WO2011046114A1 - 型および型の製造方法ならびに反射防止膜 - Google Patents

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Abstract

 本発明の型(10)は、表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、複数の第1凹部(12)と、複数の第2凹部(14)とを有する型であって、複数の第2凹部(14)は、表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部(15)が形成された形状を有し、複数の第1凹部(12)は、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、複数の第2凹部(14)の間に形成されており、複数の第2凹部(14)の2次元的な大きさの平均値は、複数の第1凹部(12)の2次元的な大きさの平均値より大きい。本発明によると、硬化性樹脂に対する濡れ性が改善されたモスアイ用型およびその製造方法が提供される。

Description

型および型の製造方法ならびに反射防止膜
 本発明は、型および型の製造方法ならびに反射防止膜に関する。ここでいう「型」は、種々の加工方法(スタンピングやキャスティング)に用いられる型を包含し、スタンパということもある。また、印刷(ナノプリントを含む)にも用いられ得る。
 テレビや携帯電話などに用いられる表示装置やカメラレンズなどの光学素子には、通常、表面反射を低減して光の透過量を高めるために反射防止技術が施されている。例えば、空気とガラスとの界面に光が入射する場合のように屈折率が異なる媒体の界面を光が通過する場合、フレネル反射などによって光の透過量が低減し、視認性が低下するからである。
 近年、反射防止技術として、凹凸の周期が可視光の波長(λ=380nm~780nm)以下に制御された微細な凹凸パターンを基板表面に形成する方法が注目されている(特許文献1から4を参照)。反射防止機能を発現する凹凸パターンを構成する凸部の2次元的な大きさは10nm以上500nm未満である。
 この方法は、いわゆるモスアイ(Motheye、蛾の目)構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を凹凸の深さ方向に沿って入射媒体の屈折率から基板の屈折率まで連続的に変化させることによって、反射を防止したい波長域の反射を抑えている。
 モスアイ構造は、広い波長域にわたって入射角依存性の小さい反射防止作用を発揮できるほか、多くの材料に適用でき、凹凸パターンを基板に直接形成できるなどの利点を有している。その結果、低コストで高性能の反射防止膜(または反射防止表面)を提供できる。
 モスアイ構造の製造方法として、アルミニウムを陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナ層を用いる方法が注目されている(特許文献2から4)。
 ここで、アルミニウムを陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナ層について簡単に説明する。従来から、陽極酸化を利用した多孔質構造体の製造方法は、規則正しく配列されたナノオーダーの円柱状の細孔(微細な凹部)を形成できる簡易な方法として注目されてきた。硫酸、蓚酸、または燐酸等の酸性電解液またはアルカリ性電解液中にアルミニウム基材を浸漬し、これを陽極として電圧を印加すると、アルミニウム基材の表面で酸化と溶解が同時に進行し、その表面に細孔を有する酸化膜を形成することができる。この円柱状の細孔は、酸化膜に対して垂直に配向し、一定の条件下(電圧、電解液の種類、温度等)では自己組織的な規則性を示すため、各種機能材料への応用が期待されている。
 特定の条件下で形成されたポーラスアルミナ層は、膜面に垂直な方向から見たときに、ほぼ正六角形のセルが二次元的に最も高密度で充填された配列をとっている。それぞれのセルはその中央に細孔を有しており、細孔の配列は周期性を有している。セルは局所的な皮膜の溶解および成長の結果形成されるものであり、バリア層と呼ばれる細孔底部で、皮膜の溶解と成長とが同時に進行する。このとき、セルのサイズすなわち、隣接する細孔の間隔(中心間距離)は、バリア層の厚さのほぼ2倍に相当し、陽極酸化時の電圧にほぼ比例することが知られている。また、細孔の直径は、電解液の種類、濃度、温度等に依存するものの、通常、セルのサイズ(膜面に垂直な方向から見たときのセルの最長対角線の長さ)の1/3程度であることが知られている。このようなポーラスアルミナの細孔は、特定の条件下では高い規則性を有する(周期性を有する)配列、また、条件によってはある程度規則性の乱れた配列、あるいは不規則(周期性を有しない)な配列を形成する。
 特許文献2は、陽極酸化ポーラスアルミナ膜を表面に有するスタンパを用いて、反射防止膜(反射防止表面)を形成する方法を開示している。
 また、特許文献3には、アルミニウムの陽極酸化と孔径拡大処理を繰り返すことによって、連続的に細孔径が変化するテーパー形状の凹部を形成する技術が開示されている。
 特許文献4には、微細な凹部が階段状の側面を有するアルミナ層を用いて反射防止膜を形成する技術が開示されている。
 また、特許文献1、2および4に記載されているように、モスアイ構造(ミクロ構造)に加えて、モスアイ構造よりも大きな凹凸構造(マクロ構造)を設けることによって、反射防止膜(反射防止表面)にアンチグレア(防眩)機能を付与することができる。アンチグレア機能を発揮する凹凸を構成する凸部の2次元的な大きさは1μm以上100μm未満である。特許文献1、2および4の開示内容の全てを参考のために本明細書に援用する。
 陽極酸化ポーラスアルミナ膜を利用することによって、モスアイ構造を表面に形成するための型(以下、「モスアイ用型」という。)を容易に製造することができる。特に、特許文献2および4に記載されているように、アルミニウムの陽極酸化膜の表面をそのまま型として利用すると、製造コストを低減する効果が大きい。モスアイ構造を形成することができるモスアイ用型の表面の構造を「反転されたモスアイ構造」ということにする。
 モスアイ用型を用いた反射防止膜の製造方法としては、光硬化性樹脂を用いる方法が知られている。まず、フィルム等の基板と離型処理を施したモスアイ用型の凹凸表面と光硬化性樹脂とを準備する。続いて、光硬化性樹脂をモスアイ用型の凹凸表面に付与する。その後、光硬化性樹脂を介してフィルム等の基板を凹凸表面にニップロール等を用いて押圧して、付与した光硬化性樹脂内の空気を押し出す。このとき、モスアイ用型表面の凹凸構造中に光硬化性樹脂が充填される。続いて、凹凸構造中の光硬化性樹脂に紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化する。その後、基板からモスアイ用型を分離することによって、モスアイ用型の凹凸構造が転写された光硬化性樹脂の硬化物層が基板の表面に形成される。光硬化性樹脂を用いた反射防止膜の製造方法は、例えば特許文献4に記載されている。
特表2001-517319号公報 特表2003-531962号公報 特開2005-156695号公報 国際公開第2006/059686号
 しかしながら、本発明者が、光硬化性樹脂を用いて、モスアイ構造を有する反射防止膜の製造を試みたところ、被加工物の表面にモスアイ構造が形成されない部分が発生することがあった。図14に被加工物のモスアイ構造が形成されなかった部分のSEM像を示す。図14に示すように、被加工物の表面において、直径が数10μm程度の略円形の範囲に、モスアイ構造が形成されないことがあった。この問題は、モスアイ用型の表面の光硬化性樹脂に対する濡れ性が低いことに起因することがわかった。なお、この問題は、光硬化性樹脂に限られず、熱硬化性樹脂等の他の硬化性樹脂を用いた場合にも同様に発生する。
 本発明は、硬化性樹脂に対する濡れ性が改善されたモスアイ用型およびその製造方法ならびにモスアイ用型を用いて作製された反射防止膜を提供することを目的とする。
 本発明の型は、表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、複数の第1凹部と、複数の第2凹部とを有する型であって、前記複数の第2凹部は、前記表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部が形成された形状を有し、前記複数の第1凹部は、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、前記複数の第2凹部の間に形成されており、前記複数の第2凹部の2次元的な大きさの平均値は、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさの平均値より大きい。
 ある実施形態において、前記複数の第2凹部の面積率は0.7%以上である。また、前記複数の第2凹部の面密度は0.086個/μm2以上である。
 ある実施形態において、前記複数の第2凹部の2次元的な大きさの平均値は、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさの平均値の2.73倍以上である。
 ある実施形態において、前記複数の第2凹部の前記内面の、前記表面に対する立ち下がり角は、90°以下である。また、ある実施形態において、前記複数の第2凹部の前記内面の、前記表面に対する立ち下がり角は、44.3°以上である。
 ここで、「第2凹部の面積率」とは、単位面積あたりの第2凹部が占める面積の割合をいう。また、「複数の第2凹部の内面の、表面に対する立ち下がり角」とは、第2凹部の開口部における第2凹部の内面と、型の表面とがなす角をいう。また、「第2凹部の面密度」とは、単位面積あたりの第2凹部の個数をいう。
