WO2011118197A1 - 光電変換素子、光センサ及び太陽電池 - Google Patents

光電変換素子、光センサ及び太陽電池 Download PDF

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Abstract

本発明では、良好な光電変換効率を有するとともに、耐久性を有する光電変換素子を提供することを課題とする。当該課題を解決するために、色素(40)が吸着している多孔質の半導体層(30)を有する半導体電極(70)と、半導体電極(70)の半導体層(30)に対向して設けられる対向電極(60)と、平均分子量が200以上のラジカル化合物を含有し、半導体電極(70)および対向電極(60)との間に位置する電解質(50)と、を有する光電変換素子を提供する。

Description

光電変換素子、光センサ及び太陽電池
 本発明は、光電変換素子、光センサ及び太陽電池に関する。
 光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子または太陽電池にはいくつかの種類があるが、シリコン半導体や砒素化ガリウム半導体の接合を利用したダイオード型のものがほとんどである。これらの太陽電池はコストを抑えることが、家庭用電力等に広く普及するための課題の一つとなっている。1991年にグレッツェルらが発明した色素増感型湿式太陽電池(Nature 353 (1991)737)はシリコン半導体の太陽電池とは異なる光電変換メカニズムによって動作し、光電変換効率も10%程度と比較的高いことから、将来シリコン系太陽電池に置き換わる可能性のある素子として期待されている。
 色素増感型湿式太陽電池(色素増感太陽電池)の基本構造は透明基板上に形成された透明導電膜からなる電極と白金等が蒸着された対向電極の二つの電極を張り合わせた構成である。通常、透明基板及び対向電極の下地には厚さ1mm程度のガラスが用いられる。上記透明導電膜上には酸化物半導体層が形成され、さらにこの酸化物半導体層の表面には色素が吸着している。そして、この二つの電極の間には色素で発生するホールを輸送するための酸化還元対を有する電解質溶液が注入されている。
 色素としてはルテニウム(Ru)錯体などの太陽光を効率的に吸収できる増感色素が用いられる。この太陽電池に光が照射されると増感色素が励起され、電子が酸化物半導体層に注入される。そして、酸化物半導体層に注入された電子は、外部の回路を経て対向電極に到達する。
 一方、色素で電子と同時に形成されるホールは、電解質溶液に含まれる酸化還元種のレドックス反応を介して対向電極に運ばれ、外部回路を経て対向電極に到達した電子と対消滅する。このような原理により、色素増感太陽電池は電流を発生することができる。なお、電子の授受のために必要とされる電解質溶液には一般的には有機溶媒を含む、ヨウ素系電解質が用いられる。
 このような原理の色素増感型湿式太陽電池はグレッツェルらの発明以前からも盛んに研究されていた。しかし、一般的に光電変換効率が1%以下と低いものであった。これは、増感色素の部分での光の補足確率が低いことが原因であった。このため、上記の太陽電池は実用化の可能性が低い技術であると考えられていた。
 しかし、グレッツェルらは酸化物半導体層を多孔質化して表面積を大きくした酸化チタン(TiO)電極を用いることで上記課題を解決した。この構成によれば、酸化物半導体層の表面に吸着された色素の量が多くなるので、増感色素での光の捕捉確率を高くすることが可能となる。このような改良を行うことによって、色素増感太陽電池で10%程度の光電変換効率が実現されている。
 上記技術では、光電変換効率を向上させるため、色素が吸着できる比表面積を増大させ、色素による光吸収効率をあげている。ここで、比表面積を大きくするためには、酸化物半導体層を形成する酸化チタンの粒子サイズを小さくすることが望ましい。しかし、酸化チタンの粒子サイズをナノメートルサイズまで小さくしてゆくと、比表面積は増大するが、同時に、酸化物半導体層が太陽光を透過する性質を生ずる。この太陽光透過性を有するようになると、色素に吸収されなかった光は、酸化物半導体層を突き抜け、発電に利用されなくなる。
 この問題を解決し、光電変換効率を向上させるために、酸化物半導体層を通過した光を、もう一度、酸化物半導体層に戻すために、酸化物半導体層の光の入射面と反対側の面に光を散乱する光散乱層を形成する技術や、散乱体を半導体層に導入する技術などが用いられている。この光散乱層もしくは散乱体は、数百ナノメートルの粒子サイズからなる酸化チタンなどの酸化物粒子を含み、光を反射、散乱し、酸化物半導体内での光の利用率を向上する。これらの技術により高い光電変換効率が実現されている。
