材は柔軟性を有するので、基材は自爪の表面形状に合った形に変形した状態で自爪上に貼り付けられる。この状態では、自爪と基材の裏面の間に前記樹脂が充填され隙間が生じていない。このため、前記樹脂が硬化すると、自爪と基材の裏面の間に隙間が生じることが無く、前記硬化した樹脂により自爪と人造爪とが強固に接合され、形成された人造爪が自爪から剥がれ難い。
 (3) 上記(1)の方法に用いられる人造爪形成用基材は、幅方向断面が凸状に湾曲した形状の柔軟性を有する基材を有する。
 これにより、自爪上に基材を貼り付け、この基材に光硬化樹脂や2物体硬化樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという簡単な作業で、人造爪を形成することができる。また、形成された人造爪内には、基材が芯材として入っているので、形成された人造爪は折れ難く、亀裂が入り難い。更に、基材は柔軟性を有するので、自爪と基材が密着して人造爪が形成されることから、形成された人造爪が自爪から剥がれ難い。
 (4) 上記(3)において、前記基材は、吸液性を有する不織布で構成されている。
 これにより、形成された人造爪内には、繊維で構成された人造爪形成用基材が芯材として入っているので、形成された人造爪は折れ難く、亀裂が入り難い。
 また、自爪及び前記基材の裏面の少なくとも一方に、光硬化樹脂又は2物体硬化樹脂を塗布し、自爪に前記基材を載置することにより、前記基材を自爪上に貼り付けて人造爪を形成すると、繊維で構成された前記基材には、毛細管現象により十分な量の光硬化樹脂や2物体硬化樹脂が吸収されることから、前記基材と自爪との間に隙間が生じることが無く、前記基材が自爪に密着した状態で人造爪が形成される。このため、形成された人造爪は強固に自爪に接合され、人造爪が自爪から剥がれ落ち難い。
 (5) 上記(4)において、前記基材の先端には、幅方向断面が凸状に湾曲した合成樹脂で構成された爪片が取り付けられている。
 このように、人造爪形成用基材に予め爪片が取りつけられているので、人造爪を所望の厚さに形成するのに、人造爪形成用基材に光硬化樹脂や2物体硬化樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという工程を何度も繰り返す必要が無く、より容易に人造爪を形成することができる。
 また、前記爪片に、予め印刷等の装飾を施した状態で製品を提供することができ、容易にデザイン性の高い人造爪を形成することが可能となる。
 (6) 上記(4)において、前記基材と、この基材を覆う幅方向断面が凸状に湾曲した合成樹脂で構成された爪片とから構成され、前記基材の一部は前記爪片に取り付けられている一方で、前記基材の基端部は前記爪片の基端部の裏面から分離して構成されている。
 このように、人造爪形成用基材に予め爪片が取りつけられているので、人造爪を所望の厚さに形成するのに、人造爪形成用基材に光硬化樹脂や2物体硬化樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという工程を何度も繰り返す必要が無く、より容易に人造爪を形成することができる。
 また、前記爪片に、予め印刷等の装飾を施した状態で製品を提供することができ、容易にデザイン性の高い人造爪を形成することが可能となる。
 (7) 上記(3)において、前記基材は、フィルム状の樹脂である。
 これにより、自爪に基材を貼り付け、更に、基材の全体に光硬化樹脂や2物体硬化樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという簡単な作業で、自爪上に人造爪を形成することが可能となる。また、基材はフィルム状の樹脂で構成されているので、印刷により装飾を施すことが容易である。
 (8) 上記(7)において、前記基材の厚さは、0.01~0.2mmである。
 これにより、前記基材への光硬化樹脂又は2物体硬化樹脂の塗りやすさと、前記基材の柔軟性を好適に両立させることができる。
 (9) 上記(7)において、前記基材に凹凸処理部が形成されている。
 これにより、凹凸処理部が形成された部分の基材の濡れ特性(親水特性)が向上する。このため、凹凸処理部が形成された部分の基材と光硬化樹脂とのなじみが良く、人造爪形成用基材からの光硬化樹脂が剥離し難い。また、前記基材の裏面基部に、凹凸処理部を形成した場合には、凹凸処理部が形成された部分の基材と光硬化樹脂とのなじみが良いことから、自爪と人造爪形成用基材との接合力が増す。このため、形成された人造爪が自爪から剥がれ難い。
 (10) 上記(3)において、ネイル用装飾物を装着するための装飾物装着部が形成されている。
 これにより、人造爪形成用基材を用いて形成された人造爪に、ネイル用装飾物を装着することができる。
 (11) 上記(10)において、前記装飾物装着部は、凸形状の第1スリットと、この第1スリットの内側に形成された凸形状の第2スリットとから構成されている。
 これにより、第1スリットと第2スリットの間に形成された装着片を引き上げることにより、装着穴が形成され、この装着穴にネイル用装飾物を装着することができる。従って、人造爪形成用基材のイエローラインに相当する部分よりも基端側に装飾物装着部を形成すると、イエローラインよりも基端側の人造爪にもネイル用装飾物を装着することができる。
