WO2011074426A1

WO2011074426A1 - 簡易型濾過器

Info

Publication number: WO2011074426A1
Application number: PCT/JP2010/071653
Authority: WO
Inventors: 謙治片岡; 隆安彦; 雄一狩野
Original assignee: 片岡物産株式会社
Priority date: 2009-12-17
Filing date: 2010-12-03
Publication date: 2011-06-23
Also published as: TW201134535A

Abstract

　フィルタにより形成される袋本体の開口部に湯を注入する際、予め投入される被抽出物の重量を受け、或は注入する湯の圧力乃至湯の重量を受けて開口部が垂れ込むのを防止し、安全に且つ速やかに抽出作業が行える簡易型濾過器を提供する。　前後２面部２ａ，２ｂを向い合せにして上縁部間に開口部7を設ける透水性のフィルタからなる袋本体２にあって、前記フィルタは内面側を強接着性に、外面側を弱接着性にする二層構造にして前記開口部７に臨む上縁部をそれぞれ内側に折り返し、上記強接着性の内面側同士を強固に融着接合して前後の補強縁部６，６を形成して前記開口部の剛性を確保すると共に、該前後の補強縁部６，６の外面側同士を前記弱接着性により易剥離状態に接着して開口部７の開放時に上記易剥離状態の接合を利用して容易に開封せしめ、また同時に前記補強縁部６，６の剛性により自立させ、垂れ込みを防止して開放状態を維持する。

Description

簡易型濾過器

　本発明は、使い捨てに係る簡易型濾過器に関する。

　使い捨てに係る簡易型濾過器は、主にレギュラーコーヒー用の濾過器として広く普及しており、各種形態を異にした多くの実施品が販売されている。この簡易型濾過器（以下、単に「濾過器」という。）は、例えばコーヒー用の濾過器である場合、フィルタ製の袋にコーヒー粉末（被抽出物）を予め封入しておき、使用時に開放する開口部から湯を注入してコーヒーの成分を抽出し、抽出したコーヒー液（抽出液）を袋を形成しているフィルタで濾過しながらコーヒーカップ等の容器に直接受けてそのまま飲料することができるものとなっている。この様な手軽さ、簡便性から広く普及するに至っている。

　この濾過器は、取り分け、コーヒーの濾過器として使用する場合、袋に封入するコーヒー粉末の量を決めることによって上記する様にコーヒー液の濃度を予め決めることができることや、単に湯を注ぐことでレギュラーコーヒーを簡単に抽出できること、更には使用後袋にコーヒー粉末を残したまま濾過器ごと廃棄処理することができること、などからコーヒーの愛飲家には便利なものとして広く利用されている。

　この濾過器は、上述した様にコーヒーの濾過器とした場合、通常、コーヒー粉末を封入した袋に対して直接熱湯を注ぎ込むことから危険を回避するため、袋には自立的に支持する支持体を備えているのが普通であり、この支持体でコーヒーカップ等の容器に取り付け支持させて熱湯を手に受けたりしないようにしている。また、袋には予め定量のコーヒーの粉末を封入しておき、使用時に袋の一部を開封して、この開口部を通して湯を注ぎ込み、容器にコーヒー液を受けるようにしている。この様なことから、基本的な形態としてこの濾過器は抽出物を封入したフィルタ製の袋と、これを支える支持体から構成されるものとなっている。

　ところで、この濾過器に使用される袋は、前述したようにフィルタを素材にして袋状に形成したものからなり、通常は袋の上部に開口部を形成して使用するまで接着するなどしてこの開口部を閉ざし、投入した被抽出物を封入した状態に保って使用時に上記接着を解いて開封する構造にしている。また或るものは予め被抽出物を封入し密封した状態の袋に形成して袋の上部に予め切り離し用の余剰の袋部分を設けて置き、袋の開封時にこの余剰の袋部分を指先で引き千切って取り除き、袋の上部に開口部を形成するもの、等がある。

　しかし、上記いずれの場合も、袋に形成される開口部は、袋の素材であるフィルタの縁部が直接臨む状態で形成されることから、この開口部には開放した状態を自立的に維持するだけの腰、つまり剛性に欠け、これがため内部に投入されている被抽出物の重量を受けることにより、或は開口部を通して注入される湯の注入圧力や、湯の重量を受けたとき、この開口部に臨むフィルタの縁部が内側に垂れ込み、開口部の広がりを狭めて湯の注ぎ込みを防げる問題があった。

特開2004－230143号公報。

　特許文献1は、ドリップバッグ1A、つまり簡易型濾過器の袋本体2について、これの使用に当ってその上部をミシン目に沿って千切り取り、開口部8を形成するタイプの濾過器、換言すれば前記従来技術の後者のタイプに係る濾過器について開示するものである。

　この特許文献1に記載の濾過器は、袋本体2の上部を千切り取ることによって袋本体2を開封し、開口部8を形成するものであり、そのためこの開口部8は、袋本体2の素材である濾過性シート材料、つまりフィルタを切り取ることによって形成されるものとなっている。従って、この開口部8は実質的にフィルタそのものによって形成されることから注湯するに当って開放させたとき、自力によって広く開放した状態を確保することが困難なものになっている。