 ある実施形態において、前記複数の第2凹部の2次元的な大きさは400nm以上50μm以下であり、前記複数の第2凹部の前記面積率は0.8%以上である。
 本発明の反射防止膜は、上記いずれかの型を用いて作製された反射防止膜であって、表面に2次元的な大きさが100nm以上200nm以下である底面を有する複数の第1凸部と、2次元的な大きさが400nm以上50μm以下である複数の第2凸部とが設けられており、前記複数の第2凸部の表面に対する立ち上がり角は、90°以下である。
 本発明の型の製造方法は、表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、複数の第1凹部と、複数の第2凹部とを有する型であって、前記複数の第2凹部は、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部が形成された形状を有し、前記複数の第1凹部は、前記表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、前記複数の第2凹部の間に形成されており、前記複数の第2凹部の2次元的な大きさの平均値は、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさの平均値より大きい、型の製造方法であって、(a)純度が99.5質量%以上のアルミニウム膜またはアルミニウム基材を用意する工程と、(b)エッチング液中で、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材の表面を、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材より標準電極電位が高い金属に接触させた状態でエッチングを行うことにより、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である複数の凹部を形成する工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材の前記表面を陽極酸化することによって、前記複数の凹部の内面および前記複数の凹部の間にポーラスアルミナ層を形成することにより、前記複数の第1凹部と前記複数の第2凹部とを形成する工程と、を包含する。
 ある実施形態において、(d)前記工程(c)の後に、前記ポーラスアルミナ層を前記エッチング液に接触させることによって、前記複数の微細な凹部と前記複数の第1凹部とを拡大させる工程と、(e)前記工程(d)の後に、さらに陽極酸化することによって、前記複数の微細な凹部と前記複数の第1凹部とを成長させる工程と、を包含する。
 ある実施形態において、(f)前記工程(a)と(b)との間に、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材の表面を陽極酸化することによって陽極酸化層を形成する工程と、(g)前記工程(b)と(c)との間に、前記陽極酸化層を溶解除去する工程と、を包含する。
 ある実施形態において、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさは100nm以上200nm以下である。
 本発明によると、硬化性樹脂に対する濡れ性が改善されたモスアイ用型およびその製造方法ならびにモスアイ用型を用いて作製された反射防止膜が提供される。
本発明による実施形態のモスアイ用型10の模式的な断面図である。 複合表面90における水滴98の接触角を説明するための図である。 (a)および(b)は、モスアイ用型10の表面における水滴18の接触角を説明するための模式図である。 (a)、(b)、(c)、(d)、および(e)は、それぞれ、モスアイ擬似型20A、10A、10B、10C、および10Dの表面のSEM像を示す図である。 (a)、(b)、(c)、(d)および(e)は、それぞれ、モスアイ擬似型10A、10B、10C、10D、およびモスアイ用型10の第2凹部の2次元的な大きさの分布を表すヒストグラムである。 (a)、(b)、(c)および(d)は、モスアイ擬似型の第2凹部の平均サイズ、占有面積、面積率、面密度に対する接触角の大きさ(●)およびモスアイ用型の第2凹部の平均サイズ、占有面積、面積率、面密度に対する接触角の大きさ(○)を示すグラフ(○)である。 (a)および(b)は、それぞれ、モスアイ用型20Bおよびモスアイ用型10の表面のSEM像を示す図である。 (a)~(d)は、本実施形態のモスアイ用型の製造方法を説明するための模式的な断面図である。 第2凹部14の周辺の模式的な断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、第2凹部14の底部の突起13Cの先端が標準液滴レベルSより下にある場合、および第2凹部14の底部の突起13Cの先端が標準液滴レベルSより上にある場合の模式的な断面図である。 第2凹部14の底部の突起13Cの先端が標準液滴レベルSに接する場合の模式的な断面図である。 突起13の模式的な斜視図である。 (a)および(b)は、それぞれ、反射防止膜が有する凸部の形状による散乱効果の違いを説明するための模式図である。 被加工物のモスアイ構造が形成されなかった部分のSEM像を示す図である。
 以下、図面を参照して、本発明による実施形態のモスアイ用型およびその製造方法を説明する。
 図1は本発明による実施形態のモスアイ用型10の模式的な断面図である。図1に示すように、モスアイ用型10は、表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、複数の第1凹部12および複数の第2凹部14を有する。複数の第2凹部14は、表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部15が形成された形状を有する。複数の第1凹部12は、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、複数の第2凹部14の間に形成されている。複数の第2凹部14の2次元的な大きさの平均値は、複数の第1凹部12の2次元的な大きさの平均値より大きい。なお、2次元的な大きさは、円の直径で近似的に表され得る。複数の第2凹部14の内面に形成された複数の微細な凹部15および複数の第1凹部12は、上述した「反転されたモスアイ構造」を構成する。
 なお、上記のように、モスアイ用型10には、複数の細孔を有するポーラスアルミナ層が、複数の第2凹部14の内面および複数の第2凹部14の間に形成されており、複数の第2凹部14の間に形成されたポーラスアルミナ層の細孔を第1凹部12と称し、複数の第2凹部14の内面に形成されたポーラスアルミナ層の細孔を微細な凹部15と称している。
 第2凹部14は、2次元的な大きさが190nm以上であれば、後述するように水滴の一部が侵入できる。また、後述するように第2凹部14を反転して得られる凸部は、アンチグレア機能を発揮することができるが、第2凹部14によりアンチグレア構造を形成する場合、第2凹部14の2次元的な大きさは50μm以下であることが好ましい。
 このとき、複数の第2凹部14の面積率は0.7%以上であることが好ましい。また、複数の第2凹部14の内面の表面16に対する立ち下がり角αは90°以下であることが好ましい。なお、図1には、立ち下がり角αが90°であるモスアイ用型10を示している。
 後に実験例を示して説明するように、本実施形態のモスアイ用型10は、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である第2凹部14が設けられているので、硬化性樹脂に対する濡れ性が改善されている。第2凹部14を設けることによって濡れ性が改善されるメカニズムを以下に説明する。ここでは、濡れ性を示す指標として、モスアイ用型10の硬化性樹脂に対する接触角を用いる。以下、図2および図3を参照して、モスアイ用型10に第2凹部14を設けることによって、硬化性樹脂に対する接触角を小さくできるメカニズムを説明する。
 図2は、第1の材料で形成された部分92および第2の材料で形成された部分94からなる複合表面90における水滴98の接触角を説明するための模式的な断面図である。ここで、図2に示す、第1の材料で形成された部分92および第2の材料で形成された部分94からなる複合表面90の水滴98に対する見掛けの接触角θcは、下記のCassieの式(1)で表される。式(1)において、f1は第1の材料で形成された部分の割合、f2は第2の材料で形成された部分の割合(f2=1-f1)であり、θ1は第1の材料で形成された部分の表面の真の接触角、θ2は第2の材料で形成された部分の表面の真の接触角である。
  cosθc=f1cosθ1+f2cosθ2  (1)
 水滴が底まで完全に侵入できない微細な凹部が形成されている、第1の材料からなる固体の表面は、第1の材料で構成されている部分92と、第2の材料として空気で形成されている部分94とで構成される複合表面90であると考えることができる。ここで、θ2は空気の水に対する接触角であるが、水は空気中に浮いているときは球形であるので、微細な凹部内の空気の接触角θ2=180°と考えることができる。このとき、式(1)においてcosθ2=-1となり、微細な凹部が形成されていない場合に比べて、cosθcの値が小さくなる。すなわち、固体の表面に、水滴が浸入できない微細な凹部が形成されていると、複合表面90の見掛けの接触角θcが大きくなる。反転されたモスアイ構造を有する金型表面は、離型処理後において濡れ性が低いのは、液滴(水滴、樹脂等)が微細な凹部の底まで完全に侵入できないことに起因している。