(A)は、第1の実施形態の人造爪形成用基材の上面図である。 (B)は、(A)のA-A断面図である。 (C)は、(A)のB-B断面図である。 第1の実施形態の人造爪形成用基材を用いた人造爪の形成方法の説明図である。 (A)は、第2の実施形態の人造爪形成用基材の上面図である。 (B)は、(A)のC-C断面図である。 (C)は、(A)のD-D断面図である。 第2の実施形態の人造爪形成用基材を用いた人造爪の形成方法の説明図である。 第2の実施形態の別例の人造爪形成用基材の上面図である。 (A)は、第3の実施形態の人造爪形成用基材の上面図である。 (B)は、(A)のE-E断面図である。 (C)は、(A)のF-F断面図である。 第3の実施形態の人造爪形成用基材を用いた人造爪の形成方法の説明図である。 (A)は、第3の実施形態の第1の別例及び第2の別例の人造爪形成用基材の上面図である。 (B)は、第3の実施形態の第1の別例の断面図であり、(A)のG-G断面図である。 (C)は、第3の実施形態の第2の別例の断面図であり、(A)のG-G断面図である。 (A)は、第3の実施形態の第3の別例の人造爪形成用基材の上面図である。 (B)は、(A)のH-H断面図である。 (A)は、第4の実施形態の人造爪形成用基材の上面図である。 (B)は、(A)のJ-J断面図である。 (C)は、(A)のK-K断面図である。 第4の実施形態の人造爪形成用基材を用いた人造爪の形成方法の説明図である。 (A)及び(B)は、人造爪形成用記基材に装飾物装着部を形成した実施形態の上面図である。 (C)は、(A)及び(B)のM-M断面図である。 (D)は、(A)及び(B)のN-N断面図である。 装飾物装着部を形成した人造爪形成用記基材に、ネイル用装飾物を装着した状態の説明図である。
(第1の実施形態の人造爪形成用基材)
 以下に図1を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態の一つである第1の実施形態の人造爪形成用基材10を説明する。人造爪形成用基材10は、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した爪形状である。人造爪形成用基材10は、吸液性を有する不織布で構成されている。なお、本明細書において、不織布とは繊維を一定方向やランダムに集積させて絡ませたものをいう。前記吸液性を有する不織布の原料には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、レーヨン等の合成繊維や、綿繊維、絹繊維、羊毛、パルプ等の天然繊維が含まれる。
 本実施形態では、吸湿性を有する不織布を加熱した金型で挟み込むことにより、人造爪形成用基材10を爪形状に形成している。このように形成された人造爪形成用基材10は、柔軟性がある。このため、人造爪形成用基材10は、その厚さ方向に変形可能となっている。
(第1の実施形態の形成方法)
 以下に、図2を用いて、第1の実施形態の人造爪形成用基材10を用いた人造爪の形成方法(第1の実施形態の形成方法)を説明する。(A)に示すように、自爪99の表面全体に、ブラシ80等でジェル状の光硬化樹脂50を塗布する。(B)及び(C)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された自爪99上に人造爪形成用基材10を載置して貼り付け、自爪99上に人造爪形成用基材10を仮止めする。
 更に、(C)に示すように、自爪99位置上の人造爪形成用基材10に、ブラシ80等で光硬化樹脂50を塗布して浸液させる。なお、自爪99と人造爪形成用基材10の間の気泡を抜くために、光硬化樹脂50を塗布後に、上部からブラシ80等で人造爪形成用基材10を押さえつけることが好ましい。
 人造爪形成用基材10は柔軟性を有するので、人造爪形成用基材10は自爪99の表面形状に合った形に変形する。また、毛細管現象により人造爪形成用基材10には十分な量の光硬化樹脂50が吸収されることから、自爪99と人造爪形成用基材10の基端裏面の間に光硬化樹脂50が充填される。この結果、人造爪形成用基材10と自爪99との間には隙間が無く、人造爪形成用基材10が自爪99に密着した状態となる。
 (D)に示すように、光硬化樹脂50が浸液した人造爪形成用基材10に光(紫外線、可視光線、赤外線を含む、以下同じ)を照射し、光硬化樹脂50を硬化させる。(E)に示すように人造爪形成用基材10の表面、外縁、裏面の全体に、光硬化樹脂50を塗布する。(F)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された人造爪形成用基材10に光を照射すると、光硬化樹脂50が硬化して、人造爪12が形成される。人造爪12の厚さが足りない場合には、上述した(E)及び(F)の作業を繰り返し、所望の厚さの人造爪12を形成する。
 このように本実施形態では、ジェル状の光硬化樹脂の粘着力により、自爪99上に人造爪形成用基材10を光硬化樹脂50で貼り付け、人造爪形成用基材10全体に光硬化樹脂50を塗布し、光を照射させるという簡単な作業により、人造爪12を形成することができる。言い換えると、予め爪形に形成されている人造爪形成用基材10に、ジェル状の光硬化樹脂を塗布して光硬化させる作業により人造爪12を形成するので、従来のネイルスカルプチャーのように、台紙上にジェル状の樹脂を塗布して爪の形状を形成するといった高度な形成技術が必要とされない。このため、容易且つ迅速に人造爪12を形成することができる。