　勿論、この特許文献1に記載の濾過器は、使用時における開放状態の補助手段として袋本体2に補強片9を付設して開放を補助する方法、或は袋本体2に備える掛止部分3をカップ30の縁に掛け止めて袋本体2を前後に引っ張ることによって開口部8の広がりを確保し、シート材料の内側への垂れ込みを阻止する方法を採っているが、しかし、袋本体の開口部8について見れば、フィルタのみからなるためその縁部の内方への垂れ込みを自力で止められてはおらず、注湯に当って口のすぼまりを防止することができないものになっている。

　本発明は簡易型濾過器にあって、袋本体に設けられる開口部がその開放時に投入した被抽出物の重量を受けることによって、或は注ぎ込む湯の流入圧力や重量を受けることによって開放する縁部が内側に垂れ込み開放状態が崩れたり、更には垂れ込みが進んで口がすぼまるのを防止し、安定した開放状態を維持することができるようにした簡易型濾過器を提供しようとするものである。

　簡易型濾過器は、使い捨てになるものであっても安全に、しかも使い勝手が良いことが求められることは勿論である。しかし同時に、廉価に製造できること、ことに資源の有効利用の観点から簡素であることが求められる。そのため市販の多くの濾過器は、その主体となる袋本体についてはフィルタのみによって形成すると共に、これを支持する支持体をできるだけ簡潔な構造にして濾過器全体を出来るだけ簡素な構造にしているのが一般的である。

　この様なことから袋本体について全体をフィルタの一枚構造としているが、フィルタの一枚構造はフィルタ自体が肉薄に形成されてそれ自体の剛性が小さいことから一定の形状を維持するのが困難である。このため、前述した様に注湯のために開放したとき、この開口部を一定の広さに開放維持するのが困難になっている。

　前記特許文献1では、袋本体の開放姿勢の維持が困難なことに鑑み、補強片9を、また掛止部分3，3を備えることによって開口部8の開放状態を維持するようにしているが、この様に袋本体に対して常に適切な補強乃至支持手段を準備できる訳ではなく、構造の簡素化が求められる上から補強手段が省略されたり、支持手段によっての袋本体の開放を補助することができない構造の場合もある。

　本発明は、この様な事情に鑑み、袋本体に対して開口部を開放したとき、自立的に開放姿勢を維持できるように袋本体について改善したものである。更に言えば、本発明は、袋本体の開口部を強化すると共に、この強化される開口部の成形を容易にできるようにして製造性を高め、更にはこの袋本体の開口部の封止を易剥離可能な状態に行えるようにして袋本体内部に被抽出物を封入すると共に、封止を解いて容易に開封できるようにした簡易型濾過器を提供しようとするものである。

　従って、本発明は上記目的を達成するため、フィルタを素材にして形成される袋本体の開口部について、フィルタの折り返しによる二重構造を作り、これにより補強縁部を形成して開放時における縁部の強化を図り、自立的に開放状態を維持できるようにした簡易型濾過器を提供するものである。

　また、上記補強縁部の形成に当ってフィルタ自体の構造を特定することによって容易なものにすると共に、開放される上記開口部について濾過器の未使用時には易剥離状態に接合して袋本体内部に被抽出物の封入を可能にし、使用に当ってはこの接合を容易に剥離して開口できるようにした簡易型濾過器を提供しようとするものである。

　本発明を更に詳述すれば、前後2面部を向き合わせにして互いの上縁部間に開口部を設ける透水性のフィルタを素材にして形成される袋本体と、該袋本体を容器に支持する支持体とからなる簡易型濾過器において、前記袋本体の前後2面部を形成する前記フィルタは加熱乃至高周波接着による接合においてその内面側が強接着性であり外面側が弱接着性である二層構造にかかるフィルタにして、前記開口部に臨む前記前後の2面部の各上縁部についてそれぞれを内向きに折り返し重ね合せて互いに接面する内面側同士を前記強接着性を利用して強固に接合し、これによって各上縁部を二重構造の補強縁部に形成する一方、該前後に対面する補強縁部の外面側同士を接面させ前記弱接着性を利用して易剥離状態に接合し、前記袋本体の開口部を封止して袋本体内に被抽出物を封入することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項1に記載の発明）。

　袋本体を形成する上記フィルタは、その内面側と外面側の高周波等の加熱融着による接着性に差を付けることによって接着時の接着強度に差を付けるものであり、内面側を外面側より接着性を高くすることによって袋本体の開口部に臨む前後2面部の上縁部を内側に折り返し二重にして接面させ、これを加熱融着したとき、強い接着を得て所要剛性を持つ二重構造の補強縁部を形成するのであり、またこれにより上記開口部は補強縁部の剛性によって自立性を高め、開放時に広く開放した姿勢を維持することができるものとなる。

　その一方、前記開口部において対面する前後の補強縁部は、向き合う面がフィルタの外面側同士となり互いに接着性が低いことに伴って弱い接着状態となり、これにより易剥離状態に接着して袋本体内部に被抽出物を封入することができる。そして同時に、開封時にはこの接着状態を利用して簡単に剥離し、開口部を開封することができることになる。

