WO2011033759A1 - 現像ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

 本発明は、低温・低湿度から高温・高湿度の幅広い環境下において、安定した画像を形成し得る現像ローラを提供することが出来る。表面層が少なくともケイ素原子と化学結合している炭素原子と、ケイ素原子と化学結合している酸素原子と、ケイ素原子及び/または炭素と化学結合しているフッ素原子と、を含む酸化ケイ素膜からなり、該酸化ケイ素膜は、フッ素原子のケイ素原子に対する存在比(F/Si)、ケイ素原子と化学結合を形成している酸素原子のケイ素原子に対する存在比(O/Si)、および、かつケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する存在比(C/Si)が特定の範囲の値を有する現像ローラ。

Description

現像ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
本発明は現像ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置において、接触現像に用いられる現像ローラは、トナーの搬送量を一定量に規制するトナー量規制部材と当接する。そのため、現像ローラの表面のタック性が強い場合、搬送しているトナーが現像ローラ上に付着したままとなることがある。現像ローラの表面に付着したトナーは、その後の当該現像ローラと感光ドラムとの繰り返しの当接によって徐々に劣化し、最終的には現像ローラ表面に融着し、フィルミングを引き起こすことがある。特許文献1及び特許文献2は、現像ローラの表面層がトナーに対して離型性を有するフッ素含有非晶質炭素膜で形成することで、フィルミングを抑制した現像ローラを提案している。さらに、接触現像方式では一般的に、画像濃度が高く鮮明で、かつ非印字部への印字、所謂カブリの少ない均一な画像を安定して得るためには、現像ローラがトナーに対して均一かつ現像プロセスに応じた適正な摩擦帯電付与性を有する必要がある。特許文献3では、現像ローラの表面層が摩擦帯電付与性の高いSiO2薄膜により構成されており、長時間にわたってトナーに対して高い摩擦電荷を付与する現像ローラを提案している。
特開昭63-217377号公報 特開昭63-217376号公報 特開平2-32380号公報
電子写真画像形成装置には、低温・低湿環境下から高温・高湿環境下までの幅広い環境下において安定した画像特性が得られることが求められている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1及び2に係る発明の現像ローラを用いると、表面層に負帯電性の高いフッ素含有非晶質炭素膜を有するために、トナーに対して充分な負帯電量を付与することが困難であることを見出した。そのため、特に高温・高湿環境(30℃、80%RH)下においては摩擦帯電量、所謂トリボが低すぎるために発生する反転カブリの現象が見られる場合がある。
 一方、上記特許文献3に係る発明の現像ローラでは、表面に形成されたSiO2薄膜は正帯電性が高いためにトナーに対して過度の負帯電量を付与することがある。そのため、特に低温・低湿環境(15℃、10%RH)下において、負帯電トナーのチャージアップに起因する地カブリの発生が見られる場合がある。また、表面層に形成されたSiO2薄膜は水分との親和性が高いために、高温・高湿環境下においては、トナーに対して充分な摩擦帯電付与を行うことが出来ずに、カブリ(反転カブリ)の発生が見られる場合がある。さらには、弾性層表面に形成されたSiO2膜は硬度が高いものであるために、柔軟性を有する弾性層の変形に追従できずに表面にヒビが発生することがあった。この場合、弾性層からの低分子量成分がブリードアウトし、当該低分子量成分が感光ドラムに付着することによる電子写真画像の品質への影響が懸念される。
 そこで、本発明者らは、接触現像に係る電子写真画像の高品位化のより一層の安定化を図る上で、(1)多様な環境の下(低温・低湿度から高温・高湿度)でも適正な画像を形成し得ること、(2)トナー離型性に優れた表面を有すること、(3)十分な可撓性を有し、繰り返しの画像形成によってもヒビ割れを生じにくいこと、の特性を備えた表面層を備えた現像ローラの開発が重要であるとの認識を得るに至った。
 したがって、本発明の課題は、上記(1)から(3)の要件を満たした表面層を備えた現像ローラを提供することにある。
 本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討し、表面層を形成する材料を特定することが必要であることを見出し、ついに本発明に至った。
 すなわち、本発明によれば、トナーを担持搬送し、感光ドラムの静電潜像をトナーで現像するための現像ローラであって、軸芯体、弾性層及び表面層をこの順に有し、該表面層は、少なくとも、ケイ素原子と化学結合している炭素原子と、ケイ素原子と化学結合している酸素原子と、ケイ素原子及び/または炭素原子と化学結合しているフッ素原子と、を含む酸化ケイ素膜からなり、該酸化ケイ素膜は、フッ素原子のケイ素原子に対する存在比(F/Si)が0.10以上0.50以下であり、ケイ素原子と化学結合を形成している酸素原子のケイ素原子に対する存在比(O/Si)が0.50以上1.50以下であり、かつケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する存在比(C/Si)が0.30以上1.50以下である現像ローラが提供される。
 また、本発明によれば、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されているプロセスカートリッジであって、感光ドラムと、該感光ドラムに当接して配置されている現像ローラとを具備し、該現像ローラが上記の現像ローラであるプロセスカートリッジが提供される。
 また、本発明によれば、感光ドラム及び該感光ドラムに当接して配置されている現像ローラを有し、該現像ローラが、上記の現像ローラである電子写真画像形成装置が提供される。
本発明によれば、幅広い環境下においても、トナーに対して適正なトリボを付与することが可能であるために、安定した画像を提供し得る。
現像ローラの一例の断面図である。 引張弾性率の測定用試験片の採取方法を示す説明図である。 プラズマCVD法によるSiOxCyFz膜製造装置の模式図である。 現像ローラの電流値の測定方法を示す説明図である。 本発明の現像ローラを搭載した現像装置の一例を示す模式図である。 本発明の現像ローラを搭載したプロセスカートリッジを示す模式図である。
図1は本発明に係る現像ローラの断面を示す。現像ローラ1は、通常、金属の如き導電性材料で形成される軸芯体11と、その外周面上に形成されてなる弾性層12と、その外周面に形成されてなる表面層13とを有している。
 <軸芯体11>
 軸芯体11は、少なくとも外周面がその上に形成される弾性層12に所定の電圧を印加するに十分な導電性の材質からなる。具体的な軸芯体11の構成としては、Al、Cu合金、SUSの如き金属又は合金製の軸芯体、CrやNiのメッキを表面に施した鉄製軸芯体、CrやNiのメッキを表面に施した合成樹脂製の軸芯体が例示できる。
 <弾性層12>
 弾性層12は、原料主成分にゴム又は樹脂を用いて形成される。原料主成分のゴムとして、従来、現像ローラに用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴムが挙げられる。