 形成された人造爪12内には、繊維で構成された人造爪形成用基材10が芯材として入っているので、形成された人造爪12は折れ難く、亀裂が入り難い。上述したように、人造爪形成用基材10を自爪99上に貼り付けた状態(図2の(C)の状態)では、人造爪形成用基材10と自爪99との間には隙間が無く、人造爪形成用基材10が自爪99に密着した状態である。そして、この状態で光硬化樹脂50が光硬化するので、硬化した光硬化樹脂50により、形成された人造爪12が自爪99に強固に接合される。このため、形成された人造爪12が自爪99から剥がれ難い。
 なお、本実施形態の人造爪形成用基材10は不織布で構成されているので、人造爪形成用基材10を、自爪99の形状に合うように、はさみ等で任意の形状や長さに形成することができる。また、人造爪形成用基材10の先端を、はさみ等で所望の形状や長さに形成することができ、所望の形状の人造爪12を形成することができる。
(第2の実施形態の人造爪形成用基材)
 以下に、図3を用いて、第2の実施形態の人造爪形成用基材20の説明をする。人造爪形成用基材20は、吸液性を有する不織布で構成された基材21と、この基材21の先端に取り付けられた合成樹脂製の爪片22とから構成されている。基材21は、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した爪形状である。基材21は、上記した第1の実施形態の人造爪形成用基材10と同様のものである。爪片22もまた、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した爪形状である。
 図3に示す実施形態では、爪片22の厚さ方向の中間部に、基材21が挟み込まれている。なお、爪片22の裏面側に、基材21が貼り付けられている実施形態であっても差し支え無い。図3に示すように、基材21が爪片22から露出している部分は、自爪形状となっている。なお、基材21の基端部をはさみ等で自爪形状に形成することもできる。爪片22は、後述するように、光硬化樹脂を硬化させたもので構成されていることが好ましいが、これに限定されず、アクリル樹脂や、ウレタン樹脂、ABS樹脂等であっても差し支え無い。
(第2の実施形態の人造爪形成方法)
 以下に、図4を用いて、第2の実施形態の人造爪形成用基材20を用いた人造爪の形成方法(第2の実施形態の人造爪形成方法)を説明する。(A)に示すように、自爪99の表面全体にブラシ80等でジェル状の光硬化樹脂50を塗布する。(B)及び(C)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された自爪99上に、人造爪形成用基材20の基材21を載置して貼り付け、自爪99上に人造爪形成用基材20を仮止めする。
 更に、(C)に示すように、基材21にブラシ80等で光硬化樹脂50を塗布して浸液させる。なお、自爪99と基材21の間の気泡を抜くために、光硬化樹脂50を塗布後に、上部からブラシ80等で基材21を押さえつけることが好ましい。基材21は柔軟性を有するので、基材21は自爪99の表面形状に合った形に変形する。また、毛細管現象により基材21には十分な量の光硬化樹脂50が吸収されることから、自爪99と基材21の基端裏面の間に光硬化樹脂50が充填され、基材21と自爪99との間には隙間が無く、基材21が自爪99に密着した状態となる。
 (D)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された基材21に光を照射し、光硬化樹脂50を硬化させる。(E)に示すように基材21及び爪片22の表面に、光硬化樹脂50を塗布する。なお、自爪99及び爪片22の表面や外縁、裏面を光硬化樹脂50で被包するように、光硬化樹脂50を塗布し光硬化させると、自爪99と爪片22がより強固に一体化するので好ましい。
 (F)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された人造爪形成用基材20に光を照射すると、光硬化樹脂50が硬化して、人造爪23が形成される。このように、基材21だけでなく、爪片22を含む人造爪形成用基材20全体に光硬化樹脂50を塗布するので、図4の(F)に示すように、基材21と爪片22の間に境目が生じず、滑らかな表面の人造爪23が形成される。なお、爪片22を、光硬化樹脂を硬化させたもので構成すれば、爪片22と塗布された光硬化樹脂50とのなじみが良く一体となるので好ましい。
 上述のように、第2の実施形態の人造爪形成用基材20は、不織布で構成された基材21の先端に、爪片22を取り付けた構成なので、従来のように、台紙上にジェル状の光硬化樹脂を塗布して人造爪の形状を形成するといった高度な形成技術が必要とされず、予め爪形に形成されている基材21および、爪片22に、ジェル状の樹脂を塗布し、光硬化する作業により、より容易に人造爪23を形成することが可能となる。
 また、第2の実施形態では、人造爪形成用基材20に予め爪片22が取りつけられているので、人造爪23を所望の厚さに形成するのに、人造爪形成用基材20に光硬化樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという工程を何度も繰り返す必要が無く、より容易に人造爪23を形成することができる。