 ここで、上記グレッツェルらにより発明された色素増感型湿式太陽電池は、光電変換効率が10%程度と比較的高いが、ヨウ素を含む電解質を使うために、封止が難しく耐久性に課題があった。
 そこで、ヨウ素を含まない電解質として、グレッツェルらは2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)ラジカルのレドックス反応を用いて、高効率の太陽電池が実現できることを実証した(非特許文献1)。
 ここで、ラジカル化合物のレドックス反応を光電変換素子に適用するという基本的なアイデアは、特許文献1に示されている。この発明では、半導体電極とラジカル化合物とが接して、電荷の授受を行うことを特徴としている。この構成の問題点は、ラジカル化合物から半導体電極への電荷の再結合が起こり易いことであった。
 この問題を解決するために、特許文献2では、半導体電極の半導体層表面に、電子透過性の絶縁層を形成し、その上にラジカル化合物を設ける技術が開示されている。この技術によると、ラジカル化合物と半導体層とは直接触れることが無いため、上記電荷の再結合を抑制でき、光電変換素子の効率を向上させることができると記載されている。
 なお、特許文献2には、上記電子透過性の絶縁層の具体的な物質として、非共有電子対を有する有機物(ターシャルブチルピリジンなど)が例示されている。また、この電子透過性の絶縁層は、色素を含有することができると記載されている。さらに、ラジカル化合物の分子量は1000以上とすることが記載されている。
特開2003-100360号公報 特開2009-21212号公報
Z. Zhang, P. Chen, T. N. Murakami, S. M. Zakeeruddin, M. Gratzel, Adv. Funct. Mater. 2008, 18, 341.
 上述のように、ヨウ素を含む電解質を用いる光電変換素子は、封止が難しく耐久性に課題がある。また、ヨウ素の代わりにラジカル化合物を含む電解質を用いる光電変換素子は、ラジカル化合物による半導体層上での電荷の再結合に起因した光電変換効率の低減という課題がある。さらに、この課題を解決するための手段を備えた特許文献2に記載の技術の場合、以下のような問題がある。
 特許文献2に記載の技術のように、ターシャルブチルピリジンのような添加剤を導入すると、色素と相互作用を行うため、閉回路電流値自体としては低下する現象が観測されている。加えて、有機色素などを用いている場合は、有機色素が半導体表面から脱離し、効率が低下する場合がある。また、光照射により半導体層から生成された電子または正孔がラジカル化合物のレドックス反応に関与するためには、この電子または正孔は電気絶縁性を有する材料で構成された絶縁層を経由してラジカル化合物に達する必要がある。すなわち、キャリアの移動経路に絶縁層が介在している。特許文献2に記載の技術では、絶縁層の膜厚を薄くすることで絶縁層を電子透過性としているが、この絶縁層による電気抵抗の増加は避けられず、光電流は減少し、光電変換効率は低減してしまう。
 そこで、本発明では、良好な光電変換効率、および、耐久性を有する光電変換素子を提供すること課題とする。
 本発明によれば、色素が吸着している多孔質の半導体層を有する半導体電極と、前記半導体電極の前記半導体層に対向して設けられる対向電極と、平均分子量が200以上のラジカル化合物を含有し、前記半導体電極および前記対向電極との間に位置する電解質と、を有する光電変換素子が提供される。
 ラジカル化合物による半導体層上での電荷の再結合を抑制するためには、半導体層上に吸着した色素の隙間に露出している半導体層と、電解質(電荷輸送層)中のラジカル化合物と、の間での電子の授受を抑制できればよく、すなわち、色素の隙間を介して半導体層とラジカル化合物とが接触することを抑制できる物理的な構造を実現できればよい。
 上記色素が吸着していない隙間の大きさは、色素を十分に吸着した状態では、大体、吸着している色素の投影面積程度より小さくなると考えられる。
 すなわち、このような大きさの隙間よりも、ラジカル化合物を大きくすれば、ラジカル化合物は色素の隙間に入り込むことができず、結果、半導体層とラジカル化合物との接触を抑制できる。