 図3(a)および(b)に、本実施形態のモスアイ用型10の表面に滴下した水滴18に対する接触角を説明するための模式的な断面図を示す。モスアイ用型10の表面は、反転されたモスアイ構造を構成する第1凹部12と、第1凹部12よりも大きな第2凹部14とを有している。第2凹部14の内面には微細な凹部15が形成されている。水滴は、第2凹部14を含む領域に滴下されている。図3(a)は、第2凹部14を含む領域の模式的な断面図である。図3(b)は、図3(a)において第1凹部12のみが存在する部分を拡大して示す模式的な断面図である。
 図3(b)に示すように、第1凹部12の2次元的な大きさは水滴が底まで完全に侵入できない大きさであり、第1凹部12には空気が存在する。以下では、図3(a)および(b)に示すように表面液滴レベルSを考える。図3(b)に示すように、複数の第1凹部12のそれぞれには、内部に閉じ込められた空気と水滴との界面が存在する。表面液滴レベルSは、これらの界面をつないで形成される。第2凹部14の2次元的な大きさは、水滴が表面液滴レベルSよりも低い位置まで侵入できる大きさを有している。モスアイ用型10の表面に水滴18を滴下すると、図3(a)に模式的に示すように、第1凹部12では水滴が底まで侵入せず表面液滴レベルSを形成するのに対し、第2凹部14では表面液滴レベルSより低いところまで水滴18が侵入する。すなわち、第2凹部14内に形成された微細な凹部15においては、その内部に閉じ込められた空気と水滴との界面は、表面液滴レベルSよりも低くなる。従って、このようなモスアイ型10の表面における見かけの接触角(表面液滴レベルSにおける見かけの接触角)θcは、上式(1)の右辺に、水滴が侵入する第2凹部14による寄与分を第3項として加えた下記式(2)を用いて表すことができる。
  cosθc=f1cosθ1+f2cosθ2+f3cosθ3  (2)
 表面液滴レベルSにおいては、図3(a)および(b)に示すように、第2凹部14が占める部分と、第1凹部12が占める部分と、隣接する第1凹部12間の第1の材料で形成されている部分(突起部分)13とが存在する。上式(2)において、f1は隣接する第1凹部12間の第1の材料で形成されている部分(突起部分)13が単位面積に占める割合、f2は第1凹部12が単位面積に占める割合、f3は第2凹部14が単位面積に占める割合である(f1+f2+f3=1)。上式(1)と同様に、θ1は第1の材料の表面の真の接触角、θ2は第1凹部12内の空気の接触角(180°)である。θ3は表面液滴レベルSにおける第2凹部14の接触角である。第2凹部14には水滴18が表面液滴レベルSより低い位置まで侵入するので、θ3は水に対する水の接触角と考えることができる。すなわち、θ3=0°と考えることができる。このとき、cosθ3=1となる。従って、水滴が表面液滴レベルSより低い位置まで侵入できる第2凹部14を形成することによって、モスアイ用型10の表面の見かけの接触角θcを小さくできる。
 ここでは、水に対する接触角として説明したが、硬化性樹脂に対する接触角も、第2凹部14を形成することによって同様の理由から小さくすることができる。
 なお、後述する実験例では、硬化性樹脂に対する濡れ性ではなく水に対する濡れ性を評価した。水の表面張力は室温で72~73nN/mと硬化性樹脂の表面張力に比べて高いので、水を用いると表面状態の僅かな変化を接触角変化として明確に測定することが可能である。
 本発明による実施形態のモスアイ用型10は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である第2凹部14を有しているので、表面の硬化性樹脂に対する濡れ性を高くすることができる。また、式(2)からわかるように、第2凹部14が占める割合f3が大きいほど、接触角θcをより小さくできる。硬化性樹脂に対して十分な濡れ性を得るために、後に実験例を用いて説明するように、第2凹部14が占める割合(面積率)は0.7%以上であることが好ましい。
 次に、表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有する型を作製し、濡れ性を改善するための第2凹部14の平均サイズ、面積率、面密度(個数密度)の濡れ性に対する影響を検討した結果を説明する。以下の実験においては、作製した型の表面に離型処理を施し、離型処理後の表面の水に対する濡れ性を評価した。離型処理として、フッ素系離型剤を付与した。離型処理後の表面の濡れ性を評価したのは、反射防止膜の転写工程において硬化性樹脂等が接触する型表面は離型処理が施されているからである。濡れ性の評価の指標には接触角を用いた。なお、型の表面の水に対する濡れ性(水に対する接触角の大きさ)と、上述のモスアイ構造が形成されない部分が生じるという不良との間に相関があることは実験的に確認した。
 ここで、本発明による実施形態のモスアイ用型の製造方法を簡単に説明する。モスアイ用型は、特許文献1、2および4に記載されているように、アルミニウム基材を陽極酸化する工程と、陽極酸化によって形成された凹部を拡大するためのエッチング工程とを繰り返すことによって作製できる。本発明による実施形態のモスアイ用型10の製造方法は、後に詳述するように、1回目のエッチング工程において、エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で、エッチングを行うことによって、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である複数の凹部(図8(b)に示す凹部17)を形成する工程を包含する。すなわち、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である複数の凹部は、この1回目のエッチング工程におけるガルバニック腐食によって形成される。複数の第2凹部14は、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である複数の凹部を形成した後に陽極酸化を行うことにより、これらの凹部の内面に、複数の微細な凹部15が形成されたものである。
 なお、2回目以降のエッチング工程は、従来のエッチング工程と同様に、ガルバニック腐食が起こらない条件で行う。例えば、アルミニウム基材から電極を取り外す、あるいは、電極がエッチング液に接触しないようにして、エッチングを行う。以下では、ガルバニック腐食が起こらない条件で行うエッチングのことを「通常のエッチング」ということがある。
 上記のように、反転されたモスアイ構造は、通常、陽極酸化およびエッチングを複数回繰り返すことにより形成するところ、実験では、まず、陽極酸化およびエッチングを1回ずつ行うことにより形成した反転されたモスアイ構造を有する型(以下では「モスアイ擬似型」ともいう)の接触角を調べた。複数の第2凹部14を有する4種のモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dを以下のように作製した。
 まず、アルミニウム基材の陽極酸化を行うことにより、陽極酸化層(ポーラスアルミナ層)を形成した。陽極酸化条件は、処理液:蓚酸(0.05mol/L、温度:5℃)、電圧:80V、処理時間:1分であった。
 続いて、エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で、エッチングを行うことによって、複数の凹部を形成した。エッチング条件は、いずれの型の製造工程においても、エッチング液:燐酸(1mol/L(リットル))、処理温度:30℃であった。エッチング時間はモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dにおいて、それぞれ、50分、60分、70分、80分であった。エッチング時間(浸漬時間)を変えることにより、形成される複数の凹部の数、平均サイズ、および占有面積を変えた。このようにエッチング工程で形成される複数の凹部の数、平均サイズ、および占有面積を変えることにより、後に形成される第2凹部14の数、平均サイズ、および占有面積を変えた。
 なお、この後、上記エッチング条件で、通常のエッチング工程を、それぞれ40分、30分、20分、10分行うことにより、上記の陽極酸化で形成した陽極酸化層を完全に除去した。
 次に、上記と同じ陽極酸化条件で40秒間陽極酸化を行うことにより複数の凹部17(図8(b))の内面および複数の凹部17の間にポーラスアルミナ層を形成した。こうして、内面に複数の微細な凹部15が形成された形状を有する複数の第2凹部14が形成された。また、複数の第2凹部14の間に複数の第1凹部12が形成された。
 続いて、上記と同じエッチング条件で通常のエッチング工程を45分間行うことにより、ポーラスアルミナ層の細孔の孔径を拡大した。すなわち、複数の第1凹部12、および第2凹部14の内面に形成された複数の微細な凹部15の孔径を拡大した。こうして、第2凹部14の数、平均サイズ、および占有面積が異なるモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dが得られた。
 また、比較のために、第2凹部を有しないモスアイ擬似型20Aも作製し、接触角を調べた。モスアイ擬似型20Aは以下のように作製した。まず、上記のモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの製造工程における陽極酸化条件と同じ条件で1分間陽極酸化を行うことにより陽極酸化層を形成した後、上記エッチング条件と同じ条件で90分間、通常のエッチングを行うことにより、陽極酸化層を完全に除去した。続いて、陽極酸化を1回、同じ条件で40秒間行った後、通常のエッチング工程を同じ条件で1回、45分間行うことにより、モスアイ擬似型20Aを作製した。モスアイ擬似型20Aの製造工程において、1回目のエッチング工程では、上記のように、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極を接触させずに行ったので、モスアイ擬似型20Aは第2凹部を有しなかった。
