WO2012032789A1

WO2012032789A1 - 車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット及びその製造方法

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Publication number: WO2012032789A1
Application number: PCT/JP2011/005091
Authority: WO
Inventors: 治中山; 松本　浩一
Original assignee: 株式会社オートネットワーク技術研究所; 住友電装株式会社; 住友電気工業株式会社
Priority date: 2010-09-09
Filing date: 2011-09-09
Publication date: 2012-03-15
Also published as: DE112011103017T8; US9001516B2; CN103097775B; US20130148313A1; CN103097775A; DE112011103017T5; DE112011103017B4

Abstract

　車両用自動変速機のケース内に設けられる電子回路ユニットにおいて、当該ケース内のオイル等に混入する異物に起因するトラブルを簡素な構造で有効に抑止する。本体１０ａから外向きに突出する回路側端子１４Ａ，１４Ｂを含む電子回路体１０と、電子回路体１０に結合されるコネクタＣＡ，ＣＢと、カバー８０と、カバー８０と電子回路体１０とコネクタＣＡ，ＣＢとを載置する載置面５２を有するベース部材５０とを設け、カバー８０に、電子回路体１０の本体１０ａを載置面５２と反対の側から覆う本体被覆部８１と、本体被覆部８１から回路側端子１４Ａ，１４Ｂの突出方向に延びて回路側端子１４Ａ，１４Ｂと電線側端子２０Ａ，２０Ｂの嵌合部２４との嵌合領域を載置面５２と反対の側から覆う嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂと、コネクタＣＡ，ＣＢを嵌合位置から離脱位置に離出するのを規制する規制部９５を設ける。

Description

車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット及びその製造方法

　本発明は、車両用自動変速機に設けられ、その制御等のための電子回路を内蔵する電子制御ユニットに関するものである。

　従来、電子回路を内蔵する電子回路体として、特許文献１に記載されるものが知られている。図３１及び図３２は、特許文献１に記載されている電子回路体の概略図である。

　これら図３１、３２に示される電子回路体１０は、回路基板１２と、複数本の第１回路側端子１４Ａ及び複数本の第２回路側端子１４Ｂと、樹脂パッケージ１６とを有する。回路基板１２は、矩形状である。回路基板１２には、電子回路を形成する複数の回路素子１１が実装されている。各第１回路側端子１４Ａ及び第２回路側端子１４Ｂは、前記電子回路と外部回路とを接続するための雄端子である。樹脂パッケージ１６は、前記回路基板１２及び両回路側端子１４Ａ，１４Ｂを一体化して覆っている。前記各回路側端子１４Ａ，１４Ｂは、例えば、直線状に延びる小幅のバスバーからなる。これらの回路側端子１４Ａ，１４Ｂは、例えばボンディングワイヤ１８を介して前記回路基板１２に電気的に接続されている。

　特許文献２には、前記特許文献１に記載されているような複数の雄端子を有する電子回路体（特許文献２では電子回路封入部材）に加えて、各雄端子を外部回路に接続するためのコネクタを備えた電子回路ユニットが開示されている。前記コネクタは、複数の電線の端末にそれぞれ固定された雌端子と、これらを保持するコネクタハウジングとを有する。このコネクタハウジングに保持された各雌端子は、前記電子回路体の各雄端子と嵌合する。前記電子回路体及びコネクタは共通のベース部材上に保持された状態で、車両の適所に取付けられる。

　前記特許文献２に記載されている電子回路ユニットを車両用自動変速機の制御に用いる場合、配線の簡素化のために、当該電子回路ユニットを当該自動変速機のケース内に収容することが好ましい。しかしながら、自動変速機のケース内には、オイルが循環している。このオイル中には、例えば金属摩耗粉といった導体からなる小さな異物が混入している。そのため、当該異物が、例えば電子回路体の雄端子間に入り込み、当該異物が媒体となって端子間を短絡させる等のトラブルが生じるおそれがある。

特開２００４－０９５９７４号公報特開２００１－２４４００７号公報

　そこで、本発明の目的は、車両用自動変速機のケース内に設けられる電子回路ユニットであって、当該ケース内のオイルに混入する異物に起因するトラブルを有効に抑止できるものを提供することを目的とする。

　この目的を達成するために、本発明の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットは、車両用自動変速機のケース内に設けられる電子回路ユニットであって、電子回路を内蔵する本体と、この本体からこの本体の外向きかつ互いに共通の方向に突出する複数の回路側端子とを有する電子回路体と、前記各回路側端子に嵌合可能な嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の電線側端子と、これら電線側端子を前記回路側端子の配列に対応する配列で保持するコネクタハウジングとを有するコネクタと、前記電子回路体と前記コネクタとを載置するための載置面を有し、当該載置面上に前記電子回路体が固定されるベース部材と、前記載置面上に載置されて前記ベース部材に固定されるカバーとを有し、前記カバーは、当該カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した組み付け状態において、前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆う本体被覆部と、前記本体被覆部から前記回路側端子の突出方向に延び、かつ前記組み付け状態において前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う嵌合領域被覆部と、前記組み付け状態において前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合する嵌合位置に前記コネクタを保持するコネクタ保持部とを有する。

　この電子回路ユニットによれば、カバーとベース部材との協働により電子回路体本体と嵌合領域とが両側から保護されている。そのため、これら電子回路体の外側からこれら電子回路本体および嵌合領域側に、自動変速機のケース内を流れるオイルに含まれる異物が進入するのが抑止される。特に、前記カバーの嵌合領域被覆部は、前記本体被覆部から回路側端子の突出方向に延びる形状を有している。そのため、電子回路体本体の外側から嵌合領域側へ異物が入り込むのが有効に抑止される。このことは、当該異物に起因するトラブルを抑止する。

本発明の第１実施形態に係る電子回路ユニットを示す概略斜視図である。図１の背面図である。図１の断面図である。図１に示す電子回路ユニットの分解斜視図である。図１に示す電子回路ユニットが組み付けられる前の状態を示す断面図である。図１に示す電子回路ユニットのカバーを下方からみた概略斜視図である。組み付け用治具の概略斜視図である。図７に示す組み付け用治具にベース部材が仮係止された状態の概略斜視図である。図８に示す状態のベース部材の載置面上に電子回路体が載置された状態の概略斜視図である。図９に示す状態のベース部材にカバーを取付けた状態の概略斜視図である。図１０に示す状態のベース部材と載置面との間にカバーが挿通される前の状態を示す概略斜視図である。図１１の概略断面図である。回路側端子と電線側端子とが嵌合した状態での図１１に対応する断面図である。本発明の第２実施形態に係る電子回路ユニットを示す概略斜視図である。図１４の背面図である。図１４の断面図である。図１４に示す電子回路ユニットの分解斜視図である。図１４に示す電子回路ユニットが組み付けられる前の状態を示す断面図である。図１４に示す電子回路ユニットのカバーを下方からみた概略斜視図である。第２実施形態に係る組み付け用治具の概略斜視図である。図２０に示す組み付け用治具にベース部材が仮係止された状態の概略斜視図である。図２１に示す状態のベース部材の載置面上に電子回路体が載置された状態の概略斜視図である。図２２に示す状態の電子回路体に両コネクタが結合する前の状態を示す概略斜視図である。図２３に示す状態の電子回路体に両コネクタが結合した状態を示す概略斜視図である。図２４に示す状態の電子回路体と両コネクタにカバーが被せられる前の状態を示す概略斜視図である。他の例に係る組み付け用治具に電子回路体が仮係止された状態の概略斜視図である。図２６に示す状態の電子回路体に両コネクタが結合した状態を示す概略斜視図である。図２７に示す状態の電子回路体と両コネクタにカバーが被せられた状態の概略斜視図である。図１４に示される電子回路体および両コネクタと、特殊形状のベース部材とを備えた電子回路ユニットの概略斜視図である。図２９に示される電子回路ユニットが自動変速機のバルブユニットの上に固定された状態を示す概略斜視図である。従来から知られている電子回路体の例を示す平面図である。図３１のＩＩＩＸＩＩ－ＩＩＩＸＩＩ線断面図である。

　本発明の好ましい第１実施形態について図面を参照しながら説明する。

　図１は、第１実施形態に係る電子回路ユニット１の概略斜視図である。図２は、図１の背面図である。図３は、図１の断面図である。図４は、電子回路ユニット１の概略分解斜視図である。図５は、電子回路ユニット１の概略分解断面図である。

　電子回路ユニット１は、電子回路体１０と、第１コネクタＣＡと、第２コネクタＣＢと、ベース部材５０と、カバー８０とを有する。

　ベース部材５０は、電子回路体１０と、両コネクタＣＡ，ＣＢと、カバー８０とを保持する。第１実施形態では、ベース部材５０は、金属材料からなる平板である。ベース部材５０の表裏両面のうち一方の面（図１では左側の面）は、載置面５２を構成する。この載置面５２の上には、電子回路体１０と両コネクタＣＡ，ＣＢとカバー８０とが載置される。

　ベース部材５０は、一対のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂと複数のカバー係止孔５４ａとを有する。これら各孔５５Ａ，５５Ｂ，５４ａは、ベース部材５０の板厚方向に貫通している。ボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂの内側には、電子回路体１０とカバー８０とをベース部材５０に連結するためのボルト（固定部材）６０が、挿通される。カバー係止孔５４ａの内側には、カバー８０の後述するカバー被係止突起９４ａが挿通される。第１実施形態では、ベース部材５０は、４つのカバー係止孔５４ａを有する。

　第１実施形態では、電子回路体１０として、特許文献１に記載されている図３１及び図３２示される電子回路体１０と同等の基本構造を有するものが用いられている。すなわち、電子回路体１０は、電子回路を内蔵する電子回路体本体（本体）１０ａと、複数の第１回路側端子１４Ａと、複数の第２回路側端子１４Ｂとを有する。電子回路体本体１０ａは、回路基板１２と樹脂パッケージ１６とを有する。

　回路基板１２は、矩形状を有する。回路基板１２には、複数の回路素子１１が実装されている。樹脂パッケージ１６は、回路基板１２と回路素子１１とを一体に囲んでいる。

　各第１回路側端子１４Ａは、回路基板１２に接続されている。各第１回路側端子１４Ａは、電子回路体本体１０ａの矩形の一辺を構成する所定の端面からこの端面と直交する外向き（第１突出方向）に突出している。各第１回路側端子１４Ａは、第１突出方向に直線状に延びている。以下、電子回路体本体１０ａの端面のうち、第１回路側端子１４Ａが突出する端面を第１端面という場合がある。これら第１回路側端子１４Ａは、電子回路体本体１０ａの一辺に沿って配列されている。

　各第２回路側端子１４Ｂは、回路基板１２に接続されている。各第２回路側端子１４Ｂは、電子回路体本体１０ａのうち第１端面と反対側の端面からこの端面と直交する外向き（第２突出方向）に突出している。各第２回路側端子１４Ｂは、第２突出方向に直線状に延びている。以下、電子回路体本体１０ａの端面のうち、第２回路側端子１４Ｂが突出する端面を第２端面という場合がある。第２回路側端子１４Ｂは、電子回路体本体１０ａのうち第１回路側端子１４Ａが突出する辺と反対側の辺に沿って配列されている。

　ただし、本発明に係る電子回路体は当該構造を有するものに限定されない。要は、電子回路体は、電子回路を内蔵する本体と、この本体から外向きに回路側端子が突出するものであればよく、その内部構造は問わない。また、回路側端子として、第１回路側端子と第２回路側端子とを有するものに限らず、第２回路側端子が省略されたものでもよい。また、回路側端子として、第１回路側端子と第２回路側端子とが隣接する辺から直交して突出するものでもよい。また、回路側端子として、第１回路側端子、第２回路側端子に加えて回路基板１２の他の辺から外部に突出する第３回路側端子等を有するものであってもよい。

　第１実施形態では、電子回路体１０は、各回路側端子１４Ａ，１４Ｂの配列方向と載置面５２とが平行となる姿勢で、載置面５２上に載置されている。そのため、載置面５２と直交する方向についてのユニットの寸法（厚み寸法）は、小さく抑えられている。

　以下、載置面５２と直交する方向を上下方向といい、電子回路体１０等が載置される側を上側、その反対側を下側という。また、電子回路体１０が載置面５２に載置された状態における第１突出方向を後方、第２突出方向を前方という。また、各回路側端子１４Ａ，１４Ｂの配列方向を左右方向という。

　第１実施形態に係る電子回路体１０は、図３１及び図３２に示される電子回路体１０に、さらに、取付部材１９が付加されたものである。取付部材１９は、図４等に示されるように、金属板が加工されたものである。取付部材１９は、一対の取付部１９Ａ，１９Ｂと、連結部１９ｃと、結合部１９ｄとを有する。取付部１９Ａ，１９Ｂは、取付部材１９の左右方向両端に設けられている。連結部１９ｃは、樹脂パッケージ１６を跨いで両取付部１９Ａ，１９Ｂを連結している。結合部１９ｄは、各取付部１９Ａ，１９Ｂと樹脂パッケージ１６とをそれぞれ連結している。

　連結部１９ｃは、電子回路体本体１０ａの上面に沿って延びている。両取付部１９Ａ，１９Ｂは、電子回路体本体１０ａよりも左右外側の位置にある。両取付部１９Ａ，１９Ｂは、回路側端子１４Ａ及び第２回路側端子１４Ｂが配列される面と略同等の面上で広がる板状を呈する。両取付部１９Ａ，１９ｂは、これらを板厚方向に貫通するボルト挿通孔（固定部材挿通孔，挿通孔）１７Ａ，１７Ｂを有する。これらのボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂの内側には、ボルト６０が挿通される。これらボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂとベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂにそれぞれ挿入されたボルト６０の端部にナット６２が装着されることで、電子回路体１０は、ベース部材５０に保持される。なお、取付部材１９は必ずしも要さない。例えば、取付部材１９に代えて、電子回路体自体にボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂが設けられてもよい。また、ボルト６０に代えてリベットが用いられてもよい。

　第１コネクタＣＡおよび第２コネクタＣＢは、電子回路体１０と結合することで、複数本の電線４０を電子回路体１０の第１回路側端子１４Ａ及び第２回路側端子１４Ｂにそれぞれ接続する。第１実施形態では、第１コネクタＣＡおよび第２コネクタＣＢは、互いに同一の形状及び構造を有する。

　第１コネクタＣＡは、複数本の第１電線側端子２０Ａと、第１コネクタハウジング３０Ａとを有する。各第１電線側端子２０Ａは、各電線４０の端末に装着される。同様に、第２コネクタＣＢは、複数本の第２電線側端子２０Ｂと、第２コネクタハウジング３０Ｂとを有する。各第２電線側端子２０Ｂは、各電線４０の端末に装着される。

　第１電線側端子２０Ａ及び第２電線側端子２０Ｂは、金属板が加工されたものである。第１電線側端子２０Ａと第２電線側端子２０Ｂとは、互いに同一の形状および構造を有する。図３に示されるように、第１電線側端子２０Ａ及び第２電線側端子２０Ｂは、それぞれ、電線圧着部２２と、雌型の電気接触部２４と、連結部２６とを一体に有する。

　電線圧着部２２は、対応する電線４０の端末に圧着される。電線圧着部２２は、導体バレル２２ａと、インシュレーションバレル２２ｂとを有する。第１実施形態に係る電線４０は、導体４２と導体４２を被覆する絶縁被覆４４とを有する被覆電線である。電線４０の端末において、絶縁被覆４４は除去されており、導体４２は露出している。導体バレル２２ａは、露出した導体４２を抱き込む状態で、導体４２に圧着されている。この圧着により、導体４２と電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）とは導通する。インシュレーションバレル２２ｂは、導体４２の露出部分に隣接する絶縁被覆４４を抱き込む状態で、絶縁被覆４４に圧着されている。

　電気接触部２４は、対応する回路側端子（第１電線側端子２０Ａについては第１回路側端子１４Ａ、第２電線側端子２０Ｂについては第２回路側端子１４Ｂ）と嵌合可能な雌型の嵌合部（第１嵌合部、第２嵌合部）である。電気接触部２４は、嵌合部との嵌合により回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と接触して導通する。