　この本発明に係る簡易型濾過器は、袋本体に対して予め所定量の被抽出物、例えば一定量のコーヒー粉末等を投入して開口部を閉ざし、包装用袋に密閉した状態にして保管することになり、使用に際しては包装用袋から取り出すと共に、袋本体の開口部を前後の補強縁部を引き離すようにして互を接着する接合部を剥離して開放し、この状態において袋本体に備える支持体を使ってコーヒーカップなどの容器に掛け止め、セットすることになる。そうした後、前記開放した開口部を通して湯を注ぎ込み、コーヒー液などの抽出液を容器に受けることによって使用されることになる。

　尚、袋本体を支持する支持体は、袋本体の開口部が前記補強縁部によって補強され、所定に剛性を有することになることから、開放時における開放姿勢を保持するための機能を備えることを要せず、従って容器に対して袋本体を支持できる構造のものであれば足ることになる。

　また、次に本発明は前記記載の簡易型濾過器において、袋本体の開口部に臨む前後の補強縁部は対面する外面側同士を1又は複数の箇所において点状に接合し、前記開口部を封止することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項2に記載の発明）。

　上記点状の接合は、開封時の剥離を容易にするものであり、補強縁部同士は封止のため接面した状態を維持できればよい。そのため、この点状の接合は1点での接合であってもよく、複数点でもよい。

　また本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、袋本体の開口部に臨む前後の補強縁部は対面する外面側同士を前記開口部の開口幅方向に沿って線状に接合し、前記開口部を封止することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項3に記載の発明）。

　上記線状の接合は、補強縁部の外面側同士の易剥離状態の接合を前記点状の接合と同様に一定の接合状態を実現した上において容易にこの接合状態を解き開放できるようにしたものである。

　また本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、袋本体の開口部に臨む前後の補強縁部にはそれぞれの外側面に補強片を付設することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項4の記載の発明）。

　この発明は、前記発明（請求項1に係る発明）に併せて袋本体の開口部の強化を図る発明であって、開口部に臨む上縁部に沿って補強片を添わせることによって開口部の縁部の剛性を高めることになる。更にはこの補強片の付設によってこの部分のフィルタの透水性を抑えて被抽出物との接触のない湯の漏れ出しを防止することにもなる。

　また本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、補強縁部に沿って付設される補強片にはそれぞれ上縁部分から開封用摘み片を突設することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項5に記載の発明）。

　この発明によれば、上記発明における補強片に向き合って開封用の摘み片を各一体に設けることによって、袋本体の開口部を開放操作する際にこの摘み片により簡単に開放することができるものとなる。

　この摘み片は、開口部において前後の面部を接合し、閉塞するようにして封入するコーヒー粉末の漏れ出しを防止するようにした場合に有効であり、前後の摘み片を指で摘んで前後に引き離すことによって簡単に開口部を開封することができる。

　また本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、袋本体の前後の2面部を形成するフィルタは木材パルプからなる紙フィルタを主素材にして弱接着性の層を構成し、他方その内面側には熱接着性を有する合成樹脂製短繊維素材を漉き込んで強接着性の層を構成して二層構造とすることを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項6に記載の発明）。

　また本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、袋本体の前後の2面部を形成するフィルタは内面側に溶融による接着力が高い合成樹脂製のフィルタを配置し、外面側に上記内面側フィルタより接着力が低いか若しくは接着力を欠除するフィルタを配置して両フィルタを積層状に一体に接合し、内面側を強接着性の層とし外面側を弱接着性の層とする二層構造にしてなることを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項7に記載の発明）。

　また本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、袋本体の前後の2面部を形成するフィルタは内面側と外面側において強弱接着性を異にする二層構造にした間に強度乃至は濾過濃度を調整するための第三のフィルタ層を介挿することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項8に記載の発明）。

　更に詳述すれば、本発明は、前記記載の簡易型濾過器において、前記支持体は厚紙板片を切り抜いて互いに連続する状態で前記袋本体に固定する固定片と、この固定片から上向きに舌片状に延設される腕片と、この腕片の上端部から左右方向に延び出し前記固定片の外側縁に沿って囲むように門形若しくは方形に延設される係止片とを一体に形成すると共に、この支持体の前記固定片を前記袋本体の前，後面部の各外表面に接着固定して一体に取付けると同時に、この固定片から延設される前記腕片の基端部を先端部に向けて所要の範囲に亘って前記袋本体の前，後面部の外表面に接合し、該基端部に腰折れ防止の補強弾性部を形成してなることを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項９に記載の発明）。

　上記袋本体をコーヒーカップに装着し支持する支持体に使用される厚紙板片は、所要の剛性を有した厚板紙であり、この厚板紙を切り抜くことで掛止め部材を構成するところの固定片、腕片、係止片を連続した状態で一体に形成することになる。そして、上記固定片を袋本体の前後の面部のそれぞれの外表面に接着することにより、前後一対のものが取付けられることになり、非使用時、つまり未使用状態においては厚板紙の原形を保って袋本体の前後の面部に寄り添った状態に置かれることになる。