 また、原料主成分の樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、例として、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の如きポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹脂;フッ素樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6の如きポリアミド樹脂が挙げられる。さらに、導電剤、非導電性充填剤、増量剤、酸化防止剤のような成分、また、ゴム及び樹脂成型体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、架橋剤、触媒、分散促進剤の如きを、主成分のゴム又は樹脂材料に適宜配合できる。これらゴム又は樹脂は、単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
 導電剤としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質と、電子導電機構による導電付与剤とがあり、どちらか一方、或いは併用することができる。
 電子導電機構による導電付与剤の具体例として、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の粉や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の如き金属酸化物;硫化銅、硫化亜鉛の如き金属化合物粉;適当な粒子の表面に酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムの如きを電解処理、スプレー塗工、混合振とうの如きにより付着させた粉;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブの如きカーボンブラック系の導電剤が挙げられる。
 イオン導電機構によるイオン導電性物質の具体例として、LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaClの如きアルカリ金属塩;NH4Cl、NH4SO4、NH4NO3の如きアンモニウム塩;Ca(ClO42、Ba(ClO42の如きアルカリ土類金属塩;上記アルカリ土類金属塩の1、4-ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き多価アルコールやそれらの誘導体との錯体;上記アルカリ土類金属塩のエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルの如きモノオールとの錯体;第四級アンモニウム塩の如き陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の如き陰イオン性界面活性剤;ベタインの如き両性界面活性剤が挙げられる。上記した種々の導電剤は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
 その他、弾性層に導電性を付与する手段として、導電剤に代えて、あるいは、導電剤とともに、導電性高分子化合物を添加する手法も利用できる。導電性高分子化合物とは、ポリアセチレンの如き共役系を有するポリマーをホストポリマーとし、これにI2の如きドーパントをドープして導電化した高分子化合物である。ホストポリマーの具体例を以下に示す。 
ホストポリマーの具体例として、ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェニン、ポリ(p-フェニレンオキシド)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ(2、6-ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリビニルカルバゾール、ポリジアセチレン、ポリ(N-メチル-4-ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリキノリン、ポリ(フェニレンエーテルスルフォン)が挙げられる。
ドーパントとしては、I2の他、Cl2、Br2、ICl、ICl3、IBr、IF3の如きハロゲン類;PF5、AsF5、SbF5、FeCl3、AlCl3、CuCl2の如きルイス酸類;Li、Na、Rb、Csの如きアルカリ金属類;Be、Mg、Ca、Sc、Baの如きアルカリ土類金属類、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸の如き芳香族スルホン酸又はそのアルカリ金属塩が例として挙げられる。
カーボンブラック系の導電剤は、比較的安価かつ容易に入手でき、また、主成分のゴム又は樹脂材料の種類に依らず、良好な導電性を付与できるため、好適である。主成分のゴム又は樹脂材料中に微粉末状の導電剤を分散させる手段としては、従来から利用されている手段を主成分のゴム及び樹脂材料に応じて適宜利用すればよい。
 充填剤又は増量剤の具体例としては、シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤が挙げられる。これらの充填剤は表面を有機ケイ素化合物で処理して疎水化にしてもよい。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤の如き公知のものを用いることができる。
 例えば、ゴム成型体をシリコーンゴムで作製するには、液状シリコーンゴムを主剤として用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを架橋成分とし、白金系触媒を用いて、ゴム成分に関する相互の架橋を図る。
 なお、感光ドラムと当接し、ニップ幅を確保し、加えて、好適なセット性を満たすものとするために、弾性層の厚さを0.5mm以上とすることが好ましく、1.0mm以上とすることがより好ましい。また、弾性層の厚さの上限は、作製される現像ローラの外径精度を損なわない限り、特にない。しかしながら、弾性層の厚さを過度に厚くすると、現像ローラと当接部材とを長時間当接させたまま放置させた場合に当接箇所の変形が大きくなり、歪みが残る場合があるので好ましくない。したがって、実用上、弾性層の厚さは6.0mm以下とするのが適当であり、5.0mm以下とすることがより好ましい。なお、弾性層の厚さは、目的とするニップ幅を達成するため、その硬さに応じて、適宜決定することができる。
 弾性層の成形は、従来から知られている押出成形法、射出成形法の如き成形法によって可能である。また、2層以上の構成とすることもできる。また、表面層を有する弾性層の引張弾性率は、1.0MPa以上100.0MPa以下、特には、1.0MPa以上30.0MPa以下であることがより好ましい。表面層を有する弾性層の引張弾性率を上記数値範囲内とすることにより、現像ローラを電子写真感光体の如き当接部材へ長期間当接したまま放置しておいた場合でも、現像ローラの当接部に圧接永久歪が発生しにくい。また、当接部材と現像ローラとの間を通過するトナーにかかる圧力が大きくなり過ぎず、トナー内のワックスの如き成分の染み出しを有効に抑制することができる。その結果、トナー量規制部材に融着したトナーにより発生するスジ画像を抑制することができる。
