WO2012043227A1 - モリブデンターゲットの製造方法 - Google Patents

モリブデンターゲットの製造方法 Download PDF

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Abstract

 各モリブデン(Mo)原料粉末の特徴を生かしつつ、効率的に低酸素で高密度なモリブデンターゲットを得ることができる製造方法を提供する。 本発明は、酸化モリブデンを還元し、次いで解砕して平均粒径2~15μmに調整したモリブデン粉末Aと、密度6.64×10(kg/m)以上のモリブデンバルク体を原料として粉砕により平均粒径50~2000μmに調整したモリブデン粉末Bとを混合した混合粉を加圧焼結するモリブデンターゲットの製造方法である。

Description

モリブデンターゲットの製造方法
 本発明は、スパッタリング等の物理蒸着技術に用いられるモリブデンターゲットの製造方法に関するものである。
 現在、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)等の平面表示装置の薄膜電極および薄膜配線等には、電気抵抗の小さいモリブデン(以下、Mo)等の高融点金属薄膜が用いられており、その金属薄膜を形成するための材料として、スパッタリング用ターゲット材が広く利用されている。
 ターゲット材等のMoバルク体を製造する際には、高融点金属ゆえに溶解鋳造法による製造が困難であるため、一般的には、Mo原料粉末を焼結してバルク体とする方法が適用されている。その一つの方法としては、酸化Moを還元処理して得られるMo原料粉末を圧縮成形したものを還元性雰囲気で焼結し、さらに高密度化のために塑性加工を施す方法が適用されている。また、一方で、還元処理して得られるMo原料粉末を一定粒度に調整したものを加圧容器に充填した後に加圧焼結法によって高密度な焼結体を得る方法も適用されている。
 また、高純度、典型的には、99.9%(3N)以上の純度を有するMo粉末は、酸化Mo(MoO)粉末の還元処理によって生成されるため、通常、微細な一次粒子が凝集した粒径15μm以下の微粉末である。そのため、単位体積当たりの比表面積が大きく容器等に充填しても十分な充填密度とならず、また、容器内で不均一な充填状態となることから加圧焼結の際に焼結体の反り等の変形が起こりやすいという問題があった。
 これに対して、本出願人は、焼結時の変形を防止したMoターゲットの製造方法として、微細なMo原料粉末を、一旦圧縮成形した後に粉砕して、粒径の大きい2次粉末を製造して、これを加圧容器に充填して加圧焼結する手法を提案している。
 この方法は、粒径の大きい2次粉末が充填性に優れていることを利用するものである(特開2008-163467号、特許文献1)。
 また、一定量のカリウムを含有させた酸化Moを還元処理することでMo原料粉末を粗粒化させる方法が開示されている。この方法は、酸化Moを還元して得られる一般的なMo粉末よりも粗粒化させたMo原料粉末を用いることで、Mo原料粉末を焼結した際の焼結密度を向上させることを提案するものである(特開2005-133197号、特許文献2)。
 また、本出願人は、Mo粉末の製造方法として、Mo等の高融点金属のバルク体を削り出してダライ粉を得て、これを粉砕処理し還元処理を施して、低酸素なMo粉末に生成する方法を提案している(特開2006-193826号、特許文献3)。
特開2008-163467号公報 特開2005-133197号公報 特開2006-193826号公報
 特許文献1や特許文献2に示す方法は、通常の酸化Mo粉末を還元によって生成したMo粉末原料からMoの焼結ターゲットを製造する技術として極めて有効である。
 しかしながら、酸化Mo粉末から還元によって生成されるMo粉末原料は、微細な酸化Mo粉末を出発原料としているため、還元処理を行なっても酸素含有量の低減には自ずと限界がある。また、微細な粉末であるという特徴上、単位体積当たりの酸素含有量が多くなりがちであるという問題がある。この酸素含有量の多さの問題は、密閉空間で焼結を行なう加圧焼結法において、酸素含有量を低減する上で障害となる。