　係止片と共に引き出される腕片は、固定片に接続する基端部を基点にして係止片と接続する先端、つまり自由端を起して素材の剛性に抗して反り返り、復元力を蓄積しながら外に向かって伸び出すことになる。そして、同時にこの反り返りに併せて上記基端部を袋本体の前後の面部に接合することで形成される補強弾性部を介してこのフィルタからなる前後の面部を外に向けて引き出すことになる。このため、腕片の引き起しが進行するにつれて前後面部の抵抗を受けることになり、その結果次第に反り返りの角度が抑えられることになる。この様なことから、上記腕片はフィルタからなる前後の面部の支持を得て基端部を緩慢に湾曲させることになり、腰倒れ状態に屈折するのを回避することになる。

　その一方、上記補強弾性部による腕片の屈折が回避される結果、腕片には復元力が蓄積されることになり、係止片のカップに対する係止力が安定的に得られることになり、同時にこの係止片を基点にして腕片が袋本体の前後の面部を外に引き寄せることから開口部の前後の縁が外に引き出され、自動的に開口部を拡張させた状態に保つことができることになる。

　また本発明は、前記袋本体は前、後面部の各側縁部を内側に折り込み、且つ側縁部端縁同士を一体に連続させて袋本体の両側部に拡張可能なマチを形成することを特徴とした簡易型濾過器を提供することにある（請求項１０に記載の発明）。

　この発明によれば、袋本体の左右の側縁部を内側に折り込みマチを設けることから未使用状態において偏平に折り畳んだとき横幅を縮小させることができる。これにより包装袋に収納するに当って最少の形態で収納することができることになり、包装形態を小型化できることになる。その一方、この小型化される袋本体は、使用に当って開口部を開放したとき左右側部のマチを開くことによって内部を拡張することができるため必要な容積を確保して湯の注ぎ込みを容易にすると同時に、充分なコーヒー粉末との接触を図ることができる。

　本発明は、上述の如く構成されることから、剛性に欠けるフィルタを材料に成形される袋本体において、その上部に形成される開口部の縁部が二重構造の補強縁部となることから所要の剛性が付与されることになり、このため、開口部を開放したとき上縁部が自立して開放状態を維持することができることから、補強片による強度附与や支持体による拡張補強を受けることなく独自に安定した開放姿勢を維持することができる簡易型濾過器を提供することができる。

　また、本発明によれば、上記補強縁部は前後の面部の上縁部を内側に折り返し二重にして接面した状態で加熱接合することによって前記フィルタの内面側の接着性の高い性質を利用して強固に接合することができることから簡単に形成することができ、また同様にして前後の補強縁部同士を加熱接合することによってフィルタの外面側の接着性の低さを利用してこの両者を易剥離可能な状態に接合することができるため、それぞれの部所において求められる強弱の接合が得られることになり、製造性の高いまた使い勝手の良い簡易型濾過器を提供することができる。

　さらに、本発明は、上述の如く構成されることから、特に支持体の腕片の基端部に袋本体の前後の面部に接合する補強弾性部を設けて、この腕片を引き起したとき、フィルタ素材による補強によって屈曲が一点に集中するのを回避することができる構造となることから、使用時に腕片の反り返り状態を維持して復元力を保つことができ、従ってカップに対する係止力と袋本体の前後の面部を引き出して開口部の開放を助けることができることから湯の注ぎ込みが容易であり、しかも安定した装着が可能なコーヒーの濾過器を提供することができる。

本発明に係る簡易型濾過器の正面図である。袋本体に設ける支持体と補強片とを分離して示した正面図である。使用に備えて袋本体を開放すると共に支持体を掛け止めるため引き起した状態を示す斜視図である。図1のA－A線に沿って断面とした拡大断面図である。本発明に係る簡易型濾過器を容器に掛止めた使用状態を説明する斜視図である。袋本体の開口部に臨む前後の面部の補強縁部同士の接合形態を説明する部分の拡大正面図であり、図（A）は1点において接合する場合、図（B）は線状に接合する場合、図（C）は等間隔に複数点で接合した場合を示す。図3のB－B線に沿って断面とした拡大断面図である。支持体の腕片を引き起したときにおける基端部の反り返り状態と袋本体のフィルタ素材の引き出しに伴う補強状態を説明する拡大縦断面図である。

　添付する図面は、本発明に係る簡易型濾過器をコーヒーの濾過器として実施した一実施形態を示したものである。以下、図面に示す実施の形態に基づき本発明を説明し、その特徴とするところを明らかにする。

　図面において、符号1は本発明に係るコーヒーの濾過器であり、2はこのコーヒーの濾過器1の袋本体であり、3は使用時に袋本体2を容器となるコーヒーカップ4の縁に掛け止め支持する支持体である。