 なお、モスアイ擬似型10A、10B、10C、および10Dの第1凹部は略円柱形状である。後述するように、モスアイ用型の第1凹部は、陽極酸化およびエッチングを複数回繰り返すことにより形成されるので略円錐形状となるが、モスアイ擬似型10A、10B、10C、および10Dの第1凹部12は陽極酸化およびエッチングをそれぞれ1回のみ行うことにより形成されるので、略円柱形状であった。また、モスアイ擬似型10A~10Dの第2凹部14の内面に形成された複数の微細な凹部15も、同様の理由から略円柱形状であった。また、同様の理由から、モスアイ擬似型20Aの複数の微細な凹部(細孔)も略円柱形状であった。略円錐形状であると形状や深さのばらつきが大きくなることがあるが、モスアイ擬似型10A~10Dでは、第1凹部12の形状を略円柱形状とすることにより、第1凹部12のばらつき要因を排除して第2凹部14の数、平均サイズ、占有面積の違いの接触角への影響を調べることができた。
 図4(a)に、第2凹部を有しないモスアイ擬似型20Aの表面のSEM像を示し、図4(b)~(e)に、第2凹部14を有するモスアイ擬似型10A、10B、10Cおよび10Dの表面のSEM像を示す。これらのSEM像の視野範囲はいずれも18.5μm×25μm(=462.5μm2)である。
 図4(a)に示すように、モスアイ擬似型20Aの表面には、微細な凹部が全面にほぼ均一に形成されている。複数の微細な凹部の分布に規則性はない。微細な凹部の隣接する距離(任意の凹部とそれに最も近い他の凹部との距離)の平均値は190nm程度であった。微細な凹部の深さの平均値は200nm、アスペクト比の平均値は2.0であった。また、微細な凹部の2次元的な大きさは、最大値110nm、最小値90nm、平均値100nmであった。なお、微細な凹部のアスペクト比は、微細な凹部の2次元的な大きさ(直径)に対する深さの比をいう。
 図4(b)~(e)に示すように、モスアイ擬似型10A、10B、10C、および10Dには、図4(a)に見られない、比較的大きな凹部(第2凹部14)が形成されている。図4(b)~(e)に示すように、第2凹部14の形状(モスアイ擬似型の表面の法線方向から見たときの形状)は、略円形であった。図4(b)~(e)からはわかりにくいが、第2凹部14は、内面に、第1凹部12と同程度の大きさの複数の微細な凹部15が形成された形状であった。第2凹部14は、モスアイ擬似型10A~10Dの製造工程において、ガルバニック腐食により形成される凹部の内面に複数の微細な凹部15が形成されたものである。また、図4(b)~(e)からわかるように、モスアイ擬似型10A、10B、10C、および10Dに形成された第2凹部14の大きさはこの順に大きくなり、第2凹部14の数もおおむねこの順で増えている。モスアイ擬似型10A~10Dのいずれにおいても、複数の第1凹部12の隣接する距離の平均値は190nmであった。第1凹部12の深さの平均値は200nm、アスペクト比の平均値は2.0であった。また、第1凹部12の2次元的な大きさは、最大値110nm、最小値90nm、平均値100nmであった。
 モスアイ擬似型10A、10B、10Cおよび10Dの第2凹部14の平均サイズおよび占有面積(面積率)を求めるために、まず図4(b)~(e)のSEM像から、第2凹部14の2次元的な大きさの分布を調べた。図4に示す範囲内の2次元的な大きさが190nm以上である凹部のうち、複数の微細な凹部15が形成された形状を有する凹部を第2凹部14とした。表1に、190nm~950nmの範囲における、第2凹部14の2次元的な大きさの分布を示す。表1に示すように、第2凹部の2次元的な大きさについて、9つの範囲の分布を調べた。なお、表1に示す「センター値」は、9つの範囲における両端の値(上限値および下限値)の中間値である。図5(a)~(d)に、それぞれ、モスアイ擬似型10A、10B、10Cおよび10Dの第2凹部の2次元的な大きさの分布(表1)を表すヒストグラムを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1および図5(a)~(d)からわかるように、モスアイ擬似型の製造工程において、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で行うエッチング工程)のエッチング時間が長かったモスアイ擬似型ほど、2次元的な大きさが大きい第2凹部が多く形成された。このことは、後に詳述するように、エッチング時間が長いほど、ガルバニック腐食の量が大きくなることに起因すると考えられる。
 表1に示した分布を用いて、第2凹部の平均サイズおよび占有面積(面積率)を算出した。結果を表2に示す。なお、表2の「第2凹部の数」は、図4に示す範囲内の第2凹部14の総数である。平均サイズは、次のように求めた。表1に示す9つの範囲の各範囲について、センター値とその範囲の個数との積をそれぞれ求め、それら積の9つの範囲全ての総和を上記「第2凹部の個数」で割ることにより求めた。また、占有面積は、各範囲における第2凹部の面積を、その範囲におけるセンター値を直径とする円の面積として算出した。具体的には、各範囲について、円の面積とその範囲の個数との積を9つの範囲について求め、求めた値の総和を占有面積とした。また、算出した占有面積を図4に示す範囲の面積(462.5μm2)で割ることにより面積率を算出した。同様に、「第2凹部の数」を面積で割ることにより面密度を算出した。
 また、モスアイ擬似型20A、10A、10B、10Cおよび10Dのそれぞれの表面の接触角を測定した結果を併せて表2に示す。接触角の測定には、協和界面科学(株)の自動静接触角計DropMasterを用い、フッ素系離型剤を付与してコーティングした表面の、水に対する接触角を評価した。フッ素系離型剤は、光硬化性樹脂を用いて反射防止膜を作製する際に、モスアイ用型の表面に付与するもので、ここでは、アルミニウムの自然酸化膜における接触角が110°のフッ素系離型剤を用いた。
 図6(a)、(b)、(c)、(d)に、それぞれ、モスアイ擬似型10A、10B、10C、および10Dの第2凹部14の平均サイズ、占有面積、面積率、面密度に対する接触角の関係を●で示す。なお、図6(a)~(d)には、モスアイ擬似型20Aについても●で示すが、モスアイ擬似型20Aは第2凹部を有しないので、平均サイズ、占有面積、面積率、面密度はいずれも0である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示したようにモスアイ擬似型20Aの水に対する接触角は140.5°であり、アルミニウムの自然酸化膜における接触角110°よりも大きい。これは、モスアイ擬似型20Aの表面に形成された微細な凹部の底まで水が侵入しないことによると考えられる。
 平均サイズが273nmの第2凹部を有するモスアイ擬似型10Aの接触角は133.4°であり、モスアイ擬似型20Aの接触角よりも7.1°小さい。すなわち、平均サイズが273nmの凹部には底まで水が侵入することが可能で、モスアイ擬似型10Aの水に対する接触角を小さくするように作用していることが分かる。
 また、モスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの結果から、第2凹部の平均サイズが増大し、且つ、第2凹部の面積率が大きいほど、接触角が小さくなる傾向が明らかに認められる(表2、図6(a)、図6(c))。このことから、Cassieの式(式(2))を用いて上述したメカニズムが妥当であることがわかる。モスアイ擬似型10Aの第1凹部および第2凹部の平均サイズは、それぞれ、100nmおよび273nmであった。従って、モスアイ擬似型10Aでは、第2凹部の平均サイズが第1凹部の平均サイズの2.73倍である。従って、第2凹部の平均サイズが第1凹部の平均サイズの2.73倍以上であり、第2凹部の面積率が少なくとも0.7%以上であれば、接触角を7.1°以上低減できる。なお、第2凹部の数(面密度(個/μm2))と接触角との相関は小さかった。
 次に、モスアイ用型10を作製し、接触角を測定した結果を説明する。
 モスアイ用型10は以下のように作製した。
 まず、アルミニウム基材の陽極酸化を行うことにより陽極酸化層(ポーラスアルミナ層)を形成した。陽極酸化工程は、蓚酸(濃度0.05mol/L、液温5℃)を用いて80Vの電圧を印加して1分間行った。
 次に、Cu、Fe、Si、Zn等を含むアルミニウム合金で形成された電極をアルミニウム基材に接触させた状態でエッチングを行うことにより、複数の凹部(図8(b)に示す凹部17)を形成した。エッチング工程は、燐酸(濃度1mol/L、液温30℃)を用いて80分間行った。その後、通常のエッチングを10分間行って、陽極酸化層を除去した。
 続いて、陽極酸化工程と通常のエッチング工程とを交互に5回(陽極酸化を5回、エッチングを4回)行ってモスアイ用型10が得られた。陽極酸化は、上記と同じ条件で25秒間行った。エッチングは、上記と同じエッチング液を用いて、電極を接触させずに25分間行った。
 また、比較のために、第2凹部を有しないモスアイ用型20Bを作製した。最初に陽極酸化を行うことにより陽極酸化層を形成した後、通常のエッチングを行うことにより陽極酸化層を除去し、続いて、陽極酸化工程と通常のエッチング工程とを交互に5回(陽極酸化を5回、エッチングを4回)行うことにより、第2凹部を有しないモスアイ用型20Bを作製した。モスアイ用型20Bの製造工程では、1回目の陽極酸化工程の陽極酸化条件、および1回目のエッチング工程のエッチング条件は、それぞれ、モスアイ擬似型20Aの製造工程の1回目の陽極酸化工程の条件、および1回目のエッチング工程の条件と同じにした。また、モスアイ用型20Bの製造工程では、2回目以降の陽極酸化工程の陽極酸化条件および2回目以降のエッチング工程のエッチング条件は、それぞれ、モスアイ用型10の製造工程の2回目以降の陽極酸化工程の条件、および2回目以降のエッチング工程の条件と同じにした。