　具体的には、電気接触部２４は、所定の軸方向に延びる箱状を呈している。回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）は、電気接触部２４の軸方向先端の開口部分から、電気接触部２４の内側に、電気接触部２４の軸方向に沿って挿入され、電気接触部２４と接触する。ここで、第１実施形態では、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）は、電子回路体本体１０ａからその突出方向（第１突出方向、第２突出方向）に直線状に延びている。そして、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）は、電気接触部２４の軸方向に挿入される。そのため、電気接触部２４の軸方向と、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）が電気接触部２４内に挿入される方向すなわち回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電気接触部２４との嵌合方向と、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の突出方向（前後方向）とは、全て一致する。以下、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電気接触部２４との嵌合方向を、単に、嵌合方向という場合がある。

　電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の連結部２６は、電線圧着部２２と電気接触部２４との間に介在して両者を連結する。第１実施形態では、連結部２６は、電気接触部２４と電線圧着部２２との間で直線状に延びている。これに伴い、電気接触部２４の軸方向と電線圧着部２２が圧着される電線４０の軸方向とは、一致する。

　なお、電線４０の軸方向と、電気接触部２４の軸方向とは一致していなくてもよい。例えば、連結部２６がその途中部分で屈折しており、電線４０の軸方向と電気接触部２４の軸方向とが直交していてもよい。

　第１コネクタハウジング３０Ａ及び前記第２コネクタハウジング３０Ｂは、互いに同一の形状および構造を有する。各コネクタハウジング３０Ａ，３０Ｂは、それぞれハウジング本体３２とリテーナ３４とを有する。ハウジング本体３２およびリテーナ３４は、合成樹脂等の絶縁材料（例えば、ＰＡ６６、ＰＡ６Ｔ）で成形されている。

　ハウジング本体３２は、各電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）を、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と嵌合可能な姿勢で、まとめて保持する。ハウジング本体３２の外形は、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の配列方向と平行な方向（左右方向）に延びる略直方体である。ハウジング本体３２の内側には、左右方向に並ぶ複数の端子収容室３２ａが形成されている。

　各電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）は、端子収容室３２ａ内にそれぞれ収容されて、前記回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の配列方向と平行な方向（左右方向）に並ぶ姿勢でハウジング本体３２に保持される。各端子収容室３２ａは、前後方向に開口している。電線側端子２０Ａは、それぞれ、端子収容室３２ａの一方の開口部分から端子収容室３２ａ内に挿入される。以下、電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の端子収容室３２ａ内への挿入方向を、端子挿入方向という場合がある。

　ハウジング本体３２は、各端子収容室３２ａの内側に向かってそれぞれ膨出するランス３２ｂを有している。ランス３２ｂは、端子収容室３２ａに挿入された電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）を係止する。電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）は、ランス３２ｂにより係止されることで、端子収容室３２ａ内に保持される。

　回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）は、端子収容室３２ａの開口部分のうち電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）が挿入される開口部分と反対側の開口部から、端子収容室３２ａ内に挿入される。回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）は、端子収容室３２ａ内に挿入されるのに伴い、端子収容室３２ａ内に収容されている電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４内に挿入されて、電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４と嵌合する。以下、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４とが嵌合した状態を嵌合状態という場合がある。

　ハウジング本体３２の端子挿入方向前端面は、前記嵌合状態において、電子回路体本体１０ａの回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）が突出する端面と対向する。具体的には、第１コネクタハウジング３０Ａのハウジング本体３２の第１電線側端子２０Ａの端子挿入方向前端面は、第１端面と対向する。第２コネクタハウジング３０Ｂのハウジング本体３２の第２電線側端子２０Ｂの端子挿入方向前端面は、第２端面と対向する。

　ハウジング本体３２の端子挿入方向前端面のうち各端子収容室３２ａ間の部分ひいては端子収容室３２ａに収容された電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）間の部分（対向面）３２ｃは、端子挿入方向後方に向かって凹んでおり、溝を構成している（図１２および図１３参照）。第１実施形態では、ハウジング本体３２の端子挿入方向前端面のうち各端子収容室３２ａ間の部分３２ｃ全てが溝となっている。以下、この溝部分を、隔離用溝３２ｃという。

　ハウジング本体３２は、鍔３３ｃを有する。鍔３３ｃは、ハウジング本体３２の上側の壁から上方に突出するとともに、左右に延びている。鍔３３ｃは、ハウジング本体３２のうち電気接触部２４が収容される部分よりも端子挿入方向後側（電線４０側）に設けられている。

　ハウジング本体３２のうち鍔３３ｃよりも端子挿入方向前側の部分は、ハウジング本体被覆部３５を構成する。ハウジング本体被覆部３５は、後述する組み付け状態において、カバー８０の後述する嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）によって載置面５２と反対側から覆われる。組み付け状態とは、カバー８０と電子回路体１０とが載置面５２上に載置され、かつ、コネクタＣＡ（ＣＢ）と電子回路体１０とが結合して回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４とが嵌合した状態（第１組み付け状態、第２組み付け状態）をいう。

　また、ハウジング本体３２の左右両側壁のうちハウジング本体被覆部３５よりも端子挿入方向後側の部分は、ハウジング本体３２の左右両側壁のうちハウジング本体被覆部３５よりも端子挿入方向前側の部分よりも左右外側に突出している。

　ハウジング本体被覆部３５は、コネクタ被係止突起（被係止突起）３３ａ，３３ａを有する。コネクタ被係止突起（被係止突起）３３ａ，３３ａは、ハウジング本体被覆部３５の左右両側壁３５ａ，３５ａからそれぞれ左右外側に突出している。各コネクタ被係止突起３３ａ，３３ａは、カバー８０の後述するコネクタ係止孔（係止孔、コネクタ保持部）９４ｂと係合する。各コネクタ被係止突起３３ａ，３３ａは、左右外側に突出した状態から、突出方向と反対方向、すなわち、ハウジング本体被覆部３５の左右両側壁３５ａ，３５ａに近接する方向に、撓み変形する。

　ハウジング本体被覆部３５の上側の壁には、スライド部３３ｂが複数設けられている。各スライド部３３ｂは、ハウジング本体被覆部３５の上側の壁から上方に突出して、嵌合方向（前後方向）に沿って延びている。第１実施形態では、各ハウジング本体被覆部３５の上側の壁の左右に互いに離間した位置に、４つのスライド部３３ｂが設けられている。

　リテーナ３４は、電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）を端子収容室３２ａ内に保持する。リテーナ３４は、電気接触部２４の端子挿入方向後端部に、端子挿入方向前方に向かって当接する。ハウジング本体３２の上側の壁には、各端子収容室３２ａ内と連通する開口部が形成されている。リテーナ３４は、この開口部内に挿入されて、各端子収容室３２ａ内の電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４と当接する。この当接により、リテーナ３４は、電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）が端子収容室３２ａから抜けるのを規制する。

　カバー８０は、ベース部材５０の載置面５２と協働して第１回路側端子１４Ａと第１電線側端子２０Ａとの嵌合領域および第２回路側端子１４Ｂと第２電線側端子２０Ｂとの嵌合領域に異物等が浸入するのを抑制する。カバー８０は、前記組み付け状態において、電子回路体本体１０ａおよび前記嵌合領域を載置面５２と反対の側から覆う。カバー８０は、互いに一体に成形された本体被覆部８１と第１嵌合領域被覆部９０Ａと第２嵌合領域被覆部９０Ｂとを有する。カバー８０は、例えば、ＰＰＳ、ＰＡ６６といった合成樹脂で成形されている。

　カバー８０の本体被覆部８１の具体的構造について、図４、図６等を用いて説明する。

　本体被覆部８１は、電子回路体本体１０ａを載置面５２の反対側から覆う。第１実施形態では、カバー８０の本体被覆部８１は、本体部８２と一対の取付部８４Ａ，８４Ｂとを有する。本体被覆部８１の本体部８２は、電子回路体本体１０ａと、この電子回路体本体１０ａ上に配置された取付部材１９の連結部１９ｃとを覆う。本体被覆部８１の取付部８４Ａ，８４Ｂは、取付部材１９の取付部１９Ａ，１９Ｂをそれぞれ載置面５２の反対側から覆う。本体被覆部８１は、電子回路体本体１０ａに加えて取付部材１９の取付部１９Ａ，１９Ｂも覆う。

　本体被覆部８１の本体部８２は、上壁８２ｃと、側壁８２ａ，８２ｂとを有する。上壁８２ｃは、電子回路体本体１０ａの上面と、この電子回路体本体１０ａ上に配置された取付部材１９の連結部１９ｃの上面とに沿って延びる。側壁８２ａ，８２ｂは、本体被覆部８１の上壁８２ｃの左右両縁からそれぞれ下方に延びる。これら上壁８２ｃと側壁８２ａ，８２ｂとで囲まれた領域に、電子回路体本体１０ａと取付部材１９の連結部１９ｃとが収容される。

　本体被覆部８１の取付部８４Ａ，８４Ｂは、それぞれ、上壁８４ｃ，８４ｃと側壁８４ｄ，８４ｄとを有する。各上壁８４ｃは、本体被覆部８１の本体部８２の側壁８２ａ，８２ｂから左右方向外側に突出している。各上壁８４ｃは、取付部材１９の取付部１９Ａ，１９Ｂの上面にそれぞれ沿って延びる。各側壁８４ｄは、各上壁８４ｃの左右縁から下方に延びる。これら上壁８４ｃと側壁８４ｄとで囲まれた領域に、取付部材１９の取付部１９Ａ，１９Ｂが収容される。

　本体被覆部８１の本体部８２の各壁８２ａ，８２ｂ，８２ｃで囲まれた領域と、本体被覆部８１の取付部８４Ａ，８４Ｂの各壁８４ｃ，８４ｄで囲まれた領域とは連通している。これら壁８２ｃ，８２ａ，８２ｂ，８４ｃ，８４ｄで囲まれた領域に、電子回路体本体１０ａと取付部材１９とが収容される。

　本体被覆部８１の取付部８４Ａ，８４Ｂの各上壁８４ｃには、上下に貫通するボルト挿通孔（固定部材挿通孔、挿通孔）８５Ａ，８５Ｂがそれぞれ形成されている。これらボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂの位置は、前記組み付け状態において、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂの位置に対応する。ボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ内には、ボルト６０が挿通される。第１実施形態では、本体被覆部８１の取付部８４Ａ，８４Ｂの内側に、それぞれ円筒状の円筒部８４ｅ，８４ｅが形成されている。各円筒部８４ｅは、前記組み付け状態において、本体被覆部８１の取付部８４Ａ，８４Ｂの各上壁８４ｃから取付部材１９の取付部１９Ａ、１９Ｂの上面まで延びて、ボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂに挿通されたボルト６０を囲む。

　カバー８０の嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂの具体的構成について説明する。

　第１嵌合領域被覆部９０Ａは、第１回路側端子１４Ａと第１電線側端子２０Ａとの嵌合領域を載置面５２の反対側から覆う。第１嵌合領域被覆部９０Ａは、本体被覆部８１の後端部すなわち第１回路側端子１４Ａ側の端部から、後方（第１突出方向）に延びる。第２嵌合領域被覆部９０Ｂは、第２回路側端子１４Ｂと第２電線側端子２０Ｂとの嵌合領域を載置面５２の反対側から覆う。第２嵌合領域被覆部９０Ｂは、本体被覆部８１の前端部すなわち第２回路側端子１４Ｂ側の端部から、前方（第２突出方向）に延びる。

　第１嵌合領域被覆部９０Ａと第２嵌合領域被覆部９０Ｂとは、前後方向に対称な形状、構造を有する。第１嵌合領域被覆部９０Ａは、上壁９２と、側壁９４，９４と、案内板（案内部）９６、端子隔離部９３とを有する。第１嵌合領域被覆部９０Ａの上壁９２は、本体被覆部８１の本体部８２の上壁８２ｃから後方（第１突出方向）に延びる。第１嵌合領域被覆部９０Ａの側壁９４，９４は、それぞれ、上壁９２の左右両縁から下方に、かつ、本体被覆部８１の本体部８２の側壁８２ａ，８２ｂから後方に延びる。案内板９６は、側壁９４，９４の下端部から左右中央に向かって延びる。端子隔離部９３は、上壁９２から下方に突出する。案内板９６の一部は、側壁９４，９４の後端部どうしを連結している。

　第２嵌合領域被覆部９０Ｂは、第１嵌合領域被覆部９０Ａと同様に、上壁９２と、側壁９４，９４と、案内板（案内部）９６、端子隔離部９３とを有する。なお、第２嵌合領域被覆部９０Ｂの上壁９２は、本体被覆部８１の本体部８２の上壁８２ｃから前方（第２突出方向）に延びる。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の各壁９２，９４，９６は、カバー８０の本体被覆部８１内に電子回路体本体１０ａが収容された状態で、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）を囲む。具体的には、カバー８０の本体被覆部８１内に電子回路体本体１０ａが収容された収容状態において、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２は回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の上方に位置する。前記収容状態において、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁９４，９４は回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の左右外側に位置する。前記収容状態において、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の案内板９６は、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の下方に位置する。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２および側壁９４，９４の前後方向の長さは、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の電子回路体本体１０ａからの突出寸法よりも長い。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の各壁９２，９４，９６に囲まれた領域には、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）のハウジング本体被覆部３５が挿入される。コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）のハウジング本体被覆部３５は、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電気接触部２４とが嵌合する嵌合位置（第１嵌合位置、第２嵌合位置）まで挿入される。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２の下面と案内板９６の上面との距離は、ハウジング本体被覆部３５の高さ寸法以上である。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁９４，９４のうち左右に対向する面どうしの距離は、ハウジング本体被覆部３５の左右両側壁３５ａ，３５ａ間の長さ寸法以上である。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２および側壁９４，９４の前後方向の長さ寸法は、ハウジング本体被覆部３５の前後方向の長さとほぼ同等の長さである。そのため、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の各壁９２，９４，９６で囲まれた領域、および、カバー８０が載置面５２上に載置された状態における載置面５２と嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２と側壁９４，９４とで囲まれた領域には、ハウジング本体被覆部３５が、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の各壁９２，９４，９６の後端部（前端部）で囲まれた挿入口９６ａから前後方向すなわち前記嵌合方向に沿って前記嵌合位置まで挿入される挿入空間が形成されている。

　ここで、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２の下面と案内板９６の上面との距離は、ハウジング本体被覆部３５の高さ寸法とほぼ同じである。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁９４，９４の左右に対向する面どうしの距離は、ハウジング本体被覆部３５の左右両側壁３５ａ，３５ａ間の長さ寸法とほぼ同じである。ハウジング本体３２のうち鍔３３ｃが設けられた部分の高さ寸法は、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２の下面と案内板９６の上面との距離よりも大きい。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の左右両側壁９４，９４には、それぞれコネクタ係止孔９４ｂ，９４ｂが形成されている（図１２および図１３参照）。具体的には、各コネクタ係止孔９４ｂは、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の内側面、すなわち、右側壁における左側面と左側壁における右側面とにそれぞれ形成されている。各コネクタ係止孔９４ｂは、ハウジング本体被覆部３５が前記嵌合位置にある状態において、コネクタ被係止突起３３ａと係合する。

　コネクタ被係止突起３３ａの突出寸法は、ハウジング本体被覆部３５が嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）内に挿入される際に、コネクタ係止孔９４ｂの位置（嵌合位置）に到達するまでは嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁９４により押圧されて撓み変形する一方、コネクタ係止孔９４ｂの位置に到達すると弾性復帰してコネクタ係止孔９４ｂと係合する寸法に設定されている。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の左右両側壁９４，９４には、それぞれ下方に突出するカバー被係止突起９４ａ，９４ａが設けられている。カバー被係止突起９４ａは、ベース部材５０のカバー係止孔５４ａと係合する。カバー被係止突起９４ａは、カバー係止孔５４ａ内に挿通された状態において、ベース部材５０の下面に下方から当接する。

