JPH059509A - 高合金工具鋼焼結体及びその製造方法 - Google Patents

高合金工具鋼焼結体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH059509A
JPH059509A JP3187052A JP18705291A JPH059509A JP H059509 A JPH059509 A JP H059509A JP 3187052 A JP3187052 A JP 3187052A JP 18705291 A JP18705291 A JP 18705291A JP H059509 A JPH059509 A JP H059509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool steel
alloy tool
powder
sintered body
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3187052A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hayashi
宏爾 林
Michio Karaki
道雄 唐木
Umimori Yamazumi
海守 山住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nachi Fujikoshi Corp
Original Assignee
Nachi Fujikoshi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nachi Fujikoshi Corp filed Critical Nachi Fujikoshi Corp
Priority to JP3187052A priority Critical patent/JPH059509A/ja
Publication of JPH059509A publication Critical patent/JPH059509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶粒の粗大化や炭化物の溶融,凝集に伴う
巨大炭化物の形成等の材料的な組織欠陥がなく、かつ焼
結後に空孔等の材料欠陥のない高合金工具鋼焼結体を得
る。 【構成】 粒径が101 〜103 μm未満の高合金工具
鋼の粗粒粉80〜20重量%に、粒径が101 未満で1
-2μmまでの高合金工具鋼の微粉粒を20%〜80%
含むことにより、相対密度100%の緻密特性を得る。
さらに、上記の粉末を圧粉成形し、これを真空雰囲気で
1503〜1573Kの温度で約120分間固相焼結処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、材料内部の微少欠陥
等が問題となる切削工具用の高合金工具鋼焼結体及びそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法により高合金工具鋼焼結体を
製造するには、CIP装置を用いて圧粉体を成形しその
後焼結したり、あるいはHIP装置を用いて直接焼結体
を製造し、更にこの焼結体に鍛造、圧延等の塑性加工を
加え、目的に応じて丸材、角材、板材及び線材、或いは
所望の工具形状等に加工製造されている。かかる高合金
工具鋼粉末焼結体に塑性加工を必要とするのは、通常焼
結体には空隙、空孔等の欠陥があり、完全に緻密な焼結
体を得ることは困難であるからであり、かかる焼結体に
塑性加工を施してこれらを押しつぶし、空隙等の欠陥を
改善して完全緻密化を計ることが必要である。
【0003】例えば、粉末冶金法を用いる原料粉末には
一般的に粉粒径が101 〜103 μm未満の粗粒粉或いは超
微粉、ナノ微粉といわれる粉粒径が101 未満で〜10-2μ
mの粉末がそれぞれ単独で使われている。粗粒粉は圧粉
体の成形時に空隙ができやすく、焼結時にこれらの空隙
を除去して完全緻密化することは極めて困難である。ま
た超微粉単独で圧粉体を成形する場合は、圧粉体の相対
密度が高くなり過ぎるため、孤立空隙ができやすく、焼
結後微細な空孔として残留する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本来、粉末冶金法の最
も特徴とするところは、高い形状の自由度を有している
ところにある。このため、高合金工具鋼の粉末を例えば
丸材、角材、板材は勿論のこと、ドリル、エンドミル等
の所望の工具形状の圧粉体に成形することも極めて容易
である。その反面、焼結によって空孔等の材料欠陥が内
部に残留することは不可避である。しかし、これらの欠
陥を皆無にして完全に緻密化することは極めて困難であ
り、切削工具では材料内部の欠陥に基づくチッピング、