 本発明者らは、経験上、一般的に光電変換素子に利用される色素を用いた場合、ラジカル化合物の平均分子量を200以上にすることで、光電変換効率の向上が実現されることを見出した。これは、ラジカル化合物の平均分子量を200以上にすることで、ラジカル化合物が色素の隙間に入り込むことを抑制でき、結果、ラジカル化合物による半導体層上での電荷の再結合を抑制できたためと考えられる。
 ここで、上記観点によれば、ラジカル化合物の平均分子量はより大きい方が好ましい。しかし、ラジカル化合物の平均分子量が大きくなり過ぎると、他の要因により、光電変換効率が低減してしまう。
 すなわち、半導体層は色素吸着面積を大きくするため、多孔質に構成され、孔の内壁にも色素が吸着した状態となっている。この孔の大きさは、色素吸着面積を大きくするという観点からは小さい方が好ましく、例えばナノメートルサイズに設計されたりする。
 このため、ラジカル化合物の平均分子量が大きくなり過ぎると半導体層の孔内にラジカル化合物が入り込めず、ラジカル化合物と色素との接触効率が低下し、結果、光電変換効率が低減してしまう。
 本発明者らは、経験上、一般的に光電変換素子に利用される多孔質の半導体層を用いた場合、ラジカル化合物の平均分子量を1000未満にすることで、光電変換効率の向上が実現されることを見出した。これは、ラジカル化合物の平均分子量を1000未満にすることで、半導体層の孔内にラジカル化合物が入り込みやすくなり、結果、ラジカル化合物と色素との接触効率が向上したためと考えられる。
 また、本発明によれば、ヨウ素を含む電解質を使用しないので、良好な耐久性を実現することができる。
 本発明によれば、良好な光電変換効率、および、耐久性を有する光電変換素子を提供することを課題とする。
 上述した目的、および、その他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、および、それに付随する以下の図面によって、さらに明らかになる。
本実施形態の光電変換素子の構造の一例を模式的に示す図である。 本実施形態の光電変換素子の性能を示す図である。
 本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の構造図は全て本発明の実施の形態を模式的に示すものであり、特にことわりがない限り、構成要素の図面上の比率により、本発明による構造の寸法を規定するものではない。
 図1に、本実施形態の光電変換素子の構造の一例を模式的に示す。図示するように、本実施形態の光電変換素子は、半導体電極70と、対向電極60と、両電極間に挟まれた電解質50と、を有する。
<半導体電極70>
 半導体電極70は、光透過性基板10と、その上に形成された透明電導膜20と、その上に形成された半導体層30と、半導体層30に吸着している色素40と、を有する。
<光透過性基板10>
 本実施形態において光透過性基板10の構成は特段制限されず、従来技術に準じたあらゆる構成とすることができる。例えば、光透過性基板10は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁性の材料で構成された基板であってもよい。なお、ガラス基板やプラスチック基板などを用いる場合、光透過性基板10には透明電導膜が成膜される。その他、光透過性基板10は、導電性の材料で構成された透明基板であってもよい。
<透明電導膜20>
 透明電導膜20は、光透過性基板10の上に形成される。光透過性基板10が導電性の材料で構成されている場合には、透明電導膜20は設けなくてもよい。なお、本実施形態において透明電導膜20の構成は特段制限されず、従来技術に準じたあらゆる構成とすることができる。例えば、透明電導膜20は、スパッタ法などで形成されたITO、FTO酸化物透明電気伝導体物質を用いて形成された膜であってもよい。また、透明電導膜20内には、カーボンナノチューブや電気伝導性ファイバーを、入射光への影響を最小にできる程度にまばらに分散させてもよい。
<半導体層30>
 半導体層30は、多孔質の酸化物半導体層として構成され、表面に以下で説明する色素40が吸着する。孔の大きさは、色素40の吸着面積を大きくする観点から小さくするのが望ましいが、小さくし過ぎると半導体層30が太陽光を透過する性質を生じてしまう。これらを考慮し、例えば、孔径5nm以上500nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下とすることができる。