 図7(a)に第2凹部を有しないモスアイ用型20BのSEM像を示し、図7(b)に第2凹部を有するモスアイ用型10の表面のSEM像を示す。また、表3に、表1と同様の方法で求めた、モスアイ用型10の第2凹部の2次元的な大きさの分布を示す。また、図5(e)に、モスアイ用型10の第2凹部の2次元的な大きさの分布(表3)を表すヒストグラムを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 図7(a)から分かるように、モスアイ用型20Bの表面には、微細な凹部(細孔)が全面にほぼ均一に形成されている。微細な凹部の分布に規則性はない。モスアイ用型20Bに形成された微細な凹部は、複数回のエッチング工程を経て形成されているので、モスアイ擬似型20A(図4(a))の表面の微細な凹部よりも大きい。
 一方、モスアイ用型10の表面には、図7(b)から分かるように、比較的大きな凹部(第2凹部14)が形成されている。第2凹部14の2次元的な大きさは220nm以上900nm以下であった。第2凹部の平均サイズ(2次元的な大きさの平均値)は403nmであった。モスアイ用型10の第2凹部14の2次元的な大きさは、220nm~900nmの範囲に広く分布しており、250nm以上350nm以下の第2凹部が最も多かった(図5(e)、表3)。複数の第2凹部14の間には、複数の第1凹部12が形成されている。また、複数の第2凹部14の内面には、複数の微細な凹部15が形成されている。図7(b)に示す範囲における第2凹部の個数は45個であった。また、表3から求めた第2凹部の占有面積は7.47μm2であった。第2凹部の個数を、図7(b)に示す範囲の面積(462.5μm2)で割ることにより面密度を算出したところ、0.097個/μm2であった。同様に、第2凹部の占有面積を図7(b)に示す範囲の面積で割ることにより面積率を算出したところ、1.6%であった。モスアイ用型10(図7(b))の複数の第1凹部の隣接する距離の平均値は180nmであった。複数の第1凹部の深さの平均値は380nm、アスペクト比の平均値は2.11であった。また、第1凹部の2次元的な大きさは、最大値190nm、最小値170nm、平均値180nmであった。
 モスアイ用型20Bおよびモスアイ用型10の接触角を、モスアイ擬似型10A~10D、20Aと同様の方法で測定した。すなわち、離型処理を施したモスアイ用型20Bおよびモスアイ用型10の水に対する接触角を測定した。第2凹部の平均サイズ、占有面積、面積率、面密度に対する接触角の大きさを、それぞれ、図6(a)~(d)中に○で示す。なお、図6(a)~(d)にはモスアイ用型20Bについても○で示すが、モスアイ用型20Bは第2凹部を有しないので、平均サイズ、占有面積、面積率、面密度はいずれも0である。第2凹部を有しないモスアイ用型20Bの接触角は152.2°であり、第2凹部を有するモスアイ用型10の接触角は135.0°であった。すなわち、モスアイ用型10は、上述のように第2凹部を有するので、モスアイ用型20Bの接触角よりも、17.2°小さい接触角を有している。
 図6(b)からわかるように、モスアイ擬似型(●)において、第2凹部の面積率が大きい程、接触角を下げることができた。式(2)を用いて上述したメカニズムによれば、原理的には、面積率が100%のときに、最も接触角を下げることができると考えられる。
 モスアイ用型においても、第2凹部の面積率と接触角との関係には、モスアイ擬似型と同様の傾向があると考えられる。すなわち、モスアイ用型においても、第2凹部の面積率が大きくなるほど接触角を下げることができると考えられる。なお、後述するように、第2凹部を反転して得られる凸部は、アンチグレア機能を発揮し得る。アンチグレア機能の観点からは、第2凹部の面積率は、0.8%以上であることが好ましい。
 なお、第2凹部の面積率は、後述するように、エッチング条件を調整することにより、調整できる。また、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で行うエッチング工程)で用いる電極やアルミニウム基材の異種金属濃度を変化させることによっても調整できる。
 次に、モスアイ用型10の接触角の好ましい範囲を説明する。接触角が大きいと、硬化性樹脂と被転写物との間に空気が侵入し、転写されない部分が発生するが、接触角が小さすぎると離型性が悪くなる。表面にコーティングする離型剤の表面状態を異ならせることにより、水に対する接触角が7°、60°、100°、120°、140°、および150°である6種の型を作製し、離型性の良否およびモスアイ構造が形成されない部分の発生の有無を調べた。まず、上記のモスアイ用型20Bの製造工程と同様の方法により、6つのモスアイ用型を作製した。6つの型は全て同じ条件で作製した。従って、6つの型の表面の細孔(反転されたモスアイ構造)の2次元的な大きさの分布はほぼ同じであった。
 得られた6つのモスアイ用型のうち、5つのモスアイ用型の表面に上記と同様のフッ素系離型剤を付与し、残り1つのモスアイ用型にはフッ素系離型剤を付与しなかった。その後、フッ素系離型剤を付与したモスアイ用型の表面に、フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製のUVランプシステムを用いて、波長が200~500nmの光を照射した。照射量は、0J/cm2、10J/cm2、120J/cm2、400J/cm2、800J/cm2、の5通りに変化させた。こうして、表面状態が互いに異なる6種のモスアイ用型が得られた。
 離型性は、6種のモスアイ用型の表面にUV硬化性樹脂を付与し、付与したUV硬化性樹脂を硬化させた後の剥離強度により評価した。結果を表4に示す。表4中の、◎は小さい剥離力で非常に離型しやすく、○は十分離型しやすく、△は剥離力が大きければ離型可能であり、×はUV硬化性樹脂が残存し完全には離型することができなかったことを示す。また、光硬化性樹脂を用いて反射防止膜(面積0.01m2)を作製し、モスアイ構造が形成されない部分(不良部分)の発生の程度を目視で評価した。表4中の○は不良部分の発生が全く無く、△は不良部分が僅かに発生し、×は不良部分が多く(概ね300個/m2以上)発生したことを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4から、離型性の観点からは、接触角が100°以上であることが好ましく、モスアイ構造が形成されない部分の発生を抑制するためには、接触角が120°以上140°以下であることが好ましいことが分かる。従って、モスアイ用型の接触角は、120°以上140°以下であることが好ましい。
 接触角7°および60°のモスアイ用型、すなわち比較的濡れ性の高いモスアイ用型に見られる不良部分の発生原因は、離形性の評価結果から、UV硬化性樹脂とモスアイ用型との密着性が高いためと考えられる。一方、接触角150°の比較的濡れ性の低いモスアイ用型に見られる不良部分の発生原因は、型と被転写物とのUV硬化性樹脂に対する濡れ性の違いが大きいことに起因する転写時の空気の侵入によるものであると考えられる。
 この結果から、第2凹部を形成することによってモスアイ用型の表面の接触角を制御する場合においても、接触角が120°以上140°以下となるように、第2凹部のサイズ、面積率を調整することによって、硬化性樹脂に対する濡れ性が改善されたモスアイ用型を得ることが出来る。
 上記のモスアイ用型10は、接触角が135°であるので、離型性の観点からも不良部分の発生を抑制するという観点からも、好ましいといえる。
 次に、本発明による実施形態のモスアイ用型10の製造方法を説明する。ここでは、アルミニウム基材を用いる例を説明するが、本発明による実施形態のモスアイ用型10の製造方法は、基材(例えばガラス基板)上に、薄膜堆積技術を用いて形成されたアルミニウム膜にも適用できる。
 本発明による実施形態の型の製造方法は、図8(a)~(c)に示すように、純度が99.5質量%以上のアルミニウム基材11を用意する工程(図8(a))と、エッチング液中で、アルミニウム基材11の表面を、アルミニウム基材11より標準電極電位が高い金属に接触させた状態でエッチングを行うことにより、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である複数の凹部17を形成する工程(図8(b))と、アルミニウム基材11の表面を陽極酸化することによって、複数の凹部17の内面および複数の凹部17の間にポーラスアルミナ層を形成することにより、複数の第1凹部12と複数の第2凹部14とを形成する工程(図8(c))とを包含する。本発明による実施形態の型の製造方法によると、表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部15が形成された形状を有する複数の第2凹部14と、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、複数の第2凹部14の間に形成されている複数の第1凹部12とを有する、モスアイ用型10(図1)が得られる。以下、図8(a)~(d)を参照して、本発明による実施形態のモスアイ用型の製造方法を説明する。
 まず、図8(a)に示すように、アルミニウムの含有率が99.5質量%以上のアルミニウム基材11を用意する。