 また、特許文献3に示すバルク体から粉砕生成するMo粉末を使用する際には、Mo粉末の粒径を大きめに制御することで、加圧焼結処理空間への充填性が高められるという利点がある。しかし、粉砕生成したMo粉末は粒径が大きめなため、粉末3重点ポアの発生頻度が高まる等の理由から焼結密度を高めることが困難となる場合がある。
 また、Moターゲットには、金属薄膜の電気抵抗に影響する酸素含有量をできるだけ低減することや、スパッタリング時のアーキング等の発生を抑制するために、できるだけ高密度であることが求められている。
 本発明の目的は、効率的に低酸素で高密度なMoターゲットを得ることができる製造方法を提供することである。
 本発明者は、酸化Moを還元し、次いで解砕して得られる粉末と、一定密度以上のバルク体から生成したMo粉末とを、混合することによって、高い充填密度を達成し加圧焼結時の焼結体の変形を抑制すると同時に、Mo焼結体の低酸素化と高密度化をも同時に達成できることを見出し本発明に到達した。
 すなわち本発明は、酸化Moを還元し、次いで解砕して平均粒径2~15μmに調整したMo粉末Aと、密度6.64×10kg/m以上のMoバルク体を原料として粉砕により平均粒径50~2000μmに調整したMo粉末Bとを混合した混合粉を加圧焼結するMoターゲットの製造方法である。
 本発明において、混合粉末をMo粉末Aの質量%を(A/(A+B))×100で表したとき10~90%となるように混合することが好ましい。
 また、本発明において混合粉は、加圧容器に充填後に加圧焼結することができる。
 また、本発明における加圧焼結は、焼結温度1000~1800℃、圧力10~200MPa、1~10時間で行なうことが好ましい。
 本発明によれば、粉末焼結ターゲットとして、低酸素化と高密度化を両立できる合理的な製造プロセスを提供することができるため、その工業的価値は極めて大きい。
本発明の評価No.8の焼結体の光学顕微鏡写真である。 本発明の評価No.6の焼結体の光学顕微鏡写真である。 本発明の評価No.9の焼結体の光学顕微鏡写真である。 本発明の評価No.22の焼結体の光学顕微鏡写真である。 比較例の評価No.27の焼結体の光学顕微鏡写真である。
 上述したように、本発明の重要な特徴は、一定の密度以上のバルク体から生成したMo粉末と、酸化Moを還元し、次いで解砕して得られる粉末とを、所定の条件で混合することによって、高い充填密度が得られ、Mo焼結体の低酸素化と高密度化とを同時に達成できることを見出したことにある。以下、詳しく説明する。
 特許文献3で提案するMoバルク体から生成したMo粉末は、バルク体からの機械的作用で粉末を得ることになるため、粉末の粒径を小さくしようとすればするほど、コストが増加する。また、特許文献3で提案するMo粉末は、粉末の粒径を小さくしようとすればするほど、生成時に酸化が進みすぎて低酸素なMo焼結体を得るのが困難となるといった問題を有している。このように、Mo粉末の粒径を小さくすることは、単位体積当たりの比表面積を増大させることから、粉末表面に吸着する酸素量が増大することにも繋がる。
 一方、特許文献1や特許文献2に記載される通り、ターゲットの原料として使用できる高純度のMo粉末を得る場合には、化学的に精錬した酸化Moを還元して高純度Mo粉末を得る必要がある。こちらの場合は、化学的に精錬した酸化Moを出発原料としているため粉末の粒径を大きくしようとすることがそもそも難しく、また粒径を大きくしようとすると還元処理が困難になっていくという問題を有している。
 すなわち、低酸素という視点から見ると、バルク体から生成するMoの粉末は、ある程度大きい粒径で使用することが有効である。一方、通常の化学的に精錬した酸化Moを還元して得られる高純度Mo原料粉末は、粒径を大きくすることが困難であるため、できるだけ微細のまま使用できるようにすることが有効である。
 大径粒子と小径粒子とを混合したときは、その幾何学的形状から、より充填密度を高めることができる。重要なのは、上述したバルク体から生成する大径粒子で低酸素のMoの粉末と、通常の化学的に精錬した酸化Moを還元して得られる小径粒子で酸素が多めの高純度Mo粉末との関係はまさにこの関係にあり、混合により充填密度を高めると同時に混合粉の状態での酸素の低減が可能となるということである。