 形成された人造爪23内には、繊維で構成された基材21が芯材として入っているので、形成された人造爪23は折れ難く、亀裂が入り難い。上述したように、基材21を自爪99上に貼り付けた状態(図4の(C)の状態)では、基材21と自爪99との間には隙間が無く、基材21が自爪99に密着している状態であり、この状態で光硬化樹脂50が光硬化するので、硬化した光硬化樹脂50により、形成された人造爪23が自爪99に強固に接合される。このため、形成された人造爪23が自爪99から剥がれ難い。
 なお、図5に示すように、爪片22に着色を施したり、ラメ等の装飾部品を貼設したりする等のネイルアートデコレーション装飾を施しても差し支えない。或いは、爪片22を印刷により装飾を施しても差し支え無い。このような装飾が施された爪片22であっても、透明の光硬化樹脂50を使用すれば、前記装飾を視認することができる。このように、人造爪形成用基材20では、爪片22に装飾を施した製品を提供することができ、容易にデザイン性の高い人造爪23を形成することが可能となる。
 以上説明した実施形態では、爪片22を硬質の合成樹脂で構成しているが、爪片22を厚さが0.01~0.2mm程度の合成樹脂製のフィルムで構成しても差し支え無い。なお、前記合成樹脂には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレン、セロファン、ポリエステルが含まれる。
(第3の実施形態の人造爪形成用基材)
 以下に図6を用いて、第3の実施形態の人造爪形成用基材30の説明をする。人造爪形成用基材30は、基材31と、この基材31を覆う爪片32とから構成されている。基材31の先端部は爪片32の先端部に取り付けられている一方で、基材31の基端部は爪片32の基端部の裏面から分離している。基材31は、吸液性を有する不織布で構成され、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した爪形状である。基材31は、上述した第1の実施形態の人造爪形成用基材10と同様でのものである。
 爪片32は、後述の合成樹脂で構成され、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した爪形状である。基材31と爪片32は上面視した場合に、略同一形状となっている。本実施形態では、図6の(C)に示すように、爪片32の先端部は、厚さ方向の中間部に、基材31の先端部が挟み込まれている。一方で、爪片32の基端部は、基材31の基端部が爪片32の裏面から離間し、爪片32と基材31の基端部が分離している。
 なお、図6の(A)の点線で示すように、基材31の爪片32から分離している部分は、自爪形状となっている。爪片32は光硬化樹脂を硬化させる光が透過する合成樹脂で構成されている。爪片32は、後述するように、光硬化樹脂を硬化させもので構成されていることが好ましいが、これに限定されず、アクリル樹脂や、ウレタン樹脂、ABS樹脂等であっても差し支え無い。
 なお、第2の実施形態と同様に、爪片32に装飾を施しても差し支えない。
(第3の実施形態の人造爪形成方法)
 以下に、図7を用いて、第3の実施形態の人造爪形成用基材30を用いた人造爪の形成方法(第3の実施形態の人造爪形成方法)を説明する。(A)に示すように、予め、基材31の基端部にブラシ80等で光硬化樹脂50を塗布して浸液させておく。(B)に示すように、自爪99の表面全体にブラシ80等でジェル状の光硬化樹脂50を塗布する。(C)及び(D)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された自爪99上に、人造爪形成用基材30の基端部を載置して貼り付ける。
 なお、自爪99と基材31の間の空気を抜くために、爪片32を押さえつけることが好ましい。このとき、接着面に気泡が目視された場合には、(E)に示すように、基材31の基端部が露出するように、爪片32の基端部を捲りあげ、基材31の基端部にブラシ80等で光硬化樹脂50を塗布して浸液させた後に、爪片32の基端部を基材31の基端部に貼り付ける。
 基材31は柔軟性を有するので、基材31は自爪99の表面形状に合った形に変形する。また、毛細管現象により基材31には十分な量の光硬化樹脂50が吸収されることから、自爪99と基材31の基端裏面の間に光硬化樹脂50が充填され、基材31と自爪99との間には隙間が無く、基材31が自爪99に密着した状態となる。
 (F)に示すように、爪片32上から光を照射し、光硬化樹脂50を硬化させて、人造爪33が完成する((G)の状態)。なお、硬化時には、上部から爪片32を押さえ続けていることが好ましい。上述したように、爪片32は光硬化樹脂を硬化させる光が透過するので、爪片32上から前記光を照射させたとしても、光硬化樹脂50を硬化させることができる。
 なお、爪片32を、光硬化樹脂を硬化させて形成されたもので構成すれば、爪片32と塗布された光硬化樹脂50とのなじみが良く一体となるので、自爪99と爪片32との接合力が増し、より好ましい。なお、自爪99及び爪片22の表面や外縁、裏面を、光硬化樹脂50で被包するように、光硬化樹脂50を塗布し光硬化させると、自爪99と爪片32が一体化するのでより好ましい。
 上述のように、第3の実施形態の人造爪形成用基材30は、基材31と、この基材31を覆う爪片32とから構成されている。このため、自爪99及び基材31の少なくとも一方に光硬化樹脂50を塗布し、自爪90上に人造爪形成用基材30を貼り付け、光硬化樹脂50を光硬化させるという簡単な作業で、自爪99上に人造爪33を形成することが可能となる。