 また、半導体層30は、表面に吸着した色素が光を吸収することで発生した電子を受け取る性能を有するとともに、半導体層30自体は、太陽光のうち照射強度が大きい可視領域の光を吸収しない性能を有することが望ましい。このような半導体層30は、例えば、3eV程度のエネルギーギャップをもつ酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)のいずれか、又は、これらの混合物により構成することができる。なお、ここで示した半導体層30の材料の例示はあくまで一例であり、これらに限定されるものではない。
 半導体層30の作製方法は特段制限されないが、例えば、光透過性基板10がガラス基板などある程度耐熱性を有する場合には、半導体層30の形成の際、酸化物半導体のゾル溶液、もしくは酸化物微粒子およびバインダーからなるペーストを光透過性基板10上に塗布後、400℃以上600℃以下程度の温度範囲で焼成することによって作製してもよい。
 また、光透過性基板10がプラスチック材料などで構成され、耐熱性が十分でない場合には、例えば、金属有機化合物と有機高分子材料の混合物溶液を光透過性基板10上に塗布後、紫外線を照射することにより半導体層30を形成してもよい。金属有機化合物には、例えば金属アルコキシド、または、金属アセチルアセトナート錯体を用いることができる。これらの金属有機化合物を構成する金属としては、Ti、Nb、Zn、Snのうちのいずれか、または、これらの複合物を用いることができる。また、有機高分子材料には、ポリエチレングリコール、または、ジアゾアミノベンゼン、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの発泡剤を用いることができる。
 なお、上述した半導体層30の作製方法において、酸化物半導体のゾル溶液、もしくは酸化物微粒子およびバインダーからなるペースト、もしくは金属有機化合物と有機高分子材料の混合液に、さらに粒径50nm以上のTiO等の粒子を混合させた溶液を用いて半導体層30を形成すると、光電変換素子の光電変換効率をさらに向上させることができる。半導体層30の中に粒径の大きなこの粒子が分散することによって、電極に入射した光が粒子によって効率的に散乱され、実効光路長が長くなって色素40での光の補足確率が高まるためである。
<光散乱層>
 図示しないが、半導体層30の上に光散乱層が設けられてもよい。光散乱層は色素40に吸収されず、半導体層30を透過した光を再び、半導体層30に戻すことが目的であり、半導体層30と構成要素は同じにすることができる。しかし、用いる酸化物微粒子の粒子径は、太陽光の散乱に適している50nm以上1000nm以下の粒子を含むのが望ましい。
<対向電極60>
 本実施形態において対向電極60の構成は特段制限されず、従来技術に準じたあらゆる構成とすることができる。すなわち、半導体層30の色素40により発生したホールが、電解質50を介して対向電極60まで運ばれるが、対向電極60は電子とホールが効率よく対消滅するという機能を果たせれば材料に制限はない。例えば、対向電極60は、蒸着法などによって、基板上に形成した金属蒸着膜を用いることができる。具体的には、基板上に形成された白金層を用いることができる。また、対向電極60には、ナノカーボン材料を含んでいてもよい。例えば、カーボンナノチューブ、もしくはカーボンナノホーン、もしくはカーボンファイバーを含んだペーストを多孔性絶縁膜上に焼結して対向電極60を形成してもよい。ナノカーボン材料は比表面積が大きく、電子とホールの対消滅確率を向上できる。光透過性の対向電極60を作製するためには、基板として透明電導膜付きガラスに、蒸着法やスパッタ法により白金やカーボンなどの触媒層を形成して作成することができる。
<色素40>
 本実施形態に用いることができる色素40としては、可視光領域および赤外光領域に吸収を持つものであって、半導体層30に強固に吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。このインターロック基でもカルボキシル基を有するものが特に好ましい。インターロック基は、吸着の機能に加えて、励起状態の色素40と半導体層30の導電帯との間の電子移動を容易にする機能を有する。
 本実施形態で使用可能な色素40としては、インターロック基を備えた、ルテニウム金属錯体色素(ルテニウムビピリジン系金属錯体色素、ルテニウムターピリジン系金属錯体色素、ルテニウムクォーターピリジン系金属錯体色素など)、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ベリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素、クマリン系色素などが挙げられる。その中でもルテニウム金属錯体色素が好ましい。吸着する色素は1種類でもよいし、また、2種類以上の混合物でもよい。