　端子隔離部９３は、連結部９３ａと、左右に並ぶ複数の隔離突起９３ｂとを有する。連結部９３ａは、左右方向に延びる板状である。各隔離突起９３ｂは、連結部９３ａから下方に突出する。隔離突起９３ｂどうしの左右方向の離間距離は、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の左右方向の離間距離と同じである。図１２に示すように、各隔離突起９３ｂは、カバー８０内に電子回路体１０が収容された状態において、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）間に介在する。各隔離突起９３ｂは、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）間に介在した状態において、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）よりも上方の位置から回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）よりも下方の位置まで延びる。

　第１実施形態では、各隔離突起９３ｂは、カバー８０内に電子回路体１０が収容された状態において、電子回路体本体１０ａの端面のうちの回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）が突出する端面と接触する位置から回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の突出方向（第１突出方向、第２突出方向）に延びる。

　各隔離突起９３ｂの先端部分は、前記組み付け状態において、各隔離用溝３２ｃ内にそれぞれ配置される。具体的には、ハウジング本体３２の前後方向の寸法は、前記組み付け状態においてその端子挿入方向前端面が電子回路体本体１０ａから端子突出方向にわずかに離間するような値に設定されている。各隔離突起９３ｂの前後方向の寸法は、隔離用溝３２ｃの前後方向の寸法とほぼ同じに設定されている。そのため前記組み付け状態において、各隔離突起９３ｂは、電子回路体１０の本体１０ａから各隔離用溝３２ｃの内側まで延びる。各隔離突起９３ｂの外側面は、各隔離用溝３２ｃ内に配置された状態において、各隔離用溝３２ｃの内側面に沿って延びる。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２の下面には、前後方向（嵌合方向）に延びる複数の案内用溝（案内部）９２ａが形成されている。各スライド部３３ｂは、各案内用溝９２ａ内を前後方向にスライドする。このスライドにより、スライド部３３ｂひいてはコネクタＣＡ（ＣＢ）は嵌合方向に案内される。第１実施形態では、スライド部３３ｂと対応して、４本の案内用溝９２ａが左右に離間する位置に設けられている。

　次に、電子回路ユニット１の製造方法（組み付け方法）を説明する。第１実施形態では、組み付け用治具１００を用いる。

　図７に、組み付け用治具１００の概略斜視図を示す。組み付け用治具１００の上面１０２には、ベース部材５０が載置される。

　組み付け用治具１００は、一対の仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを有する。仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂの位置は、組み付け用治具１００の上面１０２にベース部材５０が載置された状態において、ベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂの位置と対応する。仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂの外径は、ボルト６０の外径よりも小さい。

　組み付け用治具１００は、複数の係止突起挿入孔１０４ａを有する。各係止突起挿入孔１０４ａの位置は、組み付け用治具１００の上面１０２にベース部材５０が載置された状態において、ベース部材５０の各カバー係止孔５４ａの位置と対応する。係止突起挿入孔１０４ａの孔系は、カバー係止孔５４ａよりも孔径の大きな係止突起挿入孔１０４ａを有する。

　組み付け用治具１００を用いた電子回路ユニット１の組付方法は次の工程を含む。

　１）各コネクタＣＡ，ＣＢへ電線４０を接続する接続工程
　この工程では、第１コネクタＣＡ及び第２コネクタＣＢにそれぞれ電線４０を接続する。具体的に、各電線４０の端末に、予め電線側端子２０Ａ，２０Ｂを圧着しておく。電線側端子２０Ａ，２０Ｂを端子収容室３２ａ内にそれぞれ挿入する。電線側端子２０Ａ，２０Ｂを、ランス３２ｂによって、端子収容室３２ａ内に係止する。ハウジング本体３２にリテーナ３４を取付ける。リテーナ３４によって、電線側端子２０Ａ，２０Ｂを端子収容室３２ａ内に保持させる。

　２）固定工程
　この工程では、図８に示すように、ベース部材５０を、載置面５２が上方を向く姿勢で、組み付け用治具１００の上面１０２上に載置する。このとき、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを、ベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂにそれぞれ挿入する。この挿入により、ベース部材５０は、組み付け用治具１００に仮係止される。この状態において、各係止突起挿入孔１０４ａは、各カバー係止孔５４ａと合致する。

　次に、図９に示すように、電子回路体１０を、第１回路側端子１４Ａの配列方向および第２回路側端子１４Ｂの配列方向が載置面５２と平行になる姿勢で、載置面５２上に載置する。このとき、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂにそれぞれ挿入する。この挿入により、電子回路体１０は組み付け用治具１００に仮係止される。

　次に、図１０に示すように、カバー８０を載置面５２上に載置する。このとき、カバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂに、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂをそれぞれ挿入する。また、各カバー被係止突起９４ａを、各カバー係止孔５４ａおよび各係止突起挿入孔１０４ａに挿入する。

　前述のように、係止突起挿入孔１０４ａの孔径は、カバー係止孔５４ａの孔径よりも大きい。そのため、カバー被係止突起９４ａは、カバー係止孔５４ａ内においてベース部材５０の下面に下方から当接する。この当接により、カバー８０はベース部材５０に固定される。

　第１実施形態では、カバー８０が載置面５２上に載置された状態において、本体被覆部８１の各側壁８２ａ，８２ｂ，８４ｄの下端部、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の各側壁９４の下端部および案内板９６の下端部全体が、載置面５２と接触する。

　カバー８０が載置面５２に載置された状態において、電子回路体本体１０ａおよび電子回路体１０の取付部材１９は、カバー８０の本体被覆部８１により載置面５２と反対側（上方）から覆われる。第１回路側端子１４Ａは、カバー８０の第１嵌合領域被覆部９０Ａによって、載置面５２と反対側から覆われる。第２回路側端子１４Ｂは、カバー８０の第２嵌合領域被覆部９０Ｂによって、載置面５２と反対側から覆われる。図１２に示すように、第１回路側端子１４Ａどうしの間および第２回路側端子１４Ｂどうしの間には、各隔離突起９３ｂが配置される。

　次に、カバー８０、電子回路体１０およびベース部材５０の各ボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ、１７Ａ，１７Ｂ、５５Ａ，５５Ｂから仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを引き抜きつつ、電子回路体１０とカバー８０とが載置されたベース部材５０を、組み付け用治具１００から取り外す。

　次に、図１１に示すように、電子回路体１０およびカバー８０を互いに連結した状態で、ベース部材５０に固定する。具体的には、カバー８０、電子回路体１０およびベース部材５０の各ボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ、１７Ａ，１７Ｂ、５５Ａ，５５Ｂにボルト６０を挿通して、ボルト６０の端部にナットを装着する。

　３）嵌合保持工程
　この工程では、図１１および図１２に示すように第１電線側端子２０Ａと第１回路側端子１４Ａとが嵌合していない離脱位置（第１離脱位置）にある第１コネクタＣＡを、図１３に示すように前記第１嵌合位置に配置して、第１電線側端子２０Ａと第１回路側端子１４Ａとを嵌合させる。また、第１コネクタＣＡをカバー８０に保持させる。同様に、第２電線側端子２０Ｂと第２回路側端子１４Ｂとが嵌合していない離脱位置（第２離脱位置）にある第２コネクタＣＢを、前記第２嵌合位置に配置して、第２電線側端子２０Ｂと第２回路側端子１４Ｂとを嵌合させる。また、第２コネクタＣＢを、カバー８０に保持させる。

　具体的には、第１コネクタＣＡのハウジング本体被覆部３５を、第１嵌合領域被覆部９０Ａの挿入口９６ａ内に配置する。その後、各スライド部３３ｂを各案内用溝９２ａに沿ってスライドさせつつ、第１コネクタＣＡを前方（電子回路体１０側）に押圧して、ハウジング本体被覆部３５を、第１嵌合領域被覆部９０Ａと載置面５２との間に挿入していく。これに伴って、第１回路側端子１４Ａは、第１コネクタＣＡの端子収容室３２ａ内に挿入される。第１コネクタＣＡが第１嵌合位置に到達するまで押圧されると、第１回路側端子１４Ａと第１電線側端子２０Ａの電気接触部２４とは嵌合する。このとき、各隔離突起９３ｂの外側面が各隔離用溝３２ｃの内側面に沿った状態で、各隔離突起９３ｂは、第１コネクタＣＡの各隔離用溝３２ｃ内に配置される。

　第１コネクタＣＡが第１嵌合位置に到達するまでの間、各コネクタ被係止突起３３ａは、第１嵌合領域被覆部９０Ａの側壁９４，９４により押圧されることでハウジング本体被覆部３５側に撓み変形する。ハウジング本体被覆部３５が第１嵌合位置に到達すると、各コネクタ被係止突起３３ａは、各コネクタ係止孔９４ｂの位置に到達する。この位置に到達すると、各コネクタ被係止突起３３ａは、弾性復帰して各コネクタ係止孔９４ｂと係合する。この係合により、第１コネクタＣＡはカバー８０に保持される。

　また、第２コネクタＣＢのハウジング本体被覆部３５を、第２嵌合領域被覆部９０Ｂの挿入口９６ａ内に配置する。その後、各スライド部３３ｂを各案内用溝９２ａに沿ってスライドさせつつ、第２コネクタＣＢを後方（電子回路体１０側）に押圧して、ハウジング本体被覆部３５を、第２嵌合領域被覆部９０Ｂと載置面５２との間に挿入していく。これに伴って、第２回路側端子１４Ｂは、第２コネクタＣＢの端子収容室３２ａ内に挿入される。第２コネクタＣＢが第２嵌合位置に到達するまで押圧されると、第２回路側端子１４Ｂと第２電線側端子２０Ｂの電気接触部２４とは嵌合する。このとき、各隔離突起９３ｂの外側面が各隔離用溝３２ｃの内側面に沿った状態で、各隔離突起９３ｂは、第２コネクタＣＢの各隔離用溝３２ｃ内に配置される。

　第２コネクタＣＢが第２嵌合位置に到達するまでの間、各コネクタ被係止突起３３ａは、第２嵌合領域被覆部９０Ｂの側壁９４，９４により押圧されることでハウジング本体被覆部３５側に撓み変形する。ハウジング本体被覆部３５が第２嵌合位置に到達すると、各コネクタ被係止突起３３ａは、各コネクタ係止孔９４ｂの位置に到達する。この位置に到達すると、各コネクタ被係止突起３３ａは、弾性復帰して各コネクタ係止孔９４ｂと係合する。この係合により、第２コネクタＣＢはカバー８０に保持される。

　ここで、第１実施形態では、前述のように、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁９２の下面と案内板９６の上面との距離が、ハウジング本体被覆部３５の高さ寸法とほぼ同じに設定されている。従って、コネクタＣＡ（ＣＢ）の移動途中において、前述のように各スライド部３３が各案内用溝９２ａに沿ってスライドするとともに、コネクタＣＡ（ＣＢ）の下面が案内板９６に沿ってスライドする。そのため、コネクタＣＡ（ＣＢ）に保持されている第２電線側端子２０Ｂは、対応する回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）に精度よく案内される。

　また、第１実施形態では、各隔離突起９３ｂが、各回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）どうしの間にそれぞれ配置されている。そのため、各隔離突起９３ｂが、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の変形を抑制する。従って、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）とが、より確実に嵌合する。

　以上により、前記電子回路ユニット１の組み付けは完了する。

　組み付け完了状態において、第１コネクタＣＡのハウジング本体被覆部３５、ひいては、第１電線側端子２０Ａの電気接触部２４と第１回路側端子１４Ａとの嵌合領域は、第１嵌合領域被覆部９０Ａにより載置面５２と反対側から覆われる。また、第２コネクタＣＢのハウジング本体被覆部３５、ひいては、第２電線側端子２０Ｂの電気接触部２４と第２回路側端子１４Ｂとの嵌合領域は、第２嵌合領域被覆部９０Ｂにより載置面５２と反対側から覆われる。また、第１嵌合領域被覆部９０Ａのうち挿入口９６ａが開口する端面は、第１コネクタＣＡのうちハウジング本体被覆部３５よりも後側の部分の前端面（鍔３３ｃの前端面を含む）によって、後方から覆われる。また、第２嵌合領域被覆部９０Ｂのうち挿入口９６ａが開口する端面は、第２コネクタＣＡのうちハウジング本体被覆部３５よりも前側の部分の後端面（鍔３３ｃの後端面を含む）により前方から覆われる。

　以上のように、第１実施形態に係る電子回路ユニット１では、ベース部材５０の載置面５２とカバー８０の嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂとにより、電線側端子２０Ａ，２０Ｂと回路側端子１４Ａ，１４Ｂとの嵌合領域が、両側から覆われる。そのため、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂを有するカバー８０を設けるという簡単な構成で、電子回路ユニット１が自動変速機のケース内に収容された使用状態において、このケース内を流れるオイル内の異物が嵌合領域ひいては各端子間に混入するのを有効に抑止することができる。このことは、異物を媒体とする回路間の短絡といったトラブルを防止する。換言すれば、この電子回路ユニット１では、自動変速機のケース内に存在する異物に起因するトラブルを簡素な構造で抑止しつつ（具体的には安価な構造で異物の進入を防止しつつ）、電子回路ユニット１と電線（例えば耐熱電線）４０とを接続することができる。

　特に、カバー８０は電子回路体本体１０ａを覆う本体被覆部８１を有し、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂは本体被覆部８１から回路側端子１４Ａ，１４Ｂの突出方向に延びる形状を有している。そのため、電子回路体本体１０ａ側から嵌合領域側へ異物が進入するのが有効に抑止される。

　さらに、カバー８０には、コネクタＣＡ，ＣＢのコネクタ被係止突起３３ａを係止するコネクタ係止孔９４ｂ，９４ｂが設けられている。そのため、カバー８０によって、コネクタＣＡ，ＣＢを嵌合位置に保持することもできる。

　また、第１実施形態に係る電子回路ユニット１では、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂと載置面５２との間に、コネクタＣＡ，ＣＢが挿入可能な挿入空間が形成されている。そのため、電子回路体１０とカバー８０とをベース部材５０に固定した後、コネクタＣＡ，ＣＢを嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂと載置面５２との間に挿入するという簡単な手順で、コネクタＣＡ，ＣＢを嵌合位置に配置させることができる。すなわち、端子どうしを容易にかつ確実に嵌合させることができる。また、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂによって、嵌合領域が確実に覆われる。

　ここで、案内板９６は省略可能である。ただし、案内板９６を設けてコネクタＣＡ，ＣＢを案内板９６の上面に沿って移動させれば、コネクタＣＡ，ＣＢをより容易にかつ確実に嵌合位置に配置することができる。同様に、案内用溝９２ａおよびスライド部３３ｂは省略可能である。ただし、案内用溝９２ａによってコネクタＣＡ，ＣＢが嵌合位置に案内されれば、コネクタＣＡ，ＣＢがより容易にかつ確実に嵌合位置に配置することができる。

　また、端子隔離部９３および隔離突起９３ｂは省略可能である。ただし、隔離突起９３ｂが回路側端子１４Ａ，１４Ｂどうしの間に介在すれば、隔離突起９３ｂが回路側端子１４Ａ，１４Ｂどうしの短絡をより確実に抑制する。また、端子隔離部９３が回路側端子１４Ａ，１４Ｂの変形を抑制する。そのため、回路側端子１４Ａ，１４Ｂと電線側端子２０Ａ，２０Ｂとの嵌合をより確実に行なうことができる。特に、第１実施形態のように、端子隔離部９３が電子回路体本体１０ａの端面と接触してこの端面から端子突出方向に延びていれば、この端面に沿って異物等が端子間に介在するのが抑止される。

　また、隔離用溝３２ｃは省略可能である。ただし、隔離用溝３２ｃを設け、隔離突起９３ｂをこの隔離用溝３２ｃ内にその外側面がこの隔離用溝３２ｃの内側面に沿う状態で配置すれば、隣合う端子間のハウジング本体３２の端面３２ｃに沿う方向の距離が大きくなる。そのため、端子同士の短絡がより確実に抑制される。すなわち、各端子間には、隔離用溝３２ｃと隔離突起９３ｂとによりいわゆるラビリンス構造が形成されて、異物等は、前記隔離用溝３２ｃと隔離突起９３ｂとの間の隙間を通過せねば他の端子側へ進入することができない。従って、異物等の進入がより確実に抑止される。