 また、第3の実施形態では、人造爪形成用基材30に予め爪片32が取りつけられているので、人造爪33を所望の厚さに形成するのに、人造爪形成用基材30に光硬化樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させるという工程を何度も繰り返す必要が無く、より容易に人造爪33を形成することができる。
 爪片32と自爪99の間には、不織布で構成された基材31が挟み込まれているので、上述したように基材31に十分な量の光硬化樹脂50が吸収され、自爪99と基材31及び基材31と爪片32とが密着した状態で、光硬化樹脂50が光硬化し、爪片32が強固に自爪99に接合される。このため、人造爪33が自爪99から剥がれ落ちない。
 形成された人造爪33の先端部には、繊維で構成された基材31が芯材として入っていて、更に、人造爪33基端部の裏面には基材31が接着されているので、形成された人造爪33は折れ難く、亀裂が入り難い。なお、接合された爪片32と自爪99の外縁や裏面の全体に光硬化樹脂50で被包するように、光硬化樹脂50の塗布と光の照射による硬化を繰り返すと、爪片32が更に強固に自爪99に接合される。
 以上説明した実施形態では、爪片22を硬質の合成樹脂で構成しているが、爪片32を厚さが0.01~0.2mm程度の上述の合成樹脂製のフィルムで構成しても差し支え無い。
(第3の実施形態の別例)
 以上説明した実施形態では、基材31の先端部が爪片32の先端部の厚さ方向の中間部に挟み込まれている構造であるが、図8の(A)、(B)に示すように、爪片32の裏面の先端部に基材31の先端部を貼り付けて構成した人造爪形成用基材30(第3の実施形態の第1の別例)であっても差し支え無い。
 図8の(C)に示すように、爪片32裏面のイエローラインに相当する部分に、人造爪形成用基材30を貼り付けた人造爪形成用基材30(第3の実施形態の第2の別例)であっても差し支え無い。なお、爪片32のイエローラインに相当する部分とは、図8(A)の点線で示す部分であり、爪片32の長手方向中間部分である。
 この構成の場合には、人造爪形成用基材30のフリーエッジ(図8の(A)に示す点線から人造爪形成用基材30先端側)の大部分には、基材31が貼り付けられていないので、基材31の不要な部分を、はさみ等で切除することにより、形成された人造爪33のフリーエッジ部分に基材31が無い、美麗な人造爪33を形成することが可能となる。一方で、基材31を切除すること無く、人造爪33を形成すると、裏面に基材31が接着されて折れにくい人造爪33となる。このように、第3の実施形態の第2の別例では、ユーザが、基材31を切除するか否かを選択することにより、美麗な人造爪33と折れ難く且つ亀裂が入り難い人造爪33を選択して形成することができる。
 以上説明した実施形態では、基材31の先端部が爪片32の先端部にまで形成されているが、図9に示すように、爪片32裏面のイエローラインに相当する部分(図9(A)の点線で示す部分)に、基材31を貼り付けた人造爪形成用基材30(第3の実施形態の第3の別例)であっても差し支え無い。この構成の場合には、人造爪形成用基材30のフリーエッジの大部分には、基材31が無いので、形成された人造爪形成用基材30のフリーエッジ部分に光が透過したとしても、基材31が見えないため、自爪99上に形成された人造爪形成用基材30が美麗である。
(第4の実施形態の人造爪形成用基材)
 以下に、図10を用いて、第4の実施形態の人造爪形成用基材40の説明をする。第4の実施形態の人造爪形成用基材40は、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した爪形状である。人造爪形成用基材40は、フィルム状の合成樹脂で構成されている。
 人造爪形成用基材40の材質は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セロファン、ポリエステル等の合成樹脂である。なお、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、は、熱収縮性を有している所謂シュリンクフィルムであり、爪状に形成し易いので、人造爪形成用基材40の材質として好ましい。これらの材質で構成された人造爪形成用基材40は、光硬化樹脂を硬化させる光が透過する。
 本実施形態では、前記した合成樹脂製のシュリンクフィルムを、爪形状に凹陥又は突出形成された金型等の型に、熱風の風圧で押し当てることにより、人造爪形成用基材40を爪形状に形成している。なお、合成樹脂製のフィルムを、加熱した金型で挟み込むことにより、爪形状の人造爪形成用基材40を形成することにしても差し支え無い。このように形成された人造爪形成用基材40は、柔軟性を有する。このため、人造爪形成用基材40は、その厚さ方向に変形可能となっている。人造爪形成用基材40の表面に、印刷等により上述した装飾を施しても差し支え無い。