 汎用のルテニウム色素の分子量は、N719で1100程度、D149では740程度である。本実施形態で使用可能な色素40の内、比較的小さな有機色素は分子量が400程度である。
 半導体層30に色素40を吸着させる方法としては、例えば光透過性基板10上に形成された半導体層30を、色素40を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。色素40を溶解するために用いる溶媒は特段制限されず、エタノールなどのアルコール系、アセトンなどのケトン系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
<電解質50>
 電解質50は、色素40で生じたホールを対向電極60まで輸送する機能が必要で、酸化還元種、溶媒及び添加物から構成される。
 酸化還元種は、有機化合物から生成されるラジカル化合物であって、平均分子量が200以上1000未満、好ましくは200以上700以下のものであれば特に限定されるものではないが、安定なラジカル化合物であることが望ましい。可能性のあるラジカル基としては、オキシラジカル基、ニトロキシルラジカル基、炭素ラジカル基、ホウ素ラジカル基を有する化合物が挙げられる。本実施形態では、これらのラジカル基が1つ以上含まれるラジカル化合物(異なるラジカル基が含まれてもよい)を使用することができる。なお、色素40の分子量を1とした時のラジカル化合物の平均分子量の割合は、0.3以上、好ましくは0.5以上となるのが好ましい。この理由は、以下で説明する。
 電解質50中のラジカルは、ラジカル状態とカチオン状態で酸化還元している。この発生するカチオン状態を安定化させる目的で、電解質50中に塩を添加する。用いる塩としては、カチオンとして、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、イミダゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、イソオキサゾリウム、チアジアゾリウム、オキサジアゾリウム、トリアゾリウム、ピロリジニウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、ピリダジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、カルバゾリウム、インドリウム、及びこれらの誘導体が好ましく、特に好ましくは、アンモニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、スルホニウムである。また、アニオンとしては、PF-、BF-、CFSO-、N(CFSO-、F(HF)-、CFCOO-などのフッ素含有物、NO-、CHCOO-、C11COO-、CHOSO-、CHOSO-、CHSO-、CHSO-、(CHO)PO-、SbCl-などの非フッ素化合物、臭素などのハロゲン化合物などが挙げられる。
 溶媒としては、例えば、有機溶媒として、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドなどの含窒素化合物、メトキシプロピオニトリルやアセトニトリルなどのニトリル化合物、γ-ブチロラクトンやバレロラクトンなどのラクトン化合物、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、更にはイミダゾール類などが挙げられる。
 なお、電解質50には、ゲル化剤等を添加して、擬固体状にすることもできる。ゲル化剤としては、高分子ゲル化剤が良好に用いられる。例えば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体や架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられる。
 その他添加剤として、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などを添加してもよい。
 以下に本発明の光電変換素子の製造方法について実施例によって具体的に説明するが本発明はこれらに限定されない。
<実施例1>
<光電変換素子の作製>
<<半導体電極70の作製>>
 まず、本発明に基づく光電変換素子の酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体層30を次のような順序で作製した。