 次に、図8(b)に示すように、エッチング液中で、アルミニウム基材11を、アルミニウム基材11より標準電極電位が高い金属を含むアルミニウム合金で形成された電極(不図示)に接触させた状態で、エッチングを行うことによって、凹部17を形成する。よく知られているように、標準電極電位の異なる金属を互いに接触させた状態で電解質溶液中に浸漬すると、標準電極電位の高い金属(貴な金属)と低い金属(卑な金属)間に電位差が生じ電池が形成され電流が流れ、卑な金属が腐食する(ガルバニック腐食)。エッチング液中で、アルミニウム基材11を、アルミニウム基材11より標準電極電位が高い金属を含むアルミニウム合金で形成された電極に接触させた状態で、エッチングを行うことにより、ガルバニック腐食が生じ、アルミニウム基材側が腐食され、その結果、凹部17が形成される。
 1回目のエッチング工程において、接触させる電極としては、例えば、Cu、Fe、Si、Zn等を含むアルミニウム合金を用いることができる。なお、アルミニウムよりも標準電極電位が高い異種金属としては、例えば、Zn、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、Hg、Ag、Pt、Au等が挙げられる。
 なお、上記エッチング工程を行う前に、アルミニウム基材11を部分的に(表面部分を)所定の条件で陽極酸化することによって、陽極酸化層(例えば、複数の細孔を有するポーラスアルミナ層)を形成し、その後、エッチング工程において、必要に応じて、最初に形成されたポーラスアルミナ層を溶解除去してもよい。最初に形成されるポーラスアルミナ層は、アルミニウム基材の表面の初期状態やアルミニウム基材に含まれている不純物等の影響で、欠陥を含むことがあるからである。最初に形成し、除去するポーラスアルミナ層の厚さは、再現性の観点から200nm以上であることが好ましく、生産性の観点から2000nm以下であることが好ましい。もちろん、必要に応じて、最初に形成したポーラスアルミナ層を部分的に(例えば表面からある深さまで)除去しても良い。ポーラスアルミナ層の除去は、例えば、燐酸水溶液やクロム燐酸水溶液に所定時間浸漬させて除去するなど公知の方法で行うことができる。
 上記の、アルミニウム基材を電極に接触させた状態でエッチングを行うことによっても、最初に形成した陽極酸化層を部分的に除去することができる。アルミニウム基材を電極に接触させた状態で行うエッチングの後に、陽極酸化層をさらに除去するときは、例えば、電極を外して通常のエッチングを行ってもよい。エッチング工程のエッチング条件により、除去する陽極酸化層を調整できる。例えば、通常のエッチング工程のエッチング時間を調整することにより、除去する陽極酸化層の厚さを調整できる。
 この後、図8(c)に示すように、アルミニウム基材11を部分的に陽極酸化することによって、複数の凹部17の内面および複数の凹部17の間に複数の細孔(微細な凹部)を有するポーラスアルミナ層を形成する。こうして、内面に複数の微細な凹部15が形成された第2凹部14が形成されるとともに、複数の第2凹部14の間に複数の第1凹部12が形成される。なお、上記のように、複数の凹部17の間に形成されたポーラスアルミナ層の細孔を第1凹部12と称し、それ以外のポーラスアルミナ層の細孔(複数の凹部17の内面に形成されたポーラスアルミナ層の細孔)を微細な凹部15と称している。
 この後、必要に応じて、通常のエッチング工程を行うことにより、第1凹部12および微細な凹部15の孔径を拡大する。すなわち、図8(d)に示すように、ポーラスアルミナ層をアルミナのエッチャントに接触させることによってさらにエッチングすることにより、第1凹部12および微細な凹部15の孔径を拡大する。なお、エッチング液としては、ここでも、1回目のエッチング工程で用いたエッチング液を用いることが好ましく、現実的には、同じエッチング浴を用いればよい。
 さらにこの後、必要に応じて、アルミニウム基材11を部分的に陽極酸化することによって、第1凹部12および微細な凹部15を成長させる。ここで、第1凹部12および微細な凹部15の成長は、既に形成されている第1凹部12および微細な凹部15の底部から始まるので、第1凹部12および微細な凹部15の側面は階段状になる。なお、後述するように、第1凹部12および微細な凹部15の側面は、陽極酸化および/またはエッチングの条件により、滑らかな側面にすることもできる。
 さらにこの後、必要に応じて、上記の陽極酸化工程とエッチング工程とを繰り返し、モスアイ用型10(図1)が得られる。
 図7(b)に表面のSEM像を示したモスアイ用型10は、上述した方法において以下の条件で作製した。1回目の陽極酸化工程は、蓚酸(濃度0.05mol/L、液温5℃)を用いて80Vの電圧を印加して1分間行った。1回目のエッチング工程は、燐酸(濃度1mol/L、液温30℃)を用いて80分間行った。電極として、Cu、Fe、Si、Zn等を含むアルミニウム合金を接触させた。その後、同じエッチング条件で、通常のエッチングを10分間行うことにより、1回目の陽極酸化で形成された陽極酸化層を完全に除去した。2回目以降の陽極酸化工程は、1回目と同じ条件で25秒間行った。2回目以降のエッチング工程は、1回目と同じエッチング液を用いて25分間行った。
 なお、第2凹部14の内面の、型の表面に対する立ち下がり角αは、0°超であれば、接触角を低減するという効果が得られる。また、第2凹部14の立ち下がり角αは90°以下であることが好ましい。立ち下がり角αが90°超であると、反射防止膜を作製する際の離型性の観点から好ましくないからである。
 第2凹部14の2次元的な大きさ(平均サイズ)、数(面密度)、および占有面積(面積率)は、エッチング条件を変えることにより、調整することができる。例えば、図4(b)~(e)、表1、表2を参照して説明したように、エッチング時間を変えることにより第2凹部の2次元的な大きさ(平均サイズ)、数(面密度)、および占有面積(面積率)を調整することができる。また、後述するように、ガルバニック腐食の進行には、エッチング時間以外にも、電極やアルミニウム基材の異種金属濃度等が影響する。従って、電極やアルミニウム基材の異種金属濃度等によっても第2凹部の2次元的な大きさ(平均サイズ)、数(面密度)、および占有面積(面積率)の制御が可能であると考えられる。
 なお、上記の陽極酸化とエッチングの繰り返し工程において、各陽極酸化工程、エッチング工程の処理量や繰り返し回数を制御することで、第1凹部12の側面を階段状の側面から実質的に滑らかな側面まで様々に制御することができる。さらに、陽極酸化処理量とエッチング処理量を、繰り返し工程の各回で変化させることで、第1凹部12の底点から表面に近づくほど傾斜が緩やかになる形状や、第1凹部12の底点から表面に近づくほど傾斜が急になる形状等を作ることができる。また、ポーラスアルミナ層の細孔を利用した第1凹部12は、周期的な開始点を設ける等の特定の条件下では高い規則性を有する(周期性を有する)配列とすることができ、また、処理条件によってはある程度規則性の乱れた配列、あるいは不規則な(周期性を有しない)配列とすることも可能である。不規則な配列をもったモスアイ構造を有する反射防止膜は、規則性を有するモスアイ構造を有するものと比較して、視認性を低下させる回折光の発生を抑制でき、高性能な反射防止性能を実現できるという利点がある。複数の第1凹部12の不規則な(周期性を有しない)配列とは、例えば、複数の第1凹部のうちのある第1凹部の底点とこの第1凹部の底点に最も近い第1凹部の底点との距離が、複数の第1凹部のうちの別の第1凹部の底点とこの第1凹部の底点に最も近い第1凹部の底点との距離と異なることをいう。第2凹部14の内面に形成される複数の微細な凹部15の形状や配列も、第1凹部12と同様に制御できる。
 上述したように、1回目のエッチング工程のエッチング時間を変化させることにより、第2凹部14の2次元的な大きさ(平均サイズ)、数(面密度)、および占有面積(面積率)を調整することができる。先に示した表1、表2、図4(b)~(e)を参照して、このことを説明する。上記のように、図4(b)~(e)は、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極を接触させた状態で行うエッチング)のエッチング時間を、それぞれ、50、60、70、80分として作製したモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの表面のSEM像である。また、表1にはモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの図4に示す範囲内の第2凹部14の2次元的な大きさの分布を示し、表2にはモスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの図4に示す範囲の第2凹部14の平均サイズ、占有面積、面積率、個数、面密度を示す。
 表2に示すように、エッチング時間が長いほど、第2凹部14の平均サイズおよび占有面積(面積率)が大きくなった。このことは以下のように説明できると考えられる。第2凹部14はガルバニック腐食により形成された凹部17の内面に微細な凹部15が形成されたものである。ここで、ガルバニック腐食の量は、電流積分値に依存する。エッチング時間が長いほど、ガルバニック腐食の量は大きくなる。ガルバニック腐食の量が大きいほど、複数の凹部17の占有面積が大きくなるので、エッチング時間が長いほど、複数の凹部17の占有面積(面積率)が大きくなったと考えられる。すなわち、エッチング時間が長いほど第2凹部14の占有面積(面積率)が大きくなったと考えられる。また、エッチング時間が長いほどガルバニック腐食の量が大きくなることから、エッチング時間が長いほど第2凹部14は大きくなったと考えられる。従って、エッチング時間が長いほど、第2凹部14の2次元的な大きさおよび平均サイズも大きくなったと考えられる。