 引張弾性率は、JIS-K7113:1995に記載された方法に準じて測定される。本発明において、図2に示すように、長さ100mmで現像ローラ半周分であるサンプルを現像ローラ1から切り取って、引張弾性率測定用試験片40とする。測定には、万能引張試験機「テンシロンRTC-1250A」(商品名、株式会社オリエンテック製)を使用する。また測定環境は、温度20℃、湿度60%RHとする。なお、測定は、引張弾性率測定用試験片40の両端各10mmをチャックに取り付け、チャック間長さ80mm、測定速度20mm/minで行う。得られた引張弾性率及び引張弾性率測定用試験片40の弾性層厚、周長より断面積を求め、5サンプルの平均値を算出した値を、当該現像ローラの表面層を有する弾性層の引張弾性率とする。
 <表面層>
表面層13は、ケイ素原子と化学結合している炭素原子と、ケイ素原子と化学結合している酸素原子と、ケイ素原子及び/または炭素原子と化学結合しているフッ素原子と、を含む酸化ケイ素膜(以降「SiOxCyFz膜」と記載することがある)を含む。即ち、表面層13に含まれるSiOxCyFz膜は、Si-O及びSi-Cの化学結合を有する。さらには、Si-F及び/またはC-Fの化学結合を有する。そして、ケイ素原子及び/または炭素原子と化学結合しているフッ素原子の、ケイ素原子に対する存在比(F/Si)が0.10以上0.50以下である。また、ケイ素原子と化学結合を有する酸素原子のケイ素原子に対する存在比(O/Si)が0.50以上1.50以下である。また、ケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する存在比(C/Si)が0.30以上1.50以下である。
 存在比F/Siが0.10より小さいと、表面層との水分との親和性が高すぎるためにトナーへの摩擦帯電付与性が低下し、高温・高湿度(30℃、80%RH)環境下においてカブリが発生する場合がある。一方、低温・低湿度(15℃、10%RH)環境下においては、トナーへの摩擦帯電付与性が高すぎるためにトナーのチャージアップが発生し、地カブリが発生する場合がある。これは、前記存在比F/Siが0.10より小さくなると、表面層の正帯電性が高くなりすぎるために地カブリが発生するものと考えられる。
 また、存在比F/Siが0.50超では、逆に表面層の負帯電性が高くなるためにトナーに適正な帯電量を付与することが困難となり、高温・高湿度環境下において反転カブリが発生する場合がある。
 また、存在比O/Siが0.50より小さいと、表面層の空孔が大きくなるために、弾性層から低分子量物質がブリードアウトするのを防ぐことが困難であり、現像ローラとして使用する際、当接する感光ドラムへの汚染が問題となる場合がある。また、存在比O/Siが1.50超では、SiOxCyFz膜自体が硬く、ヒビ割れが生じやすく、現像ローラとして使用した際、得られた画像にはヒビに起因してスジが発生しやすい。
 また、存在比C/Siが0.30より小さいと、酸化ケイ素の膜と弾性層表面との密着性が低下し、均一かつ適正な表面層を得ることが困難となることがある。また、存在比C/Siが1.50超では膜の表面がタック(粘着)性になりやすく、現像ローラとして使用する際、トナーへの離型性が低下し、フィルミングが発生しやすくなる。なお、表面層中の各元素の存在比率は次のようにして求める。
 軽元素を含む全元素の存在比については、高周波グロー放電発光表面分析法により、グロー放電発光分析装置「GD-PROFILER2型GD-OES」(商品名、株式会社堀場製作所製)を用いて測定を行った。測定条件として、測定モードはパルススパッタ、アノード径(分析面積)は直径4mm、放電電力は35W、Arガス圧は600Paである。
 表面層中に含有されるケイ素原子(Si)、酸素原子(O)、炭素原子(C)、フッ素原子(F)、及び水素原子(H)の存在元素数の合計が全検出元素数に対して90%以上であることが望ましい。表面層中の原子比及び化学結合状態については、X線光電子分光法により、次のようにして求める。X線光電子分光装置「Quantum2000」(商品名、アルバック・ファイ株式会社製)を用い、X線源をAlKαとして、現像ローラの表面層13の表面をSiの2p軌道、O、C、及びFの1s軌道の結合エネルギーに起因するピークを測定する。それぞれのピークから各原子の存在比を算出し、得られた存在比よりF/Si、O/Si及びC/Siを求める。
 表面層(SiOxCyFz膜)を弾性層の上に形成する方法としては、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、リングコートの如き湿式コート法;真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングの如き物理的気相成長(PVD)法;プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDの如き化学的気相成長(CVD)法が例として挙げられる。
 中でも、弾性層と表面層(SiOxCyFz膜)との密着性や処理時間及び処理温度、装置の簡便性、得られる表面層の均一性を考慮すると、プラズマCVD法が好ましい。
 以下に、プラズマCVD法によるSiOxCyFz膜の形成方法の一例を示す。図3は、プラズマCVD法によりSiOxCyFz膜を形成する装置の模式図である。本装置は、真空チャンバ41、平行に置かれた平板電極42、原料ガスボンベ及び原料液体タンク43、原料供給手段44、チャンバ内のガス排気手段45、高周波を供給する高周波供給電源46及び弾性ローラ48を回転するモータ47により構成されている。図3に示した装置を用いて、下記の手順(1)から(4)によりSiOxCyFz膜を表面層として有する現像ローラを製造することができる。
現像ローラを製造する手順としては、手順(1)平板電極42の間に軸芯体上に弾性層が形成された弾性ローラ48を設置し、得られるSiOxCyFz膜が均一となるように、モータ47を駆動させて周方向に回転させる、手順(2)ガス排気手段45により、真空チャンバ41内を真空に引く、手順(3)原料供給手段44より原料ガスを導入し、平板電極42に高周波供給電源46により高周波電力を供給し、プラズマを発生させ、成膜を行う、手順(4)所定時間経過した後、原料ガス及び高周波電力の供給を停止し、真空チャンバ41内に空気又は窒素を大気圧まで導入(リーク)し、弾性ローラ48を取り出す、といった手段である。
 以上のような手順によりSiOxCyFz膜からなる表面層を有する現像ローラを製造することが可能である。なお、プラズマCVD法で作製される弾性ローラ48は、弾性ローラ48を均一なプラズマ雰囲気下に置けるのであれば、多数本を同時に処理してもよい。ここで、原料ガスとして、通常、ガス状の或いはガス状化したケイ素化合物を、必要によりガス状の或いはガス状化した炭化フッ素化合物とともに、不活性ガス、酸化性ガスの如き気体の共存下或いは不存在下に導入する。さらには、ガス状の或いはガス状化したフッ素含有ケイ素化合物を、必要により炭化水素化合物とともに、不活性ガス、酸化性ガスの如き気体の共存下或いは不存在下に導入する。上記炭化水素化合物の例としては、例えば、トルエン、キシレン、メタン、エタン、プロパン、アセチレンが挙げられる。なお、有機ケイ素化合物としては、1、1、3、3-テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが例として挙げられる。これらのうち、取扱いが容易である1、1、3、3-テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシランが好ましい。 