　袋本体2は、合成樹脂の不織布からなるフィルタを素材にして形成される袋であり、前後の2面部2a，2bを有し、上方を開放する形にしてある。ここでは、袋本体2の上記前後の面部2a，2bの左右においてそれぞれ縁部を接面状に添わせて接着し、この接着した縁部をそれぞれ内側に折り込んで前後の面部2a，2bの間にマチ5，5を設けてあり、この襠5，5を利用して袋の全体を偏平に折りたたみ、また拡張できるようにしてある。そして、前後の面部2a，2bの各上縁部は内側に折り返して重ね合せ、これを接合して前後の補強縁部6，6を形成し、この補強縁部6，6の間に袋本体2の開放することができる開口部7を形成している。

　前記袋本体2を形成するフィルタには、ここではヒートシールが可能な合成樹脂製フィルタが使用される。更に言えば、ここにおけるフィルタは、高周波等による接合手段を用いての接着に当ってフィルタの内面側を強接着性にし、外面側を弱接着性にする互いに接着力を異にした二層構造のフィルタにしてある。そして、前記前後の面部2a，2bはそれぞれ袋本体の内側に上記内面側の強接着性であるフィルタ層Aを、そして外側に外面側の弱接着性のフィルタ層Bを向けるようにして袋本体2を形成し、前記した如く補強縁部6、6を形成する際には折り返しによって二重にしたところでヒートシールし、上記内面側同士、つまりフィルタ層A，A同士を一体に接合して強固な接着をなし、所要剛性を持った補強縁部6，6を形成する。

　図4は、この状態を具体的に示したものである。ここでは前後の面部2a，2bを形成するフィルタは、内面側になる強接着性のフィルタ層Aにポリプロピレンを材料としたフィルタ層を配置し、また外面側の弱接着性のフィルタ層Bにポリエステルを材料としたフィルタ層を配置して、この両層を一体に接着して二層構造にしたものにしてある。

　この接着強度の異る二層構造のフィルタの使用は、前述した様に補強縁部6，6の形成及び左右の縁部同士の接合と共に、袋本体2の底部8おける前後面部2a，2bの接合にも有効に利用され、強固な接合が図られている。

　そしてまた、図4に示したように、上記前後の面部2a，2bの上縁部に当る補強縁部6，6相互を接合し開口部7を閉塞するに当っては、この補強縁部6，6の外面側同士、つまり弱接着性のフィルタ層B，B同士による接着となる。そのため、後述する様にこの接合は接合強度が弱いものとなり、指先による引き離しによって簡単に剥離開封が可能な状態に接合されることになる。

　一方、前記支持体3は、所要剛性を有したやや厚手の板紙を素材にしてこれを切抜くことによって形成してある。ここでは、図1に示したように略方形の板紙を切抜いて固定片9と腕片10，係止片11を一体に形成するものにしてあり、更にここでは支持体3の形成に併せて、補強片12を同時に形成するようにしてある。

　支持体3を構成する前記固定片9，腕片10，係止片11のうち、固定片9は略凹字形に切抜いて形成してある。この固定片9の凹字形の溝の底部に続くようにして舌片状の腕片10を切出し、更にこの腕片10の上端部から左右方向に延び出し、且つ前記固定片9を囲み込むようにして略矩形の枠形をなす係止片11を切り出すようにして形成してある。

　この支持体3は、固定片9を前後の面部2a，2bの各外表面部に接合して前後1対のものが対称的に固定され、それぞれは上記固定片9の取付けによって平面状を維持した状態で袋本体2の前後の面部2a，2bの各外表面部に取付く。そして、未使用時の袋本体2を偏平に保つことになるのである。

　一方、この支持体3の取付けにおいて、前記固定片9の接合に併せてこの固定片9から連続して形成される腕片10は基端部13の背面をそれぞれ前後の面部2a，2bの外表面に接合してここにフィルタと一体をなす補強弾性部14を形成している。この補強弾性部14は、更に説明すると舌片状に形成される腕片10の固定片9に続く基端部13（図面において腕片10の両側縁を形成する切込みの終端同士を結ぶ位置）から先端部（自由端部）側に向う所要の領域において前、後面部2a，2bに直接接着することによって形成されている。

　従って、腕片10を引き起こすと、接着により一体化した前後面部2a，2bがこの接着部分において一緒に引き上げられ、これに基づいてフィルタの復元力が同時に働くことになり、基端部13に集中する引き起しの力がこの部分全体に分散され腰折れ状態、即ち屈折を回避することになっている。

　図1において、破線15は固定片9と腕片10の補強弾性部14の前後の面部2a，2bに対する接合範囲を示したものである。また、破線16は後述するように係止片11をコーヒーカップ4の縁に掛止めるとき、この係止片がカップの外側に回り込み易くするための折曲げ部分を示したものである。

　前記支持体3と共に厚紙を切り抜くことによって形成される前記補強片12，12は、係止片11の外側を囲むように門形に形成してあり、それぞれ上縁部12a，12aの上部には中央部から右側にずらした状態で開封用の摘み片17を突設している。