欠損等が使用上問題となり、十分な工具性能は期待でき
ない。従って工具製品形状の焼結体で実用化するには至
っているものは殆どないのが現状である。
【0005】一方、圧粉体を成形後、焼結温度を高くす
ることによって空孔等の欠陥は減少する傾向を示し、液
相焼結においては気孔の残留が殆ど認められず、相対密
度が100%に近い焼結体を得ることが可能であるが、
結晶粒の粗大化や炭化物の溶融、凝集に伴う巨大炭化物
の形成等の材料的な組織欠陥を生じて材料の強靱性及び
工具性能を著しく劣化させることになる。また、高合金
工具鋼は、前記従来技術のように塑性加工を施して空隙
等の欠陥を改善するものであるから、材料の歩留りが悪
く、また多大の加工工数を必要とするのであり、きわめ
て高価となるという問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、粒径が101
〜103 μm未満の高合金工具鋼の粗粒粉80〜20重量
%に、粒径が101 未満で10-2μmまでの高合金工具鋼の
微粒粉を20〜80%含み、相対密度100%の緻密特
性を有する高合金工具鋼焼結体、及び粒径が101 〜103
μm未満の高合金工具鋼の粗粒粉80〜20重量%に、
粒径が101 μm未満で10-2μmまでの高合金工具鋼の微
粒粉を20〜80%配合し、次いでこれを圧粉成形し、
さらに真空雰囲気中で1503〜1573Kの温度で約
120分間固相焼結処理し、相対密度100%の緻密特
性を得ることを特徴とする高合金工具鋼焼結体の製造方
法に係わり、粉末冶金法の特徴である形状の自由度を維
持すると共に、材料の緻密化を実現したものである。
【0007】本発明において、粗粒径を101 〜103 μm
未満としたのは、103 μm以上では組織、炭化物及び結
晶粒が粗大となり、材料の強度劣化の原因となるからで
あり、また微粒径を101 未満で10-2μmまでとしたの
は、10-2μmは技術的に製造可能な限界値であるからで
ある。
【0008】
【実施例】次に、本発明に係る実施例を説明する。図1
は表1にH1乃至H6として示す各種の合金粉末の比較
的粗い粒粉の高合金工具鋼成分を混合した各種の高合金
工具鋼粉末であり、図1の上段は相対密度54質量%、
図1の下段は84質量%の圧粉体のそれぞれの焼結温度
と焼結体の相対密度の関係を示したものである。いずれ
も、真空炉で9×10-1〜10-5の真空度で120分間
固相焼結したものである。
【0009】焼結体の相対密度は、成分組成及び圧粉体
の密度によって異なるが、圧粉体の密度54%では、H
1=1473K,H2=1547K,H3=1523
K,H4=1550K,H5=1503K,H6=15
33Kの焼結温度で相対密度100%の焼結体が得られ
るのに対し、圧粉体の密度84%では、H1=1473
K,H2=1523K,H3=1503K,H4=15
47K,H5=1503K,H6=1473Kで、相対
密度100%の焼結体が得られ、H1,H5成分のもの
を除き、圧粉体の密度の高い方が低い焼結温度で相対密
度の高い焼結体が得られることが示される。また、焼結
温度が高くなると相対密度が高くなる傾向も同時に示す
もので、このことは成分組成の液相温度の高低も関連し
ているものと考えられる。この場合、比較のために水素
雰囲気による固相焼結を行ったところ、相対密度が95
〜97%で飽和または最大となり、少量の孤立空隙が残
留することが確認された。
【0010】
【表1】
【0011】相対密度100%に至る焼結温度は成分配
合によって異なるが、表1のH2の合金粉末を焼結する
場合では1523〜1550K、H4では1550Kで
ある。特にH4の合金粉末では液相に近い高温焼結で相
対密度100%が得られた。本発明により得られた焼結
体の相対密度の一例を図2及び図3に示す。図2は表1
の合金成分中のH2について粉粒径101 未満〜10-2
μmのFe微粒粉(カーボニル鉄粉)を用い、その他の
成分は各単独元素の粗粒粉を混合したときのFe微粒粉
の混合量と相対密度の関係を示したものである。この場
合、1503K×7.2Ksの固相焼結においてFe微
粉40%質量%で相対密度100%が得られた。
【0012】図3は表1中の本発明に係わるH4の高合
金工具鋼について、高合金工具鋼と同一成分の合金粗粒
粉に高合金工具鋼を成分組成とする単独元素の7種の微
粒粉を混合したときの相対密度の関係を示したものであ
る。圧粉体の相対密度が84%のものは、微粉末の混合
量が20質量%、54%のものは40質量%、焼結温度
が1523K×7.2Ksの固相焼結において、相対密
度が100%の焼結体が得られた。
【0013】図4に示す顕微鏡組織写真は表1のH4成
分組成の圧粉体密度84%の高合金工具鋼を工具製品形
状に成形した場合、真空焼結1523K,焼結時間7.