 シラン源としては、有機ケイ素化合物に限定されるものではなく、例えば、テトラフルオロシランのようなシラン、アミノシラン、シラザンも用いることができる。なお、原料物質がガス状であればそのまま使用し、常温で液体であれば加熱し気化させて不活性ガスにより搬送し、あるいは、不活性ガスにてバブリングして搬送して用いる。さらに常温で固体のものでは、加熱して気化させ、不活性ガスにより搬送して用いる。また、原料物質を減圧状態において、気化を促進させても良い。
 また、炭化フッ素化合物としては、四フッ化メタン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、フロロアルキルメタクリレート、トリフルオロエタノール、トリフルオロ酢酸、フルオロブチル酸、トリフルオロプロペン、トリフルオロアセトン、ヘキサフルオロアセトン、トリフルオロメチルベンジルアルコール、トリフルオロメチル安息香酸、トリフルオロメチルベンズルアルデヒド、フルオロベンゼン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタル、トリフルオロエチルアクリレートが例として挙げられる。
 また、フッ素含有ケイ素化合物の具体例としては、フルオロトリメチルシラン、ジフルオロジメチルシラン、メチルトリフルオロシラン、フルオロトリエトキシシラン、1、2-ジフルオロ-1、1、2、2-テトラメチルジシラン、ジフルオロジメトキシシランが挙げられる。
なお、原料が含酸素化合物であるときは、真空チャンバ内に酸素が存在しなくてもSiOxCyFz膜を堆積することが可能である。また、上記原料ガスとともに、真空チャンバ内へ、酸素、酸化力を有するガス(例えば、N2O、CO2)の如き酸化性ガスを導入することも可能である。また、上記で使用できる不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素の如きを挙げることができる。
 SiOxCyFz膜におけるケイ素原子、ケイ素原子及び/または炭素原子に化学結合しているフッ素原子、ケイ素原子に化学結合している酸素原子、及びケイ素原子に化学結合している炭素原子の存在比率は、導入する原料ガスの配合比、供給する高周波電力の如き条件により制御することが可能である。具体的には、炭素含有ケイ素化合物ガス及び/または炭素含有化合物ガスの混合比率を多くすることにより、ケイ素原子に化学結合する炭素原子の存在比率は増加する。炭素含有ケイ素化合物に含まれる炭素数が多くなることにより、ケイ素原子に化学結合する炭素原子の存在比率は増加する。これは、フッ素原子及び/または酸素原子においても同様の現象が見られる。さらには、高周波電力の出力を大きくすることにより、原料ガスを構成する各原子の解離が起こりやすく、ケイ素原子と化学結合する各原子の存在比率が低下する現象も見られる。
このようにして形成されたSiOxCyFz膜の厚さは、15nm以上5000nm以下であることが好ましく、300nm以上3000nm以下であることがより好ましい。膜厚を上記の数値範囲内とすることで、長期の使用にともなう摩耗に対しても実用上十分となる。また、前記したCVD法でSiOxの膜を製造した場合であっても弾性層が過度に昇温し、弾性層の特性が変化してしまうことを有効に抑制できる。
なお、形成されたSiOxCyFz膜の膜厚は、薄膜測定装置(商品名:F20-EXR;FILMETRICS社製)を用いて、現像ローラの長手方向を端部より等間隔に3箇所、かつ周方向に等間隔に3箇所の合計9箇所を測定し、得られた値の平均値である。
 また、本発明における現像ローラは、図4のように、現像ローラを回転させてDC電圧を50V印加させた際に計測される電流値が5μA以上5000μA以下、特には、100μA以上500μA以下であることが好ましい。該電流値を上記数値範囲とすることで、電子写真感光ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像する際、現像に十分な現像バイアスを得やすい。そのため、十分な濃度の電子写真画像を得ることができる。また、電子写真感光ドラムの表面にピンホールが生じた際にもバイアスリークが発生しにくいため、当該ピンホールに起因する横スジの如き画像が電子写真画像に発生することを有効に抑制できる。
 直径40mmのSUS製円筒状電極51に、現像ローラ1の軸芯体露出部に各500gの荷重を加え、該現像ローラ1の外周面を当接させる。この状態で円筒状電極51を回転させ、連れ周りにより、現像ローラ1を周方向に24rpmの速度で回転させる。回転が安定したところで、直流電源52より軸芯体に電圧を印加し、円筒状電極51との間に50Vの電圧をかける。なお、この時の環境は20℃、50%RHとする。その時の電流計53にて電流値を現像ローラ1の1周分計測し、その平均値を求めて、電流値とする。なお、本明細書ではこのようにして計測した電流値を「現像ローラの電流値」という。この現像ローラの電流値を適正かつ均一に制御することは、トナーが移動するための電界強度を適正かつ均一に保つ点で重要である。
 図5は本発明に係るカラー電子写真画像形成装置の断面を示す。イエローY、マゼンダM、シアンC及びブラックBKの色トナー毎に設けられた画像形成部10(10a、10b、10c、10d)をタンデム形式で有している。該画像形成部10は、仕様は各色トナー特性に応じて多少の差異があるものの、基本的構成において同じである。画像形成部10には、矢印方向に回転する潜像担持体としての感光ドラム21が設けられている。その周囲には、感光ドラム21を帯電するための帯電部材26、帯電した感光ドラム21にレーザー光25を照射して静電潜像を形成する露光手段、静電潜像を形成した感光ドラム21にトナーを供給し静電潜像を現像する現像装置22が設けられている。更に、感光ドラム21上のトナー像を、給紙ローラ対37により供給され搬送ベルト34によって搬送される紙の如き記録媒体36の裏面からバイアス電源32を印加して記録媒体36上に転写する転写ローラ31を有する転写部材が設けられている。搬送ベルト34は、駆動ローラ30、従動ローラ35及びテンションローラ33に懸架され、各画像形成部で形成されたトナー像を記録媒体36上に順次重畳して転写するように、画像形成部10と同期して移動して記録媒体36を搬送するよう制御されている。なお、記録媒体36は、搬送ベルト34にさしかかる直前に設けられた吸着ローラ38の働きにより、搬送ベルト34に静電的に吸着されて、搬送されるようになっている。更に、カラー電子写真画像形成装置には、記録媒体36上に重畳転写したトナー像を加熱の如き方法により定着する定着装置29と、画像形成された記録媒体36を装置外に排紙する搬送装置(図示せず)とが設けられている。なお、記録媒体36は剥離装置39の働きにより搬送ベルト34から剥がされて定着装置29に送られるようになっている。一方、画像形成部10には感光ドラム21上の転写されずに残存する転写残トナーを除去し表面をクリーニングするクリーニングブレード28を有するクリーニング部材と、感光ドラム21から掻き取られたトナーを収納する廃トナー容器27とが設けられている。クリーニングされた感光ドラム21は画像形成可能となって待機するようになっている。なお、感光ドラム21、帯電部材26、現像装置22、クリーニングブレード28及び廃トナー容器27を一体として、プロセスカートリッジとすることも可能である。上記画像形成部10に設けられる現像装置22には、トナー23を収容したトナー容器24と、トナー容器24の開口を閉塞するように設置され、トナー容器24から露出した部分で感光ドラム21と対向する現像ローラ1とが設けられている。トナー容器24内には、現像ローラ1に当接し現像ローラ1にトナーを供給するローラ状のトナー塗布部材7と、現像ローラ1に供給したトナーを薄膜状に形成すると共に、摩擦帯電を行うトナー量規制ブレード9とが設けられている。トナー塗布部材7としては、例えば、軸体上に、発泡スポンジ体やポリウレタンフォームを設けたものや、レーヨン又はポリアミドのような繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ1上の残留トナーを除去する点から好ましい。このトナー塗布部材7は現像ローラ1と適切な当接幅を有して配置することが好ましく、また、現像ローラ1に対してその当接部においてカウンター方向に回転することが好ましい。