　この補強片12，12は、その上縁部12aを袋本体2の開口部7を前後から挟むように形成する補強縁部6，6に沿って接着してある。この補強片はフィルタを二重にして形成した補強縁部6，6に重ねることによって開口部7の縁を更に補強し、剛性を高めることになり、またそれぞれは左右の端から垂設する側片部12b，12bを前後の面部2a，2bのそれぞれの側縁部に沿って接着することによって前記マチ5，5の内側に入り込めるようにしてある。そして、上縁部12aの左右の端部には折曲げのミシン線18を形成して上記側片部12b，12bがマチ5，5の内側に無理なく折り込めるようにしてある。

　さて、上記構成に係る本発明濾過器は、袋本体2の中に所要量のコーヒー粉末（通常8～10g前後の粉末量）を充填し、未使用時には前後の面部2a，2bを寄せ合せて偏平状に畳まれる。そして、この時接面する開口部7はヒートシールによって前後の面部2a，2bの対面する補強縁部6，6の外面側同士を1点において接合19し、閉塞した状態にして包装用袋（図示せず）に収容し、機密の状態にして保管される。

　そして、使用時には包装用袋から取り出したのち、補強片12の摘み片17を摘んで前後に引き離して接合部分19の接着を剥離して開封し、次に袋本体2の前後の面部から支持体3，3を引き出してこれをカップ4の縁に掛止めることによりセットすることになる。

　使用の実際を更に説明すると、本発明濾過器1の装着セットは、先ず前後の面部2a，2bに取付けた支持体3，3の係止片11，11を引き出すことによって行われる。

　前後の面部2a，2bに接面した状態にある係止片11を指で摘んで引き起すと、これに伴って腕片10が引き起され、袋本体2の前後の面部2a，2bが開口部7と共に開放することになる（図3を参照）。そして、前後の係止片11，11がカップ4の口に合う程度に引き出されたところで縁に掛け止めることによって装着作業を終了し、セットを完了することになる（図5を参照）。

　この装着作業において、係止片11の引き出しによって引き起される腕片10は、前後の面部2a，2bに固定される固定片9との接続点となる基端部13を基点にして起き上りを開始し、厚紙素材の剛性に抗しながら反り返り、係止片１１の引き出しに追随することになる。この時、腕片10の剛性に抗しての起き上りは、同時に袋本体2の前後の面部2a，2bを外に引き出すことになる結果、開放を誘導することになる。これと共に、この引き出し時に補強弾性部14を介して上記前後面部2a，2bの一部を引き出しながら起き上ることから基端部13を基点にしながら徐々に反り返ることになり、これに伴って反り返りの基点が一点に集中するのが回避されることになる。

　ところで、厚紙は、材料としてのコストが低く、打抜きによる加工も容易で製造性に優れることから、使い捨ての濾過器の素材として条件を備えたものとなるが、同時に、折れ曲げに対しては耐久性に欠け、簡単に折れ曲って復元力を失う問題があることは前述した通りである。

　これについて本発明濾過器は、上述した通り、引き起しによって腕片10に反りが加えられたとき、前記補強弾性部14によってフィルタ素材の裏打ちを受けて急激な反り返りが防止される構造になっていることから、折れ曲りが回避され、反り返り状態が維持されて復元力が残されることになり、その結果、反発力が腕片10に蓄積されて袋本体2の開放と、係止片11，11の係止力が保たれて安定した装着状態が得られることになる。

　一方、前述したように袋本体2は、開口部7が補強縁部6，6によって、また補強片12，12によってそれぞれ補強され、柔軟なフィルタに対して所要の剛性が付与される構造になっていることから、支持体3，3によるカップ4に対する装着が行われたとき、開口部7に臨む縁部が自立してしっかり開放した状態を保つことになり、また未使用時には開口部7を閉じた状態において前、後の面部2a，2bの補強縁部6，6の外面側同士の接合によって閉じ合せ、被抽出物であるコーヒー粉末を確実に封入して置くことができることになる。そして、このとき補強縁部6，6と補強片12，12によって剛性が付与されることから、前述の様に接合部分19のみによる接着でも充分な閉塞状態が保持されることにもなる。

　図７及び図８は、この袋本体2の装着作業において、前後の支持体3，3の各係止片11，11を引き出し、この引き出しによって腕片10，10が引き起される状態と、この腕片10，10と袋本体2の前後の面部2a，2bとの関係を示したものである。尚、ここでは前後の支持体3，3は同一であるので、前面側の支持体3と前面部2aとの関係について説明し、他方を省略している。

　この中で、図７は、固定片9に揃って前面部2aに接面した状態にある係止片11及び腕片10を引き起しを始めた状態を示している。この状態における腕片10は僅かに起された状態にあることから、緩い反り返り状態にあり、無理のない姿勢を保つことになる。次に、図８は係止片11がカップ4の縁に掛けられる程に引き出され、これに伴って腕片1が弓形に反り返り、復元力による反発力が蓄積された状態を示している。

　腕片10が図８の如く引き起されると、腕片10自体がその剛性に抗して反り返ることになると同時に、引き出しに伴う反り返りによってその基端部13において前面部2aに接合して一体化が図られた補強弾性部14がこの前面部2aを盛上げる如く外に向けて引き出されることになるため、反り返りの基点が上記基端部13の位置から補強弾性部14の全体に及び、この補強弾性部14において腕片10は緩い反り返り状態を作ることになる。つまり、ここで一点集中に伴う腰折れを回避し、反り返り状態から反発力を生み出して係止片11の係止力及び袋本体2の開放状態を安定的に保つことになるのである。