2Ksの焼結条件にて焼結したときの微粒粉の配合割合
と空隙、空孔の発生、残留状況を示すものである。即
ち、上段は各微粒粉の配合率に対応する焼結体のラップ
加工面の状況、下段は腐食面を示す顕微鏡組織写真であ
る。これによれば、微粒粉0%、10%ものは空隙、空
孔等(黒い部分)の残留が認められ、相対密度が100
%に達していないが、微粒粉が20%、40%では相対
密度100%が得られることが分かる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、上述のように粒径が101 〜10
3 μm未満の高合金工具鋼の粗粒粉80〜20重量%
に、粒径が101 未満で10-2μmまでの高合金工具鋼の微
粒粉を20〜80%配合し、次いでこれを圧粉成形し、
さらに真空雰囲気中で1523〜1550Ksの温度で
約120分間固相焼結処理し、相対密度100%の緻密
特性を得たので、粉末冶金法の特徴である形状の自由度
を利用して、直接に工具製品形状の工具を固相焼結する
ことができる。しかも、焼結された高合金工具鋼は緻密
化されたので、鍛造、圧延、機械加工を必要とせず、大
幅なコスト低減が可能となった。さらに、結晶粒の粗大
化や炭化物の溶融、凝集に伴う巨大炭化物の形成等の材
料的な組織欠陥や、材料の強靱性及び工具性能を劣化さ
せることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1に示す本発明に係わる各種の高合金工具鋼
粉末について上段で相対密度54質量%の、下段で84
質量%の各圧粉体のそれぞれの焼結温度と焼結体の相対
密度の関係図である。
【図2】本発明により得られた焼結体の相対密度の一例
であって、表1の合金成分H2について粉粒径101
10-2μm未満のFe微粉を用いた場合のFe微粉の混
合量と相対密度の関係図である。
【図3】本発明に係わるH4の合金粉末の高合金工具鋼
について、粗粒粉と同一成分の高合金工具鋼微粉を混合
したときの相対密度の関係図である。
【図4】表1のH4の高合金工具鋼の微粒粉の種々の混
合率におけるラップ加工面と腐食面の顕微鏡組織写真で
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年7月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
フロントページの続き (72)発明者 山住 海守 富山県富山市石金20番地 株式会社不二越 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が101 〜103 μm未満の高合金工具
    鋼の粗粒粉80〜20重量%に、粒径が101 μm未満で
    10-2μmまでの高合金工具鋼の微粒粉を20〜80%含
    み、相対密度100%の緻密特性を有する高合金工具鋼
    焼結体。
  2. 【請求項2】 粒径が101 〜103 μm未満の高合金工具
    鋼の粗粒粉80〜20重量%に、粒径が101 μm未満で
    10-2μmまでの高合金工具鋼の微粒粉を20〜80%配
    合し、次いでこれを圧粉成形し、さらに真空雰囲気中で
    1503〜1573Kの温度で約120分間固相焼結処
    理し、相対密度100%の緻密特性を得ることを特徴と
    する高合金工具鋼焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 高合金工具鋼の合金粉末の粗粒粉に配合
    する微粉を粗粒粉と同一成分の合金粉末、又は組成中の
    単独元素の一種若しくは数種の微粉を混合した請求項2
    記載の高合金工具鋼焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 高合金工具鋼の成分中の単独元素の粗粒
    粉を配合した混合粗粒粉に該混合粗粒粉と同一組成の合
    金粉末の微粉又は組成中の単独元素の一種若しくは二種
    以上の微粉を配合した混合微粉を混合した請求項2記載
    の高合金工具鋼焼結体の製造方法。
JP3187052A 1991-07-02 1991-07-02 高合金工具鋼焼結体及びその製造方法 Pending JPH059509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3187052A JPH059509A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 高合金工具鋼焼結体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3187052A JPH059509A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 高合金工具鋼焼結体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH059509A true JPH059509A (ja) 1993-01-19

Family