 15mm×10mmで厚さが1.1mmのFTO付きガラス(10Ωcm)を準備した。このFTO面に表面処理として、0.005mol/Lの酢酸亜鉛エタノール溶液(関東化学社製)を滴下し、エタノールでリンス後、乾燥させた。この操作を3回繰り返した後、大気雰囲気中、200℃で乾燥させた。
 次に、表面処理したFTO面上に半導体層30の材料として酸化亜鉛の芯状結晶層を作製した。具体的には、まず、0.025mol/Lの硝酸亜鉛(関東化学社製)および0.025mol/Lのヘキサメチレンテトラミン(関東化学社製)の混合液を準備した。次いで、室温で、表面処理されたFTO面が上を向くように混合液内に配置し、この混合液を90℃まで30分で昇温し、その後2時間保持してFTO面上に酸化亜鉛芯状結晶を析出させた後、水洗した。
 さらに、このガラス基板を電気炉に挿入し、大気雰囲気にて500℃で約30分間焼成後、自然冷却させることで芯状結晶からなる多孔性の酸化亜鉛半導体層が形成された。酸化亜鉛層は、FTO面一面に形成されていたので、焼成後、5mm角の面積が残るように不要な酸化亜鉛層を削り落とした。
 次に、上記酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体層30の表面に色素を吸着させた。具体的には、有機色素D149(三菱製紙社製)を、濃度2×10-4Mで、「アセトニトリル(関東化学社製):ターシャルブタノール(アルドリッチ社製)=1:1」溶液中に溶かし、この色素溶液中に、上記半導体層30が形成されたガラス基板を約2時間浸漬させた。その後、ガラス基板を色素溶液から取り出し、アセトニトリル溶液(関東化学社製)内で5分間保持することで余分な色素40を除去し、次いで、大気雰囲気にて80℃のオーブンで約1分間乾燥させた。
<<対向電極60の作製>>
 ソーダライムガラス板(厚さ1.1mm)上に平均膜厚0.3μmの白金層を真空蒸着法により蒸着することで、対向電極60を作製した。
<<セル組み立て>>
 半導体電極70と対向電極60とを、半導体層30と白金層とが対向するように配置し、電解質50が隙間に浸透できるだけの切り目を入れた熱硬化性樹脂フィルムによりセル部分の周囲を熱圧着した。
<<電解質50の注入>>
 電解質50の酸化還元種としては、PTIO(2-フェニル-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-1-オキシル-3-オキサイド:分子量233:和光純薬社製)を用いた。具体的には、0.5mol/LのPTIOのエタノール溶液を準備した。また、電解質50に添加する塩溶液としてプロピレンカーボネートを溶媒とした1mol/Lのリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI)液を用意した。そして、前述のPTIOを含むエタノール溶液と塩溶液とを、5:1の割合で混合し、ラジカルを酸化還元種とする電解質溶液とした。この電解質溶液を熱硬化性樹脂フィルムの切れ目からセル部分に注入した。
<光電流測定>
 上記のようにして作製した光電変換素子にソーラーシミュレータでAM1.5条件下の100mW/cmの強度の光を照射して、発生した電気を電流電圧測定装置で測定し、光電変換特性を評価した。結果を図2に示す。図示するように、閉回路電流0.23mA/cmおよび開回路電圧0.49Vを観測することができた。
<参考例1>
<光電変換素子の作製>
 電解液として、ヨウ素系電解質を用いた他は、実施例1と同様な手順で光電変換素子を作製した。
 なお、電解質溶液は、溶剤にメトキシプロピオニトリルを用い、ヨウ素を0.5mol/L、ヨウ化リチウムを0.1mol/L、4-tert-ブチルピリジンを0.5mol/L、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.6mol/Lの濃度となるように調整したものを用いた。
<光電流測定>
 上記のようにして作製した光電変換素子にソーラーシミュレータでAM1.5条件下の100mW/cmの強度の光を照射して、発生した電気を電流電圧測定装置で測定し、光電変換特性を評価した。結果を図2に示す。図示するように、閉回路電流0.32mA/cm、および開回路電圧0.4Vを観測することができた。
 以上の結果より、実施例1に示される本発明の構成により、参考例に示される従来のヨウ素電解質を用いた光電変換素子と同等の性能が得られることが実証された。