　更に言えば、上記補強弾性部14は、反り返る腕片10にフィルタ素材の前面部2aを接合して一体化することにより補強するもので、腕片10の反り返りを緩慢にして折れ曲りを回避し、同時にフィルタ素材の持つ復元力を腕片10に作用させて、これにより補強及び弾性を付与するものであり、厚紙素材からなる腕片10の脆さを補強するものとなるのである。

　尚、腕片10に形成される上記補強弾性部14は、素材の厚紙によっても異ることになるが、袋本体2に一体に接着固定される固定部9に接続する基端部13から先端部方向に向かって約2～4mm程度の範囲に亘って形成されると、所要の効果を上げることができる。勿論、接合範囲が大きくなると、腕片10の引き起しによる反り返りが少なくなり、延び出しが小さくなってこれに伴う負荷が狭い部分に集中することになるので、返って腰折れの原因となることから、設計時の配慮が求められることになる。

　さて、本発明に係る濾過器1は上述した如く構成され、使用されるが、袋本体2を形成する前後の2面部2a，2bは、開口部7に臨むそれぞれの上縁部を内側に折込み二重にして接合し補強縁部6，6を形成するに当ってこの補強縁部の向い合わせとなる外面側同士を同時に接合して開口部7を閉じることができる。

　この同時に行う接合は、必須のものではなく選択的なものであるが、同時接合によった場合は、補強縁部6，6はフィルタの強接着性の内面側同士の接合となり、また開口部7の接合は補強縁部の外面側の弱接着性にかかる部分同士の接着となるため、上記補強縁部においては強固な接着状態が得られ、所要剛性を持った縁部を形成することになり、その一方、開口部7においては易剥離状態の接着となるため開封時には指先によって容易に開封することができるものとなる。

　尚、上記接合作業を濾過器の製造工程に合せて個別にすることを排除するものではないが、本発明においては前後の面部を構成するフィルタについて、前述した通り内面側と外面側との接着性能を強弱違えてあることから、接合作業を同時にしても、又個別にしても自動的にそれぞれ接若強度を違えて接合することができることになる。また、この場合それぞれの接合を同一の加熱温度の下で行っても上記フィルタの構造から接着強度を違えて接合することが可能である。

　図4は、前述の通り、前後の面部2a，2bにおける補強縁部6，6の形成と、補強縁部6，6同士の接合によって開口部7を閉塞している状態を示している。更にここには支持体3，3と補強片12，12が接合された状態が示されている。

　この支持体3，3と補強片12，12は、前記フィルタによる接着性によらず個別に接着し取付けられるが、支持体については容器4に対して袋本体2をしっかり支持できる強度をもって取り付けことになる。

　ところで、前記説明において、フィルタについて内面側と外面側とが接着強度を異にする2層A，Bからなることを説明したが、ここにおける接着力の強い層Aについては前記ポリプロピレンの外、ポリエチレン、低融点ポリエステル、ナイロン、など溶融することで接着力を有する合成繊維を選択することができる。

　また、外面側の接着力の弱いフィルタ層Bにはポリエステル、レーヨンなどの合成繊維の外、コウゾ、ミツマタ、マニラ麻などパルプからなる紙フィルタを選択することができる。

　また一方、この使用フィルタについては、内外の2層を個別に成形してこの両者を接合し積層して形成する外に、前記したコウゾ、ミツマタ、マニラ麻などパルプからなる紙フィルタを基材にしてこれを弱接着性の外面側とし、その一面側に熱融着性の高いポリプロピレンやポリエチレンの短繊維を漉き込んで強接着性の内面側に当たるフィルタ層Aを形成するようにしたものであってもよい。

　尚、この場合、上記紙フィルタの基材の一面にポリプロピレンやポリエチレンの短繊維を漉き込みフィルタ層Aを形成すると、この漉き込みの過程で短繊維の一部が上記基材側に浸透して非接着性の紙フィルタ、つまり外面側に接着性をもたらすことになり、その結果弱接着性のフィルタ層Bを自動的に形成することになる。

　更にまた、このフィルタについては、前記内外2層のフィルタ層A，Bからなるものにおいて、この両者間にフィルタの強度を出すための、或は濾過濃度を調整するための第3のフィルタ層（中間層）を介挿してもよい。

　当該濾過器に使用されるフィルタは、使用の実際を考慮すると同時に、コーヒーの揚合はその風味が重要な要素となるため封入されるコーヒー粉末の粒径や、投入量等の調整が重要な要素となる一方、フィルタそのものの選択も重要な要素となる。この様なことから、フィルタについては上記第3のフィルタ層、つまり中間のフィルタ層の介挿を含むことになる。