　また、カバー８０にコネクタＣＡ，ＣＢを保持させる構造は前記に限らない。ただし、コネクタ係止孔９４ｂと、撓み変形可能なコネクタ被係止突起３３ａ，３３ｂとを用いれば、コネクタ被係止突起３３ａ，３３ｂを撓み変形させつつコネクタＣＡ，ＣＢを移動させるという簡単な手順で、各端子を嵌合させつつコネクタ被係止突起３３ａ，３３ｂとコネクタ係止孔９４ｂとを係合させてコネクタＣＡ，ＣＢが嵌合位置に固定される。

　また、電子回路ユニット１を組み付ける方法は前記に限らない。例えば、組み付け用治具１００を用いなくてもよい。具体的には、第１実施形態に係る組み付け方法において、ベース部材５０および電子回路体１０を組み付け用治具１００に仮係止する工程と、カバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂに仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを挿入する工程とを省略してもよい。ただし、組み付け用治具１００を用いて、組み付け用治具１００の仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを、ベース部材５０および電子回路体１０のボルト挿通孔にそれぞれ挿入して、組み付け用治具１００にベース部材５０および電子回路体１０を仮係止するとともに、カバー８０のボルト挿通孔に仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを挿入すれば、これらベース部材５０、電子回路体１０およびカバー８０の位置精度が高められる。このことは、カバー８０の回路側端子１４Ａ，１４Ｂひいては嵌合領域を覆う位置への確実な配置を実現する。

　本発明の好ましい第２実施形態について図面を参照しながら説明する。

　図１４は、第２実施形態に係る電子回路ユニット１の概略斜視図である。図１５は、図１４を背面から見た図である。図１６は、図１４の断面図である。図１７は、電子回路ユニット１の概略分解斜視図である。図１８は、電子回路ユニット１の概略分解断面図である。

　第２実施形態に係る電子回路ユニット１は、第１実施形態と同様に、電子回路体１０と、第１コネクタＣＡと、第２コネクタＣＢと、ベース部材５０と、カバー８０とを備える。一方、第２実施形態に係る電子回路ユニット１の第１コネクタＣＡと、第２コネクタＣＢと、ベース部材５０と、カバー８０の構造は、第１実施形態に係るこれらの構造と異なる。また、第２実施形態に係る電子回路ユニット１を組み付ける際に用いる組み付け用治具１００の構造が、第１実施形態に係る組み付け用治具１００の構造と異なっている。

　第２実施形態に係るベース部材５０は、第１実施形態に係るベース部材５０に、さらに、その板厚方向に貫通する複数（４つ）の案内突起挿通孔５６ａを有する。各案内突起挿通孔５６ａ内には、組み付け用治具１００の後述する案内突起１０６Ａ、１０６Ｂが挿通可能である。

　第２実施形態では、第１コネクタＣＡおよび第２コネクタＣＢのうち第１コネクタハウジング３０Ａと第２コネクタハウジング３０Ｂの構造が、第１実施形態と異なっている。

　ここでは、第１コネクタＣＡおよび第２コネクタＣＢのうち第１コネクタハウジング３０Ａ及びコネクタハウジング３０Ｂの具体的構造について説明する。

　コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の外形は、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の配列方向と平行な方向（左右方向）に延びる略直方体である。具体的には、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）は、下壁１３２と、一対の側壁１３３，１３３と、上壁１３１とを有している。下壁１３２は、左右方向に延びている。下壁１３２は、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）が載置面５２に載置された際に、載置面５２と接触する。側壁１３３，１３３は、下壁１３２の左右両端から上方に延びる。上壁１３１は、これら側壁１３３，１３３の上端部分にわたって延びる。

　コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の内側には、左右方向に並び前後方向に延びる複数の端子収容室（端子挿入部）１３６が形成されている。各端子収容室１３６は、前後方向に開口している。各電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）は、各端子収容室１３６内に挿入される。各電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）は、左右方向（回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の配列方向）と平行な方向に沿って並ぶ姿勢で、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）に保持される。端子収容室１３６の端子挿入方向（電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）が端子収容室１３６内に挿入される方向）前方からは、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）が挿入される。端子収容室１３６内において、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）は電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４内に挿入され、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）と電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）とは嵌合する。

　図１６に示すように、第２実施形態では、端子収容室１３６の端子挿入方向前端部には、回路側端子１４Ａ（１４Ｂ）の突出方向端部が挿入される。

　コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）は、複数のリテーナ挿入孔（開口部）１３１ａを有する。リテーナ挿入孔（開口部）１３１ａは、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の上壁１３１を上下に貫通している。各リテーナ挿入孔（開口部）１３１ａは、各端子収容室１３６とそれぞれ連通する。各リテーナ挿入孔１３１ａは、各端子収容室１３６内に収容されている電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４の端子挿入方向後端部（端子被当接部）に対応する位置から、端子挿入方向後方に延びている。

　コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）は、コネクタ被係止部（突出部、被当接部）１３４と立壁部１３５とを有する。コネクタ被係止部１３４と立壁部１３５とは、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の上壁１３１および左右両側壁１３３，１３３から外側に突出している。コネクタ被係止部１３４の一部と立壁部１３５の一部とは、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の上壁１３１から上方に突出するとともに、この上壁１３１の全体にわたって左右方向に延びている。コネクタ被係止部１３４の他部と立壁部１３５の他部とは、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の左右両側壁１３３，１３３から左右外側に突出するとともに、これら側壁１３３，１３３の上下方向全体にわたって上下方向に延びている。コネクタ被係止部１３４と立壁部１３５とは、前後方向に離間した状態で、互いに平行に延びている。コネクタ被係止部１３４は、リテーナ挿入孔１３１ａよりも端子挿入方向後方に位置する。立壁部１３５は、コネクタ被係止部１３４よりも端子挿入方向後方に位置する。上壁１３１および左右両側壁１３３，１３３からの立壁部１３５の突出寸法は、コネクタ被係止部１３４の突出寸法よりも大きい。

　第２実施形態では、カバー８０のうち第１嵌合領域被覆部９０Ａと第２嵌合領域被覆部９０Ｂの構造が、第１実施形態と異なっている。すなわち、第１実施形態と第２実施形態において、本体被覆部８１の構造は同一である。ここでは、カバー８０のうち第１嵌合領域被覆部９０Ａと第２嵌合領域被覆部９０Ｂの具体的構造について説明する。

　第１嵌合領域被覆部９０Ａは、第１回路側端子１４Ａと第１電線側端子２０Ａとの嵌合領域を載置面５２の反対側から覆う。第１嵌合領域被覆部９０Ａは、第１実施形態と同様に、本体被覆部８１の後端部（第１回路側端子１４Ａ側の端部）から後方（第１突出方向）に延びている。

　第２嵌合領域被覆部９０Ｂは、第２回路側端子１４Ｂと第２電線側端子２０Ｂとの嵌合領域を載置面５２の反対側から覆う。第２嵌合領域被覆部９０Ｂは、本体被覆部８１の前端部（第２回路側端子１４Ｂ側の端部）から前方（第２突出方向）に延びている。

　第１嵌合領域被覆部９０Ａと第２嵌合領域被覆部９０Ｂとは、前後方向に対称な形状、構造を有する。第１嵌合領域被覆部９０Ａと第２嵌合領域被覆部９０Ｂとは、それぞれ上壁１９２と、一対の側壁１９４，１９４と、複数のリテーナ部（端子規制部）１９６とを有する。第１嵌合領域被覆部９０Ａの上壁１９２は、本体被覆部８１の本体部８２の上壁８２ｃから後方（第１突出方向）に延びている。第２嵌合領域被覆部９０Ｂの上壁１９２は、本体被覆部８１の本体部８２の上壁８２ｃから前方（第２突出方向）に延びている。各嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁１９４，１９４は、上壁９２の左右両縁からそれぞれ下方に延びている各嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）のリテーナ部１９６は、上壁１９２から下方に突出している。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁１９４，１９４および上壁１９２で囲まれた領域には、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）のうち立壁部１３５よりも端子挿入方向前方の部分（本体被覆部８１により覆われる端子挿入方向前端を除く）が収容される。以下、このコネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の立壁部１３５よりも端子挿入方向前方の部分のうち本体被覆部８１により覆われる端子挿入方向前端を除く部分を、ハウジング本体被覆部１３７という。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の内側面には、外側面側に向かって膨出するコネクタ係止溝１９５（規制部、凹部）が形成されている。具体的には、コネクタ係止溝１９５は、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁１９２の下面と、右側壁１９４の左側面と、左側壁１９４の右側面と形成されている。

　コネクタ係止溝１９５が形成された嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の内側面は、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）内にハウジング本体被覆部１３７が収容された状態において、ハウジング本体被覆部１３７の外側面と対向する。具体的には、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁１９２の下面は、ハウジング本体被覆部１３７の上面と対向する。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の右側壁１９４の左側面と左側壁１９４の右側面とは、それぞれハウジング本体被覆部１３７の左右側壁１３３，１３３と対向する。

　コネクタ係止溝１９５は、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の内側面の全周にわたって延びている。詳細には、コネクタ係止溝１９５の一部は、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁１９２の左右方向全体にわたって延びている。コネクタ係止溝１９５の他部は、この一部に連続して嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁１９４，１９４の上下全体にわたって延びている。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）内にハウジング本体被覆部１３７が収容された状態において、コネクタ係止溝１９５の内側には、その長手方向全体にわたってコネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）のコネクタ被係止部１３４が挿入される。

　第２実施形態では、コネクタ被係止部１３４の全体がコネクタ係止溝１９５内に挿入されるように構成されている。具体的には、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁１９２の下面と側壁１９４，１９４の下端部との距離が、コネクタ被係止部１３４が突出するハウジング本体被覆部１３７の上壁１３１の上面と下壁３２の下面との距離とほぼ同じに設定されている。また、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁１９４，１９４の左右に対向する面どうしの距離が、ハウジング本体被覆部１３７の左右の幅両側壁１３３，１３３の左右に対向する面どうしの距離とほぼ同じに設定されている。

　また、コネクタ係止溝１９５の前後方向の幅は、コネクタ被係止部１３４の前後方向の幅とほぼ同一に設定されている。コネクタ係止溝１９５内にコネクタ被係止部１３４が挿入された状態において、コネクタ係止溝１９５の内側面は、コネクタ被係止部１３４の外側面に沿って延びる。コネクタ係止溝１９５の内側面のうち本体被覆部８１と反対側の部分すなわち端子突出方向先端側の部分（第１嵌合領域被覆部９０Ａのコネクタ係止溝１９５については後側部分、第２嵌合領域被覆部９０Ｂのコネクタ係止溝１９５については前側部分）は、これと対向するコネクタ被係止部１３４の外側面に、本体被覆部８１側に向かって当接可能となっている。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁１９２および側壁１９４，１９４の前後方向の長さは、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）内にハウジング本体被覆部１３７が収容された状態において、これら壁１９２，１９４，１９４の端子突出方向先端部が立壁部１３５と近接するような寸法に設定されている。嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の上壁１９２および側壁１９４，１９４の端子突出方向先端面１９１ａは、前後方向と直交する方向に延びている。ここで、前述のように、立壁部１３５の突出寸法は、コネクタ被係止部１３４の突出寸法よりも大きい。そのため、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）内にハウジング本体被覆部１３７が収容された状態において、立壁部１３５は嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の端子突出方向先端面１９１ａと対向する。

　各リテーナ部１９６は、各リテーナ挿入孔１３１ａに対応して、左右に並んでいる。各リテーナ部１９６は、各リテーナ挿入孔１３１ａ内に挿入される。各リテーナ部１９６は、各リテーナ挿入孔１３１ａ内に挿入された状態において、端子収容室１３６内の各電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）の電気接触部２４に、端子挿入方向後方から当接する。各リテーナ部１９６は、この当接により、各電線側端子２０Ａ（２０Ｂ）が端子収容室１３６から抜けるのを規制する。

　嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の側壁１９４，１９４には、下方に突出するカバー被係止突起１９４ａ，１９４ａがそれぞれ設けられている。カバー被係止突起１９４ａは、第１実施形態に係るカバー被係止突起９４ａと同様の構成を有する。カバー被係止突起１９４ａは、カバー係止孔５４ａ内に挿通された状態において、ベース部材５０の下面に下方から当接する。

　次に、この電子回路ユニット１の製造方法（組み付け方法）を説明する。第２実施形態では、図２０に示す組み付け用治具１００を用いる。

　第２実施形態に係る組み付け用治具１００には、第１実施形態に係る組み付け用治具１００に、さらに一対の仮係止突起（仮係止部材）１０５Ａ，１０５Ｂと、一対の第１案内突起（案内部）１０６Ａ，１０６Ａと、一対の第２案内突起（案内部）１０６Ｂ，１０６Ｂとが付加されている。仮係止突起１０５Ａは、組み付け用治具１００の上面１０２から上方に突出する。仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂの外径は、ボルト６０の外径よりも小さい。第１案内突起（案内部）１０６Ａおよび第２案内突起（案内部）１０６Ｂは、組み付け用治具１００の上面１０２から上方に突出する。

　第１案内突起１０６Ａどうしの左右方向の離間距離は、第１コネクタハウジング３０Ａのハウジング本体被覆部１３７の左右方向の幅と一致する。第１案内突起１０６Ａは、後述するように、組み付け用治具１００に電子回路体１０が仮係止された仮係止状態において、第１回路側端子１４Ａの突出方向先端部分近傍、かつ第１回路側端子１４Ａの左右外側に位置にする。

　第２案内突起１０６Ｂどうしの左右方向の離間距離は、第２コネクタハウジング３０Ｂのハウジング本体被覆部１３７の左右方向の幅と一致する。第２案内突起１０６Ｂは、後述するように、前記仮係止状態において、第２回路側端子１４Ｂの突出方向先端部分近傍、かつ、第２回路側端子１４Ｂの左右外側に位置にする。

　第２実施形態に係る組み付け用治具１００を用いた電子回路ユニット１の組付方法は次の工程を含む。

　（２）第２実施形態に係る電子回路ユニット１の組付方法
　（２－１）各コネクタＣＡ，ＣＢへ電線４０を接続する接続工程
　この工程では、第１コネクタＣＡ及び第２コネクタＣＢにそれぞれ電線４０を接続する。具体的に、各電線４０の端末に、予め電線側端子２０Ａ，２０Ｂを圧着しておく。電線側端子２０Ａ，２０Ｂを、端子収容室１３６内にそれぞれ挿入する。電線側端子２０Ａ，２０Ｂを、ランス３２ｂによって、端子収容室１３６内に係止する。

　（２－２）載置工程
　この工程では、まず、図２１に示すように、ベース部材５０を組み付け用治具１００の上面１０２上に載置して、ベース部材５０を組み付け用治具１００に仮係止する。このとき、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂは、ベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂにそれぞれ挿入される。案内突起１０６Ａ，１０６Ｂは、ベース部材５０の各案内突起挿通孔５６ａにそれぞれ挿入される。また、ベース部材５０の載置面５２は、上方を向くように配置される。この仮係止状態において、各係止突起挿入孔１０４ａの位置は、ベース部材５０の各カバー係止孔５４ａの位置と合致する。

　次に、図２２に示すように、ベース部材５０の載置面５２上に、電子回路体１０を載置する。このとき、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂは、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂにそれぞれ挿入される。また、第１回路側端子１４Ａの配列方向および第２回路側端子１４Ｂの配列方向と、載置面５２とは、平行になる。仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂがボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂに挿入されることで、電子回路体１０は組み付け用治具１００に仮係止される。この仮係止状態において、第１案内突起１０６Ａ，１０６Ａおよび第２案内突起１０６Ｂは、第１回路側端子１４Ａおよび第２回路側端子１４Ｂの突出方向先端部分近傍、かつ、これら第１回路側端子１４Ａおよび第２回路側端子１４Ｂの左右外側に位置する。