 ここで、半導体層30に色素40を十分に吸着した状態における色素40の隙間の大きさは、色素40の大きさ、すなわち色素40の分子量の影響を受けると考えられる。具体的には、色素40の分子量が大きくなればなるほど、色素40を十分に吸着した状態における色素40の隙間は大きくなり、逆に、色素40の分子量が小さくなればなるほど、色素40を十分に吸着した状態における色素40の隙間は小さくなると考えられる。
 上記実施例1では、色素40として分子量740の有機色素D149を用い、ラジカル化合物として分子量233のPTIOを用いることで、従来のヨウ素電解質を用いた光電変換素子と同等の性能を実現した。これは、電解液にターシャルブチルピリジンを加えることも無く、ラジカル化合物が色素の隙間に入り込むことを抑制でき、結果、ラジカル化合物による半導体層30上での電荷の再結合を抑制できたためと考えられる。すなわち、色素40の分子量を1とした時の、ラジカル化合物の平均分子量の割合が約0.3以上である場合には、ラジカル化合物による半導体層30上での電荷の再結合を抑制できると考えられる。
 以上より、色素40の分子量を1とした時の、ラジカル化合物の平均分子量の割合が約0.3以上である場合、ラジカル化合物による半導体電極上での電荷の再結合を抑制でき、結果、従来のヨウ素電解質を用いた光電変換素子と同等の性能を実現できることが分かる。かかる場合、色素40の分子量を1とした時の、ラジカル化合物の平均分子量の割合が約0.5以上である場合、より確実に、ラジカル化合物による半導体層30上での電荷の再結合を抑制でき、十分な光電変換効率を実現できると考えられる。
<実施例2>
<光電変換素子の作製>
<<半導体電極70の作製>>
 半導体層30を酸化チタン(TiO)で作製した点を除いて、実施例1と同様にして半導体電極70を作製した。半導体層30の作製は、以下のように行った。
 15mm×10mmで厚さが1.1mmのFTO付きガラス(10Ωcm)を準備した。このFTO面を、エタノールおよびイソプロパノールで洗浄後、大気雰囲気中、200℃で乾燥させた。
 溶剤として濃度15vol%の酢酸水溶液20mlを用い、そこに市販の多孔質酸化チタン粉末5g(P25、日本アエロジル(株))、界面活性剤0.1mL(TritonO X-100、シグマアルドリッチ)、ポリエチレングリコール0.3g(分子量20000)を加え、攪拌ミキサーで約1時間攪拌(1回10分間を6回)することで、酸化チタンペーストを作製した。
 次いで、この酸化チタンペーストを洗浄したFTO付きガラスにスクリーン印刷法により膜厚が20μm程度となるように適量塗布(塗布面積:5mm×5mm)した。この電極を電気炉に挿入し、大気雰囲気にて450℃で約30分間焼成して酸化チタン半導体層を得た。
<<対向電極60の作製>>
 実施例1と同様にした。
<<セル組み立て>>
 実施例1と同様にした。
<<電解質50の注入>>
 電解質のラジカル化合物を4-アセトアミド-TEMPO:アルドリッチ社製(分子量=213)とした。電解液としては、4-アセトアミド-TEMPO=0.1mol/L、LiTFSI=1.2mol/L、NOBF=0.01mol/Lを調合して、電解液とした。その他は、実施例1と同様とした。
<光電流測定>
 実施例1と同様とした。光電流の測定の結果、閉回路電流=2.1mA/cm、開回路電圧0.68Vを得た。
<実施例3>
<光電変換素子の作製>
 電解質のラジカル化合物をPTIO(2-フェニル-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-1-オキシル-3-オキサイド:和光純薬社製(分子量=233)とした。電解液としては、4-アセトアミド-TEMPO=0.1mol/L、LiTFSI=1.2mol/L、NOBF=0.01mol/Lを調合して、電解液とした。その他は、実施例2と同様とした。
<光電流測定>
 実施例1と同様とした。光電流の測定の結果、閉回路電流=2.3mA/cm、開回路電圧0.71Vを得た。
<実施例4>
<光電変換素子の作製>
 電解質のラジカル化合物を2,2-ジフェニル-1-ビクリルヒドドラジル:アルドリッチ社製(分子量=394)とした。電解液としては、2,2-ジフェニル-1-ビクリルヒドドラジル=0.1mol/L、LiTFSI=1.2mol/L、NOBF=0.01mol/Lを調合して、電解液とした。その他は、実施例2と同様とした。
<光電流測定>
 実施例1と同様とした。光電流の測定の結果、閉回路電流=1.3mA/cm、開回路電圧0.69Vを得た。
<実施例5>
<光電変換素子の作製>