 したがって、本発明は、これらの粉末を組み合わせと所定の条件に調整することによって、合理的な低酸素で高純度のMoターゲット製造プロセスが確立できたのである。
 本発明においては、まず酸化Moを還元し、次いで機械的手段等により解砕して平均粒径2~15μmにしたMo粉末Aを準備する。これは、通常の化学的に精錬した高純度Mo粉末の調整工程が適用できる。ここで酸化Moを解砕するのは、酸化Moの還元処理によって、微細なMo一次粒子がネットワーク状に連なったような凝集形態になり、そのままでは充填密度を高めにくいためである。
 また、平均粒径2~15μmに調整するのは、2μmに満たない微細粉末では焼結密度を高めることができない上、表面に吸着する酸素量が多くなり低酸素化を阻害するからである。一方、15μmを超えるMo粒子を酸化Moから得るのは容易ではない。したがって、本発明では、Mo粉末Aの平均粒径を2~15μmに調整する。
 また、本発明においては、低酸素のMoターゲットを得るために、還元処理してMo粉末Aの酸素量を100~900質量ppmに調整しておくことが好ましい。
 また、本発明においては、密度6.64×10kg/m以上のMoバルク体を原料として、粉砕により平均粒径50~2000μmに調整したMo粉末Bを準備する。バルク体を原料として粉砕により得るMo粉末Bは、それ自体が緻密な粉末であるため、充填密度の向上に寄与する。このため、Moバルク体としては、純Moの真密度10.22×10kg/mに対する相対密度で65%以上である密度6.64×10kg/m以上のものを用いる。
 Mo粉末Bの平均粒径を50μm未満にまで小さくしようとすると、コストが著しく増加するとともに、生成時に粉末の酸化が進みすぎる。また、Mo粉末Aとの平均粒径の差が小さくなり、混合粉末の充填密度を高めにくくなるという問題もある。
 一方、Mo粉末Bの平均粒径が2000μmを超えると、粉末3重点ポアの発生頻度が高くなり、高密度化が達成できにくくなる。また、Mo粉末AとMo粉末Bの粒径差が広がると、焼結体組織にムラが発生しやすくなり、ターゲットとして均一なスパッタリングが進行しにくくなる。したがって、本発明では、Mo粉末Bの平均粒径を50~2000μmに調整する。また、Mo粉末Bの粒径として大きいものを除去するためには、好ましくは、500μm以下である。
 なお、Mo粉末Bは、Moバルク体を原料として粉砕した後、還元処理をすることが好ましい。それは、粉砕した粉末表面に生成する酸化層を還元することにより、混合粉との焼結が容易になるとともに、粉末B全体の酸素量を低減できるためである。現実的な還元処理としては、水素気流中で、500~1300℃の温度に1時間以上保持することが好ましい。
 また、本発明においては、低酸素のMoターゲットを得るために還元処理をすることで、Moバルク体を粉砕したMo粉末Bの酸素量を50~300質量ppmにすることができる。
 本発明においては、Mo粉末AとMo粉末Bとを混合した混合粉を加圧焼結してMoターゲットを得る。
 なお、Mo粉末Aのみでは充填密度が上がらず、Mo粉末AとMo粉末Bを混合した場合に充填密度は向上する。本発明におけるMo粉末AとMo粉末Bとの混合比は、Mo粉末Aの質量%を(A/(A+B))×100で表したときの混合比(以下単に「混合比」という。)が10~90%となるように混合することが好ましい。混合比が10%に満たない、つまりMo粉末AよりMo粉末Bの量が多い場合は、混合した粉末の充填密度を向上させることはできるが、大径粒子のMo粉末Bが多量に存在することにより、粉末3重点ポアの発生頻度が多くなり、焼結体したときに有害な比較的大きなポア等の組織欠陥を誘発する虞がある。
 一方、混合比が90%を超えると、粉末の充填率が十分に上がらない場合があり、加圧焼結時に焼結体の変形が起こりやすくなる。また、小径のMo粉末Aの増加は、単位体積あたりの粉末表面積の増加に繋がり、焼結体の酸素値が上昇しやすくなる。