　（２－３）嵌合工程
　この工程では、第１コネクタＣＡを電子回路体１０に結合させて、第１コネクタＣＡに保持されている第１電線側端子２０Ａと第１回路側端子１４Ａとを嵌合させる。また、第２コネクタＣＢを電子回路体１０に結合させて、第２コネクタＣＢに保持されている第２電線側端子２０Ｂと第２回路側端子１４Ｂとを嵌合させる。

　具体的には、まず、図２３に示すように、第１コネクタＣＡを、リテーナ挿入孔１３１ａが上方に開口する姿勢で、第１コネクタＣＡと電子回路体１０とが結合する第１嵌合位置よりも後方の位置（第１離脱位置）に配置する。

　また、第２コネクタＣＢを、リテーナ挿入孔１３１ａが上方に開口する姿勢で、第２コネクタＣＢと電子回路体１０とが結合する第２嵌合位置よりも前方の位置（第２離脱位置）に配置する。

　その後、図２４に示すように、ハウジング本体被覆部１３７の左右両側壁１３３，１３３を第１案内突起１０６Ａ，１０６Ａに沿わせつつ、前記第１コネクタＣＡを前方（電子回路体１０側）に押圧する。このとき、第１コネクタＣＡの端子収容室１３６内に、第１回路側端子１４Ａが挿入される。第１コネクタＣＡが第１嵌合位置まで押圧されることで、端子収容室１３６内の電気接触部２４と第１回路側端子１４Ａとが嵌合する。

　また、ハウジング本体被覆部１３７の左右両側壁１３３，１３３を第２案内突起１０６Ｂ，１０６Ｂに沿わせつつ、第２コネクタＣＢを後方（電子回路体１０側）に押圧する。このとき、第２コネクタＣＢの端子収容室１３６内に、第２回路側端子１４Ｂが挿入される。第２コネクタＣＢが第２嵌合位置まで押圧されることで、端子収容室１３６内の電気接触部２４と第２回路側端子１４Ｂとが嵌合する。

　ここで、第２実施形態では、ハウジング本体被覆部１３７の左右両側壁１３３，１３３を各案内突起１０６Ａ，１０６Ｂに沿わせつつコネクタＣＡ、ＣＢを移動させており、コネクタＣＡ、ＣＢは嵌合位置に精度よく移動する。

　（２－４）固定工程
　この工程では、図２５に示すように、カバー８０を、互いに結合している電子回路体１０およびコネクタＣＡ，ＣＢに載置面５２と反対の側（上方）から被せつつ、ベース部材５０の載置面５２上に載置する。そして、カバー８０を、ベース部材５０に固定する。

　具体的には、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを、カバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ内にそれぞれ挿入する。またカバー８０のカバー被係止突起１９４ａを、ベース部材５０のカバー係止孔５４ａ内と組み付け用治具１００の係止突起挿入孔１０４ａ内とに挿入する。そして、カバー８０を、上方から電子回路体１０およびコネクタＣＡ，ＣＢに被せる。

　このとき、カバー８０の本体被覆部８１は、電子回路体本体１０ａおよび電子回路体１０の取付部材１９に被せられる。

　また、カバー８０の第１嵌合領域被覆部９０Ａは、第１コネクタハウジング３０Ａのハウジング本体被覆部１３７に被せられる。このとき、第１嵌合領域被覆部９０Ａの各リテーナ部１９６は、第１コネクタハウジング３０Ａの各リテーナ挿入孔１３１ａに挿入される。また、第１コネクタハウジング３０Ａのコネクタ被係止部１３４は、カバー８０のコネクタ係止溝１９５内に挿入される。

　また、カバー８０の第２嵌合領域被覆部９０Ｂは、第２コネクタハウジング３０Ｂのハウジング本体被覆部１３７に被せられる。このとき、第２嵌合領域被覆部９０Ｂの各リテーナ部１９６は、第２コネクタハウジング３０Ｂの各リテーナ挿入孔１３１ａ内に挿入される。また、第２コネクタハウジング３０Ａのコネクタ被係止部１３４は、カバー８０のコネクタ係止溝１９５内に挿入される。

　前述のように、係止突起挿入孔１０４ａの孔径は、カバー係止孔５４ａの孔径よりも大きい。そのためカバー被係止突起１９４ａは、カバー係止孔５４ａ内においてベース部材５０の下面に下方から当接する。この当接により、カバー８０はベース部材５０に固定される。カバー８０が載置面５２上に載置、固定された状態において、カバー８０の本体被覆部８１の各側壁８２ａ，８２ｂ，８４ｄの下端部および嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の各側壁１９４の下端部全体は、載置面５２と接触する。

　また、各コネクタ係止溝１９５内に、各コネクタ被係止部１３４が挿入される。これにより、各コネクタＣＡ，ＣＢはカバー８０によって嵌合位置に保持される。具体的には、第１コネクタＣＡに後方（嵌合位置から離脱位置へ向かう方向）の力が作用した場合、コネクタ係止溝９５の内側面が第１コネクタＣＡのコネクタ被係止部１３４に前方（第１離脱位置から第１嵌合位置に向かう方向）に当接する。この当接が、第１コネクタＣＡの離脱位置への離脱を規制する。同様に、第２コネクタＣＢに前方（嵌合位置から離脱位置へ向かう方向）の力が作用した場合、コネクタ係止溝１９５の内側面が第２コネクタＣＢのコネクタ被係止部１３４に後方（第２離脱位置から第２嵌合位置に向かう方向）に当接する。この当接が、第２コネクタＣＢの離脱位置への離脱を規制する。

　ここで、各コネクタ係止溝１９５に各コネクタ被係止部１３４が挿入されるに伴い、前後方向から見て、各嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂの内側面とこれに対向する各ハウジング本体被覆部１３７の外側面との間の隙間は塞がれる。前述のように、コネクタ被係止部１３４は、コネクタハウジング３０Ａ（３０Ｂ）の上壁１３１の左右方向全体にわたって延びるとともに左右両側壁１３３，１３３の上下方向全体にわたって延びている。そして、コネクタ係止溝１９５は、このコネクタ被係止部１３４全体に対応して延びている。そのため、前記隙間の全体が、塞がれる。

　さらに、各リテーナ挿入孔１３１ａに各リテーナ部１９６が挿入されることで、各電線側端子２０Ａ，２０Ｂは各回路側端子１４Ａ，１４Ｂと嵌合する端子嵌合位置に保持される。具体的には、第１電線側端子２０Ａに端子嵌合位置から端子離脱位置（端子嵌合位置よりも端子挿入方向後方位置であって、第１電線側端子２０Ａと第１回路側端子１４Ａとが嵌合しない位置）に向かう方向の力が作用した場合、リテーナ部１９６が第１電線側端子２０Ａの電気接触部２４の端子挿入方向後端部に、端子挿入方向前方に向かって当接する。この当接は、第１電線側端子２０Ａが端子嵌合位置から端子離脱位置へ離脱するのを規制する。同様に、第２電線側端子２０Ｂに端子嵌合位置から端子離脱位置（第２電線側端子２０Ｂと第２回路側端子１４Ｂとが嵌合しない位置）に向かう方向の力が作用した場合、リテーナ部１９６が第２電線側端子２０Ｂの電気接触部２４の端子挿入方向後端部に、端子挿入方向前方に向かって当接する。この当接は、第２電線側端子２０Ｂが端子嵌合位置から端子離脱位置へ離脱するのを規制する。

　このようにして、カバー８０がベース部材５０に固定されるのに伴って、コネクタＣＡ、ＣＢは嵌合位置に保持され、電線側端子２０Ａ、２０Ｂは端子嵌合位置に保持される。

　カバー８０がベース部材５０に固定された状態において、第１嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の端部は、立壁部１３５とコネクタ被係止部１３４との間に配置され、その端面１９１ａは、立壁部１３５と近接する位置で立壁部１３５と対向する。

　次に、カバー８０、電子回路体１０およびベース部材５０の各ボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ、１７Ａ，１７Ｂ、５５Ａ，５５Ｂから仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを引き抜く。また、ベース部材５０の案内突起挿通孔５６ａから案内突起１０６Ａ，１０６Ｂを引き抜く。そして、電子回路体１０とコネクタＣＡ、ＣＢとが結合された状態、かつ、カバー８０がコネクタＣＡ，ＣＢを保持しつつベース部材５０に固定された状態を維持しつつ、電子回路体１０、コネクタＣＡ，ＣＢ、カバー８０およびベース部材５０を、組み付け用治具１００から取り外す。

　次に、カバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂ、ベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂに、ボルト６０を挿通する。また、このボルト６０の端部にナットを装着する。これにより、各コネクタＣＡ，ＣＢと結合している電子回路体１０およびカバー８０は、互いに連結された状態でベース部材５０に固定される。

　以上により、第２実施形態に係る電子回路ユニット１の組み付けは完了する。

　この第２実施形態に係る電子回路ユニット１においても、第１実施形態と同様に、ベース部材５０の載置面５２とカバー８０の嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂとが、ハウジング本体被覆部１３７ひいてはハウジング本体被覆部１３７内に保持されている電線側端子２０Ａ，２０Ｂと回路側端子１４Ａ，１４Ｂとの嵌合領域を両側から覆う。そのため、カバー８０を設けるという簡単な構成で、電子回路ユニット１が自動変速機のケース内に収容された使用状態において、このケース内を流れるオイル内の異物が嵌合領域ひいては各端子間に混入するのを有効に抑止することができる。このことは、異物を媒体とする回路間の短絡といったトラブルを防止する。換言すれば、この電子回路ユニット１では、自動変速機のケース内に存在する異物に起因するトラブルを簡素な構造で抑止しつつ（具体的には安価な構造で異物の進入を防止しつつ）、電子回路ユニット１と電線（例えば耐熱電線）４０とを接続することができる。

　また、第２実施形態では、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）のコネクタ係止溝１９５にコネクタ被係止部１３４が挿入されことで、嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の内側面とハウジング本体被覆部１３７の外側面との間の隙間が塞がれる。そのため、これらの隙間を通って外部から嵌合領域側に異物が入り込むのが抑止される。

　しかも、コネクタ係止溝１９５へのコネクタ被係止部１３４の挿入によって、コネクタＣＡ（ＣＢ）が嵌合位置に保持される。そのため、第２実施形態では、コネクタ係止溝１９５とコネクタ被係止部１３４とを設けるという簡単な構成で、異物の進入を抑制する機能とコネクタＣＡ（ＣＢ）の保持機能とを発揮させることができる。すなわち、第２実施形態の電子回路ユニット１では、カバー８０を利用して、異物の進入を抑制しつつ、コネクタＣＡ（ＣＢ）を嵌合位置に保持してコネクタＣＡ（ＣＢ）と電子回路体１０の接続信頼性を高めることができる。

　ただし、本発明は、異物の進入を抑制する機能と保持機能とが個別の要素によって実現されるものも含む。すなわち、コネクタ係止溝１９５とコネクタ被係止部１３４とが嵌合方向に当接する必要はなく、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂに、別途、コネクタＣＡ，ＣＢに嵌合方向側に向かって当接する当接部を設けてもよい。

　さらに、第１嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の端面１９１ａは、立壁部１３５と近接して対向する状態で、立壁部１３５とコネクタ被係止部１３４との間に配置される。そのため、立壁部１３５と端面１９１ａとが、異物のコネクタ被係止部１３４側への進入を抑止する。このことは、異物の嵌合領域への浸入をより確実に抑制する。

　具体的には、第１嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）の端面１９１ａが形成された端部付近には、立壁部１３５とコネクタ被係止部１３４と端面１９１ａとによりいわゆるラビリンス構造が形成されている。すなわち、外部の異物は、コネクタ被係止部１３４とコネクタ係止溝１９５との間の隙間に加えて、立壁部１３５と端面１９１ａとの間の隙間を通過せねば嵌合領域に進入できない。そのため、異物の外部から嵌合領域への進入は、より確実に抑止される。

　ここで、ラビリンス構造を形成するための構成は前記に限らない。例えば、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂの内側面に、ハウジング被覆部１３７の外側面に向かって突出する突起を設け、かつ、ハウジング被覆部１３７にこの突起を挿入可能な溝を設けるとともに、嵌合領域被覆部９０Ａ，９０Ｂに前記突起と平行に延びてコネクタＣＡ，ＣＢの端子挿入方向後端部の端面と対向する立壁部を設けてもよい。

　また、リテーナ部１９６は省略可能である。ただし、カバー８０にリテーナ部１９６を設ければ、電線側端子２０Ａ，２０Ｂの端子嵌合位置からの離脱を規制するための部品を別途設ける場合に比べて構成が簡素になる。

　また、電子回路ユニット１を組み付ける方法は前記に限らない。

　次に、第２実施形態に係る電子回路ユニット１の他の組み付け方法について図２６～図２８を用いて説明する。この方法では、カバー８０として、カバー被係止突起１９４ａが省略されたものを用いる。また、組み付け用治具２００として、図２６に示すように、係止突起挿入孔１０４ａが省略されるとともに、上面が載置面５２と同じ形状の仮載置面２０２で構成されたものを用いる。

　まず、各コネクタＣＡ，ＣＢへ電線４０を接続する。すなわち（２－１）に記載した各コネクタＣＡ，ＣＢへ電線４０を接続する接続工程を実施する。

　次に、図２６に示すように、電子回路体１０を組み付け用治具２００の仮載置面２０２上に載置する。このとき、電子回路体１０のうち載置面５２に載置される側を、仮載置面２０２側に向かせる。具体的には、仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂにそれぞれ挿入する。そして第１回路側端子１４Ａの配列方向および第２回路側端子１４Ｂの配列方向が載置面５２と平行になるように、電子回路体１０を仮載置面２０２上に載置する。仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂがボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂに挿入されることで、電子回路体１０は組み付け用治具２００に仮係止される（仮載置工程）。

　次に、（２―３）に記載した嵌合工程を実施する。すなわち、第１コネクタＣＡを電子回路体１０に結合させる。第１コネクタＣＡに保持されている第１電線側端子２０Ａと第１回路側端子１４Ａとを嵌合させる。また、第２コネクタＣＢを電子回路体１０に結合させる。第２コネクタＣＢに保持されている第２電線側端子２０Ｂと第２回路側端子１４Ｂとを嵌合させる。

　次に、図２７に示すように、カバー８０を、上方（仮載置面２０２と反対の側）から、互いに結合している電子回路体１０とコネクタＣＡ，ＣＢとに被せつつ、仮載置面２０２上に載置する。

　具体的には、カバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂに仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂをそれぞれ挿入しつつ、カバー８０を上方から電子回路体１０およびコネクタＣＡ，ＣＢに被せる。ボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂに仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂが挿入されることで、カバー８０は組み付け用治具２００に仮係止される（仮係止工程）。このとき、カバー８０の本体被覆部８１は、電子回路体本体１０ａおよび電子回路体１０の取付部材１９を仮載置面２０２と反対の側から覆う。また、カバー８０の嵌合領域被覆部９０Ａ（９０Ｂ）は、コネクタＣＡ，ＣＢのハウジング本体被覆部１３７を仮載置面２０２と反対の側から覆う。カバー８０の各リテーナ部１９６は、対応する各リテーナ挿入孔１３１ａに挿入される。さらに、コネクタ係止溝１９５に、コネクタ被係止部１３４が挿入される。

　次に、図２８に示すように、電子回路体１０、コネクタＣＡ，ＣＢおよびカバー８０を、相対位置を保持しつつ、組み付け用治具２００から取り外す。そして、これらを、相対位置を保持しつつ、ベース部材５０の載置面５２上に載置、固定する（固定工程）。