 図6は、本発明に係るプロセスカートリッジの断面を示す。プロセスカートリッジは、感光ドラム21、感光ドラム21に当接して配置されている帯電部材26、現像装置22、クリーニングブレード28及び廃トナー容器27を具備し、かつ、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されている。現像ローラ1は感光ドラム21及びトナー塗布部材7に接する状態で装着されている。トナー容器24に入れられたトナー23は、トナー塗布部材7によって現像ローラ1に供給することができる。このときその量はトナー量規制ブレード9で調整される。一方、帯電部材26で帯電された感光ドラム21上にレーザー光25により静電潜像が形成され、該静電潜像は、現像ローラ1に担持搬送されたトナー23により顕像化され、トナー像とされる。この感光ドラム21のトナー像は紙の如き記録媒体上に転写される。そして、感光ドラム21上に残ったトナー23は、クリーニングブレード28によって掻き取られ、廃トナー容器27に掻き落とされる構造となっている。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。使用した試薬は、特に明記しない限り、純度99.5%以上のものである。
製造例1(弾性ローラ1の製造)
両末端ビニル基のジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.15質量%)100質量部、充填剤としての石英粉末(商品名:Min-USil;Pennsylvania Glass Sand社製)7質量部、及びカーボンブラック(商品名:デンカブラック、粉状品;電気化学工業株式会社製)10質量部を配合して液状シリコーンゴムのベース材料とした。
 上記ベース材料に、硬化触媒として塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体(0.5質量%)を0.5質量部配合してA液を調製した。また、上記ベース材料に、両末端Si-H基のジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Si原子に結合するH含有量0.30%)を1.5質量部配合してB液を調製した。
 円筒形金型の中心部に、表面をプライマー処理した直径6mm、長さ250mmのSUM材製円柱状軸芯体を配置した。この金型に、上記A液、B液を質量比1:1で混合したものを注入し、温度130℃で20分間、加熱硬化し、さらに温度200℃で4時間ポストキュアーし、長さ240mm、厚み3mmの弾性層を有する弾性ローラ1を得た。
製造例2(弾性ローラ2の製造)
 ポリオレフィン系エラストマー(商品名:サントプレーン8211-25;AESジャパン株式会社製)100質量部、及びMTカーボンブラック(商品名:サーマックスフローフォームN990;CANCAB社製)40質量部を直径30mm、L/D32の2軸押出機を用いて熔融混練し押出して樹脂混合物を調製した。
 次いで、上記樹脂混合物をペレット化した。このペレットを、クロスヘッド押出機を用いて、製造例1と同様の軸芯体(直径6mm、長さ250mm)上に樹脂層を形成した。この樹脂層の端部を切断し、さらに樹脂層部分を回転砥石で研磨し、厚み3mmの弾性層を有する弾性ローラ2を得た。
 製造例3(弾性ローラ3の製造)
エスプレン505(商品名、住友化学社製)100質量部、ダイアナプロセスオイルPW380(商品名:出光興産社製)50質量部、ケッチェンブラックEC-600JD(商品名、ケッチェンブラックインターナショナル社製)4質量部、トーカブラック#4500(商品名、東海カーボン社製)60質量部、ステアリン酸亜鉛2質量部、及び酸化亜鉛10質量部を6リットルニーダーTD6-15MDX(商品名、トーシン社製)にて混練して未加硫ゴム組成物を調製した。次いで、上記未加硫ゴム組成物に架橋剤として硫黄1質量部及び架橋助剤としてメルカプトベンゾチアゾール(MBT)1質量部をオープンロールにて混合し、弾性体の未加硫ゴム組成物を得た。
 得られた弾性体の未加硫ゴム組成物をベント式ゴム押出機(φ50mmベント押出機、L/D=16、EM技研社製)によってチューブ状に押出した。その後、加硫缶を用いた加圧水蒸気により160℃で30分間の一次加硫を行い、外径14mm、内径5.5mm、長さ250mmのゴムチューブを得た。
次いで、製造例1と同様の軸芯体(直径6mm、長さ250mm)上に上記ゴムチューブを圧入し、熱風炉にて160℃で2時間の二次加硫を行った。この加硫後のローラのゴム両端部を突っ切り、ゴム部分を回転研磨機にて研磨加工し、厚み3mmの弾性層を有する弾性ローラ3を得た。
 製造例4(弾性ローラ4の製造)
ポリオレフィン系エラストマー(商品名:サントプレーン8211-25;AESジャパン株式会社製)をLDPE(商品名:ノバテックLD LJ902;日本ポリエチレン株式会社製)に変えた以外は製造例2と同様にして弾性ローラ4を得た。
 製造例5(弾性ローラ5の製造)
ポリオレフィン系エラストマー(商品名:サントプレーン8211-25;AESジャパン株式会社製)をLDPE(商品名:ノバテックLD LJ802;日本ポリエチレン株式会社製)に変えた以外は製造例2と同様にして弾性ローラ5を得た。
 製造例6(弾性ローラ6の製造)
ポリオレフィン系エラストマー(商品名:サントプレーン8211-25;AESジャパン株式会社製)をEVA(商品名:エバフレックス EV45LX;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)に変えた以外は製造例2と同様にして弾性ローラ6を得た。
 (実施例1)
 弾性ローラ1を図3に示したプラズマCVD装置内に設置した。その後、真空ポンプを用いて真空チャンバ内を1Paまで減圧にした。その後、原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、トリフルオロエタノール蒸気10sccmの混合ガスを真空チャンバ内に導入し、真空チャンバ内の圧力を7Paとした。圧力が一定になった後、高周波電源より、周波数13.56MHz、70Wの電力を平板電極に供給し、電極間にプラズマを発生させた。真空チャンバ内に設置した弾性ローラ1を24rpmで回転させて、300秒間処理した。処理終了後電力供給を停止し、真空チャンバ内に残留している原料ガスを排気し、空気を真空チャンバ内に大気圧になるまで導入した。その後、表面層が形成された現像ローラを取り出した。
 得られた現像ローラの表面を、X線光電子分光装置で、存在比F/Si、O/Si及び存在比C/Siを求めたところ、それぞれ0.30、1.00、0.90であった。