 本発明において、加圧焼結によって得られる焼結体の高密度化と低酸素化を考慮したときの、より好ましい混合比は、20~70%である。
 本発明においては、混合粉を加圧容器に充填後に加圧焼結することができる。
 加圧容器への充填は、例えば、熱間静水圧プレスにより加圧焼結を行なう場合に適用される手法である。加圧容器への充填性は、焼結体の変形に影響する。本発明は、充填密度を高くすることができるため、加圧容器の適用は有効である。
 また、本発明は、加圧容器を使用しないホットプレス等の加圧焼結を行なう場合であっても、充填性に優れることから高密度が得やすいという点で有効である。
 本発明において、現実的な焼結条件としては、焼結温度1000~1800℃、圧力10~200MPa、1~10時間である。
 これらの条件の選択可能な範囲は、一般に、使用される加圧焼結設備によって異なる。例えば熱間静水圧プレスでは低温高圧の条件が適用しやすく、ホットプレスでは高温低圧の条件が適用しやすい。
 なお、焼結温度が1000℃未満では、焼結が進みにくく現実的ではない。一方、焼結温度が1800℃を超えると、耐え得る装置が限られることに加え、焼結体の組織における結晶成長が著しくなって均一微細な組織が得にくい場合がある。
 また、圧力は、10MPa未満では、焼結が進みにくく現実的ではない。一方、圧力が200MPaを超えると、耐え得る装置が限られるという問題がある。
 また、焼結時間が1時間未満では、焼結を十分に進行させることが難しい。一方、焼結時間が10時間を超えるのは、製造効率において避ける方がよい。
 なお、ホットプレスや熱間静水圧プレスで加圧焼結をする際には、混合粉末を加圧用ダイスや加圧容器に充填した後に、加熱しながら減圧脱気をすることが好ましい。減圧脱気は、加熱温度100~600℃の範囲で、大気圧(101.3kPa)より減圧にして脱気を行なうことが好ましい。それは、得られるMo焼結体の酸素を300質量ppm以下に低減することが可能となるためである。
(実験例1)
 化学的に精錬された酸化Mo(MoO)粉末を還元して製造された市販の純度3NのMo粉末を購入し、これを解砕処理して、表1に示す平均粒径5、7、9μmのMo粉末Aを得た。
 次に、純度3NのMoバルク体(密度10.16×10kg/m)を削り出してダライ粉を得た。このダライ粉を粉砕処理して粉末とし、次いで水素気流中で、1200℃の温度で2時間保持する熱処理で粉末表面の還元処理を行ない、表1に示す所定の平均粒径に調整したMo粉末Bを得た。
 上記で得られたMo粉末AとMo粉末Bを、混合比を60%に固定して、その充填性を評価するためにタップ密度を測定した。その結果を表1に示す。なお、以下での混合比は、Mo粉末A、Bの質量%による(A/(A+B))×100の値である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示す通り、Mo粉末Bの平均粒径が本発明の範囲で大きくなるにしたがって、タップ密度が高い値を維持しながら向上していることがわかり、Mo粉末Bの粒径について、表1に示した範囲で本発明が混合粉の充填密度の向上に有効であることが確認できる。
 続いて、上記で得た平均粒径5、7、9μmのMo粉末Aと、平均粒径98、218μmのMo粉末Bとを、それぞれMo粉末AとMo粉末Bの混合比を変化させたときのタップ密度を測定した。平均粒径98μmのMo粉末Bを使用したものを表2に、平均粒径218μmのMo粉末Bを使用したものを表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表2、表3に示す通り、それぞれのMo粉末AとMo粉末Bとを混合した混合粉末は、Mo粉末Aのみの場合に比べて、タップ密度が大幅に向上しており充填密度を高められることがわかる。