 人造爪形成用基材40の厚さは、0.01~0.2mm、好ましくは0.03~0.08mmであり、柔軟性を有している。なお、人造爪形成用基材40の厚さが0.01mmより薄い場合には、人造爪形成用基材40の強度が足らず、後述するように、光硬化樹脂を人造爪形成用基材40に塗布する際に、人造爪形成用基材40が変形してしまい、塗り難くなってしまう。一方で、人造爪形成用基材40の厚さが0.2mmよりも厚い場合には、人造爪形成用基材40は柔軟性を確保できないことから、人造爪形成用基材40を自爪99に密着させた状態で接着させることができなくなってしまう。人造爪形成用基材40の厚さを、0.03~0.08mmにすると、光硬化樹脂の人造爪形成用基材40への塗りやすさと、人造爪形成用基材40の柔軟性を好適に両立させることができる。
 図10の(C)に示すように、人造爪形成用基材40裏面基部、即ち、人造爪形成用基材40のイエローラインに相当する部分よりも基端側には、凹凸処理部40a(乾式プライマー処理部)が形成されている。なお、人造爪形成用基材40のイエローラインに相当する部分とは、図10(A)の点線部分、つまり、人造爪形成用基材40の長手方向中間部分である。凹凸処理部40aを形成するための凹凸処理(乾式プライマー処理)の一例としては、コロナ処理、イトロ処理、プラズマ処理、フレーム処理、化学的処理、物理的処理が含まれる。
 なお、コロナ処理は、絶縁された電極と誘電体ロールとの間に人造爪形成用基材40の材料となる合成樹脂製フィルムを通し、高周波(約40kHz)高電圧を印加してコロナ放電を発生させる処理である。このコロナ放電によって酸素等の気体成分が、活発なプラズマ状態となり、コロナ放電の中の加速電子が樹脂表面に衝突し、樹脂表面の分子鎖切断含酸素官能基付加が起こる。その結果、樹脂表面に極性基(OH基・カルボニル基等)生成される。そして、これらの極性基が親水性であるため、人造爪形成用基材40のコロナ処理が施された部分の濡れ性が向上する。
 また、イトロ処理とは、シラン化合物等を導入した燃料ガスを燃焼させた火炎を前記合成樹脂製フィルム裏面に当て、合成樹脂製フィルムの裏面にSiO2を構成成分とするナノレベルの粒子を付着させる処理である。
 プラズマ処理は、ガスを電離させて生じた粒子の電荷を利用して、前記合成樹脂製フィルム表面に極性を持つ塩基を生成させる処理である。
 フレーム処理(火炎処理)は、プロパンガスなどの可燃性ガスに酸素を吹き込みながら前記合成樹脂製フィルム裏面上で燃焼させ、酸化反応により、前記合成樹脂製フィルム裏面上に極性を持つ塩基を生成させる処理である。
 化学的処理は、前記合成樹脂製フィルム裏面を酸やアルカリなどで改質する処理である。
 物理的処理は、前記合成樹脂製フィルム裏面に、砥粒や砥石を擦りつけ、合成樹脂製フィルム裏面に微細な凹凸を形成する処理である。
 このような凹凸処理によって、凹凸処理部40aの濡れ特性(親水特性)が大幅に向上する。
(第4の実施形態の人造爪形成方法)
 以下に、図11を用いて、第4の実施形態の人造爪形成用基材40を用いた人造爪の形成方法(第4の実施形態の人造爪形成方法)を説明する。(A)に示すように、自爪99の表面全体に、ブラシ80等でジェル状の光硬化樹脂50を塗布する。また、人造爪形成用基材40の裏面の基端部にもブラシ80等でジェル状の光硬化樹脂50を塗布する。(B)及び(C)に示すように、光硬化樹脂50が塗布された自爪99上に、人造爪形成用基材40基端部を載置して貼り付ける。自爪99と人造爪形成用基材40の間の気泡を抜くために、上部からブラシ80等で人造爪形成用基材40を押さえつけることが好ましい。
 次に、(C)に示すように、人造爪形成用基材40の上から光を照射し、光硬化樹脂50を硬化させて、人造爪形成用基材40を自爪99に接合させる。なお、硬化時には、上部から人造爪形成用基材40を押さえ続けていることが好ましい。
 次に、(D)に示すように、人造爪形成用基材40の表面や外縁、裏面の全体に、ブラシ80等でジェル状の光硬化樹脂50を塗布する。そして、(E)に示すように、人造爪形成用基材40に、光を照射し、光硬化樹脂50を硬化させて、人造爪43が完成する。なお、人造爪43の厚さが足りない場合には、上述した(D)及び(E)の作業を繰り返す。
 上述のように、人造爪形成用基材40の裏面基部に、濡れ特性(親水特性)に優れる凹凸処理部40aが形成されているので、凹凸処理部40aと光硬化樹脂50とのなじみが良く、自爪99と人造爪形成用基材40との接合力が増す。このため、形成された人造爪43が自爪99から剥がれ難い。
 なお、人造爪形成用基材40の表面側や人造爪形成用基材40の裏面全体に、上述した凹凸処理部を形成しても差し支え無い。この場合には、人造爪形成用基材40の凹凸処理部が形成されている部分の濡れ特性が向上し、人造爪形成用基材40と光硬化樹脂50とのなじみが良いことから、人造爪形成用基材40からの硬化した光硬化樹脂50が剥離し難い。また、人造爪形成用基材40の表面側に、上述した凹凸処理部を形成すると、印刷適応性が向上し、印刷による装飾の形成が容易となるので、好ましい。
 このように、第4の実施形態の人造爪形成用基材40を用いると、自爪99に人造爪形成用基材40を貼り付け、人造爪形成用基材40の全体に光硬化樹脂50を塗布し、この光硬化樹脂50光硬化させるという簡単な作業で、自爪99上に人造爪43を形成することが可能となる。また、人造爪形成用基材40は、合成樹脂製フィルムで構成されているので、印刷により装飾を形成することが容易である。
(装飾物装着部を形成した実施形態)
 以下に、図12及び図13を用いて、ネイル用装飾物を装着するための装飾物装着部を形成した人造爪形成用基材の実施形態について説明する。図12の(A)に示される実施形態の人造爪形成用基材35は、上記説明した第3の実施形態の人造爪形成用基材30のイエローラインに相当する部分(点線で示す部分)よりも先端側に、穴状の装飾物装着部35aが連通形成されて構成されている。