　具体的には、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂおよびカバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂから仮係止突起１０５Ａ，１０５Ｂを抜く。そして、電子回路体１０、コネクタＣＡ，ＣＢおよびカバー８０を組み付け用治具２００から取り外す。次に、カバー８０と互いに結合された電子回路体１０およびコネクタＣＡ，ＣＢとをベース部材５０の載置面５２上に載置する。このとき、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂおよびカバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂとベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂとを一致させておく。その後、カバー８０のボルト挿通孔８５Ａ，８５Ｂ、電子回路体１０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂ、ベース部材５０のボルト挿通孔５５Ａ，５５Ｂにボルト６０を挿通する。そしてこのボルト６０の端部にナットを装着して、このボルト６０により、各コネクタＣＡ，ＣＢと結合している電子回路体１０およびカバー８０を互いに連結された状態でベース部材５０に固定する。

　以上により、他の例に係る電子回路ユニット１の組み付けは完了する。

　また、第１実施形態および第２実施形態において、ベース部材５０の形状は適宜設定可能である。ベース部材５０の形状は、自動変速機のケース内における電子回路ユニットの取付部位に応じて適宜好適なものに変更可能である。

　例えば、図２９に示すベース部材５０の形状は、図３０に示すような複雑な形状を呈するバルブユニット７０の上面に電子回路ユニットが取付けられることを考慮して設定されたものである。このベース部材５０は、電子回路体１０および両コネクタＣＡ，ＣＢが載置される本体部分に加え、当該本体部分から互いに異なる方向に膨出する取付部１５４Ｂ，１５５と位置決め片１５６とを有する。取付部１５４Ｂには、取付用のボルトが挿通されるボルト挿通孔１５４ｂが貫設されている。取付部１５５には、同様の複数のボルト挿通孔１５５ａが設けられている。位置決め片１５６は、バルブユニット７０の特定部位に当接することにより、当該バルブユニット７０上に配設された電子回路ユニット１を安定させる。

　また、第１実施形態および第２実施形態において、ベース部材５０に電子回路体１０とカバー８０とを固定する構造は、同じ位置に配置されるベース部材５０とカバー８０のボルト挿通孔１７Ａ，１７Ｂ，８５Ａ，８５Ｂに共通のボルト６０を挿通して、このボルト６０をナットで締結する構造に限らない。例えば、電子回路体１０とカバー８０とを、異なるボルトによってそれぞれ異なる位置でベース部材５０に固定してもよい。ただし、共通のボルト６０によって電子回路体１０とカバー８０とを固定すれば、複数のボルトを用いる場合に比べて部品点数を削減することができるとともに組み付け手間を抑えることができる。

　また、第１実施形態および第２実施形態において、カバー被係止突起９４ａ（１９４ａ）を省略して、ボルト６０によってのみカバー８０をベース部材５０に固定してもよい。

　以上のように、本発明は、車両用自動変速機のケース内に設けられる電子回路ユニットであって、電子回路を内蔵する本体と、この本体からこの本体の外向きかつ互いに共通の方向に突出する複数の回路側端子とを有する電子回路体と、前記各回路側端子に嵌合可能な嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の電線側端子と、これら電線側端子を前記回路側端子の配列に対応する配列で保持するコネクタハウジングとを有するコネクタと、前記電子回路体と前記コネクタとを載置するための載置面を有し、当該載置面上に前記電子回路体が固定されるベース部材と、前記載置面上に載置されて前記ベース部材に固定されるカバーとを有し、前記カバーは、当該カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した組み付け状態において、前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆う本体被覆部と、前記本体被覆部から前記回路側端子の突出方向に延び、かつ前記組み付け状態において前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う嵌合領域被覆部と、前記組み付け状態において前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合する嵌合位置に前記コネクタを保持するコネクタ保持部とを有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを提供する。

　本発明によれば、簡素な構成で、各端子の嵌合状態が良好に維持されつつ、電子回路体側に、例えば自動変速機のケース内を流れるオイル等に含まれる異物が入り込むのが有効に抑止される。

　具体的には、カバーが、電子回路体本体を覆う本体被覆部と、各端子の嵌合領域を覆う嵌合領域被覆部と、コネクタを保持するコネクタ保持部とを有する。そしてカバーとベース部材とが、協働して、電子回路体本体および嵌合領域を両側から保護する。そのため、電子回路体側への異物の進入が有効に抑止される。特に、カバーの嵌合領域被覆部は本体被覆部から回路側端子の突出方向に延びている。そのため、電子回路体本体側から嵌合領域側へ異物が入り込むのが有効に抑止される。

　本発明において、前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合方向と、当該回路側端子の突出方向とは一致しており、前記嵌合領域被覆部は、前記電子回路体と前記カバーとが前記載置面上に載置され、かつ、前記嵌合部と前記回路側端子とが嵌合しない離脱位置に前記コネクタが位置する状態において、前記回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う形状を有するとともに、前記状態において、当該嵌合領域被覆部と前記載置面との間に、前記コネクタが前記嵌合方向に沿って前記離脱位置から前記嵌合位置まで挿入可能な挿入空間が形成される形状を有するのが好ましい。

　この構成では、回路側端子が嵌合領域被覆部に覆われた状態においてコネクタが嵌合領域被覆部と載置面との間に挿入されることで、回路側端子と電線側端子の嵌合部とが嵌合する。そのため、各端子の嵌合領域がより確実に嵌合領域被覆部により覆われる。

　前記構成において、前記カバーは、前記嵌合領域被覆部と前記載置面との間に前記コネクタが挿入される際に、当該コネクタを前記嵌合方向に沿って前記離脱位置から前記嵌合位置に案内する案内部を有するのが好ましい。

　このようにすれば、電線側端子の嵌合部が、回路側端子と嵌合する位置に、かつ、嵌合時に嵌合領域被覆部により覆われる位置に、容易に配置される。

　また、前記カバーは、前記回路側端子どうしの間にそれぞれ介在する端子隔離部を有するのが好ましい。

　この構成によれば、端子隔離部が、回路側端子どうしの短絡をより確実に抑制する。また、端子隔離部が、回路側端子の変形を抑制して、回路側端子と嵌合部との嵌合をより確実とする。

　また、前記構成において、前記コネクタハウジングは、前記電線側端子間に設けられて、前記組み付け状態において前記電子回路体の本体のうちの前記回路側端子間の部分と対向する対向面を有し、前記対向面の少なくとも一部には、前記回路側端子の突出方向に凹む溝部が形成されており、前記端子隔離部は、前記組み付け状態においてその少なくとも一部が前記溝部内に配置されるように、この組み付け状態において前記対向面の電子回路体側の端部あるいはこの端部よりも電子回路体側の位置から前記対向面側に延びる形状を有するとともに、前記溝部の内側面に沿って延びる外側面を有するのが好ましい。

　この構成では、端子隔離部が溝部内に配置されて端子隔離部の外側面が溝部の内側面に沿って延びることで、隣合う端子間の対向面に沿う方向の距離が大きくなる。そのため、端子隔離部の外側面と溝部の内側面との間に侵入した異物等により前記隣合う端子同士の間で短絡が生じるのが効果的に抑制される。

　ここで、前記コネクタハウジングは、前記嵌合領域被覆部によって覆われる部分に設けられて、当該嵌合領域被覆部の内側面に向かって突出するとともに当該突出する向きと反対の向きに撓み変形可能な被係止突起を有し、前記嵌合領域被覆部の内側面には、前記コネクタ保持部として、前記コネクタが前記嵌合位置にある状態において前記被係止突起と係合可能な係止孔が形成されており、前記被係止突起の突出寸法は、前記コネクタが前記嵌合領域被覆部と前記載置面との間に挿入される際に、当該被係止突起が前記係止孔と係合する位置に到達するまでは当該被係止突起が前記嵌合領域被覆部の内側面によって押圧されることで撓み変形する一方、当該被係止突起が前記係止孔と係合する位置に到達すると当該被係止突起が前記係止孔と係合する位置に弾性復帰する寸法に設定されているものが挙げられる。

　この構成によれば、係止突起を撓み変形させつつコネクタを所定の位置まで移動させて、係止突起を弾性復帰させるという簡単な手順で、容易にコネクタを嵌合位置に保持することができる。

　また、本発明において、前記電子回路体が前記載置面に載置された状態において、前記回路側端子の端子配列方向と前記ベース部材の載置面とは、略平行となり、前記コネクタ保持部は、前記電線側端子の配列方向が前記載置面と略平行となる姿勢で前記コネクタを保持するのが好ましい。

　この構成によれば、回路側端子が載置面に沿うように配列された状態において、回路側端子が載置面と反対の側からカバーにより覆われる。そのため、載置面上と直交する方向のユニット寸法（厚み寸法）が抑えられる。

　また、本発明において、前記電子回路体は、前記回路側端子として、当該電子回路体の本体から共通の第１突出方向に突出する複数の第１回路側端子と、当該電子回路体の本体から前記第１突出方向と反対の第２突出方向に突出する複数の第２回路側端子とを有し、前記コネクタとして、前記各第１回路側端子に嵌合可能な第１嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第１電線側端子と、これら第１電線側端子を前記第１回路側端子の配列に対応する配列で保持する第１コネクタハウジングとを有する第１コネクタと、前記各第２回路側端子に嵌合可能な第２嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第２電線側端子と、これら第２電線側端子を前記第２回路側端子の配列に対応する配列で保持する第２コネクタハウジングとを有する第２コネクタとを有し、前記カバーは、前記嵌合領域被覆部として、前記本体被覆部から前記第１突出方向に延び、かつ、前記カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合した第１組み付け状態において前記第１回路側端子と前記第１嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第１嵌合領域被覆部と、前記本体被覆部から前記第２突出方向に延び、かつ、当該カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した第２組み付け状態において前記第２回路側端子と前記第２嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第２嵌合領域被覆部とを有し、前記コネクタ保持部として、前記第１組み付け状態において前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合する第１嵌合位置に前記第１コネクタを保持する第１コネクタ保持部と、前記第２組み付け状態において前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合する第２嵌合位置に前記第２コネクタを保持する第２コネクタ保持部とを有するのが好ましい。

　この構成では、全ての回路側端子が一方向のみを向くものに比べて、少ないスペースで多くの回路側端子を配列することが可能である。しかも、共通のカバーが、第１、第２電線側端子の嵌合部と第１、第２回路側端子との嵌合状態の維持、および、電子回路体本体と各嵌合領域を保護する。このことは、第１、第２回路側端子に応じて個別のカバーが設けられる場合に比べて、構造を簡素化する。

　前記構成において、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部との嵌合方向と、前記第１突出方向とが一致しており、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部との嵌合方向と、前記第２突出方向とが一致しており、前記第１嵌合領域被覆部は、前記電子回路体と前記カバーとが前記載置面上に載置され、かつ、前記第１嵌合部と前記第１回路側端子とが嵌合しない第１離脱位置に前記第１コネクタが位置する状態において、前記第１回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う形状を有するとともに、前記状態において、当該第１嵌合領域被覆部と前記載置面との間に、前記第１コネクタが前記第１突出方向に沿って前記第１離脱位置から前記第１嵌合位置まで挿入可能な挿入空間が形成される形状を有し、前記第２嵌合領域被覆部は、前記電子回路体と前記カバーとが前記載置面上に載置され、かつ、前記第２嵌合部と前記第２回路側端子とが嵌合しない第２離脱位置に前記第２コネクタが位置する状態において、前記第２回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う形状を有するとともに、前記状態において、当該第２嵌合領域被覆部と前記載置面との間に、前記第２コネクタが前記第２突出方向に沿って前記第２離脱位置から前記第２嵌合位置まで挿入可能な挿入空間が形成される形状を有するのが好ましい。

　このようにすれば、電子回路体とカバーとが載置面に載置された後、第１コネクタおよび第２コネクタがそれぞれカバーと載置面との間に挿入されるという簡単な手順で、各コネクタの嵌合部と各回路側端子との嵌合と、各嵌合領域の保護とが実現される。

　また、本発明において、前記コネクタハウジングは、前記カバーと当接可能な被当接部を有し、前記カバーは、前記コネクタ保持部として、前記組み付け状態において、前記嵌合位置から、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合しない位置であって前記嵌合位置からこれらの嵌合方向に離間した離脱位置に、前記コネクタが離脱するのを規制する規制部とを有し、前記嵌合領域被覆部は、前記組み付け状態において前記回路側端子の突出方向に沿って当該嵌合領域被覆部と前記載置面との間から外部に向かって前記コネクタハウジングあるいは前記電線が延びるように、前記嵌合領域を囲む形状を有し、前記嵌合領域被覆部と前記本体被覆部とは、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記コネクタに被せられたときに、前記嵌合領域と前記電子回路体の本体とをそれぞれ覆う位置に配置され、前記規制部は、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記コネクタに被せられたときに、前記被当接部に前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって当接可能な位置に、配置されるのが好ましい。

　この構成によれば、規制部により、コネクタを、嵌合位置に確実に保持することができる。また、回路側端子と嵌合部とが嵌合状態にある電子回路体と、コネクタとが載置された載置面に、カバーが載置されることで、電子回路体本体および嵌合領域を保護し、かつ、コネクタの離脱を規制する位置に、カバーが配置される。そのため、カバーが各端子を覆わっていない時点で、各端子の嵌合が行われる。このことは、各端子の嵌合をより確実とする。

　前記構成において、前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部とは、前記回路側端子の突出方向と略直交する方向に互いに対向する対向面をそれぞれ有し、前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部の一方は、その前記対向面から他方の前記対向面に向かって突出する突出部を有し、前記他方の対向面には、前記回路側端子の突出方向から見て前記対向面間の隙間を塞ぐように前記突出部が挿入される凹部が形成されており、前記突出部と前記凹部とは、前記各対向面の前記嵌合領域を囲む方向全体にわたって延びているのが好ましい。

　この構成によれば、凹部への突出部の挿入により、コネクタハウジングの対向面と嵌合領域被覆部の対向面との間の隙間が塞がれる。そのため、これら対向面間の隙間を通って、外部から嵌合領域側への異物等が浸入するのが、確実に抑止される。特に、突出部と凹部とは、嵌合領域を囲む方向全体にわたって延びている。このことは、異物等の浸入をより確実に抑止する。

　前記構成において、前記電子回路体は、前記回路側端子の突出方向と前記嵌合方向とが一致する形状を有し、前記凹部と前記突出部とは、その一方が前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって他方に当接可能な形状を有するのが好ましい。

　このようにすれば、凹部と突出部とが、異物の浸入を抑止しつつ、コネクタの嵌合位置からの離脱を規制する。すなわち、凹部と突出部とは、異物の浸入を抑止するためのものとして機能するとともに、規制部と被当接部としても機能する。従って、これらの機能を有する要素を個別に設ける場合に比べて簡単な構成で前記効果を得ることができる。

　また、前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部の一方は、前記突出部が設けられた部分よりも前記回路側端子の先端側に離間した位置に設けられて前記突出部と略平行に延びる立壁部を有し、前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部の他方の前記回路側端子の先端側の端部は、前記組み付け状態において前記突出部と前記立壁部との間に配置されるとともに、この配置状態で前記立壁部と対向する端面を有するのが好ましい。

　この構成によれば、突出部と凹み部とに加えて、コネクタハウジングと嵌合領域被覆部の一方の端部と立壁部とが、異物等の外部から嵌合領域への浸入を抑止する。このことは、異物等の外部から嵌合領域への浸入をより確実に抑止する。

　また、前記電子回路体は、前記載置面に載置された状態において、前記回路側端子の端子配列方向と前記載置面とが略平行になるとともに当該回路側端子の突出方向と前記嵌合方向とが一致する形状を有し、前記各電線側端子は、前記嵌合領域被覆部と当接可能な端子被当接部を有し、前記コネクタハウジングは、前記各電線側端子が前記嵌合方向にそれぞれ挿入される端子挿入部を有し、前記各端子挿入部は、当該端子挿入部に挿入された前記電線側端子の端子被当接部が前記コネクタハウジングのうち前記載置面に載置される側と反対側において外部に露出する開口部をそれぞれ有し、前記嵌合領域被覆部は、前記開口部に挿入されて、前記組み付け状態において、前記嵌合部と前記回路側端子とが嵌合する端子嵌合位置から、これらの嵌合方向に離間してその嵌合部と前記回路側端子とが嵌合しない端子離脱位置に、前記電線側端子が離脱するのを規制する端子規制部を有し、前記端子規制部は、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した状態において前記電子回路体および前記コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側からこれら電子回路体およびコネクタに前記カバーが被せられたときに、前記端子離脱位置側から前記端子嵌合位置側に向かって前記端子被当接部に当接するのが好ましい。