 また、現像ローラの表面層の膜厚を、薄膜測定装置(商品名:F20-EXR;FILMETRICS社製)を用いて測定したところ、膜厚は500nmであった。なお、測定は現像ローラの長手方向に等分された3箇所、かつ周方向に等分された3箇所の合計9箇所で行い、得られた値の平均値を膜厚とした。
 さらに、温度20℃、湿度50%RH環境下において、50Vの電圧を印加させて、24rpmの速度で回転させながら測定した現像ローラの電流値は、200μAであった。
 この現像ローラから図2に従って作製した長さ100mmのローラ半周分の試験片を用いて測定した表面層を有する弾性層(以下、「弾性層+表面層」という)の引張弾性率は1.0MPaであった。なお、引張弾性率は、測定を5サンプルについて、万能引張試験機(商品名:テンシロンRTC-1250A;株式会社オリエンテック製)にて、温度20℃、湿度60%RHの測定環境で行い、その平均値とした。
 (実施例2)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素200sccm及びトリフルオロエタノール蒸気10sccmとし、真空チャンバ内の圧力を40Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例3)
 弾性ローラ2を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、テトラフルオロシラン10sccmとし、真空チャンバ内の圧力を6Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例4)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素100sccm、及びトリフルオロエタノール蒸気10sccmとし、真空チャンバ内の圧力を25Paとした。また、高周波電源の電力を100Wに設定し、処理時間を150秒とした。それ以外は、実施例3と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例5)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、テトラフルオロシラン10sccm、及びトリフルオロエタノール蒸気10sccmとし、真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、処理時間を500秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例6)
 弾性ローラ4を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、トリフルオロエタノール蒸気20sccmとし、真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、高周波電源の電力を30Wに設定し、処理時間を150秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例7)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、テトラフルオロシラン10sccm及びトリフルオロエタノール蒸気20sccmとし真空チャンバ内の圧力を10Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例8)
 弾性ローラ4を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素100sccm及びトリフルオロエタノール蒸気20sccmとし真空チャンバ内の圧力を28Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例9)
 弾性ローラ3を用いた。高周波電源の電力を30Wに設定し、処理時間を500秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例10)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において処理時間を600秒とした以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例11)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素100sccm、及びトリフルオロエタノール蒸気20sccmとし真空チャンバ内の圧力を28Paとした。また、高周波電源の電力を100Wに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例12)
 弾性ローラ2を用いた。原料ガスの組成をフルオロトリエトキシシラン蒸気20sccmとし真空チャンバ内の圧力を6Paとした。また、高周波電源の電力を30Wに設定し、処理時間を150秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例13)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をテトラフルオロシラン10sccm、トリフルオロエタノール蒸気10sccmとし真空チャンバ内の圧力を6Paとした。また、処理時間を600秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例14)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気30sccm、酸素200sccm、及び六フッ化プロピレン10sccmとし真空チャンバ内の圧力を42Paとした。また、処理時間を600秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例15)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素200sccm、及びトリフルオロエタノール蒸気10sccmとし真空チャンバ内の圧力を42Paとした。また、処理時間を600秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例16)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、トリフルオロエタノール蒸気20sccmとし真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、高周波電源の電力を30Wに設定し、処理時間を150秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例17)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をフルオロトリエトキシシラン蒸気10sccmとし真空チャンバ内の圧力を4Paとした。また、処理時間を150秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例18)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気30sccm、酸素200sccm及び六フッ化プロピレン20sccmとし真空チャンバ内の圧力を48Paとした。また、処理時間を500秒とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例19)