 図13の(A)に示されるように、ネイル用装飾物90(ネイルピアスともいう)は、装飾部90aと、この装飾部90aに連結された(取り付けられた)装着部90bとから構成されている。装着部90bは、図13の(A)に示される実施形態では、固定部90cと可動部90dとから構成されている。固定部90cは、開口部が形成されたリング状(C字形状)である。可動部90dは、固定部90cの開口部を閉塞・開口するように固定部90cにスライド可能に取り付けられている。可動部90dには、レバー90eが形成されている。可動部90dは、常時、固定部90cの開口部を閉塞する方向に付勢され、この可動部90dにより固定部90cの開口部が閉塞されている。ユーザがレバー90eを引くと、可動部90dが固定部90cに対してスライドし、固定部90cの開口部が開口する。
 図13の(A)を用いて、図12の(A)に示される実施形態の人造爪形成用基材35の使用方法について説明する。上述した第3の実施形態の人造爪形成方法と同様に、人造爪形成用基材35を自爪99状に貼り付けた後に、人造爪形成用基材35に光硬化樹脂を塗布し、この光硬化樹脂を硬化させることにより、人造爪37を形成する。人造爪37形成後にユーザは、レバー90eを引き、固定部90cの開口部を開口させて、固定部90cを穴状の装飾物装着部35aに挿通させた後に、レバー90e離す。すると、固定部90cの開口部が可動部90dによって閉塞され、ネイル用装飾物90が人造爪37に装着される。
 次に、図12の(B)に示される実施形態の人造爪形成用基材36を説明する。図12の(B)に示される実施形態の人造爪形成用基材36は、上記説明した人造爪形成用基材30に凸形状の第1スリット36cと凸形状の第2スリット36dが連通形成されて構成されている。なお、凸形状とは、図12の(B)に示されようなU字形状の他、V字形状やC字形状等、一方向に膨出した形状が含まれる。第2スリット36dは、第1スリット36cより内側に小さく同じ向きに形成されている。これら第1スリット36cと第2スリット36dとから装飾物装着部36aが構成されている。第1スリット36cと第2スリット36dの間には、凸形状の装着片36eが形成されている。図12の(B)に示されるように、装飾物装着部36aは、人造爪形成用基材36のイエローラインに相当する部分よりも先端側及び基端側の何れにも形成することができる。
 次に、図13の(B)を用いて、人造爪形成用基材36の使用方法について説明する。まず、装着片36eを手前側に引き上げる。すると、引き上げられた装着片36eにより、装着穴36fが形成される。次に、上述した第3の実施形態の人造爪形成方法と同様に、人造爪形成用基材36を自爪99状に貼り付けた後に、人造爪形成用基材36(装着片36eも含む)に光硬化樹脂を塗布し、この光硬化樹脂を硬化させることにより、人造爪38を形成する。ユーザは、レバー90eを引き、固定部90cの開口部を開口させて、固定部90cを装着穴36fに挿通させた後に、レバー90e離す。すると、固定部90cの開口部が可動部90dによって閉塞され、ネイル用装飾物90が人造爪38に装着される。
 上述のように、人造爪形成用基材36では、装着片36eを手前側に引き上げると装着穴36fが形成される。このため、人造爪形成用基材36を用いて人造爪38を形成した場合には、従来ではネイル用装飾物90を装着することができなかったイエローライン99aよりも基端側の人造爪38にもネイル用装飾物90を装着することができる。このように、人造爪38の任意の位置にネイル用装飾物90を装着することができ、従来に無い斬新なネイルアートを提供することができる。
 なお、図12に示した実施形態では、第3の実施形態の人造爪形成用基材30に、装飾物装着部35aや装飾物装着部36aが形成されている。しかし、第1の実施形態の人造爪形成用基材10や、第2の実施形態の人造爪形成用基材20、第4の実施形態の人造爪形成用基材40に、装飾物装着部35aや装飾物装着部36aが形成されている実施形態であっても差し支え無い。
 なお、第1の実施形態~第3の実施形態の人造爪形成用基材10、20、30は、不織布で構成された基材10、21、31を有する。このため、例え装飾物装着部35aや装飾物装着部36aに亀裂が入っても、不織布により亀裂が大きくならず、装飾物装着部35aや装飾物装着部36aが破損し難い。このため、人造爪12、23、33から、ネイル用装飾物90が脱落し難い。
(総括)
 以上説明した実施形態では、自爪99に光硬化樹脂を塗布し、光硬化樹脂50が塗布された自爪99上に基材10、21、31、40を載置して貼り付けている。しかし、自爪99、及び、基材10、21、31、40の基端裏面の両方に光硬化樹脂50を塗布して、自爪99上に前記基材を貼り付ける実施形態であっても差し支え無い。また、自爪99と前記基材の一方側のみに、光硬化樹脂50を塗布して、自爪99上に前記基材を貼り付けても差し支え無い。
 以上説明した実施形態では、自爪99及び基材10、21、31、40の少なくとも一方に光硬化樹脂を塗布し、自爪99上に基材10、21、31、40を載置して貼り付けている。しかし、両面接着テープで、自爪99上に基材10、21、31、40を貼り付けても差し支え無い。この方法で自爪99上に前記基材を貼り付けた場合には、上述した方法と同様に、自爪99の貼り付けられた人造爪形成用基材10、20、30、40に光硬化樹脂50を塗布し、この光硬化樹脂50を光硬化させることにより、人造爪12、23、33、43を形成する。