　この構成によれば、端子規制部が、電線側端子が端子嵌合位置から離脱するのを規制する。そのため、電線側端子と回路側端子との嵌合状態がより確実に維持される。特に、カバーが端子規制部を有する。そして、回路側端子と嵌合部とが嵌合状態にある電子回路体と、コネクタとが載置された載置面にカバーが載置されるのに伴って、端子規制部が電線側端子の離脱を規制する位置に配置される。そのため、端子の離脱を規制するための部品をカバーとは別に設ける場合に比べて、構成が簡素化する。また、カバーを載置面に載置するという簡単な手順で、端子の離脱が規制される。

　また、前記電子回路体は、前記回路側端子として、当該電子回路体の本体から共通の第１突出方向に突出する複数の第１回路側端子と、当該電子回路体の本体から前記第１突出方向と反対の第２突出方向に突出する複数の第２回路側端子とを有し、前記コネクタとして、前記各第１回路側端子に嵌合可能な第１嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第１電線側端子と、これら第１電線側端子を前記第１回路側端子の配列に対応する配列で保持する第１コネクタハウジングとを有する第１コネクタと、前記各第２回路側端子に嵌合可能な第２嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第２電線側端子と、これら第２電線側端子を前記第２回路側端子の配列に対応する配列で保持する第２コネクタハウジングとを有する第２コネクタとを有し、前記第１コネクタハウジングは、前記カバーと当接可能な第１被当接部を有し、前記第２コネクタハウジングは、前記カバーと当接可能な第２被当接部を有し、前記カバーは、前記嵌合領域被覆部として、前記本体被覆部から前記第１突出方向に延びる形状を有するとともに、前記カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されて前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合し、かつ、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した組み付け状態において前記第１回路側端子と前記第１嵌合部との第１嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第１嵌合領域被覆部と、前記本体被覆部から前記第２突出方向に延びる形状を有するとともに、前記組み付け状態において前記第２回路側端子と前記第２嵌合部との第２嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第２嵌合領域被覆部とを有し、前記規制部として、前記組み付け状態において、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合する第１嵌合位置から、当該第１嵌合位置からこれらの嵌合方向に離間し、かつ、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合しない第１離脱位置に、前記第１コネクタが離脱するのを規制する第１規制部と、前記組み付け状態において、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合する第２嵌合位置から、当該第２嵌合位置からこれらの嵌合方向に離間し、かつ、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合しない第２離脱位置に、前記第２コネクタが離脱するのを規制する第２規制部とを備え、前記第１嵌合領域被覆部は、前記組み付け状態において、前記第１コネクタハウジングあるいはこの第１コネクタハウジングに保持される前記電線が、第１嵌合領域被覆部と前記載置面との間から外部に向かって前記第１突出方向に延びるように、前記第１嵌合領域を囲む形状を有するとともに、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記第１コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第１コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第１嵌合領域を覆う位置に配置され、前記第２嵌合領域被覆部は、前記組み付け状態において、前記第２コネクタハウジングあるいはこの第２コネクタハウジングに保持される前記電線が、第２嵌合領域被覆部と前記載置面との間から外部に向かって前記第２突出方向に延びるように、前記第２嵌合領域を囲む形状を有するとともに、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記第２コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第２コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第２嵌合領域を覆う位置に配置され、前記第１規制部は、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合した状態において前記電子回路体および前記第１コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第１コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第１離脱位置側から前記第１嵌合位置側に向かって前記第１被当接部に当接して前記第１コネクタを規制可能な位置に、配置され、前記第２規制部は、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した状態において前記電子回路体および前記第２コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第２コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第２離脱位置側から前記第２嵌合位置側に向かって前記第２被当接部に当接して前記第２コネクタを規制可能な位置に、配置されるのが好ましい。

　また、本発明において、電子回路体、コネクタをベース部材に固定するための具体的構成は特に限定されないが、前記電子回路体および前記カバーをまとめて前記ベース部材に固定するための固定部材を備え、前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記固定部材が挿通可能な固定部材挿通孔が形成された取付部を有し、前記電子回路体と前記カバーとが前記ベース部材に固定された状態において、これらの取付部同士が前記ベース部材の載置面に対して直交する方向に重なり合い、かつ、各取付部に形成された前記固定部材挿通孔どうしが合致するものが好ましい。

　この構造によれば、電子回路およびコネクタの各取付部の固定部材挿通孔に共通の固定部材を挿入するという簡素な構造で、電子回路体およびコネクタをまとめて載置面上に固定できる。

　前記車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを製造するための方法としては、前記電子回路体と前記カバーとを、前記載置面上に載置された状態で、前記ベース部材に固定する固定工程と、前記コネクタを前記嵌合部と前記回路側端子とが嵌合する嵌合位置に配置するとともに、前記コネクタ保持部により前記コネクタを前記嵌合位置に保持させる嵌合保持工程とを有し、前記固定工程では、前記電子回路体を前記載置面上に載置した後、前記本体被覆部が前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆い、かつ、前記嵌合領域被覆部が前記回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う位置に、前記カバーを前記載置面上に載置し、前記嵌合保持工程では、前記コネクタを、前記嵌合領域被覆部と前記載置面との間に前記嵌合方向に沿って前記離脱位置から前記嵌合位置まで挿入することで、前記嵌合部と前記回路側端子とを嵌合させるのが好ましい。

　この方法では、本体被覆部が電子回路体の本体を覆う位置および嵌合領域被覆部が回路側端子を覆う位置に、カバーを配置した後、コネクタを嵌合領域被覆部と載置面との間に挿入して、回路側端子と嵌合部とを嵌合させている。そのため、コネクタをカバーと載置面との間に挿入するという簡単な手順で、嵌合部と回路側端子との嵌合領域を嵌合領域被覆部で覆われる位置に配置することができる。

　前記方法において、前記ベース部材と前記電子回路体とが仮係止される組み付け用治具と、前記電子回路体および前記カバーをまとめて前記ベース部材に固定するための固定部材とを用い、前記組み付け用治具は、前記ベース部材と前記電子回路体とを仮係止するための仮係止部材を有し、前記ベース部材、前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記仮係止部材が挿通可能な挿通孔が形成された取付部を有し、前記固定工程は、前記ベース部材の取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入して当該ベース部材を前記組み付け用治具に仮係止する工程と、前記電子回路体の取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ、前記組み付け用治具に仮係止された前記ベース部材の載置面上に当該電子回路体を載置する工程と、前記カバーの取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ、を前記組み付け用治具に仮係止された前記ベース部材の載置面上に当該カバー固定する工程と、前記ベース部材と前記電子回路体と前記カバーの各取付部の挿通孔から前記仮係止部材を抜いて、前記組み付け用治具から前記電子回路体と前記カバーとが載置された前記ベース部材を取り外す工程と、前記各挿通孔に前記固定部材を挿通して当該固定部材により前記電子回路体と前記カバーとを前記ベース部材に固定する工程とを含むのが好ましい。

　この方法によれば、共通の仮係止部材が、載置面上に電子回路体とカバーとを仮係止する。このことは、電子回路体とカバーとの位置精度を高める。すなわち回路側端子と電線側端子の嵌合領域および電子回路体本体を覆う位置に、カバーがより確実に配置される。しかも、共通の固定部材が、電子回路体とカバーとをベース部材に固定する。そのため、電子回路体とカバーとが前記位置に、確実に固定される。

　また、前記車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを製造するための方法としては、前記電子回路体を前記載置面上に載置する載置工程と、前記電子回路体の回路側端子と前記嵌合部とを嵌合させる嵌合工程と、前記カバーを前記電子回路体および前記コネクタに前記載置面と反対の側から被せつつ前記載置面上に載置して、前記本体被覆部により前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆い、かつ、前記嵌合領域被覆部により前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を覆うとともに、前記規制部を前記コネクタハウジングに設けられた被当接部に前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって当接させつつ、前記カバーを前記ベース部材に固定する固定工程とを含む方法が挙げられる。

　この方法では、載置面上に電子回路体を載置し、電子回路体の回路側端子に嵌合部を嵌合させた後、カバーを電子回路体本体および嵌合領域を覆う姿勢でベース部材に固定している。そのためカバーによって、電子回路体本体および嵌合領域をより確実に覆うことができる。

　前記方法において、前記ベース部材および前記電子回路体を仮係止可能な仮係止部材と前記コネクタを前記嵌合方向に沿って前記嵌合位置方向に案内可能な案内部とを有する組み付け用治具と、固定部材を用い、前記ベース部材には前記仮係止部材および前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成されており、前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記仮係止部材および前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成された取付部を有し、前記載置工程は、前記ベース部材の挿通孔に前記仮係止部材を挿入して当該ベース部材を前記組み付け用治具に仮係止する工程と、前記電子回路体をその取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ前記仮係止されたベース部材の載置面上に載置する工程とを含み、前記嵌合工程は、前記組み付け用治具の案内部により前記コネクタを案内させつつ当該コネクタを前記嵌合位置に配置する工程を含み、前記固定工程は、前記カバーの取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ当該カバーを前記組み付け用治具に仮係止されたベース部材に固定する工程と、前記ベース部材、前記電子回路体および前記カバーの各挿通孔から前記仮係止部材を抜いて前記組み付け用治具から前記電子回路体、前記コネクタおよび前記カバーが載置された前記ベース部材を取り外す工程と、前記各挿通孔に固定部材を挿通して当該固定部材により前記電子回路体と前記カバーとを前記ベース部材に固定する工程とを含むのが好ましい。

　この方法では、共通の組み付け用治具が、電子回路体とコネクタとを位置決めする。そのため、電子回路体の回路側端子とコネクタに保持される嵌合部との嵌合が、より確実に行なわれる。また、カバーの取付部の挿通孔と電子回路体の取付部の挿通孔とに共通の仮係止部材が挿入された状態で、カバーがベース部材に固定される。そのため、カバーと電子回路体とコネクタとの位置精度が高くなる。このことは、カバーを、前記電子回路体本体および嵌合領域を覆う位置により確実に配置する。さらに、カバーの取付部の挿通孔と電子回路体の取付部の挿通孔とに共通の固定部材が挿通されることで、これらがベース部材に固定されている。このことは、カバーを、電子回路体本体および嵌合領域を覆う位置により確実に固定する。また、案内部が、コネクタを嵌合位置に案内する。そのため、各端子の嵌合が容易かつ確実に実現される。

　また、前記車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを製造するための方法としては、前記電子回路体、前記コネクタおよび前記カバーを載置するための仮載置面と、前記ベース部材および前記電子回路体を仮係止可能な仮係止部材と前記コネクタを前記嵌合方向に沿って前記嵌合位置方向に案内可能な案内部を有する組み付け用治具と、固定部材を用い、前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記仮係止部材および前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成された取付部を有し、前記ベース部材には、前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成されており、前記電子回路体をその取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入して当該電子回路体を前記組み付け用治具に仮係止しつつ前記仮載置面上に載置する仮載置工程と、前記組み付け用治具の案内部により前記コネクタを案内させつつ当該コネクタを前記嵌合位置に配置して、前記電子回路体の回路側端子と前記嵌合部とを嵌合させる嵌合工程と、前記カバーをその取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ前記電子回路体および前記コネクタにこれらが前記載置面に載置される側と反対の側から被せて、当該カバーを、前記組み付け用治具に、前記本体被覆部が前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆い、かつ、前記嵌合領域被覆部が前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を覆うとともに、前記規制部が前記コネクタハウジングに設けられた被当接部に前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって当接する位置に仮係止する仮係止工程と、前記電子回路体および前記カバーの各挿通孔から前記仮係止部材を抜いて前記電子回路体、前記コネクタおよび前記カバーをその相対位置を保持しつつ前記組み付け用治具から取り外すとともに、これら前記電子回路体、コネクタおよびカバーをその相対位置を保持しつつ前記ベース部材の載置面上に載置して、前記各挿通孔に固定部材を挿通して当該固定部材により前記電子回路体と前記カバーとを前記ベース部材に固定する固定工程とを含む方法が挙げられる。

　この方法によれば、カバーを、電子回路体本体および嵌合領域を載置面と反対の側から覆う位置に、かつ、コネクタの嵌合位置からの離脱を規制する位置に配置することができる。