　尚、図6は易剥離状態に接合される開口部7の接合形態を説明したものであるが、図（A）は、前後の補強縁部6，6の各外面に沿って付設した補強片12に被るように2箇所に、そして摘み片17，17の2箇所に点状に接合部20を設けた場合であり、図（B）は、補強片12が被る補強縁部6，6の対面する部分を幅方向に沿って線状に接合部21を設けた場合であり、また図（C）は、補強片12を付設した補強縁部6，6の対面する部分を幅方向に沿って間隔を置いて複数の接合部22，・…を設けた場合である。

　これらいずれの接合部も開口部7の開放に当って指先の開放作業で簡単に開封できるようにした接合例である。

　以上、本発明をコーヒーの濾過器について説明したが、この濾過器は被抽出物としてコーヒーが選択される他、紅茶や緑茶などの茶葉や、だし等の濾過器としても利用できることは言うまでもない。

　１　本発明に係る簡易型濾過器
　２　袋本体
　２ａ，２ｂ　袋本体を形成する前後の面部
　３　支持体
　５　袋本体の側部に形成したマチ
　６　袋本体の開口部に沿って形成される補強縁部
　７　袋本体の開口部
　１２　袋本体の開口部の外側面に沿って設けた補強片
　１２ａ　補強片の上縁部
　１２ｂ　補強片の側片部
　１３　腕片の基端部
　１７　補強片に設けた摘み片
　１９　袋本体の開口部を閉塞する接合部分
　２０，２１，２２　袋本体の開口部を閉塞する接合部
　Ａ　フィルタの内面側の強接着力を有するフィルタ層
　Ｂ　フィルタの外面側の弱接着力を有するフィルタ層

Claims

　前後２面部を向き合わせにして互いの上縁部間に開口部を設ける透水性のフィルタを素材にして形成される袋本体と、該袋本体を容器に支持する支持体とからなる簡易型濾過器において、前記袋本体の前後2面部を形成する前記フィルタは加熱乃至高周波接着による接合においてその内面側が強接着性であり外面側が弱接着性である二層構造にかかるフィルタにして、前記開口部に臨む前記前後の2面部の各上縁部についてそれぞれを内向きに折り返し重ね合せて互いに接面する内面側同士を前記強接着性を利用して強固に接合し、これによって各上縁部を二重構造の補強縁部に形成する一方、該前後に対面する補強縁部の外面側同士を接面させ前記弱接着性を利用して易剥離状態に接合し、前記袋本体の開口部を封止して袋本体内に被抽出物を封入することを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項１に記載の簡易型濾過器において、袋本体の開口部に臨む前後の補強縁部は対面する外面側同士を1又は複数の箇所において点状に接合し、前記開口部を封止することを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項１に記載の簡易型濾過器において、袋本体の開口部に臨む前後の補強縁部は対面する外面側同士を前記開口部の開口幅方向に沿って線状に接合し、前記開口部を封止することを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項1に記載の簡易型濾過器において、袋本体の開口部に臨む前後の補強縁部にはそれぞれの外側面に補強片を付設することを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項4に記載の簡易型濾過器において、補強縁部に沿って付設される補強片にはそれぞれ上縁部分から開封用摘み片を突設することを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項1乃至5のいずれかの請求項に記載される簡易型濾過器において、袋本体の前後の2面部を形成するフィルタは木材パルプからなる紙フィルタを主素材にして弱接着性の層を構成し、他方その内面側には熱接着性を有する合成樹脂製短繊維素材を漉き込んで強接着性の層を構成して二層構造とすることを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項１乃至５のいずれかの請求項に記載される簡易型濾過器において、袋本体の前後の２面部を形成するフィルタは内面側に溶融による接着力が高い合成樹脂製のフィルタを配置し、外面側に上記内面側フィルタより接着力が低いか若しくは接着力を欠除するフィルタを配置して両フィルタを積層状に一体に接合し、内面側を強接着性の層とし外面側を弱接着性の層とする二層構造にしてなることを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項7に記載の簡易型濾過器において、袋本体の前後の２面部を形成するフィルタは内面側と外面側において強弱接着性を異にする二層構造にした間に強度乃至は濾過濃度を調整するための第三のフィルタ層を介挿することを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項１乃至８のいずれかの請求項に記載される簡易型濾過器において、前記支持体は厚紙板片を切り抜いて互いに連続する状態で前記袋本体に固定する固定片と、この固定片から上向きに舌片状に延設される腕片と、この腕片の上端部から左右方向に延び出し前記固定片の外側縁に沿って囲むように門形若しくは方形に延設される係止片とを一体に形成すると共に、この支持体の前記固定片を前記袋本体の前，後面部の各外表面に接着固定して一体に取付けると同時に、この固定片から延設される前記腕片の基端部を先端部に向けて所要の範囲に亘って前記袋本体の前，後面部の外表面に接合し、該基端部に腰折れ防止の補強弾性部を形成してなることを特徴とした簡易型濾過器。
　請求項１乃至９のいずれかの請求項に記載される簡易型濾過器において、袋本体は前、後面部の各側縁部を内側に折り込み、且つ側縁部端縁同士を一体に連続させて袋本体の両側部に拡張可能なマチを形成することを特徴とした簡易型濾過器。