ID=16199334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3187052A Pending JPH059509A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 高合金工具鋼焼結体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH059509A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005533177A (ja) * 2002-07-12 2005-11-04 エクス ワン コーポレーション 混合粉末の固体−超固相液相焼結法
WO2012043227A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 日立金属株式会社 モリブデンターゲットの製造方法
US8456014B2 (en) 2008-10-30 2013-06-04 Sony Corporation Semiconductor device
JP5496078B2 (ja) * 2008-02-26 2014-05-21 Jx日鉱日石金属株式会社 焼結用Sb−Te系合金粉末及び同粉末の製造方法並びに焼結体ターゲット
JP2014095136A (ja) * 2012-11-12 2014-05-22 Hirosaki Univ 超微細粉末、高強度鋼焼結体及びそれらの製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005533177A (ja) * 2002-07-12 2005-11-04 エクス ワン コーポレーション 混合粉末の固体−超固相液相焼結法
US7070734B2 (en) 2002-07-12 2006-07-04 The Ex One Company Blended powder solid-supersolidus liquid phase sintering
JP5496078B2 (ja) * 2008-02-26 2014-05-21 Jx日鉱日石金属株式会社 焼結用Sb−Te系合金粉末及び同粉末の製造方法並びに焼結体ターゲット
US8456014B2 (en) 2008-10-30 2013-06-04 Sony Corporation Semiconductor device
WO2012043227A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 日立金属株式会社 モリブデンターゲットの製造方法
TWI460036B (zh) * 2010-09-30 2014-11-11 Hitachi Metals Ltd 鉬靶材的製造方法
JP5861839B2 (ja) * 2010-09-30 2016-02-16 日立金属株式会社 モリブデンターゲットの製造方法
US9689067B2 (en) 2010-09-30 2017-06-27 Hitachi Metals, Ltd. Method for producing molybdenum target
JP2014095136A (ja) * 2012-11-12 2014-05-22 Hirosaki Univ 超微細粉末、高強度鋼焼結体及びそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS62238344A (ja) 機械的合金化
CN102409215A (zh) 大切削量刀具用超细硬质合金及其制备方法
JPH05271842A (ja) サーメット合金及びその製造方法
JPH05201764A (ja) 分散された黒鉛のその場での転化によるダイアモンド植え付けカ−バイドの製造方法
JPH059509A (ja) 高合金工具鋼焼結体及びその製造方法
JPH0475295B2 (ja)
JP6805454B2 (ja) 超硬合金及びその製造方法、並びに超硬工具
JPH08333647A (ja) 超硬合金及びその製造方法
JPS62501858A (ja) 焼結法
JP3102167B2 (ja) 炭化タングステン基超硬合金製造用微細複合炭化物粉末の製造法
JPH05147916A (ja) 微細なタングステン系炭化物粉末の製造法
JP3032818B2 (ja) チタン硼化物分散硬質材料
JP2927400B2 (ja) 超硬合金組成物の再生方法および超硬合金の製造方法
JPS6043423B2 (ja) 複合組織を有する工具合金の製造方法
JPH0688153A (ja) 焼結チタン合金の製造方法
JPH06172810A (ja) タングステン合金焼結体の製造方法
JP2716886B2 (ja) Ti―Al系金属間化合物の製造方法
JPH0827536A (ja) ステンレス鋼焼結体の製造方法
JPH05147917A (ja) 微細なタングステン系炭化物粉末の製造法
JP2004131822A (ja) 超細粒鋼およびその製造方法
JP2928647B2 (ja) 鉄−コバルト系焼結磁性材料の製造方法
JP2726818B2 (ja) 機械的合金化法を用いた微細炭化物分散合金の作製法
JPH11315305A (ja) 焼結体の製造方法
JPH11181501A (ja) 金属粉末および焼結体の製造方法
JPH11315306A (ja) 焼結体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010227