 弾性ローラ6を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をフルオロトリエトキシシラン蒸気10sccmとし真空チャンバ内の圧力を5Paとした。また、高周波電源の電力を150Wに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例20)
 弾性ローラ5を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をフルオロトリエトキシシラン蒸気20sccmとし真空チャンバ内の圧力を6Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (実施例21)
 弾性ローラ4を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をテトラフルオロシラン10sccm、トリフルオロエタノール20sccmとし真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、高周波電源の電力を100Wに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (比較例1)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をテトラフルオロシラン20sccm、トリフルオロエタノール10sccmとし真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、高周波電源の電力を100Wに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (比較例2)
 弾性ローラ3を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素100sccm、及びトリフルオロエタノール5sccmとし真空チャンバ内の圧力を25Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (比較例3)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、酸素200sccm、及びトリフルオロエタノール20sccmとし真空チャンバ内の圧力を42Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (比較例4)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、テトラフルオロシラン10sccm、及びトリフルオロエタノール10sccmとし真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、高周波電源の電力を30Wに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (比較例5)
 弾性ローラ4を用いた。表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、テトラフルオロシラン10sccm、及び酸素100sccmとし真空チャンバ内の圧力を25Paとした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 (比較例6)
 表面層の形成において、原料ガスの組成をヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、トリフルオロエタノール30sccmとし真空チャンバ内の圧力を8Paとした。また、高周波電源の電力を30Wに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。
 得られた各実施例および各比較例の現像ローラについて実施例1と同様に解析した。その結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
<評価1>
 上記実施例及び比較例で得られた現像ローラについて、下記の評価項目(1)から(6)について評価した。評価結果を表2に示す。なお、評価には、レーザープリンタ(商品名:HP Color Laser Jet CP3505dn、ヒューレット・パッカード社製)を用いた。このレーザープリンタはA4用紙縦出力用であり、記録メディアの出力スピードが21ppm、画像の解像度が3600dpiである。また、現像ローラのトナー量規制ブレードへの当接圧力及び進入量は、現像ローラ上のトナー担持量が0.35mg/cm2となるようにした。 
 (1)高温・高湿環境下におけるカブリ、及び(2)低温・低湿環境下におけるカブリに関し、各実施例及び比較例に係る現像ローラの各々を、上記のレーザープリンタのカートリッジに現像ローラとして組み込んだ。このカートリッジを上記のレーザープリンタに装填し、温度30℃、湿度80%RHの環境下及び温度15℃、湿度10%RHの環境下それぞれで電子写真画像を出力した。具体的には、ブラックトナーを用いて1%印字物を1万枚出力し、次いでベタ黒、ベタ白画像及びハーフトーン画像をそれぞれ1枚ずつ出力した。尚、ハーフトーン画像は、濃度計(商品名:マクベスカラーチェッカーRD-1255;マクベス株式会社製)を用いた測定による濃度が0.7のものである。当該ベタ白画像について、フォトボルト反射濃度計(商品名:TC-6DS/A;東京電色株式会社製)で反射濃度を測定し、未印字部分との差をカブリ(%)とし 以下の基準で評価した。
A:1.5%未満。
B:1.5%以上3.0%未満。
C:3.0%以上。
 (3)表面層のヒビ割れに由来する画像欠陥の有無、及びその程度の評価に関し、上記(1)の評価に供したベタ黒画像及びハーフトーン画像について、表面層のヒビ割れに由来する画像欠陥を、「なし」:当該画像に現像ローラの表面層のヒビ割れに起因するスジの発生が認められない、「軽微」:当該画像に現像ローラの表面層のヒビ割れに起因するスジが認められるものの、実用上問題がない、「あり」:当該画像に現像ローラの表面層のヒビ割れに起因するスジが認められる、の基準に基づき評価した。
 (4)フィルミングに関し、上記(1)の評価に供した画像の出力後の現像ローラの表面を顕微鏡(商品名:デジタルマイクロスコープVH-8000;キーエンス社製)にて観察した。そして、フィルミングの有無、並びに上記(1)の評価に供した画像におけるフィルミング由来の画像欠陥の有無を以下の基準で評価した。
A:現像ローラ上にフィルミングなし。
B:現像ローラ上に軽微にトナーのフィルミングが発生しているものの、評価画像には当該フィルミングに起因する画像欠陥が認められない。
C:現像ローラ上へのトナーのフィルミングが発生しており、評価画像に当該フィルミングに起因する画像欠陥が認められる。
 (5)染み出しに関し、本発明に係る表面層による現像ローラの弾性層からの低分子量物質の染み出しの抑制効果を以下のようにして試験した。すなわち、各実施例並びに比較例に係る新品の現像ローラをプロセスカートリッジに組み込み、トナー量規制ブレード及び感光ドラムと当接させたまま40℃、95%RHの環境下で30日間放置した。その後、放置後のプロセスカートリッジをレーザープリンタに組み込み、ベタ黒画像及びハーフトーン画像を出力した。当該画像を目視にて観察し、弾性層からの染み出し物が感光ドラムへ付着したことによる電子写真画像への不具合の発生の有無及びその程度を、なし:染み出し物の付着による画像の不具合はない、軽微:染み出し物の付着による画像の不具合はわずかに認められるものの、実用上問題がない、あり:染み出し物の付着による画像の不具合が観察される、の基準に基づき評価した。