Claims

　車両用自動変速機のケース内に設けられる電子回路ユニットであって、
　電子回路を内蔵する本体と、この本体からこの本体の外向きかつ互いに共通の方向に突出する複数の回路側端子とを有する電子回路体と、
　前記各回路側端子に嵌合可能な嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の電線側端子と、これら電線側端子を前記回路側端子の配列に対応する配列で保持するコネクタハウジングとを有するコネクタと、
　前記電子回路体と前記コネクタとを載置するための載置面を有し、当該載置面上に前記電子回路体が固定されるベース部材と、
　前記載置面上に載置されて前記ベース部材に固定されるカバーとを有し、
　前記カバーは、
　当該カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した組み付け状態において、前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆う本体被覆部と、
　前記本体被覆部から前記回路側端子の突出方向に延び、かつ前記組み付け状態において前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う嵌合領域被覆部と、
　前記組み付け状態において前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合する嵌合位置に前記コネクタを保持するコネクタ保持部とを有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合方向と、当該回路側端子の突出方向とは一致しており、
　前記嵌合領域被覆部は、前記電子回路体と前記カバーとが前記載置面上に載置され、かつ、前記嵌合部と前記回路側端子とが嵌合しない離脱位置に前記コネクタが位置する状態において、前記回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う形状を有するとともに、前記状態において、当該嵌合領域被覆部と前記載置面との間に、前記コネクタが前記嵌合方向に沿って前記離脱位置から前記嵌合位置まで挿入可能な挿入空間が形成される形状を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項２に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記カバーは、前記嵌合領域被覆部と前記載置面との間に前記コネクタが挿入される際に、当該コネクタを前記嵌合方向に沿って前記離脱位置から前記嵌合位置に案内する案内部を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項２または３に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記カバーは、前記回路側端子どうしの間にそれぞれ介在する端子隔離部を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項４に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記コネクタハウジングは、前記電線側端子間に設けられて、前記組み付け状態において前記電子回路体の本体のうちの前記回路側端子間の部分と対向する対向面を有し、
　前記対向面の少なくとも一部には、前記回路側端子の突出方向に凹む溝部が形成されており、
　前記端子隔離部は、前記組み付け状態においてその少なくとも一部が前記溝部内に配置されるように、この組み付け状態において前記対向面の電子回路体側の端部あるいはこの端部よりも電子回路体側の位置から前記対向面側に延びる形状を有するとともに、前記溝部の内側面に沿って延びる外側面を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項２～５のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記コネクタハウジングは、前記嵌合領域被覆部によって覆われる部分に設けられて、当該嵌合領域被覆部の内側面に向かって突出するとともに当該突出する向きと反対の向きに撓み変形可能な被係止突起を有し、
　前記嵌合領域被覆部の内側面には、前記コネクタ保持部として、前記コネクタが前記嵌合位置にある状態において前記被係止突起と係合可能な係止孔が形成されており、
　前記被係止突起の突出寸法は、前記コネクタが前記嵌合領域被覆部と前記載置面との間に挿入される際に、当該被係止突起が前記係止孔と係合する位置に到達するまでは当該被係止突起が前記嵌合領域被覆部の内側面によって押圧されることで撓み変形する一方、当該被係止突起が前記係止孔と係合する位置に到達すると当該被係止突起が前記係止孔と係合する位置に弾性復帰する寸法に設定されていることを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１～６のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記電子回路体が前記載置面に載置された状態において、前記回路側端子の端子配列方向と前記ベース部材の載置面とは、略平行となり、
　前記コネクタ保持部は、前記電線側端子の配列方向が前記載置面と略平行となる姿勢で前記コネクタを保持することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１～７のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記電子回路体は、前記回路側端子として、当該電子回路体の本体から共通の第１突出方向に突出する複数の第１回路側端子と、当該電子回路体の本体から前記第１突出方向と反対の第２突出方向に突出する複数の第２回路側端子とを有し、
　前記コネクタとして、前記各第１回路側端子に嵌合可能な第１嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第１電線側端子と、これら第１電線側端子を前記第１回路側端子の配列に対応する配列で保持する第１コネクタハウジングとを有する第１コネクタと、前記各第２回路側端子に嵌合可能な第２嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第２電線側端子と、これら第２電線側端子を前記第２回路側端子の配列に対応する配列で保持する第２コネクタハウジングとを有する第２コネクタとを有し、
　前記カバーは、
　前記嵌合領域被覆部として、前記本体被覆部から前記第１突出方向に延び、かつ、前記カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合した第１組み付け状態において前記第１回路側端子と前記第１嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第１嵌合領域被覆部と、前記本体被覆部から前記第２突出方向に延び、かつ、当該カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されるとともに前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した第２組み付け状態において前記第２回路側端子と前記第２嵌合部との嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第２嵌合領域被覆部とを有し、
　前記コネクタ保持部として、前記第１組み付け状態において前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合する第１嵌合位置に前記第１コネクタを保持する第１コネクタ保持部と、前記第２組み付け状態において前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合する第２嵌合位置に前記第２コネクタを保持する第２コネクタ保持部とを有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項８に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記第１回路側端子と前記第１嵌合部との嵌合方向と、前記第１突出方向とが一致しており、
　前記第２回路側端子と前記第２嵌合部との嵌合方向と、前記第２突出方向とが一致しており、
　前記第１嵌合領域被覆部は、前記電子回路体と前記カバーとが前記載置面上に載置され、かつ、前記第１嵌合部と前記第１回路側端子とが嵌合しない第１離脱位置に前記第１コネクタが位置する状態において、前記第１回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う形状を有するとともに、前記状態において、当該第１嵌合領域被覆部と前記載置面との間に、前記第１コネクタが前記第１突出方向に沿って前記第１離脱位置から前記第１嵌合位置まで挿入可能な挿入空間が形成される形状を有し、
　前記第２嵌合領域被覆部は、前記電子回路体と前記カバーとが前記載置面上に載置され、かつ、前記第２嵌合部と前記第２回路側端子とが嵌合しない第２離脱位置に前記第２コネクタが位置する状態において、前記第２回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う形状を有するとともに、前記状態において、当該第２嵌合領域被覆部と前記載置面との間に、前記第２コネクタが前記第２突出方向に沿って前記第２離脱位置から前記第２嵌合位置まで挿入可能な挿入空間が形成される形状を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットであって、
　前記コネクタハウジングは、前記カバーと当接可能な被当接部を有し、
　前記カバーは、前記コネクタ保持部として、前記組み付け状態において、前記嵌合位置から、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合しない位置であって前記嵌合位置からこれらの嵌合方向に離間した離脱位置に、前記コネクタが離脱するのを規制する規制部とを有し、
　前記嵌合領域被覆部は、前記組み付け状態において前記回路側端子の突出方向に沿って当該嵌合領域被覆部と前記載置面との間から外部に向かって前記コネクタハウジングあるいは前記電線が延びるように、前記嵌合領域を囲む形状を有し、
　前記嵌合領域被覆部と前記本体被覆部とは、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記コネクタに被せられたときに、前記嵌合領域と前記電子回路体の本体とをそれぞれ覆う位置に配置され、
　前記規制部は、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記コネクタに被せられたときに、前記被当接部に前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって当接可能な位置に、配置されることを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１０に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部とは、前記回路側端子の突出方向と略直交する方向に互いに対向する対向面をそれぞれ有し、
　前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部の一方は、その前記対向面から他方の前記対向面に向かって突出する突出部を有し、
　前記他方の対向面には、前記回路側端子の突出方向から見て前記対向面間の隙間を塞ぐように前記突出部が挿入される凹部が形成されており、
　前記突出部と前記凹部とは、前記各対向面の前記嵌合領域を囲む方向全体にわたって延びていることを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１１に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記電子回路体は、前記回路側端子の突出方向と前記嵌合方向とが一致する形状を有し、
　前記凹部と前記突出部とは、その一方が前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって他方に当接可能な形状を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１１または１２に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部の一方は、前記突出部が設けられた部分よりも前記回路側端子の先端側に離間した位置に設けられて前記突出部と略平行に延びる立壁部を有し、
　前記コネクタハウジングと前記嵌合領域被覆部の他方の前記回路側端子の先端側の端部は、前記組み付け状態において前記突出部と前記立壁部との間に配置されるとともに、この配置状態で前記立壁部と対向する端面を有することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１０～１３のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記電子回路体は、前記載置面に載置された状態において、前記回路側端子の端子配列方向と前記載置面とが略平行になるとともに当該回路側端子の突出方向と前記嵌合方向とが一致する形状を有し、
　前記各電線側端子は、前記嵌合領域被覆部と当接可能な端子被当接部を有し、
　前記コネクタハウジングは、前記各電線側端子が前記嵌合方向にそれぞれ挿入される端子挿入部を有し、
　前記各端子挿入部は、当該端子挿入部に挿入された前記電線側端子の端子被当接部が前記コネクタハウジングのうち前記載置面に載置される側と反対側において外部に露出する開口部をそれぞれ有し、
　前記嵌合領域被覆部は、前記開口部に挿入されて、前記組み付け状態において、前記嵌合部と前記回路側端子とが嵌合する端子嵌合位置から、これらの嵌合方向に離間してその嵌合部と前記回路側端子とが嵌合しない端子離脱位置に、前記電線側端子が離脱するのを規制する端子規制部を有し、
　前記端子規制部は、前記回路側端子と前記嵌合部とが嵌合した状態において前記電子回路体および前記コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側からこれら電子回路体およびコネクタに前記カバーが被せられたときに、前記端子離脱位置側から前記端子嵌合位置側に向かって前記端子被当接部に当接することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１０～１４のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記電子回路体は、前記回路側端子として、当該電子回路体の本体から共通の第１突出方向に突出する複数の第１回路側端子と、当該電子回路体の本体から前記第１突出方向と反対の第２突出方向に突出する複数の第２回路側端子とを有し、
　前記コネクタとして、前記各第１回路側端子に嵌合可能な第１嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第１電線側端子と、これら第１電線側端子を前記第１回路側端子の配列に対応する配列で保持する第１コネクタハウジングとを有する第１コネクタと、前記各第２回路側端子に嵌合可能な第２嵌合部を有するとともに複数の電線の端末にそれぞれ固定された複数の第２電線側端子と、これら第２電線側端子を前記第２回路側端子の配列に対応する配列で保持する第２コネクタハウジングとを有する第２コネクタとを有し、
　前記第１コネクタハウジングは、前記カバーと当接可能な第１被当接部を有し、
　前記第２コネクタハウジングは、前記カバーと当接可能な第２被当接部を有し、
　前記カバーは、
　前記嵌合領域被覆部として、前記本体被覆部から前記第１突出方向に延びる形状を有するとともに、前記カバーと前記電子回路体とが前記載置面上に載置されて前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合し、かつ、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した組み付け状態において前記第１回路側端子と前記第１嵌合部との第１嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第１嵌合領域被覆部と、前記本体被覆部から前記第２突出方向に延びる形状を有するとともに、前記組み付け状態において前記第２回路側端子と前記第２嵌合部との第２嵌合領域を前記載置面と反対の側から覆う第２嵌合領域被覆部とを有し、
　前記規制部として、前記組み付け状態において、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合する第１嵌合位置から、当該第１嵌合位置からこれらの嵌合方向に離間し、かつ、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合しない第１離脱位置に、前記第１コネクタが離脱するのを規制する第１規制部と、前記組み付け状態において、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合する第２嵌合位置から、当該第２嵌合位置からこれらの嵌合方向に離間し、かつ、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合しない第２離脱位置に、前記第２コネクタが離脱するのを規制する第２規制部とを備え、
　前記第１嵌合領域被覆部は、前記組み付け状態において、前記第１コネクタハウジングあるいはこの第１コネクタハウジングに保持される前記電線が、第１嵌合領域被覆部と前記載置面との間から外部に向かって前記第１突出方向に延びるように、前記第１嵌合領域を囲む形状を有するとともに、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記第１コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第１コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第１嵌合領域を覆う位置に配置され、
　前記第２嵌合領域被覆部は、前記組み付け状態において、前記第２コネクタハウジングあるいはこの第２コネクタハウジングに保持される前記電線が、第２嵌合領域被覆部と前記載置面との間から外部に向かって前記第２突出方向に延びるように、前記第２嵌合領域を囲む形状を有するとともに、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した状態において前記カバーが前記電子回路体および前記第２コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第２コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第２嵌合領域を覆う位置に配置され、
　前記第１規制部は、前記第１回路側端子と前記第１嵌合部とが嵌合した状態において前記電子回路体および前記第１コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第１コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第１離脱位置側から前記第１嵌合位置側に向かって前記第１被当接部に当接して前記第１コネクタを規制可能な位置に、配置され、
　前記第２規制部は、前記第２回路側端子と前記第２嵌合部とが嵌合した状態において前記電子回路体および前記第２コネクタが前記載置面に載置される側と反対の側から前記電子回路体および前記第２コネクタに前記カバーが被せられたときに、前記第２離脱位置側から前記第２嵌合位置側に向かって前記第２被当接部に当接して前記第２コネクタを規制可能な位置に、配置されることを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１～１５のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットにおいて、
　前記電子回路体および前記カバーをまとめて前記ベース部材に固定するための固定部材を備え、
　前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記固定部材が挿通可能な固定部材挿通孔が形成された取付部を有し、
　前記電子回路体と前記カバーとが前記ベース部材に固定された状態において、これらの取付部同士が前記ベース部材の載置面に対して直交する方向に重なり合い、かつ、各取付部に形成された前記固定部材挿通孔どうしが合致することを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニット。
　請求項１～９のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを製造するための方法であって、
　前記電子回路体と前記カバーとを、前記載置面上に載置された状態で、前記ベース部材に固定する固定工程と、
　前記コネクタを前記嵌合部と前記回路側端子とが嵌合する嵌合位置に配置するとともに、前記コネクタ保持部により前記コネクタを前記嵌合位置に保持させる嵌合保持工程とを有し、
　前記固定工程では、前記電子回路体を前記載置面上に載置した後、前記本体被覆部が前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆い、かつ、前記嵌合領域被覆部が前記回路側端子を前記載置面と反対の側から覆う位置に、前記カバーを前記載置面上に載置し、
　前記嵌合保持工程では、前記コネクタを、前記嵌合領域被覆部と前記載置面との間に前記嵌合方向に沿って前記離脱位置から前記嵌合位置まで挿入することで、前記嵌合部と前記回路側端子とを嵌合させることを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法。
　請求項１７に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法において、
　前記ベース部材と前記電子回路体とが仮係止される組み付け用治具と、前記電子回路体および前記カバーをまとめて前記ベース部材に固定するための固定部材とを用い、
　前記組み付け用治具は、前記ベース部材と前記電子回路体とを仮係止するための仮係止部材を有し、
　前記ベース部材、前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記仮係止部材が挿通可能な挿通孔が形成された取付部を有し、
　前記固定工程は、
　前記ベース部材の取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入して当該ベース部材を前記組み付け用治具に仮係止する工程と、
　前記電子回路体の取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ、前記組み付け用治具に仮係止された前記ベース部材の載置面上に当該電子回路体を載置する工程と、
　前記カバーの取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ、を前記組み付け用治具に仮係止された前記ベース部材の載置面上に当該カバー固定する工程と、
　前記ベース部材と前記電子回路体と前記カバーの各取付部の挿通孔から前記仮係止部材を抜いて、前記組み付け用治具から前記電子回路体と前記カバーとが載置された前記ベース部材を取り外す工程と、
　前記各挿通孔に前記固定部材を挿通して当該固定部材により前記電子回路体と前記カバーとを前記ベース部材に固定する工程とを含むことを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法。
　請求項１０～１５のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを製造するための方法であって、
　前記電子回路体を前記載置面上に載置する載置工程と、
　前記電子回路体の回路側端子と前記嵌合部とを嵌合させる嵌合工程と、
　前記カバーを前記電子回路体および前記コネクタに前記載置面と反対の側から被せつつ前記載置面上に載置して、前記本体被覆部により前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆い、かつ、前記嵌合領域被覆部により前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を覆うとともに、前記規制部を前記コネクタハウジングに設けられた被当接部に前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって当接させつつ、前記カバーを前記ベース部材に固定する固定工程とを含むことを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法。
　請求項１９に記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法において、
　前記ベース部材および前記電子回路体を仮係止可能な仮係止部材と前記コネクタを前記嵌合方向に沿って前記嵌合位置方向に案内可能な案内部とを有する組み付け用治具と、固定部材を用い、
　前記ベース部材には前記仮係止部材および前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成されており、
　前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記仮係止部材および前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成された取付部を有し、
　前記載置工程は、前記ベース部材の挿通孔に前記仮係止部材を挿入して当該ベース部材を前記組み付け用治具に仮係止する工程と、前記電子回路体をその取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ前記仮係止されたベース部材の載置面上に載置する工程とを含み、
　前記嵌合工程は、前記組み付け用治具の案内部により前記コネクタを案内させつつ当該コネクタを前記嵌合位置に配置する工程を含み、
　前記固定工程は、前記カバーの取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ当該カバーを前記組み付け用治具に仮係止されたベース部材に固定する工程と、前記ベース部材、前記電子回路体および前記カバーの各挿通孔から前記仮係止部材を抜いて前記組み付け用治具から前記電子回路体、前記コネクタおよび前記カバーが載置された前記ベース部材を取り外す工程と、前記各挿通孔に固定部材を挿通して当該固定部材により前記電子回路体と前記カバーとを前記ベース部材に固定する工程とを含むことを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法。
　請求項１０～１５のいずれかに記載の車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットを製造するための方法であって、
　前記電子回路体、前記コネクタおよび前記カバーを載置するための仮載置面と、前記ベース部材および前記電子回路体を仮係止可能な仮係止部材と前記コネクタを前記嵌合方向に沿って前記嵌合位置方向に案内可能な案内部を有する組み付け用治具と、固定部材を用い、
　前記電子回路体および前記カバーは、それぞれ、前記仮係止部材および前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成された取付部を有し、
　前記ベース部材には、前記固定部材が挿通可能な挿通孔が形成されており、
　前記電子回路体をその取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入して当該電子回路体を前記組み付け用治具に仮係止しつつ前記仮載置面上に載置する仮載置工程と、
　前記組み付け用治具の案内部により前記コネクタを案内させつつ当該コネクタを前記嵌合位置に配置して、前記電子回路体の回路側端子と前記嵌合部とを嵌合させる嵌合工程と、
　前記カバーをその取付部の挿通孔に前記仮係止部材を挿入しつつ前記電子回路体および前記コネクタにこれらが前記載置面に載置される側と反対の側から被せて、当該カバーを、前記組み付け用治具に、前記本体被覆部が前記電子回路体の本体を前記載置面と反対の側から覆い、かつ、前記嵌合領域被覆部が前記回路側端子と前記嵌合部との嵌合領域を覆うとともに、前記規制部が前記コネクタハウジングに設けられた被当接部に前記離脱位置側から前記嵌合位置側に向かって当接する位置に仮係止する仮係止工程と、
　前記電子回路体および前記カバーの各挿通孔から前記仮係止部材を抜いて前記電子回路体、前記コネクタおよび前記カバーをその相対位置を保持しつつ前記組み付け用治具から取り外すとともに、これら前記電子回路体、コネクタおよびカバーをその相対位置を保持しつつ前記ベース部材の載置面上に載置して、前記各挿通孔に固定部材を挿通して当該固定部材により前記電子回路体と前記カバーとを前記ベース部材に固定する固定工程とを含むことを特徴とする車両用自動変速機に設けられる電子回路ユニットの製造方法。