 また、エッチング時間が長いほど、第2凹部14の数(面密度)は概ね大きくなった。このことは、下記のように説明できると考えられる。モスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの製造工程においては、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極を接触させた状態で行うエッチング工程)を行う前に、陽極酸化工程を行ったことによりアルミニウム基材の表面にはポーラスアルミナ層が形成されている。ガルバニック腐食は、ポーラスアルミナ層の下に存在するアルミニウムにエッチング液が接触した時点から進行する。ポーラスアルミナ層の細孔底部にはバリア層が存在し、エッチング工程を行うと、バリア層が薄くなる。その後、バリア層が全て溶解すると、アルミニウムにエッチング液が接触しガルバニック腐食が進行する。その結果、凹部17が形成される。ポーラスアルミナ層のバリア層の厚さにはばらつきがあるので、場所によってバリア層が全て溶解するのに要する時間にはばらつきがある。バリア層が全て溶解した細孔において先にガルバニック腐食が進行する。エッチング時間が長いほど、バリア層が全て溶解しガルバニック腐食が進行し得る細孔が多くなるので、凹部17の個数が多くなると考えられる。第2凹部14は、凹部17に複数の微細な凹部15が形成されたものであるので、エッチング時間が長いほど、第2凹部14の個数(面密度)が大きくなると考えられる。従って、エッチング時間を最も長くして作製したモスアイ擬似型10Dの第2凹部14の個数(面密度)が最も大きくなったと考えられる。
 最初に陽極酸化層を形成することなくエッチングを行うことにより、アルミニウム基材の表面に複数の凹部17を形成する場合にも、エッチング時間が長いほどガルバニック腐食が進行する箇所が増大すると考えられるので、この場合にも、エッチング時間が長いほど第2凹部14の個数(面密度)は大きくなると考えられる。
 なお、モスアイ擬似型10A、10B、10Cはこの順で、すなわち、エッチング時間が長いほど、第2凹部14の個数(面密度)が小さくなっている。これは、ばらつきの範囲内と考えられる。ガルバニック腐食は、アルミニウム基材中の不純物の分布や結晶状態の違いに起因して、エッチングされやすいところから進行する。モスアイ擬似型10A、10B、10C、10Dの製造工程のように、ポーラスアルミナ層を形成した後にエッチングして凹部17を形成するときも、凹部17が形成される位置(すなわちガルバニック腐食が進行する位置)は、アルミニウム基材中の不純物分布や結晶状態に影響を受けると考えられる。モスアイ擬似型10A、10B、10Cでは、エッチング時間が長いほど第2凹部14の数(面密度)が小さかったのは、モスアイ用型10A~10Cの作製に用いたアルミニウム基材中の不純物分布や結晶状態の違いに起因していると考えられる。
 次に、第2凹部14の立ち下がり角αの好ましい範囲の下限を説明する。
 例えば、上記のモスアイ用型10のように、第2凹部の2次元的な大きさの平均値が403nmであるときは、以下に示すように、第2凹部の内面の立ち下がり角は44.3°以上であることが好ましい。
 以下、図9~12を参照して、第2凹部14の内面の立ち下がり角の好ましい範囲の下限の算出方法を説明する。なお、以下では、簡単のため、モスアイ用型10の製造工程において、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で行うエッチング工程)で形成された凹部17(図8(b))の内面の形状が球面の一部である場合を考える。すなわち、第2凹部14は、形状が球面の一部である凹部の内面に、複数の微細な凹部15が形成されたものであると考える。また、本発明者の検討によると、反転されたモスアイ構造は、概ね、複数の円錐状の突起が並んでいる構造として考えることができることがわかった。従って、以下では、第2凹部14の内面に形成された複数の微細な凹部15および第1凹部12が形成された部分は、複数の円錐状の突起が形成されていると考える。
 図9は、図3(a)と同様の、第2凹部14を含む領域の模式的な断面図である。説明のため、図9に示すように、断面において第2凹部14の開口部を直線ABとし、第2凹部14の開口部の直径をφとする。また、第2凹部14の最深点を点Cとし、直線ABの中点を点Oとする。上記のように第2凹部14が球面の一部に複数の微細な凹部15が形成されたものである場合を考えているので、第2凹部14の断面は概ね円の一部と考えることができる。立ち下がり角αは、点Aにおける、第2凹部14の断面である円の接線lと直線ABとがなす角と考えることができる。また、点Oは直線ABの中点であり、直線ABと直線OCとは直交し、三角形ABCは角BACと角ABCとが等しい二等辺三角形である。このことと、立ち下がり角αが接線lと直線ABとがなす角であることから、角OACをα’とすると、α=2α’の関係が成り立つ。以下では、α’の好ましい範囲の下限を求めることにより、立ち下がり角α(=2α’)を算出する。
 α’の下限は以下のように考えることができる。図10(a)および(b)は、第2凹部14およびその周辺を模式的に示す拡大断面図である。図10(a)および(b)に示すように、第2凹部14に隣接する突起部分13aおよび13bと、第2凹部14の底に存在する突起部分13cとを考える。第2凹部14の底に存在する突起部分13cの先端が表面液滴レベルSより上にある場合(図10(b))に比べ、第2凹部14の底に存在する突起部分13cの先端が表面液滴レベルSより下にある場合(図10(a))のほうが好ましい。第2凹部14の底に存在する突起部分13cの先端が表面液滴レベルSより下にある場合(図10(a))のほうが、表面液滴レベルSで水が存在する面積が広くなるので、接触角を低下させることができるからである。言い換えると、角α’は、第2凹部14の底に存在する突起部分13cの頂点が表面液滴レベルSに接するとき(図11)の角α’より大きいことが好ましい。
 第2凹部14の底に存在する突起部分が表面液滴レベルSに接するとき(図11)の角α’は、以下のように求めることができる。
 図11に示すように、第2凹部14の開口部から、第2凹部14の底に存在する突起部分13cとの距離(すなわち、直線OCの長さ)をhとすると、OA=φ/2であるので、三角形OACにおいて、下記式(3)が成り立つ。
  tanα’=h/(φ/2)  (3)
式(3)から、α’は、hとφを用いて下記式(4)のように表される。
  α’=arctan(2h/φ)  (4)
 上記モスアイ用型10においては、第2凹部14の2次元的な大きさの平均値は403nmであるので、φ=403nmと考えることができる。
 一方、hは、第2凹部を有していないモスアイ用型20Bの接触角から、上記のCassieの式(1)を用いて求めることができる。以下、hの算出方法を、図12を参照して説明する。図12は、反転されたモスアイ構造を構成する突起13の模式的な斜視図である。突起13周辺において、深さhのところまで水滴の一部が存在している。また、突起13の底面の直径d0=190nmであり、高さh0=380nmである。以下では、まず突起13の深さhのところにおける断面(円C1)の面積を求め、円C1の半径を算出する。円C1の半径と深さhとの比は円C0(突起13の底面)の半径とh0との比に等しいので、求めた円C1の半径により深さhを算出できる。
 円C1の面積は以下のように算出できる。モスアイ用型20Bについて、Cassieの式(1)において、θc=152.2°、θ1=110°、θ2=180°であることと、f1+f2=1であることとから、f1=0.1657、f2=0.8343となる。f1:f2は、突起13の深さhのところまでの表面積(円錐の表面積)と、図12に示す、円C2から円C1を除いた部分の面積との比である。従って、f1およびf2は、それぞれ、突起13の深さhのところまでの表面積と、円C2から円C1を除いた部分の面積との和を1としたときの、突起13の深さhのところまでの表面積、および円C2から円C1を除いた部分の面積である。ここで、突起13の底面(円C0)の面積は28339nm2であり、突起13全体の表面積(円錐の表面積)は116843nm2である。
 円C1の面積と、突起13の深さhのところまでの表面積との比は、上記の円C0の面積(28339nm2)と突起13全体の表面積(116843nm2)との比に等しい。従って、円C1の面積は、突起13の深さhのところまでの表面積の(28339nm2)/(116843nm2)倍である。円C2の面積と円C1の面積との比をf2:f1’とすると、f1’は、f1’=f1×((28339nm2)/(116843nm2))=0.040となる。円C0の面積と円C2の面積とは等しいので、円C1の面積は、円C0の面積のf1’/(f1’+f2)倍である。従って、円C1の面積は、1302nm2と求めることができる。このことから、円C1の半径は19.51nmとなる。円C1の半径とhとの比は、突起13全体の高さh0と底面(円C0)の半径(d0/2)との比に等しいことから、h=81.45nmと求まる。
 求めたhの値と式(4)とから、α’=22.15°となる。α=2α’であるので、立ち下がり角αの好ましい範囲の下限は44.3°となる。すなわち、φ=403nmのときは、αが44.3°以上であることが好ましい。
 このように、立ち下がり角の好ましい範囲の下限は、第2凹部14の2次元的な大きさから算出することができる。
 なお、第2凹部の立ち下がり角αの大きさは、上述した本発明による実施形態のモスアイ用型の製造方法において、例えば、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で行うエッチング工程)のエッチング時間を調整することによって、また、電極およびアルミニウム基材の異種金属の濃度や分布を適宜調整することによって、調整できる。