 (6)表面層の耐久性に関し、上記(1)の評価に供した画像の出力後の現像ローラの表面を顕微鏡(商品名:デジタルマイクロスコープVH-8000;キーエンス社製)にて観察した。表面層の剥離が見られるか否かを確認し、なし:表面層の剥離が認められない、軽微:表面層の剥離が認められるものの、評価画像にはその影響が認められない、あり:表面層の剥離が認められ、評価画像にその影響が認められる、の基準で判断した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
なお、表2の*に関し、比較例5は評価(1)のための画像出力の途中において表面層が剥離したため、全ての項目について評価を行なわなかった。
 表2に示したように、評価項目(1)及び(2)の結果から、本発明に係る現像ローラは、高温・高湿環境下及び低温・低湿環境下において、優れた画像性能を有することが分った。また、評価項目(3)の結果から、本発明に係る現像ローラは、十分な可撓性を備えていることが分った。また、評価項目(4)の結果から、トナー離型性に優れた表面を有することが分った。更に、評価項目(5)の結果から、本発明に係る現像ローラは、弾性層からの低分子量成分の染み出しを有効に抑制できることが分った。更にまた、評価項目(6)の結果から、本発明に係る現像ローラの表面層と弾性層との密着性に優れていることが分かった。
 <評価2>
次に、実施例1から21に係る各現像ローラについて、更に、下記の評価項目(7)から(11)について評価した。
 (7)濃度ムラに関し、上記評価項目(1)において出力したベタ黒画像及びハーフトーン画像について、濃度ムラを目視により観察し、以下の基準で評価した。なお、濃度ムラは、一般に、ハーフトーン画像で最も見やすく、ベタ黒画像では比較的見やすい。
A:いずれの画像でも肉眼では確認されず良好。
B:ハーフトーン画像に濃度ムラが見られ、ベタ黒画像には濃度ムラは見られない。
C:いずれの画像でも濃度ムラが見られる。
 (8)ブレード融着スジに関し、上記評価項目(1)において出力したベタ黒画像及びハーフトーン画像について、トナー量規制ブレードに発生したトナー融着に起因するスジの発生状況を目視により観察し、以下の基準で評価した。なお、スジは、一般に、ベタ黒画像で最も見やすく、ハーフトーン画像では比較的見やすい。
A:いずれの画像でも肉眼では確認されず良好。
B:ベタ黒画像に濃度ムラが見られ、ハーフトーン画像には濃度ムラは見られない。
C:いずれの画像でも濃度ムラが見られる。
 (9)セット性に関し、現像ローラがトナー量規制ブレードと当接していることによるセット性を下記のようにして試験した。すなわち、各実施例に係る新品の現像ローラをプロセスカートリッジに組み込み、トナー量規制ブレードと当接させたまま40℃、95%RHの環境下で30日間放置した。その後、放置後のプロセスカートリッジをレーザープリンタに組み込み、ベタ黒画像及びハーフトーン画像を出力した。当該画像を目視にて観察し、トナー量規制ブレード当接跡による横スジの発生の有無、及びその程度を以下の基準に基づき評価した。
なし:当接跡に基づく横スジが認められない。
軽微:当接跡に基づく横スジはわずかに認められるものの、実用上問題がない。
あり:当接跡に基づく横スジが認められる。
 (10)リーク画像に関し、上記評価項目(1)において出力したベタ黒画像及びハーフトーン画像について、感光ドラムの周期で発生する横スジの発生の有無およびその程度を目視により観察した。そして、以下の基準で評価した。
なし:横スジの発生が認められない。
軽微:横スジの発生がわずかに認められるものの実用上問題が無い。
あり:横スジの発生が認められる。
 (11)画像濃度に関し、上記評価項目(1)において温度30℃、湿度80%RHの環境下及び温度15℃、湿度10%RHの環境下で出力したベタ黒画像を濃度計(商品名:マクベスカラーチェッカーRD-1255;マクベス株式会社製)を用いて測定し、以下の基準にて評価した。
A:いずれも1.3以上1.6未満である。
B:一方が1.3以上1.6未満であるが、他方が1.3未満又は1.6以上である。C:いずれも1.3未満又は1.6以上である。
上記評価項目(7)から(11)の結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 この出願は2009年9月16日に出願された日本国特許出願第2009―214438からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
 
1    現像ローラ
11   軸芯体
12   弾性層
13   表面層

Claims (7)

  1. トナーを担持搬送し、感光ドラムの静電潜像をトナーで現像するための現像ローラであって、軸芯体、弾性層及び表面層をこの順に有し、
    該表面層は、少なくとも、ケイ素原子と化学結合している炭素原子と、ケイ素原子と化学結合している酸素原子と、ケイ素原子及び/または炭素原子と化学結合しているフッ素原子とを含む酸化ケイ素膜からなり、
    該酸化ケイ素膜は、
    フッ素原子のケイ素原子に対する存在比(F/Si)が0.10以上0.50以下であり、
    ケイ素原子と化学結合を形成している酸素原子のケイ素原子に対する存在比(O/Si)が0.50以上1.50以下であり、かつ、
    ケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する存在比(C/Si)が0.30以上1.50以下であることを特徴とする現像ローラ。
  2.  前記表面層の膜厚が15nm以上5000nm以下である請求項1に記載の現像ローラ。
  3.  前記表面層の膜厚が300nm以上3000nm以下である請求項2に記載の現像ローラ。
  4.  前記表面層を有する前記弾性層の引張弾性率が1.0MPa以上100.0MPa以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  5.  回転している現像ローラに50Vの電圧を印加させた際に計測される電流値が5μA以上5000μA以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  6. 感光ドラムと、該感光ドラムに当接して配置されている現像ローラとを具備し、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されているプロセスカートリッジにおいて、
    該現像ローラが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像ローラであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7.  感光ドラム及び該感光ドラムに当接して配置されている現像ローラを有する電子写真画像形成装置であって、該現像ローラが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
     
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