 このような方法で形成された人造爪12、23、33、43は、任意に自爪99から着脱させることができる。勿論、これら人造爪12、23、33、43は、再使用可能である。なお、両面接着テープとは、薄膜のシート材の両面に接着層が形成されたテープである。
 なお、基材10、21、31、40の基端側裏面に接着層が形成されている実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、両面テープを使用することなく、自爪99上に基材10、21、31、40を載置して貼り付けることができる。
 このように、両面接着テープや接着層により、自爪99上に基材10、21、31、40を貼り付けた場合であっても、基材10、21、31、40は柔軟性を有するので、前記基材は自爪99の表面形状に合った形に変形する。そして、この状態で人造爪12、23、33、43が形成されるので、前記人造爪と自爪99との間に隙間が無く、前記人造爪を自爪99に密着させた状態で接着させることができる。このため、形成された前記人造爪が自爪99から剥がれ難い。
 以上説明した実施形態では、人造爪形成用基材10、40、基材21、31、爪片22、32は、幅方向断面及びこれと直交する長手方向断面のいずれもが凸状に湾曲した形状であるが、幅方向断面のみ凸状に湾曲した形状であっても差し支え無い。
 なお、本実施形態において使用される光硬化樹脂には、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、赤外線硬化樹脂が含まれる。紫外線硬化樹脂は、アクリル酸オリゴマー、メタクリル酸エステルモノマー等の合成樹脂に、紫外線重合開始剤が混合された樹脂であり、紫外線の照射により硬化する樹脂である。可視光硬化樹脂は、前記合成樹脂に、可視光重合開始剤が混合された樹脂であり、可視光の照射により硬化する樹脂である。赤外線硬化樹脂は、前記合成樹脂に、赤外線重合開始剤が混合された樹脂であり、赤外線の照射により硬化する樹脂である。
 また、光硬化樹脂の代わりに、2物体硬化樹脂を用いても差し支え無い。この2物体硬化樹脂は、2種類の樹脂が混ざると重合反応により硬化が開始する樹脂である。2物体硬化樹脂の一例として、2種類の液状の樹脂が混ざると重合反応により硬化を開始する2液硬化樹脂や、液状の樹脂(例えばアクリルリキッド)に粉状の樹脂(例えばアクリルパウダー)が混ざると重合反応により硬化が開始する樹脂が含まれる。
 10…人造爪形成用基材(第1の実施形態)
 12…人造爪(第1の実施形態)
 20…人造爪形成用基材(第2の実施形態)
 21…基材(第2の実施形態)
 22…爪片(第2の実施形態)
 23…人造爪(第2の実施形態)
 30…人造爪形成用基材(第3の実施形態)
 35a、36a…装飾物装着部
 31…基材(第3の実施形態)
 32…爪片(第3の実施形態)
 33…人造爪(第3の実施形態)
 40…人造爪形成用基材(第4の実施形態)
 40a…凹凸処理部
 43…人造爪(第4の実施形態)
 50…光硬化樹脂
 90…ネイル用装飾物
 99…自爪

Claims (11)

  1.  自爪上に、幅方向断面が凸状に湾曲した形状の柔軟性を有する基材を貼り付ける工程と、
     前記基材に光硬化樹脂又は2物体硬化樹脂を塗布する工程と、
     前記光硬化樹脂又は前記2物体硬化樹脂を硬化させる工程を含む人造爪形成方法。
  2.  請求項1において、自爪上に前記基材を貼り付ける工程は、自爪及び前記基材の裏面の少なくとも一方に、光硬化樹脂又は2物体硬化樹脂を塗布し、前記基材を自爪に載置することにより行われる請求項1に記載の人造爪形成方法。
  3.  幅方向断面が凸状に湾曲した形状の柔軟性を有する基材を有する人造爪形成用基材。
  4.  請求項3において、
     前記基材は、吸液性を有する不織布で構成されている人造爪形成用基材。
  5.  請求項4において、前記基材の先端には、幅方向断面が凸状に湾曲した合成樹脂で構成された爪片が取り付けられている人造爪形成用基材。
  6.  請求項4において、前記基材と、この基材を覆う幅方向断面が凸状に湾曲した合成樹脂で構成された爪片とから構成され、
     前記基材の一部は前記爪片に取り付けられている一方で、前記基材の基端部は前記爪片の基端部の裏面から分離して構成されている人造爪形成用基材。
  7.  請求項3において、前記基材は、フィルム状の樹脂である人造爪形成用基材。
  8.  請求項7において、前記基材の厚さは、0.01~0.2mmである人造爪形成用基材。
  9.  請求項7において、前記基材に凹凸処理部が形成されている人造爪形成用基材。
  10.  請求項3において、
     ネイル用装飾物を装着するための装飾物装着部が形成された人造爪形成用基材。
  11.  請求項10において、
     前記装飾物装着部は、凸形状の第1スリットと、この第1スリットの内側に形成された凸形状の第2スリットとから構成されている人造爪形成用基材。
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