 上述したように、モスアイ構造(ミクロ構造)に加えて、モスアイ構造よりも大きな凹凸構造(マクロ構造)を設けることによって、反射防止膜にアンチグレア機能を付与することができる(特許文献1、2および4)。本発明者の検討によると、アンチグレア機能を発揮する凹凸構造を構成する凸部の2次元的な大きさは、400nm以上50μm以下であることが好ましい。防眩性の観点から、アンチグレア機能を発揮する凹凸構造を構成する凸部は、おおよその可視光の波長(400nm程度)より大きいことが好ましい。また、反射防止膜が配置される表示パネルの画素の大きさ(概ね50μm超)より小さいことが好ましい。また、アンチグレア構造を構成する凸部の面積率は、0.8%以上であることが好ましい。また、反射防止機能の観点から、モスアイ構造を構成する凸部の2次元的な大きさは、100nm以上200nm以下であることが好ましい。
 本実施形態のモスアイ用型10が有する第2凹部14を反転して得られる凸部はアンチグレア機能を発揮し得る。従って、第2凹部14によりアンチグレア構造を構成する凸部を形成する場合、第2凹部14の2次元的な大きさは400nm以上50μm以下であることが好ましく、第2凹部14の面積率は、0.8%以上であることが好ましい。また、第1凹部12の2次元的な大きさは、第1凹部12を転写して得られる凸部の機械的強度の観点から100nm以上であることが好ましく、反射防止機能の観点から200nm以下であることが好ましい。
 上述した本発明による実施形態のモスアイ用型の製造方法において、例えば、1回目のエッチング工程(エッチング液中で、アルミニウム基材を、アルミニウム基材より標準電極電位が高い金属を含む電極に接触させた状態で行うエッチング工程)のエッチング時間を調整することによって、また、電極およびアルミニウム基材の異種金属の濃度や分布を適宜調整することによって、2次元的な大きさが400nm以上50μm以下の範囲の第2凹部14が、0.8%以上の範囲の面積率で形成されたモスアイ用型10を作製できる。上述したように、本発明による実施形態のモスアイ用型の製造方法において、第2凹部14はガルバニック腐食により形成された凹部17の内面に複数の微細な凹部15が形成されたものである。エッチング時間が長いほど、ガルバニック腐食の量が大きくなるので、サイズが大きい第2凹部が形成される。また、エッチング時間が長いほど、ガルバニック腐食が起こることにより凹部17が形成される箇所が増える。すなわち、エッチング時間が長いほど、第2凹部14が増える。従って、エッチング時間が長いほど、第2凹部14の面積率が大きくなる。また、ガルバニック腐食が起こる箇所は、電極およびアルミニウム基材の異種金属の濃度や異種金属の分布により変わる。従って、第2凹部14の2次元的な大きさおよび面積率は、エッチング時間を調整することにより、また、電極およびアルミニウム基材の異種金属の濃度や分布を調整することにより制御できる。
 本発明による実施形態のモスアイ用型10の第2凹部14は、内面の立ち下がり角が、例えば90°である。図1に示したモスアイ用型10の第2凹部14の立ち下がり角αは90°であり、急な立ち下がりを有している。急な立ち下がりを有する第2凹部14を反転して得られる凸部は、急な立ち上がりを有する。反射防止膜のアンチグレア機能を発揮する凸部として、急な立ち上がりを有する(立ち上がり角βが急である)凸部が設けられていると、以下に示すように、従来のなだらかな立ち上がりを有しているアンチグレア層に比べ、内部反射を抑制することができる。
 図13(a)に、立ち下がり角αが90°である凹部(第2凹部14)を有する型を用いて作製された反射防止膜30の模式的な断面図を示す。反射防止膜30は、2次元的な大きさが100nm以上200nm以下である複数の第1凹部12と、2次元的な大きさが400nm以上50μm以下である複数の第2凹部14とを有するモスアイ用型10の表面形状が転写されることにより、2次元的な大きさが100nm以上200nm以下である複数の第1凸部(不図示)と、2次元的な大きさが400nm以上50μm以下である複数の第2凸部34とを有する。第2凸部34の立ち上がり角βは90°である。反射防止膜30は、例えば、基材(例えば、TACやPETなどの高分子フィルム)とモスアイ用型10との間に光硬化性樹脂(例えばアクリル樹脂)を付与した状態で、光硬化性樹脂を硬化することによって作製できる。図13(a)に模式的に示すように、第2凸部34は、図示しない表示パネルの内部で反射し、観察者側に出射される光を効率的に散乱できる。図13(b)に従来のアンチグレア層を有する反射防止膜80の模式的な断面図を示す。図13(b)に模式的に示すように、従来のアンチグレア層の表面が有する凸部84はなだらかな立ち上がりを有しているので、内部反射光を散乱させる機能が小さい。
 第2凸部34の立ち上がり角βは、2°以上であることが好ましい。2°未満であると、平面に近くなるので、アンチグレア性が低いからである。このことから、第2凹部14によりアンチグレア構造を構成する凸部を形成する場合、第2凹部14の立ち下がり角αは2°以上90°以下であることが好ましい。
 本発明による型は、モスアイ構造を有する表面の形成、例えば反射防止膜の形成に広く用いることが出来る。
  10 型
  11 基材
  12 第1凹部
  14 第2凹部
  15 微細な凹部
  17 凹部

Claims (9)

  1.  表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、複数の第1凹部と、複数の第2凹部とを有する型であって、
     前記複数の第2凹部は、前記表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部が形成された形状を有し、
     前記複数の第1凹部は、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、前記複数の第2凹部の間に形成されており、
     前記複数の第2凹部の2次元的な大きさの平均値は、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさの平均値より大きい、型。
  2.  前記複数の第2凹部の面積率は0.7%以上である、請求項1に記載の型。
  3.  前記複数の第2凹部の2次元的な大きさの平均値は、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさの平均値の2.73倍以上である、請求項1または2に記載の型。
  4.  前記複数の第2凹部の前記内面の、前記表面に対する立ち下がり角は、90°以下である、請求項1から3のいずれかに記載の型。
  5.  前記複数の第2凹部の2次元的な大きさは400nm以上50μm以下であり、前記複数の第2凹部の前記面積率は0.8%以上である、請求項1から4のいずれかに記載の型。
  6.  請求項5に記載の型を用いて作製された反射防止膜であって、
     表面に2次元的な大きさが100nm以上200nm以下である底面を有する複数の第1凸部と、2次元的な大きさが400nm以上50μm以下である複数の第2凸部とが設けられており、
     前記複数の第2凸部の表面に対する立ち上がり角は、90°以下である、
    反射防止膜。
  7.  表面に陽極酸化ポーラスアルミナ層を有し、複数の第1凹部と、複数の第2凹部とを有する型であって、前記複数の第2凹部は、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下であって、内面に2次元的な大きさが10nm以上200nm以下である複数の微細な凹部が形成された形状を有し、前記複数の第1凹部は、前記表面の法線方向から見たときに、2次元的な大きさが10nm以上200nm以下であり、前記複数の第2凹部の間に形成されており、前記複数の第2凹部の2次元的な大きさの平均値は、前記複数の第1凹部の2次元的な大きさの平均値より大きい、型の製造方法であって、
     (a)純度が99.5質量%以上のアルミニウム膜またはアルミニウム基材を用意する工程と、
     (b)エッチング液中で、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材の表面を、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材より標準電極電位が高い金属に接触させた状態でエッチングを行うことにより、2次元的な大きさが190nm以上50μm以下である複数の凹部を形成する工程と、
     (c)前記工程(b)の後に、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材の前記表面を陽極酸化することによって、前記複数の凹部の内面および前記複数の凹部の間にポーラスアルミナ層を形成することにより、前記複数の第1凹部と前記複数の第2凹部とを形成する工程と、
    を包含する、型の製造方法。
  8.  (d)前記工程(c)の後に、前記ポーラスアルミナ層を前記エッチング液に接触させることによって、前記複数の微細な凹部と前記複数の第1凹部とを拡大させる工程と、
     (e)前記工程(d)の後に、さらに陽極酸化することによって、前記複数の微細な凹部と前記複数の第1凹部とを成長させる工程と、
    を包含する、請求項7に記載の型の製造方法。
  9.  (f)前記工程(a)と(b)との間に、前記アルミニウム膜またはアルミニウム基材の表面を陽極酸化することによって陽極酸化層を形成する工程と、
     (g)前記工程(b)と(c)との間に、前記陽極酸化層を溶解除去する工程と、
    を包含する、請求項7または8に記載の型の製造方法。
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