 電解質のラジカル化合物をガルビノキシルフリーラジカル(分子量=422)とした。電解液としては、ガルビノキシルフリーラジカル=0.1mol/L、LiTFSI=1.2mol/L、NOBF=0.01mol/Lを調合して、電解液とした。その他は、実施例2と同様とした。
<光電流測定>
 実施例1と同様とした。光電流の測定の結果、閉回路電流=1.1mA/cm、開回路電圧0.70Vを得た。
<比較例1>
<光電変換素子の作製>
 電解質へのラジカル種をTEMPO:2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル:和光純薬社製(分子量=156)とした。電解液としては、TEMPO=0.1mol/L、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドLiTFSI=1.2mol/L、テトラフルオロホウ酸ニトロシルNOBF=0.01mol/Lを調合して、電解液とした。その他は、実施例2と同様とした。
<光電流測定>
 実施例1と同様とした。光電流の測定の結果、閉回路電流=1.7mA/cm、開回路電圧0.4Vを得た。
<比較例2>
<光電変換素子の作製>
 電解質のラジカル種をPTMA(分子量~89000)とした。半導体層30は、実施例2と同様に、酸化チタン(TiO)で作製した。セル構造は実施例1と同様であるが、電解質を半導体電極上に塗布し、アセトニトリルを滴下することにより電解質を半導体電極となじませ、対極を接合させてセルを作製した。その他は、実施例2と同様とした。
<光電流測定>
 実施例1と同様とした。光電流の測定結果、閉回路電流=0.02mA/cm、開回路電圧0.54Vを得た。
 実施例2乃至5、比較例1及び2の光電流の測定結果を表1にまとめて示す。表1から分かるように、ラジカル化合物の分子量が200以上1000未満(実施例2乃至5)の場合、ラジカル化合物の分子量が200未満(比較例1)、及び、1000以上(比較例2)の場合に比べて、光電流値もしくは開回路電圧が高くなることが分かる。特に、分子量200以上のラジカル化合物で、ラジカル化合物が色素の隙間に入り込むことを抑制できた結果、ラジカル化合物による半導体層上での電荷の再結合を抑制できたと考えられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 なお、本実施形態の光電変換素子を従来技術に準じて光センサおよび太陽電池に利用することで、実用性に優れた光センサおよび太陽電池を提供することができる。
 この出願は、2010年3月24日に出願された日本特許出願特願2010-067282号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (8)

  1.  色素が吸着している多孔質の半導体層を有する半導体電極と、
     前記半導体電極の前記半導体層に対向して設けられる対向電極と、
     平均分子量が200以上のラジカル化合物を含有し、前記半導体電極および前記対向電極との間に位置する電解質と、
    を有する光電変換素子。
  2.  請求項1に記載の光電変換素子において、
     前記半導体層の孔径は、5nm以上500nm以下である光電変換素子。
  3.  請求項1または2に記載の光電変換素子において、
     前記色素の分子量を1とした時の前記ラジカル化合物の分子量の割合が0.3以上である光電変換素子。
  4.  請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換素子において、
     前記ラジカル化合物は、環状ニトロキシルラジカル化合物である光電変換素子。
  5.  請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換素子において、
     前記半導体層は、酸化亜鉛を含む光電変換素子。
  6.  請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換素子において、
     前記電解質が含有する前記ラジカル化合物は、平均分子量が1000未満である光電変換素子。
  7.  請求項1から6のいずれか1項に記載の光電変換素子を含むことを特徴とする光センサ。
  8.  請求項1から6のいずれか1項に記載の光電変換素子を含むことを特徴とする太陽電池。
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