 次に、焼結体での評価を行なった。先ず、表1の評価No.2、4~9で得られた混合粉末を加圧容器となる熱間静水圧プレス用の缶に充填した。この缶を450℃に加熱しながら1×10-3Paまで減圧脱気して封止した。この後、焼結温度(最高温度)1250℃、焼結の最高圧力147MPa、焼結温度での保持時間5時間で加圧焼結を行ない、焼結体を得た。得られた各焼結体のターゲットとしての品位を評価するため、株式会社堀場製作所製の酸素分析装置(型番:EMGA-620)で酸素分析を行なった。また、密度と純度の測定を行なった。測定した結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4に示す通り、Mo粉末AとMo粉末Bを混合した各混合粉末を加圧焼結して得た本発明のターゲット用焼結体は、高純度を保ったまま、Mo粉末Aのみを加圧焼結して得た評価No.11の焼結体に比べて高い密度が達成されている。また、混合粉末における酸素量も本実施例では、低減できることがわかる。これにより、より短時間の減圧脱気で焼結体の酸素量を低減でき、効率的な酸素低減が可能となる。
 評価No.6、8、9、22、27の各焼結体を光学顕微鏡(株式会社ニコン製 倒立金属顕微鏡ECLIPSE MA200)でミクロ組織を観察した。本発明の評価No.6、8、9、22の焼結体のミクロ組織写真をそれぞれ図1~図4に示す。また、比較例の評価No.27の焼結体のミクロ組織写真を図5に示す。本発明の製造方法で得た焼結体は、図1~図4に示すように、大きなポアもなく、微細で良好な組織を有していることが確認できた。一方、比較例の大径粒子のMo粉末Bのみからなる焼結体の評価No.27の焼結体は、図5に示すように有害な大きいポアが確認された。
(実験例2)
 化学的に精錬された酸化Mo(MoO)粉末を還元して製造された市販の純度3NのMo粉末を購入し、これを解砕処理して、平均粒径9μmのMo粉末Aを得た。
 次に、密度7.15×10(kg/m)のMoバルク体を削り出してダライ粉を得て、これを粉砕処理して粉末とし、次いで水素気流中で、1200℃で2時間保持する熱処理で粉末表面の還元処理を行ない、平均粒径195μmに調整したMo粉末Bを得た。
 得られたMo粉末A、Mo粉末Bの単体、およびMo粉末A、Bの質量%によるA/(A+B)×100を60%としたときのタップ密度を測定し、表5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表5に示すように、実験例1の10.16×10(kg/m)よりも密度の低い密度6.64×10(kg/m)のMoバルク体から得られるMo粉末Bであっても平均粒径を制御し、Mo粉末AとMo粉末Bとの混合比を調整することで、Mo粉末AやMo粉末Bを単独で充填する場合に比べて、充填密度が格段に向上することがわかる。

Claims (5)

  1.  酸化モリブデンを還元し、次いで解砕して平均粒径2~15μmに調整したモリブデン粉末Aと、密度6.64×10kg/m以上のモリブデンバルク体を原料として粉砕により平均粒径50~2000μmに調整したモリブデン粉末Bとを混合した混合粉を加圧焼結することを特徴とするモリブデンターゲットの製造方法。
  2.  前記混合粉は、モリブデン粉末Aの質量%を(A/(A+B))×100で表したとき10~90%となるように混合することを特徴とする請求項1に記載のモリブデンターゲットの製造方法。
  3.  モリブデン粉末Bは、モリブデンバルク体を粉砕した後、還元処理をして得られるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモリブデンターゲットの製造方法。
  4.  前記混合粉は、加圧容器に充填後に加圧焼結することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のモリブデンターゲットの製造方法。
  5.  加圧焼結を焼結温度1000~1800℃、圧力10~200MPa、1~10時間で行なうことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のモリブデンターゲットの製造方法。
PCT/JP2011/070943 2010-09-30 2011-09-14 モリブデンターゲットの製造方法 WO2012043227A1 (ja)

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